JP6562245B2 - 多層フィルム及び包装体 - Google Patents
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Description
(a)台紙に被包装物を載置する工程。
(b)軟化させた本開示に係る多層フィルムで前記被包装物を被覆する工程。
(c)吸引により前記多層フィルムを被包装物の外形に沿って伸展させ、かつ前記台紙表面上に前記多層フィルムを接着させる工程。
本開示の多層フィルムは、一又は複数の実施形態において、外層と、熱可塑性樹脂を含む第1樹脂層と接着性樹脂を含む第2樹脂層とが交互に8層以上積層されてなる積層体と、内層とを含み、前記積層体は、前記外層と前記内層との間に配置され、前記外層と前記内層との透湿度比が0.1以上20以下である。本開示の多層フィルムは、一又は複数の実施形態において、スキンパック包装後のカール発生を低減できる。本開示の多層フィルムは、一又は複数の実施形態において、スキンパック包装後に十分な剥離性を示すとともに、優れた耐ピンホール性を示しうる。
外層を形成する樹脂原料としては、特に限定されないが、一又は複数の実施形態において、熱可塑性樹脂が挙げられる。熱可塑性樹脂としては、一又は複数の実施形態において、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂及びエチレン−ビニルアルコール共重合体(以下、「EVOH樹脂」という。)等が挙げられる。樹脂原料は、コストおよび包装後のカール発生をより低減する点から、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂が好ましい。樹脂原料は、単独で又は2種以上を併用して用いることができる。
内層を形成する樹脂原料としては、一又は複数の実施形態において、上記の外層を形成する樹脂原料が挙げられる。内層は、包装時に被包装物と接触する側に位置し、耐内容物性の機能と、シールする相手材とのシール適性の機能とを有することが好ましい。シール強度を向上できる点から、内層を形成する樹脂原料としては、一又は複数の実施形態において、ポリエチレン系樹脂が好ましく、シール強度の観点から、LDPE樹脂が好ましい。
本開示において耐内容物性とは、内容物が薬品や油分を多く含む食品等の場合、この薬品や油分によってシール層が相手材とのシール適性に係る機能を失わない性質のことを指す。
本開示に係る多層フィルムを構成する積層体は、多層フィルムの耐ピンホール性を向上できる観点から、一又は複数の実施形態において、熱可塑性樹脂を含む第1樹脂層と接着性樹脂を含む第2樹脂層とが交互に8層以上積層されたものである。本開示に係る多層フィルムを構成する積層体は、一又は複数の実施形態において、少なくとも2種類以上の樹脂が積層されたものであって、複数の第1樹脂層及び複数の第2樹脂層を含み、第1樹脂層と第2樹脂層とが交互に積層されたものである。本開示に係る多層フィルムを構成する積層体は、その他の一又は複数の実施形態において、複数の第1樹脂層及び複数の第2樹脂層からなり、第1樹脂層と第2樹脂層とが交互に積層されたものである。
第1樹脂層は、熱可塑性樹脂で形成された樹脂層である。
第2樹脂層は、接着性樹脂で形成された樹脂層である。
接着層を形成する樹脂原料としては、公知の接着性樹脂を用いることができ、一又は複数の実施形態において、接着性ポリオレフィン系樹脂(以下、「AD」ともいう)等が挙げられる。具体的には、エチレン−ビニルアルコール共重合体、エチレン−メタクリレート−グリシジルアクリレート三元共重合体;各種ポリオレフィンに一塩基性不飽和脂肪酸、二塩基性不飽和脂肪酸、もしくはこれらの無水物をグラフトさせたもの;等が挙げられる。一塩基性不飽和脂肪酸としては、一又は複数の実施形態において、アクリル酸、メタクリル酸等が挙げられる。二塩基性不飽和脂肪酸としては、一又は複数の実施形態において、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等が挙げられる。各種ポリオレフィンに一塩基性不飽和脂肪酸、二塩基性不飽和脂肪酸、もしくはこれらの無水物をグラフトさせたものとしては、一又は複数の実施形態において、マレイン酸グラフト化エチレン−酢酸ビニル共重合体、マレイン酸グラフト化エチレン−α−オレフィン共重合体等が挙げられる。EVOHを使用した場合はバリア層としても機能できる。
本開示は、一又は複数の実施形態において、熱可塑性樹脂を含む第1樹脂層と接着性樹脂を含む第2樹脂層とが交互に8層以上積層されてなる積層体を有する多層フィルムを形成することを含む多層フィルムの製造方法(以下、「本開示に係る製造方法」ともいう)に関する。本開示に係る製造方法によれば、本開示に係る多層フィルムを製造できる。
本開示はその他の態様において、本開示の多層フィルムで構成された包装体(以下、「本開示の包装体」ともいう)に関する。本開示の包装体は、一又は複数の実施形態において、軟化させた本開示の多層フィルムを真空成型又は圧空成型することにより成型された包装体である。本開示の包装体は、一又は複数の実施形態において、スキンパック包装体である。
本開示はその他の態様において、軟化させた多層フィルムを真空成型又は圧空成型することを含む包装体の製造方法であって、前記多層フィルムが、本開示に係る多層フィルムである製造方法に関する。本開示に係る多層フィルムは、スキンパック包装後のカール発生が低減されるため、スキンパック包装体の製造において生産性が向上しうる。
(a)台紙に被包装物を載置する工程。
(b)軟化させた本開示に係る多層フィルムで前記被包装物を被覆する工程。
(c)吸引により前記多層フィルムを被包装物の外形に沿って伸展させ、かつ前記台紙表面上に前記多層フィルムを接着させる工程。
〔1〕 外層と、
熱可塑性樹脂を含む第1樹脂層と接着性樹脂を含む第2樹脂層とが交互に8層以上積層されてなる積層体と、
内層とを含む多層フィルムであって、
前記積層体は、前記外層と前記内層との間に配置され、
前記外層と前記内層との透湿度比が、0.1以上20以下である、多層フィルム。
〔2〕 前記外層及び前記内層における基材樹脂が同じである、〔1〕記載の多層フィルム。
〔3〕 前記基材樹脂は、熱可塑性樹脂から選択される、〔1〕又は〔2〕に記載の多層フィルム。
〔4〕 前記外層の透湿度は、1g/m2−day〜400g/m2−dayである、〔1〕から〔3〕のいずれかの記載の多層フィルム。
〔5〕 前記積層体を少なくとも2つ含み、
前記2つの積層体は、接着層を介して積層される、〔1〕から〔4〕のいずれかに記載の多層フィルム。
〔6〕 前記内層は、シール層と、多層フィルム製造時に排出されるフィルム片を樹脂原料の少なくとも一部として含む回収層とで構成されている、〔1〕から〔5〕のいずれかに記載の多層フィルム。
〔7〕 前記第1樹脂層は、ポリアミド系樹脂を含む、〔1〕から〔6〕のいずれかに記載の多層フィルム。
〔8〕 前記第2樹脂層は、ポリオレフィン系樹脂を含む、〔1〕から〔7〕のいずれかに記載の多層フィルム。
〔9〕 スキンパック包装用多層フィルムである、〔1〕から〔8〕のいずれかに記載の多層フィルム。
〔10〕 〔1〕から〔9〕のいずれかに記載の多層フィルムで構成された包装体。
〔11〕 スキンパック包装体である、〔10〕記載の包装体。
〔12〕 軟化させた多層フィルムを真空成型又は圧空成型することを含む包装体の製造方法であって、前記多層フィルムが、〔1〕から〔9〕のいずれかに記載の多層フィルムである、製造方法。
〔13〕 下記(a)〜(c)の工程を含む、スキンパック包装体の製造方法。
(a)台紙に被包装物を載置する工程。
(b)軟化させた〔1〕から〔9〕のいずれかに記載の多層フィルムで前記被包装物を被覆する工程。
(c)吸引により前記多層フィルムを被包装物の外形に沿って伸展させ、かつ前記台紙表面上に前記多層フィルムを接着させる工程。
図1に示す構成の多層フィルム100を作製した。外層1、接着層2、積層体3、コア層4、積層体5、接着層6、コア層7及びシール層8の各々を形成する樹脂原料として以下のものを準備した。
外層1:ポリエチレン樹脂、LDPE(商品名“F522”、宇部丸善ポリエチレン製)
接着層2:接着性樹脂、AD(商品名“アドマー(R)NF536”、三井化学製)
積層体3の熱可塑性樹脂層(第1樹脂層)31:ポリアミド系樹脂、6−Ny(商品名“1022B”、宇部興産社製)
積層体3の接着性樹脂層(第2樹脂層)32:接着性樹脂、AD(商品名“アドマー(R)NF536”、三井化学製)
接着層4:接着性樹脂、AD(商品名“アドマー(R)NF536”、三井化学製)
積層体5の熱可塑性樹脂層(第1樹脂層)51:ポリアミド系樹脂、6−Ny(商品名“1022B”、宇部興産社製)
積層体5の接着性樹脂層(第2樹脂層)52:接着性樹脂、AD(商品名“アドマー(R)NF536”、三井化学製)
接着層6:接着性樹脂、AD(商品名“アドマー(R)NF536”、三井化学製)
シール層7:ポリエチレン樹脂、LDPE(商品名“F522”、宇部丸善ポリエチレン製)
外層及びシール層の透湿度は、多層フィルムの外層及びシール層と同じ樹脂原料及び条件で、複数の所定厚みの単層のフィルムを別途作成し、その単層フィルムの透湿度をJIS−K7129に準拠した方法で測定し、その測定により得られた厚みと透湿度の関係から検量線を作成し、検量線と外層及びシール層の厚みから透湿度を得た。また、表1に示す透湿度比(外層/シール層、シール層/外層)は、以下の式より算出した。
(外層/シール層)=(外層の透湿度)/(シール層の透湿度)
(シール層/外層)=(シール層の透湿度)/(外層の透湿度)
各層の厚みは、顕微鏡を用いて測定した。具体的には、偏光顕微鏡(100倍、OLYMPUS製 型番:BH3−MJL )を用いてフィルムの中央と両端部の3箇所を測定し、その平均を求めた。
外層1及びシール層7の厚みを表1の厚みとした以外は、実施例1と同様にして多層フィルム100を得た。
外層1の樹脂原料としてポリプロピレン系樹脂(PP:商品名“FS2011DG2”、住友化学製)を使用し、ポリプロピレン系樹脂を供給する押出機の温度を250℃とした以外は、実施例1と同様にして多層フィルム100を得た。
外層1及びシール層7の厚みを表1に示す厚みとした以外は、実施例2と同様にして多層フィルム100を得た。
外層1およびシール層7の樹脂原料としてポリアミド系樹脂(Ny:商品名“1022B”、宇部興産製)とした以外は、実施例1と同様にして多層フィルム100を得た。
外層1の樹脂原料としてポリアミド系樹脂(NC−Ny:商品名“M1030DH”、ユニチカ製)を使用し、各層の厚みを表1に示す厚みとした以外は、実施例1と同様にして多層フィルムを得た。
外層1/接着層2/接着層4/接着層6/シール層7の順序で積層され、フィードブロック及びダイを用いて共押出しを行い、多層フィルムを得た。外層1、接着層2、接着層6及びシール層7は、実施例1と同様の樹脂原料を使用した。接着層4の樹脂原料としてはポリアミド系樹脂(6−Ny:商品名“1022B”、宇部興産社製)を使用した。各層の厚みは表1に示す通りにした。
外層1の樹脂原料としてポリプロピレン系樹脂(r−PP(ランダムポリプロポレン):商品名“F744NP”、プライムポリマー製)を、シール層7の樹脂原料としてはポリエチレン系樹脂(LLDPE:商品名“1540F”、宇部丸善ポリエチレン社製)を使用し、各層の厚みを表1に示す厚みとした以外は、比較例1と同様にして多層フィルムを得た。
外層1の樹脂原料としてポリアミド系樹脂(Ny:商品名“1022B”、宇部興産製)を、シール層7の樹脂原料としてはポリエチレン系樹脂(LLDPE:商品名“1540F”、宇部丸善ポリエチレン社製)を使用し、各層の厚みを表1に示す厚みとした以外は、比較例1と同様にして多層フィルムを得た。
外層1の樹脂原料としてポリアミド系樹脂(Ny:商品名“1022B”、宇部興産製)を使用した以外は、実施例1と同様にして多層フィルム100を得た。
実施例1〜2、参考例3〜6及び比較例1〜4の各多層フィルムについて、下記の通りカール高さ、剥離強度及び耐ピンホール性の評価を行った。評価結果を下記表1に示す。
実施例1〜2、参考例3〜6及び比較例1〜4の各多層フィルム、擬似内容物及び台紙(材質:紙)を用いてスキンパック包装体を作製した。スキンパック包装は、真空成型機(布施真空製)を用いて、100×100mmの台紙サイズで行った。作製した包装体を40℃90%RHの環境に24hr静置後、40℃に設定したオーブンに24hr保管した。保管後サンプルの角部高さ(4点)をスケールを用いて測定した。4点の高さの平均をカール高さとし、以下の評価基準により評価を行った。
評価基準
○:5mm以下
△:5mm以上10mm以下
×:10mm以上
JIS Z0237に準拠して行った。具体的には、実施例1〜2、参考例3〜6及び比較例1〜4の各多層フィルムからそれぞれ幅15mmのサンプル片を切り出し、剥離角度180°で5mm/minの速度で引張り試験を行った。得られたS−Sカーブの値が安定した位置を剥離強度とした。
ASTMF392に準拠して、ゲルボフレックステスター(理学工業株式会社製)により、作成した多層フィルムの耐屈曲性に関わる測定を行った。多層フィルムのサンプルを、ゲルボフレックステスターの対向する直径8.8cmの2つの円板に巻き付けて固定した。そして、円筒状になった多層フィルムにひねりを加えることで、屈曲処理を行った。この屈曲処理を温度20℃の条件で2000回行った。この試験を10枚のサンプルについて行い、各サンプルの発生したピンホールの個数を数えた。そして、サンプル1枚あたりのピンホールの平均発生数を算出した。
2 接着層
3 積層体
31 第1樹脂層(熱可塑性樹脂層)
32 第2樹脂層(接着性樹脂層)
4 接着層
5 積層体
51 第1樹脂層(熱可塑性樹脂層)
52 第2樹脂層(接着性樹脂層)
6 接着層
7,17 シール層
18 回収層
100,200 多層フィルム
Claims (9)
- 外層と、
熱可塑性樹脂を含む第1樹脂層と接着性樹脂を含む第2樹脂層とが交互に8層以上積層されてなる積層体と、
内層とを含む多層フィルムであって、
前記積層体は、前記外層と前記内層との間に配置され、
前記外層と前記内層との透湿度比が、0.7以上6.0以下であり、
前記外層及び前記内層の樹脂原料は、低密度ポリエチレン樹脂である、多層フィルム。 - 前記外層の透湿度は、1g/m2−day〜400g/m2−dayである、請求項1に記載の多層フィルム。
- 前記積層体を少なくとも2つ含み、
前記2つの積層体は、接着層を介して積層される、請求項1又は2に記載の多層フィルム。 - 前記第1樹脂層は、ポリアミド系樹脂を含む、請求項1から3のいずれかに記載の多層フィルム。
- 前記第2樹脂層は、ポリオレフィン系樹脂を含む、請求項1から4のいずれかに記載の多層フィルム。
- スキンパック包装用多層フィルムである、請求項1から5のいずれかに記載の多層フィルム。
- 請求項1から6のいずれかに記載の多層フィルムで構成された包装体。
- 軟化させた多層フィルムを真空成型又は圧空成型することを含む包装体の製造方法であって、前記多層フィルムが、請求項1から7のいずれかに記載の多層フィルムである、製造方法。
- 下記(a)〜(c)の工程を含む、スキンパック包装体の製造方法。
(a)台紙に被包装物を載置する工程。
(b)軟化させた請求項1から7のいずれかに記載の多層フィルムで前記被包装物を被覆する工程。
(c)吸引により前記多層フィルムを被包装物の外形に沿って伸展させ、かつ前記台紙表面上に前記多層フィルムを接着させる工程。
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