実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。但し、本発明は以下の説明に限定されず、本発明の趣旨およびその範囲から逸脱することなくその形態および詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。したがって、本発明は以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。なお、以下に説明する発明の構成において、同一部分または同様な機能を有する部分には同一の符号を異なる図面間で共通して用い、その繰り返しの説明は省略することがある。なお、図を構成する同じ要素のハッチングを異なる図面間で適宜省略または変更する場合もある。
例えば、本明細書等において、XとYとが接続されている、と明示的に記載されている場合は、XとYとが電気的に接続されている場合と、XとYとが機能的に接続されている場合と、XとYとが直接接続されている場合とが、本明細書等に開示されているものとする。したがって、所定の接続関係、例えば、図または文章に示された接続関係に限定されず、図または文章に示された接続関係以外のものも、図または文章に記載されているものとする。
ここで、X、Yは、対象物(例えば、装置、素子、回路、配線、電極、端子、導電膜、層、など)であるとする。
XとYとが直接的に接続されている場合の一例としては、XとYとの電気的な接続を可能とする素子(例えば、スイッチ、トランジスタ、容量素子、インダクタ、抵抗素子、ダイオード、表示素子、発光素子、負荷など)が、XとYとの間に接続されていない場合であり、XとYとの電気的な接続を可能とする素子(例えば、スイッチ、トランジスタ、容量素子、インダクタ、抵抗素子、ダイオード、表示素子、発光素子、負荷など)を介さずに、XとYとが、接続されている場合である。
XとYとが電気的に接続されている場合の一例としては、XとYとの電気的な接続を可能とする素子(例えば、スイッチ、トランジスタ、容量素子、インダクタ、抵抗素子、ダイオード、表示素子、発光素子、負荷など)が、XとYとの間に1個以上接続されることが可能である。なお、スイッチは、オンオフが制御される機能を有している。つまり、スイッチは、導通状態(オン状態)、または、非導通状態(オフ状態)になり、電流を流すか流さないかを制御する機能を有している。または、スイッチは、電流を流す経路を選択して切り替える機能を有している。なお、XとYとが電気的に接続されている場合は、XとYとが直接的に接続されている場合を含むものとする。
XとYとが機能的に接続されている場合の一例としては、XとYとの機能的な接続を可能とする回路(例えば、論理回路(インバータ、NAND回路、NOR回路など)、信号変換回路(DA変換回路、AD変換回路、ガンマ補正回路など)、電位レベル変換回路(電源回路(昇圧回路、降圧回路など)、信号の電位レベルを変えるレベルシフタ回路など)、電圧源、電流源、切り替え回路、増幅回路(信号振幅または電流量などを大きく出来る回路、オペアンプ、差動増幅回路、ソースフォロワ回路、バッファ回路など)、信号生成回路、記憶回路、制御回路など)が、XとYとの間に1個以上接続されることが可能である。なお、一例として、XとYとの間に別の回路を挟んでいても、Xから出力された信号がYへ伝達される場合は、XとYとは機能的に接続されているものとする。なお、XとYとが機能的に接続されている場合は、XとYとが直接的に接続されている場合と、XとYとが電気的に接続されている場合とを含むものとする。
なお、XとYとが電気的に接続されている、と明示的に記載されている場合は、XとYとが電気的に接続されている場合(つまり、XとYとの間に別の素子又は別の回路を挟んで接続されている場合)と、XとYとが機能的に接続されている場合(つまり、XとYとの間に別の回路を挟んで機能的に接続されている場合)と、XとYとが直接接続されている場合(つまり、XとYとの間に別の素子又は別の回路を挟まずに接続されている場合)とが、本明細書等に開示されているものとする。つまり、電気的に接続されている、と明示的に記載されている場合は、単に、接続されている、とのみ明示的に記載されている場合と同様な内容が、本明細書等に開示されているものとする。
なお、例えば、トランジスタのソース(又は第1の端子など)が、Z1を介して(又は介さず)、Xと電気的に接続され、トランジスタのドレイン(又は第2の端子など)が、Z2を介して(又は介さず)、Yと電気的に接続されている場合や、トランジスタのソース(又は第1の端子など)が、Z1の一部と直接的に接続され、Z1の別の一部がXと直接的に接続され、トランジスタのドレイン(又は第2の端子など)が、Z2の一部と直接的に接続され、Z2の別の一部がYと直接的に接続されている場合では、以下のように表現することが出来る。
例えば、「XとYとトランジスタのソース(又は第1の端子など)とドレイン(又は第2の端子など)とは、互いに電気的に接続されており、X、トランジスタのソース(又は第1の端子など)、トランジスタのドレイン(又は第2の端子など)、Yの順序で電気的に接続されている。」と表現することができる。または、「トランジスタのソース(又は第1の端子など)は、Xと電気的に接続され、トランジスタのドレイン(又は第2の端子など)はYと電気的に接続され、X、トランジスタのソース(又は第1の端子など)、トランジスタのドレイン(又は第2の端子など)、Yは、この順序で電気的に接続されている」と表現することができる。または、「Xは、トランジスタのソース(又は第1の端子など)とドレイン(又は第2の端子など)とを介して、Yと電気的に接続され、X、トランジスタのソース(又は第1の端子など)、トランジスタのドレイン(又は第2の端子など)、Yは、この接続順序で設けられている」と表現することができる。これらの例と同様な表現方法を用いて、回路構成における接続の順序について規定することにより、トランジスタのソース(又は第1の端子など)と、ドレイン(又は第2の端子など)とを、区別して、技術的範囲を決定することができる。
または、別の表現方法として、例えば、「トランジスタのソース(又は第1の端子など)は、少なくとも第1の接続経路を介して、Xと電気的に接続され、前記第1の接続経路は、第2の接続経路を有しておらず、前記第2の接続経路は、トランジスタを介した、トランジスタのソース(又は第1の端子など)とトランジスタのドレイン(又は第2の端子など)との間の経路であり、前記第1の接続経路は、Z1を介した経路であり、トランジスタのドレイン(又は第2の端子など)は、少なくとも第3の接続経路を介して、Yと電気的に接続され、前記第3の接続経路は、前記第2の接続経路を有しておらず、前記第3の接続経路は、Z2を介した経路である。」と表現することができる。または、「トランジスタのソース(又は第1の端子など)は、少なくとも第1の接続経路によって、Z1を介して、Xと電気的に接続され、前記第1の接続経路は、第2の接続経路を有しておらず、前記第2の接続経路は、トランジスタを介した接続経路を有し、トランジスタのドレイン(又は第2の端子など)は、少なくとも第3の接続経路によって、Z2を介して、Yと電気的に接続され、前記第3の接続経路は、前記第2の接続経路を有していない。」と表現することができる。または、「トランジスタのソース(又は第1の端子など)は、少なくとも第1の電気的パスによって、Z1を介して、Xと電気的に接続され、前記第1の電気的パスは、第2の電気的パスを有しておらず、前記第2の電気的パスは、トランジスタのソース(又は第1の端子など)からトランジスタのドレイン(又は第2の端子など)への電気的パスであり、トランジスタのドレイン(又は第2の端子など)は、少なくとも第3の電気的パスによって、Z2を介して、Yと電気的に接続され、前記第3の接続経路は、第4の接続経路を有しておらず、第4の電気的パスは、トランジスタのドレイン(又は第2の端子など)からトランジスタのソース(又は第1の端子など)への電気的パスである。」と表現することができる。これらの例と同様な表現方法を用いて、回路構成における接続経路について規定することにより、トランジスタのソース(又は第1の端子など)と、ドレイン(又は第2の端子など)とを、区別して、技術的範囲を決定することができる。
なお、これらの表現方法は、一例であり、これらの表現方法に限定されない。ここで、X、Y、Z1、Z2は、対象物(例えば、装置、素子、回路、配線、電極、端子、導電膜、層、など)であるとする。
なお、回路図上は独立している構成要素同士が電気的に接続しているように図示されている場合であっても、1つの構成要素が、複数の構成要素の機能を併せ持っている場合もある。例えば配線の一部が電極としても機能する場合は、一の導電膜が、配線の機能、及び電極の機能の両方の構成要素の機能を併せ持っている。したがって、本明細書における電気的に接続とは、このような、一の導電膜が、複数の構成要素の機能を併せ持っている場合も、その範疇に含める。
なお、「膜」という言葉と、「層」という言葉とは、場合によっては、または、状況に応じて、互いに入れ替えることが可能である。例えば、「導電層」という用語を、「導電膜」という用語に変更することが可能な場合がある。または、例えば、「絶縁膜」という用語を、「絶縁層」という用語に変更することが可能な場合がある。
(実施の形態1)
本実施の形態では、本発明の一態様である半導体装置について、図面を参照して説明する。
図1(A)は、本発明の一態様の半導体装置の構成を示す断面図である。図1(A)に示す半導体装置は、シリコン基板40に活性領域を有するトランジスタ51と、酸化物半導体層を活性層とするトランジスタ52を有する。トランジスタ51をp−ch型、トランジスタ52をn−ch型とすることでCMOS回路を形成することができる。図1(A)に示すトランジスタ51、52は、インバータ回路90を形成している(図1(B)参照)。
なお、図1(A)において、トランジスタ51は、インバータ回路90を構成しているが、本発明の一態様は、これに限定されない。場合によっては、または、状況に応じて、別の回路を構成してもよい。また、トランジスタ51以外の素子もシリコン基板40に形成してもよい。たとえば、シリコン基板40に、容量素子、ダイオード、フォトダイオード、抵抗素子、などを形成してもよい。フォトダイオードを形成する場合、裏面照射型イメージセンサとなるような構成としてもよい。つまり、シリコン基板40の裏側から光を照射するようにしてもよい。なお、イメージセンサを構成する場合、シリコン基板40には、フォトダイオードと接続されたトランジスタを形成してもよい。ただし、本発明の一態様は、これに限定されない。フォトダイオードと接続されるトランジスタを、シリコン基板40には形成しなくてもよい。例えば、フォトダイオードと接続されるトランジスタは、トランジスタ52のように、シリコン基板40の上方に形成してもよい。
トランジスタ51は、チャネルが形成される活性領域、ソース領域、ドレイン領域、ゲート絶縁膜およびゲート電極を基本構成とする。また、トランジスタ52は、チャネルが形成される活性層、ソース電極、ドレイン電極、ゲート絶縁膜およびゲート電極を基本構成とする。図1(A)に示すように、トランジスタ51およびトランジスタ52のそれぞれが有する上記構成要素の一部が重なることで回路の占有面積を縮小することができる。
また、インバータ回路90においては、シリコン基板40に活性領域を有するn−ch型のトランジスタの工程が不要となるため、pウェルおよびn型不純物領域などの形成工程を省くことができ、工程を大幅に削減することができる。
トランジスタ51上には、絶縁層81、絶縁層82、絶縁層83、絶縁層84および絶縁層85が設けられる。
また、絶縁層85上にはトランジスタ52が設けられ、トランジスタ52上には絶縁層86、絶縁層87および絶縁層88が設けられる。
なお、トランジスタ51上およびトランジスタ52上に設けられる絶縁層は、上記形態に限らない。上記絶縁層の一部が省かれる場合や、他の絶縁層が付加される場合もある。
トランジスタ51のソース領域またはドレイン領域の一方は、絶縁層82を貫通するコンタクトプラグ61aと電気的に接続する。また、コンタクトプラグ61aは、絶縁層83乃至絶縁層87を貫通するコンタクトプラグ61bと電気的に接続され、コンタクトプラグ61bは、絶縁層87上で配線71と電気的に接続する。
トランジスタ51のゲート電極は、絶縁層82を貫通するコンタクトプラグ62aと電気的に接続する。また、コンタクトプラグ62aは、絶縁層83乃至絶縁層87を貫通するコンタクトプラグ62bと電気的に接続され、コンタクトプラグ61bは、絶縁層87上で配線73と電気的に接続する。なお、コンタクトプラグ62bは、トランジスタ52のゲート電極とも電気的に接続する。すなわち、トランジスタ51のゲート電極とトランジスタ52のゲート電極とは、コンタクトプラグ62a、コンタクトプラグ62bを介して電気的に接続されることになる。
なお、コンタクトプラグ62a、62b、および配線73は、存在する奥行き方向の位置が他のコンタクトプラグおよび配線と異なるため、点線で記してある。
トランジスタ51のソース領域またはドレイン領域の他方は、絶縁層82を貫通するコンタクトプラグ63aと電気的に接続する。また、コンタクトプラグ63aは、絶縁層83乃至絶縁層87を貫通するコンタクトプラグ63bと電気的に接続される。ここで、トランジスタ51のソース領域またはドレイン領域の他方と、トランジスタ52のソース電極またはドレイン電極の一方とは、コンタクトプラグ63aおよびコンタクトプラグ63bを介して電気的に接続されることになる。また、コンタクトプラグ63bは、絶縁層87上で配線74と電気的に接続する。
また、トランジスタ52のソース電極またはドレイン電極の他方は、絶縁層86および絶縁層87を貫通するコンタクトプラグ65と電気的に接続する。また、コンタクトプラグ65は、絶縁層87上で配線72と電気的に接続する。
なお、本発明の一態様の半導体装置は、図2(A)に示す形態であってもよい。図2(A)では、トランジスタ52のソース電極またはドレイン電極の一方および他方が同様の形態であり、コンタクトプラグ63bおよびコンタクトプラグ65が同様の形態となっている。当該構成は、各トランジスタの電気的な接続形態を任意に変更することで機能の異なる回路を作り分ける場合に適する。
また、本発明の一態様の半導体装置は、図2(B)に示す形態であってもよい。図2(B)に示す構成では、絶縁層81乃至絶縁層87を貫通するコンタクトプラグ61c、62c、63cを用いることで、製造工程を削減することができる。なお、図1(A)、図2(A)、図2(B)に示す形態は、任意に組み合わすことができる。
本発明の一態様の半導体装置においては、トランジスタ52のソース電極およびドレイン電極の形状に特徴を有する。図3(A)はトランジスタ52の上面図、図3(B)は図3(A)に示すX1−X2における断面図である。
トランジスタ52は、絶縁層85上の酸化物半導体層130、導電層140、導電層150、絶縁層160、導電層170を有する。また、トランジスタ52上には、絶縁層86および絶縁層87が設けられる。また、図3(A)、(B)では、絶縁層85乃至絶縁層87を貫通し、導電層140と接するコンタクトプラグ63b、絶縁層86および絶縁層87を貫通し、導電層150と接するコンタクトプラグ65を図示している。
図3(A)に示すように、導電層140において、絶縁層85と接する領域の端部は上面から見ると半円形の切欠き部を有し、当該切欠き部を覆うようにコンタクトプラグ63bが設けられる。
このような構成とすることで、導電層140とコンタクトプラグ63bとの接触面積が大きくなり、十分にコンタクト抵抗を低減させることができる。また、コンタクトプラグ63bを形成する際に、導電層140(代表的には金属層)を開口させる工程が不要となるため、エッチング工程を簡略化することができる。また、導電層140の端部でコンタクトプラグ63bとコンタクトする構成であるため、回路面積を縮小させることもできる。
なお、図3(A)の上面図においては、導電層140の切欠き部が半円形で、コンタクトプラグの断面が円形である場合を例示しているが、これに限らない。例えば、図4(A)、(B)に示すように、導電層140の切欠き部が半楕円形で、コンタクトプラグの断面が楕円形であってもよい。また、図4(C)に示すように、導電層140の切欠き部の隅が曲率を有する略四角形であり、コンタクトプラグの断面が隅が曲率を有する略四角形であってもよい。
また、コンタクトプラグ63b、65は、図5(A)または図5(B)に示す位置に設けられていてもよい。このような位置にコンタクトプラグ63b、65を設けることで、回路面積をさらに縮小することができる。
また、導電層140、導電層150に設けられる切欠き部を拡大して、図5(C)に示すような形態としてもよい。
なお、図4(A)、(B)、(C)および図5(A)、(B)、(C)では、導電層140および導電層150の両方が切欠き部を有する形態を図示したが、図3(A)に示すように導電層140および導電層150のどちらか一方が切欠き部を有する形態であってもよい。また、図3(A)、図4(A)、(B)、(C)、図5(A)、(B)、(C)に示す形態を任意に組み合わせた形態であってもよい。
また、本発明の一態様の半導体装置に用いるトランジスタ52は、図6(A)、(B)に示すように、酸化物半導体層130上に導電層140および導電層150が設けられ、導電層140および導電層150が絶縁層85と接しない構成としてもよい。この場合、導電層140に形成された切欠き部は酸化物半導体層130にも設けられる。なお、図6(A)、(B)に示すトランジスタも図4(A)、(B)、(C)および図5(A)、(B)、(C)に示す形態を適用してもよい。また、図6(A)、図4(A)、(B)、(C)、図5(A)、(B)、(C)に示す形態を任意に組み合わせた形態であってもよい。
このような構成においては、絶縁層85に含まれる酸素が導電層140および導電層150を構成する金属層に奪われることがない。したがって、当該酸素を酸化物半導体層に効率よく供給することができ、トランジスタ52の電気特性および信頼性を向上させることができる。なお、上記構成のトランジスタを用いた場合、本発明の一態様の半導体装置は、図7に示すようになる。なお、図7に示す半導体装置にも図2(A)、(B)に示すコンタクトプラグ61c、62c、63cの形態を適用してもよい。
図8(A)は、図7に示す半導体装置の上面図の一例である。なお、図7は、図8(A)に示すP1−P2の断面に相当する。なお、図中OSは酸化物半導体で形成された活性層を示し、Siはシリコンの活性領域を示す。また、本発明の一態様の半導体装置は、図8(B)に示す上面図の形態とすることもできる。なお、図8(A)、(B)に示すトランジスタ52に、図3(A)に示すトランジスタの上面図を適用すれば、図1(A)に示す半導体装置の上面図を表すことができる。
また、本発明の半導体装置の他の一態様を図9(A)に示す。図9(A)に示す半導体装置は、シリコン基板40に活性領域を有するトランジスタ53と、酸化物半導体を活性層とするトランジスタ54、および容量素子55を有する。図9(A)に示すトランジスタ53、54および容量素子55は、図9(B)の回路図に示す回路91を形成している。図9(A)に示す半導体装置は、容量素子55を有する点および各要素の接続形態を除き、図1(A)に示す半導体装置と同等の構成とすることができる。
なお、図9(A)、(B)において、トランジスタ53のソース領域またはドレイン領域の一方と、トランジスタ54のソース電極層またはドレイン電極層の一方は、配線79に直接接続される形態を図示しているが、それぞれが別の配線に接続されていてもよい。
ここでは、トランジスタ53のゲート電極層と、トランジスタ54のソース電極層またはドレイン電極層の一方と、容量素子の一方の電極層68を電気的に接続するためにコンタクトプラグ66aおよびコンタクトプラグ66bを利用する。コンタクトプラグ66bは、容量素子55の他方の電極および誘電体層89に設けられた開口部を通じてコンタクトプラグ66aと電気的に接続される。
なお、コンタクトプラグ67、容量素子55の他方の電極と電気的に接続するコンタクトプラグ、配線77、78は、存在する奥行き方向の位置が他のコンタクトプラグおよび配線と異なるため、点線で記してある。
なお、容量素子55は、図10に示すようにトランジスタ54の上方に設けてもよい。
なお、図6に示すトランジスタの構造をトランジスタ54に適用した場合は、図11に示す形態となる。また、図11に示す半導体装置が有する容量素子55は、図10に示すような位置に設けられていてもよい。
図12(A)は、図11に示す半導体装置の上面図の一例である。なお、図11は、図12(A)に示すQ1−Q2の断面に相当する。また、本発明の一態様の半導体装置は、図12(B)に示す上面図の形態とすることもできる。なお、図12(A)、(B)に示すトランジスタ54に、図3(A)に示すトランジスタの上面図を適用すれば、図9(A)に示す半導体装置の上面図を表すことができる。
また、図9、図10、図11に示す半導体装置に、図2(B)に示すコンタクトプラグ63c、61cのような配線層とトランジスタ53を直接接続するコンタクトプラグを適用してもよい。
図9(B)に示す回路91は電力が供給されない状況でも記憶内容の保持が可能で、かつ、書き込み回数にも制限が無い半導体装置(記憶装置)の一例である。
酸化物半導体を用いたトランジスタ54は、オフ電流が極めて低い電気特性を有するため、長時間の電荷保持を可能とする。例えば、ソースとドレインとの間の電圧を0.1V、5V、または、10V程度とした場合、トランジスタのチャネル幅で規格化したオフ電流は、数yA/μmから数zA/μmにまで低減することができる。一方、酸化物半導体以外の材料、例えば結晶シリコンなどを用いたトランジスタは、高速動作が容易である。したがって、両者を組み合わせることにより、データの保持能力が高く、動作が高速な記憶装置を構成することができる。
図9(B)に示す半導体装置では、トランジスタ54のゲート電極の電位が保持可能という特徴を活かすことで、次のように、情報の書き込み、保持、読み出しが可能である。
情報の書き込みおよび保持について説明する。まず、配線77の電位をトランジスタ54がオン状態となる電位にして、トランジスタ54をオン状態とする。
上記動作により、配線79の電位が、トランジスタ53のゲート電極、および容量素子55に与えられる。すなわち、ノードFNには、所定の電荷が与えられる(書き込み)。ここでは、異なる二つの電位レベルを与える電荷(以下Lowレベル電荷、Highレベル電荷という)のいずれかが与えられるものとする。
その後、配線77の電位をトランジスタ54がオフ状態となる電位にして、トランジスタ54をオフ状態とすることにより、ノードFNに与えられた電荷が保持される(保持)。トランジスタ54のオフ電流は極めて小さいため、ノードFNの電荷は長時間にわたって保持される。
次に情報の読み出しについて説明する。配線75に所定の電位(定電位)を与えた状態で、配線78に適切な電位(読み出し電位)を与えると、ノードFNに保持された電荷量に応じて、配線79は異なる電位をとる。
一般に、トランジスタ53をnチャネル型とすると、トランジスタ53のゲート電極(ノードFN)にHighレベル電荷が与えられている場合の見かけのしきい値電圧Vth_Hは、トランジスタ53のゲート電極(ノードFN)にLowレベル電荷が与えられている場合の見かけのしきい値電圧Vth_Lより低くなる。
ここで、見かけのしきい値電圧とは、トランジスタ53を「オン状態」とするために必要な配線78の電位をいうものとする。したがって、配線78の電位をVth_HとVth_Lの間の電位V0とすることにより、トランジスタ53のゲート電極(ノードFN)に与えられた電荷を判別できる。
例えば、書き込みにおいて、Highレベル電荷が与えられていた場合には、配線78の電位がV0(>Vth_H)となれば、トランジスタ53は「オン状態」となる。Lowレベル電荷が与えられていた場合には、配線78の電位がV0(<Vth_L)となっても、トランジスタ53は「オフ状態」のままである。このため、配線79の電位を判別することで、保持されている情報を読み出すことができる。
なお、メモリセルをアレイ状に配置して用いる場合は、所望のメモリセルの情報のみを読み出せることが必要になる。このように情報を読み出さないメモリセルにおいては、ゲート電極に与えられている電位にかかわらず、トランジスタ53が「オフ状態」となるような電位、つまり、Vth_Hより小さい電位を配線78に与えればよい。または、ゲート電極に与えられている電位にかかわらず、トランジスタ53が「オン状態」となるような電位、つまり、Vth_Lより大きい電位を配線78に与えればよい。
図9(B)に示す半導体装置では、チャネル形成領域に酸化物半導体を用いたオフ電流の極めて小さいトランジスタを適用することで、極めて長期にわたり記憶内容を保持することが可能である。つまり、リフレッシュ動作が不要となるか、または、リフレッシュ動作の頻度を極めて低くすることが可能となるため、消費電力を十分に低減することができる。また、電力の供給がない場合(ただし、電位は固定されていることが望ましい)であっても、長期にわたって記憶内容を保持することが可能である。なお、記憶内容の保持期間中に電力を供給する動作を行ってもよい。
また、上述した駆動方法においては、ノードFNへの情報の書き込みに高い電圧を必要とせず、トランジスタ53の劣化の問題もない。例えば、従来の不揮発性メモリのような高電圧印加によるフローティングゲートへの電子の注入や、フローティングゲートからの電子の引き抜きを行う動作がないため、トランジスタ53のゲート絶縁膜の劣化などの問題が生じない。すなわち、開示する発明に係る半導体装置では、従来の不揮発性メモリで問題となっている書き換え可能回数に制限はなく、信頼性が飛躍的に向上する。さらに、トランジスタのオン状態、オフ状態によって、情報の書き込みが行われるため、高速な動作も容易に実現しうる。
上述した本発明の一態様の半導体装置の構成要素について説明する。なお、以下においては、図1(A)に示す半導体装置を対象として説明するが、本実施の形態に示す他の半導体装置も同様である。
シリコン基板40はバルクのシリコン基板に限らず、SOI基板であってもよい。また、シリコン基板40に替えて、ゲルマニウム、シリコンゲルマニウム、炭化シリコン、ガリウムヒ素、アルミニウムガリウムヒ素、インジウムリン、窒化ガリウム、有機半導体を材料とする基板を用いることもできる。
なお、トランジスタ51は、プレーナ型のトランジスタだけでなく、様々なタイプのトランジスタとすることができる。例えば、FIN(フィン)型、TRI−GATE(トライゲート)型などのトランジスタなどとすることができる。
同様に、トランジスタ52、トランジスタ54、なども、様々なタイプのトランジスタとすることができる。場合によっては、または、状況に応じて、例えば、プレーナ型、FIN(フィン)型、TRI−GATE(トライゲート)型などのトランジスタなどとすることができる。
トランジスタ52、トランジスタ54、などは、場合によっては、または、状況に応じて、酸化物半導体だけでなく、様々な半導体を有することができる。場合によっては、または、状況に応じて、トランジスタ52、トランジスタ54、などは、例えば、シリコン、ゲルマニウム、シリコンゲルマニウム、炭化シリコン、ガリウムヒ素、アルミニウムガリウムヒ素、インジウムリン、窒化ガリウム、有機半導体などを有することもできる。
絶縁層81は保護膜として機能させることができ、代表的には窒化珪素膜や酸化アルミニウム膜を用いることができる。また絶縁層82、絶縁層83、絶縁層87および絶縁層88は平坦化膜として機能させることができ、代表的には酸化シリコン膜、酸化窒化シリコン膜などを用いることができる。
絶縁層84は、水素ブロック膜として機能させることができる。トランジスタ51の活性領域近傍に設けられる絶縁層中の水素はシリコンのダングリングボンドを終端し、トランジスタ51の信頼性を向上させる効果がある。一方、上層に設けられるトランジスタ52の活性層である酸化物半導体層の近傍に設けられる絶縁層中の水素は、酸化物半導体中にキャリアを生成する要因の一つとなるため、トランジスタ52の信頼性を低下させる要因となる場合がある。したがって、シリコン系半導体材料を用いたトランジスタの上層に酸化物半導体を用いたトランジスタを積層して設ける場合、これらの間に水素の拡散を防止する機能を有する絶縁層84を設けることが好ましい。絶縁層84により、下層に水素を閉じ込めることでトランジスタ51の信頼性が向上することに加え、下層から上層に水素が拡散することが抑制されることでトランジスタ52の信頼性も同時に向上させることができる。
絶縁層84としては、例えば、窒化シリコン、酸化アルミニウム、酸化窒化アルミニウム、酸化ガリウム、酸化窒化ガリウム、酸化イットリウム、酸化窒化イットリウム、酸化ハフニウム、酸化窒化ハフニウム、イットリア安定化ジルコニア(YSZ)等を用いることができる。なお、絶縁層85もこれらの材料で形成することができる。
絶縁層85はトランジスタ52の酸化物半導体層に対する酸素の供給源として機能する。したがって、絶縁層85は酸素を含む絶縁層であり、化学量論組成よりも酸素が多い組成であることが好ましい。また、絶縁層85は、トランジスタ52のバックゲート側のゲート絶縁膜としても機能させることができるため、酸化物半導体層との界面において、欠陥を生成しにくい膜であることが好ましい。
絶縁層85としては、代表的には酸化シリコン膜、酸化窒化シリコン膜を用いることができる。また、窒化シリコン膜または窒化酸化シリコン膜と上記絶縁層との積層であってもよい。なお、絶縁層87もこれらの材料で形成することができる。
コンタクトプラグ61a乃至コンタクトプラグ65は代表的には金属材料で形成することができる。具体的には、タングステンを用いることができる。また、コンタクトホール内の壁面に窒化チタンを設け、その後タングステンを充填するように設ける構成としてもよい。なお、絶縁層およびコンタクトプラグ上面の平坦化にはCMP(Chemical Mechanical Polishing)法を用いることができる。
本実施の形態では、本発明の一態様をインバータ回路および記憶回路の構成を主として説明したが、他の回路に応用することも可能である。また、二つのトランジスタが重なる例に限らず、3個以上のトランジスタ等の要素を電気的に接続する場合においても応用することが可能である。
例えば、図13(A)にイメージセンサに含まれる回路の断面図を示す。インバータ回路90は、図1(A)に示す断面図と別の形態を示しているが、図1(A)と同様であってもよい。図13(A)に示す回路92は画素回路であり、図13(B)に示す回路図におけるトランジスタ56およびフォトダイオード59と、その接続形態を図示している。
また、本実施の形態では、シリコンを活性領域に有するトランジスタと酸化物半導体を活性層に有するトランジスタを積層する例を示したが、これに限らない。シリコンを有するトランジスタを複数積層する場合にも適用することができる。また、酸化物半導体を有するトランジスタを複数積層する場合にも適用することができる。
また、本発明の一態様は、絶縁層を介して重なる配線の電気的な接続にも適用することができる。
図44に複数の膜種を有する多層膜をエッチングするためのエッチング装置の一例を示す。図44に示したエッチング装置は、エッチングチャンバー810A、810B、810Cと、基板を各エッチングチャンバーへ移動する際に一時的に基板を待機させることを目的としたトランスファーチャンバー820と、各エッチングチャンバーへエッチングガス等を供給するガス供給システム830と、を有する。また、図示していないが、各電源供給システム、ポンプシステム、およびガス除害システム等を有する。
複数の膜種を有する多層膜に微細な開口部を形成するには、平行平板型のエッチング装置を用いることが好ましい。特に、高密度プラズマ発生源などを有するエッチング装置を用いることが好ましい。または、各層のエッチングにおいて、適宜最適なエッチングガスを選択できるガス供給システムを有することが好ましい。特に、複数のガスを組み合わせる事ができるガス供給システムを有することが好ましい。
なお、本実施の形態において、本発明の一態様について述べた。または、他の実施の形態において、本発明の一態様について述べる。ただし、本発明の一態様は、これらに限定されない。例えば、本発明の一態様として、トランジスタのソース領域またはドレイン領域の一方の端部が、絶縁層を貫通するコンタクトプラグと電気的に接続されている場合の例を示したが、本発明の一態様は、これに限定されない。場合によっては、または、状況に応じて、トランジスタのソース領域またはドレイン領域の一方の端部が、コンタクトプラグと電気的に接続されていなくてもよい。あるいは、場合によっては、または、状況に応じて、本発明の一態様では、トランジスタのソース領域またはドレイン領域の一方の上面とコンタクトプラグとが電気的に接続されていてもよい。または、例えば、本発明の一態様として、複数の絶縁層を貫通するコンタクトプラグが設けられている場合の例を示したが、本発明の一態様は、これに限定されない。場合によっては、または、状況に応じて、本発明の一態様では、単層の絶縁層を貫通するようなコンタクトプラグを設けてもよい。あるいは、場合によっては、または、状況に応じて、本発明の一態様では、複数の絶縁層を貫通するようなコンタクトプラグを設けなくてもよい。
例えば、複数の膜種を有する多層膜への微細な開口部の形成を、一つのエッチングチャンバーで行ってもよい。この方法では、各層において最適なエッチングガスを用いればよい。図44のように、3つのエッチングチャンバーを有するエッチング装置であれば、複数の基板を同時並行的に処理することが可能である。そのため、生産効率を高めることができる。
一つのエッチングチャンバーで複数の膜種を有する多層膜をエッチングする場合、エッチングチャンバーでは、エッチングする膜種に応じて最適なガスに切り替える。そのため、様々なエッチング生成物がエッチングチャンバー壁に堆積することがある。これが、エッチングチャンバー壁から剥がれ、パーティクルとなることがある。パーティクルが基板上に付着するとエッチング不良を引き起こすことがある。
このようなパーティクルの発生を防止する方法としては、膜種毎にエッチングチャンバーを決めて、エッチングする方法がある。以下では、図44に示したエッチング装置を用いて、複数の膜種を有する多層膜をエッチングする場合の一例を示す。ここで用いるエッチングの対象物は、第1の絶縁膜と、第2の絶縁膜と、第3の絶縁膜と、酸化物半導体膜と、導電膜と、第4の絶縁膜と、有機塗布膜と、フォトレジストと、が基板上にこの順に形成されている積層物とする。なお、フォトレジストは、露光および現像を経て、所定の形状を有する。
まず、基板をエッチングチャンバー810Aに配置し、有機塗布膜および第4の絶縁膜のエッチングを行う。次に基板を、エッチングチャンバー810Aから、トランスファーチャンバー820を介して、エッチングチャンバー810Bに移動させ、導電膜をエッチングする。次に基板を、エッチングチャンバー810Bから、トランスファーチャンバー820を介して、エッチングチャンバー810Aに移動させ、酸化物半導体膜、第3の絶縁膜および第2の絶縁膜をエッチングする。次に基板を、エッチングチャンバー810Aから、トランスファーチャンバー820を介して、エッチングチャンバー810Cに移動させ、アッシングをすることでこれまでのエッチングで生じた生成物を除去する。次に基板を、エッチングチャンバー810Cから、トランスファーチャンバー820を介して、エッチングチャンバー810Aに移動させ、第1の絶縁膜をエッチングする。次に基板を、エッチングチャンバー810Aから、トランスファーチャンバー820を介して、エッチングチャンバー810Cへ移動させ、アッシングをすることでレジストおよび有機塗布膜を除去する。
上記一例より、さらに多層膜となっている構成であっても、上記手順を繰り返すことにより、微細な開口部を形成することができる。
上記の一例の場合は、複数の膜種を有する多層膜をエッチングするために複数のエッチングチャンバーを用いる。このとき、基板は、真空下で移動され、大気雰囲気にさらされることがないので、再現性のよいエッチングができる。また、各エッチングチャンバーにおいては、膜種毎にエッチングガスを切り替えることがない。そのため、処理時間が短くなり、生産効率を高くすることができる。
なお、本実施の形態は、本明細書で示す他の実施の形態および実施例と適宜組み合わせることができる。
(実施の形態2)
本実施の形態では、本発明の一態様に用いることのできる酸化物半導体を有するトランジスタについて図面を用いて説明する。なお、本実施の形態における図面では、明瞭化のために一部の要素を拡大、縮小、または省略して図示している。
図14(A)、(B)は、本発明の一態様のトランジスタ101の上面図および断面図である。図14(A)は上面図であり、図14(A)に示す一点鎖線B1−B2方向の断面が図14(B)に相当する。また、図14(A)に示す一点鎖線B3−B4方向の断面が図20(A)に相当する。また、一点鎖線B1−B2方向をチャネル長方向、一点鎖線B3−B4方向をチャネル幅方向と呼称する場合がある。
トランジスタ101は、基板115と接する絶縁層120と、絶縁層120と接する酸化物半導体層130と、酸化物半導体層130と電気的に接続する導電層140および導電層150と、酸化物半導体層130、導電層140および導電層150と接する絶縁層160と、絶縁層160と接する導電層170と、導電層140、導電層150、絶縁層160および導電層170と接する絶縁層175と、絶縁層175と接する絶縁層180と、を有する。また、必要に応じて絶縁層180に平坦化膜としての機能を付加してもよい。
ここで、導電層140はソース電極層、導電層150はドレイン電極層、絶縁層160はゲート絶縁膜、導電層170はゲート電極層としてそれぞれ機能することができる。
また、図14(B)に示す領域231はソース領域、領域232はドレイン領域、領域233はチャネル形成領域として機能することができる。領域231および領域232は導電層140および導電層150とそれぞれ接しており、導電層140および導電層150として酸素と結合しやすい導電材料を用いれば領域231および領域232を低抵抗化することができる。
具体的には、酸化物半導体層130と導電層140および導電層150とが接することで酸化物半導体層130内に酸素欠損が生じ、当該酸素欠損と酸化物半導体層130内に残留または外部から拡散する水素との相互作用により、領域231および領域232は低抵抗のn型となる。
なお、トランジスタの「ソース」や「ドレイン」の機能は、異なる極性のトランジスタを採用する場合や、回路動作において電流の方向が変化する場合などには入れ替わることがある。このため、本明細書においては、「ソース」や「ドレイン」という用語は、入れ替えて用いることができるものとする。また、「電極層」は、「配線」と言い換えることもできる。
また、導電層170は、導電層171および導電層172の二層で形成される例を図示しているが、一層または三層以上の積層であってもよい。当該構成は本実施の形態で説明する他のトランジスタにも適用できる。
また、導電層140および導電層150は単層で形成される例を図示しているが、二層以上の積層であってもよい。当該構成は本実施の形態で説明する他のトランジスタにも適用できる。
また、本発明の一態様のトランジスタは、図15(A)、(B)に示す構成であってもよい。図15(A)はトランジスタ102の上面図であり、図15(A)に示す一点鎖線C1−C2方向の断面が図15(B)に相当する。また、図15(A)に示す一点鎖線C3−C4方向の断面は、図20(B)に相当する。また、一点鎖線C1−C2方向をチャネル長方向、一点鎖線C3−C4方向をチャネル幅方向と呼称する場合がある。
トランジスタ102は、ゲート絶縁膜として作用する絶縁層160の端部とゲート電極層として作用する導電層170の端部とを一致させない点を除き、トランジスタ101と同様の構成を有する。トランジスタ102の構造は、導電層140および導電層150が絶縁層160で広く覆われているため、導電層140および導電層150と導電層170との間の抵抗が高く、ゲートリーク電流の少ない特徴を有している。
トランジスタ101およびトランジスタ102は、導電層170と導電層140および導電層150が重なる領域を有するトップゲート構造である。当該領域のチャネル長方向の幅は、寄生容量を小さくするために3nm以上300nm未満とすることが好ましい。一方で、酸化物半導体層130にオフセット領域が形成されないため、オン電流の高いトランジスタを形成しやすい。
また、本発明の一態様のトランジスタは、図16(A)、(B)に示す構成であってもよい。図16(A)はトランジスタ103の上面図であり、図16(A)に示す一点鎖線D1−D2方向の断面が図16(B)に相当する。また、図16(A)に示す一点鎖線D3−D4方向の断面は、図20(A)に相当する。また、一点鎖線D1−D2方向をチャネル長方向、一点鎖線D3−D4方向をチャネル幅方向と呼称する場合がある。
トランジスタ103は、基板115と接する絶縁層120と、絶縁層120と接する酸化物半導体層130と、酸化物半導体層130と接する絶縁層160と、絶縁層160と接する導電層170と、酸化物半導体層130、絶縁層160および導電層170を覆う絶縁層175と、絶縁層175と接する絶縁層180と、絶縁層175および絶縁層180に設けられた開口部を通じて酸化物半導体層130と電気的に接続する導電層140および導電層150を有する。また、必要に応じて絶縁層180、導電層140および導電層150に接する絶縁層(平坦化膜)などを有していてもよい。
ここで、導電層140はソース電極層、導電層150はドレイン電極層、絶縁層160はゲート絶縁膜、導電層170はゲート電極層としてそれぞれ機能することができる。
また、図16(B)に示す領域231はソース領域、領域232はドレイン領域、領域233はチャネル形成領域として機能することができる。領域231および領域232は絶縁層175と接しており、例えば絶縁層175として水素を含む絶縁材料を用いれば領域231および領域232を低抵抗化することができる。
具体的には、絶縁層175を形成するまでの工程により領域231および領域232に生じる酸素欠損と、絶縁層175から領域231および領域232に拡散する水素との相互作用により、領域231および領域232は低抵抗のn型となる。なお、水素を含む絶縁材料としては、例えば窒化シリコン膜や窒化アルミニウム膜などを用いることができる。
また、本発明の一態様のトランジスタは、図17(A)、(B)に示す構成であってもよい。図17(A)はトランジスタ104の上面図であり、図17(A)に示す一点鎖線E1−E2方向の断面が図17(B)に相当する。また、図17(A)に示す一点鎖線E3−E4方向の断面は、図20(A)に相当する。また、一点鎖線E1−E2方向をチャネル長方向、一点鎖線E3−E4方向をチャネル幅方向と呼称する場合がある。
トランジスタ104は、導電層140および導電層150が酸化物半導体層130の端部を覆うように接している点を除き、トランジスタ103と同様の構成を有する。
また、図17(B)に示す領域331および領域334はソース領域、領域332および領域335はドレイン領域、領域333はチャネル形成領域として機能することができる。領域331および領域332はトランジスタ101における領域231および領域232と同様に低抵抗化することができる。また、領域334および領域335はトランジスタ103における領域231および領域232と同様に低抵抗化することができる。なお、チャネル長方向における領域334および領域335の長さが100nm以下、好ましくは50nm以下の場合には、ゲート電界の寄与によりオン電流は大きく低下しないため、上述したような低抵抗化を行わない構成とすることもできる。
トランジスタ103およびトランジスタ104は、導電層170と導電層140および導電層150が重なる領域を有さないセルフアライン構造である。セルフアライン構造のトランジスタはゲート電極層とソース電極層およびドレイン電極層間の寄生容量が極めて小さいため、高速動作用途に適している。
また、本発明の一態様のトランジスタは、図18(A)、(B)に示す構成であってもよい。図18(A)はトランジスタ105の上面図であり、図18(A)に示す一点鎖線F1−F2方向の断面が図18(B)に相当する。また、図18(A)に示す一点鎖線F3−F4方向の断面は、図20(A)に相当する。また、一点鎖線F1−F2方向をチャネル長方向、一点鎖線F3−F4方向をチャネル幅方向と呼称する場合がある。
トランジスタ105は、基板115と接する絶縁層120と、絶縁層120と接する酸化物半導体層130と、酸化物半導体層130と電気的に接続する導電層140および導電層150と、酸化物半導体層130、導電層140、導電層150と接する絶縁層160と、絶縁層160と接する導電層170と、酸化物半導体層130、導電層140、導電層150、絶縁層160および導電層170と接する絶縁層175と、絶縁層175と接する絶縁層180を有する。また、必要に応じて絶縁層180に接する絶縁層などを有していてもよい。
ここで、導電層140および導電層150は、酸化物半導体層130の上面と接し、側面には接しない構成となっている。
トランジスタ105は、導電層140および導電層150が酸化物半導体層上にのみ形成されている点を除き、トランジスタ101と同様の構成を有する。導電層140はソース電極層として作用させることができ、導電層150はドレイン電極層として作用させることができる。
また、本発明の一態様のトランジスタは、図19(A)、(B)に示す構成であってもよい。図19(A)はトランジスタ106の上面図であり、図19(A)に示す一点鎖線G1−G2方向の断面が図19(B)に相当する。また、図19(A)に示す一点鎖線G3−G4方向の断面は、図20(A)に相当する。また、一点鎖線G1−G2方向をチャネル長方向、一点鎖線G3−G4方向をチャネル幅方向と呼称する場合がある。
トランジスタ106は、基板115と接する絶縁層120と、絶縁層120と接する酸化物半導体層130と、酸化物半導体層130と電気的に接続する導電層140および導電層150と、酸化物半導体層130と接する絶縁層160と、絶縁層160と接する導電層170と、絶縁層120、酸化物半導体層130、導電層140、導電層150、絶縁層160、導電層170と接する絶縁層175と、絶縁層175と接する絶縁層180を有する。また、必要に応じて絶縁層180に接する絶縁層(平坦化膜)などを有していてもよい。
ここで、導電層140および導電層150は、酸化物半導体層130の上面と接し、側面には接しない構成となっている。
トランジスタ106は、導電層140および導電層150が酸化物半導体層130上のみに形成されている点を除き、トランジスタ103と同様の構成を有する。導電層140はソース電極層として作用させることができ、導電層150はドレイン電極層として作用させることができる。
トランジスタ105およびトランジスタ106の構成では、導電層140および導電層150が絶縁層120と接しない構成であるため、絶縁層120中の酸素が導電層140および導電層150に奪われにくくなり、絶縁層120から酸化物半導体層130中への酸素の供給を容易とすることができる。
なお、トランジスタ103における領域231および領域232、トランジスタ104およびトランジスタ106における領域334および領域335には、酸素欠損を形成し導電率を高めるための不純物を添加してもよい。酸化物半導体層に酸素欠損を形成する不純物としては、例えば、リン、砒素、アンチモン、ホウ素、アルミニウム、シリコン、窒素、ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノン、インジウム、フッ素、塩素、チタン、亜鉛、および炭素のいずれかから選択される一つ以上を用いることができる。当該不純物の添加方法としては、プラズマ処理法、イオン注入法、イオンドーピング法、プラズマイマージョンイオンインプランテーション法などを用いることができる。
不純物元素として、上記元素が酸化物半導体層に添加されると、酸化物半導体層中の金属元素および酸素の結合が切断され、酸素欠損が形成される。酸化物半導体層に含まれる酸素欠損と酸化物半導体層中に残存または後から添加される水素の相互作用により、酸化物半導体層の導電率を高くすることができる。
なお、不純物元素の添加により酸素欠損が形成された酸化物半導体に水素を添加すると、酸素欠損サイトに水素が入り伝導帯近傍にドナー準位が形成される。その結果、酸化物導電体を形成することができる。なお、ここでは、導電体化された酸化物半導体を酸化物導電体という。
酸化物導電体は、縮退半導体であり、伝導帯端とフェルミ準位とが一致または略一致していると推定される。このため、酸化物導電体層とソース電極層およびドレイン電極層として機能する導電層との接触はオーミック接触であり、酸化物導電体層とソース電極層およびドレイン電極層として機能する導電層との接触抵抗を低減することができる。
また、本発明の一態様のトランジスタは、図21(A)、(B)、(C)、(D)、(E)、(F)に示すチャネル長方向の断面図、ならびに図22(A)、(B)に示すチャネル幅方向の断面図のように、酸化物半導体層130と基板115との間に導電層173を備えていてもよい。当該導電層を第2のゲート電極層(バックゲート)として用いることで、更なるオン電流の増加や、しきい値電圧の制御を行うことができる。なお、図21(A)、(B)、(C)、(D)、(E)、(F)に示す断面図において、導電層173の幅を酸化物半導体層130よりも短くしてもよい。さらに、導電層173の幅を導電層170の幅よりも短くしてもよい。
オン電流を増加させるには、例えば、導電層170と導電層173を同電位とし、ダブルゲートトランジスタとして駆動させればよい。また、しきい値電圧の制御を行うには、導電層170とは異なる定電位を導電層173に供給すればよい。導電層170と導電層173を同電位とするには、例えば、図22(B)に示すように、導電層170と導電層173とをコンタクトホールを介して電気的に接続すればよい。
また、図14乃至図19におけるトランジスタ101乃至トランジスタ106では、酸化物半導体層130が単層である例を図示したが、酸化物半導体層130は積層であってもよい。トランジスタ101乃至トランジスタ106の酸化物半導体層130は、図23または図24に示す酸化物半導体層130と入れ替えることができる。
図23(A)、(B)、(C)は、二層構造である酸化物半導体層130の上面図および断面図である。図23(A)は上面図であり、図23(A)に示す一点鎖線A1−A2方向の断面が図23(B)に相当する。また、図23(A)に示す一点鎖線A3−A4方向の断面が図23(C)に相当する。
また、図24(A)、(B)、(C)は、三層構造である酸化物半導体層130の上面図および断面図である。図24(A)は上面図であり、図24(A)に示す一点鎖線A1−A2方向の断面が図24(B)に相当する。また、図24(A)に示す一点鎖線A3−A4方向の断面が図24(C)に相当する。
酸化物半導体層130a、酸化物半導体層130b、酸化物半導体層130cには、それぞれ組成の異なる酸化物半導体層などを用いることができる。
また、本発明の一態様のトランジスタは、図25(A)、(B)に示す構成であってもよい。図25(A)はトランジスタ107の上面図であり、図25(A)に示す一点鎖線H1−H2方向の断面が図25(B)に相当する。また、図25(A)に示す一点鎖線H3−H4方向の断面が図31(A)に相当する。また、一点鎖線H1−H2方向をチャネル長方向、一点鎖線H3−H4方向をチャネル幅方向と呼称する場合がある。
トランジスタ107は、基板115と接する絶縁層120と、絶縁層120と接する酸化物半導体層130aおよび酸化物半導体層130bからなる積層と、当該積層と電気的に接続する導電層140および導電層150と、当該積層、導電層140および導電層150と接する酸化物半導体層130cと、酸化物半導体層130cと接する絶縁層160と、絶縁層160と接する導電層170と、導電層140、導電層150、酸化物半導体層130c、絶縁層160および導電層170と接する絶縁層175と、絶縁層175と接する絶縁層180と、を有する。また、必要に応じて絶縁層180に平坦化膜としての機能を付加してもよい。
トランジスタ107は、領域231および領域232において酸化物半導体層130が二層(酸化物半導体層130a、酸化物半導体層130b)である点、領域233において酸化物半導体層130が三層(酸化物半導体層130a、酸化物半導体層130b、酸化物半導体層130c)である点、および導電層140および導電層150と絶縁層160との間に酸化物半導体層の一部(酸化物半導体層130c)が介在している点を除き、トランジスタ101と同様の構成を有する。
また、本発明の一態様のトランジスタは、図26(A)、(B)に示す構成であってもよい。図26(A)はトランジスタ108の上面図であり、図26(A)に示す一点鎖線I1−I2方向の断面が図26(B)に相当する。また、図26(A)に示す一点鎖線I3−I4方向の断面が図31(B)に相当する。また、一点鎖線I1−I2方向をチャネル長方向、一点鎖線I3−I4方向をチャネル幅方向と呼称する場合がある。
トランジスタ108は、絶縁層160および酸化物半導体層130cの端部が導電層170の端部と一致しない点がトランジスタ107と異なる。
また、本発明の一態様のトランジスタは、図27(A)、(B)に示す構成であってもよい。図27(A)はトランジスタ109の上面図であり、図27(A)に示す一点鎖線J1−J2方向の断面が図27(B)に相当する。また、図27(A)に示す一点鎖線J3−J4方向の断面が図31(A)に相当する。また、一点鎖線J1−J2方向をチャネル長方向、一点鎖線J3−J4方向をチャネル幅方向と呼称する場合がある。
トランジスタ109は、基板115と接する絶縁層120と、絶縁層120と接する酸化物半導体層130aおよび酸化物半導体層130bからなる積層と、当該積層と接する酸化物半導体層130cと、酸化物半導体層130cと接する絶縁層160と、絶縁層160と接する導電層170と、当該積層、酸化物半導体層130c、絶縁層160および導電層170を覆う絶縁層175と、絶縁層175と接する絶縁層180と、絶縁層175および絶縁層180に設けられた開口部を通じて当該積層と電気的に接続する導電層140および導電層150を有する。また、必要に応じて絶縁層180、導電層140および導電層150に接する絶縁層(平坦化膜)などを有していてもよい。
トランジスタ109は、領域231および領域232において酸化物半導体層130が二層(酸化物半導体層130a、酸化物半導体層130b)である点、領域233において酸化物半導体層130が三層(酸化物半導体層130a、酸化物半導体層130b、酸化物半導体層130c)である点を除き、トランジスタ103と同様の構成を有する。
また、本発明の一態様のトランジスタは、図28(A)、(B)に示す構成であってもよい。図28(A)はトランジスタ110の上面図であり、図28(A)に示す一点鎖線K1−K2方向の断面が図28(B)に相当する。また、図28(A)に示す一点鎖線K3−K4方向の断面が図31(A)に相当する。また、一点鎖線K1−K2方向をチャネル長方向、一点鎖線K3−K4方向をチャネル幅方向と呼称する場合がある。
トランジスタ110は、領域231および領域232において酸化物半導体層130が二層(酸化物半導体層130a、酸化物半導体層130b)である点、領域233において酸化物半導体層130が三層(酸化物半導体層130a、酸化物半導体層130b、酸化物半導体層130c)である点を除き、トランジスタ104と同様の構成を有する。
また、本発明の一態様のトランジスタは、図29(A)、(B)に示す構成であってもよい。図29(A)はトランジスタ111の上面図であり、図29(A)に示す一点鎖線L1−L2方向の断面が図29(B)に相当する。また、図29(A)に示す一点鎖線L3−L4方向の断面が図31(A)に相当する。また、一点鎖線L1−L2方向をチャネル長方向、一点鎖線L3−L4方向をチャネル幅方向と呼称する場合がある。
トランジスタ111は、基板115と接する絶縁層120と、絶縁層120と接する酸化物半導体層130aおよび酸化物半導体層130bからなる積層と、当該積層と電気的に接続する導電層140および導電層150と、当該積層、導電層140および導電層150と接する酸化物半導体層130cと、酸化物半導体層130cと接する絶縁層160と、絶縁層160と接する導電層170と、当該積層、導電層140、導電層150、酸化物半導体層130c、絶縁層160および導電層170と接する絶縁層175と、絶縁層175と接する絶縁層180とを有する。また、必要に応じて絶縁層180に接する絶縁層(平坦化膜)などを有していてもよい。
トランジスタ111は、領域231および領域232において酸化物半導体層130が二層(酸化物半導体層130a、酸化物半導体層130b)である点、領域233において酸化物半導体層130が三層(酸化物半導体層130a、酸化物半導体層130b、酸化物半導体層130c)である点、および導電層140および導電層150と絶縁層160との間に酸化物半導体層の一部(酸化物半導体層130c)が介在している点を除き、トランジスタ105と同様の構成を有する。
また、本発明の一態様のトランジスタは、図30(A)、(B)に示す構成であってもよい。図30(A)はトランジスタ112の上面図であり、図30(A)に示す一点鎖線M1−M2方向の断面が図30(B)に相当する。また、図30(A)に示す一点鎖線M3−M4方向の断面が図31(A)に相当する。また、一点鎖線M1−M2方向をチャネル長方向、一点鎖線M3−M4方向をチャネル幅方向と呼称する場合がある。
トランジスタ112は、領域331、領域332、領域334および領域335において酸化物半導体層130が二層(酸化物半導体層130a、酸化物半導体層130b)である点、領域333において酸化物半導体層130が三層(酸化物半導体層130a、酸化物半導体層130b、酸化物半導体層130c)である点を除き、トランジスタ106と同様の構成を有する。
また、本発明の一態様のトランジスタは、図32(A)、(B)、(C)、(D)、(E)、(F)に示すチャネル長方向の断面図、ならびに図33(A)、(B)に示すチャネル幅方向の断面図のように、酸化物半導体層130と基板115との間に導電層173を備えていてもよい。当該導電層を第2のゲート電極層(バックゲート)として用いることで、更なるオン電流の増加や、しきい値電圧の制御を行うことができる。なお、図32(A)、(B)、(C)、(D)、(E)、(F)に示す断面図において、導電層173の幅を酸化物半導体層130よりも短くしてもよい。さらに、導電層173の幅を導電層170の幅よりも短くしてもよい。
また、本発明の一態様のトランジスタにおける導電層140(ソース電極層)および導電層150(ドレイン電極層)は、図34(A)、(B)に示す上面図(酸化物半導体層130、導電層140および導電層150のみを図示)のように酸化物半導体層の幅(WOS)よりも導電層140および導電層150の幅(WSD)が長く形成されていてもよいし、短く形成されていてもよい。WOS≧WSD(WSDはWOS以下)とすることで、ゲート電界が酸化物半導体層130全体にかかりやすくなり、トランジスタの電気特性を向上させることができる。
本発明の一態様のトランジスタ(トランジスタ101乃至トランジスタ112)では、いずれの構成においても、ゲート電極層である導電層170は、ゲート絶縁膜である絶縁層160を介して酸化物半導体層130のチャネル幅方向を電気的に取り囲み、オン電流が高められる。このようなトランジスタの構造を、surrounded channel(s−channel)構造とよぶ。
また、酸化物半導体層130bおよび酸化物半導体層130cを有するトランジスタ、ならびに酸化物半導体層130a、酸化物半導体層130bおよび酸化物半導体層130cを有するトランジスタにおいては、酸化物半導体層130を構成する二層または三層の材料を適切に選択することで酸化物半導体層130bに電流を流すことができる。酸化物半導体層130bに電流が流れることで、界面散乱の影響を受けにくく、高いオン電流を得ることができる。なお、酸化物半導体層130bを厚くすると、オン電流を向上させることができる。例えば、酸化物半導体層130bの膜厚を100nm乃至200nmとしてもよい。
以上の構成のトランジスタを用いることにより、半導体装置に良好な電気特性を付与することができる。
なお、本明細書において、チャネル長とは、例えば、トランジスタの上面図において、半導体(またはトランジスタがオン状態のときに半導体の中で電流の流れる部分)とゲート電極とが重なる領域、またはチャネルが形成される領域における、ソース(ソース領域またはソース電極)とドレイン(ドレイン領域またはドレイン電極)との間の距離をいう。なお、一つのトランジスタにおいて、チャネル長が全ての領域で同じ値をとるとは限らない。即ち、一つのトランジスタのチャネル長は、一つの値に定まらない場合がある。そのため、本明細書では、チャネル長は、チャネルの形成される領域における、いずれか一の値、最大値、最小値または平均値とする。
また、チャネル幅とは、例えば、半導体(またはトランジスタがオン状態のときに半導体の中で電流の流れる部分)とゲート電極とが重なる領域、またはチャネルが形成される領域における、ソースとドレインとが向かい合っている部分の長さをいう。なお、一つのトランジスタにおいて、チャネル幅がすべての領域で同じ値をとるとは限らない。即ち、一つのトランジスタのチャネル幅は、一つの値に定まらない場合がある。そのため、本明細書では、チャネル幅は、チャネルの形成される領域における、いずれか一の値、最大値、最小値または平均値とする。
なお、トランジスタの構造によっては、実際にチャネルの形成される領域におけるチャネル幅(以下、実効的なチャネル幅と呼ぶ。)と、トランジスタの上面図において示されるチャネル幅(以下、見かけ上のチャネル幅と呼ぶ。)と、が異なる場合がある。例えば、ゲート電極が半導体の側面を覆う場合、実効的なチャネル幅が、見かけ上のチャネル幅よりも大きくなり、その影響が無視できなくなる場合がある。例えば、微細かつ立体的な構造を有するトランジスタでは、半導体の上面に形成されるチャネル領域の割合に対して、半導体の側面に形成されるチャネル領域の割合が大きくなる場合がある。その場合は、見かけ上のチャネル幅よりも、実効的なチャネル幅の方が大きくなる。
このような場合、実効的なチャネル幅の、実測による見積もりが困難となる場合がある。例えば、設計値から実効的なチャネル幅を見積もるためには、半導体の形状が既知という仮定が必要である。したがって、半導体の形状が正確にわからない場合には、実効的なチャネル幅を正確に測定することは困難である。
そこで、本明細書では、見かけ上のチャネル幅を、「囲い込みチャネル幅(SCW:Surrounded Channel Width)」と呼ぶ場合がある。また、本明細書では、単にチャネル幅と記載した場合には、囲い込みチャネル幅または見かけ上のチャネル幅を指す場合がある。または、本明細書では、単にチャネル幅と記載した場合には、実効的なチャネル幅を指す場合がある。なお、チャネル長、チャネル幅、実効的なチャネル幅、見かけ上のチャネル幅、囲い込みチャネル幅などは、断面TEM像を解析することなどによって、値を決定することができる。
なお、トランジスタの電界効果移動度や、チャネル幅当たりの電流値などを計算して求める場合、囲い込みチャネル幅を用いて計算する場合がある。その場合には、実効的なチャネル幅を用いて計算する場合とは異なる値をとる場合がある。
なお、本実施の形態は、本明細書で示す他の実施の形態および実施例と適宜組み合わせることができる。
(実施の形態3)
本実施の形態では、実施の形態2に示したトランジスタの構成要素について詳細を説明する。
基板115は、図1(A)におけるシリコン基板40、絶縁層81、絶縁層82、絶縁層83および絶縁層84を含む構成に相当する。なお、シリコン基板にp−ch型のトランジスタを形成する場合、n−型の導電型を有するシリコン基板を用いることが好ましい。または、n−型またはi型のシリコン層を有するSOI基板であってもよい。またシリコン基板に設けるトランジスタがp−ch型である場合は、トランジスタを形成する面の面方位が(110)面であるシリコン基板を用いることが好ましい。(110)面にp−ch型トランジスタを形成することで、移動度を高くすることができる。
絶縁層120は、図1(A)における絶縁層85に相当する。絶縁層120は、基板115からの不純物の拡散を防止する役割を有するほか、酸化物半導体層130に酸素を供給する役割を担うことができる。したがって、絶縁層120は酸素を含む絶縁膜であることが好ましく、化学量論組成よりも多い酸素を含む絶縁膜であることがより好ましい。例えば、膜の表面温度が100℃以上700℃以下、好ましくは100℃以上500℃以下の加熱処理で行われるTDS法にて、酸素原子に換算しての酸素の放出量が1.0×1019atoms/cm3以上である膜とする。絶縁層120は、層間絶縁膜としての機能も有する。その場合は、表面が平坦になるようにCMP法等で平坦化処理を行ってもよい。
例えば、絶縁層120には、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、酸化ガリウム、酸化ゲルマニウム、酸化イットリウム、酸化ジルコニウム、酸化ランタン、酸化ネオジム、酸化ハフニウムおよび酸化タンタルなどの酸化物絶縁膜、窒化シリコン、窒化酸化シリコン、窒化アルミニウム、窒化酸化アルミニウムなどの窒化物絶縁膜、またはこれらの混合材料を用いることができる。また、上記材料の積層であってもよい。
なお、本実施の形態では、トランジスタが有する酸化物半導体層130が酸化物半導体層130a、酸化物半導体層130bおよび酸化物半導体層130cを絶縁層120側から順に積んだ三層構造である場合を主として詳細を説明する。
なお、酸化物半導体層130が単層の場合は、上記酸化物半導体層130bに相当する層を用いればよい。
また、酸化物半導体層130が二層の場合は、酸化物半導体層130bに相当する層および酸化物半導体層130cに相当する層を絶縁層120側から順に積んだ積層を用いればよい。この構成の場合、酸化物半導体層130bと酸化物半導体層130cとを入れ替えることもできる。
また、酸化物半導体層130が四層以上である場合は、例えば、本実施の形態で説明する三層構造の酸化物半導体層130に対して他の酸化物半導体層を積む構成や当該三層構造におけるいずれかの界面に他の酸化物半導体層を挿入する構成とすることができる。
一例としては、酸化物半導体層130bには、酸化物半導体層130aおよび酸化物半導体層130cよりも電子親和力(真空準位から伝導帯下端までのエネルギー)が大きい酸化物半導体を用いる。電子親和力は、真空準位と価電子帯上端とのエネルギー差(イオン化ポテンシャル)から、伝導帯下端と価電子帯上端とのエネルギー差(エネルギーギャップ)を差し引いた値として求めることができる。
酸化物半導体層130aおよび酸化物半導体層130cは、酸化物半導体層130bを構成する金属元素を一種以上含み、例えば、伝導帯下端のエネルギーが酸化物半導体層130bよりも、0.05eV、0.07eV、0.1eV、0.15eVのいずれか以上であって、2eV、1eV、0.5eV、0.4eVのいずれか以下の範囲で真空準位に近い酸化物半導体で形成することが好ましい。
このような構造において、導電層170に電界を印加すると、酸化物半導体層130のうち、伝導帯下端のエネルギーが最も小さい酸化物半導体層130bにチャネルが形成される。
また、酸化物半導体層130aは、酸化物半導体層130bを構成する金属元素を一種以上含んで構成されるため、酸化物半導体層130bと絶縁層120が接した場合の界面と比較して、酸化物半導体層130bと酸化物半導体層130aとの界面には界面準位が形成されにくくなる。該界面準位はチャネルを形成することがあるため、トランジスタのしきい値電圧が変動することがある。したがって、酸化物半導体層130aを設けることにより、トランジスタのしきい値電圧などの電気特性のばらつきを低減することができる。また、当該トランジスタの信頼性を向上させることができる。
また、酸化物半導体層130cは、酸化物半導体層130bを構成する金属元素を一種以上含んで構成されるため、酸化物半導体層130bとゲート絶縁膜(絶縁層160)が接した場合の界面と比較して、酸化物半導体層130bと酸化物半導体層130cとの界面ではキャリアの散乱が起こりにくくなる。したがって、酸化物半導体層130cを設けることにより、トランジスタの電界効果移動度を高くすることができる。
酸化物半導体層130aおよび酸化物半導体層130cには、例えば、Al、Ti、Ga、Ge、Y、Zr、Sn、La、CeまたはHfを酸化物半導体層130bよりも高い原子数比で含む材料を用いることができる。具体的には、当該原子数比を1.5倍以上、好ましくは2倍以上、さらに好ましくは3倍以上とする。前述の元素は酸素と強く結合するため、酸素欠損が酸化物半導体層に生じることを抑制する機能を有する。すなわち、酸化物半導体層130aおよび酸化物半導体層130cは、酸化物半導体層130bよりも酸素欠損が生じにくいということができる。
また、酸化物半導体層130a、酸化物半導体層130b、および酸化物半導体層130cとして用いることのできる酸化物半導体は、少なくともInもしくはZnを含むことが好ましい。または、InとZnの双方を含むことが好ましい。また、該酸化物半導体を用いたトランジスタの電気特性のばらつきを減らすため、それらと共に、スタビライザーを含むことが好ましい。
スタビライザーとしては、Ga、Sn、Hf、Al、またはZr等がある。また、他のスタビライザーとしては、ランタノイドであるLa、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu等がある。
例えば、酸化物半導体として、酸化インジウム、酸化スズ、酸化ガリウム、酸化亜鉛、In−Zn酸化物、Sn−Zn酸化物、Al−Zn酸化物、Zn−Mg酸化物、Sn−Mg酸化物、In−Mg酸化物、In−Ga酸化物、In−Ga−Zn酸化物、In−Al−Zn酸化物、In−Sn−Zn酸化物、Sn−Ga−Zn酸化物、Al−Ga−Zn酸化物、Sn−Al−Zn酸化物、In−Hf−Zn酸化物、In−La−Zn酸化物、In−Ce−Zn酸化物、In−Pr−Zn酸化物、In−Nd−Zn酸化物、In−Sm−Zn酸化物、In−Eu−Zn酸化物、In−Gd−Zn酸化物、In−Tb−Zn酸化物、In−Dy−Zn酸化物、In−Ho−Zn酸化物、In−Er−Zn酸化物、In−Tm−Zn酸化物、In−Yb−Zn酸化物、In−Lu−Zn酸化物、In−Sn−Ga−Zn酸化物、In−Hf−Ga−Zn酸化物、In−Al−Ga−Zn酸化物、In−Sn−Al−Zn酸化物、In−Sn−Hf−Zn酸化物、In−Hf−Al−Zn酸化物を用いることができる。
なお、ここで、例えば、In−Ga−Zn酸化物とは、InとGaとZnを主成分として有する酸化物という意味である。また、InとGaとZn以外の金属元素が入っていてもよい。また、本明細書においては、In−Ga−Zn酸化物で構成した膜をIGZO膜とも呼ぶ。
また、InMO3(ZnO)m(m>0、且つ、mは整数でない)で表記される材料を用いてもよい。なお、Mは、Ga、Y、Zr、La、Ce、またはNdから選ばれた一つの金属元素または複数の金属元素を示す。また、In2SnO5(ZnO)n(n>0、且つ、nは整数)で表記される材料を用いてもよい。
なお、酸化物半導体層130a、酸化物半導体層130b、酸化物半導体層130cが、少なくともインジウム、亜鉛およびM(Al、Ti、Ga、Ge、Y、Zr、Sn、La、CeまたはHf等の金属)を含むIn−M−Zn酸化物であるとき、酸化物半導体層130aをIn:M:Zn=x1:y1:z1[原子数比]、酸化物半導体層130bをIn:M:Zn=x2:y2:z2[原子数比]、酸化物半導体層130cをIn:M:Zn=x3:y3:z3[原子数比]とすると、y1/x1およびy3/x3がy2/x2よりも大きくなることが好ましい。y1/x1およびy3/x3はy2/x2よりも1.5倍以上、好ましくは2倍以上、さらに好ましくは3倍以上とする。このとき、酸化物半導体層130bにおいて、y2がx2以上であるとトランジスタの電気特性を安定させることができる。ただし、y2がx2の3倍以上になると、トランジスタの電界効果移動度が低下してしまうため、y2はx2の3倍未満であることが好ましい。
酸化物半導体層130aおよび酸化物半導体層130cにおけるZnおよびOを除いた場合において、InおよびMの原子数比率は、好ましくはInが50atomic%未満、Mが50atomic%以上、さらに好ましくはInが25atomic%未満、Mが75atomic%以上とする。また、酸化物半導体層130bのZnおよびOを除いてのInおよびMの原子数比率は、好ましくはInが25atomic%以上、Mが75atomic%未満、さらに好ましくはInが34atomic%以上、Mが66atomic%未満とする。
また、酸化物半導体層130bは、酸化物半導体層130aおよび酸化物半導体層130cよりもインジウムの含有量を多くするとよい。酸化物半導体では主として重金属のs軌道がキャリア伝導に寄与しており、Inの含有率を多くすることにより、より多くのs軌道が重なるため、InがMよりも多い組成となる酸化物はInがMと同等または少ない組成となる酸化物と比較して移動度が高くなる。そのため、酸化物半導体層130bにインジウムの含有量が多い酸化物を用いることで、高い電界効果移動度のトランジスタを実現することができる。
酸化物半導体層130aの厚さは、3nm以上100nm以下、好ましくは5nm以上50nm以下、さらに好ましくは5nm以上25nm以下とする。また、酸化物半導体層130bの厚さは、3nm以上200nm以下、好ましくは10nm以上150nm以下、さらに好ましくは15nm以上100nm以下とする。また、酸化物半導体層130cの厚さは、1nm以上50nm以下、好ましくは2nm以上30nm以下、さらに好ましくは3nm以上15nm以下とする。また、酸化物半導体層130bは、酸化物半導体層130aおよび酸化物半導体層130cより厚い方が好ましい。
なお、酸化物半導体層をチャネルとするトランジスタに安定した電気特性を付与するためには、酸化物半導体層中の不純物濃度を低減し、酸化物半導体層を真性(i型)または実質的に真性にすることが有効である。ここで、実質的に真性とは、酸化物半導体層のキャリア密度が、1×1017/cm3未満であること、1×1015/cm3未満であること、あるいは1×1013/cm3未満であることを指す。
また、酸化物半導体層において、水素、窒素、炭素、シリコン、および主成分以外の金属元素は不純物となる。例えば、水素および窒素はドナー準位の形成に寄与し、キャリア密度を増大させてしまう。また、シリコンは酸化物半導体層中で不純物準位の形成に寄与する。当該不純物準位はトラップとなり、トランジスタの電気特性を劣化させることがある。したがって、酸化物半導体層130a、酸化物半導体層130bおよび酸化物半導体層130cの層中や、それぞれの界面において不純物濃度を低減させることが好ましい。
酸化物半導体層を真性または実質的に真性とするためには、SIMS(Secondary Ion Mass Spectrometry)分析で見積もられるシリコン濃度が1×1019atoms/cm3未満、好ましくは5×1018atoms/cm3未満、さらに好ましくは1×1018atoms/cm3未満となる領域を有するように制御する。また、水素濃度が、2×1020atoms/cm3以下、好ましくは5×1019atoms/cm3以下、より好ましくは1×1019atoms/cm3以下、さらに好ましくは5×1018atoms/cm3以下になる領域を有するように制御する。また、窒素濃度は、例えば、酸化物半導体層のある深さにおいて、または、酸化物半導体層のある領域において、5×1019atoms/cm3未満、好ましくは5×1018atoms/cm3以下、より好ましくは1×1018atoms/cm3以下、さらに好ましくは5×1017atoms/cm3以下とする。
また、酸化物半導体層が結晶を含む場合、シリコンや炭素が高濃度で含まれると、酸化物半導体層の結晶性を低下させることがある。酸化物半導体層の結晶性を低下させないためには、例えばシリコン濃度を1×1019atoms/cm3未満、好ましくは5×1018atoms/cm3未満、さらに好ましくは1×1018atoms/cm3未満になる領域を有するように制御する。また、炭素濃度を1×1019atoms/cm3未満、好ましくは5×1018atoms/cm3未満、さらに好ましくは1×1018atoms/cm3未満になる領域を有するように制御する。
また、上述のように高純度化された酸化物半導体膜をチャネル形成領域に用いたトランジスタのオフ電流は極めて小さい。例えば、ソースとドレインとの間の電圧を0.1V、5V、または、10V程度とした場合に、トランジスタのチャネル幅当りのオフ電流を数yA/μm乃至数zA/μmにまで低減することが可能となる。
なお、トランジスタのゲート絶縁膜としては、シリコンを含む絶縁膜が多く用いられるため、上記理由により酸化物半導体層のチャネルとなる領域は、本発明の一態様のトランジスタのようにゲート絶縁膜と接しない構造が好ましいということができる。また、ゲート絶縁膜と酸化物半導体層との界面にチャネルが形成される場合、該界面でキャリアの散乱が起こり、トランジスタの電界効果移動度が低くなる。このような観点からも、酸化物半導体層のチャネルとなる領域はゲート絶縁膜から離すことが好ましいといえる。
したがって、酸化物半導体層130を酸化物半導体層130a、酸化物半導体層130b、酸化物半導体層130cの積層構造とすることで、酸化物半導体層130bにチャネルを形成することができ、高い電界効果移動度および安定した電気特性を有したトランジスタを形成することができる。
酸化物半導体層130a、酸化物半導体層130b、酸化物半導体層130cのバンド構造においては、伝導帯下端のエネルギーが連続的に変化する。これは、酸化物半導体層130a、酸化物半導体層130b、酸化物半導体層130cの組成が近似することにより、酸素が相互に拡散しやすい点からも理解される。したがって、酸化物半導体層130a、酸化物半導体層130b、酸化物半導体層130cは組成が異なる層の積層体ではあるが、物性的に連続であるということもでき、図面において、当該積層体のそれぞれの界面は破線で表している。
主成分を共通として積層された酸化物半導体層130は、各層を単に積層するのではなく連続接合(ここでは特に伝導帯下端のエネルギーが各層の間で連続的に変化するU字型の井戸構造(U Shape Well))が形成されるように作製する。すなわち、各層の界面にトラップ中心や再結合中心のような欠陥準位を形成するような不純物が存在しないように積層構造を形成する。仮に、積層された酸化物半導体層の層間に不純物が混在していると、エネルギーバンドの連続性が失われ、界面でキャリアがトラップあるいは再結合により消滅してしまう。
例えば、酸化物半導体層130aおよび酸化物半導体層130cにはIn:Ga:Zn=1:3:2、1:3:3、1:3:4、1:3:6、1:4:5、1:6:4または1:9:6(原子数比)、酸化物半導体層130bにはIn:Ga:Zn=1:1:1、2:1:3、5:5:6、3:1:2、または4:2:4.1(原子数比)などのIn−Ga−Zn酸化物などを用いることができる。なお、酸化物半導体層130a、酸化物半導体層130b、および酸化物半導体層130cの原子数比はそれぞれ、誤差として上記の原子数比のプラスマイナス40%の変動を含む。
酸化物半導体層130における酸化物半導体層130bはウェル(井戸)となり、酸化物半導体層130を用いたトランジスタにおいて、チャネルは酸化物半導体層130bに形成される。なお、酸化物半導体層130は伝導帯下端のエネルギーが連続的に変化しているため、U字型井戸とも呼ぶことができる。また、このような構成で形成されたチャネルを埋め込みチャネルということもできる。
また、酸化物半導体層130aおよび酸化物半導体層130cと、酸化シリコン膜などの絶縁層との界面近傍には、不純物や欠陥に起因したトラップ準位が形成され得る。酸化物半導体層130aおよび酸化物半導体層130cがあることにより、酸化物半導体層130bと当該トラップ準位とを遠ざけることができる。
ただし、酸化物半導体層130aおよび酸化物半導体層130cの伝導帯下端のエネルギーと、酸化物半導体層130bの伝導帯下端のエネルギーとの差が小さい場合、酸化物半導体層130bの電子が該エネルギー差を越えてトラップ準位に達することがある。電子がトラップ準位に捕獲されることで、絶縁層界面にマイナスの電荷が生じ、トランジスタのしきい値電圧はプラス方向にシフトしてしまう。
酸化物半導体層130a、酸化物半導体層130bおよび酸化物半導体層130cには、結晶部が含まれることが好ましい。特にc軸に配向した結晶を用いることでトランジスタに安定した電気特性を付与することができる。また、c軸に配向した結晶は歪曲に強く、フレキシブル基板を用いた半導体装置の信頼性を向上させることができる。
ソース電極層として作用する導電層140およびドレイン電極層として作用する導電層150には、例えば、Al、Cr、Cu、Ta、Ti、Mo、W、Ni、Mn、Nd、Sc、および当該金属材料の合金から選ばれた材料の単層、または積層を用いることができる。代表的には、特に酸素と結合しやすいTiや、後のプロセス温度が比較的高くできることなどから、融点の高いWを用いることがより好ましい。また、低抵抗のCuやCu−Mnなどの合金と上記材料との積層を用いてもよい。
上記材料は酸化物半導体層から酸素を引き抜く性質を有する。そのため、上記材料と接した酸化物半導体層の一部の領域では酸化物半導体層中の酸素が脱離し、酸素欠損が形成される。層中に僅かに含まれる水素と当該酸素欠損が結合することにより当該領域は顕著にn型化する。したがって、n型化した当該領域はトランジスタのソースまたはドレインとして作用させることができる。
また、導電層140および導電層150にWを用いる場合には、窒素をドーピングしてもよい。窒素をドーピングすることで酸素を引き抜く性質を適度に弱めることができ、n型化した領域がチャネル領域まで拡大することを防ぐことができる。また、上記の導電層をn型の半導体層との積層とし、n型の半導体層と酸化物半導体層を接触させることによってもn型化した領域がチャネル領域まで拡大することを防ぐことができる。n型の半導体層としては、窒素が添加されたIn−Ga−Zn酸化物、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化スズ、酸化インジウムスズなどを用いることができる。
ゲート絶縁膜として作用する絶縁層160には、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、窒化シリコン、酸化ガリウム、酸化ゲルマニウム、酸化イットリウム、酸化ジルコニウム、酸化ランタン、酸化ネオジム、酸化ハフニウムおよび酸化タンタルを一種以上含む絶縁膜を用いることができる。また、絶縁層160は上記材料の積層であってもよい。なお、絶縁層160に、La、窒素、Zrなどを、不純物として含んでいてもよい。
また、絶縁層160の積層構造の一例について説明する。絶縁層160は、例えば、酸素、窒素、シリコン、ハフニウムなどを有する。具体的には、酸化ハフニウム、および酸化シリコンまたは酸化窒化シリコンを含むと好ましい。
酸化ハフニウムおよび酸化アルミニウムは、酸化シリコンや酸化窒化シリコンと比べて比誘電率が高い。したがって、酸化シリコンを用いた場合と比べて、絶縁層160の膜厚を大きくできるため、トンネル電流によるリーク電流を小さくすることができる。即ち、オフ電流の小さいトランジスタを実現することができる。さらに、結晶構造を有する酸化ハフニウムは、非晶質構造を有する酸化ハフニウムと比べて高い比誘電率を備える。したがって、オフ電流の小さいトランジスタとするためには、結晶構造を有する酸化ハフニウムを用いることが好ましい。結晶構造の例としては、単斜晶系や立方晶系などが挙げられる。ただし、本発明の一態様は、これらに限定されない。
また、酸化物半導体層130と接する絶縁層120および絶縁層160においては、窒素酸化物に起因する準位密度が低い領域を有していてもよい。当該窒素酸化物に起因する準位密度は、酸化物半導体のエネルギーギャップ内に形成され得る場合がある。上記酸化物絶縁層として、窒素酸化物の放出量の少ない酸化窒化シリコン膜、または窒素酸化物の放出量の少ない酸化窒化アルミニウム膜等を用いることができる。
なお、窒素酸化物の放出量の少ない酸化窒化シリコン膜は、昇温脱離ガス分析法(TDS(Thermal Desorption Spectroscopy))において、窒素酸化物の放出量よりアンモニアの放出量が多い膜であり、代表的にはアンモニアの放出量が1×1018個/cm3以上5×1019個/cm3以下である。なお、アンモニアの放出量は、膜の表面温度が50℃以上650℃以下、好ましくは50℃以上550℃以下の加熱処理による放出量とする。
絶縁層120および絶縁層160として、上記酸化物絶縁層を用いることで、トランジスタのしきい値電圧のシフトを低減することが可能であり、トランジスタの電気特性の変動を低減することができる。
ゲート電極層として作用する導電層170には、例えば、Al、Ti、Cr、Co、Ni、Cu、Y、Zr、Mo、Ru、Ag、Mn、Nd、Sc、TaおよびWなどの導電膜を用いることができる。また、上記材料の合金や上記材料の導電性窒化物を用いてもよい。また、上記材料、上記材料の合金、および上記材料の導電性窒化物から選ばれた複数の材料の積層であってもよい。代表的には、タングステン、タングステンと窒化チタンの積層、タングステンと窒化タンタルの積層などを用いることができる。また、低抵抗のCuまたはCu−Mn等の合金や上記材料とCuまたはCu−Mn等の合金との積層を用いてもよい。本実施の形態では、導電層171に窒化タンタル、導電層172にタングステンを用いて導電層170を形成する。
絶縁層175には、水素を含む窒化シリコン膜または窒化アルミニウム膜などを用いることができる。実施の形態2に示したトランジスタ103、トランジスタ104、トランジスタ106、トランジスタ109、トランジスタ110、およびトランジスタ112では、絶縁層175として水素を含む絶縁膜を用いることで酸化物半導体層の一部をn型化することができる。また、窒化絶縁膜は水分などのブロッキング膜としての作用も有し、トランジスタの信頼性を向上させることができる。
また、絶縁層175としては酸化アルミニウム膜を用いることもできる。特に、実施の形態2に示したトランジスタ101、トランジスタ102、トランジスタ105、トランジスタ107、トランジスタ108、およびトランジスタ111では絶縁層175に酸化アルミニウム膜を用いることが好ましい。酸化アルミニウム膜は、水素、水分などの不純物、および酸素の両方に対して膜を透過させない遮断効果が高い。したがって、酸化アルミニウム膜は、トランジスタの作製工程中および作製後において、トランジスタの電気特性の変動要因となる水素、水分などの不純物の酸化物半導体層130への混入防止、酸化物半導体層130を構成する主成分材料である酸素の酸化物半導体層からの放出防止、絶縁層120からの酸素の不必要な放出防止の効果を有する保護膜として用いることに適している。また、酸化アルミニウム膜に含まれる酸素を酸化物半導体層中に拡散させることもできる。
また、絶縁層175上には絶縁層180が形成されていることが好ましい。当該絶縁層には、酸化マグネシウム、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、窒化シリコン、酸化ガリウム、酸化ゲルマニウム、酸化イットリウム、酸化ジルコニウム、酸化ランタン、酸化ネオジム、酸化ハフニウムおよび酸化タンタルを一種以上含む絶縁膜を用いることができる。また、当該絶縁層は上記材料の積層であってもよい。
ここで、絶縁層180は絶縁層120と同様に化学量論組成よりも多くの酸素を有することが好ましい。絶縁層180から放出される酸素は絶縁層160を経由して酸化物半導体層130のチャネル形成領域に拡散させることができることから、チャネル形成領域に形成された酸素欠損に酸素を補填することができる。したがって、安定したトランジスタの電気特性を得ることができる。
半導体装置を高集積化するにはトランジスタの微細化が必須である。一方、トランジスタの微細化によりトランジスタの電気特性が悪化することが知られており、チャネル幅が縮小するとオン電流は低下する。
本発明の一態様のトランジスタ107乃至トランジスタ112では、チャネルが形成される酸化物半導体層130bを覆うように酸化物半導体層130cが形成されており、チャネル形成層とゲート絶縁膜が接しない構成となっている。そのため、チャネル形成層とゲート絶縁膜との界面で生じるキャリアの散乱を抑えることができ、トランジスタのオン電流を大きくすることができる。
また、本発明の一態様のトランジスタでは、前述したように酸化物半導体層130のチャネル幅方向を電気的に取り囲むようにゲート電極層(導電層170)が形成されているため、酸化物半導体層130に対しては上面に垂直な方向からのゲート電界に加えて、側面に垂直な方向からのゲート電界が印加される。すなわち、チャネル形成層に対して全体的にゲート電界が印加されることになり実効チャネル幅が拡大するため、さらにオン電流を高められる。
また、本発明の一態様における酸化物半導体層130が二層または三層のトランジスタでは、チャネルが形成される酸化物半導体層130bを酸化物半導体層130a上に形成することで界面準位を形成しにくくする効果を有する。また、本発明の一態様における酸化物半導体層130が三層のトランジスタでは、酸化物半導体層130bを三層構造の中間に位置する層とすることで上下からの不純物混入の影響を排除できる効果などを併せて有する。そのため、上述したトランジスタのオン電流の向上に加えて、しきい値電圧の安定化や、S値(サブスレッショルド値)を低減させることができる。したがって、ゲート電圧VGが0V時の電流を下げることができ、消費電力を低減させることができる。また、トランジスタのしきい値電圧が安定化することから、半導体装置の長期信頼性を向上させることができる。また、本発明の一態様のトランジスタは、微細化にともなう電気特性の劣化が抑えられることから、集積度の高い半導体装置の形成に適しているといえる。
なお、本実施の形態は、本明細書で示す他の実施の形態および実施例と適宜組み合わせることができる。
(実施の形態4)
本実施の形態では、実施の形態2で説明したトランジスタ101、およびトランジスタ107の作製方法を説明する。
まず、基板115に含まれるp−ch型シリコントランジスタの作製方法の一例を説明する。シリコン基板としては、n−型の単結晶シリコン基板を用い、表面に絶縁層(フィールド酸化膜とも言う)で分離した素子形成領域を形成する。素子分離領域の形成は、LOCOS法(Local Oxidation of Silicon)やSTI法(Shallow Trench Isolation)等を用いることができる。
ここで基板は単結晶シリコン基板に限らず、SOI(Silicon on Insulator)基板等を用いることもできる。
次に、素子形成領域を覆うようにゲート絶縁膜を形成する。例えば、熱処理を行い素子形成領域の表面を酸化させることにより酸化シリコン膜を形成する。また、酸化シリコン膜を形成した後に窒化処理を行うことによって酸化シリコン膜の表面を窒化させてもよい。
次に、ゲート絶縁膜を覆うように導電膜を形成する。導電膜としては、Ta、W、Ti、Mo、Al、Cu、Cr、Nb等から選択された元素またはこれらの元素を主成分とする合金材料若しくは化合物材料で形成することができる。また、これらの元素を窒化した金属窒化膜で形成することもできる。他にも、リン等の不純物元素をドーピングした多結晶シリコンに代表される半導体材料により形成することもできる。
次に、導電膜を選択的にエッチングすることによって、ゲート絶縁膜上にゲート電極層を形成する。
次に、ゲート電極層を覆うように酸化シリコン膜または窒化シリコン膜等の絶縁膜を形成し、エッチバックを行ってゲート電極層の側面にサイドウォールを形成する。
次に、素子形成領域以外を覆うようにレジストマスクを選択的に形成し、当該レジストマスクおよびゲート電極層をマスクとして不純物元素を導入することによってp+型の不純物領域を形成する。ここでは、p−ch型のトランジスタを形成するため、不純物元素としては、p型を付与する不純物元素であるBやGa等を用いることができる。
以上でシリコン基板に活性領域を有するp−ch型のトランジスタが完成する。なお、当該トランジスタ上には窒化シリコン膜や酸化アルミニウム膜などのパッシベーション膜を形成することが好ましい。
次に、トランジスタを形成したシリコン基板上に層間絶縁膜を形成し、各種コンタクトプラグおよび各種配線を形成する。また、実施の形態1で説明したように水素の拡散を防止する酸化アルミニウム等の絶縁層を形成する。基板115には、上述したトランジスタが形成されたシリコン基板、当該シリコン基板上に形成された層間絶縁膜等が含まれる。
続いて、図35および図36を用いてトランジスタ102の作製方法を説明する。なお、図面の左側にはトランジスタのチャネル長方向の断面を示し、右側にはチャネル幅方向の断面を示す。また、チャネル幅方向の図面は拡大図のため、各要素の見かけ上の膜厚は左右の図面で異なる。
酸化物半導体層130は、酸化物半導体層130a、酸化物半導体層130bおよび酸化物半導体層130cの三層構造である場合を例示する。酸化物半導体層130が二層構造の場合は、酸化物半導体層130aおよび酸化物半導体層130bの二層とし、酸化物半導体層130が単層構造の場合は、酸化物半導体層130bの一層とすればよい。
まず、基板115上に絶縁層120を形成する。基板115の種類および絶縁層120の材質は実施の形態3の説明を参照することができる。なお、絶縁層120は、スパッタ法、CVD法、MBE(Molecular Beam Epitaxy)法などを用いて形成することができる。
また、絶縁層120にイオン注入法、イオンドーピング法、プラズマイマージョンイオンインプランテーション法、プラズマ処理法などを用いて酸素を添加してもよい。酸素を添加することによって、絶縁層120から酸化物半導体層130への酸素の供給をさらに容易にすることができる。
なお、基板115の表面が絶縁体であり、後に設ける酸化物半導体層130への不純物拡散の影響が無い場合は、絶縁層120を設けない構成とすることができる。
次に、絶縁層120上に酸化物半導体層130aとなる酸化物半導体膜130A、酸化物半導体層130bとなる酸化物半導体膜130B、および酸化物半導体層130cとなる酸化物半導体膜130Cをスパッタ法、CVD法、MBE法などを用いて成膜する(図35(A)参照)。
酸化物半導体層130が積層構造である場合、酸化物半導体膜はロードロック室を備えたマルチチャンバー方式の成膜装置(例えばスパッタ装置)を用いて各層を大気に触れさせることなく連続して積層することが好ましい。スパッタ装置における各チャンバーは、酸化物半導体にとって不純物となる水等を可能な限り除去すべく、クライオポンプのような吸着式の真空排気ポンプを用いて高真空排気(5×10−7Pa乃至1×10−4Pa程度まで)できること、かつ、基板を100℃以上、好ましくは500℃以上に加熱できることが好ましい。または、ターボ分子ポンプとコールドトラップを組み合わせて排気系からチャンバー内に炭素成分や水分等を含む気体が逆流しないようにしておくことが好ましい。また、ターボ分子ポンプとクライオポンプを組み合わせた排気系を用いてもよい。
高純度真性酸化物半導体を得るためには、チャンバー内を高真空排気するのみならずスパッタガスを高純度化することが好ましい。スパッタガスとして用いる酸素ガスやアルゴンガスは、露点が−40℃以下、好ましくは−80℃以下、より好ましくは−100℃以下にまで高純度化することで酸化物半導体膜に水分等が取り込まれることを可能な限り防ぐことができる。
酸化物半導体膜130A、酸化物半導体膜130B、および酸化物半導体膜130Cには、実施の形態3で説明した材料を用いることができる。成膜法にスパッタ法を用いる場合は、実施の形態3で説明した材料をターゲットとして成膜することができる。なお、酸化物半導体膜130A、酸化物半導体膜130B、および酸化物半導体膜130Cの原子数比はそれぞれ、誤差として上記の原子数比のプラスマイナス40%の変動を含む。例えば、In:Ga:Zn=4:2:4.1の材料をターゲットに用いてスパッタ法で成膜した膜の原子数比は、In:Ga:Zn=4:2:3になることがある。
ただし、実施の形態3に詳細を記したように、酸化物半導体膜130Bには酸化物半導体膜130Aおよび酸化物半導体膜130Cよりも電子親和力が大きい材料を用いる。
なお、酸化物半導体膜の成膜には、スパッタ法を用いることが好ましい。スパッタ法としては、RFスパッタ法、DCスパッタ法、ACスパッタ法等を用いることができる。
酸化物半導体膜130Cの形成後に、第1の加熱処理を行ってもよい。第1の加熱処理は、250℃以上650℃以下、好ましくは300℃以上500℃以下の温度で、不活性ガス雰囲気、酸化性ガスを10ppm以上含む雰囲気、または減圧状態で行えばよい。また、第1の加熱処理の雰囲気は、不活性ガス雰囲気で加熱処理した後に、脱離した酸素を補うために酸化性ガスを10ppm以上含む雰囲気で行ってもよい。第1の加熱処理によって、酸化物半導体膜130A、酸化物半導体膜130B、および酸化物半導体膜130Cの結晶性を高め、さらに絶縁層120、酸化物半導体膜130A、酸化物半導体膜130B、および酸化物半導体膜130Cから水素や水などの不純物を除去することができる。なお、第1の加熱処理は、後述する酸化物半導体層130a、酸化物半導体層130b、および酸化物半導体層130cを形成するエッチングの後に行ってもよい。
次に、酸化物半導体膜130A上に第1の導電層を形成する。第1の導電層は、例えば、次の方法を用いて形成することができる。
まず、酸化物半導体膜130A上に第1の導電膜を形成する。第1の導電膜としては、Al、Cr、Cu、Ta、Ti、Mo、W、Ni、Mn、Nd、Sc、および当該金属材料の合金から選ばれた材料の単層、または積層を用いることができる。
次に、第1の導電膜上にレジスト膜を形成し、当該レジスト膜に対して電子ビーム露光、液浸露光、EUV露光などの方法を用いて露光し、現像処理を行うことで第1のレジストマスクを形成する。なお、第1の導電膜とレジスト膜の間には密着剤として有機塗布膜を形成することが好ましい。また、ナノインプリントリソグラフィ法を用いて第1のレジストマスクを形成してもよい。
次に、第1のレジストマスクを用いて、第1の導電膜を選択的にエッチングし、第1のレジストマスクをアッシングすることにより導電層を形成する。
次に、上記導電層をハードマスクとして用い、酸化物半導体膜130A、酸化物半導体膜130B、および酸化物半導体膜130Cを選択的にエッチングして上記導電層を取り除き、酸化物半導体層130a、酸化物半導体層130b、および酸化物半導体層130cの積層からなる酸化物半導体層130を形成する(図35(B)参照)。なお、上記導電層を形成せずに、第1のレジストマスクを用いて酸化物半導体層130を形成してもよい。ここで、酸化物半導体層130に対して酸素イオンを注入してもよい。
次に、酸化物半導体層130を覆うように第2の導電膜を形成する。第2の導電膜としては、実施の形態6で説明した導電層140および導電層150に用いることのできる材料で形成すればよい。第2の導電膜の形成には、スパッタ法、CVD法、MBE法などを用いることができる。
次に、ソース領域およびドレイン領域となる部分の上に第2のレジストマスクを形成する。そして、第2の導電膜の一部をエッチングし、導電層140および導電層150を形成する(図35(C)参照)。
次に、酸化物半導体層130、導電層140および導電層150上に絶縁膜160Aを形成する。絶縁膜160Aは、実施の形態3で説明した絶縁層160に用いることのできる材料で形成すればよい。絶縁膜160Aの形成には、スパッタ法、CVD法、MBE法などを用いることができる。
次に、第2の加熱処理を行ってもよい。第2の加熱処理は、第1の加熱処理と同様の条件で行うことができる。第2の加熱処理により、酸化物半導体層130に注入した酸素を酸化物半導体層130の全体に拡散させることができる。なお、第2の加熱処理を行わずに、第3の加熱処理で上記効果を得てもよい。
次に、絶縁膜160A上に導電層170となる第3の導電膜171Aおよび第4の導電膜172Aを形成する。第3の導電膜171Aおよび第4の導電膜172Aは、実施の形態3で説明した導電層171および導電層172に用いることのできる材料で形成すればよい。第3の導電膜171Aおよび第4の導電膜172Aの形成には、スパッタ法、CVD法、MBE法などを用いることができる。
次に、第4の導電膜172A上に第3のレジストマスク156を形成する(図36(A)参照)。そして、当該レジストマスクを用いて、第3の導電膜171A、第4の導電膜172Aおよび絶縁膜160Aを選択的にエッチングし、導電層171および導電層172からなる導電層170、および絶縁層160を形成する(図36(B)参照)。なお、絶縁膜160Aをエッチングしない構造とすれば、トランジスタ102を作製することができる。
次に、酸化物半導体層130、導電層140、導電層150、絶縁層160および導電層170上に絶縁層175を形成する。絶縁層175の材質は、実施の形態3の説明を参照することができる。トランジスタ101の場合は、酸化アルミニウム膜を用いることが好ましい。絶縁層175は、スパッタ法、CVD法、MBE法などで形成することができる。
次に、絶縁層175上に絶縁層180を形成する(図36(C)参照)。絶縁層180の材質は、実施の形態3の説明を参照することができる。また、絶縁層180は、スパッタ法、CVD法、MBE法などで形成することができる。
また、絶縁層175および/または絶縁層180にイオン注入法、イオンドーピング法、プラズマイマージョンイオンインプランテーション法、プラズマ処理法などを用いて酸素を添加してもよい。酸素を添加することによって、絶縁層175および/または絶縁層180から酸化物半導体層130への酸素の供給をさらに容易にすることができる。
次に、第3の加熱処理を行ってもよい。第3の加熱処理は、第1の加熱処理と同様の条件で行うことができる。第3の加熱処理により、絶縁層120、絶縁層175、絶縁層180から過剰酸素が放出されやすくなり、酸化物半導体層130の酸素欠損を低減することができる。
次に、トランジスタ107の作製方法について説明する。なお、上述したトランジスタ102の作製方法と重複する工程の詳細な説明は省略する。
基板115上に絶縁層120を形成し、当該絶縁層上に酸化物半導体層130aとなる酸化物半導体膜130A、および酸化物半導体層130bとなる酸化物半導体膜130Bをスパッタ法、CVD法、MBE法などを用いて成膜する(図37(A)参照)。
次に、第1の導電膜を酸化物半導体膜130B上に形成し、前述した方法と同様に第1のレジストマスクを用いて導電層を形成する、そして、当該導電層をハードマスクとして酸化物半導体膜130Aおよび酸化物半導体膜130Bを選択的にエッチングし、上記導電層を取り除いて酸化物半導体層130aおよび酸化物半導体層130bからなる積層を形成する(図37(B)参照)。なお、ハードマスクを形成せずに、第1のレジストマスクを用いて当該積層を形成してもよい。ここで、酸化物半導体層130aおよび酸化物半導体層130bに対して酸素イオンを注入してもよい。
次に、上記積層を覆うように第2の導電膜を形成する。そして、ソース領域およびドレイン領域となる部分の上に第2のレジストマスクを形成し、当該第2のレジストマスクを用いて第2の導電膜の一部をエッチングし、導電層140および導電層150を形成する(図37(C)参照)。
次に、酸化物半導体層130aおよび酸化物半導体層130bの積層上、ならびに導電層140および導電層150上に酸化物半導体層130cとなる酸化物半導体膜130Cを形成する。さらに、酸化物半導体膜130C上に絶縁膜160A、第3の導電膜171Aおよび第4の導電膜172Aを形成する。
次に、第4の導電膜172A上に第3のレジストマスク156を形成する(図38(A)参照)。そして、当該レジストマスクを用いて、第3の導電膜171A、第4の導電膜172A、絶縁膜160A、および酸化物半導体膜130Cを選択的にエッチングし、導電層171および導電層172からなる導電層170、絶縁層160、および酸化物半導体層130cを形成する(図38(B)参照)。なお、絶縁膜160Aおよび酸化物半導体膜130Cを第4のレジストマスクを用いてエッチングすることで、トランジスタ108を作製することができる。
次に、絶縁層120、酸化物半導体層130(酸化物半導体層130a、酸化物半導体層130b、酸化物半導体層130c)、導電層140、導電層150、絶縁層160および導電層170上に絶縁層175および絶縁層180を形成する(図38(C)参照)。
以上の工程において、トランジスタ107を作製することができる。
次に、トランジスタ111の作製方法について説明する。なお、上述したトランジスタ102の作製方法と重複する工程の詳細な説明は省略する。
基板115上に絶縁層120を形成し、当該絶縁層上に酸化物半導体層130aとなる酸化物半導体膜130A、および酸化物半導体層130bとなる酸化物半導体膜130Bをスパッタ法、CVD法、MBE法などを用いて成膜する。そして、第1の導電膜を酸化物半導体膜130B上に形成し、第1のレジストマスクを用いて導電層141aを形成する(図39(A)参照)。
そして、導電層141aをハードマスクとして酸化物半導体膜130Aおよび酸化物半導体膜130Bを選択的にエッチングし、酸化物半導体層130a、酸化物半導体層130bおよび導電層141aからなる積層を形成する(図39(B)参照)。ここで、酸化物半導体層130aおよび酸化物半導体層130bに対して酸素イオンを注入してもよい。
次に、ソース領域およびドレイン領域となる部分の上に第2のレジストマスクを形成し、当該第2のレジストマスクを用いて導電層141aの一部をエッチングし、導電層140および導電層150を形成する(図39(C)参照)。
次に、酸化物半導体層130aおよび酸化物半導体層130bの積層上、ならびに導電層140および導電層150上に酸化物半導体層130cとなる酸化物半導体膜130Cを形成する。さらに、酸化物半導体膜130C上に絶縁膜160A、第3の導電膜171Aおよび第4の導電膜172Aを形成する。
次に、第4の導電膜172A上に第3のレジストマスク156を形成する(図40(A)参照)。そして、当該第3のレジストマスクを用いて、第3の導電膜171A、第4の導電膜172A、絶縁膜160A、および酸化物半導体膜130Cを選択的にエッチングし、導電層171および導電層172からなる導電層170、絶縁層160、および酸化物半導体層130cを形成する(図40(B)参照)。
次に、絶縁層120、酸化物半導体層130(酸化物半導体層130a、酸化物半導体層130b、酸化物半導体層130c)、導電層140、導電層150、絶縁層160および導電層170上に絶縁層175および絶縁層180を形成する(図40(C)参照)。
以上の工程において、トランジスタ111を作製することができる。
なお、本実施の形態で説明した金属膜、半導体膜、無機絶縁膜など様々な膜は、代表的にはスパッタ法やプラズマCVD法により形成することができるが、他の方法、例えば、熱CVD法により形成してもよい。熱CVD法の例としては、MOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition)法やALD(Atomic Layer Deposition)法などがある。
熱CVD法は、プラズマを使わない成膜方法のため、プラズマダメージにより欠陥が生成されることが無いという利点を有する。
また、熱CVD法では、原料ガスと酸化剤を同時にチャンバー内に送り、チャンバー内を大気圧または減圧下とし、基板近傍または基板上で反応させて基板上に堆積させることで成膜を行ってもよい。
ALD法は、チャンバー内を大気圧または減圧下とし、反応のための原料ガスをチャンバーに導入・反応させ、これを繰り返すことで成膜を行う。原料ガスと一緒に不活性ガス(アルゴン、或いは窒素など)をキャリアガスとして導入しても良い。例えば2種類以上の原料ガスを順番にチャンバーに供給してもよい。その際、複数種の原料ガスが混ざらないように第1の原料ガスの反応後、不活性ガスを導入し、第2の原料ガスを導入する。あるいは、不活性ガスを導入する代わりに真空排気によって第1の原料ガスを排出した後、第2の原料ガスを導入してもよい。第1の原料ガスが基板の表面に吸着・反応して第1の層を成膜し、後から導入される第2の原料ガスが吸着・反応して、第2の層が第1の層上に積層されて薄膜が形成される。このガス導入順序を制御しつつ所望の厚さになるまで複数回繰り返すことで、段差被覆性に優れた薄膜を形成することができる。薄膜の厚さは、ガス導入の繰り返す回数によって調節することができるため、精密な膜厚調節が可能であり、微細なFETを作製する場合に適している。
MOCVD法やALD法などの熱CVD法は、これまでに記載した実施形態に開示された金属膜、半導体膜、無機絶縁膜など様々な膜を形成することができ、例えば、In−Ga−Zn−O膜を成膜する場合には、トリメチルインジウム(In(CH3)3)、トリメチルガリウム(Ga(CH3)3)、およびジメチル亜鉛(Zn(CH3)2)を用いることができる。これらの組み合わせに限定されず、トリメチルガリウムに代えてトリエチルガリウム(Ga(C2H5)3)を用いることもでき、ジメチル亜鉛に代えてジエチル亜鉛(Zn(C2H5)2)を用いることもできる。
例えば、ALDを利用する成膜装置により酸化ハフニウム膜を形成する場合には、溶媒とハフニウム前駆体を含む液体(ハフニウムアルコキシドや、テトラキスジメチルアミドハフニウム(TDMAH、Hf[N(CH3)2]4)やテトラキス(エチルメチルアミド)ハフニウムなどのハフニウムアミド)を気化させた原料ガスと、酸化剤としてオゾン(O3)の2種類のガスを用いる。
例えば、ALDを利用する成膜装置により酸化アルミニウム膜を形成する場合には、溶媒とアルミニウム前駆体を含む液体(トリメチルアルミニウム(TMA、Al(CH3)3)など)を気化させた原料ガスと、酸化剤としてH2Oの2種類のガスを用いる。他の材料としては、トリス(ジメチルアミド)アルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、アルミニウムトリス(2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオナート)などがある。
例えば、ALDを利用する成膜装置により酸化シリコン膜を形成する場合には、ヘキサクロロジシランを被成膜面に吸着させ、酸化性ガス(O2、一酸化二窒素)のラジカルを供給して吸着物と反応させる。
例えば、ALDを利用する成膜装置によりタングステン膜を成膜する場合には、WF6ガスとB2H6ガスを順次導入して初期タングステン膜を形成し、その後、WF6ガスとH2ガスを順次導入してタングステン膜を形成する。なお、B2H6ガスに代えてSiH4ガスを用いてもよい。
例えば、ALDを利用する成膜装置により酸化物半導体膜、例えばIn−Ga−Zn−O膜を成膜する場合には、In(CH3)3ガスとO3ガスを順次導入してIn−O層を形成し、その後、Ga(CH3)3ガスとO3ガスを順次導入してGaO層を形成し、更にその後Zn(CH3)2ガスとO3ガスを順次導入してZnO層を形成する。なお、これらの層の順番はこの例に限らない。これらのガスを用いてIn−Ga−O層やIn−Zn−O層、Ga−Zn−O層などの混合化合物層を形成しても良い。なお、O3ガスに変えてAr等の不活性ガスでバブリングして得られたH2Oガスを用いても良いが、Hを含まないO3ガスを用いる方が好ましい。
なお、本実施の形態は、本明細書で示す他の実施の形態および実施例と適宜組み合わせることができる。
(実施の形態5)
以下では、本発明の一態様に用いることのできる酸化物半導体膜の構造について説明する。
なお、本明細書において、「平行」とは、二つの直線が−10°以上10°以下の角度で配置されている状態をいう。したがって、−5°以上5°以下の場合も含まれる。また、「垂直」とは、二つの直線が80°以上100°以下の角度で配置されている状態をいう。したがって、85°以上95°以下の場合も含まれる。
また、本明細書において、結晶が三方晶または菱面体晶である場合、六方晶系として表す。
酸化物半導体膜は、非単結晶酸化物半導体膜と単結晶酸化物半導体膜とに大別される。非単結晶酸化物半導体膜とは、CAAC−OS(C Axis Aligned Crystalline Oxide Semiconductor)膜、多結晶酸化物半導体膜、微結晶酸化物半導体膜、非晶質酸化物半導体膜などをいう。
まずは、CAAC−OS膜について説明する。
CAAC−OS膜は、c軸配向した複数の結晶部を有する酸化物半導体膜の一つである。
透過型電子顕微鏡(TEM:Transmission Electron Microscope)によって、CAAC−OS膜の明視野像および回折パターンの複合解析像(高分解能TEM像ともいう。)を観察することで複数の結晶部を確認することができる。一方、高分解能TEM像によっても明確な結晶部同士の境界、即ち結晶粒界(グレインバウンダリーともいう。)を確認することができない。そのため、CAAC−OS膜は、結晶粒界に起因する電子移動度の低下が起こりにくいといえる。
試料面と概略平行な方向から、CAAC−OS膜の断面の高分解能TEM像を観察すると、結晶部において、金属原子が層状に配列していることを確認できる。金属原子の各層は、CAAC−OS膜の膜を形成する面(被形成面ともいう。)または上面の凹凸を反映した形状であり、CAAC−OS膜の被形成面または上面と平行に配列する。
一方、試料面と概略垂直な方向から、CAAC−OS膜の平面の高分解能TEM像を観察すると、結晶部において、金属原子が三角形状または六角形状に配列していることを確認できる。しかしながら、異なる結晶部間で、金属原子の配列に規則性は見られない。
CAAC−OS膜に対し、X線回折(XRD:X−Ray Diffraction)装置を用いて構造解析を行うと、例えばInGaZnO4の結晶を有するCAAC−OS膜のout−of−plane法による解析では、回折角(2θ)が31°近傍にピークが現れる場合がある。このピークは、InGaZnO4の結晶の(009)面に帰属されることから、CAAC−OS膜の結晶がc軸配向性を有し、c軸が被形成面または上面に概略垂直な方向を向いていることが確認できる。
なお、InGaZnO4の結晶を有するCAAC−OS膜のout−of−plane法による解析では、2θが31°近傍のピークの他に、2θが36°近傍にもピークが現れる場合がある。2θが36°近傍のピークは、CAAC−OS膜中の一部に、c軸配向性を有さない結晶が含まれることを示している。CAAC−OS膜は、2θが31°近傍にピークを示し、2θが36°近傍にピークを示さないことが好ましい。
CAAC−OS膜は、不純物濃度の低い酸化物半導体膜である。不純物は、水素、炭素、シリコン、遷移金属元素などの酸化物半導体膜の主成分以外の元素である。特に、シリコンなどの、酸化物半導体膜を構成する金属元素よりも酸素との結合力の強い元素は、酸化物半導体膜から酸素を奪うことで酸化物半導体膜の原子配列を乱し、結晶性を低下させる要因となる。また、鉄やニッケルなどの重金属、アルゴン、二酸化炭素などは、原子半径(または分子半径)が大きいため、酸化物半導体膜内部に含まれると、酸化物半導体膜の原子配列を乱し、結晶性を低下させる要因となる。なお、酸化物半導体膜に含まれる不純物は、キャリアトラップやキャリア発生源となる場合がある。
また、CAAC−OS膜は、欠陥準位密度の低い酸化物半導体膜である。例えば、酸化物半導体膜中の酸素欠損は、キャリアトラップとなることや、水素を捕獲することによってキャリア発生源となることがある。
不純物濃度が低く、欠陥準位密度が低い(酸素欠損の少ない)ことを、高純度真性または実質的に高純度真性と呼ぶ。高純度真性または実質的に高純度真性である酸化物半導体膜は、キャリア発生源が少ないため、キャリア密度を低くすることができる。したがって、当該酸化物半導体膜を用いたトランジスタは、しきい値電圧がマイナスとなる電気特性(ノーマリーオンともいう。)になることが少ない。また、高純度真性または実質的に高純度真性である酸化物半導体膜は、キャリアトラップが少ない。そのため、当該酸化物半導体膜を用いたトランジスタは、電気特性の変動が小さく、信頼性の高いトランジスタとなる。なお、酸化物半導体膜のキャリアトラップに捕獲された電荷は、放出するまでに要する時間が長く、あたかも固定電荷のように振る舞うことがある。そのため、不純物濃度が高く、欠陥準位密度が高い酸化物半導体膜を用いたトランジスタは、電気特性が不安定となる場合がある。
また、CAAC−OS膜を用いたトランジスタは、可視光や紫外光の照射による電気特性の変動が小さい。
次に、微結晶酸化物半導体膜について説明する。
微結晶酸化物半導体膜は、高分解能TEM像において、結晶部を確認することのできる領域と、明確な結晶部を確認することのできない領域と、を有する。微結晶酸化物半導体膜に含まれる結晶部は、1nm以上100nm以下、または1nm以上10nm以下の大きさであることが多い。特に、1nm以上10nm以下、または1nm以上3nm以下の微結晶であるナノ結晶(nc:nanocrystal)を有する酸化物半導体膜を、nc−OS(nanocrystalline Oxide Semiconductor)膜と呼ぶ。また、nc−OS膜は、例えば、高分解能TEM像では、結晶粒界を明確に確認できない場合がある。
nc−OS膜は、微小な領域(例えば、1nm以上10nm以下の領域、特に1nm以上3nm以下の領域)において原子配列に周期性を有する。また、nc−OS膜は、異なる結晶部間で結晶方位に規則性が見られない。そのため、膜全体で配向性が見られない。したがって、nc−OS膜は、分析方法によっては、非晶質酸化物半導体膜と区別が付かない場合がある。例えば、nc−OS膜に対し、結晶部よりも大きい径のX線を用いるXRD装置を用いて構造解析を行うと、out−of−plane法による解析では、結晶面を示すピークが検出されない。また、nc−OS膜に対し、結晶部よりも大きいプローブ径(例えば50nm以上)の電子線を用いる電子回折(制限視野電子回折ともいう。)を行うと、ハローパターンのような回折パターンが観測される。一方、nc−OS膜に対し、結晶部の大きさと近いか結晶部より小さいプローブ径の電子線を用いるナノビーム電子回折を行うと、スポットが観測される。また、nc−OS膜に対しナノビーム電子回折を行うと、円周状に分布したスポットが観測される場合がある。また、nc−OS膜に対しナノビーム電子回折を行うと、リング状の領域内に複数のスポットが観測される場合がある。
nc−OS膜は、非晶質酸化物半導体膜よりも規則性の高い酸化物半導体膜である。そのため、nc−OS膜は、非晶質酸化物半導体膜よりも欠陥準位密度が低くなる。ただし、nc−OS膜は、異なる結晶部間で結晶方位に規則性が見られない。そのため、nc−OS膜は、CAAC−OS膜と比べて欠陥準位密度が高くなる。
次に、非晶質酸化物半導体膜について説明する。
非晶質酸化物半導体膜は、膜中における原子配列が不規則であり、結晶部を有さない酸化物半導体膜である。石英のような無定形状態を有する酸化物半導体膜が一例である。
非晶質酸化物半導体膜は、高分解能TEM像において結晶部を確認することができない。
非晶質酸化物半導体膜に対し、XRD装置を用いた構造解析を行うと、out−of−plane法による解析では、結晶面を示すピークが検出されない。また、非晶質酸化物半導体膜に対し、電子回折を行うと、ハローパターンが観測される。また、非晶質酸化物半導体膜に対し、ナノビーム電子回折を行うと、スポットが観測されず、ハローパターンが観測される。
なお、酸化物半導体膜は、nc−OS膜と非晶質酸化物半導体膜との間の物性を示す構造を有する場合がある。そのような構造を有する酸化物半導体膜を、特に非晶質ライク酸化物半導体(amorphous−like OS:amorphous−like Oxide Semiconductor)膜と呼ぶ。
amorphous−like OS膜は、高分解能TEM像において鬆(ボイドともいう。)が観察される場合がある。また、高分解能TEM像において、明確に結晶部を確認することのできる領域と、結晶部を確認することのできない領域と、を有する。amorphous−like OS膜は、TEMによる観察程度の微量な電子照射によって、結晶化が起こり、結晶部の成長が見られる場合がある。一方、良質なnc−OS膜であれば、TEMによる観察程度の微量な電子照射による結晶化はほとんど見られない。
なお、amorphous−like OS膜およびnc−OS膜の結晶部の大きさの計測は、高分解能TEM像を用いて行うことができる。例えば、InGaZnO4の結晶は層状構造を有し、In−O層の間に、Ga−Zn−O層を2層有する。InGaZnO4の結晶の単位格子は、In−O層を3層有し、またGa−Zn−O層を6層有する、計9層がc軸方向に層状に重なった構造を有する。よって、これらの近接する層同士の間隔は、(009)面の格子面間隔(d値ともいう。)と同程度であり、結晶構造解析からその値は0.29nmと求められている。そのため、高分解能TEM像における格子縞に着目し、格子縞の間隔が0.28nm以上0.30nm以下である箇所においては、それぞれの格子縞がInGaZnO4の結晶のa−b面に対応する。
なお、酸化物半導体膜は、例えば、非晶質酸化物半導体膜、amorphous−like OS膜、微結晶酸化物半導体膜、CAAC−OS膜のうち、二種以上を有する積層膜であってもよい。
なお、本実施の形態は、本明細書で示す他の実施の形態および実施例と適宜組み合わせることができる。
(実施の形態6)
本実施の形態では、先の実施の形態で説明した記憶装置を含むCPUについて説明する。
図41は、先の実施の形態で説明したトランジスタを少なくとも一部に用いたCPUの一例の構成を示すブロック図である。
図41に示すCPUは、基板1190上に、ALU1191(ALU:Arithmetic logic unit、演算回路)、ALUコントローラ1192、インストラクションデコーダ1193、インタラプトコントローラ1194、タイミングコントローラ1195、レジスタ1196、レジスタコントローラ1197、バスインターフェース1198(Bus I/F)、書き換え可能なROM1199、およびROMインターフェース1189(ROM I/F)を有している。基板1190は、半導体基板、SOI基板、ガラス基板などを用いる。ROM1199およびROMインターフェース1189は、別チップに設けてもよい。もちろん、図41に示すCPUは、その構成を簡略化して示した一例にすぎず、実際のCPUはその用途によって多種多様な構成を有している。例えば、図41に示すCPUまたは演算回路を含む構成を一つのコアとし、当該コアを複数含み、それぞれのコアが並列で動作するような構成としてもよい。また、CPUが内部演算回路やデータバスで扱えるビット数は、例えば8ビット、16ビット、32ビット、64ビットなどとすることができる。
バスインターフェース1198を介してCPUに入力された命令は、インストラクションデコーダ1193に入力され、デコードされた後、ALUコントローラ1192、インタラプトコントローラ1194、レジスタコントローラ1197、タイミングコントローラ1195に入力される。
ALUコントローラ1192、インタラプトコントローラ1194、レジスタコントローラ1197、タイミングコントローラ1195は、デコードされた命令に基づき、各種制御を行う。具体的にALUコントローラ1192は、ALU1191の動作を制御するための信号を生成する。また、インタラプトコントローラ1194は、CPUのプログラム実行中に、外部の入出力装置や、周辺回路からの割り込み要求を、その優先度やマスク状態から判断し、処理する。レジスタコントローラ1197は、レジスタ1196のアドレスを生成し、CPUの状態に応じてレジスタ1196の読み出しや書き込みを行う。
また、タイミングコントローラ1195は、ALU1191、ALUコントローラ1192、インストラクションデコーダ1193、インタラプトコントローラ1194、およびレジスタコントローラ1197の動作のタイミングを制御する信号を生成する。例えばタイミングコントローラ1195は、基準クロック信号を元に、内部クロック信号を生成する内部クロック生成部を備えており、内部クロック信号を上記各種回路に供給する。
図41に示すCPUでは、レジスタ1196に、メモリセルが設けられている。レジスタ1196のメモリセルとして、先の実施の形態に示したトランジスタを用いることができる。
図41に示すCPUにおいて、レジスタコントローラ1197は、ALU1191からの指示に従い、レジスタ1196における保持動作の選択を行う。すなわち、レジスタ1196が有するメモリセルにおいて、フリップフロップによるデータの保持を行うか、容量素子によるデータの保持を行うかを、選択する。フリップフロップによるデータの保持が選択されている場合、レジスタ1196内のメモリセルへの、電源電圧の供給が行われる。容量素子におけるデータの保持が選択されている場合、容量素子へのデータの書き換えが行われ、レジスタ1196内のメモリセルへの電源電圧の供給を停止することができる。
図42は、レジスタ1196として用いることのできる記憶素子の回路図の一例である。記憶素子1200は、電源遮断で記憶データが揮発する回路1201と、電源遮断で記憶データが揮発しない回路1202と、スイッチ1203と、スイッチ1204と、論理素子1206と、容量素子1207と、選択機能を有する回路1220と、を有する。回路1202は、容量素子1208と、トランジスタ1209と、トランジスタ1210と、を有する。なお、記憶素子1200は、必要に応じて、ダイオード、抵抗素子、インダクタなどのその他の素子をさらに有していても良い。
ここで、回路1202には、先の実施の形態で説明した記憶装置を用いることができる。記憶素子1200への電源電圧の供給が停止した際、回路1202のトランジスタ1209の第1ゲートには接地電位(0V)、またはトランジスタ1209がオフする電位が入力され続ける構成とする。例えば、トランジスタ1209の第1ゲートが抵抗等の負荷を介して接地される構成とする。
スイッチ1203は、一導電型(例えば、nチャネル型)のトランジスタ1213を用いて構成され、スイッチ1204は、一導電型とは逆の導電型(例えば、pチャネル型)のトランジスタ1214を用いて構成した例を示す。ここで、スイッチ1203の第1の端子はトランジスタ1213のソースとドレインの一方に対応し、スイッチ1203の第2の端子はトランジスタ1213のソースとドレインの他方に対応し、スイッチ1203はトランジスタ1213のゲートに入力される制御信号RDによって、第1の端子と第2の端子の間の導通または非導通(つまり、トランジスタ1213のオン状態またはオフ状態)が選択される。スイッチ1204の第1の端子はトランジスタ1214のソースとドレインの一方に対応し、スイッチ1204の第2の端子はトランジスタ1214のソースとドレインの他方に対応し、スイッチ1204はトランジスタ1214のゲートに入力される制御信号RDによって、第1の端子と第2の端子の間の導通または非導通(つまり、トランジスタ1214のオン状態またはオフ状態)が選択される。
トランジスタ1209のソースとドレインの一方は、容量素子1208の一対の電極のうちの一方、およびトランジスタ1210のゲートと電気的に接続される。ここで、接続部分をノードM2とする。トランジスタ1210のソースとドレインの一方は、低電源電位を供給することのできる配線(例えばGND線)に電気的に接続され、他方は、スイッチ1203の第1の端子(トランジスタ1213のソースとドレインの一方)と電気的に接続される。スイッチ1203の第2の端子(トランジスタ1213のソースとドレインの他方)はスイッチ1204の第1の端子(トランジスタ1214のソースとドレインの一方)と電気的に接続される。スイッチ1204の第2の端子(トランジスタ1214のソースとドレインの他方)は電源電位VDDを供給することのできる配線と電気的に接続される。スイッチ1203の第2の端子(トランジスタ1213のソースとドレインの他方)と、スイッチ1204の第1の端子(トランジスタ1214のソースとドレインの一方)と、論理素子1206の入力端子と、容量素子1207の一対の電極のうちの一方と、は電気的に接続される。ここで、接続部分をノードM1とする。容量素子1207の一対の電極のうちの他方は、一定の電位が入力される構成とすることができる。例えば、低電源電位(GND等)または高電源電位(VDD等)が入力される構成とすることができる。容量素子1207の一対の電極のうちの他方は、低電源電位を供給することのできる配線(例えばGND線)と電気的に接続される。容量素子1208の一対の電極のうちの他方は、一定の電位が入力される構成とすることができる。例えば、低電源電位(GND等)または高電源電位(VDD等)が入力される構成とすることができる。容量素子1208の一対の電極のうちの他方は、低電源電位を供給することのできる配線(例えばGND線)と電気的に接続される。
なお、容量素子1207および容量素子1208は、トランジスタや配線の寄生容量等を積極的に利用することによって省略することも可能である。
トランジスタ1209の第1ゲート(第1のゲート電極)には、制御信号WEが入力される。スイッチ1203およびスイッチ1204は、制御信号WEとは異なる制御信号RDによって第1の端子と第2の端子の間の導通状態または非導通状態を選択され、一方のスイッチの第1の端子と第2の端子の間が導通状態のとき他方のスイッチの第1の端子と第2の端子の間は非導通状態となる。
なお、図42におけるトランジスタ1209では第2ゲート(第2のゲート電極:バックゲート)を有する構成を図示している。第1ゲートには制御信号WEを入力し、第2ゲートには制御信号WE2を入力することができる。制御信号WE2は、一定の電位の信号とすればよい。当該一定の電位には、例えば、接地電位GNDやトランジスタ1209のソース電位よりも小さい電位などが選ばれる。このとき、制御信号WE2は、トランジスタ1209のしきい値電圧を制御するための電位信号であり、トランジスタ1209のゲート電圧VGが0V時の電流をより低減することができる。また、制御信号WE2は、制御信号WEと同じ電位信号であってもよい。なお、トランジスタ1209としては、第2ゲートを有さないトランジスタを用いることもできる。
トランジスタ1209のソースとドレインの他方には、回路1201に保持されたデータに対応する信号が入力される。図42では、回路1201から出力された信号が、トランジスタ1209のソースとドレインの他方に入力される例を示した。スイッチ1203の第2の端子(トランジスタ1213のソースとドレインの他方)から出力される信号は、論理素子1206によってその論理値が反転された反転信号となり、回路1220を介して回路1201に入力される。
なお、図42では、スイッチ1203の第2の端子(トランジスタ1213のソースとドレインの他方)から出力される信号は、論理素子1206および回路1220を介して回路1201に入力する例を示したがこれに限定されない。スイッチ1203の第2の端子(トランジスタ1213のソースとドレインの他方)から出力される信号が、論理値を反転させられることなく、回路1201に入力されてもよい。例えば、回路1201内に、入力端子から入力された信号の論理値が反転した信号が保持されるノードが存在する場合に、スイッチ1203の第2の端子(トランジスタ1213のソースとドレインの他方)から出力される信号を当該ノードに入力することができる。
また、図42において、記憶素子1200に用いられるトランジスタのうち、トランジスタ1209以外のトランジスタは、酸化物半導体以外の半導体でなる層または基板1190にチャネルが形成されるトランジスタとすることができる。例えば、シリコン層またはシリコン基板にチャネルが形成されるトランジスタとすることができる。また、記憶素子1200に用いられるトランジスタ全てを、チャネルが酸化物半導体層で形成されるトランジスタとすることもできる。または、記憶素子1200は、トランジスタ1209以外にも、チャネルが酸化物半導体層で形成されるトランジスタを含んでいてもよく、残りのトランジスタは酸化物半導体以外の半導体でなる層または基板1190にチャネルが形成されるトランジスタとすることもできる。
図42における回路1201には、例えばフリップフロップ回路を用いることができる。また、論理素子1206としては、例えばインバータやクロックドインバータ等を用いることができる。
本発明の一態様における半導体装置では、記憶素子1200に電源電圧が供給されない間は、回路1201に記憶されていたデータを、回路1202に設けられた容量素子1208によって保持することができる。
また、酸化物半導体層にチャネルが形成されるトランジスタはオフ電流が極めて小さい。例えば、酸化物半導体層にチャネルが形成されるトランジスタのオフ電流は、結晶性を有するシリコンにチャネルが形成されるトランジスタのオフ電流に比べて著しく低い。そのため、当該トランジスタをトランジスタ1209として用いることによって、記憶素子1200に電源電圧が供給されない間も容量素子1208に保持された信号は長期間にわたり保たれる。こうして、記憶素子1200は電源電圧の供給が停止した間も記憶内容(データ)を保持することが可能である。
また、スイッチ1203およびスイッチ1204を設けることによって、プリチャージ動作を行うことを特徴とする記憶素子であるため、電源電圧供給再開後に、回路1201が元のデータを保持しなおすまでの時間を短くすることができる。
また、回路1202において、容量素子1208によって保持された信号はトランジスタ1210のゲートに入力される。そのため、記憶素子1200への電源電圧の供給が再開された後、容量素子1208によって保持された信号を、トランジスタ1210の状態(オン状態、またはオフ状態)に変換して、回路1202から読み出すことができる。それ故、容量素子1208に保持された信号に対応する電位が多少変動していても、元の信号を正確に読み出すことが可能である。
このような記憶素子1200を、プロセッサが有するレジスタやキャッシュメモリなどの記憶装置に用いることで、電源電圧の供給停止による記憶装置内のデータの消失を防ぐことができる。また、電源電圧の供給を再開した後、短時間で電源供給停止前の状態に復帰することができる。よって、プロセッサ全体、もしくはプロセッサを構成する一つ、または複数の論理回路において、短い時間でも電源停止を行うことができるため、消費電力を抑えることができる。
本実施の形態では、記憶素子1200をCPUに用いる例として説明したが、記憶素子1200は、DSP(Digital Signal Processor)、カスタムLSI、PLD(Programmable Logic Device)等のLSI、RF−ID(Radio Frequency Identification)にも応用可能である。
なお、本実施の形態は、本明細書で示す他の実施の形態および実施例と適宜組み合わせることができる。
(実施の形態7)
本発明の一態様に係る半導体装置は、表示機器、パーソナルコンピュータ、記録媒体を備えた画像再生装置(代表的にはDVD:Digital Versatile Disc等の記録媒体を再生し、その画像を表示しうるディスプレイを有する装置)に用いることができる。その他に、本発明の一態様に係る半導体装置を用いることができる電子機器として、携帯電話、携帯型を含むゲーム機、携帯データ端末、電子書籍端末、ビデオカメラ、デジタルスチルカメラ等のカメラ、ゴーグル型ディスプレイ(ヘッドマウントディスプレイ)、ナビゲーションシステム、音響再生装置(カーオーディオ、デジタルオーディオプレイヤー等)、複写機、ファクシミリ、プリンタ、プリンタ複合機、現金自動預け入れ払い機(ATM)、自動販売機などが挙げられる。これら電子機器の具体例を図43に示す。
図43(A)は携帯型ゲーム機であり、筐体901、筐体902、表示部903、表示部904、マイクロフォン905、スピーカー906、操作キー907、スタイラス908等を有する。なお、図43(A)に示した携帯型ゲーム機は、2つの表示部903と表示部904とを有しているが、携帯型ゲーム機が有する表示部の数は、これに限定されない。
図43(B)はビデオカメラであり、第1筐体911、第2筐体912、表示部913、操作キー914、レンズ915、接続部916等を有する。操作キー914およびレンズ915は第1筐体911に設けられており、表示部913は第2筐体912に設けられている。そして、第1筐体911と第2筐体912とは、接続部916により接続されており、第1筐体911と第2筐体912の間の角度は、接続部916により変更が可能である。表示部913における映像を、接続部916における第1筐体911と第2筐体912との間の角度に従って切り替える構成としても良い。
図43(C)はノート型パーソナルコンピュータであり、筐体921、表示部922、キーボード923、ポインティングデバイス924等を有する。
図43(D)は腕時計型の情報端末であり、筐体931、表示部932、リストバンド933等を有する。表示部932はタッチパネルとなっていてもよい。
図43(E)は携帯データ端末であり、第1筐体941、表示部942、カメラ949等を有する。表示部942が有するタッチパネル機能により情報の入力を行うことができる。
図43(F)は自動車であり、車体951、車輪952、ダッシュボード953、ライト954等を有する。
なお、本実施の形態は、本明細書で示す他の実施の形態および実施例と適宜組み合わせることができる。
本実施例では、実施の形態1の図7に示すコンタクトプラグ63bを模したサンプルの作製について説明する。
まず、表1の条件を用いた成膜工程、フォトリソグラフィ工程、エッチング工程およびCMP工程を適宜行い、図45(A)に示す積層体をシリコン基板上に形成した。なお、図45(A)の上段が上面図、下段が断面図である。また、本実施例におけるサンプルでは、ソース電極またはドレイン電極に相当するタングステン膜440および酸化物半導体層430の端部には切欠き部を設けていない。
次に、窒化シリコン膜434上に有機塗布膜(図示なし)を設け、当該有機塗布膜上に図45(A)に点線で示す開口部を形成するためのレジストマスクを形成した。そして、CCP(容量結合型プラズマ)エッチング装置を用いて、当該レジストマスクをマスクとして窒化シリコン膜434に開口部を設けた。
有機塗布膜のエッチング条件は、電極間距離80mm、基板温度20℃、RF電力(上部電極)=0.81W/cm2(60MHz)、RF電力(下部電極)=1.11W/cm2(13.56MHz)、圧力3.0Pa、エッチングガスをCF4100%、エッチング時間12秒とした。
窒化シリコン膜434のエッチング条件は、電極間距離80mm、基板温度20℃、RF電力(上部電極)=0.89W/cm2(60MHz)、RF電力(下部電極)=1.11W/cm2(13.56MHz)、圧力5.3Pa、エッチングガス流量比をCHF3:O2=67:13、エッチング時間28秒とした。
次に、レジストマスク、窒化シリコン膜434をマスクとしてエッチング工程を行い、タングステン膜432に開口部を設けた。
タングステン膜432のエッチングは2段階に分けて行い、第1の条件は、電極間距離115mm、基板温度20℃、RF電力(上部電極)=1.62W/cm2(60MHz)、RF電力(下部電極)=0.32W/cm2(13.56MHz)、圧力1.3Pa、エッチングガス流量比をCF4:O2:Cl2=2:2:1、エッチング時間3秒とした。
また、第2の条件は、第1の条件の圧力を0.6Paに変更し、エッチング時間12秒とした。
次に、窒化シリコン膜434およびタングステン膜432をマスクとしてエッチング工程を行い、酸化窒化シリコン膜487、酸化アルミニウム膜486、酸化窒化シリコン膜485、酸化アルミニウム膜484および酸化シリコン膜483に開口部を設けた。
酸化窒化シリコン膜487、485、および酸化シリコン膜483のエッチング条件は、電極間距離25mm、基板温度20℃、RF電力(上部電極)=2.92W/cm2(60MHz)、RF電力(下部電極)=6.37W/cm2(2.0MHz)、圧力3.3Pa、エッチングガス流量比をAr:O2:C4F6=400:15:11とした。
酸化アルミニウム膜486、484のエッチング条件は、電極間距離25mm、基板温度20℃、RF電力(上部電極)=0.49W/cm2(60MHz)、RF電力(下部電極)=2.86W/cm2(2.0MHz)、圧力3.3Pa、エッチングガス流量比をAr:CHF3=9:4とした。
次に、CVD法を用いて、上記工程で開口したコンタクトホールに10nmの窒化チタン膜および200nmのタングステン膜を形成した。
以上の工程を行うことにより、サンプルを作製した。なお、実際の半導体装置においては、酸化窒化シリコン膜487より上の層はCMP法などで除去する。
図45(B)は、作製したサンプルの断面TEM写真である。当該写真から、コンタクトホールに埋め込まれたコンタクトプラグは、タングステン膜440および酸化物半導体層430の端部と接し、さらに下部の絶縁層を貫通してタングステン膜463と接していることがわかった。すなわち、同等の形状を有する図7などに示すコンタクトプラグ63b等が形成できることが明らかとなった。
本実施例に示す構成は、他の実施の形態に示す構成と適宜組み合わせて用いることができる。