JP7255375B2 - 感放射線性組成物及びパターン形成方法 - Google Patents
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Description
本発明の一実施形態に係る感放射線性組成物は、(A)重合体、(B)酸発生剤及び(C)溶剤を含む。
(A)重合体は、下記の構造単位(a)及び構造単位(b)を有する。
構造単位(a)は、下記式(1)で表される構造単位である。(A)重合体が構造単位(a)を有することにより、(A)重合体及び(A)重合体を含む当該感放射線性組成物の塗膜は、選択的な溶剤溶解性を発揮することができる。例えば、当該感放射線性組成物の塗膜の露光部分は、一般的なアルカリ現像液や特定の有機溶剤に対しては十分に溶解可能である。一方、当該感放射線性組成物の塗膜の非露光部分は、特定の有機溶剤等に対する溶解性が低い。このような選択的な溶剤溶解性が生じる理由としては、下記式(1)で表される構造単位(a)が有するフェノール性水酸基が、アルキル基R2によって適度な酸性度になっていることなどが推測される。従って、(A)重合体を含む当該感放射線性組成物によれば、パターン形成用材料(硬化性組成物)の溶剤として用いられる各種溶剤に溶解し難く、かつ温和な条件で除去可能な鋳型パターンを形成することができる。
3,5-ジメチル-4-ヒドロキシベンジル(メタ)アクリルアミド、3,5-ジエチル-4-ヒドロキシベンジル(メタ)アクリルアミド、2,3,5,6-テトラメチル-4-ヒドロキシベンジル(メタ)アクリルアミド、3,5-ジメチル-4-ヒドロキシフェニル(メタ)アクリルアミド、3,5-ジエチル-4-ヒドロキシフェニル(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリル酸アミド類;
3,5-ジメチル-4-ヒドロキシベンジル(メタ)アクリレート、3,5-ジエチル-4-ヒドロキシベンジル(メタ)アクリレート、2,3,5,6-テトラメチル-4-ヒドロキシベンジル(メタ)アクリレート、3,5-ジメチル-4-ヒドロキシフェニル(メタ)アクリレート、3,5-ジエチル-4-ヒドロキシフェニル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル類;
2,6-ジメチル-4-ビニルフェノール、2,6-ジエチル-4-ビニルフェノール等のビニルフェノール類
などを挙げることができる。
構造単位(b)は、フッ素原子を含む基を有する構造単位である。(A)重合体が、構造単位(b)を有することにより、当該感放射性組成物の塗膜表面の撥液性が向上する。このため、当該感放射線性組成物を用いて形成された鋳型パターンの凹部に、硬化性組成物を効率的に埋め込むことができる。
2-(パーフルオロメチル)エチル(メタ)アクリレート、2-(パーフルオロエチル)エチル(メタ)アクリレート、2-(パーフルオロブチル)エチル(メタ)アクリレート、2-(パーフルオロヘキシル)エチル(メタ)アクリレート、2-(パーフルオロヘプチル)エチル(メタ)アクリレート、2-(パーフルオロオクチル)エチル(メタ)アクリレート、(パーフルオロメチル)メチル(メタ)アクリレート、(パーフルオロエチル)メチル(メタ)アクリレート、(パーフルオロブチル)メチル(メタ)アクリレート、(パーフルオロヘキシル)メチル(メタ)アクリレート、(パーフルオロヘプチル)メチル(メタ)アクリレート、(パーフルオロオクチル)メチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3-テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル類;
2-(パーフルオロヘキシル)エチル(メタ)アクルアミド、(パーフルオロヘキシル)メチル(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクルリ酸アミド類
などを挙げることができる。
(A)重合体は、構造単位(a)及び構造単位(b)以外の構造単位をさらに有していてもよい。例えば、(A)重合体は、ケイ素を含む構造単位(c)を有していてもよい。(A)重合体が、構造単位(c)を有する場合、選択的な溶剤溶解性、得られる塗膜の撥液性などがより高まる場合がある。
(B)酸発生剤は、例えば、少なくとも放射線の照射によって酸を発生する化合物である。当該感放射線性組成物が(B)酸発生剤を含むことで、例えば、当該感放射線性組成物の塗膜の一部に放射線を照射した際、照射部分(露光部分)の現像液等に対する溶解性を高めることなどができる。すなわち、当該感放射線性組成物は、通常、ポジ型の感光性を発現することができる。
る構造を有する化合物が好ましい。
4,4’-ジヒドロキシジフェニルメタン、4,4’-ジヒドロキシジフェニルエーテル、2,3,4-トリヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4,4’-テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4,2’,4’-ペンタヒドロキシベンゾフェノン、トリス(4-ヒドロキシフェニル)メタン、トリス(4-ヒドロキシフェニル)エタン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-1-フェニルエタン、1,3-ビス[1-(4-ヒドロキシフェニル)-1-メチルエチル]ベンゼン、1,4-ビス[1-(4-ヒドロキシフェニル)-1-メチルエチル]ベンゼン、4,6-ビス[1-(4-ヒドロキシフェニル)-1-メチルエチル]-1,3-ジヒドロキシベンゼン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-1-[4-{1-(4-ヒドロキシフェニル)-1-メチルエチル}フェニル]エタン、4,4’-[1-[4-[1-(4-ヒドロキシフェニル)-1-メチルエチル]フェニル]エチリデン]ビスフェノールなどの1つ以上のフェノール性水酸基を有する化合物と、
1,2-ナフトキノンジアジド-4-スルホン酸又は1,2-ナフトキノンジアジド-5-スルホン酸とのエステル化合物等を挙げることができる。
(C)溶剤は、感放射線性組成物の粘度調整などの取扱性の向上や、保存安定性を調節するために含有されるものである。(C)溶剤は、1種又は2種以上を用いることができる。
メタノール、エタノール、n-プロパノール、シクロヘキサノール等のモノアルコール;
エチレングリコール、プロピレングリコール、2,4-ペンタンジオール等の多価アルコール;
エチレングリコールモノアルキルエーテル、プロピレングリコールモノアルキルエーテル等の多価アルコール部分エーテル
等を挙げることができる。
ヒドロキシ酸エステルとしては、グリコール酸エステル、乳酸エステル、ヒドロキシプロピオン酸エステル等を挙げることができる。
当該感放射線性組成物は、(A)重合体、(B)酸発生剤及び(C)溶剤以外のその他の成分をさらに含んでいてもよい。その他の成分としては、界面活性剤、酸拡散制御剤、保存安定剤等が挙げられる。但し、当該感放射線性組成物におけるその他の成分の含有量としては、(A)重合体100質量部に対して20質量部以下が好ましいことがあり、10質量部以下がより好ましいことがあり、5質量部又は1質量部以下がさらに好ましいこともある。
当該感放射線性組成物は、表示素子製造用又は固体撮像素子製造用の感放射線性組成物として好適である。具体的には、表示素子又は固体撮像素子の製造の際、表示素子又は固体撮像素子に備わる硬化膜(パターン)を形成するための鋳型パターン(テンプレート)の形成材料として好適である。
本発明の一実施形態に係る重合体は、下記式(2)で表される構造単位とフッ素原子を含む基を有する構造単位とを含む重合体である。
本発明の一実施形態に係るパターン形成方法は、
(1)下記式(1)で表される構造単位とフッ素原子を含む基を有する構造単位とを含む重合体を含有する感放射線性組成物を用い、基板上に第1の塗膜を形成する工程、
(2)上記第1の塗膜の一部に第1の放射線を照射する工程、
(3)硬化性組成物を用い、上記第1の放射線が照射された部分に形成された凹部に第2の塗膜を形成する工程、並びに
(4)上記第1の塗膜及び第2の塗膜の少なくとも一方に第2の放射線を照射する工程
を備える。
(5)上記第2の放射線を照射する工程の後に、上記第1の塗膜の少なくとも一部を除去する工程
をさらに備えることが好ましい。
(1)工程は、上記式(1)で表される構造単位(構造単位(a))とフッ素原子を含む基を有する構造単位(構造単位(b))とを含む(A)重合体を含有する感放射線性組成物を用い、基板上に第1の塗膜を形成する工程である。
(2)工程は、第1の塗膜の一部に第1の放射線を照射する工程である。この放射線の照射は、通常、フォトマスク等を介して行われる。
(3)工程は、硬化性組成物を用い、凹部に第2の塗膜を形成する工程である。この第2の塗膜の形成は、硬化性組成物を凹部が形成された第1の塗膜(鋳型パターン)上に塗布することなどで行うことができる。このとき、第1の塗膜の表面が撥液性であり、凹部の底面が相対的に親液性であるため、凹部に硬化性組成物が流れ込み、凹部を埋めるように第2の塗膜が形成される。なお、第2の塗膜が第1の塗膜よりも厚膜になる場合や、第1の塗膜の上面の一部を第2の塗膜が覆うこともある。
(4)工程では、第1の塗膜及び第2の塗膜の少なくとも一方に第2の放射線を照射する。第2の放射線の照射条件は、上述した第1の放射線の照射条件を適用することができる。但し、第1の放射線と第2の放射線とは同じであっても異なっていてもよく、これらの照射条件も同じであっても異なっていてもよい。
(5)工程は、第2の放射線を照射する工程の後に、第1の塗膜の少なくとも一部を除去する。このとき、残存する第1の塗膜の実質的に全て、すなわち鋳型パターンの実質的に全てを除去することが好ましい。この除去により、硬化性組成物から形成されたパターン(隔壁等)が現れることとなる。
[合成例1]重合体(A-1)の合成
冷却管及び撹拌機を備えたフラスコに、原料モノマーとして、3,5-ジメチル-4-ヒドロキシベンジルメタクリルアミド(メルク社製)14.71質量部、及び2-(パーフルオロヘキシル)エチルアクリレート(CH2=CHCOOCH2CH2C6F13:ユニマテック社製)5.29質量部、並びに溶剤として乳酸エチル60質量部を仕込んだ。これらを窒素雰囲気中で、70℃に加温し、均一な溶液を得た。この溶液中に、2、2’-アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)1.00質量部を含む乳酸エチルの懸濁液5質量部を加え、75℃で7時間攪拌し、その後100℃に加温して1時間攪拌した。反応液を室温に戻した後、800mLの酢酸エチルに注いだ。析出物を濾別した後、酢酸エチルを一部減圧留去して、重合体(A-1)の溶液を得た。
なお、用いた原料モノマーの物質量比(モル量比)3,5-ジメチル-4-ヒドロキシベンジルメタクリルアミド:2-(パーフルオロヘキシル)エチルアクリレートは、約84:16である。
原料モノマーとして、3,5-ジメチル-4-ヒドロキシベンジルメタクリルアミド(メルク社製)5.21質量部、及びメタクリル酸1H,1H,2H,2H-ヘプタデカフルオロデシル(CH2=C(CH3)COOCH2CH2C8F17:富士フイルム和光純薬社製)2.39質量部を用いたこと以外は合成例1に準じ、重合体(A-2)の溶液を得た。
原料モノマーとして、3,5-ジメチル-4-ヒドロキシベンジルメタクリルアミド(メルク社製)5.40質量部、及びアクリル酸1H,1H,2H,2H-ヘプタデカフルオロデシル(CH2=CHCOOCH2CH2C8F17:富士フイルム和光純薬社製)2.40質量部を用いたこと以外は合成例1に準じ、重合体(A-3)の溶液を得た。
原料モノマーとして、3,5-ジメチル-4-ヒドロキシベンジルメタクリルアミド(メルク社製)6.19質量部、及びアクリル酸2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8-ペンタデカフルオロオクチル(CH2=CHCOOCH2C7F15:富士フイルム和光純薬社製)2.41質量部を用いたこと以外は合成例1に準じ、重合体(A-4)の溶液を得た。
原料モノマーとして、3,5-ジメチル-4-ヒドロキシベンジルメタクリルアミド(メルク社製)7.29質量部、及び2-(パーフルオロヘキシル)エチルメタクリレート(CH2=C(CH3)COOCH2CH2C6F13:ユニマテック社製)2.71質量部を用いたこと以外は合成例1に準じ、重合体(A-5)の溶液を得た。
原料モノマーとして、3,5-ジメチル-4-ヒドロキシベンジルメタクリルアミド(メルク社製)15.70質量部、及び2-(パーフルオロブチル)エチルアクリレート(CH2=CHCOOCH2CH2C4F9:ユニマテック株式会社製)4.30質量部を用いたこと以外は合成例1に準じ、重合体(A-6)の溶液を得た。
原料モノマーとして、3,5-ジメチル-4-ヒドロキシベンジルメタクリルアミド(メルク社製)15.56質量部、及び2-(パーフルオロブチル)エチルメタクリレート(CH2=C(CH3)COOCH2CH2C4F9:ユニマテック株式会社製)4.44質量部を用いたこと以外は合成例1に準じ、重合体(A-7)の溶液を得た。
原料モノマーとして、3,5-ジメチル-4-ヒドロキシベンジルメタクリルアミド(メルク社製)17.24質量部、及び2,2,3,3-テトラフルオロプロピルアクリレート(CH2=CHCOOCH2C2HF4:大阪有機化学工業社製)2.76質量部を用いたこと以外は合成例1に準じ、重合体(A-8)の溶液を得た。
原料モノマーとして、3,5-ジメチル-4-ヒドロキシベンジルメタクリルアミド(メルク社製)17.66質量部、及び2,2,2-トリフルオロエチルアクリレート(CH2=CHCOOCH2CF3:大阪有機化学工業社製)2.34質量部を用いたこと以外は合成例1に準じ、重合体(A-9)の溶液を得た。
原料モノマーの配合比を、3,5-ジメチル-4-ヒドロキシベンジルメタクリルアミド(メルク社製)9.54質量部、及び2-(パーフルオロヘキシル)エチルアクリレート(CH2=CHCOOCH2CH2C6F13:ユニマテック社製)10.46質量部としたこと以外は合成例1に準じ、重合体(A-10)の溶液を得た。
なお、用いた原料モノマーの物質量比(モル量比)3,5-ジメチル-4-ヒドロキシベンジルメタクリルアミド:2-(パーフルオロヘキシル)エチルアクリレートは、約65:35である。
原料モノマーの配合比を、3,5-ジメチル-4-ヒドロキシベンジルメタクリルアミド(メルク社製)18.06質量部、及び2-(パーフルオロヘキシル)エチルアクリレート(CH2=CHCOOCH2CH2C6F13:ユニマテック社製)1.94質量部としたこと以外は合成例1に準じ、重合体(A-11)の溶液を得た。
なお、用いた原料モノマーの物質量比(モル量比)3,5-ジメチル-4-ヒドロキシベンジルメタクリルアミド:2-(パーフルオロヘキシル)エチルアクリレートは、約95:5である。
原料モノマーとして、2-(パーフルオロヘキシル)エチルアクリレート(CH2=CHCOOCH2CH2C6F13:ユニマテック社製)20.00質量部を用いたこと以外は合成例1に準じ、重合体(a-1)の溶液を得た。
原料モノマーとして、メタクリル酸(東京化成工業社製)10.77質量部、及び2-(パーフルオロヘキシル)エチルアクリレート(CH2=CHCOOCH2CH2C6F13:ユニマテック社製)9.23質量部を用いたこと以外は合成例1に準じ、重合体(a-2)の溶液を得た。
原料モノマーとして、3,5-ジメチル-4-ヒドロキシベンジルメタクリルアミド(メルク社製)20.00質量部を用いたこと以外は合成例1に準じ、重合体(a-3)の溶液を得た。
原料モノマーとして、3,5-ジメチル-4-ヒドロキシベンジルメタクリルアミドの代わりに4-ヒドロキシフェニルメタクリレート(精工化学社製)を用いたこと以外は合成例1に準じ、重合体(a-4)の溶液を得た。
・重合体
重合体(A-1)~(A-11):合成例1~11で得られた重合体(A-1)~(A-11)
重合体(a-1)~(a-4):比較合成例1~4で得られた重合体(a―1)~(a-4)
・酸発生剤
酸発生剤(B-1):4,4’-[1-[4-[1-(4-ヒドロキシフェニル)-1-メチルエチル]フェニル]エチリデン]ビスフェノールと6-ジアゾ-5,6-ジヒドロ-5-オキソ-ナフタレン-1-スルホン酸とのエステル化合物
酸発生剤(B-2):トリス(4-ヒドロキシフェニル)エタンと6-ジアゾ-5,6-ジヒドロ-5-オキソ-ナフタレン-1-スルホン酸とのエステル化合物
酸発生剤(B-3):4、4’-[1-[4-[1-(4-ヒドロキシフェニル)-1-メチルエチル]フェニル]エチリデン]ビスフェノールと3-ジアゾ-3,4-ジヒドロ-4-オキソ-ナフタレン-1-スルホン酸とのエステル化合物
・溶剤
溶剤(C-1):乳酸エチル
溶剤(C-2):1-メトキシ-2-プロパノール(プロピレングリコールモノメチルエーテル)
・界面活性剤
フッ素系界面活性剤:フッ素シリコーン撥水剤「X-24-9418」(信越化学工業社製)
[調製例1]
合成例1で得られた重合体(A-1)の溶液の固形分100質量部と酸発生剤(B-1)15質量部とを混合し、固形分濃度が10質量%、溶剤(C-1)と溶剤(C-2)との組成比(質量比)が7:3となるように、溶剤(C-1)と溶剤(C-2)とを加えた。その後、孔径0.5μmのミリポアフィルタでろ過することにより、感放射線性組成物(S-1)を調製した。
各固形分(重合体、酸発生剤及び界面活性剤)の組成比、及び各溶剤の組成比を表1に示す通りとしたこと以外は調製例1と同様にして、調製例2~16の感放射線性組成物(S-2)~(S-16)及び比較調製例1~6の感放射線性組成物(s-1)~(s-6)をそれぞれ得た。
調製例1~16及び比較例1~6で調製した各感放射性組成物を用いて、以下の評価を実施した。結果を表2に示す。評価は特に記載の無い限り23℃、湿度55%の雰囲気下で行った。
基板として、HMDS(ヘキサメチルジシラザン)処理した6インチシリコンウェーハを用意した。基板上に、各感放射線性組成物をそれぞれスピンナーで乾燥膜厚0.5μmとなるように塗布した後、95℃のホットプレート上で1分間加熱して塗膜を得た。得られた塗膜に対し、フォトマスクを介して、露光量を50mJ/cm2として、365nm以上の波長の光を照射した。続いて、放射線照射後の塗膜が積層された基板を、0.4~2.38質量%の濃度のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)水溶液に120秒間浸漬することにより露光部を除去し塗膜表面に凹部を形成した。凹部の底面には、基板の表面が露出していた。TMAH水溶液の濃度は、各感放射線性組成物によって異なり、0.4~2.38%の濃度の範囲内で、各感放射線性組成物に最も適した濃度のTMAH水溶液を用いて露光部の除去処理を行った。
基板として、HMDS(ヘキサメチルジシラザン)処理した6インチシリコンウェーハを用意した。基板上に、各感放射線性組成物をそれぞれスピンナーで塗布した後、95℃のホットプレート上で1分間加熱して塗膜を得た。
上記「鋳型パターン形状」の評価で作製した塗膜の凹部付近に、自動極小接触角計(協和界面科学社製MCA-2)を用い、マイクロキャピラリーにて酢酸オクチル60pLを滴下し、5秒後に滴下部分を滴下方向からマイクロスコープにて観察した。
(工程1)
基板として、HMDS(ヘキサメチルジシラザン)処理した6インチシリコンウェーハを用意した。基板上に、感放射線性組成物(S-1)~(S-16)をそれぞれスピンナーで乾燥膜厚0.5μmとなるように塗布した後、95℃のホットプレート上で1分間加熱して塗膜を得た。
得られた塗膜(第1の塗膜)にフォトマスクを介して高圧水銀ランプを用い、露光量を50mJ/cm2として放射線照射を行った。
続いて、放射線照射後の塗膜が積層された基板を1.19質量%TMAH水溶液に120秒間浸漬することにより露光部を除去し、塗膜に凹部を形成した。これにより、それぞれ150μm幅の9列の凹部を有する鋳型パターンが形成された。
凹部を形成した第1の塗膜(鋳型パターン)上に、ポリシラン(「OGSOL SI-20-10」大阪ガスケミカル社製)4gを酢酸オクチル6gに溶解させたポリシラン溶液(硬化性組成物)を滴下した。その後、基板を傾けて、第1の塗膜上のポリシラン溶液を排除し、凹部のみにポリシラン溶液を残存させた。続いて、ULVAC社製の減圧装置(MUE-2000)で処理して、基板上のポリシラン溶液中の溶剤である酢酸オクチルを減圧除去し、凹部にポリシランの塗膜(第2の塗膜)を形成した。
基板に積層した第1の塗膜及び第2の塗膜全面に、高圧水銀ランプを用い、露光量を200mJ/cm2として放射線照射を行った。
続いて、塗膜が積層された基板を2.38質量%TMAH水溶液に60秒間浸漬することにより、第1の塗膜(鋳型パターン)を除去し、基板上にポリシランのパターンを得た。
工程5にて、2.38質量%TMAH水溶液に代えて酢酸エチルを用いたこと以外は実施例1と同様にして、基板上にポリシランのパターンを形成した。
工程5にて、2.38質量%TMAH水溶液に代えて1-メトキシ-2-プロパノールを用いたこと以外は実施例1と同様にして、基板上にポリシランのパターンを形成した。
工程1で用いた感放射線性組成物として比較調製例1で得られた感放射線性組成物(s-1)を用いた以外は、実施例1と同様の工程により、基板上にポリシランのパターンの形成を目論んだ。
工程2において、放射線照射後の塗膜が積層された基板を1.19質量%TMAH水溶液に120秒間浸漬したが、塗膜に凹部を形成することができなかった。このため、ポリシランのパターンを形成することはできなかった。
工程1で用いた感放射線性組成物として比較調製例2で得られた感放射線性組成物(s-2)を用いた以外は、実施例1と同様の工程により、基板上にポリシランのパターンの形成を目論んだ。
工程2において、放射線照射後の塗膜が積層された基板を1.19質量%TMAH水溶液に120秒間浸漬した。これにより露光部が除去され、塗膜に凹部が形成された。しかし、実施例1に比較して露光部の除去速度が速く、50μm幅よりも大きい凹部が形成された。また、工程3において、塗膜がポリシラン溶液に溶解し、塗膜の凹部のみにポリシラン溶液を残存させることができなかった。このため、ポリシランのパターンを形成することはできなかった。
工程1で用いた感放射線性組成物として比較調製例3で得られた感放射線性組成物(s-3)を用いた以外は、実施例1と同様の工程により、基板上にポリシランのパターンの形成を目論んだ。
工程3において、第1の塗膜(鋳型パターン)全面にポリシラン溶液が塗れ広がってしまい、第1の塗膜の凹部のみにポリシラン溶液を残存させることができなかった。このため、ポリシランのパターンを形成することはできなかった。
工程1で用いた感放射線性組成物として比較調製例4で得られた感放射線性組成物(s-4)を用いた以外は、実施例1と同様の工程により、基板上にポリシランのパターンの形成を目論んだ。
工程2において、放射線照射後の塗膜が積層された基板を1.19質量%TMAH水溶液に120秒間浸漬した。これにより露光部が除去され、塗膜に凹部が形成された。しかし、実施例1に比較して露光部の除去速度が速く、50μm幅よりも大きい凹部が形成された。また、工程3において、塗膜がポリシラン溶液に溶解し、塗膜の凹部のみにポリシラン溶液を残存させることができなかった。このため、ポリシランのパターンを形成することはできなかった。
工程1で用いた感放射線性組成物として比較調製例5~6で得られた感放射線性組成物(s-5)~(s-6)を用いた以外は、実施例1と同様の工程により、基板上にポリシランのパターンの形成を目論んだ。
工程3において、第1の塗膜(鋳型パターン)全面にポリシラン溶液が塗れ広がってしまい、第1の塗膜の凹部のみにポリシラン溶液を残存させることができなかった。このため、ポリシランのパターンを形成することはできなかった。
12 第1の塗膜
13 凹部
14 第2の塗膜
15 パターン
Claims (11)
- 上記フッ素原子を含む基が、炭素数4から15のフッ素化アルキル基である請求項1に記載の感放射線性組成物。
- 上記重合体における上記構造単位(a)の含有量が、70質量%以上99質量%以下である請求項1又は請求項2に記載の感放射線性組成物。
- 上記重合体における上記構造単位(b)の含有量が、1質量%以上30質量%以下である請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の感放射線性組成物。
- 上記溶剤が、プロピレングリコールモノアルキルエーテル、乳酸エステル、又はこれらの組み合わせを含有する請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の感放射線性組成物。
- 上記キノンジアジド化合物が、1つ以上のフェノール性水酸基を有する化合物と、1,2-ナフトキノンジアジド-4-スルホン酸(3-ジアゾ-3,4-ジヒドロ-4-オキソ-ナフタレン-1-スルホン酸)又は1,2-ナフトキノンジアジド-5-スルホン酸(6-ジアゾ-5,6-ジヒドロ-5-オキソ-ナフタレン-1-スルホン酸)とのエステル化合物である請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の感放射線性組成物。
- 表示素子製造用又は固体撮像素子製造用である請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の感放射線性組成物。
- (1)請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の感放射線性組成物を用い、基板上に第1の塗膜を形成する工程、
(2)上記第1の塗膜の一部に第1の放射線を照射する工程、
(3)硬化性組成物を用い、上記第1の放射線が照射された部分に形成された凹部に第2の塗膜を形成する工程、並びに
(4)上記第1の塗膜及び第2の塗膜の少なくとも一方に第2の放射線を照射する工程
を備えるパターン形成方法。 - (5)上記第2の放射線を照射する工程の後に、上記第1の塗膜の少なくとも一部を除去する工程
をさらに備える請求項9に記載のパターン形成方法。 - 上記第1の塗膜の少なくとも一部の除去を、有機溶剤を含む液剤を用いて行う請求項10に記載のパターン形成方法。
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