JP3856237B1 - シリコン含有感光性組成物、これを用いた薄膜パターンの製造方法、電子機器用保護膜 - Google Patents

シリコン含有感光性組成物、これを用いた薄膜パターンの製造方法、電子機器用保護膜 Download PDF

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Abstract

【課題】感光性を有し、架橋剤を含有させずとも、アルカリ現象可能な感光性組成物を提供する。
【解決手段】下記の一般式(1)で表わされる構造を有し、R11〜R1nの内1つがHであり、残りが有機基である1種のポリマー(A1)を含むシリコン含有ポリマーと、活性光線もしくは放射線の放射により、酸または塩基を発生する化合物とを含むシリコン含有感光性組成物。

Description

本発明は、感光性を有し、アルカリ現象によりパターンを形成することを可能とするシリコン含有感光性組成物、これを用いた薄膜パターンの製造方法、電子機器用保護膜に関する。
半導体デバイス、液晶表示装置またはプリント回路基板などの製造に際しては、保護膜や層間絶縁膜をはじめとする様々な構成部分が、微細パターン形成法により形成されている。近年、素子の高集積化に伴って、パターンの微細化がより一層進んでいる。そのため、フォトリソグラフィー技術を用いた薄膜パターンの形成方法が広く用いられており、かつより一層微細なパターンを形成するために、露光用の光の短波長化が試みられている。
下記の特許文献1には、下記の構造式(X)で示されるポリ(シルセスキオキサン)化合物10〜90重量%と、活性光線または放射線の照射により強酸を発生し得る化合物0.01〜20重量%と、架橋剤5〜60重量%とを含む感光性組成物を用いたフォトリソグラフィー法によるパターン形成方法が開示されている。
Figure 0003856237
なお、一般式(X)において、Ra及びRbは同一または異なる有機基であり、nは重合度であり、上記Ra,Rbはフェノール性水酸基であることが好ましいとされている。
特許文献1に記載の上記感光性組成物は、上記特定のポリ(シルセスキオキサン)化合物(X)を用いているため、短波長の光を用いて微細なパターンを形成することができるとされている。
しかしながら、特許文献1に記載の感光性組成物を用いたパターン形成方法では、上記のように、ポリ(シルセスキオキサン)化合物(X)と、光の照射により酸を発生させる光酸発生剤だけでなく、アルカリに不溶な部分を形成するために、ポリ(シルセスキオキサン)化合物(X)を架橋する架橋剤が含有されている。すなわち、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサンジオール、エリスリトールもしくはペンタエリスリトールなどの脂肪族アルコール、またメチロール含有メラミン化合物もしくはアルキルエーテル含有メラミン化合物などからなる架橋剤が樹脂分100重量部に対し、5〜95重量部の程度配合されていた。
特開平10−268520号公報
半導体装置などの電子部品分野などでは薄膜パターンを得るための感光性組成物が不純物をできるだけ含まないことが好ましい。すなわち、上記架橋剤などの不純物が残存すると、得られた薄膜パターンが着色したり、薄膜パターンの機械的強度や電気的特性などが劣化するおそれがあった。また、上記架橋剤が、後の製造工程における加熱等により揮散し、それによって薄膜パターンの特性が変動するおそれもあった。そのため、例えば半導体装置の層間絶縁膜などに必要な耐熱性、透明性、耐候性等を満たすことが困難となることがあった。
本発明の目的は、上述した従来技術の現状に鑑み、感光性を有し、架橋剤を用いることなく現像可能とされている、シリコン含有感光性組成物、該感光性組成物を用いた薄膜パターンの製造方法、電子機器用保護膜、電子機器を提供することにある。
本発明のある広い局面によれば、下記の一般式(1)で表わされる構造を有し、R11〜R1nの内少なくとも1つがHである少なくとも1種のシリコン含有ポリマー(A1)と、活性光線もしくは放射線の放射により、酸または塩基を発生する化合物(B)とを含み、前記化合物(B)が、オニウム塩、ジアゾニウム塩及びスルホン酸エステルからなる群から選択した少なくとも1種の酸を発生する化合物あるいは塩基を発生するアミンイミド化合物であり、上記シリコン含有ポリマー(A1)の重量平均分子量をMwとし、前記シリコン含有ポリマー(A1)における置換基R11〜R1nの合計100モル%としたとき、Hである置換基の割合が、重量平均分子量Mwに応じて添付の図5の破線Aで囲まれている範囲内とされていることを特徴とする、シリコン含有感光性組成物が提供される。
Figure 0003856237
(式中、R11〜R1nの少なくとも1つはHであり、nは1以上の整数。)
本発明の他の広い局面では、上記の一般式(1)で表わされる構造を有し、R11〜R1nの内少なくとも1つがHである少なくとも1種のシリコン含有ポリマー(A1)と、活性光線もしくは放射線の照射により、酸または塩基を発生する化合物(B)とを含み、前記化合物(B)が、オニウム塩、ジアゾニウム塩及びスルホン酸エステルからなる群から選択した少なくとも1種の酸を発生する化合物あるいは塩基を発生するアミンイミド化合物であり、下記の一般式(2)で示され、R21〜R2nがH以外の原子または官能基である少なくとも1種のポリマー(A2)がさらに含有されており、前記シリコン含有ポリマー(A1)及びシリコン含有ポリマー(A2)の重量平均分子量Mwとし、Hである置換基の割合が前記シリコン含有ポリマー(A1)及び(A2)における置換基R 11 〜R 1n 及び置換基R 21 〜R 2n の総合計を100モル%としたとき、重量平均分子量Mwに応じて図5の破線Aで囲まれている範囲内とされている
Figure 0003856237
(式中、R21〜R2nはH以外の原子または官能基であり、nは1以上の整数。)
本発明に係るシリコン含有感光性組成物において、上記シリコン含有ポリマー(A1)及びシリコン含有ポリマー(A2)の双方が含有されている場合、好ましくは、シリコン含有ポリマー(A1)及びシリコン含有ポリマー(A2)の重量平均分子量Mwとし、前記シリコン含有ポリマー(A1)及び(A2)における置換基R11〜R1n及び置換基R21〜R2nの総合計を100モル%としたとき、Hである置換基の割合が重量平均分子量Mwに応じて図5の破線Aで囲まれている範囲内とされている。
本発明に係る薄膜パターンの製造方法は、基板上に、本発明に従って構成されたシリコン含有感光性組成物からなる感光性組成物層を形成する工程と、前記感光性組成物層に形成するパターンに応じて、活性光線または放射線で選択的に露光し、パターン状の潜像を形成する工程と、前記潜像が形成された前記感光性組成物層を現像液で現像し、薄膜パターンを得る工程とを備える。
本発明に係るシリコン含有感光性組成物を用いて形成された薄膜は、様々な用途に用いられる。ここで、「シリコン含有感光性組成物を用いて形成された薄膜」とは、熱や光などのエネルギーをシリコン含有感光性組成物に与えて架橋構造を導入して得られた薄膜であることを意味する。本発明のある特定の局面では、上記薄膜が電子機器用保護膜として用いられ、このような保護膜を有するトランジスタ、カラーフィルタ及び有機EL素子などを本発明により提供することができる。
以下、本発明の詳細を説明する。
本願発明者らは、上記課題を達成するために、鋭意検討した結果、特定のポリシルセスキオキサン化合物を用いれば、架橋剤を使用することなく、現像可能な感光性組成物を提供し得ることを見出し、本発明をなすに至った。
本発明においては、少なくとも1種の上記シリコン含有ポリマー(A1)が用いられる。
すなわち、シリコン含有ポリマー(A1)は、下記の一般式(1)において、R11〜R1nの内、少なくとも1つがHであり、残りは、H以外の原子または官能基である。
Figure 0003856237
よって、シリコン含有ポリマー(A1)において、R11〜R1nが全てHである場合には、シリコン含有ポリマー(A1)は、
Figure 0003856237
からなる骨格を有するポリマーである。
また、シリコン含有ポリマー(A1)において、置換基R11〜R1nは同一であってもよく、異なっていてもよい。
そして、本発明では、このシリコン含有ポリマー(A1)は、少なくとも1種配合されており、従って2種以上のシリコン含有ポリマー(A1)が含まれていてもよい。
上記のように、シリコン含有ポリマー(A1)では、置換基R11〜R1nの内少なくとも1つがHであるため、シリコン含有ポリマー(A1)は、−SiH基を有する。−SiH基は、活性光線もしくは放射線の照射により化合物(B)から生じた酸または塩基の作用により、空気中の水分と容易に反応する。その結果、シリコン含有ポリマー(A1)の−SiH基と、隣接するシリコン含有ポリマー(A1)の−SiH基とが空気中のH2Oと容易に反応し、Si−O−Si結合が生じて架橋が進行し、現像液に不溶となる。すなわち、R1及び/またはR2が−SiH基を有するため、架橋剤を用いずとも、−SiH基が空気中の水分と反応して架橋が進行し、不溶部分が形成されることになる。従って、本発明によれば、架橋剤の使用を省略することができる。
上記シリコン含有ポリマー(A1)において、HではないR11〜R1nは特に限定されないが、置換もしくは無置換の脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換の脂環式炭化水素基、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基、置換もしくは無置換の極性基含有有機基などの有機基が挙げられる。このような有機基の例としては、より具体的には、メチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ヘキシル基、フェニルメチル基、トリフルオロプロピル基、及びノナフルオロヘキシル基のような置換もしくは無置換の脂肪族炭化水素基、シクロヘキシル基、メチルシクロヘキシル基のような置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基、p−トリル基、ビフェニル基、及びフェニル基のような置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基、及び水酸基含有基、カルボキシル基、フェノール性水酸基含有基のような置換もしくは無置換の極性基含有有機基が挙げられる。
11〜R1nは、有機基以外の官能基や原子であってもよい。このような原子や官能基としては、フッ素もしくは塩素などのハロゲン、ハロゲン化物基、水酸基、アルコキシド基、アミノ基、ニトロ基、スルホキシド基、ニトリル基などが挙げられる。R11〜R1nについては、有機基やこれらの原子や官能基が混在していてもよい。
さらに、一般式(1)において、シロキサン基を有する骨格の構造については特に限定されず、ランダム型、ラダー型または籠型などのいずれであってもよい。さらに、このようなランダム型、ラダー型または籠型などの様々な構造のポリマーを複数種用いてもよい。
また、本発明においては、上記シリコン含有ポリマー(A1)だけでなく、下記の一般式(2)で示される少なくとも1種のシリコン含有ポリマー(A2)をさらに含んでいてもよい。
Figure 0003856237
シリコン含有ポリマー(A2)において、R21〜R2nは、いずれもH以外の原子または官能基であり、nは1以上の整数である。この、H以外の原子及び官能基としては、シリコン含有ポリマー(A1)における前述のH以外の原子及び有機基などの官能基と同じものが挙げられる。シリコン含有ポリマー(A2)において、R21〜R2nは同一であってもよく、異なっていてもよい。また、本発明においては、上記シリコン含有ポリマー(A2)は2種以上が含まれていてもよい。
シリコン含有ポリマー(A1)を製造する際には、通常、シリコン含有ポリマー(A2)も副生成物として生じることが多い。従って、本発明では、シリコン含有ポリマー(A1)に加えて、シリコン含有ポリマー(A2)がさらに含まれることが多い。もっとも、シリコン含有ポリマー(A2)は、必ずしも含まれていなくともよい。
シリコン含有ポリマー(A2)がシリコン含有ポリマー(A1)に加えて含まれている場合、シリコン含有ポリマー(A2)は、−SiH基を有せず、架橋剤なしに架橋し難いため、その含有割合は少ない方が望ましい。より具体的には、シリコン含有ポリマー(A1)とシリコン含有ポリマー(A2)とが含有されている場合、シリコン含有ポリマー(A1)100重量部に対し、シリコン含有ポリマー(A2)の配合割合は、400重量部以下であることが望ましい。
本発明において、シリコン含有ポリマーとして、シリコン含有ポリマー(A2)を含まず、シリコン含有ポリマー(A1)のみが含有されている場合、置換基R11〜R1nにおけるHである置換基の割合は、置換基R11〜R1nの合計を100モル%とし、シリコン含有ポリマー(A1)の重量平均分子量Mwとしたときに、図5の破線Aで囲まれている範囲内とされる。それ以外では、SiH基が少ないので、Si−O−Si結合の生成による架橋が進行し難くなったりする。
また、本発明においては、上記シリコン含有ポリマー(A1)に加えて、シリコン含有ポリマー(A2)が含まれている場合には、好ましくは、置換基R11〜R1n及び置換基R21〜R2nにおけるHである置換基の割合は、置換基R11〜R1n及び置換基R21〜R2nの合計を100モル%とし、シリコン含有ポリマー(A1)とシリコン含有ポリマー(A2)との混合物の重量平均分子量Mwとしたときに、図5の破線Aで囲まれている範囲内とされる。この範囲外では、Si−O−Si結合の生成による架橋が進行し難くなったりする。
いずれの場合においても、図5の破線Aで囲まれている範囲内である場合には、本発明に従って、Si−O−Si結合が速やかに形成され、架橋が進行する。
なお、上記混合物の重量平均分子量とは、例えば、シリコン含有ポリマー(A1)の100分率をx(%)、シリコン含有ポリマー(A2)の重量含有率をY(%)とし、シリコン含有ポリマー(A1)の重量平均分子量MA1、シリコン含有ポリマー(A2)の重量平均分子量MA2とした場合、(x・MA1+Y・MA2)/100で表されることになる。
本発明において用いられる化合物(B)は、活性光線もしくは放射線の照射により酸または塩基を発生する化合物である。酸を発生させる化合物としては、例えば、オニウム塩などが挙げられる。より具体的には、ジアゾニウム、ホスホニウム、及びヨードニウムのBF4 -、PF6 -、SBF6 -、ClO4 -などの塩や、その他、有機ハロゲン化合物、有機金属、及び有機ハロゲン化物などが挙げられる。さらに具体的には、酸を発生させる化合物としては、トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホナート、トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンアンチモナート、トリフェニルスルホニウムベンゾスルホナート、シクロヘキシルメチル(2−オキソシクロヘキシル)スルホニウムトリフルオロメタンスルホナート、ジシクロヘキシル(2−オキソシクロヘキシル)スルホニウムトリフルオロメタンスルホナート、ジシクロヘキシルスルホニルシクロヘキサノン、ジメチル(2−オキソシクロヘキシル)スルホニウムトリフルオロメタンスルホナート等のスルホニウム塩化合物、ジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホナート等のヨードニウム塩、N−ヒドロキシスクシンイミドトリフルオロメタンスルホナート等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
上記活性光線もしくは放射線の照射により酸を発生させる化合物(B)は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記活性光線もしくは放射線の照射により酸を発生させる化合物としては、より反応性の高いオニウム塩、ジアゾニウム塩、及びスルホン酸エステルからなる群から選択した少なくとも1種の化合物が用いられる。
上記酸を発生させる化合物の含有割合は、上記シリコン含有ポリマー(A1)及び必要に応じて追加されるシリコン含有ポリマー(A2)の合計である樹脂分100重量部に対し、0.05〜50重量部の範囲であることが望ましい。すなわち、樹脂分100重量部に対し、0.5〜30重量部の割合とすることが望ましい。0.05重量部未満では、感度が十分でないことがあり、薄膜パターンの形成が困難となることがあり、50重量部を超えると、均一に感光性組成物を塗布することが困難となり、さらに現像後に残渣が生じ易くなることがある。
これらの感光剤に加え、より感度を高めるために、さらに増感剤を加えてもよい。好適な増感剤としては、具体的には、ベンゾフェノン、p,p′−テトラメチルジアミノベンゾフェノン、p,p′−テトラエチルアミノベンゾフェノン、2−クロロチオキサントン、アントロン、9−エトキシアントラセン、アントラセン、ピレン、ペリレン、フェノチアジン、ベンジル、アクリジンオレンジ、ベンゾフラビン、セトフラビン−T、9,10−ジフェニルアントラセン、9−フルオレノン、アセトフェノン、フェナントレン、2−ニトロフルオレン、5−ニトロアセナフテン、ベンゾキノン、2−クロロ−4−ニトロアニリン、N−アセチル−p−ニトロアニリン、p−ニトロアニリン、N−アセチル−4−ニトロ−1−ナフチルアミン、ピクラミド、アントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−tert−ブチルアントラキノン、1,2−ベンズアンスラキノン、3−メチル−1,3−ジアザ−1,9−ベンズアンスロン、ジベンザルアセトン、1,2−ナフトキノン、3,3′−カルボニル−ビス(5,7−ジメトキシカルボニルクマリン)及びコロネン等であるがこれらに限定されるものではない。
上記塩基を発生させる化合物(B)として、活性光線もしくは放射線の照射により塩基を発生させるアミンイミド化合物が用いられる。このようなアミンイミド化合物については、活性光線もしくは放射線が照射された際に塩基を発生する限り特に限定されない。このようなアミンイミド化合物としては、例えば、下記の一般式(3)または(4)で表される化合物が挙げられる。
Figure 0003856237
Figure 0003856237
なお、一般式(3)及び(4)において、R1、R2、R3は独立に水素、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、炭素数1〜8のアルキリデン基、炭素数4〜8のシクロアルキル基、炭素数4〜8のシクロアルケニル基、炭素数1〜6のフェノキシアルキル基、フェニル基、電子供与性基及び/または電子吸引性基が置換したフェニル基、ベンジル基、電子供与性基及び/または電子吸引性基が置換したベンジル基等が挙げられる。炭素数1〜8のアルキル基としては、直鎖上のアルキル基の他に、置換基を有するアルキル基、例えばイソプロピル基、イソブチル基、t−ブチル基等も含む。これらの置換基の中で、合成の簡便性、アミンイミドの溶解性等の点から、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数6〜8のシクロアルキル基、炭素数1〜6のフェノキシアルキル基が好ましい。また、R4は独立に炭素数1〜5のアルキル基、水酸基、炭素数4〜8のシクロアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、フェニル基を表す。上記一般式(3)中のAr1は芳香族基であり、このようなアミンイミド化合物は、例えば特開2003−35949号に開示されているように、本願出願前において知られており、かつ一般的に入手可能である。上記一般式(4)中、Arは芳香族基である。
上記アミンイミド化合物は、活性光線もしくは放射線が照射されると、1級もしくは2級アミンを発生させる化合物に比べて、塩基発生効率が高い。従って、露光時間の短縮、ひいては製造工程の短縮を図ることができ、望ましい。
上記塩基を発生させる化合物(B)は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。なお、塩基を発生させる化合物(B)の含有割合は、上記樹脂分100重量部に対し通常、0.05〜50重量部の範囲とすることが望ましい。0.05重量部未満では、感度が低下し、薄膜パターンの形成が困難となることがある。50重量部を超えると、感光性組成物を均一に塗布することが困難となり、現象後に残渣が生じやすくなるおそれがある。
なお、光酸発生剤と光塩基発生剤は、最適なレジスト形状を得るために、それぞれを2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明においては、上記シリコン含有ポリマー(A1)、任意に添加されるシリコン含有ポリマー(A2)と、上記化合物(B)とに加えて適宜の溶剤が添加され得る。溶剤の添加により、塗布が容易な感光性組成物を容易に提供することができる。使用する溶剤については、上記シリコン含有ポリマー(A1)を溶解し得る限り、特に限定されないが、ベンゼン、キシレン、トルエン、エチルベンゼン、スチレン、トリメチルベンゼン、ジエチルベンゼンなどの芳香族炭化水素化合物;シクロヘキサン、シクロヘキセン、ジペンテン、n−ペンタン、イソペンタン、n−ヘキサン、イソヘキサン、n−ヘプタン、イソヘプタン、n−オクタン、イソオクタン、n−ノナン、イソノナン、n−デカン、イソデカン、テトラヒドロナフタレン、スクワランなどの飽和または不飽和炭化水素化合物;ジエチルエーテル、ジ−n−プロピルエーテル、ジ−イソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、エチルプロピルエーテル、ジフェニルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールジブチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジプロピルエーテル、エチレングリコールメチルエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチルシクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、p−メンタン、o−メンタン、m−メンタン;ジプロピルエーテル、ジブチルエーテルなどのエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジエチルケトン、ジプロピルケトン、メチルアミルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、シクロヘプタノンなどのケトン類;酢酸エチル、酢酸メチル、酢酸ブチル、酢酸プロピル、酢酸シクロヘキシル、酢酸メチルセロソルブ、酢酸エチルセロソルブ、酢酸ブチルセロソルブ、乳酸エチル、乳酸プロピル、乳酸ブチル、乳酸イソアミル、ステアリン酸ブチルなどのエステル類などが挙げられる。これらの溶剤は、単独あるいは2種類以上を組み合わせて用いることができる。
上記溶剤の使用割合は、基板上に感光性組成物を塗工し、感光性組成物層を形成する際に、均一に塗工されるように適宜選択すればよい。好ましくは、感光性組成物の濃度は、固形分濃度で、0.5〜60重量%、より好ましくは、2〜40重量%程度とされる。
本発明に係る感光性組成物には、必要に応じて、さらに、他の添加剤を添加してもよい。このような添加剤としては、充填剤、顔料、染料、レベリング剤、消泡剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、pH調整剤、分散剤、分散助剤、表面改質剤、可塑剤、可塑促進剤、タレ防止剤などが挙げられる。
本発明に係る薄膜パターンの製造方法は、例えば図1(a)に示すように、本発明に係る感光性組成物からなる感光性組成物層1を形成する工程と、次に、感光性組成物層1をパターンに応じたフォトマスク3を用いて選択的に露光してパターン状の潜像1Aを形成する工程(図1(b))と、潜像が形成された感光層1Bをアルカリ水溶液にて現像する工程(図1(c))とを備える。ここで、現像とは、アルカリ水溶液に、潜像が形成された感光層1Bを浸漬する操作の他、該感光層1Bの表面をアルカリ水溶液で洗い流す操作、あるいはアルカリ水溶液を上記感光層1B表面に噴射する操作など、アルカリ水溶液で感光層1Bを処理する様々な操作を含むものとする。なお、現像液としては、アルカリ水溶液に限らず、酸性水溶液や各種溶媒を用いてもよい。溶媒としては、前述した各種溶剤が挙げられる。酸性水溶液としては、シュウ酸、ギ酸、酢酸等が挙げられる。
上記感光性組成物層を形成する工程は、特に限定されないが、例えば本発明に係る感光性組成物を図1に示す基板2上に付与し、感光性組成物層1を形成する方法が挙げられる。この場合の具体的な方法としては、一般的な塗工方法を用いることができ、例えば、浸漬塗工、ロール塗工、バー塗工、刷毛塗工、スプレー塗工、スピン塗工、押出塗工、グラビア塗工などを使用することができる。感光性組成物が塗工される基板としては、シリコン基板、ガラス基板、金属板、プラスチックス板などが用途に応じて用いられる。感光性組成物層の厚さは、用途によって異なるが、10nm〜10μmが目安となる。基板上に塗工された感光性組成物層は、感光性樹脂を溶解させるために溶剤を用いた場合、その溶剤を乾燥させるために加熱処理することが望ましい。加熱処理温度は、一般には40℃〜200℃であり、溶剤の沸点や蒸気圧に応じて適宜選択される。
感光性組成物層を基板上に形成し、必要に応じて加熱処理した後、該感光性組成物層をフォトマスクで被覆して光をパターン状に照射する。これにより、必要なパターン形状の潜像を形成することができる。フォトマスクとしては、市販されている一般的なものを用いればよい。
光源としては、超高圧水銀灯、Deep UV ランプ、高圧水銀灯、低圧水銀灯、メタルハライドランプ、エキシマレーザーなどを使用することができる。これらの光源は、光酸発生剤、光塩基発生剤及び増感剤の感光波長に応じて適宜選択される。光の照射エネルギーは、所望の薄膜の厚みや光酸発生剤、光塩基発生剤及び増感剤の種類にもよるが、一般に、10〜1000mJ/cm2が用いられる。10mJ/cm2よりも小さいと、シリコン含有ポリマーが十分に感光しない。また、1000mJ/cm2より大きいと露光時間が長くなるおそれがあり、薄膜パターンの時間あたりの製造効率が低下するおそれがある。
パターン形状に光照射された感光性組成物層の露光部分では、上記のようにシリコン含有ポリマー(A1)の−SiH基が露光により化合物(B)から生じた酸または塩基の作用により空気中の水分と反応し、隣接するポリマーの−SiH基と反応する。その結果、Si−O−Si結合が生成し、架橋が進行する。そのため、露光部分では架橋が進行した結果、現像液に不溶となる。露光後の感光性組成物層を現像液を用いて現像することにより、感光性組成物層の未露光部分が現像液に溶解して除去され、露光部分が基板上に残る。その結果、パターンが形成される。このパターンは、未露光部分が除去されることから、ネガ型パターンといわれるものである。
現像液としては、防爆設備が不要であり、腐蝕等による設備負担も少ないので、アルカリ水溶液が好ましく用いられる。例えば、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液、珪酸ナトリウム水溶液、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液などのアルカリ水溶液が挙げられる。現像に要する時間は、感光性組成物層の厚みや溶剤の種類にもよるが、一般には、10秒〜5分である。現像後に用いられた薄膜パターンは、蒸留水で洗浄され、薄膜上に残留しているアルカリ水溶液を除去することが好ましい。
上記のようにして得られた薄膜パターンは、絶縁性を有する薄膜である。さらに、好ましくは、該薄膜パターンを100〜400℃の温度で5分〜2時間加熱して、架橋密度を高めて緻密化することが望ましい。その場合には、絶縁性及び膜強度がより一層高められる。
なお、本発明に係る感光性組成物は、様々な装置において、薄膜パターンを形成するのに好適に用いられるが、好ましくは、電子機器の保護膜に上記薄膜パターンが効果的に用いられる。電子機器の絶縁保護膜として、本発明に係る感光性組成物を用いて形成された薄膜パターンを用いることにより、得られた絶縁保護膜の形状安定性を効果的に高めることができる。このような電子機器の絶縁保護膜の例としては、例えば、薄膜トランジスタ(TFT)を保護するためのTFT保護膜すなわちパッシベーション膜や、カラーフィルタにおいてフィルタを保護する保護膜すなわちオーバーコート膜や有機EL素子の保護膜すなわちパッシベーション膜などが挙げられる。
図2は、本発明の電子機器用絶縁保護膜が用いられた液晶表示素子の正面断面図の略図であり、図3は、その要部を拡大して示す部分切欠正面断面図である。
図2に示すように、液晶表示素子11は、ガラス基板12上にTFT13を形成した構造を有する。TFT13を被覆するように、TFT保護膜14が形成されている。液晶表示素子11では、TFT保護膜14が、本発明の電子機器用絶縁保護膜により構成されている。
TFT保護膜14は、TFT13を被覆するように、さらに液晶表示素子11において所望の平面形状を有するようにパターニングされているが、このパターン形状の安定性に優れている。
図2において、TFT保護膜14上には、ITO電極15が形成されている。また、ITO電極15を覆うように、配向膜16が形成されており、配向膜16が、上方に位置されている他方の配向膜17と対向されている。配向膜16,17間の空間は、シール材18によりシールされており、内部に液晶19が充填されている。また、該空間の厚みを確保するためにスペーサー20が配向膜16,17間に配置されている。
配向膜17は、上方のガラス基板21に支持されている。すなわち、ガラス基板21の下面には、カラーフィルタ22及びITO電極23が形成されており、ITO電極23を覆うように配向膜17が形成されている。
また、図3に拡大して示すように上記TFT13が形成されている部分は、より具体的には、ガラス基板12上に、ゲート電極13aが形成されており、該ゲート電極13aを覆うようにゲート絶縁膜13bが形成されている。ゲート電極13aと対向するように、ゲート絶縁膜13b上に半導体層13cが形成されている。そして、半導体層13cに、ソース電極13d及びドレイン電極13eが接続されている。
上記のようにして構成されているTFT13を覆うように、前述したTFT保護膜14が積層されている。
図4は、液晶表示素子やカラーフィルタにおいて、保護膜として本発明に係る絶縁保護膜が用いられている構成の例を示す部分切欠断面図である。ここでは、カラーフィルタ31は、赤色の画素を32a、緑色の画素を32b及び青色の画素を32cと、ブラックマトリクス部33とを有する。これらを覆うように、絶縁保護膜34が形成されており、該絶縁保護膜34として、本発明に係る電子機器用絶縁保護膜が用いられている。従って、保護膜34の平面形状の形状安定性が効果的に高められる。なお、保護膜34上には、ITO電極35が形成されている。
なお、本発明に係る電子機器用絶縁保護膜は、上述した液晶表示素子やカラーフィルタに限らず、例えば、有機EL素子のTFT保護膜、ICチップの層間絶縁膜、ICチップの層間保護膜、センサの絶縁層などの様々な電子機器用絶縁保護膜として広く用いられる。従って、本発明によれば、上記薄膜を電子機器用保護膜として備える前記EL素子や液晶表示素子などの表示装置、カラーフィルタまたは上記薄膜をパッシベーション膜として備える薄膜トランジスタなどを提供することができる。
本発明に係るシリコン含有感光性組成物は、シリコン含有ポリマーとして、少なくとも1種のシリコン含有ポリマー(A1)を含んでおり、シリコン含有ポリマー(A1)では、置換基R11〜R1nの少なくとも一つがHである。従って、−SiH基が反応性に優れているため、活性光線もしくは放射線が照射されて化合物(B)が酸または塩基を発生した場合、−SiH基が空気中のH2Oと反応し、Si−O−Si結合を生成する。よって、Si−O−Si結合の生成により架橋が進行し、現像液に不溶となる。よって、架橋剤を用いずとも、本発明によれば、現像可能な感光性組成物を提供することができる。
よって、架橋剤を使用しないでよいため、あるいは架橋剤を使用したとしても、ごく微量な架橋剤を添加すればよいだけであるため、架橋剤の使用による、着色、特性の劣化等を効果的に抑制することができる。
また、上記Si−O−Si結合の生成による架橋構造は、耐熱性に優れている。従って、本発明によれば、得られた薄膜パターンは耐熱性に優れているため、耐環境特性に優れた薄膜パターンを形成することができるとともに、加熱等によるアニールも好適に行われ得る。
なお、本発明においては、シリコン含有ポリマー(A2)がさらに添加されていてもよく、通常、シリコン含有ポリマー(A1)の製造に際し、シリコン含有ポリマー(A2)も生成されるため、通常の製造方法に従って得られたシリコン含有ポリマー(A1)に加えてシリコン含有ポリマー(A2)を含む混合物を用いて容易に本発明に係る感光性組成物を提供することができる。
以下、本発明の実施例及び比較例を挙げることにより、本発明を明らかにする。なお、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
〔実験例1〕
(ポリマー(A−a)の調製)
冷却管をつけた100mlのフラスコに、フェニルトリエトキシシラン5g、トリエトキシシラン10g、シュウ酸0.5g、水5ml、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート50mlを加えた。半円形型のメカニカルスターラーを用いて溶液を撹拌し、マントルヒーターで70℃・6時間反応させた。次いでエバポレーターを用いて水と縮合反応で生成したエタノールを除去した。反応終了後、フラスコを室温になるまで放置し、シリコン含有ポリマー混合物を調製した。下記の表1に、使用した材料及び使用量とともに、置換基がHである割合(モル%)を示す。なお、置換基がHである割合(モル%)とは、一般式(1),(2)における置換基R11〜R1n及びR21〜R2nの合計100モル%に対する、置換基R11〜R1nにおけるHである置換基の割合をいう。
(ポリマー(A−b)〜(A−e)の調製)
下記の表1に示すように、フェニルトリエトキシシラン、トリエトキシシラン、シュウ酸及びギ酸の種類または使用量を変更したことを除いては上記ポリマー(A−a)の調製と同様にして、ポリマー(A−b)〜(A−e)を調製した。
(実施例1)
上記シリコン含有ポリマー混合物100重量部と、化合物(B)としてスルホニウム塩系光酸発生剤(Naphtalimide camphorsulfonate(CAS No.83697−56−7)、ミドリ化学社製、商品名:NAI−106)を5重量部とを、溶剤としてのテトラヒドロフラン500重量部に溶解し、感光性組成物を調製した。
この感光性組成物を、厚さ0.75mmのシリコンウエハー上に、回転数1000rpmでスピン塗工した。塗工後、80℃の熱風オーブンで乾燥させ、膜厚0.5μmの塗膜を形成した。次に、所定のパターンを有するフォトマスクを介して、紫外線照射装置(ウシオ電機社製、スポットキュアSP−5)を用い、塗膜に365nmの波長の紫外線を、照射エネルギーが500mJ/cm2となるように100mW/cm2の紫外線照度で5秒間照射した。照射後、塗膜を80℃の熱風オーブンで5分間加熱した。その後、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドの2.38%水溶液に、塗膜を2分間浸漬した。
その結果、紫外線が照射されていない部分では塗膜が溶解し、フォトマスクに由来するL/S10μmのパターンが形成された。
(実施例2,3,4及び比較例1,2)
下記の表2に示すように組成を変更したことを除いては、実施例1と同様にして薄膜パターンの形成を試みた。
Figure 0003856237
Figure 0003856237
アミンイミド化合物は、p−ニトロ安息香酸メチルエステル、N,N−ジメチルヒドラジン、フェニルグリシジルエーテルをtert−ブタノールに添加して作製した。
(実施例及び比較例の評価)
上記薄膜パターンの形成に際してのアルカリ溶解性を実施例1と同様にして実施例2〜4及び比較例1,2においても評価した。結果を下記の表3に併せて示す。
Figure 0003856237
〔実験例2〕
下記の表4に示すように、種々のシリコン含有ポリマーA−a〜A−aaを実施例1と同様にして作製した。すなわち、シリコン含有ポリマーA−a〜A−eは実施例1と同様にして用意した。また、使用したモノマー及び材料を変更し、その他は実施例1と同様にして、シリコン含有ポリマーA−f〜A−aaを作製した。また、表4には、モノマー成分と、シュウ酸またはギ酸と、水と、溶媒としてのプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテートとからなる溶液中におけるモノマー成分の濃度(重量%)と、重合条件としての重合温度及び重合時間を併せて示す。さらに、表4に、得られたシリコン含有ポリマーの重量平均分子量Mwと、各シリコン含有ポリマーにおける置換基Hの割合を示す。
上記のようにして得られたシリコン含有ポリマーA−f〜A−aaのいずれかを用い、実施例1と同様にしてシリコン含有感光性組成物を用意した。
Figure 0003856237
上記のようにして用意した各シリコン含有感光性組成物を用い、実施例1と同様にしてウェハ上に塗膜を形成した。その後、実施例1と同様に、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドの2.38重量%水溶液に塗膜を2分間浸漬し、塗膜の残存性を評価した。また、さらに、各シリコン含有感光性組成物において、上記と同様にして塗膜を形成した後、1週間後に、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドの2.38重量%水溶液に塗膜を2分間浸漬し、残存性を評価した。
結果を図5に示す。
なお、図5の横軸は、上記シリコン含有ポリマーの重量平均分子量Mwを示す。2種以上のシリコン含有ポリマーが用いられている場合には、2種以上のシリコン含有ポリマーの混合物の重量平均分子量が図5のMwに相当する。
また、縦軸は、置換基におけるHである置換基の割合(モル%)を示すが、対数グラフとして縦軸は示されている。また、図5では、Hの割合が0である場合をHの割合が0.1モル%である部分の下方に略図的に示した。
図5において、◎は、塗膜を形成した直後及び1週間後のいずれにおいても、紫外線が照射されていない部分で塗膜が溶解し、フォトマスクに由来するパターンが正確に形成されたことを示す。すなわち、現像性が良好であったことを示す。他方、△は、塗膜形成直後では現像性は良好であったが、1週間後に現像した場合には、現像性が良好でないことを示す。
他方、図5における×は、塗膜形成直後及び1週間後のいずれにおいても現像が良好に行なわれなかったこと、例えば塗膜が剥離したり、紫外線が照射されている部分においても塗膜が溶解したりしていることを示す。
図5から明らかなように、破線Aで囲まれている範囲内であれば、塗膜形成直後及び1週間経過後のいずれにおいても現像性が良好であり、かつ塗膜のシリコンウェハからの剥離も生じ難いことがわかる。
図1(a)〜(c)は、本発明に係る薄膜パターンの製造方法を説明するための各工程の断面図である。 図2は、本発明に係る電子機器用絶縁保護膜が用いられている液晶表示素子を示す正面断面図である。 図3は、図2に示した液晶表示素子の要部を説明するための部分切欠正面断面図である。 図4は、本発明の電子機器用絶縁保護膜が用いられているカラーフィルタを示す部分切欠正面断面図である。 図5は、シリコン含有ポリマーの重量平均分子量と、置換基におけるHである置換基の割合(モル%)の関係を示す図である。
符号の説明
1…感光性組成物層
1A…潜像
1B…感光層
1C…薄膜パターン
2…基板
3…フォトマスク
11…液晶表示素子
12…ガラス基板
13…TFT
13a…ゲート電極
13b…ゲート絶縁膜
13c…半導体層
13d…ソース電極
13e…ドレイン電極
14…TFT保護膜(電子機器用絶縁保護膜)
15…ITO
16…配向膜
17…配向膜
18…シール材
19…液晶
20…スペーサー
21…ガラス基板
22…カラーフィルタ
23…ITO
31…カラーフィルタ
32a〜32c…画素
33…ブラックマトリクス部
34…保護膜(電子機器用絶縁保護膜)
35…ITO電極
41…薄膜トランジスタ
42…基板
43…ゲート電極
44…ゲート絶縁膜
45…半導体層
46,47…ソースまたはドレイン電極
48…パッシベーション膜
49…ITO電極

Claims (7)

  1. 下記の一般式(1)で表わされる構造を有し、R11〜R1nの内少なくとも1つがHである少なくとも1種のシリコン含有ポリマー(A1)と、
    活性光線もしくは放射線の照射により、酸または塩基を発生する化合物(B)とを含み、前記化合物(B)が、オニウム塩、ジアゾニウム塩及びスルホン酸エステルからなる群から選択した少なくとも1種の酸を発生する化合物あるいは塩基を発生するアミンイミド化合物であり、前記シリコン含有ポリマー(A1)の重量平均分子量をMwとし、前記シリコン含有ポリマー(A1)における置換基R11〜R1nの合計を100モル%としたとき、Hである置換基の割合が、重量平均分子量Mwに応じて添付の図5の破線Aで囲まれている範囲内とされていることを特徴とする、シリコン含有感光性組成物。
    Figure 0003856237
    (式中、R11〜R1nの少なくとも1つはHであり、nは1以上の整数。)
  2. 下記の一般式(1)で表わされる構造を有し、R11〜R1nの内少なくとも1つがHである少なくとも1種のシリコン含有ポリマー(A1)と、
    活性光線もしくは放射線の照射により、酸または塩基を発生する化合物(B)とを含み、前記化合物(B)が、オニウム塩、ジアゾニウム塩及びスルホン酸エステルからなる群から選択した少なくとも1種の酸を発生する化合物あるいは塩基を発生するアミンイミド化合物であり、下記の一般式(2)で示され、R21〜R2nがH以外の原子または官能基である少なくとも1種のポリマー(A2)をさらに含み、前記シリコン含有ポリマー(A1)及びシリコン含有ポリマー(A2)の重量平均分子量Mwとし、Hである置換基の割合が前記シリコン含有ポリマー(A1)及び(A2)における置換基R 11 〜R 1n 及び置換基R 21 〜R 2n の総合計を100モル%としたとき、重量平均分子量Mwに応じて図5の破線Aで囲まれている範囲内とされていることを特徴とする、シリコン含有感光性組成物。
    Figure 0003856237
    (式中、R11〜R1nの少なくとも1つはHであり、nは1以上の整数。)
    Figure 0003856237
    (式中、R21〜R2nはH以外の原子または官能基であり、nは1以上の整数。)
  3. 基板上に、請求項1または2に記載のシリコン含有感光性組成物からなる感光性組成物層を形成する工程と、
    前記感光性組成物層に形成するパターンに応じて、活性光線または放射線で選択的に露光し、パターン状の潜像を形成する工程と、
    前記潜像が形成された前記感光性組成物層を現像液で現像し、薄膜パターンを得る工程とを備える、薄膜パターンの製造方法。
  4. 請求項1または2に記載のシリコン含有感光性組成物を用いて形成された電子機器用保護膜。
  5. 請求項1または2に記載のシリコン含有感光性組成物を用いた形成された薄膜を保護膜として備えることを特徴とする、トランジスタ。
  6. 請求項1または2に記載のシリコン含有感光性組成物を用いた形成された薄膜を保護膜として備えることを特徴とする、カラーフィルタ。
  7. 請求項1または2に記載のシリコン含有感光性組成物を用いた形成された薄膜を保護膜として備えることを特徴とする、有機EL素子。
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