JP2007316314A - 感光性樹脂組成物、これを用いた薄膜パターンの製造方法、電子機器用保護膜、トランジスタ、カラーフィルタ、有機el素子、ゲート絶縁膜及び薄膜トランジスタ - Google Patents

感光性樹脂組成物、これを用いた薄膜パターンの製造方法、電子機器用保護膜、トランジスタ、カラーフィルタ、有機el素子、ゲート絶縁膜及び薄膜トランジスタ Download PDF

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賢一 東
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秀 中村
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Abstract

【課題】露光した後に、例えば300℃以下の比較的低い温度で熱処理することによって、アルコキシシランの縮合物の架橋効率を十分に高めることができ、かつ電気的絶縁性能に優れた薄膜パターンを得ることができる感光性樹脂組成物を提供する。
【解決手段】アルコキシシランの縮合物と、光線もしくは放射線の照射により酸または塩基を発生する酸又は塩基発生剤(A)と、熱の作用により酸を発生する熱酸発生剤(B)とを含有する、感光性樹脂組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、感光性を有し、アルカリ現像等により薄膜パターンを形成することが可能な感光性樹脂組成物、これを用いた薄膜パターンの製造方法、電子機器用保護膜、トランジスタ、カラーフィルタ、有機EL素子、ゲート絶縁膜及び薄膜トランジスタに関する。
半導体などの電子デバイスの製造に際しては、パッシベーション膜やゲート絶縁膜などが、微細パターン形成法により構成されている。これらの膜を構成するのに、例えばアルコキシシランの縮合物などを含む感光性樹脂組成物が用いられている。
下記の特許文献1には、パターン形成に用いられる感光性樹脂組成物の一例として、(1)アルカリ可溶性シロキサンポリマー、(2)光によって反応促進剤を発生する化合物、および(3)溶剤を主成分とする感光性樹脂組成物が開示されている。特許文献1では、(1)アルカリ可溶性シロキサンポリマーとして、アルコキシシランに水および触媒を加えて加水分解縮合させた反応溶液から、水および触媒を除去して得られたアルカリ可溶性シロキサンポリマーが用いられている。
特許文献1に記載の方法では、パターンの形成に際しては、感光性樹脂組成物からなる感光性樹脂組成物層を形成し、該感光性樹脂組成物層をマスクを介して露光することにより、露光部においてアルコキシランの縮合物の架橋反応を進行させ、感光性樹脂組成物層を硬化させていた。
特許文献1の感光性樹脂組成物は、上記(1)〜(3)を主成分として含むので、塗布性に優れており、塗布後の被膜にむら、筋などの欠陥が発生せず、また保存中も粘度変化、塗布性劣化がなく、保存安定性に優れているとされている。
さらに、特許文献1では、上記感光性樹脂組成物を基板上に塗布し、乾燥した後、マスクを介して露光し、つづいて現像するパターンの形成方法が開示されている。また、このパターンの形成方法において、マスクを介して露光した後、現像する前に加熱してもよいことが記載されている。現像する前に加熱することで、露光により発生した反応促進剤の作用により露光部における重合が進行し、未露光部との現像液溶解度度差が広がり、解像コントラストが向上するという効果が得られるとされている。
特開平06−148895号公報
しかしながら、特許文献1に記載の方法では、感光性樹脂組成物層を硬化した後に、アルコキシシランの縮合物の架橋反応が十分に進行していないことがあった。すなわち、感光性樹脂組成物層を硬化した後に、アルコキシシランの縮合物の未架橋成分が感光性樹脂組成物層に残存することがあった。そのため、得られた薄膜パターンでは、絶縁性能が低下しがちであった。
例えば、半導体のパッシベーション膜やゲート絶縁膜等には非常に高い絶縁性能が要求されている。しかしながら、特許文献1に記載の感光性樹脂組成物を用いて構成された薄膜パターンは絶縁性能が低いため、このような用途に用いるのには不十分であった。
また、特許文献1では、露光した後、現像する前に加熱することで、露光により発生した反応促進剤の作用により露光部における重合を進行させ得ることも記載されている。しかしながら、光により発生した反応促進剤の多くは露光により消費されているため、露光後に残存している反応促進剤だけでは、露光部における重合を十分に進行させることは困難であった。
なお、アルコキシランの縮合物の架橋反応を十分に進行させるためには、露光した後に、感光性樹脂組成物層を例えば500℃以上の高温で熱処理する必要がある。このような500℃以上の非常に高い温度で熱処理するには、特別な加熱設備を用いる必要がある。さらに、500℃以上で熱処理すると、基板や薄膜パターンのみならず、基板上の薄膜パターン以外の部分も劣化しがちとなる。
本発明の目的は、上述した従来技術の現状に鑑み、露光した後に、例えば300℃以下の比較的低い温度で熱処理することによって、アルコキシシランの縮合物の架橋効率を十分に高めることができ、かつ電気的絶縁性能に優れた薄膜パターンを得ることができる感光性樹脂組成物、これを用いた薄膜パターンの製造方法、電子機器用保護膜、トランジスタ、カラーフィルタ、有機EL素子、ゲート絶縁膜及び薄膜トランジスタを提供することにある。
本発明に係る感光性樹脂組成物は、アルコキシシランの縮合物と、光線もしくは放射線の照射により酸または塩基を発生する酸又は塩基発生剤(A)と、熱の作用により酸を発生する熱酸発生剤(B)とを含有することを特徴とする。
本発明に係る感光性樹脂組成物のある特定の局面では、アルコキシシランの縮合物100重量部に対して、熱酸発生剤(B)が0.2〜15重量部の割合で含まれている。
本発明に係る感光性樹脂組成物の他の特定の局面では、熱酸発生剤(B)は、ジアゾニウム塩、アンモニウム塩、ホスホニウム塩、ヨードニウム塩、スルホニウム塩、セレノニウム塩及びアルソニウム塩からなる群から選択された少なくとも1種の化合物からなる。
本発明に係る感光性樹脂組成物のさらに他の特定の局面では、酸又は塩基発生剤(A)は、オニウム塩、ジアゾニウム塩及びスルホン酸エステルからなる群から選択した少なくとも1種の化合物からなる。
本発明に係る薄膜パターンの製造方法は、基板上に、本発明に従って構成された感光性樹脂組成物からなる感光性樹脂組成物層を形成する工程と、形成するパターンに応じて、光線または放射線で感光性樹脂組成物層を選択的に露光し、酸又は塩基発生剤(A)から酸又は塩基を発生させて、パターン状の潜像を形成する工程と、パターン状の潜像を形成した後、潜像が形成された感光性樹脂組成物層を現像液で現像し、薄膜パターンを得る工程と、薄膜パターンを得た後、薄膜パターンを熱処理し、熱酸発生剤(B)から酸を発生させる工程とを備えることを特徴とする。
本発明に係る感光性樹脂組成物を用いて形成された薄膜は、様々な用途に用いられる。ここで、「感光性樹脂組成物を用いて形成された薄膜」とは、熱や光などのエネルギーを感光性樹脂組成物に与えて架橋構造を導入して得られた薄膜であることを意味する。本発明のある特定の局面では、上記薄膜が電子機器用保護膜として用いられ、このような保護膜を有するトランジスタ、カラーフィルタ及び有機EL素子などを本発明により提供することができる。
さらに、上記薄膜は、薄膜トランジスタのゲート絶縁膜やパッベーション膜として好適に用いられる。このようなゲート絶縁膜及び/またはパッシベーション膜を有する薄膜トランジスタも本発明により提供することができる。
本発明に係る感光性樹脂組成物は、アルコキシシランの縮合物と、光線もしくは放射線の照射により酸または塩基を発生する酸又は塩基発生剤(A)と、熱の作用により酸を発生する熱酸発生剤(B)とを含有するので、例えば感光性樹脂組成物層に光線もしくは放射線を照射し露光した後に、現像して薄膜パターンを得、さらに薄膜パターンを熱処理することで、薄膜パターンにおけるアルコキシシランの縮合物の架橋効率を高めることができる。よって、薄膜パターンに含まれるアルコキシシランの縮合物の未架橋成分の残存割合を低減することができるため、絶縁性能に優れた薄膜パターンを得ることができる。
例えば、感光性樹脂組成物が熱酸発生剤(B)を含有していない場合には、アルコキシシランの縮合物の架橋効率を高めるためには、露光した後に、例えば500℃以上の非常に高温で熱処理する必要がある。このような500℃以上の非常に高い温度で熱処理するには、特別な加熱設備を用いる必要がある。さらに、500℃以上で熱処理すると、基板や薄膜パターンのみならず、基板上の薄膜パターン以外の部分も劣化しがちとなる。しかしながら、本発明では、上記光線もしくは放射線の照射により酸または塩基を発生する酸又は塩基発生剤(A)に加えて、上記熱酸発生剤(B)をさらに含有しているため、薄膜パターンを形成した後に、例えば300℃以下の比較的低温で薄膜パターンを熱処理することにより、アルコキシシランの縮合物の架橋効率を効果的に高めることができる。
アルコキシシランの縮合物100重量部に対して、熱酸発生剤(B)を0.2〜15重量部の割合で含む場合には、薄膜パターンを形成した後に、例えば300℃以下の低温で薄膜パターンを熱処理すると、アルコキシシシランの縮合物の架橋効率をより一層高めることができる。さらに、薄膜パターンに熱酸発生剤(B)に起因する残渣が生じるのを抑制することもできる。よって、絶縁性能により一層優れた薄膜パターンを得ることができる。
熱酸発生剤(B)が、ジアゾニウム塩、アンモニウム塩、ホスホニウム塩、ヨードニウム塩、スルホニウム塩、セレノニウム塩及びアルソニウム塩からなる群から選択された少なくとも1種の化合物からなる場合には、薄膜パターンを形成した後に、例えば300℃以下の低温で薄膜パターンを熱処理すると、アルコキシシシランの縮合物の架橋効率をさらに一層高めることができる。
酸又は塩基発生剤(A)が、オニウム塩、ジアゾニウム塩及びスルホン酸エステルからなる群から選択した少なくとも1種の化合物からなる場合には、形成するパターンに応じて、光線または放射線で感光性樹脂組成物層を選択的に露光することにより、酸又は塩基発生剤(A)から酸又は塩基が効率的に発生するため、パターン状の潜像をより一層容易に形成することができる。また、熱処理する前のアルコキシシシランの縮合物の未架橋成分の残存割合を低減することもできる。よって、絶縁性能にさらに一層優れた薄膜パターンを形成することができる。
本発明に係る薄膜パターンの製造方法は、基板上に、本発明に従って構成された感光性樹脂組成物からなる感光性樹脂組成物層を形成する工程と、形成するパターンに応じて、光線または放射線で感光性樹脂組成物層を選択的に露光し、酸又は塩基発生剤(A)から酸又は塩基を発生させて、パターン状の潜像を形成する工程と、パターン状の潜像を形成した後、潜像が形成された感光性樹脂組成物層を現像液で現像し、薄膜パターンを得る工程とを備えているため、光線または放射線で選択的に露光し酸又は塩基発生剤(A)から酸又は塩基を発生させることにより、アルコキシシランの縮合物の架橋反応が進行し、パターン状の潜像を形成することができる。また、潜像が形成された感光性樹脂組成物層を酸やアルカリ等の現像液を用いて容易に現像することができる。
さらに、本発明では、薄膜パターンを熱処理し、熱酸発生剤(B)から酸を発生させる工程をさらに備えているため、現像後に得られた薄膜パターンにおいて、アルコキシシランの縮合物の未架橋成分が残存していたとしても、アルルコキシシランの縮合物の未架橋成分の架橋反応を進行させることができる。よって、得られた薄膜パターンでは、アルコキシシランの縮合物の架橋効率が高められており、アルコキシシランの縮合物の未架橋成分の残存割合が低減されている。よって、本発明の薄膜パターンの製造方法により、絶縁性能に優れた薄膜パターンを提供することができる。
また、薄膜パターンを熱処理する際には、熱酸発生剤(B)から酸が発生するため、例えば300℃以下の比較的低温で薄膜パターンを熱処理した場合でも、架橋反応を進行させることができる。よって、本発明では、例えば500℃程度に加熱する特別な加熱設備を用いる必要がなく、基板や薄膜パターン、並びに基板上の薄膜パターン以外の部分が熱処理によって劣化するのを抑制することができる。
以下、本発明の詳細を説明する。
本願発明者らは、上記課題を達成するために、パターン形成に用いられるアルコキシシランの縮合物を含む感光性樹脂組成物について鋭意検討した結果、光線もしくは放射線の照射により酸または塩基を発生する酸又は塩基発生剤(A)に加えて、熱の作用により酸を発生する熱酸発生剤(B)をさらに含有させることによって、薄膜パターンを形成した後、熱処理をすることによってアルコキシシランの縮合物の架橋効率を効果的に高め得ること、並びにそれによって電気的絶縁性能に非常に優れた薄膜パターンを得られることを見出し、本発明をなすに至った。
本発明に係る感光性樹脂組成物は、アルコキシシランの縮合物と、光線もしくは放射線の照射により酸または塩基を発生する酸又は塩基発生剤(A)と、熱の作用により酸を発生する熱酸発生剤(B)とを含有する。
上記アルコキシシランの縮合物は、アルコキシシランを縮合させて得られた縮合物からなる。アルコキシシランの縮合物は、少なくとも1種含まれており、従って2種以上のアルコキシシランの縮合物が含まれていてもよい。
本発明では、下記式(1)で表されるアルコキシシランを縮合させて得られたアルコキシシランの縮合物を含有することが好ましい。
Si(X)(Y)(Z)4−p−q・・・式(1)
上述した式(1)中、Xは水素又は炭素数が1〜30である非加水分解性の有機基を表し、Yはアルコキシ基を表し、Zはアルコキシ基以外の加水分解性基を表し、pは0〜3の整数を表し、qは1〜4の整数を表し、p+q≦4である。pが2又は3であるとき、複数のXは同一であってもよく異なっていてもよい。qが2〜4であるとき、複数のYは同一であってもよく異なっていてもよい。p+q≦2であるとき、複数のZは同一であってもよく異なっていてもよい。
上記アルコキシ基Y及びアルコキシ基以外の加水分解性基Zは、通常、過剰の水の共存下、無触媒で、室温(25℃)〜100℃の温度範囲内で加熱することにより、加水分解されてシラノール基を生成することができる基、またはさらに縮合してシロキサン結合を形成することができる基である。
上記アルコキシ基Yとしては、特に限定されないが、具体的には、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等の炭素数1〜6のアルコキシ基等が挙げられる。
上記アルコキシ基以外の加水分解性基Zとしては、特に限定されないが、具体的には、塩素、臭素等のハロゲノ基、アミノ基、ヒドロキシル基又はカルボキシル基等が挙げられる。
上記非加水分解性の有機基Xとしては、特に限定されないが、加水分解を起こし難く、安定な疎水基である炭素数1〜30の有機基が挙げられる。安定な疎水基である炭素数1〜30の有機基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、ペンチル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基及びエイコシル基等の炭素数1〜30のアルキル基、アルキル基のフッ素化物、塩素化物、臭素化物等のハロゲン化アルキル基(例えば、3−クロロプロピル基、6−クロロプロピル基、6−クロロヘキシル基および、6,6,6−トリフルオロヘキシル基等)、ハロゲン置換ベンジル基等の芳香族置換アルキル基(例えば、ベンジル基、4−クロロベンジル基及び4−ブロモベンジル基等)、アリール基(例えば、フェニル基、トリル基、メシチル基、ナフチル基等)、ビニル基やエポキシ基を含む有機基、アミノ基を含む有機基、チオール基を含む有機基等が挙げられる。
上記アルコキシシランの具体例としては、例えば、トリフェニルエトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、トリエチルエトキシシラン、トリフェニルメトキシシラン、トリエチルメトキシシラン、エチルジメチルメトキシシラン、メチルジエチルメトキシシラン、エチルジメチルエトキシシラン、メチルジエチルエトキシシラン、フェニルジメチルメトキシシラン、フェニルジエチルメトキシシラン、フェニルジメチルエトキシシラン、フェニルジエチルエトキシシラン、メチルジフェニルメトキシシラン、エチルジフェニルメトキシシラン、メチルジフェニルエトキシシラン、エチルジフェニルエトキシシラン、tert−ブトキシトリメチルシラン、ブトキシトリメチルシラン、ジメチルエトキシシラン、メトキシジメチルビニルシラン、エトキシジメチルビニルシラン、ジフェニルジエトキシラン、フェニルジエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジアセトキシメチルシラン、ジエトキシメチルシラン、3−クロロポロピルジメトキシメチルシラン、クロロメチルジエトキシメチルシラン、ジエトキシジメチルシラン、ジアセトキシメチルビニルシラン、ジエトキシメチルビニルシラン、ジエトキシジエチルシラン、ジメチルジプロポキシシラン、ジメトキシメチルフェニルシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチル−トリ−n−プロポキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エチル−トリ−n−プロポキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、プロピル−トリ−n−プロポキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、ブチルトリエトキシシラン、ブチルトリプロポキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、イソブチルトリエトキシシラン、イソブチルトリプロポキシシラン、n−ヘキシルトリメトキシシラン、n−ヘキシルトリエトキシシラン、n−ヘキシルトリプロポキシシラン、シクロヘキシルトリメトキシシラン、シクロヘキシルトリエトキシシラン、シクロヘキシルトリプロポキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン、オクチルトリプロポキシシラン、ドデシルトリメトキシシラン、ドデシルトリエトキシシラン、ドデシルトリプロポキシシラン、テトラデシルトリメトキシシラン、テトラデシルトリエトキシシラン、テトラデシルトリプロポキシシラン、ヘキサデシルトリメトキシシラン、ヘキサデシルトリエトキシシラン、ヘキサデシルトリプロポキシシラン、オクタデシルトリメトキシシラン、オクタデシルトリエトキシシラン、オクタデシルトリプロポキシシラン、エイコシルデシルトリメトキシシラン、エイコシルトリエトキシシラン、エイコシルトリプロポキシシラン、6−クロロヘキシルトリメトキシシラン、6,6,6−トリフルオロヘキシルトリメトキシシラン、ベンジルトリメトキシシラン、4−クロロベンジルトリメトキシシラン、4−ブロモベンジルトリ−n−プロポキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、メチルトリアセトキシシラン、エチルトリアセトキシシラン、N−β−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、トリエトキシシラン、トリメトキシシラン、トリイソプロポキシシラン、トリ−n−プロポキシシラン、トリアセトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラアセトキシシラン等が挙げられる。これらのアルコキシシランを縮合させて得られたアルコキシシランの縮合物がより好ましく用いられる。アルコキシシランの縮合物を構成するに際しては、少なくとも1種のアルコキシシランが用いられていればよく、従って2種以上のアルコキシシランが用いられていてもよい。
本発明に係る感光性樹脂組成物は、光線もしくは放射線の照射により酸または塩基を発生する酸又は塩基発生剤(A)を含有する。
上記酸又は塩基発生剤(A)としては、特に限定されないが、例えば、オニウム塩などが挙げられる。より具体的には、ジアゾニウム、ホスホニウム、及びヨードニウムのBF 、PF 、SBF 、ClO などの塩や、その他、有機ハロゲン化合物、有機金属、及び有機ハロゲン化物などが挙げられる。
上記光線もしくは放射線の照射により酸を発生する酸発生剤(A)としては、特に限定されないが、トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホナート、トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンアンチモナート、トリフェニルスルホニウムベンゾスルホナート、シクロヘキシルメチル(2−オキソシクロヘキシル)スルホニウムトリフルオロメタンスルホナート、ジシクロヘキシル(2−オキソシクロヘキシル)スルホニウムトリフルオロメタンスルホナート、ジシクロヘキシルスルホニルシクロヘキサノン、ジメチル(2−オキソシクロヘキシル)スルホニウムトリフルオロメタンスルホナート等のスルホニウム塩化合物、ジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホナート等のヨードニウム塩、N−ヒドロキシスクシンイミドトリフルオロメタンスルホナート等が挙げられる。酸発生剤(A)は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記酸発生剤(A)としては、特に限定されないが、好ましくは、より反応性の高いオニウム塩、ジアゾニウム塩、及びスルホン酸エステルからなる群から選択した少なくとも1種の化合物が用いられる。
上記酸発生剤(A)の含有割合は、アルコキシシランの縮合物100重量部に対して、0.05〜50重量部の範囲であることが望ましい。酸発生剤(A)が0.05重量部未満であると、感度が十分でないことがあり、薄膜パターンの形成が困難なことがある。酸発生剤(A)が50重量部を超えると、感光性樹脂組成物を均一に塗布することが困難となり、さらに現像後に残渣が生じることがある。
これらの感光剤である酸又は塩基発生剤(A)に加え、より感度を高めるために、さらに増感剤を加えてもよい。
上記増感剤としては、特に限定されず、具体的には、ベンゾフェノン、p,p′−テトラメチルジアミノベンゾフェノン、p,p′−テトラエチルアミノベンゾフェノン、2−クロロチオキサントン、アントロン、9−エトキシアントラセン、アントラセン、ピレン、ペリレン、フェノチアジン、ベンジル、アクリジンオレンジ、ベンゾフラビン、セトフラビン−T、9,10−ジフェニルアントラセン、9−フルオレノン、アセトフェノン、フェナントレン、2−ニトロフルオレン、5−ニトロアセナフテン、ベンゾキノン、2−クロロ−4−ニトロアニリン、N−アセチル−p−ニトロアニリン、p−ニトロアニリン、N−アセチル−4−ニトロ−1−ナフチルアミン、ピクラミド、アントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−tert−ブチルアントラキノン、1,2−ベンズアンスラキノン、3−メチル−1,3−ジアザ−1,9−ベンズアンスロン、ジベンザルアセトン、1,2−ナフトキノン、3,3′−カルボニル−ビス(5,7−ジメトキシカルボニルクマリン)及びコロネン等が挙げられ、好ましく用いられる。
上記光線もしくは放射線の照射により塩基を発生する塩基発生剤(A)としては、特に限定されないが、例えばコバルトアミン錯体、o−アシルオキシム、カルバミン酸誘導体、ホルムアミド誘導体、第4級アンモニウム塩、トシルアミン、カルバメート、アミンイミド化合物などを挙げることができる。具体的には、2−ニトロベンジルカルバメート、2,5−ジニトロベンジルシクロヘキシルカルバメート、N−シクロヘキシル−4−メチルフェニルスルホンアミド、1,1−ジメチル−2−フェニルエチル−N−イソプロピルカルバメート等が挙げられる。塩基発生剤(A)は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記塩基発生剤(A)として、好ましくは、光線もしくは放射線の照射により塩基を発生するアミンイミド化合物が好適に用いられる。このようなアミンイミド化合物については、光線もしくは放射線が照射された際に塩基を発生する限り特に限定されない。このようなアミンイミド化合物としては、例えば、下記の一般式(2)または(3)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2007316314
Figure 2007316314
上述した式(2)及び(3)において、R、R、Rは独立に水素、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、炭素数1〜8のアルキリデン基、炭素数4〜8のシクロアルキル基、炭素数4〜8のシクロアルケニル基、炭素数1〜6のフェノキシアルキル基、フェニル基、電子供与性基及び/または電子吸引性基が置換したフェニル基、ベンジル基、電子供与性基及び/または電子吸引性基が置換したベンジル基等が挙げられる。炭素数1〜8のアルキル基としては、直鎖上のアルキル基の他に、置換基を有するアルキル基、例えばイソプロピル基、イソブチル基、t−ブチル基等も含む。これらの置換基の中で、合成の簡便性、アミンイミドの溶解性等の点から、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数6〜8のシクロアルキル基、炭素数1〜6のフェノキシアルキル基が好ましい。また、Rは独立に炭素数1〜5のアルキル基、水酸基、炭素数4〜8のシクロアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、フェニル基を表す。上記一般式(2)中のArは芳香族基であり、このようなアミンイミド化合物は、例えば特開2003−35949号に開示されているように、本願出願前において知られており、かつ一般的に入手可能である。上記一般式(3)中、Arは芳香族基である。
上記アミンイミド化合物は、光線もしくは放射線が照射された際に、1級もしくは2級アミンを発生する化合物に比べて、塩基発生効率が高い。従って、アミンイミド化合物を含むことが、露光時間の短縮、ひいては製造工程の短縮を図ることができるので、望ましい。
上記塩基発生剤(A)の含有割合は、アルコキシシランの縮合物100重量部に対して、0.05〜50重量部の範囲であることが望ましい。塩基発生剤(A)が0.05重量部未満であると、感度が十分でないことがあり、薄膜パターンの形成が困難なことがある。塩基発生剤(A)が50重量部を超えると、感光性樹脂組成物を均一に塗布することが困難となり、さらに現像後に残渣が生じることがある。
なお、最適なレジスト形状を得るために、上記酸を発生する酸発生剤(A)及び上記塩基を発生する塩基発生剤(A)は、それぞれ2種以上を組み合わせて用いられてもよい。
本発明に係る感光性樹脂組成物は、上記光線もしくは放射線の照射により酸または塩基を発生する酸又は塩基発生剤(A)に加えて、熱の作用により酸を発生する熱酸発生剤(B)をさらに含有する。
本発明の特徴は、光線もしくは放射線の照射により酸または塩基を発生する酸又は塩基発生剤(A)に加えて、熱の作用により酸を発生する熱酸発生剤(B)をさらに含有することにある。この構成によって、後に詳述するが、感光性樹脂組成物層に光線もしくは放射線を照射し露光した後、現像して薄膜パターンを得、さらに薄膜パターンを熱処理することで、アルコキシシランの縮合物の架橋効率を非常に高めることが可能となる。
感光性樹脂組成物層に光線もしくは放射線を照射し露光した後、現像して得られた薄膜パターンにおいては、アルコキシシランの縮合物の未架橋成分が残存しがちであった。薄膜パターンに未架橋成分が残存していると、薄膜パターンの絶縁性能に劣りがちであった。アルコキシシランの縮合物の未架橋成分はOH構造を有するため、該OH構造が薄膜パターンに残存していることによって、絶縁性能が劣化していると思われる。本発明では、薄膜パターンを熱処理によって未架橋成分の架橋反応が進行し、薄膜パターンにおけるOH構造の存在割合を低減することができるため、絶縁性能に優れた薄膜パターンを提供することができる。
上記熱酸発生剤(B)としては、特に限定されないが、例えばオニウム塩等が挙げられ、好ましく用いられる。
上記熱酸発生剤(B)は、ジアゾニウム塩、アンモニウム塩、ホスホニウム塩、ヨードニウム塩、スルホニウム塩、セレノニウム塩及びアルソニウム塩からなる群から選択された少なくとも1種の化合物からなることがより好ましい。
上記熱酸発生剤(B)の例としては、ジアゾニウム塩(S.I.Schlesinger,Photogr.Sci.Eng.,18,387(1974)、T.S.Bal et al,Polymer,21,423(1980)に明記)、アンモニウム塩(米国特許第4 069055号、同4069056号、同再発行27992号の各明細書および特開平4 −365049号公報に明記)、ホスホニウム塩(D.C.Necker et al,Macromolecules,17,2468(1984)、C.S.Wen et al,Teh,Proc.Conf.Rad,Curing ASIA,p478 Tokyo,Oct(1988)、米国特許第4069055号、同4069056号の各明細書に明記)、ヨードニウム塩(J.V.Crivello et al,Macromorecules,10(6),1307(1977)、Chem.& Eng.News,Nov.28,p31(1988)、欧州特許104143号、米国特許第339049号、同410201号の各明細書、特開平2−150848号、同2−296514号の各公報に明記)、スルホニウム塩(J.V.Crivello et al, Polymer J.17,73(1985)、J.V.Crivello et al.J.Org.Chem.,43,3055(1978)、W.R.Watt et al, J.Polymer Sci.,Polymer Chem.Ed.,22,1789(1984)、J.V.Crivello et al, PolymerBull.,14,279(1985)、J.V.Crivello et al, Macromorecules,14(5),1141 (1981)、J.V.Crivel.lo et al,J.Polymer Sci.,Polymer Chem.Ed.,17,2877(1979)、欧州特許370693号、同3902114号、同233567号、同297443号、同297442号、米国特許第4933377号、同161811号、同410201号、同339049号、同4760013号、同4734444号、同2833827号、独国特許第2904626号、同3604580号、同3604581号の各明細書に明記、セレノニウム塩(J.V.Crivello et al,Macromorecules,10(6),1307(1977)、J.V.Crivello et al,J.Polymer Sci.,Polymer Chem.Ed.,17,1047(1979)に明記)、およびアルソニウム塩(C.S.Wen et al,Teh,Proc.Conf.Rad.Curing ASIA,p478 Tokyo,Oct(1988)に明記) が含まれる。オニウム塩の対アニオンの例には、BF 、PF 、AsF およびSbF などが含まれる。二種類以上の熱酸発生剤を併用してもよい。
上記熱酸発生剤(B)がこれらの化合物からなる場合には、例えば300℃以下の低温で薄膜パターンを熱処理することにより、アルコキシシシランの縮合物の架橋効率をより一層高めることができる。
上記酸又は塩基発生剤(A)に加えて添加される熱酸発生剤(B)の含有割合は、アルコキシシランの縮合物100重量部に対して、0.2〜15重量部の範囲であることが望ましい。より好ましくは、0.5〜10重量部の範囲である。熱酸発生剤(B)が0.2重量部未満であると、熱処理によりアルコキシシシランの縮合物の架橋効率が十分に高められないことがあり、薄膜パターンの絶縁性能に劣ることがある。熱酸発生剤(B)が15重量部を超えると、アルコキシシシランの縮合物の架橋効率を高めるのに過剰となることがあり、また余分な熱酸発生剤に起因する残渣が生じ、絶縁性能が劣化することがある。
本発明では、上記光線もしくは放射線の照射により酸を発生する酸発生剤(A)及び熱の作用により酸を発生する熱酸発生剤(B)として、熱の作用により酸を発生するだけでなく、光線もしくは放射線の照射によっても酸を発生し得る化合物を用いることもできる。すなわち、酸発生剤(A)と熱酸発生剤(B)とは、同一の化合物であってもよい。
酸発生剤(A)と熱酸発生剤(B)とが同一の化合物である場合には、酸発生剤(A)及び熱酸発生剤(B)である化合物の含有割合は、アルコキシシランの縮合物100重量部に対して、1〜20重量部の範囲であることが望ましい。より好ましくは、2〜15重量部の範囲である。酸発生剤(A)及び熱酸発生剤(B)である化合物が1重量部未満であると、熱処理によりアルコキシシシランの縮合物の架橋効率が十分に高められないことがあり、薄膜パターンの絶縁性能に劣ることがある。酸発生剤(A)及び熱酸発生剤(B)である化合物が20重量部を超えると、アルコキシシシランの縮合物の架橋効率を高めるのに過剰となることがあり、また余分な熱酸発生剤に起因する残渣が生じ、絶縁性能が劣化することがある。
もっとも、良好なパターン形状を得ることができ、また熱処理により絶縁特性をより一層高め得るため、酸発生剤(A)と熱酸発生剤(B)とは異なる化合物であることが好ましい。熱酸発生剤(B)は、パターン形成する際に照射される特定の光の波長域において酸を発生しない化合物であることが好ましく、光線もしくは放射線により酸を発生しない化合物であることがより好ましい。
本発明においては、アルコキシシランの縮合物と、光線もしくは放射線の照射により酸または塩基を発生する酸又は塩基発生剤(A)と、熱の作用により酸を発生する熱酸発生剤(B)とに加えて、適宜の溶剤が添加され得る。溶剤を添加することにより、容易に塗布し得る感光性樹脂組成物を提供することができる。
上記溶剤としては、アルコキシシランの縮合物を溶解し得る限り、特に限定されないが、ベンゼン、キシレン、トルエン、エチルベンゼン、スチレン、トリメチルベンゼン、ジエチルベンゼンなどの芳香族炭化水素化合物;シクロヘキサン、シクロヘキセン、ジペンテン、n−ペンタン、イソペンタン、n−ヘキサン、イソヘキサン、n−ヘプタン、イソヘプタン、n−オクタン、イソオクタン、n−ノナン、イソノナン、n−デカン、イソデカン、テトラヒドロナフタレン、スクワランなどの飽和または不飽和炭化水素化合物;ジエチルエーテル、ジ−n−プロピルエーテル、ジ−イソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、エチルプロピルエーテル、ジフェニルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールジブチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジプロピルエーテル、エチレングリコールメチルエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチルシクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、p−メンタン、o−メンタン、m−メンタン;ジプロピルエーテル、ジブチルエーテルなどのエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジエチルケトン、ジプロピルケトン、メチルアミルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、シクロヘプタノンなどのケトン類;酢酸エチル、酢酸メチル、酢酸ブチル、酢酸プロピル、酢酸シクロヘキシル、酢酸メチルセロソルブ、酢酸エチルセロソルブ、酢酸ブチルセロソルブ、乳酸エチル、乳酸プロピル、乳酸ブチル、乳酸イソアミル、ステアリン酸ブチルなどのエステル類などが挙げられる。これらの溶剤は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記溶剤の配合割合は、例えば基板上に感光性樹脂組成物を塗工し、感光性樹脂組成物層を形成する際に、均一に塗工されるように適宜選択すればよい。好ましくは、感光性樹脂組成物の濃度は、固形分濃度で、0.5〜60重量%、より好ましくは、2〜40重量%程度とされる。
本発明に係る感光性樹脂組成物には、必要に応じて、他の添加剤をさらに添加してもよい。このような添加剤としては、充填剤、顔料、染料、レベリング剤、消泡剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、pH調整剤、分散剤、分散助剤、表面改質剤、可塑剤、可塑促進剤、タレ防止剤などが挙げられる。
本発明に係る薄膜パターンの製造方法は、例えば図1(a)に示すように、本発明に係る感光性樹脂組成物からなる感光性樹脂組成物層1を形成する工程と、次に、感光性樹脂組成物層1をパターンに応じたフォトマスク3を用いて選択的に露光してパターン状の潜像1Aを形成する工程(図1(b))と、潜像が形成された感光層1Bをアルカリ水溶液にて現像する工程(図1(c))とを備える。
ここで、現像とは、アルカリ水溶液に、潜像が形成された感光層1Bを浸漬する操作の他、該感光層1Bの表面をアルカリ水溶液で洗い流す操作、あるいはアルカリ水溶液を上記感光層1B表面に噴射する操作など、アルカリ水溶液で感光層1Bを処理する様々な操作を含むものとする。なお、現像液としては、アルカリ水溶液に限らず、酸性水溶液や各種溶媒を用いてもよい。溶媒としては、前述した各種溶剤が挙げられる。酸性水溶液としては、シュウ酸、ギ酸、酢酸等が挙げられる。
上記感光性樹脂組成物層を形成する工程は、特に限定されないが、例えば本発明に係る感光性樹脂組成物を図1に示す基板2上に付与し、感光性樹脂組成物層1を形成する方法が挙げられる。この場合の具体的な方法としては、一般的な塗工方法を用いることができ、例えば、浸漬塗工、ロール塗工、バー塗工、刷毛塗工、スプレー塗工、スピン塗工、押出塗工、グラビア塗工などを使用することができる。感光性樹脂組成物が塗工される基板としては、シリコン基板、ガラス基板、金属板、プラスチックス板などが用途に応じて用いられる。感光性樹脂組成物層の厚さは、用途によって異なるが、10nm〜10μmが目安となる。基板上に塗工された感光性樹脂組成物層は、感光性樹脂を溶解させるために溶剤を用いた場合、その溶剤を乾燥させるために加熱処理することが望ましい。加熱処理温度は、一般には40℃〜200℃であり、溶剤の沸点や蒸気圧に応じて適宜選択される。もっとも、この加熱処理によりアルコキシシランの縮合物の架橋が進行しないように、熱酸発生剤(A)から酸が発生しない温度で加熱処理することが好ましい。
感光性樹脂組成物層を基板上に形成し、必要に応じて加熱処理した後、該感光性樹脂組成物層をフォトマスクで被覆して光をパターン状に照射する。これにより、必要なパターン形状の潜像を形成することができる。フォトマスクとしては、市販されている一般的なものを用いればよい。
紫外線や可視光線などの光線、もしくは放射線を照射するための光源としては、特に限定されないが、超高圧水銀灯、Deep UV ランプ、高圧水銀灯、低圧水銀灯、メタルハライドランプ、エキシマレーザーなどを使用することができる。これらの光源は、上記酸又は塩基発生剤(A)または増感剤の感光波長に応じて適宜選択される。光の照射エネルギーは、所望とする膜厚や上記酸又は塩基発生剤(A)または増感剤の種類にもよるが、一般に、10〜1000mJ/cmの範囲である。10mJ/cmよりも小さいと、アルコキシシランの縮合物が十分に感光しない。また、1000mJ/cmより大きいと露光時間が長くなるおそれがあり、薄膜パターンの時間あたりの製造効率が低下するおそれがある。
パターン形状に光照射された感光性樹脂組成物層の露光部分では、露光により酸または塩基発生剤(A)から生じた酸または塩基の作用により、アルコキシシランの縮合物の架橋が進行する。そのため、露光部分では架橋が進行した結果、現像液に不溶となる。
露光後の感光性樹脂組成物層を現像液を用いて現像することにより、感光性樹脂組成物層の未露光部分が現像液に溶解して除去され、露光部分が基板上に残る。その結果、薄膜パターン1Cが形成される。この薄膜パターンは、未露光部分が除去されることから、ネガ型パターンといわれるものである。
現像液としては、防爆設備が不要であり、腐蝕等による設備負担も少ないので、アルカリ水溶液が好ましく用いられる。例えば、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液、珪酸ナトリウム水溶液、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液などのアルカリ水溶液が挙げられる。現像に要する時間は、感光性樹脂組成物層の厚みや溶剤の種類にもよるが、効率良く現像でき製造効率が高められるため、10秒〜5分の範囲が好ましい。現像後に用いられた薄膜パターンは、蒸留水で洗浄され、薄膜上に残存しているアルカリ水溶液を除去することが好ましい。
本発明に係る薄膜パターンの製造方法では、上記のようにして得られた薄膜パターンを熱処理する工程をさらに備えている。本発明に係る感光性樹脂組成物は、熱酸発生剤(B)を含有するため、熱処理すると熱酸発生剤(B)から酸が発生する。
ところで、露光してパターン状の潜像を形成した後には、露光部分においてほとんどのアルコキシシランの縮合物は架橋しているが、得られた薄膜パターンには、通常、わずかにアルコキシシランの縮合物の未架橋成分が残存している。しかしながら、本発明の薄膜パターンの製造方法では、熱処理によって熱酸発生剤(B)から発生した酸により、アルコキシシランの縮合物の未架橋成分の架橋が進行し、未架橋成分の残存量を低減することができる。特に、パターン形成する際に照射される特定の光の波長域において酸を発生しない熱酸発生剤(B)を含有することによって、熱処理によって熱酸発生剤(B)から新たな酸が発生し得るので、アルコキシシランの縮合物の架橋反応を効率的かつ確実に進行させることができる。
薄膜パターンを熱処理する条件は、使用する熱酸発生剤(B)の種類により適宜設定することができ、特に限定されないが、100〜300℃の範囲で、30秒〜120分間熱処理することが好ましい。
従来のように感光性樹脂組成物が熱酸発生剤(B)を含有していない場合には、アルコキシシランの縮合物の未架橋成分を低減し、架橋効率を高めるためには、例えば500℃以上の非常に高温で薄膜パターンを熱処理する必要がある。このような500℃以上の非常に高温で熱処理するには、特別な加熱設備を用いる必要がある。さらに、500℃以上で熱処理すると、基板や薄膜パターンのみならず、基板上の他の部分も劣化しがちとなる。
しかしながら、本発明では、上記光線もしくは放射線の照射により酸または塩基を発生する酸または塩基発生剤(A)に加えて、上記熱酸発生剤(B)を含有しているため、例えば300℃以下の低温で薄膜パターンを熱処理することにより、アルコキシシランの縮合物の架橋効率を効果的に高めることができる。
なお、本発明に係る感光性樹脂組成物は、様々な装置において、薄膜パターンを形成するのに好適に用いられるが、好ましくは、電子機器の保護膜に上記薄膜パターンが効果的に用いられる。電子機器の絶縁保護膜として、本発明に係る感光性樹脂組成物を用いて形成された薄膜パターンを用いることにより、得られた絶縁保護膜の形状安定性を効果的に高めることができる。このような電子機器の絶縁保護膜の例としては、例えば、薄膜トランジスタ(TFT)を保護するためのTFT保護膜すなわちパッシベーション膜や、カラーフィルタにおいてフィルタを保護する保護膜すなわちオーバーコート膜や有機EL素子の保護膜すなわちパッシベーション膜などが挙げられる。
図2は、本発明の電子機器用絶縁保護膜が用いられた液晶表示素子の正面断面図の略図であり、図3は、その要部を拡大して示す部分切欠正面断面図である。
図2に示すように、液晶表示素子11は、ガラス基板12上にTFT13を形成した構造を有する。TFT13を被覆するように、TFT保護膜14が形成されている。液晶表示素子11では、TFT保護膜14が、本発明の電子機器用絶縁保護膜により構成されている。
TFT保護膜14は、TFT13を被覆するように、さらに液晶表示素子11において所望の平面形状を有するようにパターニングされているが、このパターン形状の安定性に優れている。
図2において、TFT保護膜14上には、ITO電極15が形成されている。また、ITO電極15を覆うように、配向膜16が形成されており、配向膜16が、上方に位置されている他方の配向膜17と対向されている。配向膜16,17間の空間は、シール材18によりシールされており、内部に液晶19が充填されている。また、該空間の厚みを確保するためにスペーサー20が配向膜16,17間に配置されている。
配向膜17は、上方のガラス基板21に支持されている。すなわち、ガラス基板21の下面には、カラーフィルタ22及びITO電極23が形成されており、ITO電極23を覆うように配向膜17が形成されている。
また、図3に拡大して示すように上記TFT13が形成されている部分は、より具体的には、ガラス基板12上に、ゲート電極13aが形成されており、該ゲート電極13aを覆うようにゲート絶縁膜13bが形成されている。ゲート電極13aと対向するように、ゲート絶縁膜13b上に半導体層13cが形成されている。そして、半導体層13cに、ソース電極13d及びドレイン電極13eが接続されている。
上記のようにして構成されているTFT13を覆うように、前述したTFT保護膜14が積層されている。
図4は、液晶表示素子やカラーフィルタにおいて、保護膜として本発明に係る絶縁保護膜が用いられている構成の例を示す部分切欠断面図である。ここでは、カラーフィルタ31は、赤色の画素を32a、緑色の画素を32b及び青色の画素を32cと、ブラックマトリクス部33とを有する。これらを覆うように、絶縁保護膜34が形成されており、該絶縁保護膜34として、本発明に係る電子機器用絶縁保護膜が用いられている。従って、保護膜34の平面形状の形状安定性が効果的に高められる。なお、保護膜34上には、ITO電極35が形成されている。
なお、本発明に係る電子機器用絶縁保護膜は、上述した液晶表示素子やカラーフィルタに限らず、例えば、有機EL素子のTFT保護膜、ICチップの層間絶縁膜、ICチップの層間保護膜、センサの絶縁層などの様々な電子機器用絶縁保護膜として広く用いられる。従って、本発明によれば、上記薄膜を電子機器用保護膜として備える上記有機EL素子や液晶表示素子などの表示装置、カラーフィルタまたは上記薄膜をパッシベーション膜として備える薄膜トランジスタなどを提供することができる。
中でも、本発明に係る感光性樹脂組成物に光線もしくは放射線を照射することにより、架橋構造を導入して得られた薄膜は、電界効果型の薄膜トランジスタのゲート絶縁膜として好適に用いられる。すなわち、本発明により提供される薄膜トランジスタでは、上記のようにして形成される薄膜パターンによりゲート絶縁膜が形成される。この場合、上記のように、ゲート絶縁膜の形成に際し、大がかりな真空装置を必要としない。従って、ゲート絶縁膜を安価にかつ効率良く形成することができる。
加えて、ゲート絶縁膜が上記感光性樹脂組成物の架橋膜により形成されているので、移動度を高めることができ、かつオンオフ電流値を高めることができる。
また、本発明に係る薄膜トランジスタでは、好ましくは、パッシベーション膜がさらに備えられ、このパッシベーション膜もまた上記感光性樹脂組成物の架橋膜により構成される。この場合においても、従来のPVAフィルムからなるパッシベーション膜を用いた場合に比べて、高温高湿度下における保護性能を高めることができる。
本発明に係る薄膜トランジスタは、上記のように、ゲート絶縁膜が上記特定の感光性樹脂組成物の架橋膜により構成されていることにより、その他の構造については特に限定されるものではない。すなわち、半導体層と、半導体層に接するように設けられたソース電極及びドレイン電極及びゲート電極と、ゲート電極と半導体層との間に配置された上記ゲート絶縁膜とを備える電界効果型の薄膜トランジスタである限り、その物理的な構造は特に限定されるものではない。このような電界効果型の薄膜トランジスタの具体的な構造例を、図5及び図6に例示的に示す。
図5に示す薄膜トランジスタ41では、基板42上に、ゲート電極43が形成されている。ゲート電極43を覆うように、ゲート絶縁膜44が形成されている。このゲート絶縁膜44が、上記特定の感光性樹脂組成物の架橋膜により構成されている。そして、ゲート絶縁膜44上に、半導体層45が積層されている。半導体層45に接するように、ソース電極46及びドレイン47電極が形成されている。また、半導体層45、ソース電極46及びドレイン電極47を覆うようにパッシベーション膜48が形成されている。その上に、ドレイン電極47に連なるITO電極49が形成されている。
他方、図6に示す薄膜トランジスタ51では、基板52上に、半導体層53が形成されている。半導体層53上に、ゲート絶縁膜54が形成されている。このゲート絶縁膜54が、上記感光性樹脂組成物の架橋膜により形成されている。上記ゲート絶縁膜54上に、ゲート電極55が形成されている。他方、ソース電極56及びドレイン電極57が、上記ゲート絶縁膜54を貫通し、半導体層53に接合されている。
また、パッシベーション膜58がゲート絶縁膜54及びゲート電極55上に形成されている。さらに、上面を平坦化するために、パッシベーション膜59が積層されており、該パッシベーション膜59上に、ドレイン電極57に連なるITO電極70が形成されている。
上記薄膜トランジスタ41,51に示すように、本発明が適用される薄膜トランジスタの構造は特に限定されるものではない。また、本発明に係る薄膜トランジスタにおける半導体層を構成する材料についても特に限定されず、アモルファスシリコン、ポリシリコン、有機半導体などの様々な半導体を用いることができる。ソース電極、ドレイン電極及びゲート電極についても、適宜の金属からなる電極材料により構成することができる。
また、パッシベーション膜48,58,59については、必須ではないが、好ましくは、上記感光性樹脂組成物の架橋膜により構成される。もっとも、パッシベーション膜48,58,59は、SiNなどの無機材料で構成されてもよく、PVAなどの有機材料により構成されてもよい。また、上記感光性樹脂組成物の架橋膜とSiNなどの無機材料やPVAなどの有機材料とを組み合わせて使用し、パッシベーション膜48,58,59が構成されてもよい。
以下、本発明の実施例及び比較例を挙げることにより、本発明を明らかにする。なお、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1〜9及び比較例1)
(使用した材料)
〔アルコキシシランの縮合物〕
冷却管をつけた100mlのフラスコにフェニルトリエトキシシラン5g、トリエトキシシラン10g、シュウ酸0.5g、水5ml及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート50mlを加えた。半円形型のメカニカルスターラーを用いて溶液を撹拌し、マントルヒーターで70℃・6時間反応させた。次いでエバポレーターを用いて水との縮合反応で生成したエタノールを除去した。反応終了後、フラスコを室温になるまで放置し、アルコキシシランの縮合物を調製した。
〔光酸発生剤又は光塩基発生剤(A)〕
(A1)ナフタルイミド カンファスルホン酸塩(スルホニウム塩系光酸発生剤、CAS No.83697−56−7、ミドリ化学社製、商品名:NAI−106)
(A2)スルホン酸塩(光酸発生剤、CAS No.83697−53−4、ミドリ化学社製、商品名:NAI−100)
(A3)光塩基発生剤(CAS No.119137−03−0、ミドリ化学社製、商品名:NBC−1)
〔熱酸発生剤(B)〕
(B1)シクロヘキシル−p−トルエンスルホネート
(B2)メチル−p−トルエンスルホネート
(B3)シクロヘキシル 2,4,6−トリイソプロピルベンゼンスルホネート
(実施例1〜9及び比較例1の感光性樹脂組成物の調製)
上記アルコキシシランの縮合物と、上記酸又は塩基発生剤(A1)、(A2)又は(A3)と、上記熱酸発生剤(B1)、(B2)又は(B3)とを下記表1に示す配合割合で混合した後、溶剤であるテトラヒドロフラン500重量部に溶解させ、感光性樹脂組成物を調製した。
(実施例1〜9及び比較例1の感光性樹脂組成物の評価)
基材として、表層にアルミニウムが蒸着されたガラス基板を用い、このガラス基板上に実施例及び比較例の感光性樹脂組成物を回転数1000rpmでスピン塗工した。塗工後、80℃の熱風オーブンで乾燥させ塗膜を形成した。
次に、所定のパターンを有するフォトマスクを介して、実施例1〜3、実施例5〜9及び比較例1については、紫外線照射装置(ウシオ電機社製、スポットキュアSP−5)を用い、実施例4については低圧水銀灯を用い、塗膜に下記表1に示す波長の紫外線を、照射エネルギーが500mJ/cmとなるように100mW/cmの紫外線照度で5秒間照射した。その後、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドの2.38%水溶液に、塗膜を浸漬して現像し、薄膜パターンを形成した。
さらに、得られた薄膜パターンを、200℃の熱風オーブンで30分間熱処理した。なお、上記熱酸発生剤(B1)〜(B3)のいずれも、200℃の温度で活性化し、酸又は塩基を発生する化合物である。
熱処理した後の薄膜パターンのパターニングの状態について、下記評価基準で評価した。
○:良好なパターンを形成
△:部分的にしかパターンが形成されず
×:パターンが形成されず
さらに、熱処理した後の薄膜パターンについて、R8252(エレクトロメーター)、R12704(モジュール)(アドバンテスト社製)を用いて、JIS K 6911に従って、体積抵抗を求めた。
(実施例10〜12)
(使用した材料)
〔アルコキシシランの縮合物〕
上記実施例1〜9及び比較例1で用いたアルコキシシランの縮合物を用いた。
〔光酸発生剤及び熱酸発生剤(A+B):光の照射により酸を発生し得る化合物であり、かつ熱の作用によっても酸を発生し得る化合物〕
(A+B)トリアジン系化合物(CAS No.71255−78−42、ミドリ化学社製、商品名:TAZ−107)
(実施例10〜12の感光性樹脂組成物の調製)
上記アルコキシシランの縮合物と、光酸発生剤及び熱酸発生剤(A+B)とを下記表1に示す配合割合で混合した後、溶剤であるテトラヒドロフラン500重量部に溶解させ、感光性樹脂組成物を調製した。
(実施例10〜12の感光性樹脂組成物の評価)
上記実施例1〜9及び比較例1の感光性樹脂組成物の評価と同様にして、薄膜パターンを形成した。なお、実施例10〜12では、紫外線の照射に上記紫外線照射装置(ウシオ電機社製、スポットキュアSP−5)を用い、紫外線の照射条件は下記表1に示す条件とした。また、上記光酸発生剤及び熱酸発生剤(A+B)は、200℃の温度で活性化し、酸を発生する化合物である。
さらに、熱処理した後の薄膜パターンについて、上記実施例1〜9及び比較例1の感光性樹脂組成物の評価と同様にして、パターニングの状態を評価し、さらに体積抵抗を求めた。
結果を下記表1に示す。
Figure 2007316314
図1(a)〜(c)は、本発明に係る薄膜パターンの製造方法を説明するための各工程の断面図である。 図2は、本発明に係る電子機器用絶縁保護膜が用いられている液晶表示素子を示す正面断面図である。 図3は、図2に示した液晶表示素子の要部を説明するための部分切欠正面断面図である。 図4は、本発明の電子機器用絶縁保護膜が用いられているカラーフィルタを示す部分切欠正面断面図である。 図5は、本発明の薄膜トランジスタの一構造例を示す模式的正面断面図である。 図6は、本発明の薄膜トランジスタの他の構造例を示す模式的正面断面図である。
符号の説明
1…感光性樹脂組成物層
1A…潜像
1B…感光層
1C…薄膜パターン
2…基板
3…フォトマスク
11…液晶表示素子
12…ガラス基板
13…TFT
13a…ゲート電極
13b…ゲート絶縁膜
13c…半導体層
13d…ソース電極
13e…ドレイン電極
14…TFT保護膜(電子機器用絶縁保護膜)
15…ITO電極
16…配向膜
17…配向膜
18…シール材
19…液晶
20…スペーサー
21…ガラス基板
22…カラーフィルタ
23…ITO電極
31…カラーフィルタ
32a〜32c…画素
33…ブラックマトリクス部
34…絶縁保護膜(電子機器用絶縁保護膜)
35…ITO電極
41…薄膜トランジスタ
42…基板
43…ゲート電極
44…ゲート絶縁膜
45…半導体層
46,47…ソースまたはドレイン電極
48…パッシベーション膜
49…ITO電極
51…薄膜トランジスタ
52…基板
53…半導体層
54…ゲート絶縁膜
55…ゲート電極
56,57…ソースまたはドレイン電極
58,59…パッシベーション膜
70…ITO電極

Claims (12)

  1. アルコキシシランの縮合物と、光線もしくは放射線の照射により酸または塩基を発生する酸又は塩基発生剤(A)と、熱の作用により酸を発生する熱酸発生剤(B)とを含有することを特徴とする、感光性樹脂組成物。
  2. 前記アルコキシシランの縮合物100重量部に対して、前記熱酸発生剤(B)を0.2〜15重量部の割合で含む、請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
  3. 前記熱酸発生剤(B)が、ジアゾニウム塩、アンモニウム塩、ホスホニウム塩、ヨードニウム塩、スルホニウム塩、セレノニウム塩及びアルソニウム塩からなる群から選択された少なくとも1種の化合物からなる、請求項1または2に記載の感光性樹脂組成物。
  4. 前記酸又は塩基発生剤(A)が、オニウム塩、ジアゾニウム塩及びスルホン酸エステルからなる群から選択した少なくとも1種の化合物からなる、請求項1〜3のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
  5. 基板上に、請求項1〜4のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物からなる感光性樹脂組成物層を形成する工程と、
    形成するパターンに応じて、光線または放射線で前記感光性樹脂組成物層を選択的に露光し、前記酸又は塩基発生剤(A)から酸又は塩基を発生させて、パターン状の潜像を形成する工程と、
    前記パターン状の潜像を形成した後、潜像が形成された前記感光性樹脂組成物層を現像液で現像し、薄膜パターンを得る工程と、
    前記薄膜パターンを得た後、薄膜パターンを熱処理し、前記熱酸発生剤(B)から酸を発生させる工程とを備えることを特徴とする、薄膜パターンの製造方法。
  6. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物を用いて形成された電子機器用保護膜。
  7. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物を用いて形成された薄膜を保護膜として備えることを特徴とする、トランジスタ。
  8. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物を用いて形成された薄膜を保護膜として備えることを特徴とする、カラーフィルタ。
  9. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物を用いて形成された薄膜を保護膜として備えることを特徴とする、有機EL素子。
  10. 電界効果型のトランジスタのゲート絶縁膜であって、請求項1〜4のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物を用いて形成された薄膜からなることを特徴とする、ゲート絶縁膜。
  11. 半導体層と、半導体層に接するように設けられたソース電極及びドレイン電極と、ゲート電極と、ゲート電極と半導体層との間に配置されたゲート絶縁膜とを備える電界効果型の薄膜トランジスタであって、前記ゲート絶縁膜が請求項1〜4のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物を用いて形成された薄膜により構成されていることを特徴とする、薄膜トランジスタ。
  12. 半導体層と、半導体層に接するように設けられたソース電極及びドレイン電極と、ゲート電極と、ゲート電極と半導体層との間に配置されたゲート絶縁膜と、パッシベーション膜とを備える電界効果型の薄膜トランジスタであって、前記パッシベーション膜が、請求項1〜4のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物を用いて形成された薄膜であることを特徴とする、薄膜トランジスタ。
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