JP4552584B2 - 平坦化樹脂層、並びにそれを有する半導体装置及び表示体装置 - Google Patents
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Description
そこで、パターン形成が容易で、高耐熱性、高信頼性、更に高い透明性、低誘電率、さらに平坦化能に優れた特性を有する新規の平坦化膜が望まれている。
1,1−ビストリフルオロメチル−2−(ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン−
5−イル)エチルアルコール/ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン−5−カルボン
酸共重合体(A)、ナフトキノンジアジド構造を有する感光材(B)、軟化点が120
℃以下、150℃での溶融粘度が0.1Pa・s以下であり、かつ130℃以上で(A)中の酸性基と結合しうる反応基を有する化合物(C)を含有する樹脂組成物を段差
を有する基板上に塗布して樹脂組成物層を形成し、該樹脂組成物層に活性エネルギー線
を照射して現像液と接触させてパターンを形成した後、該組成物を280℃以下で熱硬
化することにより得られることを特徴とする平坦化樹脂層。
[3]前記パターンを形成する工程と熱硬化工程の間に、後露光工程を有する[1]または[2]に記載の平坦化樹脂層。
[4]基板上に形成された回路上に、[1]〜[3]のいずれか1項に記載の平坦化樹脂層を備えることを特徴とする半導体装置。
[5]基板上に形成された回路上に、[1]〜[3]のいずれか1項に記載の平坦化樹脂層を備えることを特徴とする表示体装置。
[6]前記感光性樹脂組成物が280℃以下の温度で硬化されたことを特徴とする[4]記載の半導体装置。
[7]前記感光性樹脂組成物が230℃以下の温度で硬化されたことを特徴とする[5]記載の表示体装置。
本発明に係る平坦化樹脂層は、酸性基を側鎖に有する環状オレフィン系樹脂(A)、1,2−ナフトキノンジアジド構造を有する感光材(B)、130℃以上で(A)中の酸性基と結合しうる反応基を有する化合物(C)を含有する樹脂組成物を使用することを特徴とする。
本発明に用いられる環状オレフィン系樹脂(A)は、その主鎖中に環状オレフィン構造を有する樹脂であり、環状オレフィン由来の環構造がポリマーの鎖長方向に直接連結した剛直な構造を有するため、耐熱性等硬化後のフィルム特性に優れるものである。このような樹脂の中でも、得られる平坦化樹脂層の耐熱性の見地より好ましいのは、ポリノルボルネン樹脂である。
また、式(2)中のYはO、CH2、(CH2)2のいずれか、Zは−CH2−CH2−、−CH=CH−のいずれかであり、lは0〜5までの整数である。R5〜R8は、その構造中にO及び/又はFを含んでいても良い炭素数1〜25の一価の有機基よりそれぞれ独立に選ばれる。R5〜R8は単量体の繰り返しの中で異なっていてもよいが、全繰り返し単位のR5〜R8のうち、少なくとも一つは4原子以上が連なった鎖状構造を含有し、また少なくとも一つは酸性基を有するものである。
一般的なこれらの樹脂の合成法の例としては、一般式(3)で示される環状オレフィンをモノマーとして重合することを挙げることができる。
ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン−5−カルボン酸、
テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデック−3−エン−8−カルボン酸、
8−メチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデック−3−エン−8−カルボン酸、
(ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン−5−イル)酢酸、
2−(ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン−5−イル)プロピオン酸、
3−(ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン−5−イル)酪酸、
3−(ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン−5−イル)吉草酸、
3−(ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン−5−イル)カプロン酸、
コハク酸モノ−(2−(ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン−5−イル)カルボニルオキシエチル)エステル、
コハク酸モノ−(2−(ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン−5−イル)カルボニルオキシプロピル)エステル、
コハク酸モノ−(2−(ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン−5−イル)カルボニルオキシブチル)エステル、
フタル酸モノ−(2−(ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン−5−イル)カルボニルオキシエチル)エステル、
カプロン酸モノ−(2−(ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン−5−イル)カルボニルオキシブチル)エステル、
(ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン−5−イル)カルボニルオキシ酢酸、
2−(ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン−5−イル)メチルフェノール、
3−(ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン−5−イル)メチルフェノール、
4−(ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン−5−イル)メチルフェノール、
4−(ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン−5−イル)フェノール、
4−(ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン−5−イル)メチルカテコール、
3−メトキシ−4−(ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン−5−イル)メチルフェノール、
3−メトキシ−2−(ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン−5−イル)メチルフェノール、
2−(ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン−5−イル)メチルレゾルシン、
1,1−ビストリフルオロメチル−2−(ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン−5−イル)エチルアルコール、
1,1−ビストリフルオロメチル−3−(ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン−5−イル)プロピルアルコール、
1,1−ビストリフルオロメチル−4−(ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン−5−イル)ブチルアルコール、
1,1−ビストリフルオロメチル−5−(ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン−5−イル)ペンチルアルコール、
1,1−ビストリフルオロメチル−6−(ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン−5−イル)ヘキシルアルコール、
などを挙げることができるが、これらの構造に限定されない。
本発明で用いる酸性基を側鎖に有する環状オレフィン系樹脂は上記の環状オレフィンモノマーの重合によって得られる。重合方法としては、例えば、配位重合触媒の重合触媒であるニッケル化合物あるいはパラジウム化合物、あるいはラジカル重合触媒である2,2‘−アゾビスイソブチロニトリルなどの種々のラジカル発生剤を用いて付加重合することによって、一般式(1)で表されるような付加重合体を得ることが出来る。一方、有機ルテニウム触媒などを用いて重合し、必要に応じてその後パラジウム化合物などの一般的な還元触媒を作用させ、生成した炭素−炭素二重結合に水素添加することによって、一般式(2)で表されるような開環メタセシス重合体を得ることが出来る。ニッケル化合物とパラジウム化合物の詳細はPCT WO 9733198とPCT WO 00/20472に述べられている。一方、ラジカル付加重合技術の詳細はEncyclopedia of Polymer Science, John Wiley & Sons, 13, 708(1988)に述べられている。
本発明のモノマーの重合では、得られる樹脂の分子量は、たとえば、触媒とモノマーの比を変化させたり、重合時間を変えたりすることなどにより制御することができる。
例えば、下記のものが挙げられる。
溶剤としては、N−メチル−2−ピロリドン、γ−ブチロラクトン、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン、メチル−1,3−ブチレングリコールアセテート、1,3−ブチレングリコール−3−モノメチルエーテル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、メチル−3−メトキシプロピオネート等が挙げられ、これらは単独でも混合して用いても良い。
これらの中では、高い溶解性と揮散により後硬化時に除去しやすい点より、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、γ−ブチロラクトン、シクロヘキサノンの使用が好ましい。
現像液としては、特に限定されないが、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、アンモニア水等の無機アルカリ類、水酸化テトラメチルアンモニウムやエチルアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン等の有機アルカリ類の水溶液、及びこれにメタノール、エタノールのごときアルコール類等の水溶性有機溶剤や界面活性剤を適当量添加した水溶液を好適に使用することができる。
表示体装置用途としての例は、TFT素子やカラーフィルターの平坦化膜などがある。
その使用方法は、半導体用途に順じ、表示体素子やカラーフィルターを形成した基板上にパターン化された感光性樹脂組成物層を、上記の方法で形成することによる。表示体装置用途、特に層間絶縁膜や平坦化膜には、高い透明性が要求されるが、この感光性樹脂組成物層形成時に、上述のような後露光工程を導入することにより、透明性に優れた樹脂層が得られ、実用上非常に好ましい。
《合成例1》
*ポリマーの合成
1,1−ビストリフルオロメチル−2−(ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン−5−イル)エチルアルコール(式(7)/ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン−5−カルボン酸(式(8))=75/ 25コポリマーの共重合体(A−1)の例を挙げる。
*ポリマーの合成
1,1−ビストリフルオロメチル−2−(ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン−5−イル)エチルアルコール/ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン−5−カルボン酸=50/50コポリマーの開環メタセシス共重合体(A−2)の例を挙げる。
すべてのガラス機器は60℃で0.1Torr下で18時間乾燥した。その後ガラス機器は内部の酸素濃度と湿度がそれぞれ1%以内に抑えられたグローブボックス内に移され、グローブボックスに備え付けられた。トルエン(917g)、シクロヘキサン(917g)、1,1−ビストリフルオロメチル−2−(ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン−5−イル)エチルアルコール(151g、0.55mol)とビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン−5−カルボン酸トリメチルエステル(99.1g、0.55mol)、1−ヘキセン(368g、2.2mol)が反応フラスコに加えられた。反応フラスコはグローボックスから取り出し、乾燥窒素ガスを導入した。反応中間体は30分間溶液中に窒素ガスを通して脱気した。グローブボックス中で五塩化タングステンのt−ブチルアルコール/メタノール(モル比0.35/0.3)溶液(0.05モル/l)を調製し、この3.78gをトリエチルアルミニウム0.011gがトルエン25gに溶解された助触媒溶液0.634gと共に反応フラスコに加えられた。20℃にて5時間攪拌して反応を終了した。
*樹脂組成物ならびに樹脂層の作製と特性評価
得られた樹脂(A−1)5g、プロピレングリコールモノエチルエーテル15g、室温で液状のエポキシ基含有シリコーン樹脂(BY16−115、東レダウコーニングシリコーン(株)製)0.8g及び式(9)で示される感光材0.5gを混合し、均一な樹脂組成物(1)を得た。
透過率:透明性の目安として、上記の樹脂層付きガラス基板について、波長400nmでの光線の透過率を、分光光度計(UV−160型、島津製作所(株)・製)を用いて測定した(単位、%)。透過率が大きな値ほど、透明性は 良好である。
吸水率:樹脂層付きガラス基板より剥離した樹脂層を23℃で24時間水中に浸漬し、浸漬前後の重量変化率を測定した。(単位、%)
誘電率:MIL−P−55617に準じて測定した。
熱重量減少開始温度:示差熱天秤(TG/DTA6200型、セイコーインスツルメンツ(株)・製)を用いて、窒素雰囲気中昇温速度を10℃/分として重量減少開始温度を測定した(単位、℃)。
平坦化能:その表面に、幅10μmかつ厚さ1μmの配線が10μm間隔で形成されているシリコンウェーハ上に上記の方法で厚さ2μmの樹脂層を形成した。そして樹脂層表面の段差の高さを接触式膜厚計を用いて測定し、以下の式より平坦化能を算出した。
*樹脂組成物ならびに樹脂層の作製と特性評価
得られた樹脂(A−2)5g、エポキシ基含有シリコーン樹脂(BY16−115)0.8g及び式(9)で示される感光材0.5gを混合し均一な樹脂組成物(2)を得た。樹脂組成物(2)を実施例1と同様の方法でガラス基板上に樹脂層を形成し、露光、現像、後露光を行った後、熱風循環式乾燥器を使用して空気中200℃で1時間加熱硬化を行った。
得られた樹脂層の透過率、吸水率、誘電率、熱重量減少開始温度、平坦化能を実施例1同様に測定した。結果を表1に示す。表1より得られた樹脂層は、いずれもの項目も良好な値を示した。
*樹脂組成物ならびに樹脂層の作製と特性評価
得られた樹脂(A−1)5g、プロピレングリコールモノエチルエーテル15g、ビフェニル型エポキシ樹脂(YX−4000H、ジャパンエポキシレジン(株)製、軟化点:110℃、150℃での溶融粘度:0.02Pa・s)0.8g及び式(9)で示される感光材0.5gを混合し均一な樹脂組成物(3)を得た。樹脂組成物(3)を実施例1と同様の方法でガラス基板上に樹脂層を形成し、露光、現像、後露光を行った後、熱風循環式乾燥器を使用して空気中200℃で1時間加熱硬化を行った。
得られた樹脂層の透過率、吸水率、誘電率、熱重量減少開始温度、平坦化能を実施例1同様に測定した。結果を表1に示す。表1より得られた樹脂層は、いずれもの項目も良好な値を示した。
*樹脂組成物ならびに樹脂層の作製と特性評価
得られた樹脂(A−1)5g、プロピレングリコールモノエチルエーテル15g、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(N−680、大日本インキ製造(株)製、軟化点:90℃、150℃での溶融粘度:0.17Pa・s)0.8g及び式(9)で示される感光材0.5gを混合し均一な樹脂組成物(4)を得た。樹脂組成物(4)を実施例1と同様の方法でガラス基板上に樹脂層を形成し、露光、現像、後露光を行った後、熱風循環式乾燥器を使用して空気中200℃で1時間加熱硬化を行った。
得られた樹脂層の透過率、吸水率、誘電率、熱重量減少開始温度、平坦化能を実施例1同様に測定した。結果を表1に示す。表1より、得られた樹脂層は、平坦性に劣っていた。
Claims (7)
- 1,1−ビストリフルオロメチル−2−(ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン−
5−イル)エチルアルコール/ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン−5−カルボン
酸共重合体(A)、ナフトキノンジアジド構造を有する感光材(B)、軟化点が120
℃以下、150℃での溶融粘度が0.1Pa・s以下であり、かつ130℃以上で(A)中の酸性基と結合しうる反応基を有する化合物(C)を含有する樹脂組成物を段差
を有する基板上に塗布して樹脂組成物層を形成し、該樹脂組成物層に活性エネルギー線
を照射して現像液と接触させてパターンを形成した後、該組成物を280℃以下で熱硬
化することにより得られることを特徴とする平坦化樹脂層。 - 1,1−ビストリフルオロメチル−2−(ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン−
5−イル)エチルアルコール/ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン−5−カルボン
酸共重合体(A)の重量平均分子量が、2,000〜20,000である請求項1に記載の平坦化樹脂層。 - 前記パターンを形成する工程と熱硬化工程の間に、後露光工程を有する請求項1または2に記載の平坦化樹脂層。
- 基板上に形成された回路上に、請求項1〜3のいずれか1項に記載の平坦化樹脂層を備えることを特徴とする半導体装置。
- 基板上に形成された回路上に、請求項1〜3のいずれか1項に記載の平坦化樹脂層を備えることを特徴とする表示体装置。
- 前記感光性樹脂組成物が280℃以下の温度で硬化されたことを特徴とする請求項4記載の半導体装置。
- 前記感光性樹脂組成物が230℃以下の温度で硬化されたことを特徴とする請求項5記載の表示体装置。
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