JP2006106214A - 平坦化樹脂層、並びにそれを有する半導体装置及び表示体装置 - Google Patents

平坦化樹脂層、並びにそれを有する半導体装置及び表示体装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 耐熱性、低吸水性、電気絶縁性、透明性、耐溶剤性、さらに段差埋め込み性に優れた平坦化膜及びそれを用いた半導体装置、表示装置を提供する。
【解決手段】 酸性基を側鎖に有する環状オレフィン系樹脂(A)、1,2−ナフトキノンジアジド構造を有する感光材(B)、軟化点が120℃以下であり、かつ130℃以上で(A)中の酸性基と結合しうる反応基を有する化合物(C)を含有する樹脂組成物を段差を有する基板上に塗布して樹脂組成物層を形成し、該樹脂組成物層に活性エネルギー線を照射して現像液と接触させてパターンを形成した後、該組成物を280℃以下で熱硬化することにより得られることを特徴とする平坦化樹脂層。
【選択図】なし

Description

本発明は、平坦化樹脂層、並びにそれを有する半導体装置および表示体装置に関するものである。
一般に、薄膜トランジスター型液晶表示素子や有機EL(ElectroLuminescense)素子等の表示素子には、素子や配線を保護するための保護膜、素子や配線を絶縁するための絶縁膜や多層化された配線間を絶縁する層間絶縁膜等が設けられている。一方、半導体装置や、それを実装するプリント配線板には、半導体素子や回路を保護するための保護膜、半導体素子や回路間を絶縁するための絶縁膜、或いは多層化された配線間を絶縁する層間絶縁膜が形成されている。これらの絶縁膜、或いは保護膜等には、その加工工程中にかかる熱履歴に耐える耐熱性、使用される温度域や湿度域で長期間絶縁特性を保持し得る信頼性(以下、単に「信頼性」という場合がある。)が要求されている。
更に、表示素子用材料としては、高い透明性も要求される。ところが、近年電子機器の軽薄短小化に伴い、表示素子の高精細化、半導体装置やプリント配線板の小型化や高集積化が進展しているために、これらの絶縁膜、或いは保護膜等に使われる材料に種々の技術的問題点が生じている。一つには、配線の高密度化及び信号の高速化に伴い、隣接する配線を通る信号間の干渉が問題になってきている。そのために、絶縁層には高い耐熱性及び信頼性と共に誘電率が低いことが求められている。ところが、従来の耐熱性、高信頼性絶縁膜用材料として使用されてきたポリイミド樹脂は、その樹脂骨格中に共役複素環基を有し、実際これが高い耐熱性に寄与しているわけであるが、同時に樹脂の誘電率を引き上げ、高細密化された配線間での信号の干渉を引き起こし、好ましくなかった。更に、この共役複素環基が光を吸収するため、高い透明性が要求される表示素子には適応しにくいといった問題もあった。
さらに、それら絶縁膜の中でも、近年新しい機構の表示素子において、たとえば画素電極の上に樹脂等による平坦化樹脂層を形成することで、下地の段差を慣らし、光漏れ領域を減らすことにより高視野角を実現する等、従来なかったような新しい素子構成要素が出現している。(非特許文献1参照) 特に高集積の半導体素子を実現するために、素子表面に複数の層の配線を各層間の絶縁膜を介し形成されることがあるが、その絶縁膜上に高精度かつ高信頼性の回路層を形成するためには、絶縁膜上に下地配線に由来する段差の発生を抑える必要がある。そこで、基板上の段差を樹脂層の厚みで吸収して、その表面を平坦なものにできる平坦化能が要求されている。
一方、これらの半導体装置やプリント配線板、表示素子中には、小スペース中に高い密度の配線を作成しなければならず、絶縁樹脂を貫通して配線の導通を取るためのスルホール等のパターンを樹脂層で形成しなければならない。このようなパターン形成を容易に行う技術として、感光性樹脂組成物の使用が一般的になってきた。これは、光反応性を有する樹脂組成物で、樹脂層形成後に樹脂層を除去したい部位のみ、或いは樹脂層を除去したい部位以外のみに選択的に露光し、現像を行うことで除去したい部位の樹脂層のみを溶解除去し、パターン加工を行えるようにするものである。これら現像等による樹脂層の溶解の際、従来は有機溶剤が主に使用されていたが、良好な作業環境を確保するため、アルカリ等の水溶液で溶解加工ができる感光性樹脂組成物が要求されている。
従来これらの用途に適応されてきた樹脂の例としては、たとえばアクリル樹脂をベースとした感放射線樹脂組成物を挙げることができる。(たとえば特許文献1参照)この樹脂はアルカリ現像による溶解加工が可能で、高い透明性なども併せ持つが、耐熱性や信頼性に劣るところがあり、上記のような絶縁材料への適応には制限があった。
一方、別の例としては、ポリイミド前駆体とジアゾキノン化合物より構成されるポジ型感光性樹脂が開示されている(たとえば特許文献2参照)。この樹脂はアルカリ現像による溶解加工が可能、高耐熱性といった特徴は有しているものの、加工後の樹脂の透明性に劣っており、その適応は制限されていた。
また、別の例としては、脂環式オレフィン樹脂より構成される感放射線樹脂組成物が開示されている。(特許文献3及び4)。この実施例に記載されている樹脂は環状オレフィンの開環重合体であるため、ポリマーの主鎖部分に環を構成しない炭素原子が必ず存在する構造を有しており、樹脂組成物は耐熱性に劣るところがあった。
そこで、パターン形成が容易で、高耐熱性、高信頼性、更に高い透明性、低誘電率、さらに平坦化能に優れた特性を有する新規の平坦化膜が望まれている。
堀浩雄他「カラー液晶ディスプレイ」共立出版、2001年刊行、p120 特開平5−165214号公報 特許第3262108号公報 特開平10−307338号公報 特開2003−162054号公報
本発明は、耐熱性、低吸水性、電気絶縁性、透明性、耐溶剤性、さらに段差埋め込み性に優れた平坦化膜及びそれを用いた半導体装置、表示装置を提供するものである。
このような目的は、以下の[1]〜[11]に記載の本発明により達成される。
[1]酸性基を側鎖に有する環状オレフィン系樹脂(A)、1,2−ナフトキノンジアジド構造を有する感光材(B)、軟化点が120℃以下、150℃での溶融粘度が0.1Pa・s以下であり、かつ130℃以上で(A)中の酸性基と結合しうる反応基を有する化合物(C)を含有する樹脂組成物を段差を有する基板上に塗布して樹脂組成物層を形成し、該樹脂組成物層に活性エネルギー線を照射して現像液と接触させてパターンを形成した後、該組成物を280℃以下で熱硬化することにより得られることを特徴とする平坦化樹脂層。
[2]酸性基を側鎖に有する環状オレフィン系樹脂(A)がポリノルボルネン樹脂である上記[1]に記載の平坦化樹脂層。
[3]酸性基を側鎖に有する環状オレフィン系樹脂(A)が式(1)で示される繰り返し単位を含むものである上記[2]記載の平坦化樹脂層。
Figure 2006106214
[式(1)中、XはO、CH2、(CH22のいずれかであり、nは0〜5までの整数である。R1〜R4は、その構造中にO及び/又はFを含んでいても良い炭素数1〜25の一価の有機基よりそれぞれ独立に選ばれる。R1〜R4は単量体の繰り返しの中で異なっていてもよいが、全繰り返し単位のR1〜R4のうち、少なくとも一つは酸性基を有する。]
[4]酸性基を側鎖に有する環状オレフィン系樹脂(A)が式(2)で示される繰り返し単位を含むものである上記[2]記載の平坦化樹脂層。
Figure 2006106214
[式(2)中、YはO、CH2、(CH22のいずれか、Zは−CH2−CH2−、−CH=CH−のいずれかであり、lは0〜5までの整数である。R5〜R8は、その構造中にO及び/又はFを含んでいても良い炭素数1〜25の一価の有機基よりそれぞれ独立に選ばれる。R5〜R8は単量体の繰り返しの中で異なっていてもよいが、全繰り返し単位のR5〜R8のうち、少なくとも一つは酸性基を有する。]
[5]酸性基が、カルボキシル基、−C(OH)−(CF32, −N(H)−S(O)2−CF3 のいずれかである上記[1]〜[4]のいずれか1項に記載の平坦化樹脂層。
[6]酸性基を側鎖に有する環状オレフィン系樹脂(A)の重量平均分子量が、2,000〜20,000である上記[1]〜[5]のいずれか1項に記載の平坦化樹脂層。
[7]前記パターンを形成する工程と熱硬化工程の間に、後露光工程を有する上記[1]〜[6]のいずれか1項に記載の平坦化樹脂層
[8]基板上に形成された回路上に、上記[1]〜[7]のいずれか1項に記載の平坦化樹脂層を備えることを特徴とする半導体装置。
[9]基板上に形成された回路上に、上記[1]〜[7]のいずれか1項に記載の平坦化樹脂層を備えることを特徴とする表示体装置。
[10]前記感光性樹脂組成物が280℃以下の温度で硬化されたことを特徴とする上記[8]記載の半導体装置。
[11]前記感光性樹脂組成物が230℃以下の温度で硬化されたことを特徴とする上記[9]記載の表示体装置。
本発明によれば、半導体装置や表示装置に適応可能な、パターン形成が容易で、高い平坦化とともに、高耐熱性、低吸水性等の高信頼性、更に高い透明性、且つ低誘電率等の優れた特性を有する平坦化膜及びそれを用いた半導体装置、表示装置を提供することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明に係る平坦化樹脂層は、酸性基を側鎖に有する環状オレフィン系樹脂(A)、1,2−ナフトキノンジアジド構造を有する感光材(B)、130℃以上で(A)中の酸性基と結合しうる反応基を有する化合物(C)を含有する樹脂組成物を使用することを特徴とする。
本発明に用いられる環状オレフィン系樹脂(A)は、その主鎖中に環状オレフィン構造を有する樹脂であり、環状オレフィン由来の環構造がポリマーの鎖長方向に直接連結した剛直な構造を有するため、耐熱性等硬化後のフィルム特性に優れるものである。このような樹脂の中でも、得られる平坦化樹脂層の耐熱性の見地より好ましいのは、ポリノルボルネン樹脂である。
環状オレフィン系樹脂(A)の構造としては、たとえば一般式(1)あるいは(2)で表されるものを挙げることができる。
Figure 2006106214
Figure 2006106214
ここで、式(1)中のXはO、CH2、(CH22のいずれかであり、nは0〜5までの整数である。R1〜R4は、その構造中にO及び/又はFを含んでいても良い炭素数1〜25の一価の有機基よりそれぞれ独立に選ばれる。R1〜R4は単量体の繰り返しの中で異なっていてもよいが、全繰り返し単位のR1〜R4のうち、少なくとも一つは酸性基を有するものである。
また、式(2)中のYはO、CH2、(CH22のいずれか、Zは−CH2−CH2−、−CH=CH−のいずれかであり、lは0〜5までの整数である。R5〜R8は、その構造中にO及び/又はFを含んでいても良い炭素数1〜25の一価の有機基よりそれぞれ独立に選ばれる。R5〜R8は単量体の繰り返しの中で異なっていてもよいが、全繰り返し単位のR5〜R8のうち、少なくとも一つは4原子以上が連なった鎖状構造を含有し、また少なくとも一つは酸性基を有するものである。
樹脂にアルカリ可溶性を付与する酸性基としてはカルボキシル基、−C(OH)−(CF32, −N(H)−S(O)2−CF3を挙げることができ、これらのうち1種あるいは2種以上導入することができる。この中では、良好なアルカリ溶解性およびパターン形成能の見地より、その50%以上が−C(OH)−(CF32またはカルボキシル基のいずれかであることが好ましい。
一般的なこれらの樹脂の合成法の例としては、一般式(3)で示される環状オレフィンをモノマーとして重合することを挙げることができる。
Figure 2006106214
式(3)中、XはO、CH2、(CH22のいずれかであり、nは0〜5までの整数である。R1〜R4は、その構造中にO及び/又はFを含んでいても良い炭素数1〜25の一価の有機基よりそれぞれ独立に選ばれる。R1〜R4は単量体の繰り返しの中で異なっていてもよいが、全繰り返し単位のR1〜R4のうち少なくとも一つは酸性基を有する。
本発明で用いられる環状オレフィンモノマーの具体例としては、例えば
ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン−5−カルボン酸、
テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデック−3−エン−8−カルボン酸、
8−メチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデック−3−エン−8−カルボン酸、
(ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン−5−イル)酢酸、
2−(ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン−5−イル)プロピオン酸、
3−(ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン−5−イル)酪酸、
3−(ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン−5−イル)吉草酸、
3−(ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン−5−イル)カプロン酸、
コハク酸モノ−(2−(ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン−5−イル)カルボニルオキシエチル)エステル、
コハク酸モノ−(2−(ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン−5−イル)カルボニルオキシプロピル)エステル、
コハク酸モノ−(2−(ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン−5−イル)カルボニルオキシブチル)エステル、
フタル酸モノ−(2−(ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン−5−イル)カルボニルオキシエチル)エステル、
カプロン酸モノ−(2−(ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン−5−イル)カルボニルオキシブチル)エステル、
(ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン−5−イル)カルボニルオキシ酢酸、
2−(ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン−5−イル)メチルフェノール、
3−(ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン−5−イル)メチルフェノール、
4−(ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン−5−イル)メチルフェノール、
4−(ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン−5−イル)フェノール、
4−(ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン−5−イル)メチルカテコール、
3−メトキシ−4−(ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン−5−イル)メチルフェノール、
3−メトキシ−2−(ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン−5−イル)メチルフェノール、
2−(ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン−5−イル)メチルレゾルシン、
1,1−ビストリフルオロメチル−2−(ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン−5−イル)エチルアルコール、
1,1−ビストリフルオロメチル−3−(ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン−5−イル)プロピルアルコール、
1,1−ビストリフルオロメチル−4−(ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン−5−イル)ブチルアルコール、
1,1−ビストリフルオロメチル−5−(ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン−5−イル)ペンチルアルコール、
1,1−ビストリフルオロメチル−6−(ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン−5−イル)ヘキシルアルコール、
などを挙げることができるが、これらの構造に限定されない。
または、一般式(3)で示される環状モノマーの代わりに酸性基を有しない環状オレフィンモノマーを使用して同様の重合を行った後、その残基に高分子反応で酸性基を導入することによっても得ることができる。あるいは、一般式(3)で示される環状オレフィンモノマー中の酸性基の電離しうる水素原子を他の構造で置換したモノマーを使用し、これを付加重合した後、脱保護して元の水素原子を導入することにより得ることもできる。このとき水素原子と置換が可能な官能基としては、具体的には、3級ブチル基、3級ブトキシカルボニル基、テトラヒドロピラン−2−イル基、トリメチルシリル基などのトリアルキルシリル基、メトキシメチル基などを挙げることができる。脱保護、すなわちそれら保護基のモノマーからの脱離による酸性基の復元は、該官能基を酸性官能基の保護基として使用する場合の定法によって行うことができる。
一般式(1)あるいは(2)で示される重合体に、種々の特性のバランスを取る目的で、他の環状オレフィン構造を有するモノマー、たとえば一般式(4)〜(6)で示されるようなものを一般式(3)で示されるものと共重合することが可能である。
Figure 2006106214
9〜R11はそれぞれ独立して水素、炭素数1〜25のアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリル基、アラルキル基、その構造内に酸性基を有する炭素数2〜12の1価の有機基、その構造内に加熱によって酸性基と結合し得る反応基を有する炭素数2〜12の1価の有機基から選ばれた一つを示す。
本発明に用いられる酸性基を側鎖に有する環状オレフィン系樹脂(A)の酸性基当量は、その分子構造にもよるため、とくにここでは限定されないが、600g/モル以下、更に400g/モル以下であることが望ましい。酸性基当量が前記既定値以下であれば、後で述べるような現像時に用いる水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、アンモニア水等の無機アルカリ類、水酸化テトラメチルアンモニウムやエチルアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン等の有機アルカリ類の水溶液、及びこれにメタノール、エタノールのごときアルコール類等の水溶性有機溶剤や界面活性剤を適当量添加したアルカリ水溶液に可溶となる。酸性基当量が前記上限値よりも大きいと、上記のアルカリ水溶液への溶解性が発現しにくくなり、パターン加工を行うことができなくなる。樹脂中の酸性基の量は、標準アルカリ溶液を使用した樹脂溶液の滴定などにより測定することができる。得られる樹脂の酸性基当量は、使用する酸性基を有するモノマーの分子構造の選択、あるいは、酸性基を有するモノマーと酸性基を有しないモノマーとの存在比を変えて共重合することなどにより、制御することができる。
本発明で用いる酸性基を側鎖に有する環状オレフィン系樹脂は上記の環状オレフィンモノマーの重合によって得られる。重合方法としては、例えば、配位重合触媒の重合触媒であるニッケル化合物あるいはパラジウム化合物、あるいはラジカル重合触媒である2,2‘−アゾビスイソブチロニトリルなどの種々のラジカル発生剤を用いて付加重合することによって、一般式(1)で表されるような付加重合体を得ることが出来る。一方、有機ルテニウム触媒などを用いて重合し、必要に応じてその後パラジウム化合物などの一般的な還元触媒を作用させ、生成した炭素−炭素二重結合に水素添加することによって、一般式(2)で表されるような開環メタセシス重合体を得ることが出来る。ニッケル化合物とパラジウム化合物の詳細はPCT WO 9733198とPCT WO 00/20472に述べられている。一方、ラジカル付加重合技術の詳細はEncyclopedia of Polymer Science, John Wiley & Sons, 13, 708(1988)に述べられている。
これらの重合に使用される好ましい重合溶媒としては、炭化水素や芳香族溶媒が含まれる。炭化水素溶媒の例としては、ペンタン、ヘキサン、ヘプタンあるいはシクロヘキサンなどを挙げることができるが、これらに限定されない。芳香族溶媒の例としては、ベンゼン、トルエン、キシレンやメシチレンなどであるが、やはりこれらに限定されない。その他、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、エチルアセテート、エステル、ラクトン、ケトン、アミドなども使用できる。これら溶剤は、一種類単独で使用できる他、二種類以上を混合したものも重合溶媒として使用できる。
本発明のモノマーの重合では、得られる樹脂の分子量は、たとえば、触媒とモノマーの比を変化させたり、重合時間を変えたりすることなどにより制御することができる。
本発明における、酸性基を側鎖に有する環状オレフィン系樹脂の重量平均分子量は、2,000〜20,000である。重量平均分子量が前記上限値を超えると、その光加工時に、樹脂組成物のアルカリ水溶液に対する溶解性が低下し、良好な光加工性が得られにくくなるとともに、良好な平坦化能が発現しにくくなる。一方、重量平均分子量が前記下限値未満だと、樹脂組成物の機械特性が低下し、加工工程にすらその形態を保持できなくなり、好ましくない。樹脂の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて、標準ポリノルボルネンを基準に測定することができる。(ASTMDS3536−91準拠)
本発明における、酸性基を側鎖に有する環状オレフィン系樹脂の単分散性は、5以下であることが良好なパターン形成の点より好ましい。また、酸性基を側鎖に有する環状オレフィン系樹脂の酸性基は樹脂1gあたり0.002〜0.01モルが好ましい。更に好ましくは0.003〜0.01モルである。当該値が上記範囲より大きくなると、モノマーの選択範囲が極めて狭まり、他特性の並立が困難になる。一方、当該値が上記範囲より小さくなると、アルカリ水溶液への溶解性を発現させることが困難になり、共に好ましくない。
本発明で用いる感光材(B)は、1,2−ベンゾキノンジアジド或いは1,2−ナフトキノンジアジド構造を有する化合物であり、米国特許明細書第2772975号、第2797213号、第3669658号により公知の物質である。 これらのうちでは、特に小さい露光量で高い溶解性のコントラストを得るために、1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホン酸或いは1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−4−スルホン酸とフェノール化合物とのエステル化合物が好ましい。この感光材は、放射線照射による露光時の光反応でカルボキシル基を生成し、露光部のアルカリ現像液に対する溶解性を増加させるポジ型の感光材として機能する。
例えば、下記のものが挙げられる。
Figure 2006106214
Figure 2006106214
Figure 2006106214
Figure 2006106214
Figure 2006106214
Figure 2006106214
感光材(B)の含有量は、前記酸性基を側鎖に有する環状オレフィン系樹脂(A)100重量部に対し、1〜50重量部が好ましく、より好ましくは5〜30重量部が望ましい。配合量が、1重量部未満だと樹脂組成物の露光、現像特性が不良となり、逆に50重量部を超えると感度が大幅に低下するため好ましくない。
本発明の一つの大きな特徴は、軟化点が120℃以下、150℃での溶融粘度が0.1Pa・s以下であり、かつ130℃以上の温度で(A)の酸性基と結合しうる反応基を有する化合物(C)を用いることである。130℃以上の温度で酸性基と結合しうる反応基としては、例えばグリシジル基、エポキシシクロヘキシル基などのエポキシ基、2−オキサゾリン−2−イル基などのオキサゾリン基、N−ヒドロキシメチルアミノカルボニル基などのメチロール基、N−メトキシメチルアミノカルボニル基などのアルコキシメチル基等を挙げることができる。
本発明に用いられるこの化合物(C)の軟化点は120℃以下であり、かつ150℃での溶融粘度が0.1Pa・s以下である。より好ましくは、軟化点が室温以下、すなわち室温で液状である。このような化合物を樹脂組成物中に導入することによって、これが可塑剤として働き、その加工時樹脂の良好な流れを生じるため、下地基板上の段差を該樹脂層が吸収し、その表面の平坦化率は高いものとなり、実用上非常に有用な、良好な平坦化膜を提供できるものである。
本発明で用いることのできる化合物(C)としては、例えば、フェニルグリシジルエーテル、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、水素添加ビスフェノールA型エポキシ樹脂、水素添加ビスフェノールF型エポキシ樹脂、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、グリシジロキシプロピルトリメトキシシラン、ポリメチル(グリシジロキシプロピル)シロキサン等のエポキシ基含有シリコーン、2−メチル−2−オキサゾリン、2−エチル−2−オキサゾリン、フルフリルアルコール、ベンジルアルコール、サリチルアルコール、1,2−ベンゼンジメタノール、1,3−ベンゼンジメタノール、1,4−ベンゼンジメタノールなどを挙げることができるが、これらに限定されない。これらは単独でも、2種以上を混合して使用してもよい。
化合物(C)の含有量は、前記酸性基を側鎖に有する環状オレフィン系樹脂(A)100重量部に対し、1〜100重量部が好ましく、より好ましくは5〜50重量部が望ましい。配合量が、1重量部未満だと樹脂組成物の硬化後の物性が不良となり、逆に100重量部を超えるとパターン形成能が大幅に低下するため好ましくない。
本発明に用いられる樹脂組成物は、感度等の特性向上を目的として、必要によりフェノール化合物や、シランカップリング剤、レベリング剤、酸化防止剤,難燃剤、可塑剤、硬化促進剤等の添加剤を適宜配合することができる。
本発明においてはこれらの成分を溶剤に溶解し、ワニス状にして使用する。
溶剤としては、N−メチル−2−ピロリドン、γ−ブチロラクトン、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン、メチル−1,3−ブチレングリコールアセテート、1,3−ブチレングリコール−3−モノメチルエーテル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、メチル−3−メトキシプロピオネート等が挙げられ、これらは単独でも混合して用いても良い。
これらの中では、高い溶解性と揮散により後硬化時に除去しやすい点より、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、γ−ブチロラクトン、シクロヘキサノンの使用が好ましい。
本発明の平坦化膜の形成方法としては、まず該樹脂組成物を段差構造を有する適当な支持体、例えば、シリコンウェーハ、セラミック、アルミ基板、ガラス基板、フィルム基板等に塗布する。塗布方法としては、スピンナーを用いた回転塗布、スプレーコーターを用いた噴霧塗布、浸漬、印刷、ロールコーティング、スリットコーターによるスピンレス塗布、これらの塗布法を複数組み合わせた方式等がある。次に、90〜130℃で約1〜30分間プリベークして塗膜を乾燥後、所望のパターン形状に活性エネルギー線を照射する。活性エネルギー線は、電磁波や放射線若しくはその中間的な性質を持つエネルギー線を総称し、例えば、X線、電子線、紫外線、可視光線、電離放射線等が使用できるが、200〜700nmの波長のものが好ましい。
次に照射部を現像液で溶解除去することによりレリーフパターンを得る。
現像液としては、特に限定されないが、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、アンモニア水等の無機アルカリ類、水酸化テトラメチルアンモニウムやエチルアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン等の有機アルカリ類の水溶液、及びこれにメタノール、エタノールのごときアルコール類等の水溶性有機溶剤や界面活性剤を適当量添加した水溶液を好適に使用することができる。
現像方法としては、スプレー、パドル、浸漬、超音波等の方式が可能である。次に、現像によって形成したレリーフパターンをリンスする。リンス液としては、たとえば水やアルコールを使用することができる。
リンス後、樹脂パターン全体に対し後露光を行うことが望ましい。後露光は、現像後の樹脂層全面にパターン露光時に使用した露光機やUVコンベア等で露光を行うことができる。この後露光工程により感光材(B)中の未反応の感光基がカルボキシル基に変換されると、光の吸収を抑えることができ、透明性に優れた樹脂層を得ることができる。この工程は、特に透明性が要求される表示体装置などへの適応時に、非常に有用である。
後露光の後に加熱硬化することにより樹脂層を完成させる。即ち、加熱によって樹脂中に存在し、光加工時にアルカリ可溶性の発現に寄与していた酸性基、後露光部によって樹脂層中に存在する感光材より生成したカルボキシル基を、酸性基と反応可能な官能基を有する化合物(C)中の該官能基と反応させることによって消失させ、加工後の樹脂層の誘電率や耐湿信頼性等の信頼性に酸性基由来の悪影響が残るのを防止するのとともに、樹脂中に強固な架橋構造を形成し、熱硬化後の樹脂の特性を向上させることが、本発明の特徴である。熱硬化温度は、最高200℃〜250℃で加熱処理を行い、現像液やリンス液を除去し、さらに上記反応が完了し耐熱性に富む最終パターンを得る。さらにここまでの加工において、段差上の樹脂がよく段差下部に流れるため、最終パターンの表面は支持体上の段差の形状に左右されず、結果として平坦な表面の樹脂層を得ることが出来る。
本発明による平坦化樹脂層においては、パターンを形成した高い性能でかつ表面平坦化能に優れた樹脂膜が、容易に形成できる特徴を有する。その特徴が最大限活用される用途の例としては、表示体装置用、半導体用或いはプリント配線用等の平坦化膜もしくは層間絶縁膜用材料等を挙げることができ、産業上有用である。
半導体用としての具体的用途の例としては、半導体素子上に形成された回路上に上述の感光性樹脂組成物膜を形成することによる層間絶縁膜などを挙げることができる。
表示体装置用途としての例は、TFT素子やカラーフィルターの平坦化膜などがある。
その使用方法は、半導体用途に順じ、表示体素子やカラーフィルターを形成した基板上にパターン化された感光性樹脂組成物層を、上記の方法で形成することによる。表示体装置用途、特に層間絶縁膜や平坦化膜には、高い透明性が要求されるが、この感光性樹脂組成物層形成時に、上述のような後露光工程を導入することにより、透明性に優れた樹脂層が得られ、実用上非常に好ましい。
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。
《合成例1》
*ポリマーの合成
1,1−ビストリフルオロメチル−2−(ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン−5−イル)エチルアルコール(式(7)/ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン−5−カルボン酸(式(8))=75/ 25コポリマーの共重合体(A−1)の例を挙げる。
Figure 2006106214
すべてのガラス機器は60℃で0.1Torr下で18時間乾燥した。その後ガラス機器は内部の酸素濃度と湿度がそれぞれ1%以内に抑えられたグローブボックス内に移され、グローブボックスに備え付けられた。酢酸エチル(1000g)、シクロヘキサン(1000g)、1,1−ビストリフルオロメチル−2−(ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン−5−イル)エチルアルコール(98.9g、0.360mol)とビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン−5−カルボン酸トリメチルシリルエステル(21.7g、0.120mol)が反応フラスコに加えられた。反応フラスコはグローボックスから取り出し、乾燥窒素ガスを導入した。反応中間体は30分間溶液中に窒素ガスを通して脱気した。グローブボックス中でパラジウム触媒すなわち(アリル)パラジウム(トリシクロヘキシルホスフィン)トリフルオロアセテート0.058g(0.077mmol)が塩化メチレン16mlに溶解されて、25mlのシリンジに入れ、グローボックスから取り出し、リチウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート0.340gがトルエン1000gに溶解された助触媒溶液と共に反応フラスコに加えられた。さらに1−ヘキセン(25.9g、0.308mol)を添加し20℃にて5時間攪拌して反応を終了した。次にポリマーをメタノールに投入、沈殿物を濾集し水で充分洗浄した後、真空下で乾燥した。乾燥後77.5g(収率71%)のポリマーを回収した。得られたポリマーの分子量はGPCによりMw=12,200 Mn=6,100、単分散性=2.00であった。TgはDMAによると180℃であった。ポリマー組成は1H−NMRから1,1−ビストリフルオロメチル−2−(ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン−5−イル)エチルアルコールが72モル%ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン−5−カルボン酸が28モル%であった。また、この樹脂の酸性基は、ポリマー1gあたり0.0042モルであった。
《合成例2》
*ポリマーの合成
1,1−ビストリフルオロメチル−2−(ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン−5−イル)エチルアルコール/ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン−5−カルボン酸=50/50コポリマーの開環メタセシス共重合体(A−2)の例を挙げる。
すべてのガラス機器は60℃で0.1Torr下で18時間乾燥した。その後ガラス機器は内部の酸素濃度と湿度がそれぞれ1%以内に抑えられたグローブボックス内に移され、グローブボックスに備え付けられた。トルエン(917g)、シクロヘキサン(917g)、1,1−ビストリフルオロメチル−2−(ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン−5−イル)エチルアルコール(151g、0.55mol)とビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン−5−カルボン酸トリメチルエステル(99.1g、0.55mol)、1−ヘキセン(368g、2.2mol)が反応フラスコに加えられた。反応フラスコはグローボックスから取り出し、乾燥窒素ガスを導入した。反応中間体は30分間溶液中に窒素ガスを通して脱気した。グローブボックス中で五塩化タングステンのt−ブチルアルコール/メタノール(モル比0.35/0.3)溶液(0.05モル/l)を調製し、この3.78gをトリエチルアルミニウム0.011gがトルエン25gに溶解された助触媒溶液0.634gと共に反応フラスコに加えられた。20℃にて5時間攪拌して反応を終了した。
次にこの溶液をオートクレーブに入れ、RuHCl(CO)[P(C553340.02gを加え、内圧が100kg/cm2になるまで水素を導入し、165℃で3時間加熱攪拌を行った。加熱終了後室温まで放冷し、反応物をメタノール(975mmol)に加え18時間攪拌した。攪拌を止めると水層と溶媒層に分離した。水層を分離した後、1lの蒸留水を加え、20分間攪拌した。水層が分離するので取り除いた。1lの蒸留水で3回洗浄を行った。その後ポリマーをメタノールに投入、沈殿物を濾集し水で充分洗浄した後、真空下で乾燥した。乾燥後320g(収率85%)のポリマーを回収した。得られたポリマーの分子量はGPCによりMw=16,000 Mn=8,400、単分散性=1.9であった。TgはDMAによると130℃であった。ポリマー組成は1H−NMRから1,1−ビストリフルオロメチル−2−(ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン−5−イル)エチルアルコールが48モル%、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン−5−カルボン酸が52モル%であった。また、この樹脂の酸性基は、ポリマー1gあたり0.0049モルであった。
《実施例1》
*樹脂組成物ならびに樹脂層の作製と特性評価
得られた樹脂(A−1)5g、プロピレングリコールモノエチルエーテル15g、室温で液状のエポキシ基含有シリコーン樹脂(BY16−115、東レダウコーニングシリコーン(株)製)0.8g及び式(9)で示される感光材0.5gを混合し、均一な樹脂組成物(1)を得た。
Figure 2006106214
得られた樹脂組成物(1)をガラス基板上にスピンコーターで塗布し、ホットプレート上100℃で10分間乾燥させ、厚さ2μmの樹脂層を形成した。マスクを介した平行露光機(光源:高圧水銀灯)を使用して露光強度25mW/cm2で15秒間ガラスマスクを介し露光を行った。その後、2.38%水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液に樹脂層を30秒間浸漬現像することにより、露光部の樹脂層は溶解し、パターン化された樹脂層を得ることができた。その後、樹脂層全体に露光時に用いた平行露光機を使用して、露光強度25mW/cm2で40秒間、後露光を行った後、熱風循環式乾燥器を使用して空気中200℃で1時間加熱硬化を行った。
得られた樹脂層について、以下の特性を測定した。
透過率:透明性の目安として、上記の樹脂層付きガラス基板について、波長400nmでの光線の透過率を、分光光度計(UV−160型、島津製作所(株)・製)を用いて測定した(単位、%)。透過率が大きな値ほど、透明性は 良好である。
吸水率:樹脂層付きガラス基板より剥離した樹脂層を23℃で24時間水中に浸漬し、浸漬前後の重量変化率を測定した。(単位、%)
誘電率:MIL−P−55617に準じて測定した。
熱重量減少開始温度:示差熱天秤(TG/DTA6200型、セイコーインスツルメンツ(株)・製)を用いて、窒素雰囲気中昇温速度を10℃/分として重量減少開始温度を測定した(単位、℃)。
平坦化能:その表面に、幅10μmかつ厚さ1μmの配線が10μm間隔で形成されているシリコンウェーハ上に上記の方法で厚さ2μmの樹脂層を形成した。そして樹脂層表面の段差の高さを接触式膜厚計を用いて測定し、以下の式より平坦化能を算出した。
Figure 2006106214
測定結果を表1に示す。表1より得られた樹脂層は、いずれの項目も良好な値を示した。
《実施例2》
*樹脂組成物ならびに樹脂層の作製と特性評価
得られた樹脂(A−2)5g、エポキシ基含有シリコーン樹脂(BY16−115)0.8g及び式(9)で示される感光材0.5gを混合し均一な樹脂組成物(2)を得た。樹脂組成物(2)を実施例1と同様の方法でガラス基板上に樹脂層を形成し、露光、現像、後露光を行った後、熱風循環式乾燥器を使用して空気中200℃で1時間加熱硬化を行った。
得られた樹脂層の透過率、吸水率、誘電率、熱重量減少開始温度、平坦化能を実施例1同様に測定した。結果を表1に示す。表1より得られた樹脂層は、いずれもの項目も良好な値を示した。
《実施例3》
*樹脂組成物ならびに樹脂層の作製と特性評価
得られた樹脂(A−1)5g、プロピレングリコールモノエチルエーテル15g、ビフェニル型エポキシ樹脂(YX−4000H、ジャパンエポキシレジン(株)製、軟化点:110℃、150℃での溶融粘度:0.02Pa・s)0.8g及び式(9)で示される感光材0.5gを混合し均一な樹脂組成物(3)を得た。樹脂組成物(3)を実施例1と同様の方法でガラス基板上に樹脂層を形成し、露光、現像、後露光を行った後、熱風循環式乾燥器を使用して空気中200℃で1時間加熱硬化を行った。
得られた樹脂層の透過率、吸水率、誘電率、熱重量減少開始温度、平坦化能を実施例1同様に測定した。結果を表1に示す。表1より得られた樹脂層は、いずれもの項目も良好な値を示した。
《比較例》
*樹脂組成物ならびに樹脂層の作製と特性評価
得られた樹脂(A−1)5g、プロピレングリコールモノエチルエーテル15g、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(N−680、大日本インキ製造(株)製、軟化点:90℃、150℃での溶融粘度:0.17Pa・s)0.8g及び式(9)で示される感光材0.5gを混合し均一な樹脂組成物(4)を得た。樹脂組成物(4)を実施例1と同様の方法でガラス基板上に樹脂層を形成し、露光、現像、後露光を行った後、熱風循環式乾燥器を使用して空気中200℃で1時間加熱硬化を行った。
得られた樹脂層の透過率、吸水率、誘電率、熱重量減少開始温度、平坦化能を実施例1同様に測定した。結果を表1に示す。表1より、得られた樹脂層は、平坦性に劣っていた。
Figure 2006106214

Claims (11)

  1. 酸性基を側鎖に有する環状オレフィン系樹脂(A)、1,2−ナフトキノンジアジド構造を有する感光材(B)、軟化点が120℃以下、150℃での溶融粘度が0.1Pa・s以下であり、かつ130℃以上で(A)中の酸性基と結合しうる反応基を有する化合物(C)を含有する樹脂組成物を段差を有する基板上に塗布して樹脂組成物層を形成し、該樹脂組成物層に活性エネルギー線を照射して現像液と接触させてパターンを形成した後、該組成物を280℃以下で熱硬化することにより得られることを特徴とする平坦化樹脂層。
  2. 環状オレフィン系樹脂(A)がポリノルボルネン樹脂である請求項1に記載の平坦化樹脂層。
  3. 酸性基を側鎖に有する環状オレフィン系樹脂(A)が式(1)で示される繰り返し単位を含むものである請求項2記載の平坦化樹脂層。
    Figure 2006106214
    [式(1)中、XはO、CH2、(CH22のいずれかであり、nは0〜5までの整数である。R1〜R4は、その構造中にO及び/又はFを含んでいても良い炭素数1〜25の一価の有機基よりそれぞれ独立に選ばれる。R1〜R4は単量体の繰り返しの中で異なっていてもよいが、全繰り返し単位のR1〜R4のうち、少なくとも一つは酸性基を有する。]
  4. 酸性基を側鎖に有する環状オレフィン系樹脂(A)が式(2)で示される繰り返し単位を含むものである請求項2記載の平坦化樹脂層。
    Figure 2006106214
    [式(2)中、YはO、CH2、(CH22のいずれか、Zは−CH2−CH2−、−CH=CH−のいずれかであり、lは0〜5までの整数である。R5〜R8は、その構造中にO及び/又はFを含んでいても良い炭素数1〜25の一価の有機基よりそれぞれ独立に選ばれる。R5〜R8は単量体の繰り返しの中で異なっていてもよいが、全繰り返し単位のR5〜R8のうち、少なくとも一つは酸性基を有する。]
  5. 酸性基が、カルボキシル基、−C(OH)−(CF32, −N(H)−S(O)2−CF3 のいずれかである請求項1〜4のいずれか1項に記載の平坦化樹脂層。
  6. 酸性基を側鎖に有する環状オレフィン系樹脂(A)の重量平均分子量が、2,000〜20,000である請求項1〜5のいずれか1項に記載の平坦化樹脂層。
  7. 前記パターンを形成する工程と熱硬化工程の間に、後露光工程を有する請求項1〜6のいずれか1項に記載の平坦化樹脂層。
  8. 基板上に形成された回路上に、請求項1〜7のいずれか1項に記載の平坦化樹脂層を備えることを特徴とする半導体装置。
  9. 基板上に形成された回路上に、請求項1〜7のいずれか1項に記載の平坦化樹脂層を備えることを特徴とする表示体装置。
  10. 前記感光性樹脂組成物が280℃以下の温度で硬化されたことを特徴とする請求項8記載の半導体装置。
  11. 前記感光性樹脂組成物が230℃以下の温度で硬化されたことを特徴とする請求項9記載の表示体装置。
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