JP2020076825A - パターン形成方法および感放射線性組成物 - Google Patents

パターン形成方法および感放射線性組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】 本発明は、高厚膜の隔壁等を形成するための新たな方法を提供することを目的とし、さらにはその方法に好ましく使用される感放射性組成物を提供することを目的する。【解決手段】 本発明の目的は、少なくとも、(1)感放射線性組成物を基板上に塗布し塗膜を形成する工程、(2)前記塗膜に放射線を照射し硬化することで塗膜1を形成する工程、(3)前記塗膜1に(2)工程とは異なる波長の放射線を照射し、塗膜1の所定部分に凹部を形成する工程、(4)前記凹部に、硬化性組成物を塗布し塗膜2を形成する工程、(5)前記塗膜1の前記所定部分以外の残部を除去する工程、を備えるパターン形成方法、によって達成された。【選択図】図1

Description

本発明は、表示装置や固体撮像装置等に使用されるカラーフィルターやマイクロレンズ、およびμ―LED等の各表示素子を分離する隔壁材等のパターン形成方法および隔壁材等のパターンを形成する鋳型に使用される材料に関する。
画像表示装置は、有機エレクトロルミネセンス(有機EL)素子やカラーフィルター等の表示素子により画素を形成し、各画素の状態を変化させることで、数字、文字、図形、映像などを表示する電子装置である。また、固体撮像装置とは、装置に照射された光が三原色に分離されて撮像素子に入射された後、分離された光の量(強度)がそれぞれの色ごとに電気信号に変換され、この電気信号の強弱を三原色ごとに再現することで画像を得る電子装置である。
前記表示素子や固体撮像素子等に用いられる材料として、例えば、前記表示素子である有機EL素子では、バンクと呼ばれる隔壁を形成し、そこに有機層を形成したり、カラーフィルターでは、隔壁を形成し、そこに各着色部分を形成することが行われている。このような隔壁は、画素形成材料として、一般的に感放射線性材料を用いて形成されている(例えば、特許文献1、2)。
特開2011−107476号公報 特開2018−10856号公報
最近の表示素子や撮像素子では積層構造とすることによる高機能化、小型化が図られており、隔壁にも積層構造に合わせた高膜厚化が求められている。しかしながら感放射線性材料による隔壁形成では、黒材料等着色剤を使用するため放射線による硬化が不十分となり、隔壁の厚みを増すことをフォトリソ法によって形成することには限界があった。
本発明は、高厚膜の隔壁等を形成するための新たなパターン形成方法を提供することを目的とし、さらにはそのパターン形成方法に好ましく使用される感放射性組成物を提供することを目的する。
本発明の目的は、下記によって達成された。
1.少なくとも、
(1)感放射線性組成物を基板上に塗布し塗膜を形成する工程、
(2)前記塗膜に放射線を照射し硬化することで塗膜1を形成する工程、
(3)前記塗膜1に(2)工程とは異なる波長の放射線を照射し、
塗膜1の所定部分に凹部を形成する工程、
(4)前記凹部に、硬化性組成物を塗布し塗膜2を形成する工程、
(5)前記塗膜1の前記所定部分以外の残部を除去する工程、
を備えるパターン形成方法。
2. 前記(4)工程の硬化性組成物が、黒色顔料、金属または金属酸化物からなる群より選択される少なくとも1種を含有する感放射線性組成物である、前記1に記載のパターン形成方法。
3. 前記(2)工程で照射する放射線の波長は365nm以上500nm以下であり、
前記(3)工程で照射する放射線の波長は193nm以上365nm未満である、
前記1または2に記載のパターン形成方法。
4. 前記(5)工程が、前記塗膜1の残部に放射線を照射し、その後ベークする工程、
である、前記1〜3いずれかに記載のパターン形成方法。
5. 表示素子形成用または固体撮像素子形成用である、前記1〜4いずれかに記載のパターン形成方法。
6.(A−1)チオエーテル結合の少なくとも1種、ならびに(メタ)アクリロイル基、末端アルケンおよび末端アルキンから選択される少なくとも1種を有する化合物、
(A−2)下記式(1)で表される基を含む構造単位を有する重合体、
Figure 2020076825
(式(1)中、RおよびRはそれぞれ独立に、水素原子またはフッ素原子である。Rは水素原子、フッ素原子、または少なくとも1個のフッ素原子を含む有機基である。但し、R、RおよびRの少なくとも1つはフッ素原子またはフッ素原子を含む有機基である。Aはエステル結合またはエーテル結合であり、n=1〜10の整数である。*は結合部位を表す。)
(B−1)光開始剤、
(B−2)酸発生剤、
(C)溶剤、
とを含有する感放射線性組成物。
7.(A)下記式(1)で表される基の少なくとも1種、チオエーテル結合の少なくとも1種、ならびに、(メタ)アクリロイル基、末端アルケンおよび末端アルキンから選択される少なくとも1種、を有する化合物、
Figure 2020076825
(式(1)中、RおよびRはそれぞれ独立に、水素原子またはフッ素原子である。R3は水素原子、フッ素原子、または少なくとも1個のフッ素原子を含む有機基である。但し、R、RおよびRの少なくとも1つはフッ素原子またはフッ素原子を含む有機基である。Aはエステル結合またはエーテル結合であり、n=1〜10の整数である。*は結合部位を表す。)
(B)感光剤、
(C)溶剤、
とを含有する感放射線性組成物。
8. 前記(A)および(A−1)化合物が、さらに下記式(2)で表される構造部位を有する、前記6または7に記載の感放射線性組成物。
Figure 2020076825
(式(2)中、R及びRは、それぞれ独立して、炭素数1〜8の1級あるいは2級アルキル基であり、置換基として炭化水素基、フッ素化アルキル基あるいはケイ素化アルキル基を有していても良い。R6及びR7は、それぞれ独立して、炭素数1〜8のアルキル基、またはアリール基であり、R6及びR7がアルキル基の場合には、置換基として炭化水素基、フッ素化アルキル基あるいはケイ素化アルキル基を有していても良い。L炭素数1から12の2価の炭化水素基を表す。)
本発明によれば、高厚膜の隔壁等のパターンを容易に形成することができる。
本発明の隔壁等に代表されるパターン形成の工程を概念的に示す図である。
以下、本発明の実施形態について詳細に述べる。
<パターン形成方法>
本発明では隔壁を、以下の少なくとも(1)〜(5)の工程を備えるパターン形成方法によって形成する。
(1)感放射線性組成物を基板上に塗布し塗膜を形成する工程、(2)前記塗膜に放射線を照射し硬化することで塗膜1を形成する工程、(3)前記塗膜1に(2)工程とは異なる波長の放射線を照射し、塗膜1の所定部分に凹部を形成する工程、(4)前記凹部に、硬化性組成物を塗布し塗膜2を形成する工程、(5)前記塗膜1の前記所定部分以外の残部を除去する工程、である。
この一連の工程の技術的特徴は、(1)〜(3)の工程によって高厚膜のための鋳型を作製し、(4)工程で鋳型にパターン形成用の材料を流し込み、(5)工程で鋳型を除去するというところにある。
図1は、本発明の(1)〜(5)を概念的に示す図である。(a)は塗膜1を形成した状態を示している。(b)は塗膜1に凹部を形成した状態を示している。(c)は塗膜2を形成するための硬化性組成物の液滴を塗布している状態を示している。(d)は過剰な硬化性組成物の液滴が、塗膜1の撥液性による凹部以外の部分から排除されていることを示している。(e)は塗膜1の残部(鋳型)を分解するための放射線照射する状態を示している。(f)は鋳型を除去し所望のパターンが得られた状態を示している。
≪(1)工程≫
(1)工程は、感放射線性組成物を基板上に塗布し塗膜を形成する工程である。感放射線性組成物としては、例えば、以下に記載する感放射線性組成物1や感放射線性組成物2等を好ましく挙げることができる。
(感放射線性組成物1)
感放射線性組成物1は、(A−1)チオエーテル結合の少なくとも1種、ならびに(メタ)アクリロイル基、末端アルケンおよび末端アルキンから選択される少なくとも1種を有する化合物、(A−2)下記式(1)で表される基を含む構造単位を有する重合体、
Figure 2020076825
(式(1)中、RおよびRはそれぞれ独立に、水素原子またはフッ素原子である。Rは水素原子、フッ素原子、または少なくとも1個のフッ素原子を含む有機基である。但し、R、RおよびRの少なくとも1つはフッ素原子またはフッ素原子を含む有機基である。Aはエステル結合またはエーテル結合であり、n=1〜10の整数である。*は結合部位を表す。)
(B−1)光開始剤、(B−2)酸発生剤、(C)溶剤、とを含有することを特徴とする。
[(A−1)化合物]
(A−1)化合物は、一分子中にチオエーテル結合の少なくとも1種、ならびに(メタ)アクリロイル基、末端アルケン(ビニル基、アリル基、ビニルオキシ基、アリルオキシ基等)および末端アルキンから選択される少なくとも1種を有する。なお(メタ)アクリロイル基は、アクリロイル基とメタクリロイル基の両方を意味する。
チオエーテル結合は、(メタ)アクリロイル基、末端アルケンおよび末端アルキンが複数あった場合や化合物が嵩高い構造を有する場合に、重合反応点を立体的に顕在化する役目を負っていると考えられている。チオエーテル結合の数は、2〜5であることが好ましく、3〜5であることがより好ましく、4〜5であることが特に好ましい。(メタ)アクリロイル基、末端アルケンおよび末端アルキンの数は、2〜5であることが好ましく、3〜5であることがより好ましく、4〜5であることが特に好ましい。分子量としては、200〜5000、好ましくは3000以下である。
(A−1)化合物として好適に使用できるものを下記に挙げる。
Figure 2020076825
Figure 2020076825
本発明の(A−1)化合物は、さらに下記式(2)で表される構造部位を有することが好ましい。
Figure 2020076825
(式(2)中、R及びRは、それぞれ独立して、炭素数1〜8の1級あるいは2級アルキル基であり、置換基として炭化水素基、フッ素化アルキル基あるいはケイ素化アルキル基を有していても良い。R6及びR7は、それぞれ独立して、炭素数1〜8のアルキル基、またはアリール基であり、R6及びR7がアルキル基の場合には、置換基として炭化水素基、フッ素化アルキル基あるいはケイ素化アルキル基を有していても良い。L炭素数1から12の2価の炭化水素基を表す。)
一般式(2)で表される構造部位は、紫外線等のエネルギーの高い放射線、特に光によって分解する構造部位である。R4およびR5がいずれもアルキル基であることが好ましく、メチル基であることがさらに好ましい。R6およびR7も同時にアルキル基であることが好ましく、さらには、いずれもメチル基であることが好ましい。Lはアルキレン鎖であることが好ましく、炭素数は2〜5であることが好ましい。
[(A−2)重合体]
(A−2)は、下記式(1)で表される基を含む構造単位を有する重合体である。
Figure 2020076825
(式(1)中、RおよびRはそれぞれ独立に、水素原子またはフッ素原子である。Rは水素原子、フッ素原子、または少なくとも1個のフッ素原子を含む有機基である。但し、R、RおよびRの少なくとも1つはフッ素原子またはフッ素原子を含む有機基である。Aはエステル結合またはエーテル結合であり、n=1〜10の整数である。*は結合部位を表す。)
式(1)中のフッ素原子の数は、1〜20個であり、好ましくは3〜15個であり、さらに好ましくは10〜15個である。
式(1)で表される基を含む構造単位のモノマーを、重合体中0.1〜80モル%有していることが好ましく、1〜30モル%であることが好ましい。(A−2)重合体で、式(1)で表される構造単位以外の共重合成分としては、(メタ)アクリル酸エステル系、スチレン系、酢酸ビニル系の市販のラジカル重合可能なモノマーを適宜選択して使用することができる。
重合体の分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)としては、1000〜30000が好ましく、5000〜20000がより好ましい。
(A−2)重合体として好ましく使用できる具体的な構造単位および共重合体を挙げる。なお、共重合体のx、yはモル%を表し、yは1〜99モル%であり、5〜95モル%が好まく適宜選択することができる。
Figure 2020076825
Figure 2020076825
Figure 2020076825
(A−1)化合物と(A−2)重合体は、1:99〜99:1の質量比で混合することができ、90:10〜99:1であることが好ましい。(A−1)化合物と(A−2)重合体の合計量は、感放射線性組成物1の5〜50質量%であり、10〜40質量%であることが好ましい。
[(B−1)光開始剤]
光開始剤は、(2)工程での照射する放射線により、(A−1)化合物の硬化反応を開始し得る活性種を発生することができる化合物である。
光開始剤としては、例えばO−アシルオキシム化合物、アセトフェノン化合物、アシルフォスフィンオキサイド化合物、ビイミダゾール化合物が挙げられる。
本発明の(B−1)光開始剤の含有量は、感放射線性組成物1中の100質量部に対して0.1〜10質量部であり、好ましくは1〜5質量部である。
[(B−2)酸発生剤]
本発明の(B−2)酸発生剤は、放射線の照射によって酸を発生する化合物である。放射線の照射によって(B−2)成分から発生する酸により、前記式(2)で表される基を重合体から解離させることが出来るようになる。
(B)酸発生剤としては、例えば、オキシムスルホネート化合物、オニウム塩、スルホンイミド化合物、ハロゲン含有化合物、ジアゾメタン化合物、スルホン化合物、スルホン酸エステル化合物、カルボン酸エステル化合物等が挙げられる。このような酸発生剤は、単独でまたは2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
オキシムスルホネート化合物について例示すると、例えば、(5−プロピルスルホニルオキシイミノ−5H−チオフェン−2−イリデン)−(2−メチルフェニル)アセトニトリル、(5−オクチルスルホニルオキシイミノ−5H−チオフェン−2−イリデン)−(2−メチルフェニル)アセトニトリル、(カンファースルホニルオキシイミノ−5H−チオフェン−2−イリデン)−(2−メチルフェニル)アセトニトリル、(5−p−トルエンスルホニルオキシイミノ−5H−チオフェン−2−イリデン)−(2−メチルフェニル)アセトニトリル、2−(オクチルスルホニルオキシイミノ)−2−(4−メトキシフェニル)アセトニトリルが挙げられる。
オニウム塩について例示すると、例えば、オニウム塩としては、ジフェニルヨードニウム塩、トリフェニルスルホニウム塩、スルホニウム塩、ベンゾチアゾニウム塩、テトラヒドロチオフェニウム塩、スルホンイミド化合物等が挙げられる。
スルホンイミド化合物について例示するとついて、例えば、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(カンファスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(4−メチルフェニルスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(2−トリフルオロメチルフェニルスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(4−フルオロフェニルスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)フタルイミド、N−(カンファスルホニルオキシ)フタルイミド、N−(2−トリフルオロメチルフェニルスルホニルオキシ)フタルイミド、N−(2−フルオロフェニルスルホニルオキシ)フタルイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)ジフェニルマレイミド、N−(カンファスルホニルオキシ)ジフェニルマレイミド、N−ヒドロキシナフタルイミド−トリフルオロメタンスルホン酸エステル等が挙げられる。
その他の酸発生剤としては特開2011−215503号公報、WO2011/087 011A1に記載の酸発生剤を用いることができる。
本発明の感放射線性組成物1において、(B−2)酸発生剤の含有量としては、感放射線性組成物1全量から(C)成分を除いた質量を100質量%としたときに、0.5〜20質量%であることが好ましく、2〜10質量%であることがより好ましい。
[(C)溶剤]
(C)溶剤は(A)成分および(B)成分を均一に溶解または分散する溶剤であれば特に限定されないが、例えばアルコール系溶剤、エーテル類、ジエチレングリコールアルキルエーテル類、エチレングリコールアルキルエーテルアセテート類、プロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、プロピレングリコールモノアルキルエーテルプロピオネート類、脂肪族炭化水素類、芳香族炭化水素類、ケトン類およびエステル類等を挙げることができる。このような(C)溶剤は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を使用してもよい。
本発明の感放射線性組成物1において、(C)溶剤の含有量としては、感放射線性組成物1全量を100質量%としたときに、10〜95質量%が好ましく、20〜85質量%がより好ましい。
(感放射線性組成物2)
感放射線性組成物2は、(A)下記式(1)で表される基の少なくとも1種、チオエーテル結合の少なくとも1種、ならびに、(メタ)アクリロイル基、末端アルケンおよび末端アルキンから選択される少なくとも1種、を有する化合物。
Figure 2020076825
(式(1)中、RおよびRはそれぞれ独立に、水素原子またはフッ素原子である。Rは水素原子、フッ素原子、または少なくとも1個のフッ素原子を含む有機基である。但し、R、RおよびRの少なくとも1つはフッ素原子またはフッ素原子を含む有機基である。Aはエステル結合またはエーテル結合であり、n=1〜10の整数である。*は結合部位を表す。)
(B)感光剤、(C)溶剤、とを含有することを特徴とする。
[(A)化合物]
(A)化合物は、一分子中に式(1)で表される基の少なくとも1種、チオエーテル結合の少なくとも1種、ならびに(メタ)アクリロイル基、末端アルケン(ビニル基、アリル基、ビニルオキシ基、アリルオキシ基等)および末端アルキンから選択される少なくとも1種を有する。
式(1)で表される基は、一分子中1〜3個有し、チオエーテル結合は、2〜4個有することが好ましく、(メタ)アクリロイル基、末端アルケンおよび末端アルキンは、2〜4であることが好ましい。分子量としては、200〜5000、好ましくは3000以下である。本発明の(A)化合物は、さらに式(2)で表される構造部位を有することが好ましい。(A)化合物の合計量は、感放射線性組成物2の5〜50質量%であり、10〜40質量%であることが好ましい。
(A)化合物として好適に使用できるものを下記に挙げる。
Figure 2020076825
[(B)感光剤]
感放射性組成物1で述べた(B−1)光開始剤および(B−2)酸発生剤と同義であり、2種類を意味する。
[(C)溶剤]
感放射性組成物1で述べた(C)溶剤と同義である。
(基板)
基板としては、例えば、ガラス、石英、シリコン、樹脂等を挙げることができる。樹脂の具体例としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエーテルスルホン、ポリカーボネート、ポリイミド、環状オレフィンの開環重合体(ROMPポリマー)およびその水素添加物が挙げられる。これらの中でも、本発明に塗膜の製造方法で最終的に得られる画素基板をそのまま用いることが好ましいことから、従前より画素基板に用いられてきた、樹脂製基板、ガラス基板、半導体基板が好ましい。
(塗膜形成)
本発明の塗膜は通常の塗布、乾燥をした後、好ましくは塗膜を加熱(プレベーク)することにより形成することができる。塗布方法としては特に限定されず、はけやブラシを用いた塗布法、ディッピング法、スプレー法、ロールコート法、回転塗布法(スピンコート法)、スリットダイ塗布法、バー塗布法、フレキソ印刷、オフセット印刷、インクジェット法、ディスペンス法等の適宜の方法を採用することができる。これらの塗布方法の中でも、特にスリットダイ塗布法またはスピンコート法が好ましい。
前記プレベークの条件は、使用する感放射線性組成物の組成等によっても異なるが、好ましくは60℃〜120℃で1分間〜10分間程度である。
塗膜表面は撥液性であることが好ましい。撥液性とすることで、次工程以降の塗布物を所望の位置に集中させることができる。フッ素系の感放射線性組成物を使用することにより、撥液性とすることができる。
塗膜1の膜厚は、所望の隔壁等の高さによって適宜選択されるが0.1μm〜50μm、好ましくは0.1μm〜10μmである。
≪(2)工程≫
(照射工程1)
本発明の(2)工程は、(1)工程で形成した塗膜に放射線を照射、硬化し塗膜1を形成する工程である。この塗膜1は、隔壁等を形成するための硬化性組成物に含まれるPGMEA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)等の溶剤に対する耐性を有するものである。
照射に使用される放射線としては、可視光線、紫外線、遠紫外線、荷電粒子線、X線等を使用できる。これらの放射線の中でも、波長が365nm以上500nm以下の範囲にある放射線が好ましく、特に365nmの紫外線を含む放射線が好ましい。また、露光量は、放射線の波長365nmにおける強度を照度計(OA1 model356、OA1 Optical Associates 1nc.製)により測定した値として、好ましくは100mJ/cm〜6000mJ/cm、より好ましくは500mJ/cm〜2000mJ/cmである。
≪(3)工程≫
(照射工程2)
本発明の(3)工程は、塗膜1の所望の位置にマスクを介して、(2)工程で使用した放射線とは異なる波長の放射線を照射し分解、除去し、塗膜1面上に凹部を形成する工程である。この凹部は、隔壁等のパターンの鋳型となる。また凹部の内面は、親液性表面となり、次工程の硬化性組成物の濡れ性が良好となる。
照射線の波長は、193nm以上365nm未満であることが好ましい。強度は、100mJ/cm〜6000mJ/cm、より好ましくは500mJ/cm〜2000mJ/cmである。
(現像工程)
放射線照射による分解が不十分であった場合、さらに塗膜を現像する工程を有してもよい。この現像に用いる現像液としては、例えばアルカリ水溶液(アルカリ現像液)、有機溶媒を含有する液(有機溶媒現像液)等が挙げられる。これにより、所望の凹部が形成される。
アルカリ現像液としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、けい酸ナトリウム、メタけい酸ナトリウム、アンモニア水、エチルアミン、n−プロピルアミン、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン、エチルジメチルアミン、トリエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)、ピロール、ピペリジン、コリン、1,8−ジアザビシクロ−[5.4.0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ−[4.3.0]−5−ノネン等のアルカリ性化合物の少なくとも1種を溶解したアルカリ水溶液等が挙げられる。
これらの中で、TMAH水溶液が好ましく、2.38質量%TMAH水溶液がより好ましい。
有機溶媒現像液としては、例えば炭化水素系溶媒、エーテル系溶媒、エステル系溶媒、ケトン系溶媒、アルコール系溶媒等の有機溶媒、又は有機溶媒を含有する液が挙げられる。有機溶媒としては、例えば上述の感放射線性組成物の溶媒として例示した溶媒の1種又は2種以上等が挙げられる。
これらの中でも、エステル系溶媒及びケトン系溶媒が好ましい。エステル系溶媒としては、酢酸エステル系溶媒が好ましく、酢酸n−ブチルがより好ましい。ケトン系溶媒としては、鎖状ケトンが好ましく、2−ヘプタノンがより好ましい。
有機溶媒現像液中の有機溶媒の含有量は、80質量%が好ましく、90質量%がより好ましく、95質量%がさらに好ましく、99質量%が特に好ましい。有機溶媒現像液中の有機溶媒以外の成分としては、例えば水、シリコンオイル等が挙げられる。
これらの現像液は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。なお、現像後は、水等で洗浄し、乾燥することが一般的である。
≪(4)工程≫
(4)工程は、(3)工程で形成した凹部に隔壁等を形成するための硬化性組成物を塗布し塗膜2を形成する工程である。
塗膜2を形成する際に、塗膜1の表面が撥液性であることは、凹部に硬化性組成物を選択的に流し込むことができるため好ましい。
(硬化性組成物)
硬化性組成物としては、隔壁等を形成しうる硬化可能な組成物であれば、特に限定されず、例えば、樹脂、重合性化合物、感光剤、着色剤、高屈折率材、および溶剤等を含んでもよい。
ここで、硬化性組成物は遮光機能等が高い隔壁等を形成する観点から、着色剤としての黒色顔料や、高屈折率材としての金属および金属酸化物を含むことが好ましい。このような黒色顔料としては、カーボンブラック等が挙げられ、金属および金属酸化物としては、シリコン、チタン、セシウム、バリウム、ストロンチウム、カルシウム、マグネシウム、ジルコニウム、銀および鉛からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属やこれらを含む酸化物等が挙げられる。
硬化性組成物が、このような着色剤や高屈折率材を含む場合、遮光性機能を向上させるため、硬化性樹脂組成物の全質量を100質量%とした際に、着色剤および高屈折率材の合計質量が20質量%以上であることが好ましく、30質量%以上であることがより好ましい。
また、硬化性組成物に用いる溶剤としては、前記成分を均一に分散し得る溶剤であれば特に限定されないが、有機溶剤であることが好ましい。このような溶剤としては、例えば前記(C)溶剤と同様の溶剤を上げることができる。これら溶剤の中でも、重合性化合物や樹脂等を均一に分散させる観点から、プロピレングリコールエーテルアセテート類が好ましく、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートがより好ましい。
なお、このような硬化性組成物としては、具体的には、特開2013−134263号公報、特開2014−146029号公報、特開2008−46330号公報等に記載の黒色顔料等含有の硬化性組成物を挙げることができる。
(塗膜形成)
(4)工程における塗膜2の形成では、(1)工程の塗膜形成の方法、条件、(2)工程の硬化条件を適宜、適用することができる。また、放射線だけでなく、加熱による硬化をしてもよい。加熱温度は100〜200℃であり、120〜180℃が好ましい。ここで、表示素子や固体撮像素子の隔壁等を形成する際は、その他の部材に対する熱的ダメージを低減させることが好ましいため、放射線によって硬化を行うことが好ましい。
塗膜2では、凹部に硬化性組成物が集中するため、塗膜1の表面から若干はみ出すことがある。
≪(5)工程≫
(5)工程では、(4)工程で形成させた凹部内の隔壁等硬化物の周りに存在する鋳型を除去する。塗膜1の凹部以外の残部である鋳型に、(3)工程と同様の放射線を同様の条件で、放射線を照射し、分解、除去することができる。除去が不十分である場合には、(3)工程と同様に現像工程をさらに有しても良い。残部が分解、除去できる条件であれば、(3)工程と同一の条件または異なった条件であっても良い。
(5)工程によって、残部である鋳型を除去することによって、硬化物による本発明の所望のパターンを得ることができる。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例等における測定は、以下の方法により行った。
「GPC分析]
(化合物)成分の重合体の重量平均分子量(Mw)および分子量分布(Mw/Mn)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC、東ソー(株)製、商品名:HLC−8220)法を用いて、テトラヒドロフラン(THF)溶媒の条件下、ポリスチレン換算で測定した。
・測定方法:ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法
・標準物質:ポリスチレン換算
・装置 :東ソー(株)製、商品名:HLC−8220
・カラム :東ソー(株)製ガードカラムHXL−H、TSK gel G7000HXL、TSK gel GMHXL 2本、TSK gel G2000HXLを順次連結したもの
・溶媒 :テトラヒドロフラン
・サンプル濃度:0.7質量%
・注入量 :70μL
・流速 :1mL/min
<(化合物)成分の合成>
[合成例1](A−1−1)の合成
冷却管および撹拌機を備えたフラスコに、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジイルジアクリレート(大阪有機(株)製)41.08質量部、ジイソプロピルアミン11.18質量部、およびテトラヒドロフラン150質量部を仕込んだ。この溶液中に、1,3,4,6−テトラキス(2−メルカプトエチル)テトラヒドロイミダゾ[4,5−d]イミダゾール−2,5(1H,3H)−ジオン(四国化成(株)TS−G)7.74質量部をテトラヒドロフラン90質量部に溶解させた溶液を室温で滴下し、滴下終了後、30度に加温し、この温度を7時間保持して撹拌した。
応溶液を減圧濃縮して溶剤を留去して得られた粘調液体をシリカゲル上に載せたのち、十分な量のヘキサン/酢酸エチル=3質量部/1質量部を流して未反応の2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジイルジアクリレートを取り出した。その後、酢酸エチルをシリカゲル上に流し、溶出してきた酢酸エチル溶液を取り出した。酢酸エチルを減圧濃縮して留去し、減圧乾燥させることにより、目的物化合物(A−1−1)を36質量部得た。
[合成例2](A−1−2)の合成
冷却管および撹拌機を備えたフラスコに、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジイルジアクリレート(大阪有機(株)製)41.08質量部、ジイソプロピルアミン11.18質量部、およびテトラヒドロフラン150質量部を仕込んだ。この溶液中に、1,3,5−トリス(2−メルカプトエチル)−1,3,5−トリアジナン−2,4,6−トリオン7.74質量部をテトラヒドロフラン90質量部に溶解させた溶液を室温で滴下し、滴下終了後、30度に加温し、この温度を7時間保持して撹拌した。
反応溶液を減圧濃縮して溶剤を留去して得られた粘調液体をシリカゲル上に載せたのち、十分な量のヘキサン/酢酸エチル=3質量部/1質量部を流して未反応の2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジイルジアクリレートを取り出した。その後、酢酸エチルをシリカゲル上に流し、溶出してきた酢酸エチル溶液を取り出した。酢酸エチルを減圧濃縮して留去し、減圧乾燥させることにより、目的物化合物(A−1−2)を36質量部得た。
[合成例3](A−1−4)の合成
冷却管および撹拌機を備えたフラスコに、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジイルジアクリレート(大阪有機(株)製)41.08質量部、ジイソプロピルアミン11.18質量部、およびテトラヒドロフラン150質量部を仕込んだ。この溶液中に、(2,4,6−トリオキソ−1,3,5−トリアジナン−1,3,5−トリイル)トリス(エタン−2,1−ジイル)トリス(3−メルカプトブタノエート)(昭和電工カレンズMT−NR1)7.74質量部をテトラヒドロフラン90質量部に溶解させた溶液を室温で滴下し、滴下終了後、30度に加温し、この温度を7時間保持して撹拌した。
応溶液を減圧濃縮して溶剤を留去して得られた粘調液体をシリカゲル上に載せたのち、十分な量のヘキサン/酢酸エチル=3質量部/1質量部を流して未反応の2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジイルジアクリレートを取り出した。その後、酢酸エチルをシリカゲル上に流し、溶出してきた酢酸エチル溶液を取り出した。酢酸エチルを減圧濃縮して留去し、減圧乾燥させることにより、目的物化合物(A−1−4)を36質量部得た。
[合成例4](A−1−6)の合成
冷却管および撹拌機を備えたフラスコに、1H,1H,2H,2H−トリデカフルオロオクチルアクリレート(大阪有機(株)製ビスコート13F)2.72質量部、ジイソプロピルアミン3.96質量部、およびテトラヒドロフラン150質量部を仕込んだ。この溶液中に、1,3,4,6−テトラキス(2−メルカプトエチル)テトラヒドロイミダゾ[4,5−d]イミダゾール−2,5(1H,3H)−ジオン(四国化成(株)TS−G)10.96質量部をテトラヒドロフラン30質量部に溶解させた溶液を室温で滴下し、滴下終了後、30度に加温し、この温度を7時間保持して撹拌した。
冷却管および撹拌機を備えたフラスコに、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジイルジアクリレート(大阪有機(株)製)26.07質量部、ジイソプロピルアミン7.08質量部、およびテトラヒドロフラン300質量部を仕込んだ。この溶液中に、前記反応溶液を室温で滴下し、滴下終了後、30度に加温し、この温度を7時間保持して撹拌した。
反応溶液を減圧濃縮して溶剤を留去して得られた粘調液体をシリカゲル上に載せたのち、十分な量のヘキサン/酢酸エチル=3質量部/1質量部を流して未反応の2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジイルジアクリレートを取り出した。その後、酢酸エチルをシリカゲル上に流し、溶出してきた酢酸エチル溶液を取り出した。酢酸エチルを減圧濃縮して留去し、減圧乾燥させることにより、目的物化合物(A−1−6)を36質量部得た。
[合成例4]重合体(A−2−2)
攪拌機及び滴下ロートを設置した5L反応器内に、2−ヒドロキシエチルメタクリレート65.1g(0.5mol)、ピリジン59.3g(0.75mol)及び塩化メチレン500mLを仕込み、窒素下、反応器内を0℃に冷却しながら、3−クロロプロピオン酸クロライド76.18g(0.6mol)を滴下ロートから滴下した後、0℃で2時間、攪拌下に反応させた。得られた反応液を炭酸水素ナトリウム水溶液及び飽和食塩水で順次洗浄した後に減圧濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより、下記式(HC−1)で表される化合物83.4gを得た。
Figure 2020076825
前記合成した化合物(HC−1)36.6g(20モル%)、メタクリル酸17.8g(25モル%)及び1H,1H,2H,2H−トリデカフルオロオクチルアクリレート(大阪有機化学工業社製、ビスコート13F)(55モル%)を140gの3−メトキシプロピオン酸メチルに溶解し、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)14.4gを添加して単量体溶液を調製した。次に、60gの3−メトキシプロピオン酸メチルを入れた500mLの三口フラスコを30分窒素パージした後、撹拌しながら70℃に加熱し、前記調製した単量体溶液を滴下漏斗にて2時間かけて滴下した。滴下開始を重合反応の開始時間とし、重合反応を4時間実施した。その後、重合反応液の温度を90℃にし、30分撹拌した。
さらにその後、重合反応液の温度を70℃にし、トリエチルアミン77.9mLを加え、70℃のまま3時間撹拌した。室温に冷却後、12N塩酸水55.9mLを加え、30分撹拌してから酢酸エチルを加えて分液した。有機相を蒸留水で洗浄した後、回収した有機相を濃縮し、3−メトキシプロピオン酸メチルで希釈することで重合体(A−2−2)を40質量%含む重合体溶液を得た。重合体(A−2−2)のMwは7,000であった。
[合成例5]重合体(A−2−3)
前記合成した化合物(HC−1)36.6g(20モル%)、メタクリル酸17.8g(25モル%)及び1H,1H,5H−オクタフルオロペンチルアクリレート(大阪有機化学工業社製、ビスコート8F)(55モル%)を140gの3−メトキシプロピオン酸メチルに溶解し、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)14.4gを添加して単量体溶液を調製した。次に、60gの3−メトキシプロピオン酸メチルを入れた500mLの三口フラスコを30分窒素パージした後、撹拌しながら70℃に加熱し、前記調製した単量体溶液を滴下漏斗にて2時間かけて滴下した。滴下開始を重合反応の開始時間とし、重合反応を4時間実施した。
その後、重合反応液の温度を90℃にし、30分撹拌した。さらにその後、重合反応液の温度を70℃にし、トリエチルアミン77.9mLを加え、70℃のまま3時間撹拌した。室温に冷却後、12N塩酸水55.9mLを加え、30分撹拌してから酢酸エチルを加えて分液した。有機相を蒸留水で洗浄した後、回収した有機相を濃縮し、3−メトキシプロピオン酸メチルで希釈することで重合体(A−2−3)を40質量%含む重合体溶液を得た。重合体(A−2−3)のMwは7,300であった。
[合成例6]重合体(A−2−4)
前記合成した化合物(HC−1)36.6g(20モル%)、メタクリル酸17.8g(25モル%)及び2,2,3,3−テトラフルオロプロピルアクリレート(大阪有機化学工業社製、ビスコート4F)(55モル%)を140gの3−メトキシプロピオン酸メチルに溶解し、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)14.4gを添加して単量体溶液を調製した。次に、60gの3−メトキシプロピオン酸メチルを入れた500mLの三口フラスコを30分窒素パージした後、撹拌しながら70℃に加熱し、前記調製した単量体溶液を滴下漏斗にて2時間かけて滴下した。滴下開始を重合反応の開始時間とし、重合反応を4時間実施した。
その後、重合反応液の温度を90℃にし、30分撹拌した。さらにその後、重合反応液の温度を70℃にし、トリエチルアミン77.9mLを加え、70℃のまま3時間撹拌した。室温に冷却後、12N塩酸水55.9mLを加え、30分撹拌してから酢酸エチルを加えて分液した。有機相を蒸留水で洗浄した後、回収した有機相を濃縮し、3−メトキシプロピオン酸メチルで希釈することで重合体(A−2−4)を40質量%含む重合体溶液を得た。重合体(A−2−4)のMwは7,600であった。
<感放射線性組成物Sの調製>
下記のようにして、表1に記載の組成物を調製した。
[調製例1]
前記合成例1で得られた化合物(A−1−1)を100質量部、重合体(A−2−1)(大成ファインケミカル社製UV硬化型シリコーン・フッ素アクリルポリマー、8FS−001)を3質量部、感光剤としてトリフルオロメタンスルホン酸トリフェニル(B−1−1)を5質量部、アデカ製NCI−831(B−2−1)5質量部を混合し、固形分濃度が20質量%となるように、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを加えた後、孔径0.5μmのミリポアフィルタでろ過することにより、感放射線性組成物(S−1)を調製した。
[調製例2]
前記合成例2で得られた化合物(A−1−2)を100質量部、重合体(A−2−1)(大成ファインケミカル社製UV硬化型シリコーン・フッ素アクリルポリマー、8FS−001)を3質量部、感光剤としてトリフルオロメタンスルホン酸トリフェニル(B−1−1)を5質量部、アデカ製NCI−831(B−2−1)5質量部を混合し、固形分濃度が20質量%となるように、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを加えた後、孔径0.5μmのミリポアフィルタでろ過することにより、感放射線性組成物(S−2)を調製した。
[調製例3]
前記合成例3で得られた化合物(A−1−4)を100質量部、重合体(A−2−1)(大成ファインケミカル社製UV硬化型シリコーン・フッ素アクリルポリマー、8FS−001)を3質量部、感光剤としてトリフルオロメタンスルホン酸トリフェニル(B−1−1)を5質量部、アデカ製NCI−831(B−2−1)5質量部を混合し、固形分濃度が20質量%となるように、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを加えた後、孔径0.5μmのミリポアフィルタでろ過することにより、感放射線性組成物(S−3)を調製した。
[調製例4]
前記合成例4で得られた化合物(A−1−6)を100質量部、感光剤としてトリフルオロメタンスルホン酸トリフェニル(B−1−1)を5質量部、アデカ製NCI−831(B−2−1)5質量部を混合し、固形分濃度が20質量%となるように、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを加えた後、孔径0.5μmのミリポアフィルタでろ過することにより、感放射線性組成物(S−4)を調製した。
[調製例5]
前記合成例1で得られた化合物(A−1−1)を100質量部、重合体(A−2−2)を3質量部、感光剤としてトリフルオロメタンスルホン酸トリフェニル(B−1−1)を5質量部、アデカ製NCI−831(B−2−1)5質量部を混合し、固形分濃度が20質量%となるように、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを加えた後、孔径0.5μmのミリポアフィルタでろ過することにより、感放射線性組成物(S−5)を調製した。
[調製例6]
前記合成例1で得られた化合物(A−1−1)を100質量部、重合体(A−2−3)を3質量部、感光剤としてトリフルオロメタンスルホン酸トリフェニル(B−1−1)を5質量部、アデカ製NCI−831(B−2−1)5質量部を混合し、固形分濃度が20質量%となるように、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを加えた後、孔径0.5μmのミリポアフィルタでろ過することにより、感放射線性組成物(S−6)を調製した。
[調製例7]
前記合成例1で得られた化合物(A−1−1)を100質量部、重合体(A−2−4)を3質量部、感光剤としてトリフルオロメタンスルホン酸トリフェニル(B−1−1)を5質量部、アデカ製NCI−831(B−2−1)5質量部を混合し、固形分濃度が20質量%となるように、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを加えた後、孔径0.5μmのミリポアフィルタでろ過することにより、感放射線性組成物(S−7)を調製した。
[調製例8]
前記合成例1で得られた化合物(A−1−1)を100質量部、重合体(A−2−1)(大成ファインケミカル社製 UV硬化型シリコーン・フッ素アクリルポリマー、8FS−001)を1質量部、感光剤としてトリフルオロメタンスルホン酸トリフェニル(B−1−1)を5質量部、アデカ製NCI−831(B−2−1)5質量部を混合し、固形分濃度が20質量%となるように、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを加えた後、孔径0.5μmのミリポアフィルタでろ過することにより、感放射線性組成物(S−8)を調製した。
[調製例9]
前記合成例1で得られた化合物(A−1−1)を100質量部、重合体(A−2−1)(大成ファインケミカル社製 UV硬化型シリコーン・フッ素アクリルポリマー、8FS−001)を12質量部、感光剤としてトリフルオロメタンスルホン酸トリフェニル(B−1−1)を5質量部、アデカ製NCI−831(B−2−1)5質量部を混合し、固形分濃度が20質量%となるように、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを加えた後、孔径0.5μmのミリポアフィルタでろ過することにより、感放射線性組成物(S−9)を調製した。
[調製例10]
前記合成例1で得られた化合物(A−1−1)を100質量部、重合体(A−2−1)(大成ファインケミカル社製 UV硬化型シリコーン・フッ素アクリルポリマー、8FS−001)を3質量部、感光剤として、N−ヒドロキシナフタルイミド(NIT)(ヘレウス社製)を5質量部、アデカ製NCI−831(B−2−1)5質量部を混合し、固形分濃度が20質量%となるように、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを加えた後、孔径0.5μmのミリポアフィルタでろ過することにより、感放射線性組成物(S−10)を調製した。
[調製例11]
前記合成例1で得られた化合物(A−1−1)を100質量部、重合体(A−2−1)(大成ファインケミカル社製UV硬化型シリコーン・フッ素アクリルポリマー、8FS−001)を12質量部、感光剤としてトリフルオロメタンスルホン酸トリフェニル(B−1−1)を5質量部、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシム)(BASF社、IrgOXE−02)5質量部(B−2−2)5質量部を混合し、固形分濃度が20質量%となるように、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを加えた後、孔径0.5μmのミリポアフィルタでろ過することにより、感放射線性組成物(S−11)を調製した。
[比較例1]
前記合成例1で得られた化合物(A−1−1)を100質量部、感光剤としてトリフルオロメタンスルホン酸トリフェニル(B−1−1)を5質量部、アデカ製NCI−831(B−2−1)5質量部を混合し、固形分濃度が20質量%となるように、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを加えた後、孔径0.5μmのミリポアフィルタでろ過することにより、感放射線性組成物(S−14)を調製した。
[比較例2]
重合体(A−2−1)(大成ファインケミカル社製UV硬化型シリコーン・フッ素アクリルポリマー、8FS−001)を100質量部、感光剤としてトリフルオロメタンスルホン酸トリフェニル(B−1−1)を5質量部、アデカ製NCI−831(B−2−1)5質量部を混合し、固形分濃度が20質量%となるように、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを加えた後、孔径0.5μmのミリポアフィルタでろ過することにより、感放射線性組成物(S−15)を調製した。
[参考例1]鋳型非使用の従来硬化組成物
カーボンブラック分散液(御国色素社製、JBK−12752)を100質量部、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(日本化薬製、DPHA)50質量部、感光剤としてアデカ製NCI−831(B−2−1)15質量部を混合し、固形分濃度が39質量%となるように、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを加えた後、孔径5μmのミリポアフィルタでろ過することにより、参考例1を調製した。
<評価方法>
[膜評価]
実施例1〜12、比較例1〜2で調整した感放射性組成物を用いて、膜評価を行い、以下の評価を実施した。結果を表2に示す。評価は特に記載の無い限り23℃55%RHの雰囲気下で行った。
[パターン形状]
事前にHMDS処理した6インチシリコンウェーハ上に、実施例1〜12、比較例1〜2で調整した感放射線性組成物をそれぞれスピンナーで乾燥膜厚0.5μmとなるように塗布した後、95℃のホットプレート上で1分間プレベークした。得られた塗膜に365ナノメートルより短い波長の光をカットするフィルターを介して無電極UVランプを用い(露光機:ヘレウス社製FUSION)、露光量を2.4J/cmとして窒素中で放射線照射を行い、塗膜1を得た。得られた塗膜1にフォトマスクを介して高圧水銀ランプを用い、露光量を700mJ/cmとして放射線照射を行った。
続いて、放射線照射後の塗膜1を有する基板を、120℃のホットプレートで1分間放射線照射後ベーク(以降PEBと略す)し、PEB後の塗膜1を有する基板を2.38%テトラアンモニウムヒドロキシド水溶液に60秒間浸漬することにより露光部を除去し塗膜1表面に凹部を形成した。
20ミクロン以上の線幅のラインアンドスペースが解像できた場合を◎とし、30ミクロン未満の線幅のラインアンドスペースが解像できず、30ミクロン以上の線幅のラインアンドスペースが解像できた場合を○とし、40ミクロン未満の線幅のラインアンドスペースが解像できず、40ミクロン以上の線幅のラインアンドスペースが解像できた場合を△とし、50ミクロン未満の線幅のラインアンドスペースが解像できなかった場合を×として判定した。△以上が実用化レベルである。
[接触角]
事前にHMDS処理した6インチシリコンウェーハ上に、実施例1〜12、比較例1〜2で調整した感放射線性組成物をそれぞれスピンナーで塗布した後、95℃のホットプレート上で1分間プレベークした。得られた塗膜に365ナノメートルより短い波長の光をカットするフィルターを介して無電極UVランプを用い(露光機:ヘレウス社製FUSION)、露光量を2.4J/cmとして窒素中で放射線照射を行い、塗膜1を得た。
接触角計(協和界面科学社製CA−X)を用い、形成された塗膜1上のPGMEAの接触角を測定した。35度以上の場合を◎とし、25度以上35度未満の場合を○とし、15度以上25度未満の場合を△とし、15度未満の場合を×として判定した。△以上が実用化レベルである。
[鋳型パターン除去性能]
事前にHMDS処理した6インチシリコンウェーハ上に、実施例1〜12、比較例1〜2で調整した感放射線性組成物をそれぞれスピンナーで乾燥膜厚0.5μmとなるように塗布した後、95℃のホットプレート上で1分間プレベークした。得られた塗膜に365ナノメートルより短い波長の光をカットするフィルターを介して無電極UVランプを用い(露光機:ヘレウス社製FUSION)、露光量を2.4J/cmとして窒素中で放射線照射を行い、塗膜1を得た。得られた塗膜1にフォトマスクを介して高圧水銀ランプを用い、露光量を700mJ/cmとして放射線照射を行った。続いて、塗膜1を有する基板を2.38%テトラアンモニウムヒドロキシド水溶液に60秒間浸漬することにより露光部を除去し、塗膜1表面にラインアンドスペースパターンを形成した。
得られたパターン付き塗膜1全面に、高圧水銀ランプを用い、露光量を10J/cmとして放射線照射を行った。続いて、放射線照射後の塗膜1を有する基板を、120℃のホットプレートでPEBし、PEB後の塗膜1を有する基板を2.38%テトラアンモニウムヒドロキシド水溶液に60秒間浸漬することにより、塗膜1のパターンを除去した。
10本のラインアンドスペースパターンを完全に除去できた場合を◎とし、10本のうち1本除去できなかった場合を○とし、10本のうち2本除去できなかった場合を△とし、10本のうち3本以上除去できなかった場合を×として判定した。△以上が実用レベルである。
[インク塗布アシスト性能評価]
前記で作製したパターンの凹部付近に、自動極小接触角計(協和界面科学社製MCA−2)を用い、マイクロキャピラリーにてPGMEA60plを滴下し、5秒後に滴下部分を滴下方向からマイクロスコープにて観察した。
形成された10本の50ミクロンの凹部のラインからPGMEAがはみ出ずにライン中に完全に留まった場合は◎と評価した。10本の凹部のラインからPGMEAがはみ出てライン形状がわずかに乱れているラインが1本でも観察された場合は○と評価した。10本の凹部のラインからPGMEAがはみ出てライン形状がわずかに乱れているラインが2本観察された場合は△と評価した。10本の凹部のラインからPGMEAがはみ出てライン形状がわずかに乱れているラインが3本以上観察された場合は×と評価した。△以上が実用レベルである。
<実施例1を用いたパターンの形成>
(工程1)
事前にHMDS処理した6インチシリコンウェーハ上に、実施例1で調整した感放射線性組成物をそれぞれスピンナーで乾燥膜厚0.5μmとなるように塗布した後、95℃のホットプレート上で1分間プレベークした。
(工程2)
得られた塗膜に365ナノメートルより短い波長の光をカットするフィルターを介して無電極UVランプを用い(露光機:ヘレウス社製FUSION)、露光量を2.4J/cmとして窒素中で放射線照射を行い、硬化した塗膜1を得た。
(工程3)
得られた塗膜1にフォトマスクを介して高圧水銀ランプを用い、露光量を700mJ/cmとして放射線照射を行った。
続いて、放射線照射後の塗膜1を有する基板を、120℃のホットプレートで1分間放射線照射後ベーク(以下、PEBと略す)し、PEB後の塗膜1を有する基板を2.38%テトラアンモニウムヒドロキシド水溶液に60秒間浸漬することにより露光部を除去し塗膜1表面に凹部を形成した。
(工程4)
前記で作製した塗膜1上に、カーボンブラック分散液(100質量部、御国色素社製、カーボンブラックをCBと略すこともある)とジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(50質量部、新中村化学工業社製)とNCI−831(15質量部、ADEKA社製)からなるプロピレングリコールメチルエーテルアセテート溶液(硬化性組成物であるCB溶液,ここで、前記硬化性組成物の全量から、プロピレングリコールメチルエーテルアセテートを抜いた全成分のことを固形分とし、同固形分の全量を100質量%としたときのCB濃度は30質量%である)を滴下した後、塗膜1とCB溶液とを有する基板を傾けて、塗膜1上のCB溶液を排除し、塗膜1の凹部のみにCB溶液が残存した、塗膜1とCB溶液とを有する基板を形成した。
続いて、塗膜1とCB溶液とを有する基板をULVAC社製減圧装置(MUE−2000)で処理して、基板上のCB溶液中の溶剤であるプロピレングリコールメチルエーテルアセテートを含む揮発成分を減圧除去し、塗膜2を形成した。
(工程5)
得られたパターン付き塗膜2全面に、高圧水銀ランプを用い、露光量を10J/cmとして放射線照射を行った。続いて、放射線照射後の塗膜2を有する基板を、120℃のホットプレートで1分間PEBし、PEB後の塗膜2を有する基板を2.38%テトラアンモニウムヒドロキシド水溶液に60秒間浸漬することにより、塗膜2上の塗膜1のパターンのみを除去し、基板上にCBのパターンのみを形成した。
<比較例1を用いたパターンの形成>
前記工程1で用いた感放射線性組成物として比較例1を用いた以外は、前記実施例1の評価工程と同様の工程により、基板上にCBのパターンのみを形成した。
<参考例を用いたパターンの形成>
事前にHMDS処理した6インチシリコンウェーハ上に、カーボンブラック分散液(100質量部、御国色素社製)とジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(50質量部、新中村化学工業社製)とNCI−831(15質量部、ADEKA社製)からなるプロピレングリコールメチルエーテルアセテート溶液(CB溶液,CB固形分濃度30質量%)をスピンナーで乾燥膜厚1.0μmとなるように塗布した後、120℃のホットプレート上で1分間プレベークした。得られたCB塗膜にフォトマスクを介して高圧水銀ランプを用い、露光量を700mJ/cmとして放射線照射を行った。
続いて、2.38%テトラアンモニウムヒドロキシド水溶液に60秒間浸漬すると、CB塗膜が基板から全て剥離し、CBのパターンを形成することができなかった。
<実施例2を用いたパターンの形成>
(工程1)
事前にHMDS処理した6インチシリコンウェーハ上に、実施例1で調整した感放射線性組成物をそれぞれスピンナーで乾燥膜厚0.5μmとなるように塗布した後、95℃のホットプレート上で1分間プレベークした。
(工程2)
得られた塗膜に365ナノメートルより短い波長の光をカットするフィルターを介して無電極UVランプを用い(露光機:ヘレウス社製FUSION)、露光量を2.4J/cmとして窒素中で放射線照射を行い、硬化した塗膜1を得た。
(工程3)
得られた塗膜1にフォトマスクを介して高圧水銀ランプを用い、露光量を700mJ/cmとして放射線照射を行った。
続いて、放射線照射後の塗膜1を有する基板を、120℃のホットプレートで1分間PEBし、PEB後の塗膜1を有する基板をプロピレングリコールメチルエーテルアセテートに60秒間浸漬することにより露光部を除去し塗膜1表面に凹部を形成した。
(工程4)
前記で作製した塗膜1上に、硬化性組成物としてカーボンブラック分散液(100質量部、御国色素社製)とジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(50質量部、新中村化学工業社製)とNCI−831(15質量部、ADEKA社製)からなるプロピレングリコールメチルエーテルアセテート溶液(CB溶液,CBの固形分濃度30質量%)を滴下した後、塗膜1とCB溶液とを有する基板を傾けて、塗膜1上のCB溶液を排除し、塗膜1の凹部のみにCB溶液が残存した、塗膜1とCB溶液とを有する基板を形成した。
続いて、塗膜1とCB溶液とを有する基板をULVAC社製減圧装置(MUE−2000)で処理して、基板上のCB溶液中の溶剤であるプロピレングリコールメチルエーテルアセテートを含む揮発成分を減圧除去し、塗膜2を形成した。
(工程5)
得られたパターン付き塗膜2全面に、高圧水銀ランプを用い、露光量を10J/cmとして放射線照射を行った。続いて、放射線照射後の塗膜2を有する基板を、120℃のホットプレートで1分間PEBし、PEB後の塗膜2を有する基板をプロピレングリコールメチルエーテルアセテートに60秒間浸漬することにより、塗膜2上の塗膜1のパターンのみを除去し、基板上にCBのパターンのみを形成した。
ここで、塗膜1の膜厚の厚みを100%としたときに、形成されたCBのパターンの膜厚が110%以上の場合を◎、90%以上110%未満の場合を○、90%未満の場合を×としてパターンの成形性を評価した。
実施例1を用いたパターン:◎、実施例2を用いたパターン:○、参考例を用いたパターン:×、比較例1を用いたパターン:×、であった。
Figure 2020076825
Figure 2020076825
パターンの成形性の評価結果、および表2から明らかなように本発明の方法、材料を使用すれば、厚膜のパターンを良好に形成することができる。

Claims (8)

  1. 少なくとも、
    (1)感放射線性組成物を基板上に塗布し塗膜を形成する工程、
    (2)前記塗膜に放射線を照射し硬化することで塗膜1を形成する工程、
    (3)前記塗膜1に(2)工程とは異なる波長の放射線を照射し、
    塗膜1の所定部分に凹部を形成する工程、
    (4)前記凹部に、硬化性組成物を塗布し塗膜2を形成する工程、
    (5)前記塗膜1の前記所定部分以外の残部を除去する工程、
    を備えるパターン形成方法。
  2. 前記(4)工程の硬化性組成物が、黒色顔料、金属または金属酸化物からなる群より選択される少なくとも1種を含有する感放射線性組成物である、請求項1に記載のパターン形成方法。
  3. 前記(2)工程で照射する放射線の波長は365nm以上500nm以下であり、
    前記(3)工程で照射する放射線の波長は193nm以上365nm未満である、
    請求項1または2に記載のパターン形成方法。
  4. 前記(5)工程が、前記塗膜1の残部に放射線を照射し、その後ベークする工程、
    である、請求項1〜3いずれか1項に記載のパターン形成方法。
  5. 表示素子形成用または固体撮像素子形成用である、請求項1〜4いずれか1項に記載のパターン形成方法。
  6. (A−1)チオエーテル結合の少なくとも1種、ならびに(メタ)アクリロイル基、末端アルケンおよび末端アルキンから選択される少なくとも1種を有する化合物、
    (A−2)下記式(1)で表される基を含む構造単位を有する重合体、
    Figure 2020076825
    (式(1)中、RおよびRはそれぞれ独立に、水素原子またはフッ素原子である。Rは水素原子、フッ素原子、または少なくとも1個のフッ素原子を含む有機基である。但し、R、RおよびRの少なくとも1つはフッ素原子またはフッ素原子を含む有機基である。Aはエステル結合またはエーテル結合であり、n=1〜10の整数である。*は結合部位を表す。)
    (B−1)光開始剤、
    (B−2)酸発生剤、
    (C)溶剤、
    とを含有する感放射線性組成物。
  7. (A)下記式(1)で表される基の少なくとも1種、チオエーテル結合の少なくとも1種、ならびに、(メタ)アクリロイル基、末端アルケンおよび末端アルキンから選択される少なくとも1種、を有する化合物、
    Figure 2020076825
    (式(1)中、RおよびRはそれぞれ独立に、水素原子またはフッ素原子である。Rは水素原子、フッ素原子、または少なくとも1個のフッ素原子を含む有機基である。但し、R、RおよびRの少なくとも1つはフッ素原子またはフッ素原子を含む有機基である。Aはエステル結合またはエーテル結合であり、n=1〜10の整数である。*は結合部位を表す。)
    (B)感光剤、
    (C)溶剤、
    とを含有する感放射線性組成物。
  8. 前記(A−1)および(A)化合物が、さらに下記式(2)で表される構造部位を有する、請求項6または7に記載の感放射線性組成物。
    Figure 2020076825
    (式(2)中、R及びRは、それぞれ独立して、炭素数1〜8の1級あるいは2級アルキル基であり、置換基として炭化水素基、フッ素化アルキル基あるいはケイ素化アルキル基を有していても良い。R6及びR7は、それぞれ独立して、炭素数1〜8のアルキル基、またはアリール基であり、R6及びR7がアルキル基の場合には、置換基として炭化水素基、フッ素化アルキル基あるいはケイ素化アルキル基を有していても良い。Lは炭素数1から12の2価の炭化水素基を表す。)
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