JP6562245B2 - 多層フィルム及び包装体 - Google Patents

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Description

本開示は、多層フィルム及び包装体に関する。
包装用多層フィルムとして、特許文献1〜4では、様々な汎用多層フィルムが提案されている。特許文献1は、小さいボイル用深絞り底材フィルムに適した共押出複合フィルムを開示する。特許文献2は、軟質多層フィルムからなるスキンパック包装用底材として機能する多層フィルムを開示する。特許文献3は、食品のピロー包装用の積層された共押出フィルムを開示する。特許文献4は、2つの積層体と、前記2つの積層体の間に配置されたコア層とを有する多層フィルムを開示する。
スキンパック包装は、台紙と加熱軟化性のフィルムの間に各種被包装体ないし内容物を置き、台紙及びフィルム間を脱気してフィルムを被包装体ないし内容物の形状に沿って密着させると共に、台紙に塗布した接着剤とシールもしくは周辺部をヒートシールすることによって包装体を形成する包装形態である。
特開平10−76616号公報 特開平11−310265号公報 特開2005−289399号公報 特開2013−111822号公報
スキンパック包装は、上述のとおり、台紙上に被包装体を配置し、その上にフィルムを被せて加熱しつつフィルムと台紙との間を脱気することによってフィルムを被包装体と密着させて行う包装形態である。ところが、スキンパック包装を行った後、台紙とフィルムの密着部分においてカールが発生し、それによりフィルムの剥がれが発生することがあることが見出された。
そこで本開示は、一又は複数の実施形態において、優れた耐ピンホール性を有しつつカール発生が低減された多層フィルム及び包装体を提供する。
本開示は、一又は複数の実施形態において、外層と、熱可塑性樹脂を含む第1樹脂層と接着性樹脂を含む第2樹脂層とが交互に8層以上積層されてなる積層体と、内層とを含む多層フィルムであって、前記積層体は、前記外層と前記内層との間に配置され、前記外層と前記内層との透湿度比が、0.1以上20以下である、多層フィルム(以下、「本開示に係る多層フィルム」ともいう)に関する。
本開示は、その他の一又は複数の実施形態において、本開示に係る多層フィルムで構成された包装体に関する。
本開示は、その他の一又は複数の実施形態において、軟化させた多層フィルムを真空成型又は圧空成型することを含む包装体の製造方法であって、前記多層フィルムが、本開示の多層フィルムである、製造方法に関する。
本開示は、その他の一又は複数の実施形態において、下記(a)〜(c)の工程を含む、スキンパック包装体の製造方法に関する。
(a)台紙に被包装物を載置する工程。
(b)軟化させた本開示に係る多層フィルムで前記被包装物を被覆する工程。
(c)吸引により前記多層フィルムを被包装物の外形に沿って伸展させ、かつ前記台紙表面上に前記多層フィルムを接着させる工程。
本開示によれば、一又は複数の実施形態において、優れた耐ピンホール性を有しつつカール発生が低減された多層フィルム及び包装体を提供できる。
図1は、本開示に係る多層フィルムの一例を示す概略断面図である。 図2は、本開示に係る多層フィルムの一例を示す概略断面図である。
本開示は、一又は複数の実施形態において、外層と内層との透湿度比を0.1以上20以下とすることにより、スキンパック包装後のカール発生を低減でき、かつ十分な剥離強度が得られる、という知見に基づく。本開示は、一又は複数の実施形態において、熱可塑性樹脂を含む第1樹脂層と接着性樹脂を含む第2樹脂層とが交互に8層以上積層されてなる積層体を含み、この積層体を挟むように形成された外層と内層との透湿度比を0.1以上20以下とすることにより、優れた耐ピンホール性を有しつつ、スキンパック包装後のカール発生を低減された多層フィルムが得られる、という知見に基づく。
本開示において「透湿度比」とは、外層を構成する樹脂膜(樹脂層)の透湿度(WBo)と、内層を構成する樹脂膜(樹脂層)の透湿度(WBi)との比(WBo/WBi又はWBi/WBo)をいう。外層の透湿度(WBo)及び内層の透湿度(WBi)は、JIS−K7129に準拠して測定できる。具体的には実施例に記載の方法で測定できる。
本開示において「内層」は、一又は複数の実施形態において、接着層を介して積層体と積層された樹脂層であって、被包装物を包装する際に被包装物と接触する側の層(いわゆる、シール層又はシーラント層が形成される側の層)をいう。内層は、一又は複数の実施形態において、1層であってもよいし、異なる樹脂原料で形成された樹脂層を複数含んでいてもよい。本開示において「外層」は、一又は複数の実施形態において、接着層を介して積層体と積層された樹脂層であって、被包装物を包装する際に被包装物と接触せず、被包装物を包装後に露出する側の層をいう。
本開示において「カール発生を低減できる」としては、一又は複数の実施形態において、スキンパック包装後のカールの高さが10mm以下であることが挙げられる。カールの高さは、好ましくは1mm〜6mm、より好ましくは5mm以下である。スキンパック包装後のカール高さは、具体的には実施例に記載の方法で測定できる。
本開示において「十分な剥離強度」としては、一又は複数の実施形態において、輸送等によるフィルムの剥離に伴う内容物の脱出や破損等を十分に抑制可能な強度を有することが挙げられる。十分な剥離強度としては、一又は複数の実施形態において、スキンパック包装後、台紙からフィルムを剥離する際の剥離強度が10N/15mm以下であることが挙げられる。剥離強度は、好ましくは7N/15mm以下又は6N/15mm以下である。剥離強度は、好ましくは3N/15mm以上7N/15mm以下、より好ましくは3N/15mm以上6N/15mm以下である。剥離強度は、JIS Z0237に準拠して測定でき、具体的には実施例に記載の方法で測定できる。
[多層フィルム]
本開示の多層フィルムは、一又は複数の実施形態において、外層と、熱可塑性樹脂を含む第1樹脂層と接着性樹脂を含む第2樹脂層とが交互に8層以上積層されてなる積層体と、内層とを含み、前記積層体は、前記外層と前記内層との間に配置され、前記外層と前記内層との透湿度比が0.1以上20以下である。本開示の多層フィルムは、一又は複数の実施形態において、スキンパック包装後のカール発生を低減できる。本開示の多層フィルムは、一又は複数の実施形態において、スキンパック包装後に十分な剥離性を示すとともに、優れた耐ピンホール性を示しうる。
外層と内層との透湿度比は、0.1以上20以下である。外層と内層との透湿度比は、包装後のカール発生を抑制できる点から、0.2以上10以下が好ましく、より好ましくは0.4以上10以下又は0.5以上2.0以下である。包装後のカール発生を抑制できる点から、透湿度比(WBo(外層)/WBi(内層))は0.5以上が好ましく、より好ましくは0.7以上である。同様の観点から、透湿度比(WBo(外層)/WBi(内層))は、10以下であることが好ましく、より好ましくは6.0以下、5.0又は4.0以下であり、さらに好ましくは3.0以下又は2.0以下であり、さらにより好ましくは1.5以下である。透湿度比(WBo(外層)/WBi(内層))は、同様の観点から、0.5以上10以下が好ましく、より好ましくは0.5以上6.0以下、0.7以上6.0以下、0.5以上2.0以下、0.7以上2.0以下又は0.5以上1.5以下である。
以下、本開示に係る多層フィルムに含まれうる各層について詳細に説明する。
<外層>
外層を形成する樹脂原料としては、特に限定されないが、一又は複数の実施形態において、熱可塑性樹脂が挙げられる。熱可塑性樹脂としては、一又は複数の実施形態において、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂及びエチレン−ビニルアルコール共重合体(以下、「EVOH樹脂」という。)等が挙げられる。樹脂原料は、コストおよび包装後のカール発生をより低減する点から、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂が好ましい。樹脂原料は、単独で又は2種以上を併用して用いることができる。
ポリエチレン系樹脂としては、特に限定されないが、一又は複数の実施形態において、低密度ポリエチレン樹脂(以下、「LDPE樹脂」という。)、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(以下、「LLDPE樹脂」という。)、中密度ポリエチレン樹脂(以下、「MDPE樹脂」という。)、高密度ポリエチレン樹脂(以下、「HDPE樹脂」という。)、及びポリエチレン系共重合体等が挙げられる。ポリエチレン系共重合体としては、特に限定されないが、一又は複数の実施形態において、エチレンとビニル基含有モノマーとの共重合体等が挙げられる。エチレンとビニル基含有モノマーとの共重合体としては、一又は複数の実施形態において、無水マレイン酸グラフト変性直鎖状低密度ポリエチレン(以下、「LLDPE−g−MAH」という。)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(以下、「EVA樹脂」という。)、エチレン−メチルメタアクリレート共重合体(以下、「EMMA樹脂」という。)、エチレン−エチルアクリレート共重合体(以下、「EEA樹脂」という。)、エチレン−メチルアクリレート共重合体(以下、「EMA樹脂」という。)、エチレン−エチルアクリレート−無水マレイン酸共重合体(以下、「E−EA−MAH樹脂」という。)、エチレン−アクリル酸共重合体(以下、「EAA樹脂」という。)、エチレン−メタクリル酸共重合体(以下、「EMAA樹脂」という。)、アイオノマー(以下、「ION樹脂」という。)等のエチレン共重合体が挙げられる。EMAA樹脂のメタクリル酸共重合比率は、特に限定されないが、一又は複数の実施形態において、多層フィルムの耐ピンホール性を向上できる観点から、5重量%以上40重量%以下、又は8重量%以上20重量%以下である。
ポリプロピレン系樹脂としては、一又は複数の実施形態において、結晶性ポリプロピレン系樹脂等が挙げられる。結晶性ポリプロピレン系樹脂としては、一又は複数の実施形態として、結晶性プロピレン単独重合体、結晶性プロピレン−エチレンランダム共重合体、結晶性プロピレン−α−オレフィンランダム共重合体、エチレン及びα−オレフィンの少なくとも一方とプロピレンとの結晶性ブロック共重合体等が挙げられる。α−オレフィンとしては、一又は複数の実施形態として、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン等の炭素数4〜10のα−オレフィン等が挙げられる。これらα−オレフィンは、任意の比率で共重合されてもよい。
ポリアミド系樹脂としては、特に限定されないが、一又は複数の実施形態において、ナイロン−6(以下、「6−Ny」という。)、ナイロン−6,6、ナイロン−6,10、ナノコンポジットナイロン6(以下、「NC−Ny」という)、ヘキサメチレンジアミンとテレフタル酸とからなるナイロン−6T、ヘキサメチレンジアミンとイソフタル酸とからなるナイロン−6I、ノナンジアミンとテレフタル酸とからなるナイロン−9T、メチルペンタジアミンとテレフタル酸とからなるナイロン−M5T、カプロラクタムとラウリルラクタムとからなるナイロン−6,12等が挙げられる。さらに、一又は複数の実施形態において、これらの樹脂のいずれかと、ナイロン−6、ナイロン−11、及びナイロン−12からなる群から選択される少なくとも1種との共重合体を用いてもよい。これらは、1種単独で又は2種以上を併用して使用できる。また、ヘキサメチレンジアミン等の脂肪族ジアミンと、テレフタル酸、イソフタル酸等のジカルボン酸又はその誘導体との重縮合反応で得られる非晶性芳香族ポリアミド(アモルファスナイロン)を用いてもよい。
外層の厚さは、特に限定されないが、一又は複数の実施形態において、低コスト化の観点から、3μm以上、5μm以上又は7μm以上であり、また100μm以下、85μm以下、又は70μm以下である。外層の厚さは、一又は複数の実施形態において、低コスト化の観点から、3μm以上100μm以下、5μm以上85μm以下、又は、7μm以上70μm以下である。外層の厚さは、顕微鏡等を用いて測定できる。具体的には実施例に記載の方法で測定できる。
外層の透湿度(WBo)は、一又は複数の実施形態において、包装後のカール発生を低減する点から、1g/m2−day〜400g/m2−dayであり、好ましくは5g/m2−day〜150g/m2−dayである。透湿度は、JIS−K7129に準拠して測定できる。具体的には実施例に記載の方法で測定できる。なお、樹脂原料固有の透湿度は、例えば、気体分離膜・透過膜バリア膜の最新技術(シーエムシー出版)等の文献値により確認できる。
外層には、一又は複数の実施形態において、フィルムの物性を損ねない範囲で、例えば、酸化防止剤、帯電防止剤、結晶核剤、無機粒子、有機粒子、減粘剤、増粘剤、熱安定化剤、滑剤、赤外線吸収剤、紫外線吸収剤等が添加されていてもよい。
<内層>
内層を形成する樹脂原料としては、一又は複数の実施形態において、上記の外層を形成する樹脂原料が挙げられる。内層は、包装時に被包装物と接触する側に位置し、耐内容物性の機能と、シールする相手材とのシール適性の機能とを有することが好ましい。シール強度を向上できる点から、内層を形成する樹脂原料としては、一又は複数の実施形態において、ポリエチレン系樹脂が好ましく、シール強度の観点から、LDPE樹脂が好ましい。
本開示において耐内容物性とは、内容物が薬品や油分を多く含む食品等の場合、この薬品や油分によってシール層が相手材とのシール適性に係る機能を失わない性質のことを指す。
内層には、一又は複数の実施形態において、例えば、酸化防止剤、帯電防止剤、結晶核剤、無機粒子、有機粒子、減粘剤、増粘剤、熱安定化剤、滑剤、赤外線吸収剤、紫外線吸収剤等が添加されていてもよい。
内層の厚さは、特に限定されないが、一又は複数の実施形態において、低コスト化の観点から、2μm以上、3μm以上、10μm以上又は15μm以上であり、また100μm以下、85μm以下、80μm以下又は70μm以下である。内層の厚さは、一又は複数の実施形態において、低コスト化の観点から、2μm以上80μm以下、又は3μm以上70μm以下である。厚みの測定は上述のとおりである。
内層の透湿度(WBi)は、一又は複数の実施形態において、包装後のカール発生を低減する点から、1g/m2−day〜400g/m2−dayであり、好ましくは5g/m2−day〜150g/m2−dayである。透湿度の測定は上述のとおりである。
内層は、一又は複数の実施形態として、スキンパック包装時において、台紙等の相手材に対してシール適性の機能を有するシール層を少なくとも含む。内層は、通常廃棄されるフィルム片を回収層の原料とすることにより、多層フィルム製造における歩留まりを向上できる点から、一又は複数の実施形態において、シール適性の機能を有するシール層と、多層フィルム製造時に排出されるフィルム片を樹脂原料の少なくとも一部として含む回収層とにより構成されていてもよい。回収層は、一又は複数の実施形態において、シール層と積層体との間に配置されている。本開示において「フィルム片」とは、一又は複数の実施形態において、多層フィルムの製造過程において排出されるフィルム端部のトリミング片等といった耳と称される切断端片等の成型廃品をいう。
回収層は、一又は複数の実施形態において、多層フィルム製造時に排出されるフィルム片を樹脂原料の少なくとも一部として含む樹脂層であって、熱可塑性樹脂と接着性樹脂とを含うる。熱可塑性樹脂としては、一又は複数の実施形態において、上記外層を形成する樹脂原料が挙げられる。回収層の樹脂原料におけるフィルム片の含有率は、特に限定されないが、一又は複数の実施形態において、10%以上、20%以上、30%以上、40%以上、50%以上、60%以上、70%以上、80%以上、90%以上又は100%である。回収層は、一又は複数の実施形態において、ポリアミド系樹脂を含む。回収層におけるポリアミド系樹脂の含有率は、一又は複数の実施形態において、1%〜40%であり、耐ピンホール性の点から、1%〜20%である。回収層は、一又は複数の実施形態において、ポリエチレン系樹脂を含む。回収層におけるポリエチレン系樹脂の含有率は、一又は複数の実施形態において、50%〜99%であり、耐ピンホール性の点から、75%〜99%である。回収層の厚さは、特に限定されないが、一又は複数の実施形態において、多層フィルムの耐ピンホール性の観点から、1μm以上70μm以下である。
外層の樹脂原料と内層の樹脂原料の組み合わせは、形成された外層と内層との透湿度比が上記範囲を満たすものであれば特に限定されないが、一又は複数の実施形態として、ポリエチレン系樹脂とポリエチレン系樹脂との組み合わせ、ポリプロピレン系樹脂とポリエチレン系樹脂との組み合わせ、ポリアミド系樹脂とポリアミド系樹脂との組み合わせ、ポリアミド系樹脂とポリエチレン系樹脂との組み合わせ等が挙げられる。
<積層体>
本開示に係る多層フィルムを構成する積層体は、多層フィルムの耐ピンホール性を向上できる観点から、一又は複数の実施形態において、熱可塑性樹脂を含む第1樹脂層と接着性樹脂を含む第2樹脂層とが交互に8層以上積層されたものである。本開示に係る多層フィルムを構成する積層体は、一又は複数の実施形態において、少なくとも2種類以上の樹脂が積層されたものであって、複数の第1樹脂層及び複数の第2樹脂層を含み、第1樹脂層と第2樹脂層とが交互に積層されたものである。本開示に係る多層フィルムを構成する積層体は、その他の一又は複数の実施形態において、複数の第1樹脂層及び複数の第2樹脂層からなり、第1樹脂層と第2樹脂層とが交互に積層されたものである。
[第1樹脂層]
第1樹脂層は、熱可塑性樹脂で形成された樹脂層である。
熱可塑性樹脂としては、特に限定されないが、一又は複数の実施形態において、ポリアミド系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリスチレン系樹脂、熱可塑性エラストマー等が挙げられる。これらの中でも、ポリアミド系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂及びポリエステル系樹脂からなる群から選択される少なくとも1つ以上の樹脂が好ましく、特に、ポリアミド系樹脂が好ましい。ポリアミド系樹脂は、優れた強度、伸度、及び剛性を有するため、多層フィルムの強度を向上できる。ポリアミド系樹脂、ポリエチレン系樹脂及びポリプロピレン系樹脂としては、一又は複数の実施形態において、上記外層の樹脂原料として例示した樹脂が挙げられる。
[第2樹脂層]
第2樹脂層は、接着性樹脂で形成された樹脂層である。
接着性樹脂としては、特に限定されないが、一又は複数の実施形態において、ポリオレフィン系樹脂等が挙げられる。
ポリオレフィン系樹脂としては、一又は複数の実施形態において、ポリエチレン系共重合体、ポリプロピレン系共重合体、ブテン系共重合体が挙げられ、これらの中でも、ポリエチレン系共重合体が好ましい。また、これら共重合体の形態としては、接着性を向上できる観点から、一又は複数の実施形態において、ランダム共重合体、グラフト共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体が用いられ、特にランダム共重合体が好ましい。ポリエチレン系共重合体としては、一又は複数の実施形態において、上記外層の樹脂原料として例示したポリエチレン系共重合体が挙げられる。
接着性樹脂としては、柔軟かつ高い伸度を有する接着性樹脂層を実現でき、その結果、多層フィルムの耐ピンホール性をさらに向上できるとともに、従来の多層フィルムよりも厚さをさらに薄くすることができることから、一又は複数の実施形態において、LLDPE−g−MAH、EMAA樹脂、ION樹脂、及びエチレン系熱可塑性エラストマーからなる群から選択される少なくとも1つであることが好ましい。
さらに、第2樹脂層は、上記以外にも、エチレン−ビニルアルコール共重合体を含有していてもよい。この場合、良好な耐ピンホール性、及び酸素バリア性を有する第2樹脂層を実現でき、これにより、良好な耐ピンホール性、及び酸素バリア性を有する多層フィルムであって、従来の多層フィルムよりも厚さが薄い多層フィルムを実現できる。
ポリプロピレン系共重合体としては、特に限定はされないが、一又は複数の実施形態において、プロピレンとビニル基含有モノマーとの共重合体が挙げられる。
プロピレンとビニル基含有モノマーとの共重合体としては、特に制限はないが、一又は複数の実施形態において、無水マレイン酸グラフト変性直鎖状低密度ポリプロピレン(以下、「PP−g−MAH」という。)、プロピレン系熱可塑性エラストマー等が挙げられる。これにより、柔軟かつ高い伸度を有する接着性樹脂層を実現できるため、これを第2樹脂層として用いることで、多層フィルムの耐ピンホール性を向上できるとともに、従来の多層フィルムよりも厚さを薄くできる。
ブテン系共重合体としては、一又は複数の実施形態において、1−ブテンとビニル基含有モノマーとの共重合体、2−ブテンとビニル基含有モノマーとの共重合体等が挙げられる。
積層体を構成する第1樹脂層及び第2樹脂層の合計層数は、多層フィルムの耐ピンホール性を向上できる観点から、8層以上である。一又は複数の実施形態において、第1樹脂層及び第2樹脂層の合計層数は、耐ピンホール性を向上させる観点から、9層以上が好ましく、また、製膜性の観点から、5000層以下が好ましく、100層以下がより好ましく、50層以下が更に好ましい。多層フィルムが積層体を2以上含む場合、それぞれの積層体における合計層数が、一又は複数の実施形態において、8層又は9層以上であり、また、好ましくは50層以下である。
積層体の厚みは、一又は複数の実施形態において、耐ピンホール性向上の観点から、10μm以上が好ましく、より好ましくは20μm以上である。また、積層体の厚みの上限は特に限定されないが、一又は複数の実施形態において、製膜性の観点から、500μm以下が好ましい。多層フィルムが積層体を2以上含む場合、それぞれの積層体の厚みが、好ましくは10μm以上であり、より好ましくは20μm以上であり、また、500μm以下が好ましい。なお、本開示において、積層体の厚みは、実施例に記載の方法で測定できる。
積層体における第1樹脂層と第2樹脂層との厚みの比率は、70:30〜30:70が好ましい。上記範囲よりも一方の樹脂比率を向上させると製膜性が悪化してしまうため好ましくない。
本開示に係る多層フィルムは、一又は複数の実施形態において、積層体を2つ含んでいてもよく、2つの積層体が後述する接着層を介して積層されていてもよい。これにより、多層フィルムの表面及び裏面における耐ピンホール性をより向上できる。
2つの積層体は、一又は複数の実施形態において、積層体を構成する各層の樹脂原料が、同じであってもよいし異なっていてもよいが、耐ピンホール性をより向上できる観点から、同じであることが好ましい。
2つの積層体は、一又は複数の実施形態において、積層体を構成する第1樹脂層及び第2樹脂層の合計層数は、同じであってもよいし異なっていてもよい。
2つの積層体は、一又は複数の実施形態において、積層体を構成する第1樹脂層及び第2樹脂層の各層の平均厚さは、同じであってもよいし異なっていてもよい。
2つの積層体は、一又は複数の実施形態において、接着層を挟んで実質的に対称的な構造であることが好ましい。これにより、多層フィルムの両面の耐ピンホール性が同等になり、フィルム強度をより向上できる。
本開示に係る多層フィルムは、一又は複数の実施形態において、外層、積層体及び内層間の接着強度、柔軟性又は成型性等を向上できる観点から、接着層をさらに含有していてもよい。接着層を形成する箇所としては、一又は複数の実施形態において、外層と積層体との間、積層体と積層体との間、又は内層と積層体との間のこれらの少なくとも一か所が挙げられる。
<接着層>
接着層を形成する樹脂原料としては、公知の接着性樹脂を用いることができ、一又は複数の実施形態において、接着性ポリオレフィン系樹脂(以下、「AD」ともいう)等が挙げられる。具体的には、エチレン−ビニルアルコール共重合体、エチレン−メタクリレート−グリシジルアクリレート三元共重合体;各種ポリオレフィンに一塩基性不飽和脂肪酸、二塩基性不飽和脂肪酸、もしくはこれらの無水物をグラフトさせたもの;等が挙げられる。一塩基性不飽和脂肪酸としては、一又は複数の実施形態において、アクリル酸、メタクリル酸等が挙げられる。二塩基性不飽和脂肪酸としては、一又は複数の実施形態において、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等が挙げられる。各種ポリオレフィンに一塩基性不飽和脂肪酸、二塩基性不飽和脂肪酸、もしくはこれらの無水物をグラフトさせたものとしては、一又は複数の実施形態において、マレイン酸グラフト化エチレン−酢酸ビニル共重合体、マレイン酸グラフト化エチレン−α−オレフィン共重合体等が挙げられる。EVOHを使用した場合はバリア層としても機能できる。
接着層の厚さは、特に限定されないが、一又は複数の実施形態において、低コスト化の観点から、2μm以上50μm以下、又は、3μm以上40μm以下である。
次に、本開示に係る多層フィルムの一例を図1及び2に示す。
図1に示す多層フィルム100は、外層1、接着層2、積層体3、接着層4、積層体5、接着層6及びシール層7がこの順で配置されたものである。図2に示す多層フィルム200は、外層1、接着層2、積層体3、接着層4、積層体5、接着層6、回収層18及びシール層17がこの順で配置されたものである。積層体3は、5層の第1樹脂層(熱可塑性樹脂層)31及び4層の第2樹脂層(接着性樹脂層)32が交互に積層されてなる。積層体5は、5層の第1樹脂層(熱可塑性樹脂層)51及び4層の第2樹脂層(接着性樹脂層)52が交互に積層されてなる。多層フィルム100及び200は、一又は複数の実施形態において、スキンパック包装の用途に用いることができる。
本開示に係る多層フィルムは2次成型することにより、深絞り包装体とすることができる。すなわち、本開示に係る多層フィルムは、耐ピンホール性が向上しているため、薄肉化も可能である。本開示に係る多層フィルムを2次成型する方法としては、特に限定されないが、例えば真空成型又は圧空成型等が挙げられる。
[多層フィルムの製造方法]
本開示は、一又は複数の実施形態において、熱可塑性樹脂を含む第1樹脂層と接着性樹脂を含む第2樹脂層とが交互に8層以上積層されてなる積層体を有する多層フィルムを形成することを含む多層フィルムの製造方法(以下、「本開示に係る製造方法」ともいう)に関する。本開示に係る製造方法によれば、本開示に係る多層フィルムを製造できる。
本開示に係る製造方法は、一又は複数の実施形態において、複数の第1樹脂層と、複数の第2樹脂層と、必要に応じて接着剤層と、外層と、内層とを共押出しすることを含む。共押出しの方法は、特に限定されないが、一又は複数の実施形態において、数台の押出機により、原料となる樹脂等を溶融押出するフィードブロック法やマルチマニホールド法等の共押出Tダイ法、空冷式又は水冷式共押出インフレーション法等が挙げられるが、層の厚さ精度の点から、共押出Tダイ法が好ましい。
本開示に係る製造方法は、一又は複数の実施形態において、前記多層フィルム製造時に排出されるフィルム片を回収し、回収したフィルム片を樹脂原料の少なくとも一部として回収層を形成することを含んでいてもよい。
[包装体]
本開示はその他の態様において、本開示の多層フィルムで構成された包装体(以下、「本開示の包装体」ともいう)に関する。本開示の包装体は、一又は複数の実施形態において、軟化させた本開示の多層フィルムを真空成型又は圧空成型することにより成型された包装体である。本開示の包装体は、一又は複数の実施形態において、スキンパック包装体である。
[包装体の製造方法]
本開示はその他の態様において、軟化させた多層フィルムを真空成型又は圧空成型することを含む包装体の製造方法であって、前記多層フィルムが、本開示に係る多層フィルムである製造方法に関する。本開示に係る多層フィルムは、スキンパック包装後のカール発生が低減されるため、スキンパック包装体の製造において生産性が向上しうる。
本開示の包装体の製造方法の限定されない一又は複数の実施形態として、下記(a)〜(c)の工程を含むスキンパック包装体の製造方法が挙げられる。
(a)台紙に被包装物を載置する工程。
(b)軟化させた本開示に係る多層フィルムで前記被包装物を被覆する工程。
(c)吸引により前記多層フィルムを被包装物の外形に沿って伸展させ、かつ前記台紙表面上に前記多層フィルムを接着させる工程。
本開示は、さらに以下の一又は複数の実施形態に関する。
〔1〕 外層と、
熱可塑性樹脂を含む第1樹脂層と接着性樹脂を含む第2樹脂層とが交互に8層以上積層されてなる積層体と、
内層とを含む多層フィルムであって、
前記積層体は、前記外層と前記内層との間に配置され、
前記外層と前記内層との透湿度比が、0.1以上20以下である、多層フィルム。
〔2〕 前記外層及び前記内層における基材樹脂が同じである、〔1〕記載の多層フィルム。
〔3〕 前記基材樹脂は、熱可塑性樹脂から選択される、〔1〕又は〔2〕に記載の多層フィルム。
〔4〕 前記外層の透湿度は、1g/m2−day〜400g/m2−dayである、〔1〕から〔3〕のいずれかの記載の多層フィルム。
〔5〕 前記積層体を少なくとも2つ含み、
前記2つの積層体は、接着層を介して積層される、〔1〕から〔4〕のいずれかに記載の多層フィルム。
〔6〕 前記内層は、シール層と、多層フィルム製造時に排出されるフィルム片を樹脂原料の少なくとも一部として含む回収層とで構成されている、〔1〕から〔5〕のいずれかに記載の多層フィルム。
〔7〕 前記第1樹脂層は、ポリアミド系樹脂を含む、〔1〕から〔6〕のいずれかに記載の多層フィルム。
〔8〕 前記第2樹脂層は、ポリオレフィン系樹脂を含む、〔1〕から〔7〕のいずれかに記載の多層フィルム。
〔9〕 スキンパック包装用多層フィルムである、〔1〕から〔8〕のいずれかに記載の多層フィルム。
〔10〕 〔1〕から〔9〕のいずれかに記載の多層フィルムで構成された包装体。
〔11〕 スキンパック包装体である、〔10〕記載の包装体。
〔12〕 軟化させた多層フィルムを真空成型又は圧空成型することを含む包装体の製造方法であって、前記多層フィルムが、〔1〕から〔9〕のいずれかに記載の多層フィルムである、製造方法。
〔13〕 下記(a)〜(c)の工程を含む、スキンパック包装体の製造方法。
(a)台紙に被包装物を載置する工程。
(b)軟化させた〔1〕から〔9〕のいずれかに記載の多層フィルムで前記被包装物を被覆する工程。
(c)吸引により前記多層フィルムを被包装物の外形に沿って伸展させ、かつ前記台紙表面上に前記多層フィルムを接着させる工程。
本開示を実施例により更に詳細に説明するが、これは単なる例示であり、本開示はこれにより限定されるものではない。
(実施例1)
図1に示す構成の多層フィルム100を作製した。外層1、接着層2、積層体3、コア層4、積層体5、接着層6、コア層7及びシール層8の各々を形成する樹脂原料として以下のものを準備した。
外層1:ポリエチレン樹脂、LDPE(商品名“F522”、宇部丸善ポリエチレン製)
接着層2:接着性樹脂、AD(商品名“アドマー(R)NF536”、三井化学製)
積層体3の熱可塑性樹脂層(第1樹脂層)31:ポリアミド系樹脂、6−Ny(商品名“1022B”、宇部興産社製)
積層体3の接着性樹脂層(第2樹脂層)32:接着性樹脂、AD(商品名“アドマー(R)NF536”、三井化学製)
接着層4:接着性樹脂、AD(商品名“アドマー(R)NF536”、三井化学製)
積層体5の熱可塑性樹脂層(第1樹脂層)51:ポリアミド系樹脂、6−Ny(商品名“1022B”、宇部興産社製)
積層体5の接着性樹脂層(第2樹脂層)52:接着性樹脂、AD(商品名“アドマー(R)NF536”、三井化学製)
接着層6:接着性樹脂、AD(商品名“アドマー(R)NF536”、三井化学製)
シール層7:ポリエチレン樹脂、LDPE(商品名“F522”、宇部丸善ポリエチレン製)
ポリアミド系樹脂は260℃に調整された押出機に供給し、接着性樹脂及びポリエチレン樹脂はそれぞれ240℃に調整された押出機に供給し、外層1/接着層2/積層体3/接着層4/積層体5/接着層6/シール層7の順序で積層され、フィードブロック及びダイを用いて共押出しを行い、多層フィルムを得た。得られた多層フィルムの透湿度比、各層の厚みを下記表1に示す。透湿度比及び厚みの測定は以下のようにして行った。
[透湿度比]
外層及びシール層の透湿度は、多層フィルムの外層及びシール層と同じ樹脂原料及び条件で、複数の所定厚みの単層のフィルムを別途作成し、その単層フィルムの透湿度をJIS−K7129に準拠した方法で測定し、その測定により得られた厚みと透湿度の関係から検量線を作成し、検量線と外層及びシール層の厚みから透湿度を得た。また、表1に示す透湿度比(外層/シール層、シール層/外層)は、以下の式より算出した。
(外層/シール層)=(外層の透湿度)/(シール層の透湿度)
(シール層/外層)=(シール層の透湿度)/(外層の透湿度)
[厚さ]
各層の厚みは、顕微鏡を用いて測定した。具体的には、偏光顕微鏡(100倍、OLYMPUS製 型番:BH3−MJL )を用いてフィルムの中央と両端部の3箇所を測定し、その平均を求めた。
(実施例2)
外層1及びシール層7の厚みを表1の厚みとした以外は、実施例1と同様にして多層フィルム100を得た。
参考例3)
外層1の樹脂原料としてポリプロピレン系樹脂(PP:商品名“FS2011DG2”、住友化学製)を使用し、ポリプロピレン系樹脂を供給する押出機の温度を250℃とした以外は、実施例1と同様にして多層フィルム100を得た。
参考例4)
外層1及びシール層7の厚みを表1に示す厚みとした以外は、実施例2と同様にして多層フィルム100を得た。
参考例5)
外層1およびシール層7の樹脂原料としてポリアミド系樹脂(Ny:商品名“1022B”、宇部興産製)とした以外は、実施例1と同様にして多層フィルム100を得た
参考例6)
外層1の樹脂原料としてポリアミド系樹脂(NC−Ny:商品名“M1030DH”、ユニチカ製)を使用し、各層の厚みを表1に示す厚みとした以外は、実施例1と同様にして多層フィルムを得た。
(比較例1)
外層1/接着層2/接着層4/接着層6/シール層7の順序で積層され、フィードブロック及びダイを用いて共押出しを行い、多層フィルムを得た。外層1、接着層2、接着層6及びシール層7は、実施例1と同様の樹脂原料を使用した。接着層4の樹脂原料としてはポリアミド系樹脂(6−Ny:商品名“1022B”、宇部興産社製)を使用した。各層の厚みは表1に示す通りにした。
(比較例2)
外層1の樹脂原料としてポリプロピレン系樹脂(r−PP(ランダムポリプロポレン):商品名“F744NP”、プライムポリマー製)を、シール層7の樹脂原料としてはポリエチレン系樹脂(LLDPE:商品名“1540F”、宇部丸善ポリエチレン社製)を使用し、各層の厚みを表1に示す厚みとした以外は、比較例1と同様にして多層フィルムを得た。
(比較例3)
外層1の樹脂原料としてポリアミド系樹脂(Ny:商品名“1022B”、宇部興産製)を、シール層7の樹脂原料としてはポリエチレン系樹脂(LLDPE:商品名“1540F”、宇部丸善ポリエチレン社製)を使用し、各層の厚みを表1に示す厚みとした以外は、比較例1と同様にして多層フィルムを得た。
(比較例4)
外層1の樹脂原料としてポリアミド系樹脂(Ny:商品名“1022B”、宇部興産製)を使用した以外は、実施例1と同様にして多層フィルム100を得た。
[評価]
実施例1〜2、参考例3〜6及び比較例1〜4の各多層フィルムについて、下記の通りカール高さ、剥離強度及び耐ピンホール性の評価を行った。評価結果を下記表1に示す。
(カール高さ)
実施例1〜2、参考例3〜6及び比較例1〜4の各多層フィルム、擬似内容物及び台紙(材質:紙)を用いてスキンパック包装体を作製した。スキンパック包装は、真空成型機(布施真空製)を用いて、100×100mmの台紙サイズで行った。作製した包装体を40℃90%RHの環境に24hr静置後、40℃に設定したオーブンに24hr保管した。保管後サンプルの角部高さ(4点)をスケールを用いて測定した。4点の高さの平均をカール高さとし、以下の評価基準により評価を行った。
評価基準
○:5mm以下
△:5mm以上10mm以下
×:10mm以上
(剥離強度)
JIS Z0237に準拠して行った。具体的には、実施例1〜2、参考例3〜6及び比較例1〜4の各多層フィルムからそれぞれ幅15mmのサンプル片を切り出し、剥離角度180°で5mm/minの速度で引張り試験を行った。得られたS−Sカーブの値が安定した位置を剥離強度とした。
(耐ピンホール性)
ASTMF392に準拠して、ゲルボフレックステスター(理学工業株式会社製)により、作成した多層フィルムの耐屈曲性に関わる測定を行った。多層フィルムのサンプルを、ゲルボフレックステスターの対向する直径8.8cmの2つの円板に巻き付けて固定した。そして、円筒状になった多層フィルムにひねりを加えることで、屈曲処理を行った。この屈曲処理を温度20℃の条件で2000回行った。この試験を10枚のサンプルについて行い、各サンプルの発生したピンホールの個数を数えた。そして、サンプル1枚あたりのピンホールの平均発生数を算出した。
Figure 0006562245
表1から明らかなように、実施例1〜2、参考例3〜6の多層フィルムは、カール高さ、剥離強度、耐ピンホール性が良好であった。したがって、これらの多層フィルムは、スキンパック包装体に好適である事が分かった。
本開示に係る多層フィルムは、日用品、食品、医薬品、工業用部品及び電子材料等のスキンパック包装に用いられうるが、その応用範囲はこれらに限られるものではない。
1 外層
2 接着層
3 積層体
31 第1樹脂層(熱可塑性樹脂層)
32 第2樹脂層(接着性樹脂層)
4 接着層
5 積層体
51 第1樹脂層(熱可塑性樹脂層)
52 第2樹脂層(接着性樹脂層)
6 接着層
7,17 シール層
18 回収層
100,200 多層フィルム

Claims (9)

  1. 外層と、
    熱可塑性樹脂を含む第1樹脂層と接着性樹脂を含む第2樹脂層とが交互に8層以上積層されてなる積層体と、
    内層とを含む多層フィルムであって、
    前記積層体は、前記外層と前記内層との間に配置され、
    前記外層と前記内層との透湿度比が、0.7以上6.0以下であり、
    前記外層及び前記内層の樹脂原料は、低密度ポリエチレン樹脂である、多層フィルム。
  2. 前記外層の透湿度は、1g/m2−day〜400g/m2−dayである、請求項に記載の多層フィルム。
  3. 前記積層体を少なくとも2つ含み、
    前記2つの積層体は、接着層を介して積層される、請求項1又は2に記載の多層フィルム。
  4. 前記第1樹脂層は、ポリアミド系樹脂を含む、請求項1からのいずれかに記載の多層フィルム。
  5. 前記第2樹脂層は、ポリオレフィン系樹脂を含む、請求項1からのいずれかに記載の多層フィルム。
  6. スキンパック包装用多層フィルムである、請求項1からのいずれかに記載の多層フィルム。
  7. 請求項1からのいずれかに記載の多層フィルムで構成された包装体。
  8. 軟化させた多層フィルムを真空成型又は圧空成型することを含む包装体の製造方法であって、前記多層フィルムが、請求項1からのいずれかに記載の多層フィルムである、製造方法。
  9. 下記(a)〜(c)の工程を含む、スキンパック包装体の製造方法。
    (a)台紙に被包装物を載置する工程。
    (b)軟化させた請求項1からのいずれかに記載の多層フィルムで前記被包装物を被覆する工程。
    (c)吸引により前記多層フィルムを被包装物の外形に沿って伸展させ、かつ前記台紙表面上に前記多層フィルムを接着させる工程。
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