JPH0588347A - レチクル及びその製造方法 - Google Patents

レチクル及びその製造方法

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JPH0588347A
JPH0588347A JP14511491A JP14511491A JPH0588347A JP H0588347 A JPH0588347 A JP H0588347A JP 14511491 A JP14511491 A JP 14511491A JP 14511491 A JP14511491 A JP 14511491A JP H0588347 A JPH0588347 A JP H0588347A
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JP14511491A
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Kenji Nakagawa
健二 中川
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Fujitsu Ltd
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Fujitsu Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、位相シフトレチクルに関し、位相シ
フタの欠陥の修復が容易な位相シフトレチクルとその製
造方法を提供することを目的とする。 【構成】光透過領域を、光の入射方向に略垂直な第1表
面を有する第1の透過領域と、第1表面に略平行かつ第
1表面とは高さが異なる第2表面を有する第2の透過領
域と、第1表面に略平行かつ第1および第2表面とは高
さが異なる第3表面を有する第3の透過領域とを具備す
るように形成し、そして、第1の透過領域を透過する第
1の光は、第2の透過領域を透過する第2の光とはその
位相を異にし、かつ、第3の透過領域を透過する第3の
光とは実質的に同一の位相となるように形成して構成す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、レチクルに係り、特に
位相シフト領域を有するレチクルとその製造方法に関す
るものである。
【0002】半導体装置の高集積化の進行に伴い、半導
体装置を構成する素子の微細化がはかられ、最小部分の
寸法が0.5μm以下のものが試作されるにいたってい
る。かかる微細なパタ−ンを形成するために、フォトリ
ソグラフィ−の工程で、透明基板上に遮光膜パタ−ンを
形成したレチクルを用い、このレチクルのパタ−ンを基
板上に投影露光することが広くおこなわれている。
【0003】パタ−ンの微細化に伴い、遮光膜の縁での
光の回折によって生ずる光の回り込みが解像度に与える
影響が無視できなくなってきた。そこで、光の干渉を利
用して基板上に微細なパタ−ンをより鮮明に投影すべ
く、レチクルの遮光膜パタ−ンに隣接する透過領域に透
明部材を被着形成するなどして、レチクルの透過領域を
透過する光に位相差を導入する位相シフタを設けること
が提案されている。
【0004】
【従来の技術】図7(a)は、従来の位相シフトレチク
ルの一例を示す図で、図において、1は低膨張ガラスや
石英からなる透明基板、2はクロムもしくは酸化クロム
等からなる遮光膜、3は二酸化シリコンなどからなる位
相シフタ、20および30はそれぞれレチクルの透過領
域を透過する光を示している。
【0005】さて、このレチクルに図に示したごとく、
光20および30がレチクルの下側から入射すると、位
相シフタ3のない部分を透過する光20と位相シフタの
ある部分を透過する光30との間には、光の波長λと位
相シフタ3を構成する材料の屈折率nおよび厚さtで定
まる位相差が生ずる。例えば略180度(π)の位相差
をつけると、遮光膜パタ−ン2の両側のエッジでの光の
回折により本来遮光されるべきパタ−ンの内側に光がま
わりこんできても、その両側からきた光が互いに打ち消
し合うようになるので、遮光膜パタ−ン2の形状がより
鮮明に投影されることになる。
【0006】図7(b)は、従来の別の位相シフトレチ
クルを示す図である。この位相シフトレチクルが図7
(a)のそれと大きく異なるのは、位相シフタ3が透明
基板に一定の深さに堀りこんだ溝状凹部で形成されてい
る点である。この構成では、レチクルを透過する光20
と光30との間には、位相シフタの凹部の深さに等しい
厚さdの透明基板の有無に相当する位相差がつくので、
この位相差を調整することにより、図7(a)の位相シ
フトレチクルと全く同様の効果を得ることができる。
【0007】さて、かかる位相シフトレチクルを用いる
ことにより、微細なパタ−ンを鮮明に投影することがで
きるのであるが、このような位相シフトレチクルを構成
する遮光膜や位相シフタ自身にその欠落や逆に不要な部
分への形成などの欠陥があると当然のこととしてその欠
陥のあるパタ−ンが投影されてしまうので、レチクルを
製造する際に、かかる欠陥部を修復する必要がある。
【0008】位相シフトレチクルの欠陥には種々のもの
があるが、主なものは、 不要遮光膜の形成 遮光膜の欠落 不要シフタの形成 シフタの欠落 の4種の欠陥である。
【0009】図8(a)は、図7(a)の構造の凸状の
シフタを有する位相シフトレチクルにおいて、遮光膜2
に接して不要遮光膜2aが形成され、また、遮光膜2の
一部が欠落し欠落部2bが生じてできた欠陥を示す図で
ある。
【0010】図8(b)は、レチクルの光透過領域に不
要シフタ3aが形成された例を示す図である。なお、位
相シフトレチクルが図7(a)のごとき凸状のシフタを
有する場合は、この不要シフタ3aは透明基板上に透明
部材が付着するなどした凸状の欠陥となり、また、レチ
クルが図7(b)のごとき凹状の位相シフタを有するも
のの場合は、基板の対応する部分が除去されて凹状の欠
陥が形成される。
【0011】図8(c)は、レチクルの凸状の位相シフ
タ3の一部が欠落してシフタ欠落部3bが形成された欠
陥の一例を示す図である。従来、レチクルの欠陥部分の
修復には、局部的なエッチングおよび局部的堆積が可能
ないわゆるFocused Ion Beam(FIB)装置が広く用い
られている。FIB装置の概略構成を図9に示す。なお
図において、装置を構成する真空排気可能な容器は省略
してある。イオン銃6から射出した例えばガリウム(G
a)イオン等のイオンをコンデンサレンズ7で収斂し、
このイオンビ−ムのオン・オフを制御するブランキング
電極8およびブランキングアパ−チャ9を通した後対物
レンズ10と偏向レンズ11とにより、XYテ−ブル1
5上に載置した被処理物14面上の所定の位置に、集束
したイオンビ−ムを照射するように構成されており、こ
のイオンビ−ムによって約0.1μm程度の精度で被処
理物14を局部的にエッチングすることが可能である。
【0012】二次イオン検出器12は、イオンビ−ム照
射によって被処理物14から発生する二次イオンを検出
するもので、二次イオンの変化からエッチングの終点を
決定したり、また、イオンビ−ムの走査と組み合わせて
被処理物14のイオン照射面の二次イオン像が得られる
ようになっている。また、ガス銃13は、必要に応じて
FIB装置内にガスを導入するためのもので、ここから
例えばタングステン・ヘキサカルボニル(W(C
O)6 )等の堆積性ガスを導入しつつイオンビ−ムを照
射することにより、被処理物14上にタングステン
(W)等の堆積物を選択的に被着形成できるようになっ
ている。
【0013】さて、前記のレチクルの欠陥のうち、位相
シフタを形成する前に上記の不要遮光膜の形成や遮
光膜の欠落による欠陥が発見された場合は、上記のFI
B装置を用いることにより、比較的容易に修復すること
ができる。
【0014】即ち、形成された不要遮光膜2aは、FI
B装置でイオンビ−ムを照射してスパッタエッチングす
ることにより容易にこれを除去することができ、また、
遮光膜の欠落部2bの修復は、例えば、FIB装置にタ
ングステン・ヘキサカルボニル(W(CO)6 )等のガ
スを導入した状態でイオンビ−ムを照射して、前記欠落
部2bの部分に局部的にタングステン(W)等を堆積さ
せることにより、容易に行うことができる。
【0015】また、図8(b)に示すがごとき不要な部
分に被着形成された不要凸状シフタの除去も、上記のF
IB装置を用いイオンビ−ム照射してエッチングするこ
とにより容易に行うことができる。
【0016】図8(c)に示すような凸状シフタ3に欠
落部3bが生じた場合や、図7(b)の構造のレチクル
の凹状シフタ3が不要な部分に形成されてしまった場合
は、これを修復するためにシフタ3もしくは透明基板1
とそれぞれ同じ透明材料を局部的に被着形成する必要が
ある。シフタ3または透明基板1が二酸化シリコン(S
iO2 )からなるi線ステッパ−用レチクルの場合、シ
フタ3の厚さまたは深さは約3900Åであるが、局所
的にこれだけの厚さの二酸化シリコンを均一に被着形成
することは、FIB装置をもってしても極めて困難であ
る。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】上記したごとく、従来
の位相シフトレチクルにおいては、位相シフタの欠陥の
修復が困難なため製造歩留りが極めて低いという問題点
があり、これが位相シフトレチクルを実用化する上での
大きなネックになっていた。
【0018】本発明は、かかる従来の位相シフトレチク
ルの有する問題点を解消すべく創作されたもので、不要
遮光膜の形成、遮光膜の欠落および不要シフタの被着形
成による欠陥のみならず凸状シフタの欠落部や不要凹状
シフタの形成等のシフタの欠陥の修復をも容易に可能な
らしむる位相シフトレチクルとその製造方法を提供する
ことをその目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明の第1のレチクル
は、透明基板上に形成された遮光膜によって画定されて
なる光透過領域を有し、該光透過領域は、光の入射方向
に略垂直な第1表面を有する第1の透過領域と、第1表
面に略平行かつ第1表面とは高さが異なる第2表面を有
する第2の透過領域と、第1表面に略平行かつ第1およ
び第2表面とは高さが異なる第3表面を有する第3の透
過領域を具備してなり、第1の透過領域を透過する第1
の光は、第2の透過領域を透過する第2の光とはその位
相を異にし、かつ、第3の透過領域を透過する第3の光
とは実質的に同一の位相となるように構成する。
【0020】また、本発明の第2のレチクルは、上記第
1のレチクルの、第2の透過領域が第1の透過領域に対
して凸状に形成され、かつ、第3の透過領域が第1の透
過領域に対して凹状に形成されてなる構成を採用した。
【0021】更に、本発明の第3のレチクルは、上記第
1のレチクルの、第2の透過領域と第3の透過領域とが
ともに第1の透過領域に対して凹状に形成されてなる構
成を採用した。
【0022】そして、本発明にかかるレチクルを製造す
るに際し、その第1の製造方法は、透明基板上に遮光膜
を選択的に被着形成して、レチクルの光透過領域を画定
する工程と、光透過領域の透明基板上に透明膜を選択的
に被着形成して、光透過領域を構成する第1の透過領域
と第2の透過領域を形成する工程と、光透過領域の透明
基板を選択的に除去して、光透過領域を構成する第3の
透過領域を形成する工程とを含むように構成する。
【0023】また、その第2の製造方法として、透明基
板上に透明膜を被着形成する工程と、該透明膜上に遮光
膜を選択的に被着形成して、レチクルの光透過領域を画
定する工程と、光透過領域内の該透明膜を選択的に除去
して、光透過領域を構成する第1の透過領域と第2の透
過領域を形成する工程と、光透過領域の透明基板を選択
的に除去して、光透過領域を構成する第3の透過領域を
形成する工程とを含む構成を採用した。
【0024】更に、その第3の製造方法として、透明基
板上に遮光膜を選択的に被着形成して、レチクルの光透
過領域を画定する工程と、光透過領域の透明基板を選択
的に第1の深さに除去して、光透過領域を構成する第1
の透過領域と第2の透過領域を形成する工程と、光透過
領域の透明基板を選択的に第2の深さに除去して、光透
過領域を構成すする第3の透過領域を形成する工程とを
含む構成を採用した。
【0025】加えて、上記の製造方法において、光透過
領域の透明基板を選択的に除去するに際し、透明基板を
構成する材料と反応して揮発性生成物を形成する元素を
含むガス雰囲気中で、該透明基板に荷電粒子を照射する
よう構成する。
【0026】
【作用】図1(a)〜(b)は、本発明の位相シフトレ
チクルの構成を示す図で、図において、1は透明基板、
2は遮光膜、3は位相シフタ、3′は第2の位相シフタ
を構成する凹部、5は第2の凹部である。
【0027】本発明の位相シフトレチクルにおいては、
位相シフタ等の光透過領域の一部をその底面が光透過領
域の他の部分の表面より低くなるように透明基板に堀り
込んだ凹部で形成し、その凹部の深さを透過光に対し光
透過領域の他の部分と実質的に同一の位相差をもたせる
ようにしているので、その製造の過程で凸状位相シフタ
の欠落部を生じた場合でも、そのシフタの欠落部の透明
基板をFIB装置等を用いて上記光透過領域の一部を構
成する凹部と同じ深さまで堀り込むことにより、その欠
落部にシフタと同じ材質を均一な厚さに堆積させたのと
同一の効果が得られるので、容易に位相シフタの欠陥の
修復をすることができる。
【0028】また、製造の過程で透明基板に不要シフタ
等にあたる凹部が形成された場合でも、その凹部の部分
の透明基板をFIB装置等を用いて、他の部分と実質的
に同一の位相差を生ずる深さにいたるまで更に堀り込む
ことにより、光に対してかかる凹部がなかったのと同一
の状態にすることができ、凹部を基板と同じ材質で埋め
たのと全く同一の効果が得られるので、容易にその欠陥
を修復することができる。
【0029】さらに、FIB装置等を用いて透明基板等
を選択的に除去して凹部を形成する際に、除去すべき透
明基板やシフタを構成する材料と反応して揮発性生成物
を形成するガスを用いるので、エッチング中にスパッタ
された部材が凹部の側面に再付着してその形状が劣化す
ることもないので、微細なパタ−ンを有するレチクルを
再現性よく形成することができる。
【0030】
【実施例】
(第1実施例)透明基板上に透明膜を被着形成してなる
位相シフト領域を有する水銀のi線用レチクルで、凸状
位相シフタの欠落部を修複して、本発明の位相シフトレ
チクルを製造する例につき、図を参照しつつ以下に詳し
く説明する。
【0031】図2(a)〜(b)は、本発明の第1実施
例の位相シフトレチクルの製造工程説明図である。この
図において、1は透明基板、2は遮光膜、3は第1の位
相シフタ、3aは第1の位相シフタの欠落部,3 ′は第
2の位相シフタである。 第1工程(図2(a)参照) まず、両面鏡面研磨した透明石英もしくは低膨張ガラス
からなる透明基板1上に、クロム(Cr)もしくは酸化
クロム(Crx y )など遮光膜を形成すべき膜をを公
知のスパッタリング法などにより被着形成する。なお、
この膜の形成に先立って、位相シフタをパタ−ニングす
る際にエッチングストッパ−として働く窒化シリコン膜
等を被着形成しておくこともある。
【0032】このあと、このCr膜等の上に例えば電子
線レジスト膜を塗布形成しついで電子線露光装置により
所望のパタ−ンを描画し、現像して、レジストマスクを
形成する。しかる後、公知の反応性イオンエッチング
(RIE)法を用いて、マスクに覆われていない部分の
Cr等を除去して、遮光膜2を形成する。
【0033】ついで、公知の手法により、二酸化シリコ
ン膜を例えば厚さ約3900Å被着形成する。この厚さ
は、i線に対して180度すなわちπだけ位相をずらす
ように設定したものであるが、使用する光の波長とシフ
トさせる位相の量に応じて適宜設定すべきものであるこ
とは言うまでもない。
【0034】その後、公知のフォトリソグラフィの手法
で位相シフタを形成すべき領域をおおうレジストマスク
を形成し、RIE法などにより不要部分の二酸化シリコ
ン膜を除去して、第1の位相3シフタを形成する。ここ
までは、基本的には従来の位相シフタの製造方法と変わ
らない。
【0035】さて、ここで第1の位相シフタに欠落部3
bがあったとする。先にも述べたように、この部分に二
酸化シリコン膜を選択的に形成して、二酸化シリコン膜
からなる一体化された位相シフタを形成することは、極
めて困難である。本実施例では、以下に述べるごとく、
第1の位相シフタの欠落部3bの透明基板を逆にエッチ
ング除去して第2の位相シフタ3′を形成することによ
り、この部分に二酸化シリコン膜を選択的に形成したの
と全く同一の効果を得ることができる。 第2工程(図2(b)参照) このために、第1の位相3シフタを形成した透明基板
を、図9に示すがごときFIB装置にセットし、ガス銃
13から例えば三弗化窒素(NF3 )を吹きつけるよう
にした状態で、第1の位相シフタの欠落部3bに選択的
にGaイオンを照射して、その部分の透明基板を選択的
に除去し、その側面が略垂直でかつその底面がシフタの
形成されてない部分の透明基板面および第1のシフタの
表面と略平行な平面をなすような凹部を形成し、第2の
位相シフタ3′を形成すると、図2(b)に示すがごと
き位相シフトレチクルが完成する。
【0036】この第2のシフタを構成する凹部の深さd
は、 (nd/λ)−(d/λ)=(1+2m)/2 ・・・・・(1) 又は、 d=λ(1+2m)/2(n−1) ・・・・・(2) で与えられる。ここで、nは透明基板の屈折率、λはレ
チクルに入射する光の波長、mは0,1,2,・・・の
整数である。
【0037】このようにすると、この第2の位相シフタ
3′を透過した光は第1の位相シフタ3を透過した光と
位相が同一になるため、光に対してあたかも欠落部3b
がなかったのと同等になり、第1の位相シフタの欠落部
3bに第1のシフタと同じ材料である二酸化シリコン膜
を選択的に形成して、一体化された第1の位相シフタを
形成したのと全く同じ効果を得ることができる。
【0038】ところで、第1の位相シフタ3と第2の位
相シフタ3′との間の側面が傾斜していたり、側面に遮
光性の堆積物が形成されていたりすると、この部分で光
が反射されたり吸収されたりして第1の位相シフタと第
2の位相シフタとが一体化された一つの位相シフタとし
て機能する上で不都合が生ずるので、第2の位相シフタ
を構成する凹部の側面、特にその第1の位相シフタの境
界をなす側面はできるだけ垂直(入射光に対しては平
行)であることが好ましい。
【0039】本実施例では、この凹部を形成するにあた
り、三弗化窒素(NF3 )を導入した状態でGaイオン
を照射することにより、基板を構成するシリコン(S
i)を揮発性生成物であるSiF4 の形にしてエッチン
グ除去するようにしたので、その側面に付着物を生成す
ることなく垂直な側面を有する凹部を再現性良く形成す
ることが出来た。
【0040】図3(a)〜(b)は、本実施例における
凹部形成のエッチングの機構を説明する図である。エッ
チングにGaイオンの照射だけによるスパッタエッチン
グを用いると、図3(a)に示したごとく、凹部の側面
にはスパッタされたSiO2 等の側面への再付着などに
より堆積物40が形成される。
【0041】一方、本実施例のごとくNF3 を供給しつ
つGaイオンの照射を行うと、図3(b)のごとく、基
板を構成するSiはイオン照射によってNF3 が分解し
て生じた弗素(F)と反応して揮発性生成物であるSi
4 として除去されるので、側面に堆積物が形成される
ことはない。この方法により、最小部分の幅が0.2μ
m 程度で深さが0.4μm 程度の微細な凹部をその側面
が略垂直でかつ底面が平坦になるように形成することが
できる。
【0042】本実施例では、NF3 を用いたが、これに
かえて基板を構成する材料と反応して揮発性生成物を形
成する元素を含むガスを用いると同様の効果を得ること
ができる。かかるガスとしては、四弗化炭素(C
4 )、六弗化イオウ(SF6 )、弗化水素(HF)、
弗素(F2)、塩素(Cl2 )などを用いることができ
る。 (第2実施例)透明基板上に透明膜を被着形成してなる
凸状位相シフト領域を有する水銀のi線用レチクルで、
凸状位相シフタ形成後に発見された遮光膜の欠陥を修複
して、本発明の位相シフトレチクルを製造する例につ
き、図4を参照しつつ以下に詳しく説明する。
【0043】図4(a)〜(d)は、本発明の第2実施
例の位相シフトレチクルの製造工程説明図である。図に
おいて、図1〜2と同一もしくはそれに対応する部分に
は同一符号を付してある。
【0044】第1工程(図4(a)参照) 先にのべた第1実施例の第1工程と同一の工程で、石英
からなる透明基板1上にCr膜からなる遮光膜2および
二酸化シリコン膜からなる凸状位相シフタ3を形成す
る。なお、図において2aは不要部に形成された不要遮
光膜、2bは遮光膜の欠落部を示している。さて、凸状
位相シフタ3を形成後に発見されたかかる遮光膜の欠陥
部の修復は以下のごとく行う。 第2工程(図4(b)参照) 基板をFIB装置内にセットし、第1の実施例の第2工
程と同一の条件でGaイオンを照射して、不要遮光膜2
aおよび遮光膜の欠落部2bの上に形成さた二酸化シリ
コン膜と不要遮光膜2aを除去し、透明基板を露出させ
る。この段階で基板はちょうど第1実施例で位相シフタ
の欠落が生じた状態に相当する状態になっている。 第3工程(図4(c)参照) ついで、FIB装置にNF3 にかえてタングステン・ヘ
キサカルボニル(W(CO)6 )等のガスを導入し、こ
の状態で遮光膜の欠落部2bの部分にGaイオンビ−ム
を照射して、前記欠落部2bの部分と隣接する遮光膜上
に局部的にタングステン(W)膜4を500〜600Å
堆積させる。 第4工程(図4(d)参照) さて、不要遮光膜2aを除去した部分は、この除去の過
程で本来そこにあるべき位相シフタをも除去されてい
る。この部分の修復は、位相シフタの欠落部がある場合
と全く同様のやり方で行う。即ち、第1実施例と全く同
じやり方でFIB装置を用いて透明基板1をエッチング
除去し凹部からなる第2の位相シフタ3′を形成する
と、図4(d)のごとき本発明の位相シフトレチクルが
完成する。
【0045】なお、この実施例では、遮光膜の欠落部分
の修復を先に行っているが、上記第3工程と第4工程と
を入替えても良い。こうすると、凸状位相シフタ3およ
ひ不要遮光膜2aの除去と第2の位相シフタ3′の形成
のエッチングを連続して行うことができ、FIB装置に
供給するガスの切替えを少なくすることができるので、
スル−プットがより向上する。 (第3実施例)透明基板上に形成した遮光膜パタ−ン2
の間に基板に堀り込むように形成された凹状位相シフタ
3を有する水銀のi線用レチクルで、不要凹状位相シフ
タ部を修複して、本発明の位相シフトレチクルを製造す
る例につき、図を参照しつつ以下に詳しく説明する。
【0046】図5(a)〜(b)は、本発明の第3実施
例の位相シフトレチクルの製造工程説明図である。図に
おいて、図1〜3と同一もしくはそれに対応する部分に
は同一符号を付してある。 第1工程(図5(a)参照) 第1および第2実施例と同様にして、石英からなる透明
基板1上にCr膜からなる遮光膜2を形成した後、公知
のフォトリソグラフィの手法により位相シフタを形成す
べき部分に開口部を有するレジストなどからなるマスク
を形成し、ついで公知のRIE法により、深さ(d)約
3900Åエッチングし、ついで不要マスクを除去して
凹状位相シフタ3を形成する。この深さは、水銀ランプ
のi線に対して180度(π)の位相差を生ずるように
設定した。なお、図中3aは不要部分に形成されてしま
った不要凹状シフタである。 第2工程(図5(b)参照) さて、この不要凹状シフタ部分を基板とおなじ二酸化シ
リコンで埋めもどして修復するのは困難である。この不
要凹状シフタ部分は本来あるべき透明基板部分の欠落部
に他ならないので、第1実施例で凸状位相シフタの欠落
部の修復のやり方で容易にその修復をすることができ
る。
【0047】即ち、FIB装置を用い第1実施例のエッ
チング条件と全く同じ条件で不要凹状シフタ部分を更に
d即ち3900Å選択的に堀りこんで、基板表面から2
d約7800Åの深さの第2の凹部5を形成する。
【0048】このようにすると、この第2の凹部5を透
過した光は位相シフタが形成されてない部分の透明基板
1を透過した光に対して360度(2π)位相がずれて
実質的にその位相が同一になるため、不要凹状シフタ3
aがなかったのと同等になり、不要凹状シフタ3bに基
板と同じ材料である二酸化シリコン膜を選択的に形成し
て埋めもどしたのと全く同じ効果を得ることができる。 (第4実施例)透明基板上に透明膜を被着形成してなる
凸状位相シフト領域とこの透明膜上に形成した遮光膜2
とを有する水銀のi線用レチクルで、凸状位相シフタの
欠落部を修複して、本発明の位相シフトレチクルを製造
する例につき、図を参照しつつ以下に詳しく説明する。
【0049】図6(a)〜(b)は、本発明の第4実施
例の位相シフトレチクルの製造工程説明図である。図に
おいて、図1〜3と同一もしくはそれに対応する部分に
は同一符号を付してある。 第1工程(図6(a)参照) 石英からなる透明基板1上に、公知の手法により位相シ
フタとなるべき二酸化シリコン膜を約3900Åの厚さ
堆積する。なおこれに先立ってこの二酸化シリコン膜を
エッチングする際にエッチングストッパ−となる窒化シ
リコンなどの膜を基板面の全面に被着形成しておいても
よい。
【0050】この二酸化シリコン膜の上に、前記の実施
例と同様にしてCrなどからなる遮光膜2を形成した
後、公知のフォトリソグラフィの手法により位相シフタ
を形成すべき部分を覆うレジストなどからなるマスクを
形成し、ついで公知のRIE法により、二酸化シリコン
膜を下地の基板が露出するまで除去し、ついで不要マス
クを除去して凸状位相シフタ3を形成する。なお、図中
3bは凸状位相シフタの欠落部分を示している。 第2工程(図6(b)参照) さて、この凸状位相シフタの欠落部に位相シフタとおな
じ二酸化シリコンを均一な厚さに選択的に被着形成して
修復するのは困難であるが、第1実施例と全く同じ手法
で修復することができる。
【0051】即ち、凸状位相シフタの欠落部3bの部分
の基板を、FIB装置を用い第1実施例のエッチング条
件と全く同じ条件で(1)もしくは(2)式で与えられ
る深さdだけエッチングして、凹状の第2の位相シフタ
3′を形成する。こうすると第1実施例の場合と全く同
様に、光に対し位相シフタに欠落部3bがなかったのと
同一の効果を与えることができる。
【0052】
【発明の効果】本発明の位相シフトレチクルは、その製
造の過程で位相シフタの欠落部や不要シフタの形成等の
シフタの欠陥を生じた場合でも、FIB装置等を用い
て、容易に位相シフタの欠陥の修復をすることができる
ので、その製造歩留りが著しく向上する。
【0053】また、FIB装置等を用いて透明基板等を
選択的に除去して凹部を形成する際に、エッチング中に
スパッタされた部材が凹部の側面に再付着してその形状
が劣化することもないので、微細なパタ−ンを有する位
相シフトレチクルを再現性よく形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)〜(b)は、本発明の位相シフトレチク
ルの断面構成図である。
【図2】(a)〜(b)は、本発明の第1実施例の位相
シフトレチクルの製造工程説明図である。
【図3】(a)〜(b)は、本発明の製造方法における
凹部形成の機構を説明する図である。
【図4】(a)〜(d)は、本発明の第2実施例の位相
シフトレチクルの製造工程説明図である。
【図5】(a)〜(b)は、本発明の第3実施例の位相
シフトレチクルの製造工程説明図である。
【図6】(a)〜(b)は、本発明の第4実施例の位相
シフトレチクルの製造工程説明図である。
【図7】(a)〜(b)は、従来の位相シフトレチクル
の断面構成図である。
【図8】(a)〜(c)は、位相シフトレチクルの欠陥
を示す図である。
【図9】FIB装置の概略構成図である。
【符号の説明】
1 透明基板 2 遮光膜 2a 不要遮光膜 2b 遮光膜欠落部 3,3′位相シフタ 3a 不要位相シフタ 3b 位相シフタ欠落部 4 タングステン膜 5 凹部 6 イオン銃 7 コンデンサレンズ 8 ブランキング電極 9 ブランキングアパ−チャ 10 対物レンズ 11 偏向レンズ 12 二次イオン検出器 13 ガス銃 14 被処理物 15 XYテ−ブル 20,30 透過光 40 堆積物

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】透明基板上に形成された遮光膜によって画
    定されてなる光透過領域を有するレチクルであって、 該光透過領域は、光の入射方向に略垂直な第1表面を有
    する第1の透過領域と、第1表面に略平行かつ第1表面
    とは高さが異なる第2表面を有する第2の透過領域と、
    第1表面に略平行かつ第1および第2表面とは高さが異
    なる第3表面を有する第3の透過領域を具備してなり、 第1の透過領域を透過する第1の光は、第2の透過領域
    を透過する第2の光とはその位相を異にし、かつ、第3
    の透過領域を透過する第3の光とは実質的に同一の位相
    となるように構成されてなることを特徴とするレチク
    ル。
  2. 【請求項2】第2の透過領域が第1の透過領域に対して
    凸状に形成され、かつ、第3の透過領域が第1の透過領
    域に対して凹状に形成されてなることを特徴とする請求
    項1記載のレチクル。
  3. 【請求項3】第2の透過領域と第3の透過領域とがとも
    に第1の透過領域に対して凹状に形成されてなることを
    特徴とする請求項1記載のレチクル。
  4. 【請求項4】請求項1記載のレチクルを製造するに際
    し、 透明基板上に遮光膜を選択的に被着形成して、レチクル
    の光透過領域を画定する工程と、 光透過領域の透明基板上に透明膜を選択的に被着形成し
    て、光透過領域を構成する第1の透過領域と第2の透過
    領域を形成する工程と、 光透過領域の透明基板を選択的に除去して、光透過領域
    を構成する第3の透過領域を形成する工程とを含むこと
    を特徴とするレチクルの製造方法。
  5. 【請求項5】請求項1記載のレチクルを製造するに際
    し、 透明基板上に透明膜を被着形成する工程と、 該透明膜上に遮光膜を選択的に被着形成して、レチクル
    の光透過領域を画定する工程と、 光透過領域内の該透明膜を選択的に除去して、光透過領
    域を構成する第1の透過領域と第2の透過領域を形成す
    る工程と、 光透過領域の透明基板を選択的に除去して、光透過領域
    を構成する第3の透過領域を形成する工程とを含むこと
    を特徴とするレチクルの製造方法。
  6. 【請求項6】請求項1記載のレチクルを製造するに際
    し、 透明基板上に遮光膜を選択的に被着形成して、レチクル
    の光透過領域を画定する工程と、 光透過領域の透明基板を選択的に第1の深さに除去し
    て、光透過領域を構成する第1の透過領域と第2の透過
    領域を形成する工程と、 光透過領域の透明基板を選択的に第2の深さに除去し
    て、光透過領域を構成すする第3の透過領域を形成する
    工程とを含むことを特徴とするレチクルの製造方法。
  7. 【請求項7】前記の光透過領域の透明基板を選択的に除
    去するに際し、透明基板を構成する材料と反応して揮発
    性生成物を形成する元素を含むガス雰囲気中で、該透明
    基板に荷電粒子を照射することを特徴とする請求項4乃
    至6のいずれかに記載のレチクルの製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH05134394A (ja) * 1991-11-12 1993-05-28 Dainippon Printing Co Ltd 位相シフトフオトマスクの修正方法及び修正に適した位相シフトフオトマスク
JPH11258777A (ja) * 1998-12-10 1999-09-24 Hitachi Ltd 光学マスクの欠陥修正方法
US11219312B2 (en) 2017-12-21 2022-01-11 Julius Blum Gmbh Rail bar for a drawer

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