JP4549584B2 - スキンパック包装体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、スキンパック包装体に関し、さらに詳しくは、被包装物(収納物)の取り出しが容易なスキンパック包装体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
スキンパック包装体は、熱可塑性樹脂からなる接着剤を表面に塗工した台紙上の所定位置に被包装物(収納物)、たとえば、文房具、玩具、喫煙具等を載置し、上部から予備加熱して軟化させた熱可塑性樹脂からなるフィルム(以下、スキンパックフィルムと呼称する)で被覆し、真空脱気することにより前記被包装物の外形に沿って伸展させると共に前記スキンパックフィルムを前記台紙との接触面で前記台紙に塗工した接着剤により接着させて包装するものであり、包装作業性に優れると共に見栄えもよく、また、スキンパック包装体は、通常上部に孔が設けられており、店頭においてはこの孔を用いて引っ掛け具等に引っ掛けて陳列することができるために、陳列する際にもスペースを取ることがなく、さらにまた、スキンパック包装体は、ブリスターパック包装体に比べてコンパクトに包装することができるために、それだけ安価にすることができるなど優れた包装形態である。
【0003】
そして、スキンパック包装体は、上記したように予備加熱して軟化させたスキンパックフィルムで被包装物(収納物)を被覆し、真空脱気することにより被包装物(収納物)を確実にスキンパックフィルムで固定するためにタイトに包装されるものであり、通常台紙に用いられる紙としては、ボール紙、ノーコート紙等の通気性のよいものが用いられる。そのために、被包装物(収納物)をスキンパック包装体から取り出す際には、スキンパック包装体を手指等で引きちぎるといった力仕事や鋏やナイフ等を用いてスキンパック包装体を切断するといった結構手間のかかる作業を必要とした。
【0004】
また、スキンパック包装体は、上記したようにボール紙、ノーコート紙等の通気性のよいものを台紙として用いるために、台紙の表面状態が悪く、印刷適性にも劣り、外観や商品イメージも好ましいものではなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明は、上記問題を解決するためになしたものであって、その目的とするところは、容易に開封することができて、被包装物(収納物)の取出しが簡単なスキンパック包装体を提供することにある。さらにまた、外観や商品イメージに優れたスキンパック包装体を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、台紙上に載置した被包装物をスキンパックフィルムにより被覆し、真空脱気することにより前記スキンパックフィルムを前記被包装物の外形に沿って伸展させると共に前記スキンパックフィルムを前記台紙との接触面で前記台紙に接着させたスキンパック包装体において、前記台紙に前記被包装物の外形に略沿う切込線を形成すると共に、該切込線の両端から前記被包装物の外形に沿ってそれぞれ延びる千鳥状となるように形成した二条のミシン目線を形成したことを特徴とするものである。このように構成することにより、台紙に形成した切込線で台紙を外側にくの字状となるように折り曲げることにより切込線の部分の台紙が浮き上がるために、この部分を摘み部とすることができ、この摘み部を手指で持って摘み上げることによりミシン目線に沿って開封することができ、被包装物(収納物)を簡単に取り出すことができる。
【0007】
また、前記ミシン目線が千鳥状となるように形成した二条のミシン目線である構成とすることにより、一層スムーズに開封することができると共に美麗な開封面を得ることができる。
【0008】
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載のスキンパック包装体において、前記台紙がコート紙ないしフィルムを積層したフィルム積層紙であることを特徴とするものである。このように構成することにより、台紙に設けた切込線とミシン目線を真空脱気時の脱気口とすることができるために、印刷適性に優れるコート紙、フィルム積層紙等の通気性の悪い台紙を用いることができ、外観や商品イメージに優れたスキンパック包装体を得ることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
上記の本発明について、図面等を用いて以下に詳述する。
図1は本発明にかかるスキンパック包装体の第1実施形態を示す概略斜視図、図2は図1のX−X線拡大断面図、図3は図1の台紙側から見た平面図、図4は本発明にかかるスキンパック包装体の第2実施形態を示す図3に対応する図、図5は図4の要部拡大図、図6は本発明にかかるスキンパック包装体の第3実施形態を示す図3に対応する図であり、図中の1,1’,1”はスキンパック包装体、2は台紙、3は被包装物(収納物)、4はスキンパックフィルム、5は接着剤、10,10’は切込線、20,20’,21はミシン目線、Aは孔をそれぞれ示す。
【0010】
図1は本発明にかかるスキンパック包装体の一実施例を示す概略斜視図、図2は図1のX−X線拡大断面図であって、スキンパック包装体1は台紙2上に載置した被包装物(収納物)3、たとえば、略角形状のケースに渦巻き状に収納されたメジャーやカセットテープ等をスキンパックフィルム4により被覆し、真空脱気することにより前記スキンパックフィルム4を前記被包装物(収納物)3の外形に沿って伸展させると共に前記スキンパックフィルム4を前記台紙2との接触面で前記台紙2の被包装物(収納物)3が載置される面に塗工した接着剤5により前記台紙2に接着させたものであって、上部に店頭において引っ掛け具等に引っ掛けて陳列することができるように孔Aが形成されている。そして、後述するが、台紙2にはミシン目線20が形成されている。
【0011】
図3は図1の台紙側から見た平面図であって、スキンパック包装体1の台紙2に前記被包装物(収納物)3の外形に対応した角部に前記被包装物(収納物)3の外形に略沿う略L字状の切込線10が形成されると共に、該切込線10の両端から前記被包装物(収納物)3の外形に沿ってそれぞれ延びるミシン目線20が形成されている。
【0012】
このように構成したスキンパック包装体1は、被包装物(収納物)3を取り出す際に、台紙2に形成した略L字状の切込線10で台紙2を外側にくの字状となるように折り曲げることにより略L字状の切込線10の部分の台紙2が浮き上がるために、この部分を摘み部として手指で持って摘み上げることによりミシン目線20に沿って開封することができ、被包装物(収納物)3を簡単に取り出すことができる。
【0013】
図4は本発明にかかるスキンパック包装体の第2実施形態を示す図3に対応する図、図5は図4の要部拡大図であって、スキンパック包装体1’は図3に示したミシン目線20に代えて、千鳥状となるように形成した二条のミシン目線21からなる以外はスキンパック包装体1と同じである。このように構成することにより、一層スムーズに開封することができ、また、開封面が櫛状となり美麗な開封面を得ることができる。
【0014】
図6は本発明にかかるスキンパック包装体の第3実施形態を示す図3に対応する図であって、スキンパック包装体1”は、被包装物(収納物)3として、円盤状の、たとえば、ヨーヨーのような玩具をスキンパックフィルム4により被覆し、真空脱気することにより前記スキンパックフィルム4を前記被包装物(収納物)3の外形に沿って伸展させると共に前記スキンパックフィルム4を前記台紙2との接触面で前記台紙2の被包装物(収納物)3が載置される面に塗工した接着剤5により前記台紙2に接着させたものであって、第1、第2実施形態同様に上部に店頭において引っ掛け具等に引っ掛けて陳列することができるように孔Aが設けられていると共に、台紙2に前記被包装物(収納物)3の外形に対応した一部(図6上で下側部)に前記被包装物(収納物)3の外形に略沿う円弧状の切込線10’が形成されると共に、該切込線10’の両端から前記被包装物(収納物)3の外形に沿ってそれぞれ延びるミシン目線20’が形成されているものである。
【0015】
このように構成したスキンパック包装体1”は、被包装物(収納物)3を取り出す際に、台紙2に形成した円弧状の切込線10’で台紙2を外側にくの字状となるように折り曲げることにより円弧状の切込線10’の部分の台紙2が浮き上がるために、この部分を摘み部として手指で持って摘み上げることによりミシン目線20’に沿って開封することができ、被包装物(収納物)3を簡単に取り出すことができる。なお、図示はしないが、ミシン目線20’に代えて上記で説明した千鳥状の二条のミシン目線を設けることにより、一層スムーズに開封することができることは当然である。
【0016】
次に、本発明のスキンパック包装体を構成する材料について説明する。
台紙2に用いる紙としては、坪量が310〜400g/m2のボール紙、ノーコート紙、あるいは、切込線10、10’およびミシン目線20、20’、21を台紙に形成したことにより、これを真空脱気口とすることができ、ボール紙やノーコート紙に比べて通気性は悪いが印刷適性に優れ、外観や商品イメージを向上させることができる坪量が310〜400g/m2のコート紙等を例示することができる。
【0017】
また、台紙2上に塗工する接着剤5としては、スキンパックフィルムの材質により適宜選択して用いる必要があるが、たとえば、塩化ビニル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、オレフィン系樹脂、アクリル系樹脂等のエマルジョンないし溶剤タイプの接着剤を例示することができる。
【0018】
また、スキンパックフィルム4としては、軟質塩化ビニルフィルム、アイオノマーフィルム、ポリエチレンフィルム、エチレン−酢酸ビニル共重合体フィルム等を例示することができる。
【0019】
【実施例】
次に、本発明について、以下に実施例を挙げてさらに詳しく説明する。
実施例1
坪量400g/m2のボール紙〔京王製紙(株)製〕の表面にポリオレフィンアクリレート系接着剤〔日本化工塗料(株)製:ニッカコートPS−14〕を固形分で4〜5g/m2となるようにロールコートすると共に乾燥して、表面に接着剤層を設けた台紙を作製し、その後に打抜機を用いて前記台紙に図4に示すような一辺の長さが5mmの略L字状の切込線と該切込線の両端から延びる35mm長さの千鳥状からなる二条のミシン目線を形成した。
【0020】
次に、上記で作製した台紙上に被包装物である41mm角で厚さが8mmの扁平な直方体状のメジャーを隣接する2辺が切込線およびミシン目線に略合致するように載置し、予め加熱して軟化させたアイオノマーフィルム〔三井デユポン(株)製:ハイミラン1601〕でメジャーを被覆すると共に、吸引装置〔スピーマー(株)製〕を用いて500mmHgで真空脱気して本発明のスキンパック包装体を得た。
【0021】
上記で作製したスキンパック包装体から被包装物であるメジャーを取り出すために、台紙に形成した略L字状の切込線で台紙2を外側にくの字状となるように折り曲げると、略L字状の切込線の部分の台紙が浮き上がり、この部分を手指で容易に摘むことができ、さらに摘み上げることによりミシン目線に沿ってスムーズに開封することができ、メジャーを簡単に取り出すことができた。
【0022】
【発明の効果】
本発明のスキンパック包装体は、今まで縷々説明してきたように、容易に開封することができて、被包装物(収納物)を簡単に取り出すことができるという優れた効果を奏するものである。また、本発明のスキンパック包装体はボール紙やノーコート紙のみならず、コート紙を台紙として用いることができるために、外観や商品イメージに優れるという効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明にかかるスキンパック包装体の第1実施形態を示す概略斜視図である。
【図2】 図1のX−X線拡大断面図である。
【図3】 図1の台紙側から見た平面図である。
【図4】 本発明にかかるスキンパック包装体の第2実施形態を示す図3に対応する図である。
【図5】 図4の要部拡大図である。
【図6】 本発明にかかるスキンパック包装体の第3実施形態を示す図3に対応する図である。
【符号の説明】
1,1’,1” スキンパック包装体
2 台紙
3 被包装物(収納物)
4 スキンパックフィルム
5 接着剤
10,10’ 切込線
20,20’,21 ミシン目線
A 孔
Claims (2)
- 台紙上に載置した被包装物をスキンパックフィルムにより被覆し、真空脱気することにより前記スキンパックフィルムを前記被包装物の外形に沿って伸展させると共に前記スキンパックフィルムを前記台紙との接触面で前記台紙に接着させたスキンパック包装体において、前記台紙に前記被包装物の外形に略沿う切込線を形成すると共に、該切込線の両端から前記被包装物の外形に沿ってそれぞれ延びる千鳥状となるように形成した二条のミシン目線を形成したことを特徴とするスキンパック包装体。
- 前記台紙がコート紙ないしフィルムを積層したフィルム積層紙であることを特徴とする請求項1記載のスキンパック包装体。
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