JP7375546B2 - ネガ型感光性樹脂組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば、量子ドットディスプレイ、TFTアレイ、薄膜太陽電池等の光学素子の製造に用いるネガ型感光性樹脂組成物に関する。
量子ドットディスプレイ、TFT(Thin Film Transistor)アレイ、薄膜太陽電池等の光学素子の製造においては、発光層等の有機層または無機層をドットとして、インクジェット(IJ)法にてパターン印刷する方法を用いることがある。かかる方法においては、形成しようとするドットの輪郭に沿って隔壁を設け、該隔壁で囲まれた区画(以下、開口部ともいう。)内に、有機層または無機層の材料を含むインクを注入し、これを乾燥および/または加熱等することにより所望のパターンのドットを形成する。
上記において、インクジェット(IJ)法にてパターン印刷をする際には、隣接するドット間におけるインクの混合防止とドット形成におけるインクの均一塗布のため、隔壁に撥インク性を持たせる技術が検討されている。例えば、特許文献1には、有機TFTの製造において隔壁を用い、さらに隔壁に撥液性を持たせる技術が記載されている。
一方、近年、ネガ型感光性樹脂組成物を用いた隔壁形成においては、高精度な光学素子を得るために、得られる隔壁が基材と十分な密着性を有するとともに、開口部における該組成物の残渣が極めて少ないことが求められている。特許文献2には、特にカラーフィルタ用途において、現像時に露光部の膜減りが生じにくく感度や密着性が良好な感光性組成物として、(メタ)アリル基を有する化合物、2以上のメルカプト基を有する化合物、光重合開始剤、アルカリ可溶性樹脂を含有する感光性樹脂組成物が開示されている。
しかしながら、特許文献2に開示される感光性樹脂組成物でも、近年の高精度の光学素子に求められるレベルにおいては、隔壁の基材密着性と開口部の残渣の低減の両立を達成することはできていない。
国際公開第2010/058662号 日本特開2010-39481号公報
本発明は、上記観点からなされたものであって、高精度の光学素子に適用するために、隔壁の基材への密着性が良好であるとともに、開口部における残渣の低減が可能な、例えば、量子ドットディスプレイ、TFTアレイ、薄膜太陽電池等の光学素子の製造に用いられるネガ型感光性樹脂組成物の提供を目的とする。
本発明は、以下の態様を有する。
[1]主鎖に芳香族環を含み分子中に酸性基とエチレン性二重結合とを有し酸価が40mgKOH/g以上のアルカリ可溶性樹脂と、光ラジカル重合開始剤と、下記式(I)で示される化合物(I)と、を含有することを特徴とするネガ型感光性樹脂組成物。
Figure 0007375546000001
(ただし、式(I)中、Rは水素原子またはメチル基であり、nは2以上の整数であり、Xはn価の有機基であり、Qは-CH-または単結合である。Qが単結合の場合、Qと結合するXの末端は-C(=O)を含まない。2以上のnで囲まれる基は同一であっても異なってもよい。)
[2]前記化合物(I)が、環状化合物である[1]のネガ型感光性樹脂組成物。
[3]前記化合物(I)が、脂肪族ヘテロ環状化合物である[1]のネガ型感光性樹脂組成物。
[4]前記アルカリ可溶性樹脂を、ネガ型感光性樹脂組成物における全固形分中、5~80質量%含有する[1]~[3]のいずれかのネガ型感光性樹脂組成物。
[5]前記光ラジカル重合開始剤をネガ型感光性樹脂組成物における全固形分中、0.1~50質量%含有する[1]~[4]のいずれかのネガ型感光性樹脂組成物。
[6]前記式(I)で示される化合物(I)を、ネガ型感光性樹脂組成物における全固形分中、1~50質量%含有する[1]~[5]のいずれかのネガ型感光性樹脂組成物。
[7]さらに、1分子中にメルカプト基を2個以上有するチオール化合物を含有する[1]~[6]のいずれかのネガ型感光性樹脂組成物。
[8]前記チオール化合物を、ネガ型感光性樹脂組成物中の全固形分が有するエチレン性二重結合の1モルに対してメルカプト基が0.0001~1モルとなる量含有する[1]~[7]のネガ型感光性樹脂組成物。
[9]さらに、撥インク剤を含有する[1]~[8]のいずれかのネガ型感光性樹脂組成物。
[10]前記撥インク剤は、エチレン性二重結合を有する[9]のネガ型感光性樹脂組成物。
[11]前記撥インク剤は、1~40質量%のフッ素含有率を有する[9]または[10]のネガ型感光性樹脂組成物。
[12]前記撥インク剤を、ネガ型感光性樹脂組成物中の全固形分中、0.01~15質量含有する[9]~[11]のいずれかのネガ型感光性樹脂組成物。
[13]さらに、溶媒を含有する[1]~[12]のいずれか1項に記載のネガ型感光性樹脂組成物。
[14]前記ネガ型感光性樹脂組成物を用いて形成される樹脂硬化膜の表面における水接触角が60度以上である[1]~[136]のいずれかのネガ型感光性樹脂組成物。
[15]前記ネガ型感光性樹脂組成物を用いて形成される樹脂硬化膜の表面におけるプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート接触角が30度以上である[1]~[13]のいずれかのネガ型感光性樹脂組成物。
本発明によれば、高精度な光学素子に適用するために、隔壁の基材への密着性が良好であるとともに、開口部における残渣の低減が可能な、例えば、量子ドットディスプレイ、TFTアレイ、薄膜太陽電池等の光学素子の製造に用いられるネガ型感光性樹脂組成物を提供できる。
本明細書における用語の意味は、それぞれ、以下のとおりである。
「酸価」とは、試料1g中の樹脂酸等を中和するのに必要な水酸化カリウムのミリグラム数をいう。酸価は、JIS K 0070の測定方法に準じて測定でき、単位はmgKOH/gである。
「(メタ)アクリロイル基」は、「メタクリロイル基」と「アクリロイル基」の総称である。(メタ)アクリル酸、および(メタ)アクリレートもこれに準じる。「(メタ)アリル」とは、「アリル」と「メタリル」の総称である。「(イソ)シアヌレート」とは、「シアヌレート」と「イソシアヌレート」の総称である。
式(x)で表される基を、単に基(x)と記載することがある。また、式(y)で表される化合物を、単に化合物(y)と記載することがある。ここで、式(x)、式(y)は、任意の式を示している。
「ある成分を主として構成される樹脂」または「ある成分を主体とする樹脂」とは、該成分の含有割合が樹脂全量に対して50質量%以上を占めることをいう。
「側鎖」とは、炭素原子からなる繰り返し単位が主鎖を構成する重合体において、主鎖を構成する炭素原子に結合する、水素原子またはハロゲン原子以外の基である。
「感光性樹脂組成物の全固形分」とは、感光性樹脂組成物が含有する成分のうち後述する硬化膜を形成する成分を意味し、感光性樹脂組成物を140℃で24時間加熱して溶媒を除去した残存物から求める。なお、全固形分量は仕込み量からも計算できる。
樹脂を主成分とする組成物の硬化物からなる膜を「樹脂硬化膜」という。感光性樹脂組成物を基材上に塗布した膜を「塗膜」、それを乾燥させた膜を「乾燥膜」という。該「乾燥膜」を硬化させて得られる膜は「樹脂硬化膜」である。また、「樹脂硬化膜」を単に「硬化膜」ということもある。
樹脂硬化膜は、基材上の所定の領域を複数の区画に仕切る形に形成された隔壁の形態であってもよい。隔壁で仕切られた区画、すなわち隔壁で囲まれた開口部に、例えば、以下の「インク」が注入され、「ドット」が形成される。
「インク」とは、乾燥、硬化等した後に、光学的および/または電気的な機能を有する液体を総称する用語である。量子ドットディスプレイ、TFTアレイ、薄膜太陽電池、カラーフィルタ等の光学素子においては、各種構成要素としてのドットを、該ドット形成用のインクを用いてインクジェット(IJ)法によりパターン印刷することがある。「インク」には、かかる用途に用いられるインクが含まれる。
「撥インク性」とは、上記インクをはじく性質であり、撥水性および/または撥油性を有する。撥インク性は、例えば、インクを滴下したときの接触角により評価できる。「親インク性」は撥インク性と相反する性質であり、インクを滴下したときの接触角により評価できる。または、インクを滴下したときのインクの濡れ広がりの程度(インクの濡れ広がり性)を所定の基準で評価することにより親インク性が評価できる。
「ドット」とは、光学素子における光変調可能な最小領域を示す。量子ドットディスプレイ、TFTアレイ、薄膜太陽電池、カラーフィルタ等の光学素子においては、白黒表示の場合に1ドット=1画素であり、カラー表示の場合に例えば3ドット(R(赤)、G(緑)、B(青)等)=1画素である。本明細書における「光学素子」は、エレクトロニクスデバイスを含む用語として用いる。
特に説明のない場合、「%」は、「質量%」を表し、「部」は、「質量部」を表す。また、数値範囲を表す「~」では、それぞれ、下限値、上限値をも含む範囲である。
[ネガ型感光性樹脂組成物]
本発明のネガ型感光性樹脂組成物は、主鎖に芳香族環を含み分子中に酸性基とエチレン性二重結合とを有し酸価が40以上のアルカリ可溶性樹脂(以下、アルカリ可溶性樹脂(A)ともいう。)と、光ラジカル重合開始剤(以下、光重合開始剤(B)ともいう。)と、上記式(I)で示される化合物(I)と、を含有することを特徴とする。
通常、ネガ型感光性樹脂組成物は露光により硬化して硬化膜を形成する。この際、マスキング等により基材上に所定の形状の露光部と非露光部を形成させれば、非露光部は硬化せず基材上からアルカリ現像液にて選択的に除去できる。その結果、硬化膜を、所定の領域を複数の区画に仕切る形の隔壁の形態とすることができる。
本発明のネガ型感光性樹脂組成物は、上記露光部においては、光重合開始剤(B)から発生したラジカルによりアルカリ可溶性樹脂(A)と化合物(I)が反応し硬化して基材上に硬化膜を形成する。上記反応において、化合物(I)は架橋剤として機能する。本発明者らは、アルカリ可溶性樹脂(A)と化合物(I)を組み合わせて用いることで、従来から架橋剤として使用されている(メタ)アクリロイル基を複数個有する架橋剤とアルカリ可溶性樹脂(A)を組み合わせた場合に比べて、基材との密着性が向上しパターン形状を良好なものとできる一方、非露光部の未硬化状態では、基材との親和性が高くないため、現像液での処理の際に除去されやすく残渣が残りにくくなることを見出した。
本発明のネガ型感光性樹脂組成物は、さらに必要に応じて、撥インク剤、1分子中にメルカプト基を2個以上有するチオール化合物(以下、チオール化合物(C)ともいう。)、化合物(I)以外の分子内に2個以上のエチレン性二重結合を有する架橋剤(以下、架橋剤(D)ともいう。)、溶媒、着色剤、紫外線吸収剤、その他の任意成分を含有する。本発明のネガ型感光性樹脂組成物は、また、アルカリ可溶性樹脂として、アルカリ可溶性樹脂(A)以外の、1分子中に酸性基とエチレン性二重結合とを有する感光性樹脂を含有してもよい。
(アルカリ可溶性樹脂)
アルカリ可溶性樹脂は、アルカリ可溶性樹脂(A)を主体とする。アルカリ可溶性樹脂(A)は、主鎖に芳香族環を含み、分子中に酸性基とエチレン性二重結合とを有する、酸価が40mgKOH/g以上の感光性樹脂である。アルカリ可溶性樹脂(A)は、主鎖に芳香族環を含み、酸価が40mgKOH/g以上であることで、化合物(I)と組み合わせて得られるネガ型感光性樹脂組成物は、現像性が良好となり、露光部における基材密着性と非露光部における残渣の低減の両立が達成できる。酸価は、残渣の観点から45mgKOH/g以上が好ましく、50mgKOH/g以上がより好ましい。アルカリ可溶性樹脂(A)の酸価の上限は、基材に対する密着性の観点から100mgKOH/gが好ましく、80mgKOH/gがより好ましい。
アルカリ可溶性樹脂(A)の主鎖に含まれる芳香族環としては、フェニレン基、ナフチレン基、アントラセニレン基等の二価の芳香族環構造が挙げられる。芳香族環における炭素原子は、酸素原子、窒素原子、硫黄原子等のヘテロ原子に置換されていてもよい。芳香族環としてはフェニレン基が好ましく、2個のフェニレン基が結合したビフェニル基が特に好ましい。
アルカリ可溶性樹脂(A)が有する酸性基としては、好ましくは、カルボキシ基、フェノール性水酸基、スルホ基、リン酸基等が挙げられ、2種以上を併用してもよい。アルカリ可溶性樹脂(A)の酸価は、酸性基の導入量により調整できる。
アルカリ可溶性樹脂(A)が有するエチレン性二重結合としては、好ましくは、(メタ)アクリロイル基、(メタ)アリル基、ビニル基、ビニルオキシ基、ビニルオキシアルキル基等の付加重合性を有する二重結合が挙げられ、2種以上を併用してもよい。なお、エチレン性二重結合中の水素原子の一部または全てが、アルキル基、好ましくはメチル基で置換されていてもよい。
アルカリ可溶性樹脂(A)としては、主鎖に芳香族環を含み、酸性基を有する側鎖とエチレン性二重結合を有する側鎖とを有する樹脂(A1-1)、主鎖に芳香族環を含むエポキシ樹脂に、酸性基とエチレン性二重結合とを導入した樹脂(A1-2)、酸性基を有する側鎖とエチレン性二重結合を有する側鎖とを有し、重合して主鎖を構成する部分に芳香族環を含む単量体(A1-3)等が挙げられる。これらは、それぞれ、2種以上を併用してもよい。
樹脂(A1-2)は、主鎖に芳香族環を含むエポキシ樹脂と、後述するカルボキシ基とエチレン性二重結合とを有する化合物とを反応させた後に、多価カルボン酸またはその無水物とを反応させることにより合成することができる。具体的には、主鎖に芳香族環を含むエポキシ樹脂と、カルボキシ基とエチレン性二重結合を有する化合物とを反応させることにより、該エポキシ樹脂にエチレン性二重結合が導入される。次に、エチレン性二重結合が導入された主鎖に、芳香族環を含むエポキシ樹脂に多価カルボン酸またはその無水物を反応させることにより、カルボキシ基を導入することができる。
エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、トリスフェノールメタン型エポキシ樹脂、ナフタレン骨格を有するエポキシ樹脂、下式(A1-2a)で表されるビフェニル骨格を有するエポキシ樹脂、下式(A1-2b)で表されるエポキシ樹脂、下式(A1-2c)で表されるビフェニル骨格を有するエポキシ樹脂等が挙げられる。
Figure 0007375546000002
(式(A1-2a)中、vは、1~50の整数であり、2~10の整数が好ましい。ベンゼン環の水素原子は、それぞれ独立に、炭素原子数1~12のアルキル基、ハロゲン原子、または一部の水素原子が置換基で置換されていてもよいフェニル基、で置換されていてもよい。)
Figure 0007375546000003
(式(A1-2b)中、R31、R32、R33及びR34は、それぞれ独立に、水素原子、塩素原子又は炭素原子数が1~5のアルキル基であり、wは、0~10の整数である。)
Figure 0007375546000004
(式(A1-2c)中、各ベンゼン環の水素原子は、それぞれ独立に炭素原子数1~12のアルキル基、ハロゲン原子、又は一部の水素原子が置換基で置換されていてもよいフェニル基、で置換されていてもよい。uは、0~10の整数である。)
なお、式(A1-2a)~(A1-2c)で表されるエポキシ樹脂と、カルボキシ基とエチレン性二重結合を有する化合物とを反応させた後に、多価カルボン酸無水物を反応させる場合、多価カルボン酸無水物として、ジカルボン酸無水物及びテトラカルボン酸二無水物の混合物を用いることが好ましい。ジカルボン酸無水物とテトラカルボン酸二無水物の比率を変化させることにより、分子量を制御することができる。
カルボキシ基とエチレン性二重結合とを有する化合物としては、(メタ)アクリル酸、ビニル酢酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、ケイ皮酸、またはこれらの塩等が好ましく、(メタ)アクリル酸が特に好ましい。
アルカリ可溶性樹脂(A)の質量平均分子量(以下、Mwともいう。)は、1.5×10~30×10が好ましい。Mwは2×10以上がより好ましい。一方、Mwは15×10以下がより好ましい。また、数平均分子量((以下、Mnともいう。)は、500~20×10が好ましい。Mnは1.0×10以上がより好ましい。一方、Mnは10×10以下がより好ましい。MwおよびMnが上記範囲の下限値以上であると、露光時の硬化が十分であり、上記範囲の上限値以下であると、現像性が良好である。
ネガ型感光性樹脂組成物における全固形分中のアルカリ可溶性樹脂の含有割合は、5~80%が好ましい。含有割合は10%以上がより好ましい。一方で含有割合は60%以下がより好ましい。含有割合が上記範囲であると、ネガ型感光性樹脂組成物の光硬化性および現像性が良好である。
(化合物(I))
化合物(I)は、下記式(I)で示されるとおり、分子内にn個(nは2以上)のエチレン性二重結合を有する、架橋剤として機能する化合物である。
Figure 0007375546000005
ただし、式(I)中、各記号の定義は、上記したとおりである。
化合物(I)は、分子末端に極性官能基を有しないため、基材との親和性が高くない。そのため、現像液での処理の際に除去されやすく残渣が残りにくい。
化合物(I)は、分子内に2個以上のCH=CR-Q-基を有し、CH=CR-Q-基以外に、(メタ)アクリロイル基等のエチレン性二重結合を含有しない。2個以上のCH=CR-Q-基は同一であっても異なってもよい。
CH=CR-Q-基のRは水素原子が好ましい。具体的には、CH=CR-Q-基は、CH=CH-、またはCH=CH-CH-が好ましい。
化合物(I)において、CH=CR-Q-基の数を示すnは、基材に対する密着性の観点から3以上が好ましい。nは、現像液への溶解性の観点から10以下が好ましく、6以下がより好ましい。
式(I)中、Xはn価の有機基である。Xは、例えば、鎖状(直鎖状または分岐状であって、環状構造を含んでいてもよい)の炭化水素基であり、末端または炭素原子-炭素原子間に、エステル結合、エーテル結合、アルキレンオキシド結合、アミド結合、ウレタン結合、-S-、2価アミノ基を有してもよく、炭化水素基の水素原子が水酸基、エポキシ基、グリシジル基、オキセタニル基、メルカプト基、アミノ基、ニトロ基、カルボキシル基、スルホ基、リン酸基に置換されていてもよい。耐熱性の観点より、Xはエチレン二重結合を有しない有機基が好ましい。Xが鎖状炭化水素基の場合、Xにおける炭素原子数は1~20が好ましく、1~10がより好ましい。
Xは、開口部の残渣低減の観点から、環状の基が好ましい。Xが環状の基であるとは、Xにおいて環を構成する原子が、直接、または、エステル結合、エーテル結合、アミド結合またはウレタン結合を介してCH=CR-Q-基と結合する構成の基をいう。
環状の基において、骨格を構成する環(以下、単に、環という。)は、炭化水素環またはヘテロ環であり、芳香族環であっても脂肪族環であってもよい。環の員数は、残渣低減の観点より4~18が好ましい。環の員数は5以上がより好ましい。一方で環の員数は12以下がより好ましい。環は単環であってもよく、複数の環が結合した構造でもよい。複数の環が結合している場合は、複数の環の合計の員数が、上記環の員数の範囲内であるのが好ましい。Xが環状の基である場合、環は脂肪族環が好ましく、ヘテロ脂肪族環がより好ましい。ヘテロ原子としては、窒素原子、酸素原子、硫黄原子が挙げられ、窒素原子が好ましい。
Xが環状の基の場合、環として、具体的には、(イソ)シアヌル環、ベンゼン環、シクロヘキサン環、アダマンタン環、ノルボルネン環、テトラオキサスピロウンデカン環、ナジイミド環等が挙げられ、(イソ)シアヌル環が好ましい。
化合物(I)としては、(A)CH=CR-Q-基が直接炭化水素基の主鎖を構成する原子や、環の構成原子に直接結合する化合物(I)、(B)例えば、CH=CR-Q-基の末端に水酸基、エポキシ基、アミノ基、カルボキシル基(ただし、Qが単結合の場合を除く)、イソシアネート基、ハロゲン原子等の反応性基を有する化合物と、該反応性基に反応性を有する基を2個以上有する化合物、例えば、多価アルコール、多価カルボン酸またはその酸無水物、多価イソシアネート、多価アミン等を反応して得られる化合物(I)が挙げられる。
上記(B)の場合、CH=CR-Q-基の末端に水酸基を有する化合物とはCH=CR-Q-OHであり、他の基についても同様である。(B)の場合、基XのCH=CR-Q-基との結合末端は、エステル結合、エーテル結合、アミド結合、ウレタン結合等で構成される。
上記(A)の化合物(I)として具体的には、トリビニルシクロヘキサン、トリメタ(アリル)シクロヘキサン、トリ(メタ)アリル(イソ)シアヌレート、ジ(メタ)アリルモノグリシジル(イソ)シアヌレート、トリビニル(イソ)シアヌレート、ジビニルモノグリシジル(イソ)シアヌレート、エトキシ化(イソ)シアヌル酸トリ(メタ)アリレート、3,9-ジビニル-2,4,8,10-テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン、3,9-ジ(メタ)アリル-2,4,8,10-テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン等が挙げられる。
基Xの末端がエーテル結合である化合物(I)として具体的には、ジエチレングリコールジ(メタ)アリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アリレート、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル、ペンタエリスリトールトリビニルエーテル、ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル、ジトリメチロールプロパンテトラビニルエーテル、ジペンタエリスリトールペンタビニルエーテル、ジペンタエリスリトールヘキサビニルエーテル等が挙げられる。
基Xの末端がエステル結合である化合物(I)として具体的には、ジ(メタ)アリルフタレート、ジ(メタ)アリルイソフタレート、ジ(メタ)アリルテレフタレート、ジ(メタ)アリルマレエート、ジ(メタ)アリルフマレート、ジ(メタ)アリルエンドメチレンテトラヒドロ無水フタレート、トリ(メタ)アリルトリメリテート、ジビニルフタレート、ジビニルイソフタレート、ジビニルテレフタレート、ジビニルマレエート、ジビニルフマレート、ジビニルエンドメチレンテトラヒドロ無水フタレート、トリビニルトリメリテート等が挙げられる。
これらの中でも、化合物(I)としては、以下の式(I-1)~(I-5)のいずれかに示される化合物が好ましく、Xが環状の基である化合物(I-1)、化合物(I-2)、化合物(I-3)がより好ましく、トリアリルイソシアヌレートが特に好ましい。Xが環状の基である化合物は、現像液への拡散性が良く、開口部の残渣をより低減できる。さらに、トリアルルイソシアヌレートは親水性が高く、開口部の残渣をさらに低減できる。
Figure 0007375546000006
(ただし、式(I-1)~(I-5)中、Rは水素原子またはメチル基であり、Qは-CH-または単結合である。)
化合物(I)は2種以上を組み合わせて用いてもよい。ネガ型感光性樹脂組成物における全固形分中の化合物(I)の含有割合は、1~50%が好ましい。含有割合は5%以上がより好ましい。一方で含有割合は40%以下がより好ましい。含有割合が上記範囲であると、ネガ型感光性樹脂組成物の光硬化性および現像性が良好であり、得られる隔壁は基材密着性を有するとともに開口部の残渣が十分に低減される。さらに、撥インク剤と共に使用した場合、撥液性が高くなる傾向がある。また、アルカリ可溶性樹脂の100%に対する化合物(I)の含有割合は、5~500%が好ましい。含有割合は10%以上がより好ましい。一方で含有割合は100%以下がより好ましい。
(光重合開始剤(B))
本発明における光重合開始剤(B)は、活性光線によりラジカルを発生する光ラジカル重合開始剤としての機能を有する化合物であれば特に制限されない。
光重合開始剤(B)としては、WO2014/046209の例えば、[0130]、[0131]、WO2014/069478の例えば、[0089]、[0090]に記載したもの等が挙げられる。具体的にはベンゾフェノン類、チオキサントン類、アミノ安息香酸類、脂肪族アミン類、アセトフェノン類、オキシムエステル類が開示されている。
光重合開始剤(B)のなかでも、ベンゾフェノン類、チオキサントン類、アミノ安息香酸類、脂肪族アミン類は、その他のラジカル開始剤と共に用いると、増感効果を発現することがあり好ましい。具体的には、アセトフェノン類との併用がより好ましく、ベンゾフェノン類とアセトフェノン類との併用またはチオキサントン類とアセトフェノン類との併用がさらに好ましい。光重合開始剤(B)は、2種以上を併用してもよい。
ネガ型感光性樹脂組成物における全固形分中の光重合開始剤(B)の含有割合は、0.1~50%が好ましい。含有割合は0.5%以上がより好ましく、1%以上が特に好ましい。一方で含有割合は30%以下がより好ましく、15%以下が特に好ましい。含有割合が上記範囲であると、ネガ型感光性樹脂組成物の光硬化性および現像性が良好である。
(撥インク剤)
撥インク剤は、本発明のネガ型感光性樹脂組成物が任意に含有する成分である。撥インク剤としては、分子内にフッ素原子を有する撥インク剤(以下、撥インク剤(E)ともいう。)が好ましい。撥インク剤(E)は、分子内にフッ素原子を有すると、これを含有するネガ型感光性樹脂組成物を用いて硬化膜を形成する過程で上面に移行する性質(上面移行性)および撥インク性に優れる。撥インク剤(E)を用いることで、得られる硬化膜の上面を含む上層部は、撥インク剤(E)が密に存在する層(以下、撥インク層ということもある。)となり、硬化膜上面に撥インク性が付与される。
撥インク剤(E)中のフッ素原子の含有率は1~40%が好ましい。含有率は5%以上がより好ましく、10%以上が特に好ましい。一方で含有率は35%以下がより好ましく、32%以下が特に好ましい。フッ素原子の含有率が上記範囲の下限値以上であると、硬化膜上面に良好な撥インク性を付与でき、上限値以下であると、ネガ型感光性樹脂組成物中の他の成分との相溶性が良好になる。
撥インク層において撥インク剤(E)は、それ自体が反応性でない場合には、ネガ型感光性樹脂組成物中のアルカリ可溶性樹脂(A)、化合物(I)等の光硬化成分の重合、架橋反応により得られる硬化樹脂中に埋め込まれる形で存在する。
撥インク層への撥インク剤(E)の定着性を向上させる観点から、撥インク剤(E)がエチレン性二重結合を有することで、上面に移行した撥インク剤(E)のエチレン性二重結合にラジカルが作用して、撥インク剤(E)同士または撥インク剤(E)とネガ型感光性樹脂組成物が含有するエチレン性二重結合を有する他成分と(共)重合による架橋が可能となる。なお、この反応は任意に含有するチオール化合物(C)(後述する)により促進される。
これにより、ネガ型感光性樹脂組成物を硬化してなる硬化膜の製造において、撥インク剤(E)の硬化膜の上層部、すなわち撥インク層における定着性を向上できる。本発明のネガ型感光性樹脂組成物においては、特にチオール化合物(C)を含有する場合には、露光の際の露光量が低い場合であっても撥インク剤(E)を撥インク層に十分に定着させることができる。
上記のとおり、通常、エチレン性二重結合がラジカル重合する場合、硬化膜や隔壁の大気に接する面ほど酸素による反応阻害を受けやすいが、チオール化合物(C)によるラジカル反応は酸素による阻害はほとんど受けないため、低露光量での撥インク剤(E)の定着に特に有利である。さらに、隔壁製造においては、現像を行う際に、撥インク剤(E)が撥インク層から脱離したり、撥インク層の上面が剥がれたりするのを十分に抑制できる。
撥インク剤(E)としては、例えば、主鎖が炭化水素鎖であり、側鎖にフッ素原子を含む化合物からなる撥インク剤(E1)が挙げられる。撥インク剤(E)としては、加水分解性シラン化合物の部分加水分解縮合物であってもよい。加水分解性シラン化合物は、2種以上を併用してもよい。加水分解性シラン化合物の部分加水分解縮合物からなる撥インク剤(E)として、具体的には、以下の撥インク剤(E2)が挙げられる。
撥インク剤(E1)および撥インク剤(E2)は、単独で、または組み合わせて用いられる。本発明のネガ型感光性樹脂組成物においては、耐紫外線/オゾン性の点に優れる点で、特に撥インク剤(E2)を用いることが好ましい。
<撥インク剤(E1)>
撥インク剤(E1)は、主鎖が炭化水素鎖であり、フッ素原子を有する側鎖を含む化合物である。撥インク剤(E1)のMwは、100~1.0×10が好ましい。Mwは5.0×10以上がより好ましい。一方でMwは1.0×10以下がより好ましい。Mwが下限値以上であると、ネガ型感光性樹脂組成物を用いて硬化膜を形成する際に、撥インク剤(E1)が上面移行しやすい。上限値以下であると開口部残渣が少なくなり好ましい。
撥インク剤(E1)として、具体的には、WO2014/046209の例えば[0079]~[0102]、WO2014/069478の例えば[0144]~[0171]に記載されたもの等が挙げられる。
<撥インク剤(E2)>
撥インク剤(E2)は、加水分解性シラン化合物混合物(以下、「混合物(M)」ともいう。)の部分加水分解縮合物である。該混合物(M)は、フルオロアルキレン基および/またはフルオロアルキル基、および、ケイ素原子に加水分解性基が結合した基とを有する加水分解性シラン化合物(以下、「加水分解性シラン化合物(s1)」ともいう。)を必須成分として含み、任意に加水分解性シラン化合物(s1)以外の加水分解性シラン化合物を含む。混合物(M)が任意に含有する加水分解性シラン化合物としては、以下の加水分解性シラン化合物(s2)、(s3)が挙げられる。混合物(M)が任意に含有する加水分解性シラン化合物としては、加水分解性シラン化合物(s2)が特に好ましい。
加水分解性シラン化合物(s2);ケイ素原子に4個の加水分解性基が結合した加水分解性シラン化合物。
加水分解性シラン化合物(s3);エチレン性二重結合を有する基とケイ素原子に加水分解性基が結合した基とを有し、フッ素原子を含まない加水分解性シラン化合物。
混合物(M)は、任意に加水分解性シラン化合物(s1)~(s3)以外の加水分解性シラン化合物を1種または2種以上含むことができる。
その他の加水分解性シラン化合物としては、ケイ素原子に結合する基として炭化水素基と加水分解性基のみを有する加水分解性シラン化合物(s4)、メルカプト基と加水分解性基とを有し、フッ素原子を含まない加水分解性シラン化合物(s5)、エポキシ基と加水分解性基とを有し、フッ素原子を含有しない加水分解性シラン化合物(s6)、オキシアルキレン基と加水分解性シリル基を有し、フッ素原子を含まない加水分解性シラン化合物(s7)等が挙げられる。
加水分解性シラン化合物(s1)~(s3)およびその他の加水分解性シラン化合物としては、WO2014/046209の例えば、[0034]~[0072]、WO2014/069478の例えば、[0096]~[0136]に記載されたもの等が挙げられる。化合物(s1)の具体例としては、F(CFCHCHSi(OCH、F(CFCHCHSi(OCHおよびF(CFOCF(CF)CFO(CFCHCHSi(OCHが挙げられる。化合物(s2)の具体例としては、Si(OCH、Si(OCHCHが挙げられる。化合物(s3)の具体例としては、CH=CHCOO(CHSi(OCH,CH=C(CH)COO(CHSi(OCHが挙げられる。
撥インク剤(E2)の一例として、化合物(s1)をn1含み、化合物(s2)をn2、(s3)をn3含む混合物(M)の部分加水分解縮合物が挙げられる。
ここで、n1~n3は構成単位の合計モル量に対する各構成単位のモル分率を示す。n1>0、n2≧0、n3≧0、n1+n2+n3=1である。
n1:n2:n3は混合物(M)における化合物(s1)、(s2)、(s3)の仕込み組成と一致する。
各成分のモル比は、各成分の効果のバランスから設計される。
n1は、撥インク剤(E1)におけるフッ素原子の含有率が上記好ましい範囲となる量において、0.02~0.4が好ましい。n2は0~0.98が好ましく、0.05~0.6が特に好ましい。n3は0~0.8が好ましく、0.2~0.5が特に好ましい。
撥インク剤(E2)のMwは、500以上が好ましく、1.0×10未満が好ましく、5.0×10以下が特に好ましい。Mwが下限値以上であると、ネガ型感光性樹脂組成物を用いて硬化膜を形成する際に、撥インク剤(E2)が上面移行しやすい。上限値未満であると、開口部残渣が少なくなり好ましい。撥インク剤(E2)のMwは、製造条件により調節できる。
撥インク剤(E2)は、上述した混合物(M)を、公知の方法により加水分解および縮合反応させることで製造できる。この反応には、通常用いられる塩酸、硫酸、硝酸、リン酸等の無機酸、あるいは、酢酸、シュウ酸、マレイン酸等の有機酸を触媒として用いることが好ましい。また、必要に応じて水酸化ナトリウム、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)等のアルカリ触媒を用いてもよい。上記反応には公知の溶媒を用いることができる。上記反応で得られる撥インク剤(E2)は、溶媒とともに溶液の性状でネガ型感光性樹脂組成物に配合してもよい。
ネガ型感光性樹脂組成物における全固形分中の撥インク剤(E)の含有割合は、0.01~15%が好ましい。含有割合は0.03%以上がより好ましい。一方で含有割合は5%以下がより好ましく、1.5%以下が特に好ましい。含有割合が上記範囲の下限値以上であると、ネガ型感光性樹脂組成物から形成される硬化膜の上面は優れた撥インク性を有する。上記範囲の上限値以下であると、硬化膜と基材との密着性が良好になる。
(チオール化合物(C))
本発明のネガ型感光性樹脂組成物が任意に含有するチオール化合物(C)は、1分子中にメルカプト基を2個以上有する化合物である。本発明のネガ型感光性樹脂組成物がチオール化合物(C)を含有すれば、露光時に光重合開始剤(B)から生成したラジカルによりチオール化合物(C)のラジカルが生成してアルカリ可溶性樹脂(A)、化合物(I)等のエチレン性二重結合に作用する、いわゆるエン-チオール反応が生起する。このエン-チオール反応は、通常のエチレン性二重結合がラジカル重合するのと異なり、酸素による反応阻害を受けないため、高い連鎖移動性を有し、さらに重合と同時に架橋も行うため、硬化物となる際の収縮率も低く、均一なネットワークが得られやすい等の利点を有する。
本発明のネガ型感光性樹脂組成物が、チオール化合物(C)を含有する場合には、上述のようにして低露光量でも十分に硬化できることから、現像性が良好となり、露光部における基材密着性と非露光部における残渣の低減の両立に寄与できる。
また、チオール化合物(C)を含有する場合、特に酸素による反応阻害を受け易い隔壁上面を含む上層部においても光硬化が十分に行われる。したがって、ネガ型感光性樹脂組成物がさらに、撥インク剤を含有する場合には、チオール化合物(C)は、隔壁上面への良好な撥インク性の付与にも寄与できる。
チオール化合物(C)中のメルカプト基は、1分子中に2~10個含むことが好ましく、3~8個がより好ましく、3~5個がさらに好ましい。
チオール化合物(C)の分子量は特に制限されない。チオール化合物(C)における、[分子量/メルカプト基数]で示されるメルカプト基当量(以下、SH当量ともいう。)は、低露光量での硬化性の観点から、40~1,000が好ましく、40~500がより好ましく、40~250が特に好ましい。
チオール化合物(C)としては、具体的には、トリス(2-メルカプトプロパノイルオキシエチル)イソシアヌレート、ペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトブチレート)、トリメチロールプロパントリスチオグリコレート、ペンタエリスリトールトリスチオグリコレート、ペンタエリスリトールテトラキスチオグリコレート、ジペンタエリスリトールヘキサチオグリコレート、トリメチロールプロパントリス(3-メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトプロピオネート)、トリス-[(3-メルカプトプロピオニルオキシ)-エチル]-イソシアヌレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(3-メルカプトプロピオネート)、トリメチロールプロパントリス(3-メルカプトブチレート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトブチレート)、ジペンタエリスリトールヘキサ(3-メルカプトブチレート)、トリメチロールプロパントリス(2-メルカプトイソブチレート)、1,3,5-トリス(3-メルカプトブチリルオキシエチル)-1,3,5-トリアジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオン、トリフェノールメタントリス(3-メルカプトプロピオネート)、トリフェノールメタントリス(3-メルカプトブチレート)、トリメチロールエタントリス(3-メルカプトブチレート)、2,4,6-トリメルカプト-S-トリアジン、1,4-ビス(3-メルカプトブチリルオキシ)ブタン等が挙げられる。
チオール化合物(C)は、2種以上を併用してもよい。
ネガ型感光性樹脂組成物がチオール化合物(C)を含有する場合、その含有割合は、ネガ型感光性樹脂組成物中の全固形分が有するエチレン性二重結合の1モルに対してメルカプト基が0.0001~1モルとなる量が好ましい。含有割合は0.0005モル以上がより好ましく、0.001モル以上が特に好ましい。一方で含有量は0.5モル以下がより好ましい。含有割合が上記範囲であると、低露光量においてもネガ型感光性樹脂組成物の光硬化性および現像性が良好である。チオール化合物(C)の全固形分中の含有割合は、1~20%が好ましい。含有割合は3%以上がより好ましい。一方で含有割合は15%以下がより好ましい。
(架橋剤(D))
本発明のネガ型感光性樹脂組成物が任意に含有する架橋剤(D)は、アルカリ可溶性樹脂(A)、撥インク剤(E)、化合物(I)以外の1分子中に2個以上のエチレン性二重結合を有する化合物である。ネガ型感光性樹脂組成物は、化合物(I)に加えて架橋剤(D)を含むことにより、露光時におけるネガ型感光性樹脂組成物の硬化性がさらに向上し、効率的に硬化膜を形成することができる。
架橋剤(D)はエチレン性二重結合を(メタ)アクリロイル基中に有することが好ましい。架橋剤(D)として具体的には、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、エトキシ化イソシアヌル酸トリ(メタ)アクリレート、ε-カプロラクトン変性トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレートのトリ(メタ)アクリレート、およびウレタンアクリレート等が挙げられる。
光反応性の点からは、多数のエチレン性二重結合を有することが好ましい。例えば、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、エトキシ化イソシアヌル酸トリ(メタ)アクリレートおよびウレタンアクリレート等が好ましい。架橋剤(D)は、2種以上を併用してもよい。
ネガ型感光性樹脂組成物が架橋剤(D)を含有する場合、その含有割合は、化合物(I)の100%に対して、1~2000%が好ましく、1~1000%がより好ましい。架橋剤(D)の全固形分中の含有割合は、1~70%が好ましい。含有割合は5質量%以上がより好ましい。一方で含有割合は50%以下がより好ましい。また、アルカリ可溶性樹脂の100%に対する化合物(I)および架橋剤(D)の合計量の割合は、1~1400%が好ましい。合計量の割合は10%以上がより好ましい。一方で合計量の割合は500%がより好ましい。
(溶媒)
本発明のネガ型感光性樹脂組成物は、溶媒を含有することで粘度が低減され、ネガ型感光性樹脂組成物の基材表面への塗布がしやすくなる。その結果、均一な膜厚のネガ型感光性樹脂組成物の塗膜が形成できる。溶媒としては公知の溶媒が用いられる。溶媒は、2種以上を併用してもよい。
溶媒としては、アルキレングリコールアルキルエーテル類、アルキレングリコールアルキルエーテルアセテート類、アルコール類、ソルベントナフサ類等が挙げられる。なかでも、アルキレングリコールアルキルエーテル類、アルキレングリコールアルキルエーテルアセテート類、およびアルコール類からなる群から選ばれる少なくとも1種の溶媒が好ましく、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテートおよび2-プロパノールからなる群から選ばれる少なくとも1種の溶媒がさらに好ましい。
ネガ型感光性樹脂組成物における溶媒の含有割合は、組成物全量に対して50~99%が好ましい。含有割合は60%以上がより好ましく、65%以上が特に好ましい。一方で含有割合は95%以下がより好ましく、90%以下が特に好ましい。
(着色剤)
本発明のネガ型感光性樹脂組成物は、用途に応じて、硬化膜、特には隔壁に遮光性を付与する場合に、着色剤を含有する。本発明における着色剤としては、カーボンブラック、アニリンブラック、アントラキノン系黒色顔料、インドール系黒色顔料、ペリレン系黒色顔料などが挙げられる、具体的には、C.I.ピグメントブラック1、6、7、12、20、31等が挙げられる。赤色顔料、青色顔料および緑色顔料等の有機顔料および/または無機顔料の混合物を用いることもできる。
着色剤は、2種以上を併用してもよい。本発明のネガ型感光性樹脂組成物が、着色剤を含有する場合には、全固形分中の着色剤の含有割合は、5~65%が好ましい。含有割合は10%以上がより好ましい。一方で含有割合は50%以下がより好ましい。上記範囲であると得られるネガ型感光性樹脂組成物は感度が良好であり、また、形成される隔壁は遮光性に優れる。
(紫外線吸収剤)
本発明のネガ型感光性樹脂組成物は、波長200~400nmの紫外線領域に吸収を有する紫外線吸収剤、特には、反応性を有する紫外線吸収剤を含有してもよい。紫外線吸収剤は、2種以上を併用してもよい。
本発明のネガ型感光性樹脂組成物が紫外線吸収剤を含有すると、露光時に照射される光を紫外線吸収剤が適度に吸収することで、基板界面付近における硬化が抑制され、開口部の現像残渣の減少にも寄与できる。
紫外線吸収剤の反応性は光反応性が好ましい。紫外線吸収剤が反応性を有するとネガ型感光性樹脂組成物が硬化する際に、光硬化性を有するアルカリ可溶性樹脂(A)や化合物(I)等の反応性成分と反応して、得られる硬化膜や隔壁に強固に固定される。これにより、紫外線吸収剤の硬化膜や隔壁からのブリードアウトは低いレベルに抑制される。
紫外線吸収剤は、ベンゾフェノン骨格、ベンゾトリアゾール骨格、シアノアクリレート骨格またはトリアジン骨格を有する化合物が好ましく、反応性基としては、エチレン性二重結合を有する基、例えば、(メタ)アクリロイル基が好ましい。
紫外線吸収剤、好ましくは、反応性を有する紫外線吸収剤は、2種以上を併用してもよい。本発明のネガ型感光性樹脂組成物が、紫外線吸収剤を含有する場合には、全固形分中の紫外線吸収剤の含有割合は、0.01~20%が好ましい。含有割合は0.1%以上がより好ましく、0.5%以上が特に好ましい。一方で含有割合は15%以下がより好ましく、10%以下が特に好ましい。含有割合が上記範囲であると、ネガ型感光性樹脂組成物の感度が良好であり、隔壁は密着性が向上するとともに現像残渣が低減される。また、アルカリ可溶性樹脂の100%に対する紫外線吸収剤の含有割合は、0.1~300%が好ましい。含有割合は0.8%以上がより好ましい。一方で含有割合は100%以下がより好ましい。
(その他の成分)
本発明におけるネガ型感光性樹脂組成物はさらに、必要に応じて、高分子分散剤、分散助剤、シランカップリング剤、微粒子、硬化促進剤、増粘剤、可塑剤、消泡剤、レベリング剤およびハジキ防止剤等の他の添加剤を、それぞれ、2種以上含有してもよい。
本発明のネガ型感光性樹脂組成物は、上記各成分の所定量を混合して得られる。本発明のネガ型感光性樹脂組成物は、例えば、量子ドットディスプレイ、TFTアレイ、薄膜太陽電池、カラーフィルタ等の光学素子の製造に使用可能である。具体的には、量子ドットディスプレイ、TFTアレイ、薄膜太陽電池等の光学素子に用いる硬化膜や隔壁の形成に用いることで特に効果が発揮できる。
本発明において、撥インク剤を含有するネガ型感光性樹脂組成物を用いれば、上面に良好な撥インク性を有する硬化膜、特には隔壁の製造が可能である。また、撥インク剤(E)を用いる場合には、撥インク剤(E)のほとんどは、撥インク層に十分に定着しており、撥インク層よりも下の部分の隔壁に低濃度で存在する撥インク剤(E)も隔壁が十分に光硬化しているため、現像時に、撥インク剤(E)が隔壁で囲まれた開口部内にマイグレートしにくく、よってインクが均一に塗布できる開口部が得られる。
[樹脂硬化膜および隔壁の製造]
本発明のネガ型感光性樹脂組成物を用いて樹脂硬化膜を得るには、例えば、基板等の基材の表面に本発明のネガ型感光性樹脂組成物を塗布し、必要に応じて乾燥して溶媒等を除去した後、露光することで硬化して得られる。得られる樹脂硬化膜は、光学素子、特には、量子ドットディスプレイ、TFTアレイ、薄膜太陽電池に用いられる場合に特に顕著な効果が発揮される。
本発明のネガ型感光性樹脂組成物を用いた樹脂硬化膜からなる隔壁は、基板表面をドット形成用の複数の区画に仕切る形に形成される。隔壁は、例えば、上記の樹脂硬化膜の製造において、ネガ型感光性樹脂組成物からなる塗膜に対して、露光前にドット形成用の区画となる部分にマスキングを施し、露光した後、現像することで得られる。現像によって、マスキングにより非露光の部分が除去されドット形成用の区画に対応する開口部が隔壁とともに形成される。本発明の実施形態の隔壁は、光学素子、特には、量子ドットディスプレイ、TFTアレイ、薄膜太陽電池に用いられる場合に特に顕著な効果が発揮される。
なお、露光前に、塗膜から乾燥によりネガ型感光性樹脂組成物が含有する溶媒等の揮発成分を除去するのが好ましい。乾燥方法としては、加熱乾燥、減圧乾燥および減圧加熱乾燥等が挙げられる。溶媒の種類にもよるが、加熱乾燥の場合、加熱温度は50~120℃が好ましい。ネガ型感光性樹脂組成物が撥インク剤を含有する場合には、この乾燥過程において、撥インク剤は乾燥膜の上層部に移行する。
露光時に照射する光としては、可視光;紫外線;遠紫外線;KrFエキシマレーザ光、ArFエキシマレーザ光、Fエキシマレーザ光、Krエキシマレーザ光、KrArエキシマレーザ光およびArエキシマレーザ光等のエキシマレーザ光;X線;電子線等が挙げられる。照射する光としては、波長100~600nmの光が好ましく、300~500nmの光がより好ましく、i線(365nm)、h線(405nm)またはg線(436nm)を含む光が特に好ましい。また、必要に応じて330nm以下の光をカットしてもよい。
露光方式としては、全面一括露光、スキャン露光等が挙げられる。同一箇所に対して複数回に分けて露光してもよい。この際、複数回の露光条件は同一でも同一でなくても構わない。
露光量は、上記いずれの露光方式においても、例えば、5~1,000mJ/cmが好ましく、5~500mJ/cmがより好ましく、5~300mJ/cmがさらに好ましく、5~200mJ/cmが特に好ましく、5~50mJ/cmが最も好ましい。なお、露光量は、照射する光の波長、ネガ型感光性樹脂組成物の組成および塗膜の厚さ等により、適宜好適化される。
単位面積当たりの露光時間は特に制限されず、用いる露光装置の露光パワーおよび必要な露光量等から設計される。なお、スキャン露光の場合、光の走査速度から露光時間が求められる。単位面積当たりの露光時間は通常1~60秒程度である。
本発明のネガ型感光性樹脂組成物によれば、上記露光部において、露光時にアルカリ可溶性樹脂(A)のラジカル重合とともに、化合物(I)によるアルカリ可溶性樹脂(A)の架橋が行われる。これにより、本発明のネガ型感光性樹脂組成物によれば、硬化膜におけるアルカリ可溶性樹脂(A)の硬化性が向上し、基材密着性の良好な硬化膜が得られる。または、低露光量でも従来の硬化膜と同等の硬化性を有する硬化膜が得られる。
現像はアルカリ現像液を用いて行われ、これにより隔壁と開口部が形成される。本発明のネガ型感光性樹脂組成物によれば、非露光部の除去が容易であり、開口部における残渣は低減される。また、露光部である硬化部分は、現像の際のアルカリ現像液による浸食や剥離に耐性を有する。したがって、露光部が長時間の現像にも影響を受けにくいことから開口部の残渣の除去等に有利である。
なお、ネガ型感光性樹脂組成物が撥インク剤を含む場合には、隔壁の上面を含む最上層には撥インク層が形成され、撥インク層の下側には、主としてアルカリ可溶性樹脂(A)、化合物(I)および任意に含有するチオール化合物(C)、架橋剤(D)、さらにそれ以外の光硬化成分が光硬化して、撥インク剤をほとんど含有しない層が形成される。
現像後、隔壁をさらに加熱してもよい。加熱温度は130~250℃が好ましい。加熱により隔壁の硬化がより強固なものとなる。また、撥インク剤を含有する場合、撥インク剤は、撥インク層により強固に定着する。
なお、開口部の親インク性を確実に得ることを目的として、上記加熱後、開口部に存在する可能性があるネガ型感光性樹脂組成物の現像残渣等を除去するために、隔壁付きの基板に対して紫外線/オゾン処理を施してもよい。
本発明のネガ型感光性樹脂組成物から形成される隔壁は、例えば、幅が100μm以下であることが好ましく、20μm以下であることが特に好ましい。また、隣接する隔壁間の距離(パターンの幅)は300μm以下であることが好ましく、100μm以下であることが特に好ましい。隔壁の高さは0.05~50μmであることが好ましく、0.2~10μmであることが特に好ましい。
本発明のネガ型感光性樹脂組成物から形成される隔壁は、上記幅に形成された際の縁の部分に凹凸が少なく直線性に優れることが好ましい。それにより、たとえ微細なパターンであっても精度の高いパターン形成が可能となる。このような精度の高いパターン形成が行えれば、特に、量子ドットディスプレイ、TFTアレイ、薄膜太陽電池用の隔壁として有用である。
本発明に係る隔壁は、IJ法にてパターン印刷を行う際に、その開口部をインク注入領域とする隔壁として利用できる。隔壁が撥インク性を有する場合には、隔壁をその開口部が所望のインク注入領域と一致するように形成して用いれば、隔壁上面が良好な撥インク性を有することから、隔壁を超えて所望しない開口部すなわちインク注入領域にインクが注入されること(コンタミネイション)を抑制できる。また、隔壁で囲まれた開口部は、インクの濡れ広がり性が良好であるので、はじき等が発生することなくインクを所望の領域に均一に印刷することが可能となる。
本発明のネガ型感光性樹脂組成物を用いて得られる樹脂硬化膜は表面において水接触角が60度以上であるのが好ましく、80度以上がより好ましい。ネガ型感光性樹脂組成物が撥インク剤を含有する場合、水接触角を上記範囲としやすく、特に80度以上を達成しやすい。また、上記樹脂硬化膜は表面においてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)の接触角が30度以上であるのが好ましく、40度以上がより好ましい。特に、ネガ型感光性樹脂組成物が撥インク剤を含有する場合、PGMEA接触角を上記範囲としやすく、高いPGMEA接触角が求められる場合には、ネガ型感光性樹脂組成物は撥インク剤を含有するのが好ましい。
なお、樹脂硬化膜は基材上に形成され、そのまま使用される。このような態様において、樹脂硬化膜の表面とは、樹脂硬化膜の上面を意味する。樹脂硬化膜の表面における撥インク性の性質は、隔壁の上面においても同様に発現される。すなわち、IJ法に用いられるインクが水性であっても油性であっても、隔壁上面は十分にインクをはじく性質を有するとともに、開口部においてはインクのコンタミネイションやはじきを十分に抑制できる。
ここで、接触角は、静滴法により、JIS R3257「基板ガラス表面のぬれ性試験方法」に準拠して、硬化膜表面3ヶ所に水滴またはPGMEA滴を載せ、各水滴またはPGMEA滴について測定する。液滴は2μL/滴とし、測定は20℃で行う。接触角は、3測定値の平均値から求める。
本発明に係る隔壁を用いれば、上記のとおりIJ法によるパターン印刷が精巧に行える。よって、本発明に係る隔壁は、ドットがIJ法で形成される基板表面に複数のドットと隣接するドット間に位置する隔壁を有する光学素子、特に量子ドットディスプレイ、TFTアレイ、薄膜太陽電池の隔壁として有用である。
[光学素子]
本発明のネガ型感光性樹脂組成物を用いて形成された隔壁を有する光学素子、特には、量子ドットディスプレイ、TFTアレイまたは薄膜太陽電池は、上記のとおり隔壁で仕切られた開口部において残渣が低減されていることから、インクがムラなく均一に濡れ広がることが可能である。さらに、隔壁は基材密着性に優れる。隔壁と基材の密着が不十分な場合、例えば、インクが開口部以外に拡散することにより問題となる。
隔壁が形成される基材としては、光学素子の種類により、各種無機材料、有機材料からなる基材が適宜選択される。隔壁は、例えば、ガラス、酸化アルミニウム、酸化タンタル、酸化チタン等の無機酸化物や、窒化ケイ素、窒化アルミニウム等の無機窒化物、ポリイミド、ポリアミド、ポリエステル、ポリアクリレート、光ラジカル重合系、光カチオン重合系の光硬化性樹脂、アクリロニトリル成分を含有する共重合体、ポリビニルフェノール、ポリビニルアルコール、ノボラック樹脂、シアノエチルプルラン等の有機化合物等の絶縁材料からなる基材に対する密着性に優れる他、Al、Au、Ag、Pt、Pd、Cu、Cr、Mo、In、Zn、Mg等やこれらを含む合金または酸化物等、またはカーボンナノチューブ等の有機導電体、スズドープ酸化インジウム(ITO)、亜鉛ドープ酸化インジウム(IZO)等の導電材料からなる基材に対する密着性にも優れる。
本発明に係る隔壁を有する光学素子は、隔壁の基材密着性の改善と開口部の残渣低減がなされていることで、精度よく形成されたドットを有する光学素子、特には、量子ドットディスプレイ、TFTアレイまたは薄膜太陽電池である。
量子ドットディスプレイは、例えば、以下のように製造できるがこれに限定されない。
ガラス等の透光性基板にITO等の透光性電極をスパッタ法等によって成膜する。この透光性電極は必要に応じてパターニングされる。
次に、本発明のネガ型感光性樹脂組成物を用い、塗布、露光および現像を含むフォトリソグラフィ法により、各ドットの輪郭に沿って、平面視格子状に隔壁を形成する。
次に、ドット内に、IJ法により必要に応じて電荷注入材料溶液および/または電荷輸送材料溶液を塗布、乾燥した後、電気的に発光するナノ粒子溶液を塗布、乾燥してモジュールを作製する。これにより色再現性の優れた量子ドットディスプレイが得られる。
TFTアレイ素子とは、複数のドットが平面視マトリクス状に配置され、各ドットに画素電極とこれを駆動するためのスイッチング素子としてTFTが設けられ、TFTのチャネル層を含む半導体層として無機半導体層または有機半導体層が用いられる素子である。有機TFTアレイ素子は、例えば、液晶素子にTFTアレイ基板として備えられる。
TFTアレイは、例えば、以下のように製造できるがこれに限定されない。
ガラス等の透光性基板にアルミニウムやその合金等のゲート電極をスパッタ法等によって成膜する。このゲート電極は必要に応じてパターニングされる。
次に、窒化ケイ素等のゲート絶縁膜をプラズマCVD法等によって形成する。ゲート絶縁膜上にソース電極、ドレイン電極を形成してもよい。ソース電極およびドレイン電極は、例えば、真空蒸着やスパッタリングでアルミニウム、金、銀、銅、またはそれらの合金などの金属薄膜を形成し、作製することができる。
ソース電極およびドレイン電極をパターニングする方法としては、金属薄膜を形成後、レジストを塗装し、露光、現像して電極を形成させたい部分にレジストを残し、その後、リン酸や王水などで露出した金属を除去、最後にレジストを除去する手法がある。また、金などの金属薄膜を形成させた場合は、予めレジストを塗装し、露光、現像して電極を形成させたくない部分にレジストを残し、その後金属薄膜を形成後、金属薄膜と共にフォトレジストを除去する手法もある。また、銀や銅等の金属ナノコロイド等を用いてインクジェット等の手法により、ソース電極およびドレイン電極を形成してもよい。
次に、本発明のネガ型感光性樹脂組成物を用いて、塗布、露光および現像を含むフォトリソグラフィ法により、各ドットの輪郭に沿って、平面視格子状に隔壁を形成する。
次にドット内に半導体溶液をIJ法によって塗布し、溶液を乾燥させることによって半導体層を形成する。この半導体溶液としては有機半導体溶液、無機の塗布型酸化物半導体溶液も用いることができる。ソース電極、ドレイン電極は、この半導体層形成後にインクジェットなどの手法を用いて形成されてもよい。
最後にITO等の透光性電極をスパッタ法等によって成膜し、窒化ケイ素等の保護膜を成膜することで形成する。
以下、実施例に基づいて本発明を説明するが、本発明はこれらに限定されない。例1~17が実施例、例18~20が比較例である。
各特性の測定は以下の方法で行った。
[数平均分子量(Mn)、質量平均分子量(Mw)]
ゲルパーミエーションクロマトグラフィ法により、ポリスチレンを標準物質として測定した。ゲルパーミエーションクロマトグラフィとしては、HPLC-8220GPC(東ソー社製)を使用した。カラムとしては、shodex LF-604を3本、接続したものを使用した。検出器としては、RI検出器を使用した。標準物質としては、EasiCal PS1(Polymer Laboratories社製)を使用した。さらに、測定する際は、カラムを37℃で保持し、溶離液としては、テトラヒドロフランを用い、流速を0.2mL/分とし、測定サンプルの0.5%テトラヒドロフラン溶液40μLを注入した。
[フッ素原子の含有率]
1,4-ジトリフルオロメチルベンゼンを標準物質として、19F NMR測定により算出した。
[酸価]
酸価は、原料の配合割合から理論的に算出した。
以下の各例において用いた各化合物の略号について以下に示す。
(アルカリ可溶性樹脂(A))
A1;クレゾールノボラック型エポキシ樹脂にアクリル酸、次いで1,2,3,6-テトラヒドロ無水フタル酸を反応させて、アクリロイル基とカルボキシ基とを導入した樹脂をヘキサンで精製した樹脂(アルカリ可溶性樹脂(A1)、酸価80mgKOH/g)。ネガ型感光性樹脂組成物の製造においてはアルカリ可溶性樹脂(A1)の組成物(固形分70%、PGMEA30%)を使用した。
A2;ビスフェノールA型エポキシ樹脂にアクリル酸、次いで1,2,3,6-テトラヒドロ無水フタル酸を反応させて、アクリロイル基とカルボキシ基とを導入した樹脂をヘキサンで精製した樹脂(アルカリ可溶性樹脂(A2)、酸価50mgKOH/g)。ネガ型感光性樹脂組成物の製造においてはアルカリ可溶性樹脂(A2)の組成物(固形分70%、PGMEA30%)を使用した。
A-R-1;撹拌機および還流冷却器、滴下ロート及び攪拌機を備えた1Lのフラスコ内に窒素を0.02L/分で流して窒素雰囲気とした後、PGMEA305部を入れ、撹拌しながら70℃まで加熱した。次いで、メタクリル酸60部、3,4-エポキシトリシクロ[5.2.1.02.6]デシルアクリレート240部及び、PGMEA140部に溶解して溶液を調製し、該溶液を、滴下ロートを用いて4時間かけて、70℃に保温したフラスコ内に滴下した。一方、重合開始剤2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)30部をPGMEA225部に溶解した溶液を、別の滴下ロートを用いて4時間かけてフラスコ内に滴下した。
重合開始剤の溶液の滴下が終了した後、4時間、70℃に保持し、その後室温まで冷却して、Mwは、12,800、分散度は2.5、酸価34mgKOH/gの樹脂(A-R-1)を得た。ネガ型感光性樹脂組成物の製造においてはアルカリ可溶性樹脂(A-R-1)の組成物(固形分33%、PGMEA67%)を使用した。
A-R-2;クレゾールノボラック型エポキシ樹脂にアクリル酸、次いで1,2,3,6-テトラヒドロ無水フタル酸を反応させて、アクリロイル基とカルボキシ基とを導入した樹脂をヘキサンで精製した樹脂(アルカリ可溶性樹脂(A-R-2)、酸価30mgKOH/g)。ネガ型感光性樹脂組成物の製造においてはアルカリ可溶性樹脂(A-R-2)の組成物(固形分70%、PGMEA30%)を使用した。
(化合物(I))
I-11;トリアリルイソシアヌレート(上記式(I-1)中、RがH、Qが-CH-の化合物)
I-21;3,9-ジビニル-2,4,8,10-テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン(上記式(I-2)中、RがH、Qが単結合の化合物)
I-31;1,3,4-トリビニルシクロヘキサン(上記式(I-3)中、1,3,4位に、RがH、Qが単結合の化合物)
I-41;ペンタエリスリトールトリアリルエーテル(上記式(I-4)中、YがH、RがH、Qが-CH-の化合物)
I-42;ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル(上記式(I-4)中、YがCH=CR-Q-基、RがH、Qが単結合の化合物)
(光重合開始剤(B))
B-1;2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルフォリノプロパン-1-オン
EAB;4,4'-ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン
(チオール化合物(C))
C-1;1,3,5-トリス(3-メルカプトブチリルオキシエチル)-1,3,5-トリアジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオン
(架橋剤(D))
DPHA;ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
(撥インク剤(E))
以下の原料化合物を用いて、以下のようにして合成した。
MEK;2-ブタノン
X-8201;ジメチルシリコーン鎖含有メタクリレート(信越化学工業社製、X-24-8201)
C6FMA;CH=C(CH)COOCHCH(CF
MAA;メタクリル酸
2-HEMA;2-ヒドロキシエチルメタクリレート
AOI;2-アクリロイルオキシエチルイソシアネート
DBTDL;ジブチル錫ジラウレート
BHT;2,6-ジ-t-ブチル-p-クレゾール
化合物(s1)に相当する化合物(s1-1);F(CFCHCHSi(OCH(公知の方法で製造した。)
化合物(s2)に相当する化合物(s2-1);Si(OC
化合物(s3)に相当する化合物(s3-1);CH=CHCOO(CHSi(OCH
[撥インク剤(E1-1)の合成]
撹拌機を備えた内容積1Lのオートクレーブに、MEK(420.0g)、X-8201(27.0g)、C6FMA(66.6g)、MAA(14.4g)、2-HEMA(72.0g)および2,2’-アゾビス(4-メトキシ-2,4-ジメチルバレロニトリル)(1.4g)を仕込み、窒素雰囲気下に撹拌しながら、30℃で24時間重合させ、共重合体1の溶液を得た。得られた共重合体1のMEK溶液にヘプタンを加え再沈精製し、真空乾燥し、共重合体1の148.7gを得た。Mnは17320、Mwは51200であった。
温度計、撹拌機、加熱装置を備えた内容量300mLのガラス製フラスコに、共重合体1(50.0g)、AOI(21.7g)、DBTDL(0.087g)、BHT(1.1g)およびMEK(128.1g)を仕込み、撹拌しながら、40℃で48時間反応させ、重合体(E1-1)の溶液を得た。得られた重合体(E1-1)のMEK溶液にヘプタンを加え再沈精製し、真空乾燥し、重合体(E1-1)の64.1gを得た。Mnは36520、Mwは68610であり、フッ素原子の含有率は14.7%であった。
[撥インク剤(E1-2)の合成]
撹拌機を備えた内容積1Lのオートクレーブに、MEK(420.0g)、C6FMA(93.6g)、MAA(14.4g)、2-HEMA(72.0g)および2,2’-アゾビス(4-メトキシ-2,4-ジメチルバレロニトリル)(2.9g)を仕込み、窒素雰囲気下に撹拌しながら、30℃で24時間重合させ、共重合体2の溶液を得た。得られた共重合体2のMEK溶液にヘプタンを加え再沈精製し、真空乾燥し、共重合体2の150.3gを得た。Mnは12370、Mwは37660であった。
温度計、撹拌機、加熱装置を備えた内容量300mLのガラス製フラスコに、共重合体2(50.0g)、AOI(21.7g)、DBTDL(0.087g)、BHT(1.1g)およびMEK(128.1g)を仕込み、撹拌しながら、40℃で48時間反応させ、重合体(E1-2)の溶液を得た。得られた重合体(E1-2)のMEK溶液にヘプタンを加え再沈精製し、真空乾燥し、重合体(E1-2)の63.8gを得た。Mnは18460、Mwは48890であり、フッ素原子の含有率は20.7%であった。
[撥インク剤(E2-1)の合成]
撹拌機を備えた1,000cmの三口フラスコに、化合物(s1-1)の15.0g、化合物(s2-1)の20.0g、化合物(s3-1)の27.0gを入れて、加水分解性シラン化合物混合物を得た。次いで、この混合物にIPA(2-プロパノール)の284.3gを入れて、原料溶液とした。
得られた原料溶液に、1%塩酸水溶液を30.0g滴下した。滴下終了後、40℃で5時間撹拌して、撥インク剤(E2-1)のIPA溶液(撥インク剤(E2-1)濃度;10%、以下、撥インク剤((E2-1))溶液ともいう。)を得た。なお、反応終了後、反応液の成分をガスクロマトグラフィを使用して測定し、原料としての各化合物が検出限界以下になったことを確認した。また、得られた撥インク剤(E2-1)のMnMnは1200、Mwは1310であり、フッ素原子の含有率は21.0%であった。
(紫外線吸収剤)
UVA-1;2,4-ジヒドロキシベンゾフェノン
UVA-2;2-(2’-ヒドロキシ-5’-メタクリロイルオキシエチルフェニル)-2H-ベンゾトリアゾール
界面活性剤;BYK302(ビックケミー社製)
(溶媒)
PGME;プロピレングリコールモノメチルエーテル
EDM;ジエチレングリコールエチルメチルエーテル
PGMEA;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
[例1]
(ネガ型感光性樹脂組成物の製造)
表1に示す、アルカリ可溶性樹脂(A)、化合物(I)、光重合開始剤(B)、チオール化合物(C)、架橋剤(D)、反応性紫外線吸収剤、界面活性剤、および溶媒を表1の組成になるように、200cmの撹拌用容器に入れ、3時間撹拌してネガ型感光性樹脂組成物1を製造した。
(硬化膜の製造)
10cm四方のガラス基板をエタノールで30秒間超音波洗浄し、次いで、5分間のUV/O処理を行った。UV/O処理には、UV/O発生装置としてPL2001N-58(センエンジニアリング社製)を使用した。254nm換算の光パワー(光出力)は10mW/cmであった。
上記で得られたガラス基板表面に、スピンナを用いて、上記ネガ型感光性樹脂組成物1を塗布した後、100℃で2分間、ホットプレート上で乾燥させ、膜厚2.4μmの乾燥膜を形成した。得られた乾燥膜に対して、365nm換算の露光パワー(露光出力)が300mW/cmである超高圧水銀ランプのUV光を全面一括で照射した。この方法で、露光量が50mJ/cmとなるように照射時間を調整して硬化膜を製造した。なお、いずれの場合も露光の際に、330nm以下の光はカットした。
次いで、上記露光処理後のガラス基板を2.38%テトラメチル水酸化アンモニウム水溶液に60秒間浸漬処理し、水により洗い流した後、乾燥させた。次いで、これをホットプレート上、230℃で60分間加熱することにより、開口部のない硬化膜を得た。
(パターン膜1の製造)(Cu密着性評価用)
ガラス基板上にCu層を有する基板を用い、そのCu層上に、スピンナを用いて、上記ネガ型感光性樹脂組成物1を塗布した後、100℃で2分間、ホットプレート上で乾燥させ、膜厚2.4μmの乾燥膜を形成した。得られた乾燥膜に対して、フォトマスクを介して、365nm換算の露光パワー(露光出力)が300mW/cmである超高圧水銀ランプのUV光を全面一括で照射した(露光量は50mJ/cm)。露光の際に、330nm以下の光はカットした。また、乾燥膜とフォトマスクとの離間距離は50μmとした。フォトマスクは、ライン/スペースが20μm/50μm、10μm/50μm、8μm/50μm、6μm/50μm、4μm/50μmの設計のものを使用した。
次いで、上記露光処理後のガラス基板を2.38%テトラメチル水酸化アンモニウム水溶液に60秒間浸漬して現像し、非露光部を水により洗い流し、乾燥させた。次いで、これをホットプレート上、230℃で60分間加熱することにより、硬化膜として50μmの間隔を置いて、それぞれの幅が、20μm、10μm、8μm、6μm、および4μmであるラインを5本有するパターン膜1を得た。
(パターン膜2の製造)(有機膜密着性評価用)
ガラス基板上にDL-1000(東レ社製、ポジ型ポリイミド感光性レジスト)を、スピンナを用いて塗布した後、110℃で2分間、ホットプレート上で乾燥させ、膜厚2.0μmの乾燥膜を形成した。2.38%テトラメチル水酸化アンモニウム水溶液に40秒間浸漬して現像し、乾燥させた。次いで、これをホットプレート上、220℃で60分間加熱することにより、有機膜が全面に付いたガラス基板を得た。
得られた有機膜付きガラス基板の有機膜上に、スピンナを用いて、上記ネガ型感光性樹脂組成物1を塗布した後、100℃で2分間、ホットプレート上で乾燥させ、膜厚2.4μmの乾燥膜を形成した。得られた乾燥膜に対して、フォトマスクを介して、365nm換算の露光パワー(露光出力)が300mW/cmである超高圧水銀ランプのUV光を全面一括で照射した(露光量は50mJ/cm)。露光の際に、330nm以下の光はカットした。また、乾燥膜とフォトマスクとの離間距離は50μmとした。フォトマスクは、ライン/スペースが20μm/50μm、10μm/50μm、8μm/50μm、6μm/50μm、4μm/50μmの設計のものを使用した。
次いで、上記露光処理後のガラス基板を2.38%テトラメチル水酸化アンモニウム水溶液に60秒間浸漬して現像し、非露光部を水により洗い流し、乾燥させた。次いで、これをホットプレート上、230℃で60分間加熱することにより、硬化膜として50μmの間隔を置いて、それぞれの幅が、20μm、10μm、8μm、6μm、および4μmであるラインを5本有するパターン膜2を得た。
(パターン膜3の製造)(ITO付きガラス;XPS残渣分析用)
ガラス基板上にITO層を有する基板を用い、そのITO層上に、スピンナを用いて、上記ネガ型感光性樹脂組成物1を塗布した後、100℃で2分間、ホットプレート上で乾燥させ、膜厚2.4μmの乾燥膜を形成した。得られた乾燥膜に対して、開口パターンを有するフォトマスク(遮光部が100μm×200μm、光透過部が20μmの格子状パターン)を介して、365nm換算の露光パワー(露光出力)が300mW/cmである超高圧水銀ランプのUV光を全面一括照射した(露光量は50mJ/cm)。露光の際に、330nm以下の光はカットした。また、乾燥膜とフォトマスクとの離間距離は50μmとした。
次いで、上記露光処理後のガラス基板を2.38%テトラメチル水酸化アンモニウム水溶液に60秒間浸漬して現像し、非露光部を水により洗い流し、乾燥させた。次いで、ホットプレート上、230℃で60分間加熱することにより、フォトマスクの開口パターンに対応したパターンを有する硬化膜としてパターン膜3を得た。
(評価)
得られたネガ型感光性樹脂組成物1および硬化膜、パターン膜1~3について、以下の評価を実施した。評価結果をネガ型感光性樹脂組成物1の組成とともに表1に示す。
<硬化膜の膜厚>
レーザ顕微鏡(キーエンス社製、装置名;VK-8500)を用いて測定した。
<撥インク性>
上記で得られた硬化膜上面の水接触角およびPGMEA接触角を下記の方法で測定し、撥インク性の評価とした。
静滴法により、JIS R3257「基板ガラス表面のぬれ性試験方法」に準拠して、硬化膜上面3ヶ所に水滴またはPGMEA滴を載せ、各水滴またはPGMEA滴について測定した。液滴は2μL/滴とし、測定は20℃で行った。接触角は、3測定値の平均値から求めた。
<密着力>
パターン膜1およびパターン膜2を用いて以下の(1)、(2)の密着性を試験した。
(1)銅
<現像時間(60秒)残し解像度>
パターン膜1に関し、下記の基準で長時間現像に対する耐剥離性を評価した。
◎;少なくとも10μmの線幅のラインが残っている。
○;少なくとも20μmの線幅のラインが残っている。
×;すべてのライン/スペースサンプルにおいてライン部分が剥離した。
(2)有機膜
<現像時間(60秒)残し解像度>
パターン膜2に関し、下記の基準で長時間現像に対する耐剥離性を評価した。
◎;少なくとも10μmの線幅のラインが残っている。
○;少なくとも20μmの線幅のラインが残っている。
×;すべてのライン/スペースサンプルにおいてライン部分が剥離した。
<開口部残渣>
パターン膜3付きのITO基板における開口部の中央部分について以下の条件でX線光電子分光法(XPS)により表面解析を行った。XPSにより測定された開口部表面のC/In値(炭素原子濃度に対するインジウム原子濃度の比の値)が5.0未満のものを「◎」、5.0~8.0のものを「○」、8.0以上のものを「×」とした。
[XPSの条件]
装置;アルバックファイ社製Quantera‐SXM、
X線源;Al Kα、X線のビームサイズ;約20μmφ、測定エリア;約20μmφ、
検出角;試料面から45°、測定ピーク;F1s、
測定時間(Acquired Timeとして);5分以内、
解析ソフト;MultiPak
[例2~20]
例1において、ネガ型感光性樹脂組成物を表1または表2に示す組成に変更した以外は、同様の方法で、ネガ型感光性樹脂組成物、隔壁、および硬化膜を製造し、例1と同様の評価を行った。各例の評価結果をそれぞれネガ型感光性樹脂組成物の組成とともに表1および表2に示す。なお、表1および表2において空欄は配合量「0」を意味する。
Figure 0007375546000007
Figure 0007375546000008
表1および表2からわかるように、実施例である例1~17のネガ型感光性樹脂組成物を用いて得られた隔壁は基材との密着性が良好であるとともに、開口部における残渣の低減が実現されている。
なお、2017年12月11日に出願された日本特許出願2017-236753号の明細書、特許請求の範囲、図面、および要約書の全内容をここに引用し、本発明の明細書の開示として、取り入れるものである。

Claims (13)

  1. 酸価が40mgKOH/g以上であり、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、トリスフェノールメタン型エポキシ樹脂またはビフェニル骨格を有するエポキシ樹脂に、酸性基とエチレン性二重結合とを導入したアルカリ可溶性樹脂と、
    光ラジカル重合開始剤と、
    記式(I-1)、下記式(I-2)下記式(I-3)、下記式(I-4)および下記式(I-5)で示される化合物から選ばれる少なくとも一種の化合物と、を含有することを特徴とするネガ型感光性樹脂組成物。
    Figure 0007375546000009

    Figure 0007375546000010

    (I-1)~(I-)中、Rは水素原子またはメチル基であり、Qは-CH-または単結合であり、n1は2~6の整数である。Yは水素原子または-Q-CR=CH である。
  2. 前記アルカリ可溶性樹脂を、ネガ型感光性樹脂組成物における全固形分中、5~80質量%含有する請求項1に記載のネガ型感光性樹脂組成物。
  3. 前記光ラジカル重合開始剤を、ネガ型感光性樹脂組成物における全固形分中、0.1~50質量%含有する請求項1または2に記載のネガ型感光性樹脂組成物。
  4. 記式(I-1)、下記式(I-2)下記式(I-3)、下記式(I-4)および下記式(I-5)で示される化合物から選ばれる少なくとも一種の化合物を、ネガ型感光性樹脂組成物における全固形分中、1~50質量%含有する請求項1~3のいずれか1項に記載のネガ型感光性樹脂組成物。
  5. さらに、1分子中にメルカプト基を2個以上有するチオール化合物を含有する請求項1~4のいずれか1項に記載のネガ型感光性樹脂組成物。
  6. 前記チオール化合物を、ネガ型感光性樹脂組成物中の全固形分が有するエチレン性二重結合の1モルに対してメルカプト基が0.0001~1モルとなる量含有する請求項5に記載のネガ型感光性樹脂組成物。
  7. さらに、撥インク剤を含有する請求項1~6のいずれか1項に記載のネガ型感光性樹脂組成物。
  8. 前記撥インク剤は、エチレン性二重結合を有する請求項7に記載のネガ型感光性樹脂組成物。
  9. 前記撥インク剤は、1~40質量%のフッ素含有率を有する請求項7または8に記載のネガ型感光性樹脂組成物。
  10. 前記撥インク剤を、ネガ型感光性樹脂組成物中の全固形分中、0.01~15質量含有する請求項7~9のいずれか1項に記載のネガ型感光性樹脂組成物。
  11. さらに、溶媒を含有する請求項1~10のいずれか1項に記載のネガ型感光性樹脂組成物。
  12. 前記ネガ型感光性樹脂組成物を用いて形成される樹脂硬化膜の表面における水接触角が60度以上である請求項1~11のいずれか1項に記載のネガ型感光性樹脂組成物。
  13. 前記ネガ型感光性樹脂組成物を用いて形成される樹脂硬化膜の表面におけるプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート接触角が30度以上である請求項1~12のいずれか1項に記載のネガ型感光性樹脂組成物。
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