JP7161092B2 - 含フッ素単量体、含フッ素重合体およびそれを用いたパターン形成用組成物、およびそのパターン形成方法 - Google Patents
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[発明1]
式(1)で表される繰り返し単位を含む、含フッ素重合体。
R3は、水素原子または炭素数1~10の有機基である。
Aは、水素原子、フッ素原子またはメチル基である。
Lは、メチレン基であり、各メチレン基が含む任意の数の水素原子がメチル基に置換されていてもよい。
nは、0~10の整数である。
Pは、以下の式(2)~式(4)で表される、いずれかの基である。
式(1A)で表される繰り返し単位を含む、発明1の含フッ素重合体。
Yは、単結合または2価の基である。
R1は、水素原子、フッ素原子または炭素数1~10の有機基である。
R3は、水素原子または炭素数1~10の有機基である。
Aは、水素原子、フッ素原子、またはメチル基である。
Lは、メチレン基であり、各メチレン基が含む任意の数の水素原子がメチル基に置換されていてもよい。
nは、0~10の整数である。)
前記式(1)または式(1A)で表される繰り返し単位が含むRf1およびRf2が、トリフルオロメチル基であり、nは0~2の整数、Aが水素原子またはメチル基である発明1または発明2の含フッ素重合体。
前記式(1)または式(1A)で表される繰り返し単位が含む、Rf1およびRf2が連結してなる環が、式(5A)で表わされる含フッ素アルキル基である発明1または発明2の含フッ素重合体。
前記式(1)または式(1A)で表される繰り返し単位が含むRf1およびRf2が連結してなる環が、式(5)で表される基である発明4の含フッ素重合体。
発明1~5の含フッ素重合体、(A)酸発生剤および(B)溶剤を含む、パターン形成用組成物。
発明6のパターン形成用組成物を基板上に塗布し膜を形成する製膜工程と、
波長150nm以上、500nm以下の光を、マスクを介して膜に照射露光し、マスクのパターンを膜に転写し、撥液部と親液部を有するパターン形成膜を得、
得られたパターン形成膜にインクを塗布しインクによるパターンを得るパターン形成工程を含む、
パターンの形成方法。
発明6のパターン形成用組成物を基板上に塗布し膜を形成する製膜工程と、
波長150nm以上、500nm以下の光を描画装置により膜に走査露光して、パターンを膜に描画し、撥液部と親液部を有するパターン形成膜を得、
得られたパターン形成膜にインクを塗布しインクによるパターンを得るパターン形成工程を含む、
パターンの形成方法。
式(6)で表される含フッ素単量体。
Yは、単結合または2価の基である。
R1は、水素原子、フッ素原子または炭素数1~10の有機基である。
R3は、水素原子または炭素数1~10の有機基である。
Aは、水素原子、フッ素原子またはメチル基である。
Lは、メチレン基であり、各メチレン基が含む任意の数の水素原子がメチル基に置換されていてもよい。
nは、0~10の整数である。)
前記式(6)で表される含フッ素単量体が含むRf1およびRf2がトリフルオロメチル基であり、nは0~2の整数、Aが水素原子またはメチル基である発明9の含フッ素単量体。
前記式(6)で表される含フッ素単量体が含むRf1およびRf2が連結してなる環が、式(5A)で表わされる含フッ素アルキル基である発明9の含フッ素単量体。
Zは水素原子またはフッ素原子であり、nは3~6の整数である。nが6である場合、含フッ素アルキル基は少なくとも1個以上の水素原子を含む。)
前記式(6)で表される含フッ素単量体が含むRf1およびRf2が連結してなる環が、式(5)で表される基である発明11の含フッ素単量体。
式(7)で表される含フッ素化合物。
R3は、水素原子または炭素数1~10の有機基である。
Aは、水素原子、フッ素原子またはメチル基である。
Lは、メチレン基であり、各メチレン基が含む任意の数の水素原子がメチル基に置換されていてもよい。
nは、0~10の整数である。)
前記式(7)で表される含フッ素化合物が含むRf1およびRf2がトリフルオロメチル基であり、nは0~2の整数、Aが水素原子、フッ素原子またはメチル基である発明13の含フッ素化合物。
前記式(7)で表される含フッ素化合物が含むRf1およびRf2が連結してなる環状の含フッ素アルキル基が、式(5A)で表わされる基である発明13の含フッ素重合体。
前記式(7)で表される含フッ素化合物が含むRf1およびRf2が連結してなる環が、式(5)で表される基である、発明15の含フッ素化合物。
1-1.式(1)で表される繰り返し単位
本発明の含フッ素重合体は、式(1)で表される繰り返し単位を含む含フッ素重合体で
ある。以下、含フッ素重合体(1)と呼ぶことがある。
式(1)で表される繰り返し単位(以下、繰り返し単位(1)と呼ぶことがある)において、Rf1およびRf2は、炭素数1-3の直鎖状または炭素数3の分岐鎖状の含フッ素アルキル基である。
表面に
繰り返し単位(1)において、R3は、水素原子または炭素数1-10の有機基を表す。本発明において有機基とは炭素原子を含む基のことを言う。有機基の種類としては、炭化水素基、アルコキシカルボニル基、アセタール基またはアシル基を挙げることができる。
繰り返し単位(1)において、Aは、水素原子、フッ素原子またはメチル基である。
繰り返し単位(1)において、Lは、メチレン基であり、各メチレン基が含む任意の数の水素原子がメチル基に置換されていてもよい。単量体の合成のし易さより、Aは好ましくはメチレン、メチルメチレン、ジメチルメチレンであり、特に好ましくは、メチレンである。
式(1)で表される繰り返し単位が含む基[P]は、以下の式(2)~(4)で表される、いずれかの基(2)~(4)である。
基(2)および基(3)において、R1は、水素原子または炭素数1-10の有機基である。有機基の有する水素原子がフッ素原子と置換されていてもよい。重合のし易さから、R1は、水素原子またはメチル基であることが好ましい。
以下に示すように、Pが基(2)で表される構造である繰り返し単位(1A)を含む含フッ素重合体(1A)は、式(6)で表される含フッ素単量体を重合させることで構造を得ることができる。
基(2)において、Yは、単結合または2価の基である。
2価の基としては、炭素数2~10の2価の有機基であることが好ましく、メチレン基、炭素数2~10のアルキレン基、炭素数2~10アルケニレン基、炭素数6~10の2価のアリール基、または炭素数4 ~10の2価の脂環式炭化水素基を挙げることができる。アルキレン基またはアルケニレン基は、エーテル結合(-O-)、カルボニル基(-(C=O-)、カルボキシル基(-(C=O)O-、または-O(C=O)-を含んでいてもよく、組合せてYを形成してもよい。これらの2価の基が含む1つ以上の水素原子がフッ素原子で置換されていてもよい。
式(6)で表される含フッ素単量体は、アクリル酸エステル類またはメタクリル酸エステル類と、式(7)で表される含フッ素化合物を反応させてなる、含フッ素単量体を重合させることで得ることができる。
Pが基(3)で表される構造である繰り返し単位(1)を含む含フッ素重合体(1)は、ポリビニルフェノールと式(7)で表される含フッ素化合物を反応させることで得ることができる。
基(2)において、Xは、単結合または2価の基である。
Pが基(4)で表される構造である繰り返し単位(1)を含む含フッ素重合体(1)は、フェノールノボラック樹脂と式(7)で表される含フッ素化合物を反応させることで得ることができる。
本発明の含フッ素重合体(1)において、繰り返し単位(1)以外の他の繰り返し単位を含んでいてもよい。繰り返し単位(1)以外の他の繰り返し単位は、含フッ素重合体(1)を成分とするパターン形成用組成物を膜とする際の含フッ素重合体(1)の溶剤溶解性、または膜とした後の膜の硬さ等を調整する目的で含フッ素重合体(1)の構造中に加えるものである。
アクリル酸エステル類としては、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n-プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレート、n-ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、n-ヘキシルアクリレート、n-オクチルアクリレート、2-エチルヘキシルアクリレート、ラウリルアクリレート、2-ヒドロキシエチルアクリレートもしくは2-ヒドロキシプロピルアクリレート、またはエチレングリコール、プロピレングリコールもしくはテトラメチレングリコール基を有するアクリレート、または不飽和アミドとしてのアクリルアミド、N-メチロールアクリルアミドもしくはジアセトンアクリルアミド、またはtert-ブチルアクリレート、3-オキソシクロヘキシルアクリレート、アダマンチルアクリレート、メチルアダマンチルアクリレート、エチルアダマンチルアクリレート、ヒドロキシアダマンチルアクリレート、シクロヘキシルアクリレートもしくはトリシクロデカニルアクリレート、またはラクトン環もしくはノルボルネン環などの環構造を有するアクリレート、またはα位にシアノ基を有するこれらアクリル酸エステルを例示することができる。
含フッ素アクリル酸エステル類としては、含フッ素有機基をアクリル部位のα位に有する、またはエステル部位に有する含フッ素アクリル酸エステルを挙げることができる。α位とエステル部位ともに含フッ素有機基を有していてもよく、α位にシアノ基を有しエステル部位含フッ素アルキル基を有していてもよい。
メタクリル酸エステル類としては、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n-プロピルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、n-ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、n-ヘキシルメタクリレート、n-オクチルメタクリレート、2-エチルヘキシルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、2-ヒドロキシエチルメタクリレート、2-ヒドロキシプロピルメタクリレート、またはエチレングリコール、プロピレングリコールもしくはテトラメチレングリコール基を有するメタクリレート、または不飽和アミドとしてのメタクリルアミド、N-メチロールアクリルアミド、N-メチロールメタクリルアミドもしくはジアセトンアクリルアミド、またはtert-ブチルメタクリレート、3-オキソシクロヘキシルメタクリレート、アダマンチルメタクリレート、メチルアダマンチルメタクリレート、エチルアダマンチルメタクリレート、ヒドロキシアダマンチルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレートもしくはトリシクロデカニルメタクリレート、またはラクトン環もしくはノルボルネン環などの環構造を有するメタクリレートを例示することができる。
含フッ素メタクリル酸エステル類としては、含フッ素有機基をエステル部位に有する含フッ素メタクリル酸エステル類を挙げることができる。
へキサフルオロイソプロパノール基を有する単量体としては、以下に示す単量体を例示することができる。
スチレン類としては、スチレン、ヒドロキシスチレンを例示することができる。
ビニルエーテル類またはアリルエーテル類は、メチル基、エチル基、n-プロピル基、iso-プロピル基、n-ブチル基、iso-ブチル基、sec-ブチル基、t-ブチル基、ヒドロキシエチル基もしくはヒドロキシブチル基を含有してもよく、アルキルビニルエーテルあるいはアルキルアリルエーテルであってもよい。ヒドロキシエチル基もしくはヒドロキシブチル基を含有するビニルエーテルの場合は、アルコール部位がアセチル基、ブチロイル基、プロピノイル基によりエステル結合を形成してもよい。シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボルニル基、芳香環、その環状構造内に水素原子やカルボニル結合を有する環状型ビニルエーテルまたは環状型アリルエーテルであってもよい。含フッ素ビニルエーテル、含フッ素アリルエーテルとしては、これらビニルエーテルもしくはアリルエーテルが有する水素原子の一部もしくは全部がフッ素原子で置換された含フッ素ビニルエーテルもしくは含フッ素アリルエーテルを挙げることができる。
オレフィン類としては、エチレン、プロピレン、イソブテン、シクロペンテンまたはシクロヘキセンを例示することができる。含フッ素オレフィン類としては、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、トリフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレンもしくはヘキサフルオロイソブテン、1-クロロ-2,3,3,4,4,5,5-ヘプタフルオロシクロペンテン、オクタフルオロシクロペンテンまたはデカフルオロシクロヘキセンを例示することができる。
ノルボルネン類、含フッ素ノルボルネン類は重合性基を有していればよく、1個のノルボルネン骨格のみならず、複数のノルボルネン骨格を有していてもよい。
ノルボルネン類または含フッ素ノルボルネン類は、不飽和化合物とジエン化合物のとのDiels-Alder付加反応で生成する。
その他の重合性不飽和結合を有する単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸、アクリロニトリル、マレイン酸、フマル酸、無水マレイン酸を例示することができる。
テロ原子を含む場合は、他の繰り返し単位由来の有機基の影響が強くなり、末端のRf基による撥液性を及ぼす効果が軽減される、また重合体の溶解性が低くなる懸念がある。よって、他の単量体として、好ましくは、炭素数10未満のアクリル酸エステル、メタクリル酸エステルであり、特に好ましくは、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n-プロピルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、n-ブチルメタクリレート、またはイソブチルメタクリレートである。
含フッ素重合体(1)全量に対する、式(1)で表される繰り返し単位の含有割合は、20mol%以上、100mol%以下であり、より好ましくは20mol%以上、90mol%、である。含フッ素重合体(1)中の繰り返し単位(1)の含有が20mol%よりも少ないと、含フッ素重合体(1)からなる膜を露光してなる、パターン形成膜の露光部に撥液性が得られない。
本発明の含フッ素重合体(1)の数平均分子量は、好ましくは、1,000以上、100,000以下、より好ましくは3,000以上、50,000以下である。分子量分散は好ましくは1以上、4以下であり、より好ましくは1以上、2.5以下が好ましい。
含フッ素重合体(1)の合成方法は、繰り返し単位を得るための含フッ素単量体を用い重合させる方法(A)、または含フッ素重合体(1)の主鎖構造を有する重合体に対し含フッ素化合物を結合させる方法(B)がある。
方法(A)は、含フッ素重合体(1)の前駆体である、含フッ素単量体を単独重合させる、またはさらに含フッ素重合体(1)の前駆体である単量体と、それ以外の他の単量体と共重合させることで、含フッ素重合体(1)を得る方法である。
本発明の含フッ素重合体(1)の合成は、一般的に使用される重合方法から選択することができる。ラジカル重合、イオン重合が好ましく、場合により、配位アニオン重合、リビングアニオン重合、カチオン重合を選択することができる。重合反応に用いる反応器は特に限定されない。また、重合においては、重合溶媒を用いてもよい。以下、ラジカル重合について説明する。
ラジカル重合開始剤としては、アゾ系化合物、過酸化物系化合物、レドックス系化合物を挙げることができる。アゾ系化合物としては、アゾビスイソブチロニトリル、過酸化物系化合物としては、t-ブチルパーオキシピバレート、ジ-t-ブチルパーオキシド、i-ブチリルパーオキシド、ラウロイルパーオキサイド、スクシン酸パーオキシド、ジシンナミルパーオキシド、ジ-n-プロピルパーオキシジカーボネート、t-ブチルパーオキシアリルモノカーボネート、過酸化ベンゾイル、過酸化水素または過硫酸アンモニウムを例示することができる。
重合溶媒としては、ラジカル重合を阻害しないものが好ましく、エステル系溶媒、ケトン系溶媒、炭化水素系溶媒、またはアルコール系溶剤を挙げることができる。他に水、エーテル系、環状エーテル系、フロン系、または芳香族系の溶媒を用いてもよい。
重合温度はラジカル重合開始剤あるいはラジカル重合開始源の種類により適宜選択すればい。重合温度が好ましくは20℃以上、200℃以下、より好ましくは30℃以上、140℃以下となるように、ラジカル重合開始剤あるいはラジカル重合開始源の種類を適宜選択することが好ましい。含フッ素重合体(1)の分子量は、ラジカル重合開始剤あるいはラジカル重合開始源の選択、および重合条件を調整することにより制御可能である。
方法(B)は、水酸基を有する重合体と以下の含フッ素化合物(7)を用い、水酸基と含フッ素化合物(7)が有する含フッ素ビニルエーテル基を反応させてアセタール結合とし、重合体に含フッ素化合物(7)を付加させて、含フッ素重合体(1)を得る方法、または、カルボキシル基を有する重合体と含フッ素化合物(7)を用い、カルボキシル基と含フッ素化合物(7)が有する含フッ素ビニルエーテル基を反応させてアセタール結合とし、重合体に含フッ素化合物(7)を付加させて、含フッ素重合体(1)を得る方法である。
水酸基を有する重合体またはカルボキシル基を有する重合体は、特許文献7に記載の重合体を用いることができる。また、水酸基を有する重合体は、市販品を用いてもよい。この様な市販品としては、ポリビニルフェノール(丸善石油化学株式会社製 商品名 マルカリンカーS-4)、またはフェノールノボラック樹脂(荒川化学工業株式会社製 製品名 P-200)を挙げることができる。水酸基を有する重合体またはカルボキシル基を有する重合体の数平均分子量は、好ましくは、1,000以上、30,000以下、より好ましくは5,000以上、20,000以下である。数平均分子量が1000より少ないと、水酸基を有する重合体またはカルボキシル基を有する重合体に含フッ素化合物(7)を付加させて含フッ素重合体(1)とした際に、含フッ素重合体(1)を成分として含むパターン形成用組成物からなる膜が柔らかくなるとともに、所望の厚さの膜を形成することが難しくなる。また、露光後のパターン形成膜において、撥液部位よ、親液部位からなる微細なパターンを形成することが困難であるとともに、パターンの耐久性が乏しくなる虞がある。数平均分子量が30,000より多いと、水酸基を有する重合体またはカルボキシル基を有する重合体に含フッ素化合物(7)を付加させて含フッ素重合体(1)とした際に、含フッ素重合体(1)が溶剤に溶け難くなり、製膜後、ひび割れが発生し、含フッ素重合体(1)成分として含むパターン形成用組成物からなる膜を塗膜として形成することが困難である。
触媒は反応を進行させるものであれば特に限定されず、無機酸または有機酸のいずれでも使用でき、ルイス酸でもよい。無機酸としては、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、またはホウ酸を例示することができる。有機酸としては、カルボン酸またはスルホン酸を挙げることができる。カルボン酸としては、ギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸を例示することができる。スルホン酸としては、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p- トルエンスルホン酸を例示すことができる。上記の酸類で塩を形成し得るものは、そのピリジニウム塩、アンモニウム塩等を使用することも可能である。また、触媒として陽イオン交換樹脂またはゼオライトを使用することも可能である。
本発明のパターン形成用組成物は、その成分として、含フッ素重合体(1)、(A)酸発生剤、(B)有機溶剤を含む。その他(C)クエンチャー、(D)増感剤、(E)重合性化合物を含むことが好ましく、必要に応じて界面活性剤、保存安定剤、接着助剤または耐熱性向上剤を含んでいてもよい。
本発明のパターン形成用組成物の成分として用いる(A)酸発生剤としては、光照射によって酸を発生する化合物である光酸発生剤を使用できる。
オキシムスルホネート化合物としては、炭素数1~12のアルキル基、炭素数1~12のフルオロアルキル基、炭素数4~12の脂環式炭化水素基もしくは炭素数6~20のアリール基を挙げることができる。これらの基が有する水素原子の一部または全部がハロゲン原子または置換基で置換されていてもよい。好ましくは、炭素数1~12の直鎖状または炭素数3~12分岐状のアルキル基である。置換基としては、炭素数1~10のアルコキシ基、7,7-ジメチル-2-オキソノルボルニル基等の橋かけ環式脂環基を含む脂環式基を挙げることができる。
オニウム塩としては、ジフェニルヨードニウム塩、トリフェニルスルホニウム塩、アルキルスルホニウム塩、ベンジルスルホニウム塩、ジベンジルスルホニウム塩、置換ベンジルスルホニウム塩、ベンゾチアゾニウム塩またはテトラヒドロチオフェニウム塩を挙げることができる。
スルホンイミド化合物としては、N-(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)スクシンイミド、N-(カンファスルホニルオキシ)スクシンイミド、N-(4-メチルフェニルスルホニルオキシ)スクシンイミド、N-(2-トリフルオロメチルフェニルスルホニルオキシ)スクシンイミド、N-(4-フルオロフェニルスルホニルオキシ)スクシンイミド、N-(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)フタルイミド、N-(カンファスルホニルオキシ)フタルイミド、N-(2-トリフルオロメチルフェニルスルホニルオキシ)フタルイミド、N-(2-フルオロフェニルスルホニルオキシ)フタルイミド、N-(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)ジフェニルマレイミド、N-(カンファスルホニルオキシ)ジフェニルマレイミド、4-メチルフェニルスルホニルオキシ)ジフェニルマレイミド、N-(2-トリフルオロメチルフェニルスルホニルオキシ)ジフェニルマレイミド、N-(4-フルオロフェニルスルホニルオキシ)ジフェニルマレイミド、N-(4-フルオロフェニルスルホニルオキシ)ジフェニルマレイミド、N-(フェニルスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボキシイミド、N-(4-メチルフェニルスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボキシイミド、N-(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボキシイミド、N-(ノナフルオロブタンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボキシイミド、N-(カンファスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボキシイミド、N-(カンファスルホニルオキシ)-7-オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボキシイミド、N-(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)-7-オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボキシイミド、N-(4-メチルフェニルスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボキシイミド、N-(4-メチルフェニルスルホニルオキシ)-7-オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボキシイミド、N-(2-トリフルオロメチルフェニルスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボキシイミド、N-(2-トリフルオロメチルフェニルスルホニルオキシ)-7-オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボキシイミド、N-(4-フルオロフェニルスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボキシイミド、N-(4-フルオロフェニルスルホニルオキシ)-7-オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボキシイミド、N-(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン-5,6-オキシ-2,3-ジカルボキシイミド、N-(カンファスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン-5,6-オキシ-2,3-ジカルボキシイミド、N-(4-メチルフェニルスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン-5,6-オキシ-2,3-ジカルボキシイミド、N-(2-トリフルオロメチルフェニルスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン-5,6-オキシ-2,3-ジカルボキシイミド、N-(4-フルオロフェニルスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン-5,6-オキシ-2,3-ジカルボキシイミド、N-(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)ナフチルジカルボキシイミド、N-(カンファスルホニルオキシ)ナフチルジカルボキシイミド、N-(4-メチルフェニルスルホニルオキシ)ナフチルジカルボキシイミド、N-(フェニルスルホニルオキシ)ナフチルジカルボキシイミド、N-(2-トリフルオロメチルフェニルスルホニルオキシ)ナフチルジカルボキシイミド、N-(4-フルオロフェニルスルホニルオキシ)ナフチルジカルボキシイミド、N-(ペンタフルオロエチルスルホニルオキシ)ナフチルジカルボキシイミド、N-(ヘプタフルオロプロピルスルホニルオキシ)ナフチルジカルボキシイミド、N-(ノナフルオロブチルスルホニルオキシ)ナフチルジカルボキシイミド、N-(エチルスルホニルオキシ)ナフチルジカルボキシイミド、N-(プロピルスルホニルオキシ)ナフチルジカルボキシイミド、N-(ブチルスルホニルオキシ)ナフチルジカルボキシイミド、N-(ペンチルスルホニルオキシ)ナフチルジカルボキシイミド、N-(ヘキシルスルホニルオキシ)ナフチルジカルボキシイミド、N-(ヘプチルスルホニルオキシ)ナフチルジカルボキシイミド、N-(オクチルスルホニルオキシ)ナフチルジカルボキシイミド、またはN-(ノニルスルホニルオキシ)ナフチルジカルボキシイミドを例示することができる。
ハロゲン含有化合物としては、ハロアルキル基含有炭化水素化合物、ハロアルキル基含有ヘテロ環状化合物を挙げることができる。
ジアゾメタン化合物としては、ビス(トリフルオロメチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(フェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(p-トリルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(2,4-キシリルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(p-クロロフェニルスルホニル)ジアゾメタン、メチルスルホニル-p-トルエンスルホニルジアゾメタン、シクロヘキシルスルホニル(1,1-ジメチルエチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(1,1-ジメチルエチルスルホニル)ジアゾメタン、またはフェニルスルホニル(ベンゾイル)ジアゾメタンを例示することができる。
スルホン化合物としては、β-ケトスルホン化合物、β-スルホニルスルホン化合物、ジアリールジスルホン化合物が例示することができる。
スルホン酸エステル化合物としては、アルキルスルホン酸エステル、ハロアルキルスルホン酸エステル、アリールスルホン酸エステル、またはイミノスルホネートを例示することができる。
カルボン酸エステル化合物としては、カルボン酸o-ニトロベンジルエステルを例示するすることができる」。
これら(A)酸発生剤は、単独、または2種類以上を組み合わせて用いてもよい。パターン形成用組成物からなる膜の露光感度を向上させル効果が大きいことより、好ましくは、オキシムスルホネート化合物、オニウム塩、スルホン酸エステル化合物であり、特に好ましくは、オキシムスルホネート化合物である。
パターン形成用組成物中の(A)酸発生剤の含有は、本発明の含フッ素重合体(1)を基準とする質量%で表して、好ましくは0.1%以上、10%以下、より好ましくは1%以上、5%以下である。(A)酸発生剤の含有量を上述の範囲とすることで、パターン形成用組成物の高い露光感度が得られ、撥液部位と親液部位による、より高精細なパターン形成膜が得られる。
本発明のパターン形成用組成物に成分として用いる(B)有機溶剤としては、パターン形成用組成物の各成分を溶解または分散することができればよく、アルコール類、エーテル類、ジエチレングリコールアルキルエーテル類、エチレングリコールアルキルエーテルアセテート類、プロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、プロピレングリコールモノアルキルエーテルプロピオネート類、脂肪族炭化水素類、芳香族炭化水素類、ケトン類またはエステル類等を挙げることができる。
以下、各々の(B)有機溶剤を示す。
アルコール類としては、長鎖アルキルアルコール類、芳香族アルコール類、エチレングリコールモノアルキルエーテル類、プロピレングリコールモノアルキルエーテル類;、プロピレングリコールモノアルキルエーテルを挙げることができる。
エーテル類としては、テトラヒドロフラン、ヘキシルメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテル、または1,4-ジオキサンを例示することができる。
ジエチレングリコールアルキルエーテル類としては、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、またはジエチレングリコールエチルメチルエーテル等を例示することができる。
エチレングリコールアルキルエーテルアセテート類としては、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、またはエチレングリコールモノエチルエーテルアセテーを例示することができる。
プロピレングリコールモノアルキルエーテルプロピオネート類としては、プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールモノエチルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルプロピオネート、またはプロピレングリコールモノブチルエーテルプロピオネートを例示することができる。
脂肪族炭化水素類としては、n-ペンタン、n-ヘキサン、n-ヘプタン、n-オクタン、n-ノナン、n-デカン、n-ウンデカン、n-ドデカン、シクロヘキサン、またはデカリンを例示することができる。
芳香族炭化水素類としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、n-プロピルベンゼン、i-プロピルベンゼン、n-ブチルベンゼン、メシチレン、クロロベンゼン、またはジクロロベンゼンを例示することができる。
ケトン類としては、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、2-ヘプタノン、または4-ヒドロキシ-4-メチル-2-ペンタノンを例示することができる。
エステル類としては、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸i-プロピル、酢酸ブチル、2-ヒドロキシプロピオン酸エチル、2-ヒドロキシ-2-メチルプロピオン酸メチル、2-ヒドロキシ-2-メチルプロピオン酸エチル、ヒドロキシ酢酸メチル、ヒドロキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸プロピル、乳酸ブチル、3-ヒドロキシプロピオン酸メチル、3-ヒドロキシプロピオン酸エチル、3-ヒドロキシプロピオン酸プロピル、3-ヒドロキシプロピオン酸ブチル、2-ヒドロキシ-3-メチルブタン酸メチル、メトキシ酢酸メチル、メトキシ酢酸エチル、メトキシ酢酸プロピル、メトキシ酢酸ブチル、エトキシ酢酸メチル、エトキシ酢酸エチル、エトキシ酢酸プロピル、エトキシ酢酸ブチル、プロポキシ酢酸メチル、プロポキシ酢酸エチル、プロポキシ酢酸プロピル、プロポキシ酢酸ブチル、ブトキシ酢酸メチル、ブトキシ酢酸エチル、ブトキシ酢酸プロピル、ブトキシ酢酸ブチル、2-メトキシプロピオン酸メチル、2-メトキシプロピオン酸エチル、2-メトキシプロピオン酸プロピル、2-メトキシプロピオン酸ブチル、2-エトキシプロピオン酸メチル、または2-エトキシプロピオン酸エチルを例示することができる。
これら(B)有機溶剤は、単独、または2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明のパターン形成用組成物に成分として用いる(C)クエンチャーは、膜とした際の露光時に(A)酸発生剤からの酸の拡散を防止する酸拡散抑制材として機能するものであり、露光により感光し弱酸を発生する光崩壊性塩基を挙げることができる。光崩壊性塩基として、好ましくはオニウム塩化合物である。
(C)クエンチャーは、単独、または2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
パターン形成用組成物中の(C)クエンチャーの含有は、含フッ素重合体(1)100質量部に対して、好ましくは0.001質量部~5質量部であり、より好ましくは0.005質量部~3質量部である。(C)クエンチャーの含有を上述の範囲とすることで、本発明のパターン形成用組成物を露光した後のパターン形成膜において撥液部位と親液部位の境界が明確となり、インク塗布後のパターンのコントラストが向上し、精緻なパターンが得られる。
本発明のパターン形成用組成物に成分として用いる(D)増感剤は、パターン形成用組成物の露光感度をより向上させたい際に加えるものである。(D)増感剤は、光線または放射線を吸収して励起状態となる化合物であることが好ましい。(D)増感剤は励起状態となることで、(A)酸発生剤と接触した際、電子移動、エネルギー移動または発熱等を生じ、これにより、(A)酸発生剤は分解し酸を生成し易くなる。(D)増感剤は、350nm~450nmの領域に吸収波長を有すればよく、多核芳香族類、キサンテン類、キサントン類、シアニン類、メロシアニン類、ローダシアニン類、オキソノール類、チアジン類、アクリジン類、アクリドン類、アントラキノン類、スクアリウム類、スチリル類、ベーススチリル類、またはクマリン類を挙げることができる。
キサントン類としては、キサントン、チオキサントン、ジメチルチオキサントン、ジエチルチオキサントン、またはイソプロピルチオキサントンを例示することができる。
スクアリウム類としては、スクアリウムを例示することができる。
ベーススチリル類としては、2-[2-[4-(ジメチルアミノ)フェニル]エテニル]ベンゾオキサゾールを例示することができる。
本発明のパターン形成用組成物として使用する(D)増感剤としては、露光感度向上の効果が大きいことより、好ましくは、多核芳香族類、アクリドン類、スチリル類、ベーススチリル類、クマリン類、またはキサントン類であり、特に好ましくはキサントン類である。キサントン類の中でもジエチルチオキサントンおよびイソプロピルチオキサントンが好ましい。
(D)増感剤の含有は、含フッ素重合体(1)100質量部に対して、好ましくは0.1質量部~8質量部であり、より好ましくは1質量部~4質量部である。(D)増感剤の含有を上述の範囲とすることで、パターン形成用組成物の露光感度を向上させ、本発明のパターン形成用組成物を露光した後のパターン形成膜において撥液部位と親液部位の境界が明確となり、インク塗布後のパターンのコントラストが向上し、精緻なパターンが得られる。
本発明のパターン形成用組成物に成分として用いる(E)重合性化合物は、得られるパターン形成膜をより硬くするために、パターン形成用組成物に含有させるものである。(E)重合性化合物は、含フッ素重合体(1)以外の、エチレン性不飽和結合を有する化合物である。このような(E)重合性化合物としては、重合性が良好であり、パターン形成用組成物から得られるパターン形成膜がより硬くなることから、単官能または2官能以上の、アクリル酸エステル類およびメタクリル酸エステルを挙げることができる。
単官能アクリル酸エステルとしては、2-ヒドロキシエチルアクリレート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアクリレート、(2-アクリロイルオキシエチル)(2-ヒドロキシプロピル)フタレート、または(2-メタクリロイルオキシエチル)(2-ヒドロキシプロピル)フタレートを例示することができる。
2官能アクリル酸エステルとしては、エチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、1,6-ヘキサンジオールジアクリレート、または1,9-ノナンジオールジアクリレートを例示することができる。
3官能以上のアクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステルとしては、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合物、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、エチレンオキサイド変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、トリ(2-アクリロイルオキシエチル)フォスフェート、トリ(2-メタクリロイルオキシエチル)フォスフェート、コハク酸変性ペンタエリスリトールトリアクリレート、コハク酸変性ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレートの、または直鎖アルキレン基および脂環式構造を有し、かつ2個以上のイソシアネート基を有する化合物と、分子内に1個以上の水酸基とを有し、かつ3個、4個または5個の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する化合物と反応させて得られる多官能ウレタンアクリレート系化合物を例示することができる。
これら(E)重合性化合物は、単独、または2種類以上を組み合わせて用いてもよい。(E)重合性化合物の含有は、含フッ素重合体(1)100質量部に対して、好ましくは1質量部~300質量部であり、さらに好ましくは、3質量部~200質量部であり、特に好ましくは5質量部~100質量部である。(E)重合性化合物の使用量を上述の範囲内とすることで、パターン形成用組成物から得られるパターン形成膜をより硬くすることができる。
4‐1.パターン形成方法
本発明のパターン形成方法は、以下の2種類のパターン形成方法(A)、(B)が挙げられる。パターン形成方法(A)はマスクを用いる方法であり、パターン形成方法(B)は描画装置を用いる方法である。
本発明のパターン形成用組成物を基板上に塗布し得られた塗膜を加熱(プレベーク)する工程である製膜工程と、
次いで、製膜工程で得られた膜にマスクを介して波長150nm以上、500nm以下の光を照射し露光し、マスクを介して膜に照射露光し、マスクのパターンを膜に転写し、撥液部と親液部を有するパターン形成膜を得、
得られたパターン形成膜にインクを塗布するパターン形成工程を含む。
本発明のパターン形成用組成物を基板上に塗布し得られた塗膜を加熱(プレベーク)する工程である製膜工程と、
次いで、波長150nm以上、500nm以下の光を描画装置により膜に走査露光して、パターンを膜に描画し、撥液部と親液部を有するパターン形成膜を得、
得られたパターン形成膜にインクを塗布するパターン形成工程を含む。
製膜工程は、上述の本発明のパターン形成用組成物を基板に塗布し、得られた塗膜を加熱(プレベーク)する工程である。
第1工程で用いる基板としては、従来、電子回路に用いられてきた、樹脂製基板、ガラス基板、石英、シリコン等の半導体基板がをあげることができる。樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエーテルスルホン、ポリカーボネート、またはポリイミドを例示することができる。
パターン形成組成物の基板への塗布方法としては、特に限定されず、はけまたはブラシを用いた塗布、ディッピング法、スプレー法、ロールコート法、回転塗布法(スピンコート法)、スリットダイ塗布法、バー塗布法、フレキソ印刷、オフセット印刷、インクジェット印刷、ディスペンス法を挙げることができる。本発明のパターンの形成方法において、好ましくはスピンコート法が好ましい。
上記工程で形成される塗膜の厚みは、所望の用途に応じ適宜調整すればよい。本発明のパターン形成方法において、好ましくは0.1μm~20μmである。
用いるパターン形成用組成物の組成等によっても異なるが、本発明のパターン形成方法におけるプレベークの条件は、好ましくは加熱温度60℃~120℃、加熱時間1分間~10分間である。
パターン形成工程は、製膜工程で得られた膜にマスクを介して波長150nm以上、500nm以下の光を照射し露光し、マスクのパターンを膜に転写し、撥液部と親液部を有するパターン形成膜を得、
または、波長150nm以上、500nm以下の光描画装置により膜に走査露光して、パターンを膜に描画し、撥液部と親液部を有するパターン形成膜を得、
得られたパターン形成膜にインクを塗布しインクによるパターンを得る工程である。
露光は、所望のパターンと同様のパターンの露光部が形成されるように、所定のパターンを有するフォトマスクを介して露光する、または直描式露光装置を用いて所定のパターンを走査することで行う。
露光後のパターン形成膜は加熱することが好ましい。露光後のパターン形成膜を加熱することで、露光部において含フッ素重合体(1)から解離した酸解離性基による成分をさらに揮発させることができ、露光された凹部と、未露光の凸部からなる、より精緻なパターンが得られる。
パターンの形成は、得られたパターン形成膜にインクを塗布しインクによるパターンを得ることでなされる。
本発明のパターン形成方法において、インクとして導電性インク用いることで、基板上に導電性パターンを形成することができる。
本発明のパターン形成方法において基板上に導電性パターンからなる電機回路を形成し、電子デバイスを製造することができる。
5-1.含フッ素単量体(6)
本発明の式(6)で表される含フッ素単量体を以下に示す。以下、含フッ素単量体(6)と呼ぶことがある。
[含フッ素単量体(6)の合成]
含フッ素単量体(6)は、以下の式に示す様に、溶媒下または無溶媒下において、ビニルエーテル基を有する化合物(8)と含フッ素アルコール(9)の付加反応によるアセタール化、または水酸基を有する化合物(10)と含フッ素化合物(7)の付加反応によるアセタール化で合成可能である。
上記酸触媒は特に限定されず、無機酸及び有機酸のいずれも使用することができる。無機酸としては、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、ホウ酸 またはゼオライトを例示することができる。
溶媒としては、前記アセタール化反応に不活性な溶媒であればよい。溶媒としては、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、ハロゲン化炭化水素またはエーテル類を挙げることができる。
6-1.含フッ素化合物(7)
本発明の式(7)で表される含フッ化合物は、含フッ素単量体(6)の前駆体としての化合物である。以下、式(7)で表される含フッ素化合物を、含フッ素化合物(7)と呼ぶことがある。
含フッ素化合物(7)は、ビニルエーテル骨格を有する含フッ素化合物である。
フッ素を含まないビニルエーテルは、カルボン酸ビニルエステルとアルコールを遷移金属触媒の存在下、以下の反応で得られることが知られている。特開2003-073321、非特許文献 J.AM.CHEM.SOC(Vol124,2002,p1591に記載のように、遷移金属触媒としては、イリジウム、ロジウム、ルテニウム、白金、パラジウムなどが用いられる。
発明者らが鋭意検討を重ねた結果、金属触媒を選択し、溶媒中、塩基性条件下で行うことより、含フッ素化合物(7)が下記に示す式で収率高く合成可能であることを見出し、本発明の含フッ素化合物(7)を合成するに至った。
金属触媒としては、好ましくはイリジウム化合物などの周期表VIII族元素化合物であり、特に好ましくはイリジウムである。金属触媒の量は、カルボン酸ビニルエステルと含フッ素アルコールを合わせた量に対し、好ましくは1質量%以上、20質量%以下であり、特に好ましくは、1質量%以上、5質量%以下である。
塩基としては、無機塩基または有機塩基のいずれも使用できる。炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムまたは炭酸水素リチウムを例示することができる。好ましくは、炭酸ナトリウムまたは炭酸水素ナトリウムである。塩基の量は、カルボン酸ビニルエステルと含フッ素アルコールを合わせた量に対し、好ましくは1.5モル以上、10モル以下であり、特に好ましくは、1.5モル以上、3モル以下である。
溶媒としては、本アセタール化反応に不活性であればよく、直鎖状または分岐鎖状の脂肪族炭化水素、環状の脂肪族炭化水素; 芳香族炭化水素、ハロゲン化炭化水素、エーテル類を挙げることができる。直鎖状又は分岐鎖状の脂肪族炭化水素としてヘキサンまたはヘプタン、環状の脂肪族炭化水素として、シクロヘキサンまたはメチルシクロヘキサン、芳香族炭化水素として、ベンゼン、トルエンまたはキシレン、ハロゲン化炭化水素として、塩化メチレン、 エーテル類として、テトラヒドロフラン、またはエチレングリコールジメチルエーテルを挙げることができる。脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素が好ましく、シクロヘキサン、トルエンなどが好ましいが、含フッ素化合物(7)の沸点により分離しやすい溶媒を選択する。
7-1.含フッ素環状化合物(5B)
含フッ素環状化合物(5B)は、本発明の含フッ素重合体(1)、含フッ素単量体(6)、含フッ素化合物(7)に、Rf1とRf2を連結させた式(5)で表される基を導入するための化合物である。
含フッ素環状化合物(5B)は、以下の反応に示す様に、ラジカル開始剤として過酸化物を用い。オクタフルオロシクロペンテンとアルコールを反応させることで得られる。アルコールとしては、メタノール、エタノールまたはイソプロパノールを例示することができる。
また、Rがともにメチル基である含フッ素環状化合物(5B)は、特開2003-300939号公報に記載されている。
6-2項に示した反応と同様に、以下の反応に従い、式(5)で表される基を導入した含フッ素化合物(7A)が得られる。
含フッ素重合体(1)を得るための前駆体としての、前述の式(6)で表される含フッ素単量体に属する、含フッ素単量体-1~159を合成した。
攪拌機付き300mlガラス製フラスコに、メタクリル酸ビニル(東京化成株式会社製、以下同じ)、33.6g(0.3mol)、ヘキサフルオロイソプロパノール(セントラル硝子株式会社製、以下同じ)、52.9g(0.315mol)を入れた後、硫酸、0.74g(7.5mmol)を徐々に加え、反応温度40 ℃ で6 時間攪拌し、以下の式に示す反応を行った。
1H-NMR(溶媒:重クロロホルム,基準物質:TMS);δ(ppm)1.53(3H,d),1.94(3H,s),4.80(1H,m)5.65(1H,q)6.10
(1H,q)6.20(1H,s)
19F-NMR(溶媒:重クロロホルム,基準物質:C6D6);δ(ppm)-74
.5 (6F,s)
前述の含フッ素単量体-1の合成において使用したヘキサフルオロイソプロパノールの替わりに、1,2,2,3,3,4,4,5-オクタフルオロシクロペンタンメタノールを用いた以外は、含フッ素単量体-1の合成の際と同様の手順で、以下の式に示す反応を行い、含フッ素単量体-2を合成した。
窒素雰囲気下、100mlのステンレス鋼製耐圧容器に室温でメタノール10.5ml(0.25mol)、ベンゾイルパーオキシド(BPO)0.37g(0.0015mol)、オクタフルオロシクロペンテン(セントラル硝子株式会社製、以下同じ)10.4g(0.04mol)を加え容器を密封し、120℃まで加熱した後に24時間攪拌し、以下の反応を行った。容器を冷却後、内容物を常圧蒸留し、1,2,2,3,3,4,4,5-オクタフルオロシクロペンタンメタノール、9.6gを収率80%で得た。
1 H-NMR(CDCl3 ,TMS基準)
syn-異性体:δ:5.22(1H,m),4.21-4.05(1H,m),2.31(6H,br-s)
anti-異性体:δ:5.10(1H,m),4.21-4.05(1H,m),2.31(6H,br-s)
前述の含フッ素単量体-1の合成において使用したヘキサフルオロイソプロパノールの替わりに、1,2,2,3,3,4,4,5-オクタフルオロジメチルシクロペンタンメタノールを用いた以外は、含フッ素単量体-1の合成と同様の手順で、以下の式に示す反応を行い、含フッ素単量体-3を合成した。
窒素雰囲気下、200mlのステンレス鋼製耐圧容器に室温でイソプロパノール77.28g(1.3mol)、ベンゾイルパーオキシド(BPO)16.9g(0.070mol)、オクタフルオロシクロペンテン、50.86g(0.23mol)を加え容器を密封し、120℃まで加熱した後に24時間攪拌し以下の反応を行った。反応器を冷却後、内容物を常圧蒸留し、1,2,2,3,3,4,4,5-オクタフルオロジメチルシクロペンタンメタノール、51.8gを収率80%で得た。
1 H-NMR(CDCl3 ,TMS基準)
syn-異性体:δ:5.17(1H,m),2.17(1H,s),1.52(6H,s)
anti-異性体:δ:5.48(1H,m),1.94(1H,d,J=3.2Hz),1.55(6H,s)
攪拌機付き300mlガラス製フラスコに、メタクリル酸2-ビニルオキシエチル(東京化成株式会社製)、31g(0.2mol)、ヘキサフルオロイソプロパノール、90g(0.54mol)を入れた後、50℃で30時間攪拌し、以下に示す反応を行った。
1H-NMR(溶媒:重クロロホルム,基準物質:TMS);δ(ppm)1.43(3H,d),1.94(3H,s),3.80(2H,m)、4.29(2H,t),4.48(1H,m)、5.08(1H,q)、5.59(1H,m)、6.11(1H,s)
19F-NMR(溶媒:重クロロホルム,基準物質:C6D6);δ(ppm)-73.9 (6F,s)
前述の単量体-4の合成において使用したヘキサフルオロイソプロパノールの替わりに、1,2,2,3,3,4,4,5-オクタフルオロシクロペンタンメタノールを用いた以外は、以下の式に示す反応を行い、含フッ素単量体-1の合成の際と同様の手順で、以下の式に示す反応を行い、含フッ素単量体-5を合成した。
前述の含フッ素単量体-4の合成において使用したヘキサフルオロイソプロパノールの替わりに、1,2,2,3,3,4,4,5-オクタフルオロジメチルシクロペンタンメタノールを用いた以外は、含フッ素単量体-4の合成の際と同様の手順で、以下の式に示す反応を行い、含フッ素単量体-6を合成した。
[ビニルエーテル-1の合成]
先ず、前述の式(6)で表される含フッ素単量体の原料である、式(7)で表される含フッ素化合物に属する、ヘキサフルオロイソプロピルビニルエーテル(以下、ビニルエーテル-1と呼ぶことがある)を合成した。
1H-NMR(溶媒:重クロロホルム,基準物質:TMS);δ(ppm)4.35(1H,dd),4.40(1H,m)、4.65(1H,dd)、6.15(1H,dd)19F-NMR(溶媒:重クロロホルム,基準物質:C6D6);δ(ppm)-74.2 (6F,s)
攪拌機付き300mlガラス製フラスコに、ヒドロキシフェニルメタクリレート、17.8g(0.1mol)、ビニルエーテル-1、19.4g(0.1mol)、テトラヒドロフラン(THF)50mlを入れた後、硫酸、0.25g(2.5mmol)を徐々に加え、反応温度、50℃で6時間攪拌し、以下に示す反応を行った。
[ビニルエーテル-2の合成]
先ず、前述の式(6)で表される含フッ素単量体に属する含フッ素重合体の原料である、式(7)で表される含フッ素化合物に属する、1,2,2,3,3,4,4,5-オクタフルオロシクロペンタンメチルビニルエーテル(以下、ビニルエーテル-2と呼ぶことがある)を合成した。
前述の含フッ素単量体-7の合成において使用したヘキサフルオロイソプロピルビニルエーテルの替わりにビニルエーテル-2を用いた以外は、含フッ素単量体-7の合成と同様の手順で、以下の式に示す反応を行い、含フッ素単量体-8を合成した。
[ビニルエーテル-3の合成]
先ず、前述の式(6)で表される含フッ素単量体に属する含フッ素重合体の原料である、式(7)で表される含フッ素化合物に属する、ビニルエーテル-3を合成した。
前述の含フッ素単量体-7の合成において使用したヘキサフルオロイソプロピルビニルエーテルの替わりにビニルエーテル3を用いた以外は、含フッ素単量体-7の合成と同様の手順で、以下の式に示す反応を行い、含フッ素単量体-9を合成した。
[含フッ素単量体-10の合成]
前述の含フッ素単量体-1の合成において使用したヘキサフルオロイソプロパノールの替わりに、ヘキサフルオロ-tert-ブタノール(セントラル硝子株式会社製)を用いた以外は、含フッ素単量体-1の合成の際と同様の手順で、以下の式に示す反応を行い、含フッ素単量体-10を合成した。
1H-NMR(溶媒:重クロロホルム,基準物質:TMS);δ(ppm)1.53(3H,d),1.94(3H,s), 2.01(3H,s), 5.65(1H,q), 6.10(1H,q)6.20(1H,d)
19F-NMR(溶媒:重クロロホルム,基準物質:C6D6);δ(ppm)-75
.5 (6F,s)
[フルオロアクリル酸の合成]
非特許文献:Organic & Biomolecular Chemistry,13(3),717-728;2015記載の方法に従い、フルオロアクリル酸メチル(セントラル硝子株式会社製)の加水分解を行い、フルオロアクリル酸を得た。
1H-NMR(溶媒:重クロロホルム,基準物質:TMS);δ(ppm)1.53(3H,d),1.94(3H,s),4.80(1H,m),5.34(1H,q)5.67
(1H,q)5.79(1H,s)
19F-NMR(溶媒:重クロロホルム,基準物質:C6D6);δ(ppm)-115
.8(1F,s), -74.5 (6F,s)
[含フッ素単量体-12の合成]
前述の含フッ素単量体-11の合成において使用したヘキサフルオロイソプロピルビニルエーテルの替わりにビニルエーテル-2を用いた以外は、含フッ素単量体-11の合成と同様の手順で、以下の式に示す反応を行い、含フッ素単量体-12を合成した。
[含フッ素単量体-13の合成]
前述の含フッ素単量体-11の合成において使用したヘキサフルオロイソプロピルビニルエーテルの替わりにビニルエーテル-3を用いた以外は、含フッ素単量体-11の合成と同様の手順で、以下の式に示す反応を行い、含フッ素単量体-13を合成した。
[ビニルエーテル-4の合成]
先ず、前述の式(6)で表される含フッ素単量体に属する含フッ素重合体の原料である、式(7)で表される含フッ素化合物に属する、ビニルエーテル-4を合成した。
前述の含フッ素単量体-11の合成において使用したヘキサフルオロイソプロピルビニルエーテルの替わりにビニルエーテル-4を用いた以外は、含フッ素単量体-11の合成と同様の手順で、以下の式に示す反応を行い、含フッ素単量体-14を合成した。
本発明の含フッ素単量体-1~14と比較するために、式(6)で表される含フッ素単量体に属さない比較単量体1-3を合成した。
前述の含フッ素単量体-1の合成において使用したヘキサフルオロイソプロパノールの替わりにトリフルオロエタノールを用いた以外は、含フッ素単量体-1の合成と同様の手順で、以下の式に示す反応を行い、比較単量体-1を合成した。
前述の含フッ素単量体-1の合成において使用したヘキサフルオロイソプロパノールの替わりに2,2,2,3,3,3,4,4,4-ヘプタフルオロ-1-ブタノールを用いた以外は、含フッ素単量体-1の合成と同様の手順で、以下の式に示す反応を行い、比較単量体-2を合成した。
前述の含フッ素単量体-1の合成において使用したヘキサフルオロイソプロパノールの替わりに3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8-トリデカフルオロ-1-ビニルオキシオクタノールを用いた以外は、含フッ素単量体-1の合成と同様の手順で、以下の式に示す反応を行い、比較単量体-3を合成した。
含フッ素単量体1~159、比較単量体1~3、および比較単量体4としてのメタクリル酸ヘキサフルオロイソプロピル(セントラル硝子株式会社製、商品名、HFIP-M)を用いて、含フッ素重合体-1~15および比較重合体1~4を合成した。含フッ素重合体1~14は、含フッ素重合体(1)に属する。比較単量体1~4は、本発明の含フッ素重合体1~14と比較するためのものであり、含フッ素重合体(1)に属さない。
<NMR>
重合体における繰り返し組成の組成は、NMRによる1H-NMRおよび19F-NMRの測定値により決定した。
<分子量>
重合体の数平均分子量Mnと分子量分散(数平均分子量Mnと質量平均分子量Mwの比=Mw/Mn)は、高速ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(東ソー株式会社製、形式HLC-8320GPC)を使用し、東ソー株式会社製ALPHA-MカラムとALPHA-2500カラムを1本ずつ直列に繋ぎ、展開溶媒としてテトラヒドロフランを用いて測定した。検出器には、屈折率差測定検出器を用いた。
攪拌機付き300mlガラス製フラスコ中に、室温で、含フッ素単量体-1、28.0g(0.1mol)、メタクリル酸ブチル(MA-BU)、14.2g(0.1mol)、溶媒として2-ブタノン、80gを加え、濃度33質量%のブタノン溶液とした。重合開始剤として2,2’-アゾビス(イソブチロニトリル)(以下、AIBNと呼ぶことがある、和光純薬株式会社製)、0.8(0.005mol)g加え、撹拌しながら脱気した後に、フラスコ内を窒素ガスで置換し、温度80℃に昇温した後6時間反応させた。反応終了後の内容物を、n-ヘプタン500gに滴下し、白色の沈殿を得た。この沈殿を濾別し、温度60℃下にて減圧乾燥を行い、含フッ素単量体-1およびMA-Buに基づく繰り返し単位を含む含フッ素重合体-1を、白色固体として36gを収率85%で得た。
<NMR測定結果>
含フッ素重合体-1中の、各繰り返し単位の組成比をNMRにより測定した。測定結果は、mol%で表わして、含フッ素単量体-1による繰り返し単位:MA-BUによる繰り返し単位=47:53であった。
<GPC測定結果>
GPC測定結果はMw=22,200、Mw/Mn=2.2であった。
前述の含フッ素重合体-1の合成において使用した含フッ素単量体-1の替わりに、含フッ素単量体-2を用いた以外は、含フッ素単量体-1の合成と同様の手順で含フッ素重合体-2を合成し、含フッ素重合体-2を収率80%で得た。
<NMR測定結果>
含フッ素重合体-2中の、各繰り返し単位の組成比をNMRにより測定した。測定結果は、mol%で表わして、含フッ素単量体-2による繰り返し単位:MA-BUによる繰り返し単位=45:55であった。
<GPC測定結果>
GPC測定結果はMw=22,700、Mw/Mn=2.1であった。
前述の含フッ素重合体-1の合成において使用した含フッ素単量体-1の替わりに、含フッ素単量体-3を用いた以外は、含フッ素単量体-1の合成と同様の手順で含フッ素重合体-3を合成し、含フッ素重合体-3を収率71%で得た。
<NMR測定結果>
含フッ素重合体-3中の、各繰り返し単位の組成比をNMRにより測定した。測定結果は、mol%で表わして、含フッ素単量体-3による繰り返し単位:MA-BUによる繰り返し単位=47:53であった。
<GPC測定結果>
GPC測定結果はMw=23,700、Mw/Mn=2.9であった。
前述の含フッ素重合体-1の合成において使用した含フッ素単量体-1の替わりに、含フッ素単量体-4を用いた以外は、含フッ素単量体-1の合成と同様の手順で含フッ素重合体-4を合成し、含フッ素重合体-4を収率80%で得た。
<NMR測定結果>
含フッ素重合体-4中の、各繰り返し単位の組成比をNMRにより測定した。測定結果は、mol%で表わして、含フッ素単量体-4による繰り返し単位:MA-BUによる繰り返し単位=50:50であった。
<GPC測定結果>
GPC測定結果はMw=23,100、Mw/Mn=2.2であった。
前述の含フッ素重合体-1の合成において使用した含フッ素単量体-1の替わりに、含フッ素単量体-5を用いた以外は、含フッ素単量体-1の合成と同様の手順で含フッ素重合体-5を合成し、含フッ素重合体-5を収率78%で得た。
<NMR測定結果>
含フッ素重合体-5中の、各繰り返し単位の組成比をNMRにより測定した。測定結果は、mol%で表わして、含フッ素単量体-5による繰り返し単位:MA-BUによる繰り返し単位=48:52であった。
<GPC測定結果>
GPC測定結果はMw=22,700、Mw/Mn=2.3であった。
前述の含フッ素重合体-1の合成において使用した含フッ素単量体-1の替わりに、含フッ素単量体-6を用いた以外は、含フッ素単量体-1の合成と同様の手順で含フッ素重合体-6を合成し、含フッ素重合体-6を収率69%で得た。
<NMR測定結果>
含フッ素重合体-6中の、各繰り返し単位の組成比をNMRにより測定した。測定結果は、mol%で表わして、含フッ素単量体-6による繰り返し単位:MA-BUによる繰り返し単位=45:55であった。
<GPC測定結果>
GPC測定結果はMw=21,200、Mw/Mn=1.9であった。
前述の含フッ素重合体-1の合成において使用した含フッ素単量体-1の替わりに、含フッ素単量体-7を用いた以外は、含フッ素単量体-7の合成と同様の手順で含フッ素重合体-7を合成し、含フッ素重合体-7を収率83%で得た。
<NMR測定結果>
含フッ素重合体-7中の、各繰り返し単位の組成比をNMRにより測定した。測定結果は、mol%で表わして、含フッ素単量体-7による繰り返し単位:MA-BUによる繰り返し単位=51:49であった。
<GPC測定結果>
GPC測定結果はMw=20,100、Mw/Mn=2.5であった。
前述の含フッ素重合体-1の合成において使用した含フッ素単量体-1の替わりに、含フッ素単量体-8を用いた以外は、含フッ素単量体-1の合成と同様の手順で含フッ素重合体-8を合成し、含フッ素重合体-8を収率76%で得た。
<NMR測定結果>
含フッ素重合体-8中の、各繰り返し単位の組成比をNMRにより測定した。測定結果は、mol%で表わして、含フッ素単量体-8による繰り返し単位:MA-BUによる繰り返し単位=48:52であった。
<GPC測定結果>
GPC測定結果はMw=21,100、Mw/Mn=2.4であった。
前述の含フッ素重合体-1の合成において使用した含フッ素単量体-1の替わりに、含フッ素単量体-9を用いた以外は、含フッ素単量体-1の合成と同様の手順で含フッ素重合体-9を合成し、含フッ素重合体-9を収率72%で得た。
<NMR測定結果>
含フッ素重合体-9中の、各繰り返し単位の組成比をNMRにより測定した。測定結果は、mol%で表わして、含フッ素単量体-9による繰り返し単位:MA-BUによる繰り返し単位=46:54であった。
<GPC測定結果>
GPC測定結果はMw=23,700、Mw/Mn=2.9であった。
攪拌機付き300mlガラス製フラスコ中に、ポリビニルフェノール(丸善石油化学株式会社製、商品名、マルカリンカーS-4P)、10gを加え、テトラヒドロフラン100gで溶解し、ヘキサフルオロイソプロピルビニルエーテル(ビニルエーテル1)19.4g(0.1mol)を加え、攪拌した後にトリフルオロ酢酸、0.5gを加え、窒素雰囲気下、50℃で24時間反応させた。反応液を室温まで冷却し、ピリジン0.5gを加え反応を終了させた。得られた反応液を、貧溶媒であるメタノール、600gに滴下し沈殿を析出させ、この沈殿を濾別し、温度60℃下にて減圧乾燥を行い、白色固形状の共重合体として含フッ素重合体-10を得た。
<NMR測定結果>
得られた含フッ素重合体-10について、1H-NMR分析を行い、アセタール化が進行していることを確認した。アセタール基(C-H)の化学シフトは、5.52ppmであった。
<GPC測定結果>
GPC測定結果はMw=24,000、Mw/Mn=2.6であった。
前述の含フッ素重合体-1の合成において使用した含フッ素単量体-1の替わりに、含フッ素単量体-10を用いた以外は、含フッ素単量体-1の合成と同様の手順で含フッ素重合体-11を合成し、含フッ素重合体-11を収率88%で得た。
<NMR測定結果>
含フッ素重合体-11中の、各繰り返し単位の組成比をNMRにより測定した。測定結果は、mol%で表わして、含フッ素単量体-10による繰り返し単位:MA-BUによる繰り返し単位=48:52であった。
<GPC測定結果>
GPC測定結果はMw=21,500、Mw/Mn=1.9であった。
前述の含フッ素重合体-1の合成において使用した含フッ素単量体-1の替わりに、含フッ素単量体-11を用いた以外は、含フッ素単量体-1の合成と同様の手順で含フッ素重合体-12を合成し、含フッ素重合体-12を収率87%で得た。
<NMR測定結果>
含フッ素重合体-12中の、各繰り返し単位の組成比をNMRにより測定した。測定結果は、mol%で表わして、含フッ素単量体-11による繰り返し単位:MA-BUによる繰り返し単位=52:48であった。
<GPC測定結果>
GPC測定結果はMw=23,500、Mw/Mn=2.2であった。
前述の含フッ素重合体-1の合成において使用した含フッ素単量体-1の替わりに、含フッ素単量体-12を用いた以外は、含フッ素単量体-1の合成と同様の手順で含フッ素重合体-13を合成し、含フッ素重合体-13を収率83%で得た。
<NMR測定結果>
含フッ素重合体-13中の、各繰り返し単位の組成比をNMRにより測定した。測定結果は、mol%で表わして、含フッ素単量体-12による繰り返し単位:MA-BUによる繰り返し単位=53:47であった。
<GPC測定結果>
GPC測定結果はMw=22,800、Mw/Mn=2.1であった。
前述の含フッ素重合体-1の合成において使用した含フッ素単量体-1の替わりに、含フッ素単量体-13を用いた以外は、含フッ素単量体-1の合成と同様の手順で含フッ素重合体-14を合成し、含フッ素重合体-14を収率78%で得た。
<NMR測定結果>
含フッ素重合体-14中の、各繰り返し単位の組成比をNMRにより測定した。測定結果は、mol%で表わして、含フッ素単量体-13による繰り返し単位:MA-BUによる繰り返し単位=51:49であった。
<GPC測定結果>
GPC測定結果はMw=21,800、Mw/Mn=2.2であった。
前述の含フッ素重合体-1の合成において使用した含フッ素単量体-1の替わりに、含フッ素単量体-14を用いた以外は、含フッ素単量体-1の合成と同様の手順で含フッ素重合体-15を合成し、含フッ素重合体-15を収率88%で得た。
<NMR測定結果>
含フッ素重合体-15中の、各繰り返し単位の組成比をNMRにより測定した。測定結果は、mol%で表わして、含フッ素単量体-15による繰り返し単位:MA-BUによる繰り返し単位=54:46であった。
<GPC測定結果>
GPC測定結果はMw=20,100、Mw/Mn=2.0であった。
本発明の含フッ素重合体-1~159と比較するために、含フッ素重合体(1)に属さない比較重合体-1~3を合成した。
前述の含フッ素重合体-1の合成において使用した含フッ素単量体-1の替わりに比較単量体-1を用いた以外は、含フッ素重合体-1の合成と同様の手順で、比較重合体-1を合成した。
<NMR測定結果>
比較重合体-1中の、各繰り返し単位の組成比をNMRにより測定した。測定結果は、mol%で表わして、比較単量体-1による繰り返し単位:MA-BUによる繰り返し単位=49:51であった。
<GPC測定結果>
GPC測定結果はMw=22,200、Mw/Mn=2.2であった。
前述の含フッ素重合体-1の合成において使用した含フッ素単量体-2の替わりに比較単量体-2を用いた以外は、含フッ素重合体-1の合成と同様の手順で、比較重合体-2を合成した。
<NMR測定結果>
比較重合体-2中の、各繰り返し単位の組成比をNMRにより測定した。測定結果は、mol%で表わして、比較単量体-1による繰り返し単位:MA-BUによる繰り返し単位=47:53であった。
<GPC測定結果>
GPC測定結果はMw=22,900、Mw/Mn=2.1であった。
前述の含フッ素重合体-1の合成において使用した含フッ素単量体-1の替わりに比較単量体-3を用いた以外は、含フッ素重合体-1の合成と同様の手順で、比較重合体-3を合成した。
<NMR測定結果>
比較重合体-3中の、各繰り返し単位の組成比をNMRにより測定した。測定結果は、mol%で表わして、比較単量体-3による繰り返し単位:MA-BUによる繰り返し単位=52:48であった。
<GPC測定結果>
GPC測定結果はMw=24,200、Mw/Mn=2.5であった。
前述の含フッ素重合体-1の合成において使用した含フッ素単量体-1の替わりに比較単量体-4を用いた以外は、含フッ素重合体-1の合成と同様の手順で、比較重合体-4を合成した。
<NMR測定結果>
比較重合体-4中の、各繰り返し単位の組成比をNMRにより測定した。測定結果は、mol%で表わして、比較単量体-4による繰り返し単位:MA-BUによる繰り返し単位=46:54であった。
<GPC測定結果>
GPC測定結果はMw=23,900、Mw/Mn=2.1であった。
表1に、含フッ素重合体-1~15、比較重合体-1~4の組成および分子量を示す。
6-1.パターン形成用組成物の調製]
含フッ素重合体-1~15および比較重合体-1~4を用いて、本発明のパターン形成用組成物1~15、その比較のための比較組成物1~4を調製した。
[パターン形成用組成物の製膜]
ガラス基板上に、パターン形成用組成物-1~15、比較組成物1~4をスピンナーにより塗布し、100℃に加熱したホットプレート上で2分間乾燥させ、膜厚0.5μmの膜を形成した。塗膜に、高圧水銀ランプを用いて光照射を行い、その後、ホットプレートを用い、加熱温度100℃で5分間乾燥した。
[接触角の測定]
ガラス基板上の膜に対して、水滴、ヘキサデカンまたはPGMEAの液滴を垂らし、接触角計(協和界面科学株式会社製)を用い、露光前後の接触角を測定した。
[膜厚]
露光前後の膜厚を接触式膜厚計で測定し、膜厚減少率(%)を算出した。
結果を表2に示す。パターン形成用組成物-1~15に実施例1~15が、比較組成物-1~4に比較例1~4が対応する。
実施例1、4、7、10、12の、複数のヘキサフルオロイソプロピル基を有する含フッ素重合体-1、4、7、10、12を含むパターン形成用組成物からなる膜は、比較例1~4のパターン形成用組成物に対し、露光前後の膜厚の差が大きく、膜厚減少率に優れていた。このことは、ヘキサフルオロイソプロピル基を有する含フッ素置換基が低分子量なので、露光に脱離し気化しやすいことよると推側された。
[接触角]
比較例1は、本発明に属さない、末端がトリフルオロメチル基1個の比較集合体-1を含むパターン形成用組成物であり、比較例2は、フッ素原子数7個のパーフルオロプロピル基を持つ比較重合体-2を含むパターン形成用組成物である。
Claims (14)
- 式(1)で表される繰り返し単位を含む、含フッ素重合体。
R3は、水素原子または炭素数1~10の有機基であり、前記有機基は、炭化水素基、アルコキシカルボニル基、アセタール基またはアシル基である。
Aは、水素原子、フッ素原子またはメチル基である。
Lは、メチレン基であり、各メチレン基が含む任意の数の水素原子がメチル基に置換されていてもよい。
nは、0~1の整数である。
Pは、以下の式(2)~式(4)で表される、いずれかの基である。
Rf1とRf2が連結して環を形成していない場合、Rf1、Rf2及びAのフッ素原子の合計数が6である。)
- 式(1A)で表される繰り返し単位を含む、請求項1に記載の含フッ素重合体。
Yは、単結合、オキシエチレン基(-O-CH2-CH2-)、またはオキシフェニレン基(-O-C6H4-)である。
R1は、水素原子、フッ素原子または炭素数1~10の有機基であり、前記有機基は、炭化水素基、アルコキシカルボニル基、アセタール基またはアシル基である。
R3は、水素原子または炭素数1~10の有機基であり、前記有機基は、炭化水素基、アルコキシカルボニル基、アセタール基またはアシル基である。
Aは、水素原子、フッ素原子またはメチル基である。
Lは、メチレン基であり、各メチレン基が含む任意の数の水素原子がメチル基に置換されていてもよい。
nは、0~1の整数である。) - 前記式(1)または式(1A)で表される繰り返し単位が含むRf1およびRf2が、トリフルオロメチル基であり、nは0~1の整数、Aが水素原子またはメチル基である請求項1または請求項2に記載の含フッ素重合体。
- 請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の含フッ素重合体、(A)酸発生剤および(B)溶剤を含む、パターン形成用組成物。
- 請求項6に記載のパターン形成用組成物を基板上に塗布し膜を形成する製膜工程と、
波長150nm以上、500nm以下の光を、マスクを介して膜に照射露光し、マスクのパターンを膜に転写し、撥液部と親液部を有するパターン形成膜を得、
得られたパターン形成膜にインクを塗布しインクによるパターンを得るパターン形成工程を含む、
パターンの形成方法。 - 請求項6に記載のパターン形成用組成物を基板上に塗布し膜を形成する製膜工程と、
波長150nm以上、500nm以下の光を描画装置により膜に走査露光して、パターンを膜に描画し、撥液部と親液部を有するパターン形成膜を得、
得られたパターン形成膜にインクを塗布しインクによるパターンを得るパターン形成工程を含む、
パターンの形成方法。 - 式(6)で表される含フッ素単量体。
Yは、単結合、オキシエチレン基(-O-CH2-CH2-)、またはオキシフェニレン基(-O-C6H4-)である。
R1は、水素原子、フッ素原子または炭素数1~10の有機基であり、前記有機基は、炭化水素基、アルコキシカルボニル基、アセタール基またはアシル基である。
R3は、水素原子または炭素数1~10の有機基であり、前記有機基は、炭化水素基、アルコキシカルボニル基、アセタール基またはアシル基である。
Aは、水素原子、フッ素原子またはメチル基である。
Lは、メチレン基であり、各メチレン基が含む任意の数の水素原子がメチル基に置換されていてもよい。
nは、0~1の整数である。
Rf1とRf2が連結して環を形成していない場合、Rf1、Rf2及びAのフッ素原子の合計数が6である。) - 前記式(6)で表される含フッ素単量体が含むRf1およびRf2がトリフルオロメチル基であり、nは0~1の整数、Aが水素原子またはメチル基である請求項9に記載の含フッ素単量体。
- 式(7)で表される含フッ素化合物であって、
前記式(7)で表される含フッ素化合物が含むRf1およびRf2が連結してなる環状の含フッ素アルキル基が、式(5A)で表わされる基である含フッ素化合物。
R3は、水素原子または炭素数1~10の有機基であり、前記有機基は、炭化水素基、アルコキシカルボニル基、アセタール基またはアシル基である。
Aは、水素原子、フッ素原子またはメチル基である。
Lは、メチレン基であり、各メチレン基が含む任意の数の水素原子がメチル基に置換されていてもよい。
nは、0~1の整数である。)
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