JP2008015184A - ポジ型感光性組成物、パターン膜の製造方法及び半導体素子 - Google Patents
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Abstract
【課題】露光部の感光性組成物を現像液に十分に溶解させることができ、パターン形状に優れたパターン膜を得ることができるポジ型の感光性組成物、これを用いたパターン膜の製造方法、半導体素子を提供する。
【解決手段】アルコキシシランの縮合物(A)と、熱が与えられるとアルコキシシランの縮合物(A)を架橋させて感光性組成物を硬化し、感光性組成物を現像液に不溶にする物質(B)と、対アニオンがSbF6 −および/又はPF6 −であるオニウム塩(C)とを含有するポジ型感光性組成物、これを用いたパターン膜の製造方法、半導体素子。
【選択図】図1
【解決手段】アルコキシシランの縮合物(A)と、熱が与えられるとアルコキシシランの縮合物(A)を架橋させて感光性組成物を硬化し、感光性組成物を現像液に不溶にする物質(B)と、対アニオンがSbF6 −および/又はPF6 −であるオニウム塩(C)とを含有するポジ型感光性組成物、これを用いたパターン膜の製造方法、半導体素子。
【選択図】図1
Description
本発明は、感光性を有するポジ型の感光性組成物に関し、より詳細には、選択的に露光した後、現像処理したときに、露光部の感光性組成物を除去し、パターン膜を形成することが可能なポジ型感光性組成物、これを用いたパターン膜の製造方法及び半導体素子に関する。
半導体などの電子デバイスの製造に際しては、パッシベーション膜やゲート絶縁膜などが、微細パターン形成法により構成されている。これらの膜を構成するのに、例えばアルコキシシランの縮合物などを含む感光性樹脂組成物が用いられている。
下記の特許文献1には、パターン形成に用いられる感光性樹脂組成物の一例として、(1)アルカリ可溶性シロキサンポリマー、(2)光によって反応促進剤を発生する化合物、および(3)溶剤を主成分とする感光性樹脂組成物が開示されている。特許文献1では、(1)アルカリ可溶性シロキサンポリマーとして、アルコキシシランに水および触媒を加えて加水分解縮合させた反応溶液から、水および触媒を除去して得られたアルカリ可溶性シロキサンポリマーが用いられている。
さらに、特許文献1には、上記感光性樹脂組成物を基板上に塗布し、乾燥した後、マスクを介して露光し、つづいて現像するパターンの形成方法が開示されている。特許文献1に記載のパターンの形成方法では、具体的には、感光性樹脂組成物からなる感光性樹脂組成物層を形成し、該感光性樹脂組成物層をマスクを介して露光することにより、露光部においてアルコキシランの縮合物の架橋反応を進行させ、感光性樹脂組成物層を硬化させていた。
特開平06−148895号公報
従来より、微細パターンを形成するのに、上記特許文献1に記載のようなネガ型と呼ばれている感光性樹脂組成物が主に用いられている。すなわち、特許文献1に記載の感光性樹脂組成物は、上述のように、露光部においてシロキサンポリマーの架橋反応を進行させ、硬化させてパターンを形成するものであり、ポジ型ではなくネガ型の感光性樹脂組成物であった。
しかしながら、近年、微細パターンを形成するために、ネガ型の感光性樹脂組成物ではなく、ポジ型の感光性樹脂組成物の開発も強く要求されている。
ポジ型の感光性樹脂組成物を用いて微細パターンを形成する際には、ネガ型の感光性樹脂組成物と同様に、形成するパターンに応じて感光性樹脂組成物を露光する。露光の前または後に、必要に応じて熱処理等するなどして、未露光部の感光性樹脂組成物を硬化させ、パターン状の潜像を形成する。次に、感光性樹脂組成物を現像液で現像し、露光部の硬化していない感光性樹脂組成物を除去することにより、未露光部において薄膜パターンを得るものである。
ポジ型の感光性樹脂組成物では、特に露光部の感光性樹脂組成物が確実に現像液に溶解し得ることが強く求められていた。しかしながら、従来のポジ型の感光性樹脂組成物では、現像したときに、露光部の感光性樹脂組成物が現像液に十分に溶解しないことがあり、露光部においても感光性樹脂組成物が残存しがちであった。それによって、形成されたパターン膜では、パターン形状に劣りがちであった。
本発明の目的は、上述した従来技術の現状に鑑み、露光部の感光性組成物を現像液に十分に溶解させることができ、パターン形状に優れたパターン膜を得ることができるポジ型の感光性組成物、これを用いたパターン膜の製造方法、半導体素子を提供することにある。
本発明は、アルコキシシランの縮合物(A)と、熱が与えられるとアルコキシシランの縮合物(A)を架橋させて感光性組成物を硬化し、感光性組成物を現像液に不溶にする物質(B)と、対アニオンがSbF6 −および/又はPF6 −であるオニウム塩(C)とを含有することを特徴とする。
本発明に係るポジ型感光性組成物のある特定の局面では、オニウム塩(C)は、対アニオンがSbF6 −および/又はPF6 −であるスルホニウム塩、対アニオンがSbF6 −および/又はPF6 −であるヨードニウム塩、対アニオンがSbF6 −および/又はPF6 −であるホスホニウム塩及び対アニオンがSbF6 −および/又はPF6 −であるジアゾニウム塩から選ばれた少なくとも1種である。
本発明に係るポジ型感光性組成物の他の特定の局面では、オニウム塩(C)は、対アニオンがSbF6 −および/又はPF6 −であるスルホニウム塩である。
本発明に係るパターン膜の製造方法は、基板上に、本発明に従って構成されたポジ型感光性組成物からなる感光性組成物層を形成する工程と、感光性組成物層を熱処理し、物質(B)の作用によりアルコキシシランの縮合物(A)を架橋させて感光性組成物層を硬化し、感光性組成物層を現像液に不溶にする工程と、感光性組成物層を熱処理した後に、形成するパターンに応じて、硬化した感光性組成物層を選択的に露光することにより、露光部の感光性組成物層を現像液に可溶にする工程と、感光性組成物層を熱処理し、かつ露光した後に、感光性組成物層を現像液で現像し、露光部の感光性組成物層を除去することにより、パターン膜を得る工程とを備えることを特徴とする。
本発明に係る半導体素子では、ゲート絶縁膜、パッシベーション膜及び層間絶縁膜からなる群から選択された少なくとも1種の膜を備えており、該膜が本発明に従って構成されたポジ型感光性組成物を用いて形成された膜とされている。
本発明に係るポジ型感光性組成物は、アルコキシシランの縮合物(A)と、熱が与えられると前記アルコキシシランの縮合物(A)を架橋させて感光性組成物を硬化し、感光性組成物を現像液に不溶にする物質(B)と、対アニオンがSbF6 −および/又はPF6 −であるオニウム塩(C)とを含有するので、感光性組成物を熱処理した後に、露光し、さらに現像処理することにより、露光部の感光性組成物を十分に除去することができ、パターン膜を得ることができる。
すなわち、本発明では、感光性組成物が物質(B)を含むため、感光性組成物を熱処理したときに、アルコキシシランの縮合物(A)が架橋して感光性組成物が硬化し、感光性組成物が現像液に不溶になる。さらに、感光性組成物がオニウム塩(C)を含むので、熱処理されて硬化した感光性組成物を選択的に露光したときに、露光部の感光性組成物が現像液に可溶になる。よって、感光性組成物を熱処理し、かつ露光した後に、現像することにより、露光部の感光性組成物を十分に除去することができ、パターン形状に優れたパターン膜を得ることができる。
オニウム塩(C)が、対アニオンがSbF6 −および/又はPF6 −であるスルホニウム塩、対アニオンがSbF6 −および/又はPF6 −であるヨードニウム塩、対アニオンがSbF6 −および/又はPF6 −であるホスホニウム塩及び対アニオンがSbF6 −および/又はPF6 −であるジアゾニウム塩から選ばれた少なくとも1種である場合には、熱処理されて硬化した感光性組成物を選択的に露光したときに、露光部の感光性組成物が現像液により一層効果的に可溶になる。よって、感光性組成物を熱処理し、かつ露光した後に、現像することにより、より一層優れたパターン形状を有するパターン膜を得ることができる。
オニウム塩(C)が、対アニオンがSbF6 −および/又はPF6 −であるスルホニウム塩である場合には、熱処理されて硬化した感光性組成物を選択的に露光したときに、露光部の感光性組成物が現像液にさらに一層効果的に可溶になる。よって、感光性組成物を熱処理し、かつ露光した後に、現像することにより、さらに一層優れたパターン形状を有するパターン膜を得ることができる。
本発明に係るパターン膜の製造方法では、感光性組成物層を熱処理し、物質(B)の作用によりアルコキシシランの縮合物(A)を架橋させて感光性組成物層を硬化し、感光性組成物層を現像液に不溶にする工程と、感光性組成物層を熱処理した後に、形成するパターンに応じて、硬化した感光性組成物層を選択的に露光することにより、露光部の感光性組成物層を現像液に可溶にする工程と、感光性組成物層を熱処理し、かつ露光した後に、感光性組成物層を現像液で現像し、露光部の感光性組成物層を除去することにより、パターン膜を得る工程とを備えているので、現像処理により、露光部の感光性組成物層を十分に除去することができ、パターン形状に優れたパターン膜を得ることができる。
本発明に係る半導体素子では、ゲート絶縁膜、パッシベーション膜及び層間絶縁膜からなる群から選択された少なくとも1種の膜を備えており、該膜が本発明のポジ型感光性組成物を用いて形成された膜とされているため、膜の形状及び電気的特性に優れている。
以下、本発明の詳細を説明する。
本願発明者らは、上記課題を達成するために、パターン形成に用いられるポジ型の感光性組成物について鋭意検討した結果、アルコキシシランの縮合物(A)と、熱が与えられるとアルコキシシランの縮合物(A)を架橋させて感光性組成物を硬化し、感光性組成物を現像液に不溶にする物質(B)と、対アニオンがSbF6 −および/又はPF6 −であるオニウム塩(C)とを含有させることによって、感光性組成物を熱処理した後に露光し、さらに現像することにより、露光部の感光性組成物が十分に除去されて、パターン形状に優れたパターン膜を得られることを見出し、本発明をなすに至った。
本発明に係るポジ型感光性組成物は、アルコキシシランの縮合物(A)と、熱が与えられるとアルコキシシランの縮合物(A)を架橋させて感光性組成物を硬化し、感光性組成物を現像液に不溶にする物質(B)と、対アニオンがSbF6 −および/又はPF6 −であるオニウム塩(C)とを含有する。本発明に係るポジ型感光性組成物は、熱処理前及び露光前には現像液に可溶である。
上記アルコキシシランの縮合物(A)は、アルコキシシランを縮合させて得られた縮合物からなる。アルコキシシランの縮合物(A)は、少なくとも1種含まれており、従って2種以上のアルコキシシランの縮合物(A)が含まれていてもよい。
アルコキシシランの縮合物(A)として、下記式(2)で表されるアルコキシシランを縮合させて得られたアルコキシシランの縮合物を含有することが好ましい。
Si(R1)p(R2)q(R3)4−p−q・・・式(2)
上述した式(2)中、R1は水素又は炭素数が1〜30である非加水分解性の有機基を表し、R2はアルコキシ基を表し、R3はアルコキシ基以外の加水分解性基を表し、pは0〜3の整数を表し、qは1〜4の整数を表し、p+q≦4である。pが2又は3であるとき、複数のR1は同一であってもよく異なっていてもよい。qが2〜4であるとき、複数のR2は同一であってもよく異なっていてもよい。p+q≦2であるとき、複数のR3は同一であってもよく異なっていてもよい。
上述した式(2)中、R1は水素又は炭素数が1〜30である非加水分解性の有機基を表し、R2はアルコキシ基を表し、R3はアルコキシ基以外の加水分解性基を表し、pは0〜3の整数を表し、qは1〜4の整数を表し、p+q≦4である。pが2又は3であるとき、複数のR1は同一であってもよく異なっていてもよい。qが2〜4であるとき、複数のR2は同一であってもよく異なっていてもよい。p+q≦2であるとき、複数のR3は同一であってもよく異なっていてもよい。
上記アルコキシ基R2及びアルコキシ基以外の加水分解性基R3は、通常、過剰の水の共存下、無触媒で、室温(25℃)〜100℃の温度範囲内で加熱することにより、加水分解されてシラノール基を生成することができる基、またはさらに縮合してシロキサン結合を形成することができる基である。
上記アルコキシ基R2としては、特に限定されないが、具体的には、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等の炭素数1〜6のアルコキシ基等が挙げられる。
上記アルコキシ基以外の加水分解性基R3としては、特に限定されないが、具体的には、塩素、臭素等のハロゲノ基、アミノ基、ヒドロキシル基又はカルボキシル基等が挙げられる。
上記非加水分解性の有機基R1としては、特に限定されないが、加水分解を起こし難く、安定な疎水基である炭素数1〜30の有機基が挙げられる。安定な疎水基である炭素数1〜30の有機基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、ペンチル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基及びエイコシル基等の炭素数1〜30のアルキル基、アルキル基のフッ素化物、塩素化物、臭素化物等のハロゲン化アルキル基(例えば、3−クロロプロピル基、6−クロロプロピル基、6−クロロヘキシル基および、6,6,6−トリフルオロヘキシル基等)、ハロゲン置換ベンジル基等の芳香族置換アルキル基(例えば、ベンジル基、4−クロロベンジル基及び4−ブロモベンジル基等)、アリール基(例えば、フェニル基、トリル基、メシチル基、ナフチル基等)、ビニル基やエポキシ基を含む有機基、アミノ基を含む有機基、チオール基を含む有機基等が挙げられる。
上記アルコキシシランの具体例としては、例えば、トリフェニルエトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、トリエチルエトキシシラン、トリフェニルメトキシシラン、トリエチルメトキシシラン、エチルジメチルメトキシシラン、メチルジエチルメトキシシラン、エチルジメチルエトキシシラン、メチルジエチルエトキシシラン、フェニルジメチルメトキシシラン、フェニルジエチルメトキシシラン、フェニルジメチルエトキシシラン、フェニルジエチルエトキシシラン、メチルジフェニルメトキシシラン、エチルジフェニルメトキシシラン、メチルジフェニルエトキシシラン、エチルジフェニルエトキシシラン、tert−ブトキシトリメチルシラン、ブトキシトリメチルシラン、ジメチルエトキシシラン、メトキシジメチルビニルシラン、エトキシジメチルビニルシラン、ジフェニルジエトキシラン、フェニルジエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジアセトキシメチルシラン、ジエトキシメチルシラン、3−クロロポロピルジメトキシメチルシラン、クロロメチルジエトキシメチルシラン、ジエトキシジメチルシラン、ジアセトキシメチルビニルシラン、ジエトキシメチルビニルシラン、ジエトキシジエチルシラン、ジメチルジプロポキシシラン、ジメトキシメチルフェニルシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチル−トリ−n−プロポキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エチル−トリ−n−プロポキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、プロピル−トリ−n−プロポキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、ブチルトリエトキシシラン、ブチルトリプロポキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、イソブチルトリエトキシシラン、イソブチルトリプロポキシシラン、n−ヘキシルトリメトキシシラン、n−ヘキシルトリエトキシシラン、n−ヘキシルトリプロポキシシラン、シクロヘキシルトリメトキシシラン、シクロヘキシルトリエトキシシラン、シクロヘキシルトリプロポキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン、オクチルトリプロポキシシラン、ドデシルトリメトキシシラン、ドデシルトリエトキシシラン、ドデシルトリプロポキシシラン、テトラデシルトリメトキシシラン、テトラデシルトリエトキシシラン、テトラデシルトリプロポキシシラン、ヘキサデシルトリメトキシシラン、ヘキサデシルトリエトキシシラン、ヘキサデシルトリプロポキシシラン、オクタデシルトリメトキシシラン、オクタデシルトリエトキシシラン、オクタデシルトリプロポキシシラン、エイコシルデシルトリメトキシシラン、エイコシルトリエトキシシラン、エイコシルトリプロポキシシラン、6−クロロヘキシルトリメトキシシラン、6,6,6−トリフルオロヘキシルトリメトキシシラン、ベンジルトリメトキシシラン、4−クロロベンジルトリメトキシシラン、4−ブロモベンジルトリ−n−プロポキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、メチルトリアセトキシシラン、エチルトリアセトキシシラン、N−β−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、トリエトキシシラン、トリメトキシシラン、トリイソプロポキシシラン、トリ−n−プロポキシシラン、トリアセトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラアセトキシシラン等が挙げられる。これらのアルコキシシランを縮合させて得られたアルコキシシランの縮合物がより好ましく用いられる。アルコキシシランの縮合物(A)を構成するに際しては、少なくとも1種のアルコキシシランが用いられていればよく、従って2種以上のアルコキシシランが用いられていてもよい。
本発明に係るポジ型感光性組成物は、熱が与えられるとアルコキシシランの縮合物(A)を架橋させて感光性組成物を硬化し、感光性組成物を現像液に不溶にする物質(B)を含有する。物質(B)は、感光性組成物を熱処理したときに、アルコキシシランの縮合物(A)を架橋させて感光性組成物を硬化し、感光性組成物を現像液に不溶にする物質である。感光性組成物が物質(B)を含むことによって、熱処理したときにアルコキシシランの縮合物(A)の架橋を進行させることができる。
上記物質(B)としては、特に限定されないが、熱酸発生剤、熱塩基発生剤等が挙げられ、好ましく用いられる。
上記熱酸発生剤としては、特に限定されないが、例えばオニウム塩等が挙げられ、好ましく用いられる。
上記熱酸発生剤は、ジアゾニウム塩、アンモニウム塩、ホスホニウム塩、ヨードニウム塩、スルホニウム塩、セレノニウム塩及びアルソニウム塩からなる群から選択された少なくとも1種の化合物からなることがより好ましい。
上記熱酸発生剤の例としては、ジアゾニウム塩(S.I.Schlesinger,Photogr.Sci.Eng.,18,387(1974)、T.S.Bal et al,Polymer,21,423(1980)に明記)、アンモニウム塩(米国特許第4 069055号、同4069056号、同再発行27992号の各明細書および特開平4 −365049号公報に明記)、ホスホニウム塩(D.C.Necker et al,Macromolecules,17,2468(1984)、C.S.Wen et al,Teh,Proc.Conf.Rad,Curing ASIA,p478 Tokyo,Oct(1988)、米国特許第4069055号、同4069056号の各明細書に明記)、ヨードニウム塩(J.V.Crivello et al,Macromorecules,10(6),1307(1977)、Chem.& Eng.News,Nov.28,p31(1988)、欧州特許104143号、米国特許第339049号、同410201号の各明細書、特開平2−150848号、同2−296514号の各公報に明記)、スルホニウム塩(J.V.Crivello et al, Polymer J.17,73(1985)、J.V.Crivello et al.J.Org.Chem.,43,3055(1978)、W.R.Watt et al, J.Polymer Sci.,Polymer Chem.Ed.,22,1789(1984)、J.V.Crivello et al, PolymerBull.,14,279(1985)、J.V.Crivello et al, Macromorecules,14(5),1141 (1981)、J.V.Crivel.lo et al,J.Polymer Sci.,Polymer Chem.Ed.,17,2877(1979)、欧州特許370693号、同3902114号、同233567号、同297443号、同297442号、米国特許第4933377号、同161811号、同410201号、同339049号、同4760013号、同4734444号、同2833827号、独国特許第2904626号、同3604580号、同3604581号の各明細書に明記、セレノニウム塩(J.V.Crivello et al,Macromorecules,10(6),1307(1977)、J.V.Crivello et al,J.Polymer Sci.,Polymer Chem.Ed.,17,1047(1979)に明記)、およびアルソニウム塩(C.S.Wen et al,Teh,Proc.Conf.Rad.Curing ASIA,p478 Tokyo,Oct(1988)に明記) が挙げられる。オニウム塩の対アニオンの例としては、BF4 −、CF3SO3 −、C4F9SO3 −、C8F17SO3 −およびCH3SO3 −などが挙げられる。これらの熱酸発生剤は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記熱塩基発生剤としては、特に限定されないが、例えばジアルキルアミン類、トリアルキルアミン類及び芳香族アミン類等が挙げられ、好ましく用いられる。これらの熱塩基発生剤は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
本発明に係るポジ型感光性組成物は、アルコキシシランの縮合物(A)100重量部に対し、物質(B)を0.001〜30重量部の割合で含むことが好ましい。物質(B)が0.001重量部未満であると、熱処理したときにアルコキシシランの縮合物(A)の架橋が十分に進行しないことがあり、30重量部を超えると、得られたパターン膜において過剰な上記物質(B)に起因する残渣が生じ易くなる。
本発明に係るポジ型感光性組成物は、対アニオンがSbF6 −および/又はPF6 −であるオニウム塩(C)を含有する。オニウム塩(C)は、熱処理されて硬化した感光性組成物を選択的に露光したときに、露光部の感光性組成物を現像液に可溶にする作用を有する。
本発明の特徴は、対アニオンがSbF6 −および/又はPF6 −であるオニウム塩(C)を含有することにある。対アニオンがSbF6 −および/又はPF6 −であるオニウム塩(C)を含有することによって、後に詳述するが、フォトマスクを介して硬化した感光性組成物を選択的に露光したときに、露光部の感光性組成物を現像液に可溶にすることができる。よって、熱処理及び露光した後に、現像処理することにより、露光部の感光性組成物を十分に除去することができる。
露光部の感光性組成物を現像液により一層効果的に可溶にし得るので、オニウム塩(C)として、対アニオンがSbF6 −および/又はPF6 −であるスルホニウム塩、対アニオンがSbF6 −および/又はPF6 −であるヨードニウム塩、対アニオンがSbF6 −および/又はPF6 −であるホスホニウム塩及び対アニオンがSbF6 −および/又はPF6 −であるジアゾニウム塩から選ばれた少なくとも1種が好ましく用いられる。露光部の感光性組成物を現像液にさらに一層効果的に可溶にし得るので、オニウム塩(C)として、対アニオンがSbF6 −および/又はPF6 −であるスルホニウム塩がより好ましく用いられる。
上記対アニオンがSbF6 −および/又はPF6 −であるオニウム塩(C)の市販品としては、ADEKA社製の商品名「SP−150」、「SP−170」、「SP−152」、「SP−172」、ミドリ化学社製の商品名「TPS−102」、「TPS−103」、「MDS−103」、「DTS−102」、「DTS−103」、「NDS−103」、「MPI−103」、「BBI−102」、「BBI−103」等が挙げられる。
また、オニウム塩(C)の具体例としては、4−(2−クロロ−4−ベンゾイルフェニルチオ)フェニルジフェニルスルホニウムヘキサフロロアンチモネート、4−(2−クロロ−4−ベンゾイルフェニルチオ)フェニルビス(4−フロロフェニル)スルホニウムヘキサフロロアンチモネート、4−(2−クロロ−4−ベンゾイルフェニルチオ)フェニルビス(4−クロロフェニル)スルホニウムヘキサフロロアンチモネート、
4−(2−クロロ−4−ベンゾイルフェニルチオ)フェニルビス(4−メチルフェニル)スルホニウムヘキサフロロアンチモネート、4−(2−クロロ−4−ベンゾイルフェニルチオ)フェニルビス(4−(β−ヒドロキシエトキシ)フェニル)スルホニウムヘキサフロロアンチモネート、4−(2−メチル−4−ベンゾイルフェニルチオ)フェニルビス(4−フロロフェニル)スルホニウムヘキサフロロアンチモネート、4−(3−メチル−4−ベンゾイルフェニルチオ)フェニルビス(4−フロロフェニル)スルホニウムヘキサフロロアンチモネート、4−(2−フロロ−4−ベンゾイルフェニルチオ)フェニルビス(4−フロロフェニル)スルホニウムヘキサフロロアンチモネート、4−(2−メチル−4−ベンゾイルフェニルチオ)フェニルビス(4−フロロフェニル)スルホニウムヘキサフロロアンチモネート、4−(2,3,5,6−テトラメチル−4−ベンゾイルフェニルチオ)フェニルビス(4−フロロフェニル)スルホニウムヘキサフロロアンチモネート、4−(2,6−ジクロロ−4−ベンゾイルフェニルチオ)フェニルビス(4−フロロフェニル)スルホニウムヘキサフロロアンチモネート、4−(2,6−ジメチル−4−ベンゾイルフェニルチオ)フェニルビス(4−フロロフェニル)スルホニウムヘキサフロロアンチモネート、4−(2,3−ジメチル−4−ベンゾイルフェニルチオ)フェニルビス(4−フロロフェニル)スルホニウムヘキサフロロアンチモネート、4−(2−メチル−4−ベンゾイルフェニルチオ)フェニルビス(4−クロロフェニル)スルホニウムヘキサフロロアンチモネート、4−(3−メチル−4−ベンゾイルフェニルチオ)フェニルビス(4−クロロフェニル)スルホニウムヘキサフロロアンチモネート、4−(2−フロロ−4−ベンゾイルフェニルチオ)フェニルビス(4−クロロフェニル)スルホニウムヘキサフロロアンチモネート、4−(2−メチル−4−ベンゾイルフェニルチオ)フェニルビス(4−クロロフェニル)スルホニウムヘキサフロロアンチモネート、4−(2,3,5,6−テトラメチル−4−ベンゾイルフェニルチオ)フェニルビス(4−クロロフェニル)スルホニウムヘキサフロロアンチモネート、4−(2,6−ジクロロ−4−ベンゾイルフェニルチオ)フェニルビス(4−クロロフェニル)スルホニウムヘキサフロロアンチモネート、4−(2,6−ジメチル−4−ベンゾイルフェニルチオ)フェニルビス(4−クロロフェニル)スルホニウムヘキサフロロアンチモネート、4−(2,3−ジメチル−4−ベンゾイルフェニルチオ)フェニルビス(4−クロロフェニル)スルホニウムヘキサフロロアンチモネート、4−(2−クロロ−4−アセチルフェニルチオ)フェニルジフェニルスルホニウムヘキサフロロアンチモネート、4−(2−クロロ−4−(4−メチルベンゾイル)フェニルチオ)フェニルジフェニルスルホニウムヘキサフロロアンチモネート、4−(2−クロロ−4−(4−フロロベンゾイル)フェニルチオ)フェニルジフェニルスルホニウムヘキサフロロアンチモネート、4−(2−クロロ−4−(4−メトキシベンゾイル)フェニルチオ)フェニルジフェニルスルホニウムヘキサフロロアンチモネート、4−(2−クロロ−4−ドデカノイルフェニルチオ)フェニルジフェニルスルホニウムヘキサフロロアンチモネート、4−(2−クロロ−4−アセチルフェニルチオ)フェニルビス(4−フロロフェニル)スルホニウムヘキサフロロアンチモネート、4−(2−クロロ−4−(4−メチルベンゾイル)フェニルチオ)フェニルビス(4−フロロフェニル)スルホニウムヘキサフロロアンチモネート、4−(2−クロロ−4−(4−フロロベンゾイル)フェニルチオ)フェニルビス(4−フロロフェニル)スルホニウムヘキサフロロアンチモネート、4−(2−クロロ−4−(4−メトキシベンゾイル)フェニルチオ)フェニルビス(4−フロロフェニル)スルホニウムヘキサフロロアンチモネート、4−(2−クロロ−4−ドデカノイルフェニルチオ)フェニルビス(4−フロロフェニル)スルホニウムヘキサフロロアンチモネート、4−(2−クロロ−4−アセチルフェニルチオ)フェニルビス(4−クロロフェニル)スルホニウムヘキサフロロアンチモネート、4−(2−クロロ−4−(4−メチルベンゾイル)フェニルチオ)フェニルビス(4−クロロフェニル)スルホニウムヘキサフロロアンチモネート、4−(2−クロロ−4−(4−フロロベンゾイル)フェニルチオ)フェニルビス(4−クロロフェニル)スルホニウムヘキサフロロアンチモネート、4−(2−クロロ−4−(4−メトキシベンゾイル)フェニルチオ)フェニルビス(4−クロロフェニル)スルホニウムヘキサフロロアンチモネート、4−(2−クロロ−4−ドデカノイルフェニルチオ)フェニルビス(4−クロロフェニル)スルホニウムヘキサフロロアンチモネート、4−(2−クロロ−4−ベンゾイルフェニルチオ)フェニルジフェニルスルホニウムヘキサフロロホスフェート、4−(2−クロロ−4−ベンゾイルフェニルチオ)フェニルビス(4−フロロフェニル)スルホニウムヘキサフロロホスフェート、4−(2−クロロ−4−ベンゾイルフェニルチオ)フェニルビス(4−クロロフェニル)スルホニウムヘキサフロロホスフェートがあげられる。
4−(2−クロロ−4−ベンゾイルフェニルチオ)フェニルビス(4−メチルフェニル)スルホニウムヘキサフロロアンチモネート、4−(2−クロロ−4−ベンゾイルフェニルチオ)フェニルビス(4−(β−ヒドロキシエトキシ)フェニル)スルホニウムヘキサフロロアンチモネート、4−(2−メチル−4−ベンゾイルフェニルチオ)フェニルビス(4−フロロフェニル)スルホニウムヘキサフロロアンチモネート、4−(3−メチル−4−ベンゾイルフェニルチオ)フェニルビス(4−フロロフェニル)スルホニウムヘキサフロロアンチモネート、4−(2−フロロ−4−ベンゾイルフェニルチオ)フェニルビス(4−フロロフェニル)スルホニウムヘキサフロロアンチモネート、4−(2−メチル−4−ベンゾイルフェニルチオ)フェニルビス(4−フロロフェニル)スルホニウムヘキサフロロアンチモネート、4−(2,3,5,6−テトラメチル−4−ベンゾイルフェニルチオ)フェニルビス(4−フロロフェニル)スルホニウムヘキサフロロアンチモネート、4−(2,6−ジクロロ−4−ベンゾイルフェニルチオ)フェニルビス(4−フロロフェニル)スルホニウムヘキサフロロアンチモネート、4−(2,6−ジメチル−4−ベンゾイルフェニルチオ)フェニルビス(4−フロロフェニル)スルホニウムヘキサフロロアンチモネート、4−(2,3−ジメチル−4−ベンゾイルフェニルチオ)フェニルビス(4−フロロフェニル)スルホニウムヘキサフロロアンチモネート、4−(2−メチル−4−ベンゾイルフェニルチオ)フェニルビス(4−クロロフェニル)スルホニウムヘキサフロロアンチモネート、4−(3−メチル−4−ベンゾイルフェニルチオ)フェニルビス(4−クロロフェニル)スルホニウムヘキサフロロアンチモネート、4−(2−フロロ−4−ベンゾイルフェニルチオ)フェニルビス(4−クロロフェニル)スルホニウムヘキサフロロアンチモネート、4−(2−メチル−4−ベンゾイルフェニルチオ)フェニルビス(4−クロロフェニル)スルホニウムヘキサフロロアンチモネート、4−(2,3,5,6−テトラメチル−4−ベンゾイルフェニルチオ)フェニルビス(4−クロロフェニル)スルホニウムヘキサフロロアンチモネート、4−(2,6−ジクロロ−4−ベンゾイルフェニルチオ)フェニルビス(4−クロロフェニル)スルホニウムヘキサフロロアンチモネート、4−(2,6−ジメチル−4−ベンゾイルフェニルチオ)フェニルビス(4−クロロフェニル)スルホニウムヘキサフロロアンチモネート、4−(2,3−ジメチル−4−ベンゾイルフェニルチオ)フェニルビス(4−クロロフェニル)スルホニウムヘキサフロロアンチモネート、4−(2−クロロ−4−アセチルフェニルチオ)フェニルジフェニルスルホニウムヘキサフロロアンチモネート、4−(2−クロロ−4−(4−メチルベンゾイル)フェニルチオ)フェニルジフェニルスルホニウムヘキサフロロアンチモネート、4−(2−クロロ−4−(4−フロロベンゾイル)フェニルチオ)フェニルジフェニルスルホニウムヘキサフロロアンチモネート、4−(2−クロロ−4−(4−メトキシベンゾイル)フェニルチオ)フェニルジフェニルスルホニウムヘキサフロロアンチモネート、4−(2−クロロ−4−ドデカノイルフェニルチオ)フェニルジフェニルスルホニウムヘキサフロロアンチモネート、4−(2−クロロ−4−アセチルフェニルチオ)フェニルビス(4−フロロフェニル)スルホニウムヘキサフロロアンチモネート、4−(2−クロロ−4−(4−メチルベンゾイル)フェニルチオ)フェニルビス(4−フロロフェニル)スルホニウムヘキサフロロアンチモネート、4−(2−クロロ−4−(4−フロロベンゾイル)フェニルチオ)フェニルビス(4−フロロフェニル)スルホニウムヘキサフロロアンチモネート、4−(2−クロロ−4−(4−メトキシベンゾイル)フェニルチオ)フェニルビス(4−フロロフェニル)スルホニウムヘキサフロロアンチモネート、4−(2−クロロ−4−ドデカノイルフェニルチオ)フェニルビス(4−フロロフェニル)スルホニウムヘキサフロロアンチモネート、4−(2−クロロ−4−アセチルフェニルチオ)フェニルビス(4−クロロフェニル)スルホニウムヘキサフロロアンチモネート、4−(2−クロロ−4−(4−メチルベンゾイル)フェニルチオ)フェニルビス(4−クロロフェニル)スルホニウムヘキサフロロアンチモネート、4−(2−クロロ−4−(4−フロロベンゾイル)フェニルチオ)フェニルビス(4−クロロフェニル)スルホニウムヘキサフロロアンチモネート、4−(2−クロロ−4−(4−メトキシベンゾイル)フェニルチオ)フェニルビス(4−クロロフェニル)スルホニウムヘキサフロロアンチモネート、4−(2−クロロ−4−ドデカノイルフェニルチオ)フェニルビス(4−クロロフェニル)スルホニウムヘキサフロロアンチモネート、4−(2−クロロ−4−ベンゾイルフェニルチオ)フェニルジフェニルスルホニウムヘキサフロロホスフェート、4−(2−クロロ−4−ベンゾイルフェニルチオ)フェニルビス(4−フロロフェニル)スルホニウムヘキサフロロホスフェート、4−(2−クロロ−4−ベンゾイルフェニルチオ)フェニルビス(4−クロロフェニル)スルホニウムヘキサフロロホスフェートがあげられる。
上記オニウム塩(C)として、下記式(1)で表されるオニウム塩がさらに好ましく用いられる。
上述した式(1)中、X−はPF-6 −またはSbF6 −を表し、R1、R2及びR3は水素、ハロゲン、あるいは酸素、ハロゲン、窒素、硫黄またはフッ素を含んでも良い炭化水素基を表し、R1、R2及びR3は同一でも異なっても良く、R1及びR2の位置も限定されない。
上述した式(1)中、R1、R2及びR3の具体例としては、例えば、水素、ハロゲン、アルキル基、ヒドロキシアルキル基、アルコキシ基、ヒドロキシアルコキシ基、アシル基、置換基を有してもよいフェニル基、置換基を有してもよいフェノキシ基、ポリオキシアルキレン基およびエステル基からなる群から選ばれた基が挙げられ、オニウム塩(C)としてR1、R2及びR3がこれらの基からなる化合物がさらに好ましく用いられる。なお、R1、R2及びR3がこれらの基からなる場合には、R1、R2及びR3は同一でも異なってもよい。
上述した式(1)で表されるオニウム塩(C)の市販品としては、ADEKA社製の商品名「SP−150」、「SP−170」、「SP−152」、「SP−172」が挙げられる。
本発明に係るポジ型感光性組成物は、アルコキシシランの縮合物100重量部に対し、対アニオンがSbF6 −および/又はPF6 −であるオニウム塩(C)を0.2〜15重量部の割合で含むことが好ましい。オニウム塩(C)が0.2重量部未満であると、露光により露光部の感光性組成物が現像液に十分に可溶にならないことがあり、15重量部を超えると、得られたパターン膜において過剰な上記オニウム塩(C)に起因する残渣が生じ易くなる。
対アニオンがSbF6 −および/又はPF6 −であるオニウム塩(C)として、ADEKA社製の商品名「SP−150」、「SP−170」、「SP−152」、「SP−172」が用いられる場合には、これらの商品とは別に、上記アルコキシシランの縮合物(A)を架橋させる物質(B)を配合しなくてもよい。これらの商品は、物質(B)としても作用するためである。もっとも、ポジ型感光性組成物には、これらの商品に加えて、別途上述した熱酸発生剤や熱塩基発生剤などの物質(B)をさらに配合してもよい。
本発明においては、アルコキシシランの縮合物(A)、物質(B)及びオニウム塩(C)に加えて、適宜の溶剤がさらに添加され得る。溶剤を添加することにより、容易に塗布し得るポジ型感光性組成物を提供することができる。
上記溶剤としては、アルコキシシランの縮合物を溶解し得る限り、特に限定されないが、ベンゼン、キシレン、トルエン、エチルベンゼン、スチレン、トリメチルベンゼン、ジエチルベンゼンなどの芳香族炭化水素化合物;シクロヘキサン、シクロヘキセン、ジペンテン、n−ペンタン、イソペンタン、n−ヘキサン、イソヘキサン、n−ヘプタン、イソヘプタン、n−オクタン、イソオクタン、n−ノナン、イソノナン、n−デカン、イソデカン、テトラヒドロナフタレン、スクワランなどの飽和または不飽和炭化水素化合物;ジエチルエーテル、ジ−n−プロピルエーテル、ジ−イソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、エチルプロピルエーテル、ジフェニルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールジブチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジプロピルエーテル、エチレングリコールメチルエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチルシクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、p−メンタン、o−メンタン、m−メンタン;ジプロピルエーテル、ジブチルエーテルなどのエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジエチルケトン、ジプロピルケトン、メチルアミルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、シクロヘプタノンなどのケトン類;酢酸エチル、酢酸メチル、酢酸ブチル、酢酸プロピル、酢酸シクロヘキシル、酢酸メチルセロソルブ、酢酸エチルセロソルブ、酢酸ブチルセロソルブ、乳酸エチル、乳酸プロピル、乳酸ブチル、乳酸イソアミル、ステアリン酸ブチルなどのエステル類などが挙げられる。これらの溶剤は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記溶剤の配合割合は、例えば基板上にポジ型感光性組成物を塗工し、感光性組成物層を形成する際に、均一に塗工されるように適宜選択すればよい。好ましくは、ポジ型感光性組成物の濃度は、固形分濃度で、0.5〜60重量%、より好ましくは、2〜40重量%程度とされる。
本発明に係るポジ型感光性組成物には、必要に応じて、他の添加剤をさらに添加してもよい。このような添加剤としては、充填剤、顔料、染料、レベリング剤、消泡剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、pH調整剤、分散剤、分散助剤、表面改質剤、可塑剤、可塑促進剤、タレ防止剤などが挙げられる。
図1に、本発明に係るポジ型感光性組成物を用いてパターン膜を形成する製造フローを概略図で示す。図1に示すように、本発明に係るパターン膜の製造方法では、基板上に感光性組成物層を形成する工程、感光性組成物層を熱処理する工程、感光性組成物を露光する工程、感光性組成物層を現像する工程が、この順で行われる。
本発明に係るパターン膜の製造方法では、先ず例えば図2(a)に示すように、基板上に本発明に係るポジ型感光性組成物からなる感光性組成物層1を形成する工程が行われる。
上記感光性組成物層を形成する工程は、特に限定されないが、例えば本発明に係るポジ型感光性組成物を図2に示す基板2上に付与し、感光性組成物層1を形成する方法が挙げられる。この場合の具体的な方法としては、一般的な塗工方法を用いることができ、例えば、浸漬塗工、ロール塗工、バー塗工、刷毛塗工、スプレー塗工、スピン塗工、押出塗工、グラビア塗工などを使用することができる。ポジ型感光性組成物が塗工される基板としては、シリコン基板、ガラス基板、金属板、プラスチックス板などが用途に応じて用いられる。感光性組成物層の厚さは、用途によって異なるが、10nm〜10μmが目安となる。
次に、図2(b)に示すように、基板2上に形成された感光性樹脂組成物層1を熱処理し、物質(B)の作用によりアルコキシシランの縮合物(A)を架橋させて感光性組成物層を硬化し、感光性組成物層を現像液に不溶にする工程が行われる。
感光性組成物層は、選択的に露光される前に熱処理される。アルコキシシランの縮合物(A)を溶解させるために溶剤を用いた場合には、溶剤を乾燥する工程を熱処理する工程とすることができる。
感光性組成物層1を熱処理することにより、アルコキシシランの縮合物(A)が架橋して硬化した感光性組成物層3が得られる。感光性組成物は熱が与えられるとアルコキシシランの縮合物(A)を架橋させる物質(B)を含むので、物質(B)の作用によりアルコキシシランの縮合物(A)の架橋が進行する。アルコキシシランの縮合物(A)が架橋して硬化した感光性組成物層3は、現像液に不溶になる。
熱処理する条件としては、使用する上記アルコキシシランの縮合物(A)および物質(B)の種類に応じて適宜選択され得るが、好ましくは、100〜300℃の範囲で、30秒〜15分間熱処理することが好ましい。
感光性組成物層を熱処理した後に、図2(c)に示すように、形成するパターンに応じて硬化した感光性組成物層3を選択的に露光することにより、露光部の感光性組成物層を現像液に可溶にする工程が行われる。
例えばフォトマスク5等を用いて、感光性組成物層3を露光することにより、露光された感光性組成物層4は現像液に可溶になる。他方、未露光部の感光性組成物層3は、現像液に不溶のままである。感光性組成物がオニウム塩(C)を含むので、露光された感光性組成物層4は、現像液に可溶になる。フォトマスクとしては、市販されている一般的なものを用いればよい。
紫外線や可視光線などの光を照射するための光源としては、特に限定されないが、超高圧水銀灯、Deep UV ランプ、高圧水銀灯、低圧水銀灯、メタルハライドランプ、エキシマレーザーなどを使用することができる。これらの光源は、ポジ型感光性組成物の構成成分の感光波長に応じて適宜選択される。光の照射エネルギーは、所望とする膜厚やポジ型感光性組成物の構成成分にもよるが、一般に、10〜3000mJ/cm2の範囲である。10mJ/cm2よりも小さいと、露光された感光性組成物層が現像液に十分に可溶にならないことがあり、3000mJ/cm2より大きいと露光時間が長すぎることがあり、パターン膜の時間あたりの製造効率が低下するおそれがある。
感光性組成物層を熱処理し、かつ露光した後に、図2(d)に示すように、感光性組成物層4を現像液で現像し、露光部の感光性組成物層4を除去することにより、パターン膜3Aを得る工程が行われる。
感光性組成物層を熱処理し、かつ露光した後に、感光性組成物層を現像液で現像することにより、露光部の感光性組成物層が現像液に溶解して除去され、未露光部の感光性組成物層が基板上に残る。その結果、パターン膜が得られる。このパターンは、露光部の感光性組成物層が除去されることから、ポジ型パターンといわれるものである。
ここで、現像とは、アルカリ水溶液等の現像液に、露光部の感光性組成物層4や未露光部の感光性組成物層3を浸漬する操作の他、該感光性組成物層3、4の表面を現像液で洗い流す操作、あるいは現像液を上記感光性組成物層3、4の表面に噴射する操作など、現像液で感光性組成物層3,4を処理する様々な操作を含むものとする。
なお、現像液とは、感光性組成物層を熱処理し、かつ露光した後に、露光部の感光性組成物を溶解する液である。未露光部の感光性組成物は硬化しているため、現像液に溶解しない。現像液としては、アルカリ水溶液に限らず、酸性水溶液や各種溶媒を用いてもよい。溶媒としては、前述した各種溶剤が挙げられる。酸性水溶液としては、シュウ酸、ギ酸、酢酸等が挙げられる。
現像液としては、防爆設備が不要であり、腐蝕等による設備負担も少ないので、アルカリ水溶液が好ましく用いられる。例えば、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液、珪酸ナトリウム水溶液、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液などのアルカリ水溶液が挙げられる。現像に要する時間は、感光性組成物層の厚みや溶剤の種類にもよるが、効率良く現像でき製造効率が高められるため、10秒〜5分の範囲が好ましい。現像後にパターン膜を蒸留水で洗浄し、膜上に残存しているアルカリ水溶液等の現像液を除去することが好ましい。
なお、本発明に係るポジ型感光性組成物は、様々な装置において、パターン膜を形成するのに好適に用いられるが、電子機器の絶縁保護膜に上記ポジ型感光性組成物が好適に用いられる。電子機器の絶縁保護膜として、上記ポジ型感光性組成物を用いて構成されたパターン膜を用いることにより、得られた絶縁保護膜の形状安定性を効果的に高めることができる。このような電子機器の絶縁保護膜の例としては、例えば、液晶表示素子において、薄膜トランジスタ(TFT)を保護するためのTFT保護膜や、カラーフィルタにおいてフィルタを保護する保護膜などが挙げられる。
また、本発明に係るポジ型感光性組成物は、半導体素子の層間絶縁膜、あるいはパッシベーション膜を構成するのにより好適に用いられる。
図2は、本発明に係るポジ型感光性組成物からなるパッシベーション膜および層間絶縁膜を備える半導体素子を模式的に示す正面断面図である。
図2に示す半導体素子11では、基板12の上表面の中央にゲート電極13が設けられている。ゲート電極13を覆うように、基板12の上表面にゲート絶縁膜14が形成されている。ゲート絶縁膜14上に、ソース電極15とドレイン電極16とが設けられている。ソース電極15の一部及びドレイン電極16の一部を覆うように、ゲート絶縁膜14上に半導体層17が形成されている。さらに、ソース電極15及びドレイン電極16の半導体層17により覆われていない部分と半導体層17とを覆うように、パッシベーション膜18が形成されている。半導体素子11では、上記ゲート絶縁膜14及びパッシベーション膜18が、本発明に係るポジ型感光性組成物を用いて形成された膜である。
ポジ型感光性組成物を用いて形成された膜は、様々な用途に用いられる。ここで、「ポジ型感光性組成物を用いて形成された膜」とは、熱や光などのエネルギーを感光性組成物に与えて架橋構造を導入して得られた膜であることを意味する。
本発明に係るポジ型感光性組成物は、例えば、有機EL素子のTFT保護膜、ICチップの層間保護膜、センサの絶縁層などの様々な電子機器用絶縁保護膜としても広く用いられ得る。
以下、本発明の実施例及び比較例を挙げることにより、本発明を明らかにする。なお、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(使用した材料)
〔アルコキシシランの縮合物(A)〕
冷却管をつけた100mlのフラスコにフェニルトリエトキシシラン5g、トリエトキシシラン10g、シュウ酸0.5g、水5ml及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート50mlを加えた。半円形型のメカニカルスターラーを用いて溶液を撹拌し、マントルヒーターで70℃・6時間反応させた。次いでエバポレーターを用いて水との縮合反応で生成したエタノールと残留水とを除去した。反応終了後、フラスコを室温になるまで放置し、アルコキシシランの縮合物(A)を調製した。
〔アルコキシシランの縮合物(A)〕
冷却管をつけた100mlのフラスコにフェニルトリエトキシシラン5g、トリエトキシシラン10g、シュウ酸0.5g、水5ml及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート50mlを加えた。半円形型のメカニカルスターラーを用いて溶液を撹拌し、マントルヒーターで70℃・6時間反応させた。次いでエバポレーターを用いて水との縮合反応で生成したエタノールと残留水とを除去した。反応終了後、フラスコを室温になるまで放置し、アルコキシシランの縮合物(A)を調製した。
得られたアルコキシシランの縮合物(A)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーを用いて測定されたポリスチレン換算重量平均分子量Mwが1200であり、ポリスチレン換算重量平均分子量Mwとポリスチレン換算数平均分子量Mnとの比Mw/Mnが1.5であった。これにより、アルコキシシランの縮合物(A)が得られていることを確認した。
〔物質(B)及びオニウム塩(C)〕
SP−170(ADEKA社製、上述した式(1)で表されるオニウム塩(C)と、熱が与えられるとアルコキシシランの縮合物を架橋させる物質(B)とを含む)
SP−172(ADEKA社製、上述した式(1)で表されるオニウム塩(C)と、熱が与えられるとアルコキシシランの縮合物を架橋させる物質(B)とを含む)
SP−152(ADEKA社製、上述した式(1)で表されるオニウム塩(C)と、熱が与えられるとアルコキシシランの縮合物を架橋させる物質(B)とを含む)
TPS−103(ミドリ化学社製、上述した式(1)で表されるオニウム塩(C)と、熱が与えられるとアルコキシシランの縮合物を架橋させる物質(B)とを含む)
TPS−102(ミドリ化学社製、上述した式(1)で表されるオニウム塩(C)と、熱が与えられるとアルコキシシランの縮合物を架橋させる物質(B)とを含む)
シクロヘキシル−p−トルエンスルホネート(熱酸発生剤、熱が与えられるとアルコキシシランの縮合物を架橋させる物質(B))
SP−170(ADEKA社製、上述した式(1)で表されるオニウム塩(C)と、熱が与えられるとアルコキシシランの縮合物を架橋させる物質(B)とを含む)
SP−172(ADEKA社製、上述した式(1)で表されるオニウム塩(C)と、熱が与えられるとアルコキシシランの縮合物を架橋させる物質(B)とを含む)
SP−152(ADEKA社製、上述した式(1)で表されるオニウム塩(C)と、熱が与えられるとアルコキシシランの縮合物を架橋させる物質(B)とを含む)
TPS−103(ミドリ化学社製、上述した式(1)で表されるオニウム塩(C)と、熱が与えられるとアルコキシシランの縮合物を架橋させる物質(B)とを含む)
TPS−102(ミドリ化学社製、上述した式(1)で表されるオニウム塩(C)と、熱が与えられるとアルコキシシランの縮合物を架橋させる物質(B)とを含む)
シクロヘキシル−p−トルエンスルホネート(熱酸発生剤、熱が与えられるとアルコキシシランの縮合物を架橋させる物質(B))
〔光酸発生剤〕
NAI−106(ミドリ化学社製、スルホニウム塩系光酸発生剤:ナフタルイミド カンファスルホン酸塩、CAS No.83697−56−7)
NAI−106(ミドリ化学社製、スルホニウム塩系光酸発生剤:ナフタルイミド カンファスルホン酸塩、CAS No.83697−56−7)
(実施例)
(1)ポジ型感光性組成物の調製
上記アルコキシシランの縮合物(A)と、SP−170、SP−172またはSP−152と、シクロヘキシル−p−トルエンスルホネートとを下記表1に示す配合割合で混合した後、溶剤であるテトラヒドロフラン500重量部に溶解させ、ポジ型感光性組成物を調製した。
(1)ポジ型感光性組成物の調製
上記アルコキシシランの縮合物(A)と、SP−170、SP−172またはSP−152と、シクロヘキシル−p−トルエンスルホネートとを下記表1に示す配合割合で混合した後、溶剤であるテトラヒドロフラン500重量部に溶解させ、ポジ型感光性組成物を調製した。
(2)パターン膜の形成
基板として、表層にアルミニウムが蒸着されたガラス基板を用い、このガラス基板上に各感光性組成物を回転数1500rpmでスピン塗工した。塗工後、120℃の熱風オーブンで5分間乾燥させ塗膜を形成した。
基板として、表層にアルミニウムが蒸着されたガラス基板を用い、このガラス基板上に各感光性組成物を回転数1500rpmでスピン塗工した。塗工後、120℃の熱風オーブンで5分間乾燥させ塗膜を形成した。
熱処理(乾燥)後の塗膜は、露光前には現像液に不溶であった。
次に、所定のパターンを有するフォトマスクを介して、紫外線照射装置(ウシオ電機社製、スポットキュアSP−5)を用い、塗膜に365nmの波長の紫外線を、照射エネルギーが1000mJ/cm2となるように100mW/cm2の紫外線照度で10秒間照射した。
その後、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドの2.38%水溶液に塗膜を浸漬して現像し、露光部の感光性組成物を除去し、残存した未露光部の感光組成物からなるパターン膜を形成した。しかる後、パターン膜を蒸留水で洗浄し、パターン膜上に残存しているアルカリ水溶液を除去した。
(比較例)
(1)ネガ型感光性組成物の調製
上記アルコキシシランの縮合物(A)と、NAI−106とを下記表1に示す配合割合で混合した後、溶剤であるテトラヒドロフラン500重量部に溶解させ、ネガ型感光性組成物を調製した。
(1)ネガ型感光性組成物の調製
上記アルコキシシランの縮合物(A)と、NAI−106とを下記表1に示す配合割合で混合した後、溶剤であるテトラヒドロフラン500重量部に溶解させ、ネガ型感光性組成物を調製した。
(2)パターン膜の形成
基板として、表層にアルミニウムが蒸着されたガラス基板を用い、このガラス基板上に各感光性組成物を回転数1500rpmでスピン塗工した。塗工後、120℃の熱風オーブンで5分間乾燥させ塗膜を形成した。
基板として、表層にアルミニウムが蒸着されたガラス基板を用い、このガラス基板上に各感光性組成物を回転数1500rpmでスピン塗工した。塗工後、120℃の熱風オーブンで5分間乾燥させ塗膜を形成した。
熱処理(乾燥)後の塗膜は、露光前には現像液に可溶であった。
次に、所定のパターンを有するフォトマスクを介して、紫外線照射装置(ウシオ電機社製、スポットキュアSP−5)を用い、塗膜に365nmの波長の紫外線を、照射エネルギーが1000mJ/cm2となるように100mW/cm2の紫外線照度で10秒間照射した。
紫外線を照射した後、100℃で2分間PEB(Post Exposure Baking)処理した。その後、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドの2.38%水溶液に塗膜を浸漬して現像し、未露光部の感光性組成物を除去し、残存した露光部の感光組成物からなるパターン膜を形成した。しかる後、パターン膜を蒸留水で洗浄し、パターン膜上に残存しているアルカリ水溶液を除去した。
(実施例及び比較例の評価)
得られたパターン膜のパターニングの状態を下記評価基準で評価した。
得られたパターン膜のパターニングの状態を下記評価基準で評価した。
〔パターニング状態の評価基準〕
○:良好なパターンを形成
△:部分的にしかパターンが形成されず
×:パターンが形成されず
結果を下記表1に示す。
○:良好なパターンを形成
△:部分的にしかパターンが形成されず
×:パターンが形成されず
結果を下記表1に示す。
実施例のポジ型感光性組成物を用いたパターン膜の形成では、露光前の比較的低い温度で塗膜を乾燥する工程でアルコキシシランの縮合物(A)を架橋させることができ、露光した後にPEB処理する必要がなく、工程を簡略化できた。他方、比較例のネガ型感光性組成物を用いたパターン膜の形成では、膜を乾燥し、露光した後に、アルコキシシランの縮合物(A)を架橋させるためにPEB処理をする必要があり、パターン膜の製造効率が悪かった。
1…感光性組成物層
2…基板
3…感光性組成物層
3A…パターン膜
4…感光性組成物層
5…フォトマスク
11…半導体素子
12…基板
13…ゲート電極
14…ゲート絶縁膜
15…ソース電極
16…ドレイン電極
17…半導体層
18…パッシベーション膜
2…基板
3…感光性組成物層
3A…パターン膜
4…感光性組成物層
5…フォトマスク
11…半導体素子
12…基板
13…ゲート電極
14…ゲート絶縁膜
15…ソース電極
16…ドレイン電極
17…半導体層
18…パッシベーション膜
Claims (5)
- アルコキシシランの縮合物(A)と、熱が与えられると前記アルコキシシランの縮合物(A)を架橋させて感光性組成物を硬化し、感光性組成物を現像液に不溶にする物質(B)と、対アニオンがSbF6 −および/又はPF6 −であるオニウム塩(C)とを含有することを特徴とする、ポジ型感光性組成物。
- 前記オニウム塩(C)が、対アニオンがSbF6 −および/又はPF6 −であるスルホニウム塩、対アニオンがSbF6 −および/又はPF6 −であるヨードニウム塩、対アニオンがSbF6 −および/又はPF6 −であるホスホニウム塩及び対アニオンがSbF6 −および/又はPF6 −であるジアゾニウム塩から選ばれた少なくとも1種である、請求項1に記載のポジ型感光性組成物。
- 前記オニウム塩(C)が、対アニオンがSbF6 −および/又はPF6 −であるスルホニウム塩である、請求項1または2に記載のポジ型感光性組成物。
- 基板上に、請求項1〜3のいずれか1項に記載のポジ型感光性組成物からなる感光性組成物層を形成する工程と、
前記感光性組成物層を熱処理し、前記物質(B)の作用により前記アルコキシシランの縮合物(A)を架橋させて前記感光性組成物層を硬化し、前記感光性組成物層を現像液に不溶にする工程と、
前記感光性組成物層を熱処理した後に、形成するパターンに応じて、硬化した前記感光性組成物層を選択的に露光することにより、露光部の前記感光性組成物層を現像液に可溶にする工程と、
前記感光性組成物層を熱処理し、かつ露光した後に、前記感光性組成物層を現像液で現像し、露光部の感光性組成物層を除去することにより、パターン膜を得る工程とを備えることを特徴とする、パターン膜の製造方法。 - ゲート絶縁膜、パッシベーション膜及び層間絶縁膜からなる群から選択された少なくとも1種の膜を備え、該膜が請求項1〜3のいずれか1項に記載のポジ型感光性組成物を用いて形成された膜であることを特徴とする、半導体素子。
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---|---|---|---|
JP2006185921A JP2008015184A (ja) | 2006-07-05 | 2006-07-05 | ポジ型感光性組成物、パターン膜の製造方法及び半導体素子 |
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JP (1) | JP2008015184A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2016051809A1 (ja) * | 2014-10-02 | 2016-04-07 | 日立化成デュポンマイクロシステムズ株式会社 | ポジ型感光性樹脂組成物、パターン硬化膜の製造方法、硬化物、層間絶縁膜、カバーコート層、表面保護膜及び電子部品 |
WO2016121035A1 (ja) * | 2015-01-28 | 2016-08-04 | 日立化成デュポンマイクロシステムズ株式会社 | ポジ型感光性樹脂組成物、パターン硬化膜の製造方法、層間絶縁膜、カバーコート層、表面保護膜及び電子部品 |
CN105895661A (zh) * | 2015-02-17 | 2016-08-24 | 富士胶片株式会社 | 薄膜晶体管基板的制造方法及其应用 |
-
2006
- 2006-07-05 JP JP2006185921A patent/JP2008015184A/ja active Pending
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CN105895661A (zh) * | 2015-02-17 | 2016-08-24 | 富士胶片株式会社 | 薄膜晶体管基板的制造方法及其应用 |
CN105895661B (zh) * | 2015-02-17 | 2019-03-01 | 富士胶片株式会社 | 薄膜晶体管基板的制造方法及其应用 |
TWI710839B (zh) * | 2015-02-17 | 2020-11-21 | 日商富士軟片股份有限公司 | 薄膜電晶體基板的製造方法、有機電致發光顯示裝置及其製法、液晶顯示裝置及其製法 |
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