JP6561754B2 - 親液部と撥液部を有する基材の製造方法、組成物および導電膜の形成方法 - Google Patents
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Description
(1)[A]アセタール結合を有する基またはケイ素原子を含む基から選ばれる少なくとも一つの基を有する重合体、[B]酸発生剤、[C][A]とは異なる化合物とを含む組成物を塗布し、塗膜を形成する工程、
(2)前記塗膜の所定部分に放射線照射を行う工程
[2] さらに、(3)前記放射線照射後の塗膜を加熱する工程を含むことを特徴とする親液部と撥液部を有する基材の製造方法。
[5] 前記工程(2)による放射線照射部と放射線未照射部のテトラデカンに対する接触角差が、30°以上であることを特徴とする親液部と撥液部を有する基材の製造方法。
[6] 前記[C][A]とは異なる化合物が、アクリル樹脂、ポリイミド、ポリシロキサン、環状オレフィン系樹脂、ポリエーテル、ポリカーボネート、ポリエステル、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリアミドからなる群より選ばれる少なくとも1つであることを特徴とする親液部と撥液部を有する基材の製造方法。
[7][C][A]とは異なる化合物が(メタ)アクリロイル基、エポキシ基、ビニル基から選ばれる少なくとも一つの重合性基を有することを特徴とする親液部と撥液部を有する基材の製造方法。
[8]前記組成物が、エチレン性不飽和結合を有する重合性化合物を含むことを特徴とする親液部と撥液部を有する基材の製造方法。
[B]酸発生剤、
[C](メタ)アクリロイル基、エポキシ基、ビニル基から選ばれる少なくとも一つの重合性基を有する[A]とは異なる重合体とを含有する感放射線性樹脂組成物。
〔親液部と撥液部を有する基材の製造方法〕
本発明の実施形態の親液部と撥液部を有する基材の製造方法は、下記の(1)〜(2)の工程を含む。そして、本発明の実施形態の親液部と撥液部を有する基材の製造方法は、下記の(3)の工程を含むことが好ましい。
(2) 前記塗膜の所定部分に放射線照射を行う工程、
(3) 前記放射線照射後の塗膜を加熱する工程
本発明の実施形態の親液部と撥液部を有する基材の製造方法は、上述の(1)〜(2)の工程(以下、工程(1)および工程(2)ともいう。)、さらに、上述の(3)の工程(以下、工程(3)ともいう。)を用いることにより、従来のパターニングに必要である現像工程を用いることなく凹パターンを形成することができ、親液部と撥液部を有する基材を製造することができる。
図1は、基板上に形成された本発明の実施形態の組成物の塗膜を模式的に示す断面図である。
工程(2)は、工程(1)で形成した塗膜2の少なくとも一部に放射線を照射して露光を行う。
図3は、一部が露光された本発明の実施形態の組成物の塗膜の加熱を模式的に説明する断面図である。
本発明の実施形態では、前記工程(3)で得られた、基板1上に凹部13と凸部12の形成された本発明の実施形態の基材、すなわち、親液部と撥液部を有する基材を用いることにより、その親液部である凹部13上に膜を形成する方法を含むことができる。
図4は、本発明の実施形態の膜形成方法における膜形成材料の塗布を模式的に説明する断面図である。
工程(5)では、工程(4)で得られた膜形成材料付基板を加熱する。
〔導電性パターンの形成方法〕
本発明の実施形態においては、本発明の実施形態である親液部と撥液部を有する基材の製造方法の工程(1)、工程(2)および工程(3)により形成された基材を用い、膜形成材料として導電膜形成インクや導電膜形成ペーストを用いることにより、上述した本発明の実施形態の膜形成方法と同様の方法で、本発明の導電膜を形成することができる。すなわち、上述した本発明の親液部と撥液部を有する基材を用い、その凹パターンである親液部上に導電膜形成インクを塗布する方法、および、凹パターンである親液部上で導電膜形成を行う方法を実施することにより、本発明の導電性パターンを形成することができる。
本発明の電子回路は、前記導電性パターンの形成方法によって製造された配線を有し、好ましくは、前記導電性パターンの形成方法によって製造された配線と基板との積層体を有する。
本発明の実施形態の組成物(以下、単に、組成物と称することがある。)は、アセタール結合を有する基またはケイ素原子を含む基から選ばれる少なくとも一つの基を有する重合体([A]重合体とも言う)と酸発生剤とを成分として含有する。本発明の実施形態の組成物は、上述した本発明の実施形態の親液部と撥液部を有する基材の製造方法に用いられて、親液部と撥液部を有する基材を製造することができる。
<[A]重合体>
本実施形態の組成物の成分となる[A]アセタール結合を有する基またはケイ素原子を含む基から選ばれる少なくとも一つの基を有する重合体([A]重合体)である。
まず、アセタール結合を有する基を有する重合体について説明する。
アセタール結合を有する基は、アセタール結合およびヘミアセタールエステル結合の群から選ばれる少なくとも1つの構造単位を含む基を有する。より具体的には下記式(1a−1)もしくは(1a−2)で示される構造単位から選ばれるすくなくとも一種を含むことが好ましい。
アセタール結合を含む化合物は、アルコールと基CH2=C(R1a)−O−を有する化合物とを反応させることで得ることができ、ヘミアセタールエステル結合を含む化合物は、カルボン酸と基CH2=C(R1a)−O−を有する化合物とを反応させることで得ることができる。
次いで、ケイ素原子を含む基について説明する。
ケイ素原子を含む基は、下記式(1−1)、下記式(1−2)、下記式(1−3)および下記式(1−4)で示される基の群から選ばれる少なくとも1つの基を有する。
上記式(1−1)および上記式(1−2)における好ましいRsの具体例として、次の各式で示される基を挙げることができる。尚、各式中、*は結合部位を示す。
R6は、式(1−1)および式(1−2)における好ましいRsの具体例と同様な基を用いることができる。
[A]重合体は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を混合して使用してもよい
上述した[A]重合体の前駆体となる化合物、特に前駆体として水酸基を有する化合物は、熱による保護基の脱離が生じ難いという性質を備え、一方で、放射線照射による保護基の脱離の制御ができるという性質を備えるため、[A]重合体を得るのに好適に使用できる。さらに、[A]重合体は、後述する[B]酸発生剤との組み合わせによって、放射線照射による、より高精度の保護基の脱離の制御が可能となるため好ましい。
[B]酸発生剤は、少なくとも放射線の照射によって酸を発生する化合物である。本発明の実施形態の組成物が、[B]酸発生剤を含有することで、[A]重合体から酸解離性基を脱離させることができる。
上述のオキシムスルホネート化合物としては、下記式(2A)で表されるオキシムスルホネート基を含む化合物が好ましい。
また、特開2011−227106号公報、特開2012−150494号公報に記載のオキシムエステル化合物を光酸発生剤として用いることができる。
オニウム塩としては、ジフェニルヨードニウム塩、トリフェニルスルホニウム塩、スルホニウム塩、ベンゾチアゾニウム塩、テトラヒドロチオフェニウム塩、スルホンイミド化合物等が挙げられる。
[C][A]とは異なる化合物は、アセタール結合を有する基またはケイ素原子を含む基から選ばれる少なくとも一つの基を有しない化合物を示し、さらには酸解離性基を有しない化合物である(以下、[C]化合物ともいう)。[C]化合物は、低分子化合物でも重合体等の高分子化合物でもよい。得られる膜の耐熱性等の向上の観点から重合体であることが好ましい。
[C]化合物は、[A]重合体と併用することで、得られる膜の耐熱性、耐溶剤性を向上できる。さらには[A]重合体と[C]重合体の混合比を適宜変更することで、例えば[A]重合体よる親撥機能を発現しつつ、露光部の凹形状の制御が可能となる。
また、[A]重合体と[C]化合物の種類、混合比を適宜変更することで、フッ素原子、ケイ素原子を有する[A]重合体が膜中の上部に、[C]化合物が下部にとなるような層分離膜を形成できる場合がる。
このような[C]化合物について、以下に説明する。
[C]化合物としては、アクリル樹脂、ポリイミド及びポリイミド前駆体、ポリシロキサン、環状オレフィン系樹脂、ポリエーテル、ポリカーボネート、ポリエステル、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリアミドからなる群より選ばれる少なくとも1つの重合体であることが好ましい。重合体について説明する。
アクリル樹脂としては、カルボキシル基を有する構成単位を含む重合体を挙げることができる。
重合性基としては、エポキシ基、(メタ)アクリロイル基、ビニル基等が挙げられる。
1個以上のカルボキシル基を有するエチレン性不飽和単量体(以下、「不飽和単量体(a1)」という。)とエポキシ基を有する単量体等他の共重合可能なエチレン性不飽和単量体(以下、「不飽和単量体(a2)」という。)との共重合することで、エポキシ基とカルボキシル基を有する重合体を得ることができる。
<ポリイミド及びポリイミド前駆体>
ポリイミドは、重合体の構成単位中にアルカリ可溶性の基を有するポリイミドであることが好ましい。アルカリ可溶性の基としては、例えば、カルボキシル基を挙げることができる。構成単位中にアルカリ可溶性の基、例えば、カルボキシル基を有することでアルカリ現像性(アルカリ可溶性)を備え、アルカリ現像時に露光部のスカム発現を抑えることができる。同様に、ポリイミド前駆体も、例えば、カルボキシル基等のアルカリ可溶性の基を有してアルカリ可溶性を備えることができる。
ポリイミドの形成に用いられるテトラカルボン酸二無水物としては、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、1,1−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、1,1−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、9,9−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)フルオレン二無水物、9,9−ビス{4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル}フルオレン二無水物または下記に示した構造の酸二無水物などが好ましい。これらを2種以上用いてもよい。
ポリイミドの形成に用いられるジアミンの具体的な例としては、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、3,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、3,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノジフェニルスルヒド、3,4’−ジアミノジフェニルスルヒド、4,4’−ジアミノジフェニルスルヒド、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレンまたは下記に示した構造のジアミン等が好ましい。これらを2種以上用いてもよい。
このようなポリイミド及びポリイミド前駆体としては、例えば、特開2011−133699号公報、特開2009−258634号公報等に開示されている重合体を使用することもできる。
<ポリシロキサン>
ポリシロキサンは、シロキサン結合を有する化合物のポリマーである限りは特に限定されるものではない。このポリシロキサンは、通常、例えば、光酸発生剤から発生した酸や光塩基発生剤から発生した塩基を触媒として硬化する。
してもよい。
<環状オレフィン系樹脂>
環状オレフィン系樹脂としては、特に制限されず、環状オレフィン部位を含む樹脂であればよく、例えば、WO2013/054864号公報に記載されている環状オレフィン系樹脂を使用することができる。記載されている方法で合成することができる。
<ポリカーボネート>
ポリカーボネートとしては、特に制限されず、フルオレン部位を含むポリカーボネート樹脂であればよく、例えば、特開2008−163194号公報に記載されているポリカーボネートを使用することができる。
<ポリエステル>
ポリエステルとしては、特に制限されず、ウレタン結合部位を有するポリエステル、フルオレン部位を含むポリエステルが特に好ましく、例えば、特開2010−285505号公報や特開2011−197450号公報に記載されている方法で合成することができる。
<エポキシ樹脂>
エポキシ樹脂としては、特に制限されず、エポキシ基を有する化合物であればよく、以下に具体例を示す。
ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、ビスフェノールSジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールAジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールFジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールADジグリシジルエーテルなどのビスフェノール型ジグリシジルエーテル類;
1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテルなどの多価アルコールのポリグリシジルエーテル類;
エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリンなどの脂肪族多価アルコールに1種または2種以上のアルキレンオキサイドを付加することにより得られるポリエーテルポリオールのポリグリシジルエーテル類; フェノールノボラック型エポキシ樹脂;
クレゾールノボラック型エポキシ樹脂; ポリフェノール型エポキシ樹脂; 脂肪族長鎖二塩基酸のジグリシジルエステル類;
高級脂肪酸のグリシジルエステル類; 脂肪族ポリグリシジルエーテル類; エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油等が挙げられる。
本実施形態の組成物に用いられる樹脂として好ましいフェノール樹脂としては、フェノール類をホルマリンなどのアルデヒド類で公知の方法で重縮合することにより得ることができるフェノール樹脂が好適に用いられ、ノボラック樹脂、レゾール樹脂のいずれも用いる。これらのうち、特に分子量の制御の観点から特にノボラック樹脂が好ましい。
ポリアミドとしては、有機溶剤に溶解するポリアミドが好適に用いられ、このようなポリアミドとしては、例えば、特殊ポリアミド樹脂:PAシリーズ(株式会社T&K TOKA社製)等を用いることができる。
本実施形態の組成物において、[C]化合物の含有量としては、[A]重合体100質量部に対して、10質量部〜9900質量部が好ましく、100質量部〜8500質量部がより好ましい。[C]化合物剤の含有量を上述の範囲とすることで、得られる膜の耐熱性、耐溶剤性、耐光性を向上できる。
本発明の実施形態の組成物は、[D]増感剤を含有することができる。[D]増感剤をさらに含有することで、その組成物の放射線感度をより向上することができる。[D]増感剤は、活性光線または放射線を吸収して電子励起状態となる化合物であることが好ましい。電子励起状態となった[D]増感剤は、[B]酸発生剤と接触して、電子移動、エネルギー移動、発熱等が生じ、これにより[B]酸発生剤は化学変化を起こして分解し酸を生成する。
[D]増感剤としては、多核芳香族類、アクリドン類、スチリル類、ベーススチリル類、クマリン類、キサントン類が好ましく、キサントン類がより好ましい。キサントン類の中でもジエチルチオキサントンおよびイソプロピルチオキサントンが特に好ましい。
本発明の実施形態の組成物は、上述した[A]重合体、[B]酸発生剤、[D]増感剤のほか、[E]クエンチャーを含有することができる。
本発明の実施形態の組成物は、[F]重合性化合物を含有することで、該組成物の硬化を行うことができる。
これらの化合物、特開2013−164471号公報、特開2012−212114号公報、特開2010−85929号公報、に記載の光重合開始剤を使用することができる。
[G]光ラジカル重合開始剤は、放射線の照射を受けて、[F]重合性化合物の重合を促進する化合物である。したがって、本発明の実施形態の組成物が[F]重合性化合物を含有する場合、[G]光ラジカル重合開始剤を用いることが好ましい。
アセトフェノン化合物としては、例えば、α−アミノケトン化合物、α−ヒドロキシケトン化合物が挙げられる。
アセトフェノン化合物の中でも、α−アミノケトン化合物が好ましく、2−ジメチルアミノ−2−(4−メチルベンジル)−1−(4−モルフォリン−4−イル−フェニル)−ブタン−1−オン、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)―ブタノン−1がより好ましい。
本実施形態の組成物は、さらに、本発明の効果を損なわない限りその他の任意成分を含有することができる。 その他の任意成分としては、界面活性剤、保存安定剤、接着助剤、耐熱性向上剤等を挙げることができる。本実施形態の組成物において、その他の任意成分は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を混合して使用してもよい。
前記膜形成材料は特に限定されるものではない。例えば、配線を形成できるような材料であればよく、流動性を持った液状のインク、ペーストであることが好ましい。前記膜形成材料としては、例えば、導電膜形成インク、導電膜形成ペースト、膜を形成可能な樹脂溶液インク、樹脂溶液ペースト、顔料や染料を含む着色性インク、着色性ペースト、有機半導体溶液や酸化物半導体分散体、有機EL発光体溶液や量子ドット、ナノカーボン導電膜形成インク、カーボンナノチューブや、グラフェン、カーボンブラック等のナノカーボンの機能性インク、導電膜形成ペースト等が挙げられる。
[GPC分析]
重合体[A]および重合体(PA)の重量平均分子量(Mw)および分子量分布(Mw/Mn)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC、東ソー(株)製、商品名:HLC−8220)法を用いて、テトラヒドロフラン(THF)溶媒の条件下、ポリスチレン換算で測定した。
・測定方法:ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法
・標準物質:ポリスチレン換算
・装置 :東ソー(株)製、商品名:HLC−8220
・カラム :東ソー(株)製ガードカラムHXL−H、TSK gel G7000HXL、TSK gel GMHXL 2本、TSK gel G2000HXLを順次連結したもの
・溶媒 :テトラヒドロフラン
・サンプル濃度:0.7質量%
・注入量 :70μL
・流速 :1mL/min
[1H−NMRの測定]
1H−NMRは、核磁気共鳴装置(Bruker製 AVANCEIII AV400N)で25℃、CDCL3で測定した。
[合成例1]
冷却管および撹拌機を備えたフラスコに、ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)8質量部、2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン2質量部、および、ジエチレングリコールジメチルエーテル200質量部を仕込んだ。引き続きメタクリル酸2−ヒドロキシエチル42質量部、メタクリル酸ベンジル58質量部を仕込み、窒素雰囲気下、緩やかに攪拌しつつ、溶液の温度を80℃に上昇させ、この温度を4時間保持して重合することにより、共重合体である重合体(A−1)を含有する溶液を得た(固形分濃度=34.6質量%、Mw=26000、Mw/Mn=2.2)。尚、固形分濃度は共重合体溶液の全質量に占める共重合体質量の割合を意味する。
冷却管および撹拌機を備えたフラスコに、ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)8質量部、2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン2質量部、およびプロピレングリコールモノメチルエーテル200質量部を仕込んだ。引き続き2−メタクリロイロキシエチルコハク酸60質量部、メタクリル酸ベンジル40質量部を仕込み、窒素置換した後、緩やかに攪拌しつつ、溶液の温度を80℃に上昇させ、この温度を4時間保持して重合することにより、共重合体である重合体(A−2)を含有する溶液を得た。得られた溶液を大過剰のヘキサンに滴下し、乾燥後、白色固体状の重合体(A−2)を得た(Mw=23400、Mw/Mn=2.2)。
冷却管および撹拌機を備えたフラスコに、ポリビニルフェノール(マルカリンカーS−4P 丸善石油化学(株))5質量部を加え、テトラヒドロフラン50質量部で溶かし、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロ−1−ビニルオキシオクタン16質量部を加え、十分に攪拌した後にトリフルオロ酢酸0.50質量部を加え、窒素雰囲気下、60℃で9時間反応させた。続いて反応溶液を室温まで冷却し、ピリジン0.5質量部を加え反応をクエンチした。得られた反応溶液を過剰量のメタノールに滴下することにより再沈殿精製を行い、続いて再度30質量部のテトラヒドロフランに溶解させた後、ヘキサンに滴下することにより再沈殿精製を行い、白色固形状の共重合体として[A]重合体(P−3)が得られた。得られた[A]重合体(P−3)について1H−NMRを用いて分析を行い、アセタール化が進行していることを確認した(化学シフト:5.48ppm、アセタール基C−H)。
冷却管および撹拌機を備えたフラスコに、ヒドロキシフェニルメタクリレート25質量部、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロ−1−ビニルオキシ−オクタン82質量部、トリフルオロ酢酸(TFA)1.6質量部およびテトラヒドロフラン(THF)200質量部を仕込み、窒素雰囲気下、60℃で9時間保持して反応させた。冷却後、反応液にピリジン1.7質量部を加えクエンチした。得られた反応液を水洗、分液し、ロータリーエバポレーターで溶剤を除去し、減圧蒸留により未反応成分を除去することによりアセタール化生成物(M−1)を得た。
冷却管および撹拌機を備えたフラスコに、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル25質量部、塩化トリメチルシリル30質量部、イミダゾール1.0質量部を仕込み、窒素雰囲気下、40℃で7時間保持して反応させた。得られた反応液を水洗、分液し、ロータリーエバポレーターで溶剤を除去し、減圧蒸留により未反応成分を除去することにより化合物(M−1)を得た。
[合成例6]
冷却管及び撹拌機を備えたフラスコに、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル4質量部及びジエチレングリコールメチルエチルエーテル300質量部を仕込み、メタクリル酸23質量部、スチレン10質量部、メタクリル酸ベンジル32質量部及びメタクリル酸メチル35質量部、並びに分子量調節剤としてのα−メチルスチレンダイマー2.7質量部を仕込み、緩やかに攪拌しつつ、溶液の温度を80℃に上昇し、この温度を4時間保持した後、100℃に上昇させ、この温度を1時間保持して重合することにより共重合体を含有する溶液を得た(固形分濃度=24.9質量%)。得られた共重合体のMwは、12,500であった。次いで、共重合体を含む溶液に、テトラブチルアンモニウムブロミド1.1質量部、重合禁止剤としての4−メトキシフェノール0.05質量部を加え、空気雰囲気下90℃で30分間攪拌後、メタクリル酸グリシジル16質量部を入れて90℃のまま10時間反応させることにより、共重合体(C−1)を得た(固形分濃度=29.0質量%)。共重合体(C−1)のMwは、14,200であった。共重合体(C−1)をヘキサンに滴下することで再沈殿精製を行い、再沈殿した樹脂固形分について、1H−NMR分析によりメタクリル酸グリシジルの反応率を算出した。6.1ppm付近及び5.6ppm付近にメタクリル酸グリシジルのメタクリル基に由来するピークと共重合体のメタクリル酸ベンジルの構造単位に由来する6.8ppm〜7.4ppm付近の芳香環のプロトンとの積分比の比較から、メタクリル酸グリシジルと共重合体中のカルボキシ基との反応率を算出した。その結果、反応させたメタクリル酸グリシジルの96モル%が共重合体中のカルボキシ基と反応したことが確認された。
冷却管及び撹拌機を備えたフラスコに、2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)5質量部及びジエチレングリコールメチルエチルエーテル220質量部を仕込み、メタクリル酸18質量部、メタクリル酸グリシジル40質量部、スチレン10質量部及びメタクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イル32質量部を仕込み窒素置換し、緩やかに攪拌しつつ、溶液の温度を70℃に上昇し、この温度を5時間保持して重合することにより、共重合体(C−2)を含有する溶液を得た(固形分濃度=31.3質量%)。共重合体(C−2)は、Mw=12,000であった。
冷却管及び撹拌機を備えたフラスコに、2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)5質量部及びジエチレングリコールメチルエチルエーテル220質量部を仕込み、メタクリル酸18質量部、3−(メタクリロイルオキシメチル)−3−エチルオキセタン40質量部、スチレン10質量部及びメタクリル酸ベンジル32質量部を仕込み窒素置換し、緩やかに攪拌しつつ、溶液の温度を70℃に上昇し、この温度を5時間保持して重合することにより、共重合体(C−3)を含有する溶液を得た(固形分濃度=31.3質量%)。共重合体(C−3)は、Mw=11,000であった。
[合成例9]
反応容器に重合溶剤としてプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート(PGMEA)80gを加えた後、重合溶剤の合計80gに対し固形分濃度20質量%となるように、ジアミン化合物およびテトラカルボン酸誘導体であるテトラカルボン酸二無水物を重合溶剤中に加えた。このときこの例では、ジアミン化合物としては、2,2’−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン(BAHF)を用い、これを溶解させた後、テトラカルボン酸二無水物として2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物(TCA)と1,3−ジヒドロ−1,3−ジオキソ−5−イソベンゾフランカルボン酸−1,4−フェニレンエステル(TMHQ)とを、テトラカルボン酸二無水物の組成がTCA:TMHQ=95:5(モル比)となるように投入した。そして、ジアミン化合物の全体量100モル部に対し、テトラカルボン酸二無水物は90モル部を加えた。その後、この混合物を60℃で3時間反応させた。これにより、固形分濃度20質量%、溶液粘度100mPa・sのポリアミック酸(C−4)を約100g得た。
[合成例10]
撹拌機付の容器内に、プロピレングリコールモノメチルエーテル20質量部を仕込み、続いて、メチルトリメトキシシラン70質量部、およびトリルトリメトキシシラン30質量部を仕込み、溶液温度が60℃になるまで加熱した。溶液温度が60℃に到達後、リン酸0.15質量部、イオン交換水19質量部を仕込み、75℃になるまで加熱し、4時間保持した。さらに、溶液温度を40℃にし、この温度を保ちながらエバポレーションすることで、イオン交換水および加水分解縮合で発生したメタノールを除去した。以上により、加水分解縮合物であるポリシロキサンとして(C−5)を得た。Mw=5000であった。
[合成例11]
8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン250部、1−ヘキセン180部およびトルエン750部を、窒素置換した反応容器に仕込み、60℃に加熱した。これに、トリエチルアルミニウム(1.5モル/l)のトルエン溶液0.62部、tert−C4H5OH/CH3OHで変性(tert−C4H9OH/CH3OH/W=0.35/0.3/1;モル比)したWCl6溶液(濃度0.05モル/l)3.7部を加え、80℃で3時間加熱攪拌して、開環重合体溶液(α−1)を得た。この重合反応における重合転化率は90%であり、重合体(C−6)の重量平均分子量は17000であった。
[合成例12]
冷却管、ディーンスターク及び撹拌機を備えたフラスコに、モノマーとして2,6−ジフルオロベンゾニトリルを1.7質量部、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンを0.5質量部、5,5−ビス(4−ヒドロキフェニル)ヘキサン酸を0.5質量部 、塩基として炭酸カリウム2.2質量部を仕込み、溶媒としてN,N−ジメチルアセトアミド100質量部、トルエン25質量部を加えた。真空引きと窒素置換を繰り返し、系中の水を除去した。その後、反応系中を窒素加圧下にし、緩やかに攪拌しつつ、溶液の温度を130℃に上昇させ、この温度を4時間保持して重合した。これにより、芳香族ポリエーテルとしての重合体(C-12)を含有する溶液を得た。得られた重合体溶液にイオン交換樹脂を加え、4時間撹拌して濾過した。重合体溶液を濾過し、N,N−ジメチルアセトアミドで固形分を洗浄した後、溶液を回収し、得られた溶液を水で再沈することで目的の樹脂を得た。重合体(C−12)のMwは12,000であった。
[比較合成例1]
冷却管および撹拌機を備えたフラスコに、ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)8質量部、2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン2質量部、および、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル200質量部を仕込んだ。引き続き2−(パーフルオロヘキシル)エチルメタクリレート(1)71質量部、メタクリル酸ベンジル21質量部を仕込み、窒素雰囲気下、緩やかに攪拌しつつ、溶液の温度を80℃に上昇させ、この温度を4時間保持して重合することにより、共重合体である重合体(PA−1)を含有する溶液を得た。得られた溶液を大過剰のヘキサンに滴下し、乾燥後、白色固体状の重合体(PA−1)を得た(Mw=18800、Mw/Mn=2.1)。
[比較合成例2]
冷却管および撹拌機を備えたフラスコに、ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)8質量部、2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン2質量部、および、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル200質量部を仕込んだ。引き続きヘキサフルオロプロピルメタクリレート(2)50質量部、メタクリル酸ベンジル50質量部を仕込み、窒素雰囲気下、緩やかに攪拌しつつ、溶液の温度を80℃に上昇させ、この温度を4時間保持して重合することにより、共重合体である重合体(PA−2)を含有する溶液を得た。得られた溶液を大過剰のヘキサンに滴下し、乾燥後、白色固体状の重合体(PA−2)を得た(Mw=20500、Mw/Mn=2.1)。
<感放射線性組成物の調製>
実施例および比較例で用いた各成分の詳細を以下に示す。
C−1:N−ヒドロキシナフタルイミド−トリフルオロメタンスルホン酸エステル
C−2:4,7−ジ−n−ブトキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウム トリフルオロメタンスルホネート
C−3:CGI725 (BASF社製)
<[C]化合物>
C−1:合成例6で合成したポリマー
C−2:合成例7で合成したポリマー
C−3:合成例8で合成したポリマー
C−4:合成例9で合成したポリマー
C−5:合成例10で合成したポリマー
C−6:合成例11で合成したポリマー
C−7:CCR−1316H (日本化薬社製)VANARYL
C−8:jER YX−4000HK(三菱化学社製)エポキシ樹脂
C−9:PI−1 (T&K TOKA社製)可溶性ポリイミド
C−10:バイロン200 (東洋紡績社製)ポリエステル
C−11:UR−4410(東洋紡績社製)ポリエステルウレタン
C−12:ポリエーテル:合成例12で合成したポリマー
<[D]増感剤>
D−1:2−イソプロピルチオキサントン
D−2:2,4−ジエチルチオキサンテン−9−オン
<[E]クエンチャー>
E−1:2−フェニルベンゾイミダゾール
E−2:4−(ジメチルアミノ)ピリジン
<[F]重合性化合物>
F−1:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
F−2:1,9−ノナンジオールジアクリレート
<[G]光ラジカル重合開始剤>
G−1:2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン(イルガキュア(登録商標)907、BASF社製)
G−2:2−ジメチルアミノ−2−(4−メチルベンジル)−1−(4−モルフォリン−4−イル−フェニル)−ブタン−1−オン(イルガキュア(登録商標)379、BASF社製)
G−3:エタノン−1−〔9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル〕−1−(O−アセチルオキシム)(イルガキュア(登録商標)OXE02、BASF社製)
[実施例1〜15および比較例1〜4]
表1に示す種類、含有量の各成分を混合し、固形分濃度が20質量%となるように、それぞれ[B]溶剤として、ジエチレングリコールメチルエチルエーテルを加えた後、孔径0.5μmのミリポアフィルタでろ過することにより、各感放射線性組成物を調製した。尚、表1中の「−」は該当する成分を使用しなかったことを表す。
実施例1〜15および比較例1〜4で調製した各感放射線性樹脂組成物を用いて膜形成を行い、以下の評価を実施した。結果を表2に示す。
[撥液-親液変換露光感度]
無アルカリガラス基板上に、実施例1〜実施例15、比較例1〜比較例4で調製した感放射線性樹脂組成物をスピンナーにより塗布した後、90℃のホットプレート上で2分間プレベークすることにより0.5μm厚の塗膜を形成した。次いで、得られた塗膜に石英マスク(コンタクト)を介して高圧水銀ランプを用いて(露光機:大日本科研社製MA−1400)放射線照射を行い、その後、ホットプレートを用い110℃で5分ベークした。この時、未露光部と露光部上でのテトラデカンの接触角を接触角計(協和界面科学社製CA−X)を用い測定し、接触角差が十分に生じた放射線照射量を撥液-親液変換露光感度とした。
[接触角]
[撥液-親液変換露光感度]の評価と同様の方法で得られた露光部分が親液部となり、露光部分以外が撥液部となって、親液部と撥液部とによりパターニングされた膜(以下、親撥パターニング膜と称することがある。)に関し、形成された親撥パターニング膜において、それぞれ親液部に該当する露光部、撥液部に該当する未露光部において、接触角計(協和界面科学社製CA−X)を用い、水およびテトラデカンの接触角を測定し、親撥性能を確認した。尚、表2中、露光部での水の接触角を「親液部 水」として示し、未露光部での水の接触角を「撥液部 水」として示し、露光部でのテトラデカンの接触角を「親液部 テトラデカン」として示し、未露光部でのテトラデカンの接触角を「撥液部 テトラデカン」として示した。
[親撥パターン上でのインクアシスト性能]
[接触角]の評価と同様の方法で石英マスク(L/S=50μm/450μm)を用いてパターニングし、得られた凹パターンに、自動極小接触角計(協和界面社製MCA−2)を用い、マイクロキャピラリーにてテトラデカンを60pl滴下し、5秒後にパターンを顕微鏡観察した。そして、親撥凹パターンに沿ってテトラデカンがパターニングできれば良好(○)、パターンから溢れれば不良(×)として評価した。
[親撥パターニング膜形成の解像度評価]
[接触角]の評価と同様の方法により、石英マスク(L/S=1/9)でライン幅10μmのマスク部で250mJ/m2で露光を行い、自動極小接触角計(協和界面社製MCA−2)を用い、マイクロキャピラリーにてテトラデカンを微小量(<10pl)滴下したところ、テトラデカンがパターニングできれば解像度良好(○)とし、溢れるなどしてパターニングできなければ解像度不良(×)として評価を行った。
[外観評価]
[接触角]の評価と同様の方法で得られた膜を用い、透明膜が得られていれば良好(○)、目視で膜荒れ、白化等が起こっていれば不良(×)として外観の評価を行った。
[密着性評価]
[接触角]の評価と同様の方法で得られた膜を用い、碁盤目剥離試験を実施し、剥離が発生しなければ良好(○)、部分的に剥離が発生すれば一部不良(×)、全面剥がれが生じれば不良(×)として密着性評価を実施した。
[耐熱性評価]
上記撥液-親液変換露光感度と同様に、基板上に塗膜を形成した。この基板をクリーンオーブン内にて200℃で1時間加熱して硬化膜を得た。得られた硬化膜を波長400nmにおける透過率を、分光光度計(日立製作所社製の「150−20型ダブルビーム」)を用いて測定して評価した。次いでクリーンオーブン内にて220℃で30分追加ベークした後、加熱による透過性が大きく低下した場合、耐熱性が不良と判断できる。透明性がほとんど低下しなかった場合を「○」、透明性がわずかに低下した場合を「△」、透明性が大きく低下した場合を「×」とした。評価結果を表1に示す。
2,2a,5 塗膜
3 放射線照射部
3−2 放射線未照射部
4 膜形成材料
6 パターン
12 凸部
13 凹部
Claims (6)
- 下記の(1)から(3)の工程を含み、親液部と撥液部を有する基材を製造することを特徴とする親液部と撥液部を有する基材の製造方法。
(1)[A]アセタール結合を有する基またはケイ素原子を含む基から選ばれる少なくとも一つの基を有する重合体、[B]酸発生剤、[C][A]及び[B]とは異なる化合物とを含む組成物を塗布し、塗膜を形成する工程、
(2)前記塗膜の所定部分に放射線照射を行う工程、
(3)前記放射線照射後の塗膜を加熱する工程であり、
前記アセタール結合を有する基またはケイ素原子を含む基が、酸解離性基であり、
前記アセタール結合を有する基が、フッ素原子を有する酸解離性基であり、
前記[C][A]及び[B]とは異なる化合物が(メタ)アクリロイル基、エポキシ基、ビニル基から選ばれる少なくとも一つの重合性基を有する重合体である親液部と撥液部を有する基材の製造方法。 - 前記工程(2)による放射線照射部と放射線未照射部のテトラデカンに対する接触角差が、30°以上であることを特徴とする請求項1に記載の親液部と撥液部を有する基材の製造方法。
- 前記[C][A]及び[B]とは異なる化合物が、アクリル樹脂、ポリイミド、ポリシロキサン、環状オレフィン系樹脂、ポリエーテル、ポリカーボネート、ポリエステル、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリアミドからなる群より選ばれる少なくとも1つであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の親液部と撥液部を有する基材の製造方法。
- 前記組成物が、エチレン性不飽和結合を有する重合性化合物を含むことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の親液部と撥液部を有する基材の製造方法。
- [A]アセタール結合を有する基またはケイ素原子を含む基から選ばれる少なくとも一つの基を有する重合体
[B]酸発生剤、
[C][A]及び[B]とは異なる化合物が(メタ)アクリロイル基、エポキシ基、ビニル基から選ばれる少なくとも一つの重合性基を有する重合体を含み、請求項1から4のいずれか1項に記載の親液部と撥液部を有する基材の製造方法に用いることを特徴とする組成物。 - 請求項1から4のいずれか1項に記載の親液部と撥液部を有する基材の製造方法により形成された前記親液部の上に導電膜形成用組成物を用いて導電膜を形成することを特徴とする導電膜の形成方法。
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