JP2018012264A - 多層フィルム及び包装体 - Google Patents

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Abstract

【課題】低温環境下における耐衝撃性に優れ、かつ、温度低下による耐衝撃性への影響が小さい多層フィルムを提供する。【解決手段】熱可塑性樹脂を含む1以上の第1樹脂層2,4と、接着性樹脂を含む1以上の第2樹脂層3,6と、中間層5と、シーラント層8と、を備え、これらが積層されており、一方側の最表層にシーラント層8が設けられるとともに、他方側の最表層から、JIS K7124−2に準拠する衝撃試験によって測定した、−20℃における全貫通エネルギーが、23℃における全貫通エネルギーの40%以上、90%以下である、多層フィルム1を選択する。【選択図】図1

Description

本発明は、多層フィルム及び包装体に関する。
食品や医薬品などは、販売の際に、包装袋や包装容器などの包装体によって包装されるのが一般的である。このような包装体には、内容物の保護などのため、様々な性能が要求されている。そのため、一部の包装体では、複合化(多層化)された多層フィルムが用いられている。
包装体に用いられる多層フィルムとしては、様々な汎用多層フィルムが提案されている。例えば、特許文献1では、小さいボイル用深絞り底材フィルムに適した共押出複合フィルムが開示されている。また、特許文献2では、軟質多層フィルムからなるスキンパック包装用底材として機能する多層フィルムが開示されている。また、特許文献3では、食品のピロー包装用の積層された共押出フィルムが開示されている。また、特許文献4では、2つの積層体と、この2つの積層体の間に配置されたコア層とを有する多層フィルムが開示されている。
特開平10−76616号公報 特開平11−310265号公報 特開2005−289399号公報 特開2013−111822号公報
しかしながら、特許文献1に開示された多層フィルムでは、低温環境下における耐衝撃性に劣るという問題があった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、低温環境下における耐衝撃性に優れ、かつ、温度低下による耐衝撃性への影響が小さい多層フィルム及び包装体を提供することを課題とする。
上記の課題を解決するために、本発明は以下の構成を採用した。
すなわち、請求項1に係る発明は、熱可塑性樹脂を含む1以上の第1樹脂層と、接着性樹脂を含む1以上の第2樹脂層と、中間層と、シーラント層と、を備え、これらが積層された多層フィルムであって、一方側の最表層に前記シーラント層が設けられるとともに、他方側の最表層から、JIS K7124−2に準拠する衝撃試験によって測定した、−20℃における全貫通エネルギーが、23℃における全貫通エネルギーの40%以上、90%以下である、多層フィルムである。
また、請求項2に係る発明は、他方側の最表層から、前記衝撃試験によって測定した、−20℃における全貫通エネルギーが、0.8J以上、4.0J以下である、請求項1に記載の多層フィルムである。
また、請求項3に係る発明は、前記熱可塑性樹脂が、ポリアミド系樹脂を含む、請求項1又は2に記載の多層フィルムである。
また、請求項4に係る発明は、前記接着性樹脂が、ポリオレフィン系樹脂を含む、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の多層フィルムである。
また、請求項5に係る発明は、前記第1樹脂層と前記第2樹脂層とが、交互に8層以上積層された積層体層を備える、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の多層フィルムである。
また、請求項6に係る発明は、2以上の前記積層体層を備え、前記中間層が、一対の前記積層体層の間に設けられている、請求項5に記載の多層フィルムである。
また、請求項7に係る発明は、請求項1に記載の多層フィルムを備える、包装体である。
本発明の多層フィルムは、当該多層フィルムの他方側の最表層から、JIS K7124−2に準拠する衝撃試験によって測定した、−20℃における全貫通エネルギーが、23℃における全貫通エネルギーの40%以上、90%以下であるため、低温環境下における耐衝撃性に優れるとともに温度低下による耐衝撃性への影響が小さい。
また、本発明の包装体は、上記多層フィルムを備えるため、低温環境下における耐衝撃性に優れるとともに温度低下による耐衝撃性への影響が小さい。
本発明を適用した一実施形態である多層フィルムの構成の一例を示す断面模式図である。 本発明を適用した他の実施形態である多層フィルムの構成の一例を示す断面模式図である。
以下、本発明を適用した一実施形態である多層フィルム、及びこれを用いた包装体について詳細に説明する。なお、以下の説明で用いる図面は、特徴をわかりやすくするために、便宜上特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などが実際と同じであるとは限らない。
<多層フィルム>
先ず、本発明を適用した一実施形態である多層フィルムの構成の一例について説明する。図1は、本発明を適用した一実施形態である多層フィルム1の断面模式図である。
図1に示すように、本実施形態の多層フィルム1は、外層(第1樹脂層)2、接着層(第2樹脂層)3、耐ピンホール層(第1樹脂層)4、中間層5、接着層(第2樹脂層)6、柔軟層7、及びシーラント層8を備えており、これらの7層がこの順に積層されて概略構成されている。本実施形態の多層フィルム1は、食品などを包装するための包装袋や、包装容器のような包装体の材料として用いることができる。
外層2は、熱可塑性樹脂を含む樹脂層(以下、「第1樹脂層」と総称することもある)であり、多層フィルム1の最表層の一方側となるように設けられている。外層2に適用することが可能な熱可塑性樹脂としては、具体的には、例えば、ポリアミド系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリスチレン系樹脂、熱可塑性エラストマー等が挙げられる。これらの中でも、ポリアミド系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリエステル系樹脂が好ましく、ポリアミド系樹脂が特に好ましい。ポリアミド系樹脂は、優れた強度、伸度、及び剛性を有するため、多層フィルム1の耐衝撃性を向上させることができ、特に、低温環境下における耐衝撃性を向上することができる。また、外層2は、上記樹脂のうち1種類含むものであってもよいし、2種類以上を含むものであってもよい。
なお、本明細書において、低温環境とは、−30〜10℃の雰囲気を示すものとする。
ポリアミド系樹脂としては、特に限定されないが、具体的には、例えば、ナイロン−6、ナイロン−6,6、ナイロン−6,10、ナノコンポジットナイロン6、ヘキサメチレンジアミンとテレフタル酸とからなるナイロン−6T、ヘキサメチレンジアミンとイソフタル酸とからなるナイロン−6I、ノナンジアミンとテレフタル酸とからなるナイロン−9T、メチルペンタジアミンとテレフタル酸とからなるナイロン−M5T、カプロラクタムとラウリルラクタムとからなるナイロン−6,12等が挙げられる。さらに、これらの樹脂のいずれかと、ナイロン−6、ナイロン−11、及びナイロン−12からなる群から選択される少なくとも1種との共重合体を用いてもよい。これらは、1種を単独で又は2種以上を併用して使用してもよい。また、ヘキサメチレンジアミン等の脂肪族ジアミンと、テレフタル酸、イソフタル酸等のジカルボン酸又はその誘導体との重縮合反応で得られる非晶性芳香族ポリアミド(アモルファスナイロン)を用いてもよい。
ポリエチレン系樹脂としては、特に限定されないが、具体的には、例えば、低密度ポリエチレン樹脂、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂、中密度ポリエチレン樹脂、高密度ポリエチレン樹脂、及び上述したポリエチレン系共重合体等が挙げられる。
ポリプロピレン系樹脂としては、特に限定されないが、結晶性ポリプロピレン系樹脂等が挙げられる。結晶性ポリプロピレン系樹脂としては、特に限定されないが、結晶性プロピレン単独重合体、結晶性プロピレン−エチレンランダム共重合体、結晶性プロピレン−α−オレフィンランダム共重合体、エチレン及びα−オレフィンの少なくとも一方とプロピレンとの結晶性ブロック共重合体等が挙げられる。α−オレフィンとしては、特に限定されないが、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン等の炭素数4〜10のα−オレフィン等が挙げられる。これらα−オレフィンは、任意の比率で共重合されてもよい。
外層2の層厚は、特に限定されるものではないが、3μm以上、100μm以下であることが好ましく、5μm以上、85μm以下であることがより好ましい。ここで、外層2の層厚が、上記好ましい範囲であれば、耐ピンホール性の維持、コスト低減の観点から好ましい。
接着層3は、接着性樹脂を含む樹脂層(以下、「第2樹脂層」と総称することもある)であり、外層2と耐ピンホール層4との間に設けられて、これらに互いに隣接した状態で積層されている。接着層3を設けることにより、外層2と耐ピンホール層4との層間の接着力が高まるため、これらの層間での剥離を防止することができる。
接着層3に適用することが可能な接着性樹脂としては、具体的には、例えば、ポリオレフィン系樹脂等が挙げられる。また、ポリオレフィン系樹脂としては、具体的には、例えば、ポリエチレン系共重合体、ポリプロピレン系共重合体、ブテン系共重合体が挙げられ、これらの中でも、ポリエチレン系共重合体が好ましい。また、これら共重合体の形態としては、接着性を向上できる観点から、ランダム共重合体、グラフト共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体が用いられ、特にランダム共重合体が好ましい。
ポリエチレン系共重合体としては、特に限定されないが、エチレンとビニル基含有モノマーとの共重合体等が挙げられる。エチレンとビニル基含有モノマーとの共重合体としては、特に限定されないが、無水マレイン酸グラフト変性直鎖状低密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−メチルメタアクリレート共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−メチルアクリレート共重合体、エチレン−エチルアクリレート−無水マレイン酸共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、アイオノマー等のエチレン共重合体が挙げられる。
ポリプロピレン系共重合体としては、特に限定されないが、プロピレンとビニル基含有モノマーとの共重合体が挙げられる。プロピレンとビニル基含有モノマーとの共重合体としては、特に制限されないが、無水マレイン酸グラフト変性直鎖状低密度ポリプロピレン、プロピレン系熱可塑性エラストマー等が挙げられる。
ブテン系共重合体としては、特に限定されないが、1−ブテンとビニル基含有モノマーとの共重合体、2−ブテンとビニル基含有モノマーとの共重合体等が挙げられる。
接着層3の層厚は、特に限定されるものではないが、1μm以上、50μm以下であることが好ましく、2μm以上、40μm以下であることがより好ましい。ここで、接着層3の層厚が、上記好ましい範囲であれば、接着性、およびコスト低減の観点から好ましい。
耐ピンホール層4は、熱可塑性樹脂を含む樹脂層であり、接着層3と中間層5との間に設けられて、これらに互いに隣接した状態で積層されている。耐ピンホール層4を設けることにより、多層フィルム1に優れた耐ピンホール性を付与することができる。耐ピンホール層4に適用することが可能な熱可塑性樹脂としては、具体的には、例えば、上述した外層2と同様の熱可塑性樹脂を用いることができる。
耐ピンホール層4の層厚は、特に限定されるものではないが、4μm以上、250μm以下であることが好ましく、10μm以上、150μm以下であることがより好ましい。ここで、耐ピンホール層4の層厚が、上記好ましい範囲であれば、耐ピンホール性、および製膜性の観点から好ましい。
中間層5は、耐ピンホール層4と接着層6との間に、これらに互いに隣接した状態で積層されている。また、中間層5は、酸素バリア性や柔軟性、強度等の機能付与層である。中間層5に酸素バリア性を有する樹脂層を設けることにより、多層フィルム1に優れた酸素バリア性を付与することができる。したがって、本実施形態の多層フィルム1を用いて包装体を形成した場合、外層2側から包装体の内部への酸素の侵入を抑制することができる。なお、酸素バリア性を必要とせず、柔軟性や強度を付与する場合には、中間層5として熱可塑性樹脂からなる層を設けてもよい。
中間層5に適用することが可能な酸素バリア性を有する樹脂としては、具体的には、例えば、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)、ポリアミド、ポリビニルアルコール、ポリアクリロニトリル、ポリ塩化ビニリデン等が挙げられる。中間層5は、上記樹脂を1種類含むものでもよいし、2種類以上を含むものでもよい。また、中間層5として酸素吸収材を用いる構成であってもよい。
中間層5の層厚は、特に限定されるものではないが、2μm以上、50μm以下であることが好ましく、5μm以上、40μm以下であることがより好ましい。ここで、中間層5の層厚が、上記好ましい範囲であれば、バリア性、およびコスト低減の観点から好ましい。
接着層6は、接着性樹脂を含む樹脂層であり、中間層5と柔軟層7との間に設けられて、これらに互いに隣接した状態で積層されている。接着層6を設けることにより、中間層5と柔軟層7との層間の接着力が高まるため、これらの層間での剥離を防止することができる。
接着層6に適用可能な接着性樹脂としては、具体的には、例えば、上述した接着層3に含まれる接着性樹脂と同様のものを用いることができる。
接着層6の層厚は、特に限定されるものではないが、1μm以上、50μm以下であることが好ましく、2μm以上、40μm以下であることがより好ましい。ここで、接着層6の層厚が、上記好ましい範囲であれば、接着性、およびコスト低減の観点から好ましい。
柔軟層7は、ポリエチレン系樹脂を含む樹脂層であり、接着層6とシーラント層8との間に設けられて、これらに互いに隣接した状態で積層されている。柔軟層7を設けることにより、多層フィルム1に優れた柔軟性を付与することができる。
柔軟層7に適用することが可能なポリエチレン系樹脂としては、具体的には、例えば、上述した外層2と同様のポリエチレン系樹脂を用いることができる。
柔軟層7の層厚は、特に限定されるものではないが、1μm以上、100μm以下であることが好ましく、2μm以上、80μm以下であることがより好ましい。ここで、柔軟層7の層厚が、上記好ましい範囲であれば、製膜性、および耐ピンホール性の観点から好ましい。
シーラント層8は、シール材となる樹脂層であり、多層フィルム1の最表層の他方側(すなわち、外層2の反対側)となるように設けられている。シーラント層8を設けることにより、シーラント層8同士を、又は他の部材と容易に接着することができる。シーラント層8の接着方法としては、特に限定されないが、具体的には、例えば、ヒートシール、超音波シール、高周波シール、インパルスシール等が挙げられる。このように、本実施形態の多層フィルム1同士(すなわち、シーラント層8同士)を接着することにより、包装体を形成することができる。
シーラント層8に適用することが可能な樹脂材料としては、接着機能を有しており、包装体とした際に、その内容物に悪影響(非吸着性等)を及ぼさないものであれば、特に限定されるものではなく、従来からシール材として用いられている一般的な樹脂材料を適宜選択して用いることができる。このような材料としては、具体的には、例えば、上述したポリエチレン系樹脂やポリプロピレン系樹脂が挙げられる。シーラント層8は、上記樹脂を1種類含むものでもよいし、2種類以上を含むものでもよい。
シーラント層8の層厚は、特に限定されるものではないが、2μm以上、80μm以下であることが好ましく、3μm以上、70μm以下であることがより好ましい。ここで、シーラント層8の層厚が、上記好ましい範囲であれば、シール性、およびコスト低減の観点から好ましい。
本実施形態の多層フィルム1の耐衝撃性は、「JIS K7124−2」に準拠する衝撃試験により、当該多層フィルム1の全貫通エネルギーを測定することによって評価することができる。具体的には、本実施形態の多層フィルム1の全貫通エネルギーは、シーラント層8の反対側の最表層となる外層2側からの測定によって評価することができる。
ここで、本実施形態の多層フィルム1の全貫通エネルギーは、23℃において、0.7J以上であることが好ましく、0.8J以上であることがより好ましい。
また、5℃において、0.7J以上であることが好ましく、0.8J以上であることがより好ましい。
さらに、−20℃において、0.8J以上であることが好ましく、0.6J以上であることがより好ましい。
また、本実施形態の多層フィルム1の全貫通エネルギーを外層2側からの測定した際に、−20℃における全貫通エネルギーが、23℃における全貫通エネルギーの40%以上であることが好ましく、45%以上であることがより好ましい。
本実施形態の多層フィルム1の総厚は、特に限定されるものではないが、50μm以上、300μm以下であることが好ましく、60μm以上、280μm以下であることがより好ましい。ここで、多層フィルム1の総厚が、上記好ましい範囲であれば、製膜性と耐ピンホール性の観点から好ましい。
ところで、本実施形態の多層フィルム1は、外層2や耐ピンホール層4のように、熱可塑性樹脂を含む樹脂層を有する構成となっている。ここで、多層フィルム1の総厚に対する熱可塑性樹脂を含む樹脂層(第1樹脂層)の総厚の比率としては、25%以上、50%以下であることが好ましい。上記比率が25%以上であれば、耐衝撃性(特に、低温環境下における耐衝撃性)に優れるとともに、温度低下による耐衝撃性への影響が小さな多層フィルム1を得ることができる。また、上記比率が50%以下であれば、熱可塑性樹脂を含む樹脂層(第1樹脂層)以外の他の層を厚くすることができる。具体的には、例えば、中間層5や柔軟層7を厚くすることで、多層フィルム1に優れた酸素バリア性や、柔軟性を付与することができる。
<多層フィルムの製造方法>
次に、上述した多層フィルム1の製造方法の一例について説明する。
上述した多層フィルム1の製造方法は、特に限定されるものではないが、数台の押出機により、原料となる樹脂等を溶融押出するフィードブロック法やマルチマニホールド法等の共押出Tダイ法、空冷式又は水冷式共押出インフレーション法、及びラミネート法が挙げられる、この中でも、共押出Tダイ法で製膜する方法が各層の厚さ制御に優れる点で特に好ましい。
その後の工程として、各層を形成する単層のシート又はフィルムを適当な接着剤を用いて貼り合せるドライラミネート法、押出ラミネート法、ホットメルトラミネート方法、ウエットラミネート方法、サーマル(熱)ラミネート方法等、及びそれらの方法を組み合わせて用いられる。また、コーティングによる方法で積層してもよい。
<包装体>
次に、本発明を適用した一実施形態である包装体の構成の一例について説明する。本実施形態の包装体は、上述した多層フィルム1を軟化させ、これを真空成型又は圧空成型することにより成型された包装体である。本実施形態の包装体は、具体的には、例えば、スキンパック包装体、深絞り包装体等が挙げられる。
ここで、スキンパック包装とは、台紙に被包装物を載置し、上述した多層フィルム1を軟化させ、これを用いてシーラント層8が台紙と対向するように被包装物を被覆するとともに、吸引により多層フィルム1を被包装物の外形に沿って伸展させた後、台紙と多層フィルム1とを接着させてなる包装形態である。
また、深絞り包装とは、包装容器の下フィルムを深絞り包装器の容器形成部で製品に適した形に凹み成形し、前記成形した下フィルムの中に製品を収容した後、上フィルムをかけて脱気すると共に、前記上下フィルムの当接部分を加熱によりシールしてなる包装形態である。
以上説明したように、本実施形態の多層フィルム1によれば、シーラント層8と反対側の最表層である外層2側から、JIS K7124−2に準拠する衝撃試験によって測定した、−20℃における全貫通エネルギーが、23℃における全貫通エネルギーの40%以上、90%以下であるため、低温環境下における耐衝撃性に優れるとともに温度低下による耐衝撃性への影響が小さい積層フィルムを提供することができる。
また、本実施形態の包装体によれば、上記多層フィルム1を備えるため、低温環境下における耐衝撃性に優れ、かつ、温度低下による耐衝撃性への影響が小さい包装体を提供することができる。
なお、本発明の技術範囲は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。例えば、上述した実施形態の多層フィルム1では、熱可塑性樹脂を含む樹脂層(第1樹脂層)が、外層2及び耐ピンホール層4の2層である構成を一例として説明したが、これに限られるものではない。
図2は、本発明を適用した他の実施形態である多層フィルムの構成の一例を示す断面模式図である。図2に示すように、他の実施形態の多層フィルム11は、上記実施形態の多層フィルム1を構成する耐ピンホール層4にかえて、耐ピンホール層13aと接着層14aとが交互に9層積層された積層体層12Aを設けるとともに、中間層5と接着層6との間にも耐ピンホール層13bと接着層14bとが交互に9層積層された積層体層12Bを設けた、24層から構成されている。換言すると、多層フィルム11は、一対の積層体層12A,12Bの間に中間層5が設けられた構成となっている。多層フィルム11によれば、1以上の積層体層12A,12Bが設けられた構成であるため、耐衝撃性、特に低温環境下における耐衝撃性をより向上させることができる。
他の実施形態である多層フィルム11の総厚は、特に限定されるものではないが、50μm以上、300μm以下であることが好ましく、60μm以上、280μm以下であることがより好ましい。ここで、多層フィルム11の総厚が、上記好ましい範囲であれば、製膜性および耐ピンホール性の観点から、好ましい。
積層体層12A,12Bの層厚は、特に限定されるものではないが、4μm以上、250μm以下であることが好ましく、10μm以上、150μm以下であることがより好ましい。ここで、積層体層12A,12Bの層厚が、上記好ましい範囲であれば、製膜性および耐ピンホール性の観点から好ましい。
積層体層12A,12Bを構成する耐ピンホール層13a,13b及び接着層14a,14bの一層の層厚は、特に限定されるものではないが、0.5μm以上、60μm以下であることが好ましく、1μm以上、45μm以下であることがより好ましい。ここで、一層の層厚が、上記好ましい範囲であれば、耐衝撃性および製膜性の観点から好ましい。
本発明の多層フィルムに設ける積層体の構成は、上述した積層体層12A,12Bの構成に限定されない。すなわち、耐ピンホール層13a,13b及び接着層14a,14bの積層数等は、特に限定されない。また、各積層体層12A,12Bの積層数を8層以上に増やすことにより、本発明の多層フィルムの耐衝撃性を顕著に向上させることができ、特に低温環境下における耐衝撃性を向上させることができる。
また、本発明の多層フィルムは、積層体層を1層積層された構成であってもよいし、3層以上が積層された構成であってもよい。
以下、本発明の効果を実施例及び比較例を用いて詳細に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
<多層シートの作製>
(実施例1)
実施例1の多層フィルムとして、上述した図2に示す構成の多層フィルムを作製した。
外層、及び積層体層の耐ピンホール層に含まれる樹脂として、ポリアミド系樹脂(宇部興産社製、品番:1022B)を用意した。
また、接着層、及び積層体層の接着層に含まれる樹脂として、ポリオレフィン系樹脂(三井化学社製、品番:NF536)を用意した。
また、中間層に含まれる樹脂として、エチレン−ビニルアルコール共重合体(クラレ社製、品番:J171B)を用意した。
また、シーラント層に含まれる樹脂として、ポリオレフィン系樹脂(プライムポリマー社製、品番:2022L)を用意した。
次に、外層、接着層、積層体層、中間層、積層体層、接着層、柔軟層、及びシーラント層を、図2に示す順番で共押出成形して、24層の多層フィルムを作製した。
なお、多層フィルムの総厚は、150μmであった。多層フィルムの総厚に対する、各層の厚さの比率について、外層側から順番に、外層が15%、接着層が5%、積層体層が21%、中間層が6%、積層体層が21%、接着層が5%、柔軟層が22%、シーラント層が5%であった。2層ある積層体層の構成は同じであり、耐ピンホール層を5層有し、総厚が11.5%であり、接着層を4層有し、総厚が9.5%であった。多層フィルムの総厚に対して、熱可塑性樹脂を含む層(外層及び耐ピンホール層)の総厚の比率は38%であった。
(実施例2)
実施例2の多層フィルムとして、上述した図2に示す構成の多層フィルムを作製した。
実施例2は、一部の層の厚さの比率が異なること以外は、実施例1と同様にして多層フィルムを作製した。
なお、多層フィルムの総厚は150μmであった。多層フィルムの総厚に対する、各層の厚さの比率について、外層側から順番に、外層が22%、接着層が5%、積層体層が21%、中間層が6%、積層体層が21%、接着層が5%、柔軟層が15%、シーラント層が5%であった。2層ある積層体層の構成は同じであり、耐ピンホール層を5層有し、総厚が11.5%であり、接着層を4層有し、総厚が9.5%であった。多層フィルムの総厚に対して、熱可塑性樹脂を含む層(外層及び耐ピンホール層)の総厚の比率は45%であった。
(実施例3)
実施例3の多層フィルムとして、上述した図2に示す構成の多層フィルムを作製した。
実施例3は、一部の層の厚さの比率が異なること以外は、実施例1と同様にして多層フィルムを作製した。
なお、多層フィルムの総厚は150μmであった。多層フィルムの総厚に対する、各層の厚さの比率について、外層側から順番に、外層が7%、接着層が5%、積層体層が21%、中間層が6%、積層体層が21%、接着層が5%、柔軟層が30%、シーラント層が5%であった。2層ある積層体層の構成は同じであり、耐ピンホール層を5層有し、総厚が11.5%であり、接着層を4層有し、総厚が9.5%であった。多層フィルムの総厚に対して、熱可塑性樹脂を含む層(外層及び耐ピンホール層)の総厚の比率は30%であった。
(実施例4)
実施例4の多層フィルムとして、上述した図1に示す構成の多層フィルムを作製した。
実施例4では、実施例1と同様の材料を用意した。
次に、外層、接着層、耐ピンホール層、中間層、接着層、柔軟層、及びシーラント層を、順番に共押出成形して、7層の多層フィルムを作製した。
なお、多層フィルムの総厚は150μmであった。多層フィルムの総厚に対する、各層の厚さの比率について、外層側から順番に、外層が14%、接着層が10%、耐ピンホール層が30%、中間層が5%、接着層が7%、柔軟層が30%、シーラント層が4%であった。多層フィルムの総厚に対して、熱可塑性樹脂を含む層(外層及び耐ピンホール層)の総厚の比率は44%であった。
(実施例5)
実施例5の多層フィルムとして、実施例1と同様の材料を用意した。
次に、外層と、接着層と、中間層と、耐ピンホール層と、接着層と、柔軟層と、シーラント層とを、順番に共押出成形して、7層の多層フィルムを作製した。
なお、多層フィルムの総厚は150μmであった。多層フィルムの総厚に対する、各層の厚さの比率について、外層側から順番に、外層が10%、接着層が5%、中間層が5%、耐ピンホール層が10%、接着層が5%、柔軟層が45%、シーラント層が10%であった。多層フィルムの総厚に対して、熱可塑性樹脂を含む層(外層及び耐ピンホール層)の総厚の比率は30%であった。
(実施例6)
実施例6の多層フィルムとして、実施例1と同様の材料を用意した。
次に、外層と、接着層と、耐ピンホール層及び接着層を交互に33層積層してなる積層体層と、中間層と、接着層と、柔軟層と、シーラント層とを、順番に共押出成形して、39層の多層フィルムを作製した。
なお、多層フィルムの総厚は150μmであった。多層フィルムの総厚に対する、各層の厚さの比率について、外層側から順番に、外層が15%、接着層が5%、積層体層が42%、中間層が6%、接着層が5%、柔軟層が22%、シーラント層が5%であった。積層体層の構成は、耐ピンホール層を17層有し、総厚が23%であり、接着層を16層有し、総厚が19%であった。多層フィルムの総厚に対して、熱可塑性樹脂を含む層(外層及び耐ピンホール層)の総厚の比率は38%であった。
(比較例1)
比較例1の多層フィルムとして、実施例5と同様の構成の多層フィルムを作製した。
比較例1では、一部の層の厚さの比率が異なること以外は、実施例5と同様にして多層フィルムを作製した。
なお、多層フィルムの総厚は150μmであった。多層フィルムの総厚に対する、各層の厚さの比率について、外層側から順番に、外層が5%、接着層が7%、中間層が6%、耐ピンホール層が15%、接着層が7%、柔軟層が50%、シーラント層が10%であった。多層フィルムの総厚に対して、熱可塑性樹脂を含む層(外層及び耐ピンホール層)の総厚の比率は20%であった。
(比較例2)
比較例2の多層フィルムとして、実施例5と同様の構成の多層フィルムを作製した。
比較例2では、一部の層の厚さの比率が異なること以外は、実施例5と同様にして多層フィルムを作製した。
なお、多層フィルムの総厚は150μmであった。多層フィルムの総厚に対する、各層の厚さの比率について、外層側から順番に、外層が25%、接着層が5%、中間層が5%、耐ピンホール層が30%、接着層が5%、柔軟層が24%、シーラント層が6%であった。多層フィルムの総厚に対して、熱可塑性樹脂を含む層(外層及び耐ピンホール層)の総厚の比率は55%であった。
<耐衝撃性の評価>
実施例1〜6、及び比較例1,2で作製した多層フィルムについて、耐衝撃性の評価を行った。耐衝撃性の評価は、JIS K7124−2に準拠する衝撃試験により、全貫通エネルギーを測定することにより行った。なお、全貫通エネルギーの測定は、23℃、5℃、−20℃において、多層フィルムの積層体層側、及びシーラント層側の2方向から行った。結果を表1に示す。
なお、表1中の「変化率」とは、23℃における全貫通エネルギー(A)に対する、−20℃における全貫通エネルギー(B)の変化率(B/A)を示す。
Figure 2018012264
表1に示すように、実施例1〜6、及び比較例2の多層フィルムでは、外層側から測定した、−20℃における全貫通エネルギーが、0.8J以上、4.0J以下であった。また、実施例1〜6の多層フィルムでは、外層側から測定した、−20℃における全貫通エネルギーが、23℃における全貫通エネルギーの40%以上、90%以下であることを確認した。以上の結果より、実施例1〜6の多層フィルムは、低温環境下における耐衝撃性に優れ、かつ、温度低下による耐衝撃性への影響が小さいことを確認した。
本発明の多層フィルムは、包装体などの材料として利用可能性がある。また、本発明の包装体は、食品などを包装するための包装袋、包装容器などへの利用可能性がある。
1,11…多層フィルム
2…外層(第1樹脂層)
3…接着層(第2樹脂層)
4…耐ピンホール層(第1樹脂層)
5…中間層
6…接着層(第2樹脂層)
7…柔軟層
8…シーラント層
12A,12B…積層体層
13a,13b…耐ピンホール層(第1樹脂層)
14a,14b…接着層(第2樹脂層)

Claims (7)

  1. 熱可塑性樹脂を含む1以上の第1樹脂層と、接着性樹脂を含む1以上の第2樹脂層と、中間層と、シーラント層と、を備え、これらが積層された多層フィルムであって、
    一方側の最表層に前記シーラント層が設けられるとともに、
    他方側の最表層から、JIS K7124−2に準拠する衝撃試験によって測定した、−20℃における全貫通エネルギーが、23℃における全貫通エネルギーの40%以上、90%以下である、多層フィルム。
  2. 他方側の最表層から、前記衝撃試験によって測定した、−20℃における全貫通エネルギーが、0.8J以上、4.0J以下である、請求項1に記載の多層フィルム。
  3. 前記熱可塑性樹脂が、ポリアミド系樹脂を含む、請求項1又は2に記載の多層フィルム。
  4. 前記接着性樹脂が、ポリオレフィン系樹脂を含む、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の多層フィルム。
  5. 前記第1樹脂層と前記第2樹脂層とが、交互に8層以上積層された積層体層を備える、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の多層フィルム。
  6. 2以上の前記積層体層を備え、
    前記中間層が、一対の前記積層体層の間に設けられている、請求項5に記載の多層フィルム。
  7. 請求項1に記載の多層フィルムを備える、包装体。
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