JP6728707B2 - 多層フィルム及び包装体 - Google Patents
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Description
酸素バリア層と、
一方の最表層であるシーラント層と、
前記酸素バリア層を挟んで前記シーラント層と対向する側に設けられた水蒸気バリア層と、を備え、これらが積層された多層フィルムであって、
前記水蒸気バリア層は、ポリオレフィン樹脂を含み、
前記水蒸気バリア層の厚さの比率が、当該多層フィルムの総厚の5%以上、40%以下であり、
前記酸素バリア層は、耐熱性を有する耐熱性エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)を含み、
前記耐熱性を有する耐熱性EVOHは、ナイロン又は架橋促進剤を添加しながらエチレンと酢酸ビニルとを共重合した後、酢酸ビニル成分を加水分解してビニルアルコール基を生じさせることにより製造したものであり、
前記酸素バリア層は、耐熱性を有さない通常のEVOHを、当該酸素バリア層の全質量の1質量%以上、50質量%以下含み、
前記耐熱性を有さない通常のEVOHは、ナイロン又は架橋促進剤を添加しないでエチレンと酢酸ビニルとを共重合した後、酢酸ビニル成分を加水分解してビニルアルコール基を生じさせることにより製造したものである、多層フィルムである。
当該多層フィルムを110℃で40分間ボイル処理した後の、JIS K 7126
B法(等圧法)に準拠して測定した、当該多層フィルムの酸素透過度が、10cc/(m2・day・atm)以下である、請求項1に記載の多層フィルムである。
前記水蒸気バリア層が、ポリオレフィン樹脂として、ポリエチレン、ポリプロピレン、環状オレフィン樹脂のうち少なくとも1つを含む、請求項1または2に記載の多層フィルムである。
請求項1の多層フィルムを備える、包装体である。
先ず、本発明を適用した一実施形態である多層フィルムの構成について説明する。図1は、本発明を適用した一実施形態である多層フィルム1の断面模式図である。図1に示すように、本実施形態の多層フィルム1は、外層2と、水蒸気バリア層3と、耐ピンホール層4と、酸素バリア層5と、耐ピンホール層6と、接着層7と、コア層8と、シーラント層9とを備え、これらがこの順に積層されて概略構成されている。
本実施形態の多層フィルム1は、食品包装用、特にレトルト食品包装用のフィルムとして用いることができる。
外層2に含まれる樹脂としては、具体的には、例えば、ポリアミド樹脂等が挙げられる。外層2は、ポリアミド樹脂を1種類含むものでもよいし、他の樹脂と併せて2種類以上を含むものでもよい。外層2が、ポリアミド樹脂を含むことで、多層フィルム1の耐ピンホール性を向上することができる。また、この多層フィルム1を用いて包装体を作製することにより、レトルト処理した際に生じる強度の低下を抑制することができる。
外層2に含まれる酸化防止剤としては、具体的には、例えば、ヒドロキシフェニルプロピオン酸エステル、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、及びイオウ系酸化防止剤等が挙げられる。
次に、上述した多層フィルム1の製造方法の一例について説明する。
上述した多層フィルム1の製造方法は、特に限定されるものではないが、数台の押出機により、原料となる樹脂等を溶融押出するフィードブロック法やマルチマニホールド法等の共押出Tダイ法、空冷式又は水冷式共押出インフレーション法、及びラミネート法が挙げられる、この中でも、共押出Tダイ法で製膜する方法が各層の厚さ制御に優れる点で特に好ましい。
次に、本発明を適用した一実施形態である包装体の構成の一例について説明する。本実施形態の包装体は、上述した多層フィルム1を軟化させ、これを真空成型又は圧空成型することにより成型された包装体である。本実施形態の包装体は、具体的には、例えば、スキンパック包装体等が挙げられる。
上述した包装体の製造方法は、特に限定されるものではないが、具体的には、先ず、台紙に被包装物を載置する。次に、上述した多層フィルム1を軟化させ、これを用いてシーラント層9が台紙と対向するように、被包装物を被覆する。次に、吸引により多層フィルム1を被包装物の外形に沿って伸展させ、その後、台紙と多層フィルム1とを接着させる。以上の製造方法によって、本実施形態の包装体を製造することができる。なお、上述した包装体の構成は一例であり、これに限定されるものではない。具体的には、例えば、深絞り成形によって収納部を形成した包装体としてもよい。
次に、上述した包装体の使用方法について説明する。
上述した包装体の使用方法としては、特に限定されるものではないが、具体的には、先ず、包装体の中に食品を封入する。次に、100〜115℃、30〜60分の条件で加熱処理をする(レトルト処理)。その後、常温に戻すことにより、長期に保存可能なレトルト食品ができあがる。
以下に示すようにして、実施例1〜5及び比較例1〜2の多層フィルムを作製した。
実施例1の多層フィルムとして、上述した図1に示す構成の多層フィルムを作製した。
外層、第1耐ピンホール層、第2耐ピンホール層に含まれる樹脂として、ポリアミド樹脂(宇部興産社製、品番:ウベナイロン 1022B)を用意した。
また、水蒸気バリア層、接着層に含まれる樹脂として、ポリオレフィン系樹脂(三井化学社製、品番:アドマー NF536)を用意した。
また、酸素バリア層に含まれる樹脂として、耐熱性EVOH(クラレ社製、品番:FR101B)及び通常のEVOH(クラレ社製、品番:J171B)を用意した。
また、コア層に含まれる樹脂として、ポリオレフィン系樹脂(プライムポリマー社製、品番:ネオゼックス 2540R)を用意した。
また、シーラント層に含まれる樹脂として、ポリオレフィン系樹脂(宇部丸善社製、品番:ユメリット 1520F)を用意した。
実施例2では、各層の厚さ以外は、実施例1と同様にして多層フィルムを作製した。
なお、多層フィルムの総厚は140μmであった。多層フィルムの総厚に対する、各層の厚さの比率は、外層が13%、水蒸気バリア層が35%、第1耐ピンホール層が8%、酸素バリア層が7%、第2耐ピンホール層が8%、接着層が8%、コア層が9%、シーラント層が12%であった。下記表1に多層フィルムの構成を示す。
実施例3では、各層の厚さ以外は、実施例1と同様にして多層フィルムを作製した。
なお、多層フィルムの総厚は140μmであった。多層フィルムの総厚に対する、各層の厚さの比率は、外層が13%、水蒸気バリア層が5%、第1耐ピンホール層が8%、酸素バリア層が7%、第2耐ピンホール層が8%、接着層が8%、コア層が39%、シーラント層が12%であった。下記表1に多層フィルムの構成を示す。
実施例4では、酸素バリア層の構成以外は、実施例1と同様にして多層フィルムを作製した。なお、酸素バリア層は、当該酸素バリア層の総質量に対して、耐熱性EVOHが80質量%含まれ、通常のEVOHが20質量%含まれるように調整した。下記表1に多層フィルムの構成を示す。
実施例5では、酸素バリア層の構成以外は、実施例1と同様にして多層フィルムを作製した。なお、酸素バリア層は、当該酸素バリア層の総質量に対して、耐熱性EVOHが60質量%含まれ、通常のEVOHが40質量%含まれるように調整した。下記表1に多層フィルムの構成を示す。
比較例1では、各層の厚さ以外は、実施例1と同様にして多層フィルムを作製した。
なお、多層フィルムの総厚は140μmであった。多層フィルムの総厚に対する、各層の厚さの比率は、外層が13%、水蒸気バリア層が3%、第1耐ピンホール層が8%、酸素バリア層が7%、第2耐ピンホール層が8%、接着層が8%、コア層が41%、シーラント層が12%であった。下記表1に多層フィルムの構成を示す。
比較例2では、各層の厚さ以外は、実施例1と同様にして多層フィルムを作製した。
なお、多層フィルムの総厚は140μmであった。多層フィルムの総厚に対する、各層の厚さの比率は、外層が13%、水蒸気バリア層が45%、第1耐ピンホール層が8%、酸素バリア層が7%、第2耐ピンホール層が8%、接着層が8%、コア層が6%、シーラント層が5%であった。下記表1に多層フィルムの構成を示す。
作製した実施例1〜5及び比較例1〜2の多層フィルムについて、レトルト処理を実施した。レトルト処理は、具体的には、110℃で40分間加熱処理(ボイル処理)を行った。
実施例1〜5及び比較例1〜2の多層フィルムについて、上述したレトルト処理を行う前(未処理)と行った後(処理後)の、酸素バリア性、層間剥離(デラミ)の有無、製品外観および衝撃強度について、それぞれ評価を行った。
酸素バリア性の評価は、多層フィルムの酸素透過率を測定することで行った。なお、酸素透過率は、JISK7126B法(等圧法)に基づき、MOCON社製酸素透過率測定装置(OX−TRAN 2/21)により、25℃・65%RHで測定した。また、レトルト処理後の酸素透過率は、レトルト処理から1週間経過した後に測定した。結果を下記の表2に示す。
層間剥離の評価は、レトルト処理後の酸素バリア(EVOH)層での剥離(デラミ)の有無で行った。なお、デラミ発生の有無は、目視にて行った。結果を下記の表2に示す。
製品外観の評価は、レトルト処理後の多層フィルムにおける白化の有無で行った。なお、白化の有無は、目視にて行った。結果を下記の表2に示す。
衝撃強度の評価は、総貫通エネルギーの測定によって行った。なお、総貫通エネルギーは、インストロン社製の落錘式衝撃試験機(Dynatup MiniTower)によって測定した。ここで、衝撃強度としては、レトルト処理後の総貫通エネルギーが0.5J以上であることが好ましい。結果を下記の表2に示す。
2…外層
3…水蒸気バリア層
4…耐ピンホール層
5…酸素バリア層
6…耐ピンホール層
7…接着層
8…コア層
9…シーラント層
Claims (4)
- 酸素バリア層と、
一方の最表層であるシーラント層と、
前記酸素バリア層を挟んで前記シーラント層と対向する側に設けられた水蒸気バリア層と、を備え、これらが積層された多層フィルムであって、
前記水蒸気バリア層は、ポリオレフィン樹脂を含み、
前記水蒸気バリア層の厚さの比率が、当該多層フィルムの総厚の5%以上、40%以下であり、
前記酸素バリア層は、耐熱性を有する耐熱性エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)を含み、
前記耐熱性を有する耐熱性EVOHは、ナイロン又は架橋促進剤を添加しながらエチレンと酢酸ビニルとを共重合した後、酢酸ビニル成分を加水分解してビニルアルコール基を生じさせることにより製造したものであり、
前記酸素バリア層は、耐熱性を有さない通常のEVOHを、当該酸素バリア層の全質量の1質量%以上、50質量%以下含み、
前記耐熱性を有さない通常のEVOHは、ナイロン又は架橋促進剤を添加しないでエチレンと酢酸ビニルとを共重合した後、酢酸ビニル成分を加水分解してビニルアルコール基を生じさせることにより製造したものである、多層フィルム。 - 当該多層フィルムを110℃で40分間ボイル処理した後の、JIS K 7126
B法(等圧法)に準拠して測定した、当該多層フィルムの酸素透過度が、10cc/(m2・day・atm)以下である、請求項1に記載の多層フィルム。 - 前記水蒸気バリア層が、ポリオレフィン樹脂として、ポリエチレン、ポリプロピレン、環状オレフィン樹脂のうち少なくとも1つを含む、請求項1または2に記載の多層フィルム。
- 請求項1に記載の多層フィルムを備える、包装体。
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