JP6522962B2 - ヒータ制御装置及び画像形成装置 - Google Patents
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Description
また、ヒータへ印加する電力を可変しようとした場合に、位相制御又は波数制御を行う必要が生じるが、前者の場合に急峻な電流立ち上がりにより伝導ノイズが悪化し、後者の場合はフリッカが生じるという問題があった。
さらに、従来の画像形成装置の電源は、DC電源は安定化電源であってもヒータへ印加される交流電源は安定化電源ではないという問題を有していた。
(構成の説明)
図1は、実施の形態1に係る画像形成装置100を概略的に示す構成図である。
図1には、カラーの画像形成装置100を示したが、モノクロであってもよい。
画像形成装置100は、トナーカートリッジ101K、101Y、101M、101C(以下、特に各々を区別する必要がない場合には、トナーカートリッジ101という)と、LEDヘッド102K、102Y、102M、102C(以下、特に各々を区別する必要がない場合には、LEDヘッド102という)と、現像ユニット110K、110Y、110M、110C(以下、特に各々を区別する必要がない場合には、現像ユニット110という)と、転写ローラ103K、103Y、103M、103C(以下、特に各々を区別する必要がない場合には、転写ローラ103という)と、用紙カセット104と、ホッピングローラ105と、レジストローラ106A、106B(以下、特に各々を区別する必要がない場合には、レジストローラ106という)と、用紙検出センサ107と、転写ベルト108と、駆動ローラ120と、従動ローラ121と、転写ベルトクリーニングブレード122と、クリーナー容器123と、定着器130と、用紙ガイド124と、排紙トレー125とを備える。
なお、図1の括弧内の符号は、実施の形態2における構成を示す。
現像ユニット110の各々は、感光体ドラム111と、帯電ローラ112と、供給ローラ113と、現像ローラ114と、現像ブレード115と、クリーニングブレード116とを備える。
感光体ドラム111は、帯電ローラ112によって一様に帯電される。
帯電された感光体ドラム111は、LEDヘッド102の発光によって潜像を形成される。
現像ユニット110に着脱自在にされているトナーカートリッジ101には、現像剤としてのトナーが収容されている。トナーカートリッジ101に収容されているトナーは、供給ローラ113によって現像ローラ114に供給される。現像ローラ114に供給されたトナーは、現像ブレード115により一様のトナー層に形成される。現像ローラ114のトナーは、感光体ドラム111に形成された潜像に付着され、感光体ドラム111の表面には、トナー像が形成される。
クリーニングブレード116は、感光体ドラム111に残ったトナーをクリーニングする。
ホッピングローラ105は、用紙PAを用紙カセット104から搬送する。
レジストローラ106は、転写ベルト108に用紙PAを適切なタイミングで搬送する。
用紙検出センサ107は、接触又は非接触で用紙の通過を検知する。
駆動ローラ120は、モータの駆動によって転写ベルト108を動かして、転写ベルト108上の用紙PAを搬送する。
転写ローラ103は、転写ベルト108の裏側から転写ニップにバイアスを印加することで、感光体ドラム111に形成されているトナー像を用紙PAに転写する。
転写ベルトクリーニングブレード122は、転写ベルト108上のトナーを掻き落とせるようになっていて、クリーナー容器123には掻き落とされたトナーが収容される。
定着器130は、用紙PAに転写されたトナー像を、熱と加圧によって定着する。
用紙ガイド124は、用紙PAを排紙トレー125にフェースダウンで排出する。
画像形成装置100の制御系は、ホストインタフェース部140と、コマンド画像処理部141と、LEDヘッドインタフェース部142と、主制御部としてのプリンタエンジン制御部143とを備える。なお、括弧内の符号は、実施の形態2における構成を示す。
ホストインタフェース部140は、コマンド画像処理部141にデータを送受信する。
コマンド画像処理部141は、LEDヘッドインタフェース部142に画像データを出力する。
プリンタエンジン制御部143は、高圧発生部150に信号を送り、高圧を発生させ、現像ユニット110及び転写ローラ103にバイアスを印加する。用紙検出センサ107は、転写バイアスの発生タイミングを調整するために用いられる。
プリンタエンジン制御部143は、ホッピングモータ151、レジストモータ152、ベルトモータ153、定着器ヒータモータ154及びドラムモータ155を所定のタイミングで駆動する。また、LCD表示部156は、プリンタエンジン制御部143により制御される表示部である。
定着器130は、電源装置としての低圧電源160から電力の供給を受ける。また、定着器130の温度は、サーミスタ131の検出値に応じて、プリンタエンジン制御部143によって制御される。
定着器130は、サーミスタ131と、ヒータ132と、過昇温防止部133と、データ保持部134とを備える。
本実施の形態では、ヒータ132として、ハロゲンヒータが使用されるが、例えば、セラミックヒータ等の他のヒータであってもよい。
ここで、ハロゲンヒータは、定格電圧印加時の消費電力にプラスマイナスの誤差を有しているため、装置を設計する場合にプラス誤差があっても消費電力が制限値に収まるように設計しなければならない。このような場合、マイナスの誤差を有するハロゲンヒータが組み合わされた場合に温度上昇が遅くなってしまうという問題がある。また、そのような問題は、電源電圧変動にも依存してしまう。
過昇温防止部133は、ヒータ132の温度を調節するための温度調節部である。過昇温防止部133は、ヒータ132の温度予め定められた閾値を超えた場合に、機械的にヒータ132への通電を遮断する。例えば、過昇温防止部133は、サーモスタットにより実現することができる。
データ保持部134は、ヒータ132の抵抗値のバラツキを示す属性値を記憶する記憶部である。この属性値は、ヒータ132の抵抗値が大きいほど、大きな値となる。具体的には、属性値は、ヒータ132の抵抗値を予め定められた基準値で除算した値に比例する。この基準値は、ヒータ132に定格電圧を印加した際に、予め定められた消費電力となる抵抗値である。例えば、データ保持部134は、RFID(Radio Frequency IDentifier)等の無線通信タグ又は不揮発性メモリ等の記憶装置で実現することができる。
低圧電源160は、力率改善回路161と、DC−ACインバータ162と、DC−DCコンバータ166とを備える。
DC−ACインバータ162は、スイッチング部163と、インバータ制御部164とを備える。DC−ACインバータ162で変換された所望の交流電圧がヒータ132に印加される。
本実施の形態におけるDC−ACインバータ162は、ヒータ132の抵抗値に応じて、生成する交流電圧を補正することで、ヒータ132の消費電力を一定にする。
ここで、低圧電源160、プリンタエンジン制御部143及びヒータ132によりヒータ制御装置が構成される。
符号501は、ヒューズを示す。符号502は、コモンモードチョークコイルを示す。符号503及び符号504は、ダイオードを示す。符号505、符号506、符号507及び符号508は、抵抗を示す。符号509は、コンデンサを示す。符号510は、ブリッジダイオードを示す。符号511は、PFC制御IC(Integrated Circuit)を示す。符号512は、DC15Vの電源入力部を示す。符号513は、DC390Vの電源出力部を示す。符号514及び符号515は、抵抗を示す。符号516は、NPNトランジスタを示す。符号517は、PNPトランジスタを示す。符号518及び符号519は、抵抗を示す。符号520は、IGBT(絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)を示す。符号521は、ダイオードを示す。ダイオード521は、IGBT520に内蔵されてもよい。符号522は、電流検出抵抗を示す。符号523は、インダクタを示す。符号524は、ダイオードを示す。符号525及び符号526は、抵抗を示す。符号527は、NPNトランジスタを示す。符号528は、PNPトランジスタを示す。符号529及び符号530は、抵抗を示す。符号531は、IGBTを示す。符号532は、電流検出抵抗を示す。符号533は、ダイオードを示す。ダイオード533は、IGBT531に内蔵されてもよい。符号534は、インダクタを示す。符号535は、ダイオードを示す。符号536は、電解コンデンサを示す。符号537、符号538、符号539及び符号540は、抵抗を示す。符号541及び符号542は、抵抗及びトランジスタで構成されるゲートドライブ回路ブロックを示す。
この電源入力部512は、トランスで1次と2次との間が絶縁されているDC−DCコンバータである。電源入力部512は、DC−DCコンバータ166の出力であるDC24Vを、絶縁されたDC15Vに変換する。DC−ACインバータ162にも同構成の電源入力部が使用される。
符号601は、抵抗を示す。符号602は、NPNトランジスタを示す。符号603は、抵抗を示す。符号604は、コンデンサを示す。符号605及び符号606は、ダイオードを示す。符号607は、電解コンデンサを示す。符号608は、ダイオードを示す。符号609は、トランスを示す。符号610は、フォトカプラを示す。符号611は、ダイオードを示す。符号612は、電解コンデンサを示す。符号613は、抵抗を示す。符号614は、シャントレギュレータを示す。符号615は、コンデンサを示す。符号616及び符号617は、抵抗を示す。符号618は、DC15Vの出力部を示す。符号619は、DC24Vの入力部を示す。
DC−ACインバータ162は、後述するインバータ制御部164から出力されるPWM(Pulse Width Modulation)信号によってスイッチングタイミングが制御される。
カレントトランス751、抵抗752、754、755、ダイオード753及びコンデンサ756は、スイッチング部163の電流を検出するための電流検出部を構成する。
そして、DC−ACインバータ162の先には、過昇温防止部133及びヒータ132が接続されている。
インバータ制御部164は、マイコン、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field−Programmable Gate Array)等の集積回路IC801により構成される。
符号802は、プリンタエンジン制御部143との通信インタフェースを示す。
符号803、符号804、符号805及び符号806は、PWM出力端子を示す。
符号807は、ADC_A入力端子を示す。
図1に示されている画像形成装置100は、不図示の外部機器から、図2に示されているホストインタフェース部140を介して、PDL(Page Description Language)等で記述された印刷データの入力を受ける。入力された印刷データは、コマンド画像処理部141によってビットマップデータに変換される。
画像形成装置100は、サーミスタ131の検知値に応じて、ヒータ132を制御することで、定着器130の不図示の熱定着ローラを予め定められた温度にした後、印字動作を開始する。
ホッピングローラ105は、用紙カセット104にセットされた用紙PAを給紙する。以降説明する画像形成動作に同期したタイミングで、レジストローラ106は、用紙PAを転写ベルト108上に搬送する。現像ユニット110は、電子写真プロセスにより感光体ドラム111にトナー像を形成する。この時、ビットマップデータに応じてLEDヘッド102が点灯される。現像ユニット110によって現像されたトナー像は転写ベルト108上を搬送される用紙PAに、転写ローラ103に印加されたバイアスによって転写される。用紙PAは、4色のトナー像が転写された後、定着器130によって定着され排紙される。
現像ユニット110に着脱可能にされているトナーカートリッジ101は、内部のトナーを現像ユニット110に供給する。
プリンタエンジン制御部143は、低圧電源160を制御することで、定着器130に送る電力を制御する。
低圧電源160は、商用電源CPから電力の供給を受け、力率改善回路161により半波整流された交流電圧をスイッチングして昇圧する。昇圧された電圧は、DC390Vの出力で、次段のDC−ACインバータ162及びDC−DCコンバータ166に供給される。本実施の形態では、公知であるので詳述しないが、DC−DCコンバータ166は、DC390Vの直流電圧をスイッチングし、1次―2次間が絶縁されたトランスを用いて降圧されたDC24VとDC5Vを出力する。
PFC制御IC511は、各種入力に応じて、IGBT520、531をスイッチングして出力を制御する。商用電源CPから入力されたAC電圧は、コモンモードチョークコイル502を通り、ブリッジダイオード510により半波整流される。ダイオード503、504は、ブリッジダイオード510の半分と組み合わせて、同様に半波整流を行う。ダイオード503、504により半波整流された電圧は、抵抗507及び抵抗508により分圧され、さらにコンデンサ509により整流に平滑化され、PFC制御IC511の開始電圧入力端子に入力される。この分圧値は、PFC制御IC511の回路内部で基準電圧と比較される。分圧値が基準電圧を超えると、PFC制御IC511は、制御を開始する。ここで、力率改善回路161は、ユニバーサル入力に対応するため、開始電力入力端子は、充分に低い電圧に対応しているものとする。抵抗505及び抵抗506で分圧された電圧は、AC入力電圧端子に入力され、PFC制御IC511のスイッチングを制御するための信号となる。PFC制御IC511及びゲートドライブ回路541、542へ供給する電源は、15Vの電源入力部512から入力される。15Vの電源入力部512についての詳細は後述するが、0Vの入力側がFG(Frame Ground)と分離された絶縁電源である。PFC制御IC511は、GD1端子及びGD2端子からゲートドライブ信号を出力する。ゲートドライブ回路541、542は、力率が1に近くなるように制御される。PFC制御IC511は、多くの半導体メーカーより供給され、公知であるので詳細は割愛する。
スイッチング部163は、インバータ制御部164から信号を入力され各IGBT707、717、727、737をスイッチングすることにより、DC390Vをスイッチングして交流の出力を得る。
IGBT707、717、727、737は、Si FET(Silicon FET)、SiC FET(Silicon Carbide FET)、GaN FET(Gallium nitride FET)等のデバイスも使用可能である。
スイッチングにおいては、IGBT707及びIGBT717、並びに、IGBT727及びIGBT737のハイサイドとローサイドの対で両方同時オンによる貫通電流が流れないように、各上下対では略反転した信号が入力される。さらに、純粋な反転信号である場合に、オフ時間の遅延により同時オンとなる時間が生じてしまうことを防止するため、上下対両方オフする時間としてのデッドタイムが設けられる。
プリンタエンジン制御部143から送信される信号に従って、PWM出力端子803は、PWM_A信号を出力し、PWM出力端子804は、PWM_B信号を出力し、PWM出力端子805は、PWM_C信号を出力し、PWM出力端子806は、PWM_D信号を出力する。本実施の形態では、プリンタエンジン制御部143からは、ヒータ132への電圧の印加をオン又はオフする指示を示す信号が出力される。インバータ制御部164は、プリンタエンジン制御部143から送信される信号に従って、PWM_A信号、PWM_B信号、PWM_C信号又はPWM_D信号の波形を特定して、対応するPWM出力端子から出力する。本実施の形態では、インバータ側にインバータ制御部164を設けたがプリンタエンジン制御部143の大規模集積回路から直接PWM信号が出力される等の構成であってもよい。
インバータ制御部164は、データ保持部134からヒータ132の抵抗値のバラツキを示す属性値を、電源投入時、カバー開閉時等の予め定められた時に読み出す。
属性値は、例えば、ヒータ132の抵抗値のバラツキが±10%であれば、それを示す値であり、例えば、0.9〜1.1等の値となる。即ち、ここでは、ヒータ132の抵抗値をヒータ132の抵抗値の基準値で除算した値が、属性値となる。従って、属性値は、ヒータ132の抵抗値が大きいほど大きな値となる。実施の形態1では、インバータ制御部164は、その属性値をインバータ出力のPWMデューティ比に直接乗算するか、予め実験により求めた係数をさらに乗算する等して補正する。従って、属性値が大きいほど、DC−ACインバータ162から出力される電圧は高くなる。
図9(A)又は(B)に示されているように、IGBTフルブリッジの片側2カ所のブリッジに対しては、PWM_C信号又はPWM_D信号のように、出力正弦波周期のPWM波形が、上下対に対して反転した波形が入力される。
図9(C)又は(D)に示されているように、もう片方に対しては、正弦波が出力されるようにデューティ比を出力正弦波位相に応じて変化させる波形が入力される。
インバータ制御部164は、三角関数をリアルタイムで演算することで、PWMデューティ比を算出してもよく、予め決められたデューティ比を格納したテーブルを図示しないメモリ等に保持してもよい。インバータ波形出力に関しては公知であるので詳細は割愛する。
図10(A)〜(D)に示された波形は、図9(A)〜(D)の左半分に対応する。
図10(A)及び(B)は、PWM_A信号の波形と、そのような波形が出力された場合におけるDC−ACインバータ162の出力正弦波の波形を示してある。PWM_B信号は、PWM_A信号の波形の反転波形にデッドタイムを加えたものとなる。
そして、カレントトランス751に流れた電流に応じてADC_A入力端子807の入力電圧が変化し、ADC_A入力端子807の入力電圧が、予め定められた閾値を超えた場合に、インバータ制御部164は、図10(D)に示すように、PWM_A信号のパルス幅に制限を掛ける。即ち、PWM_A信号のパルス幅がそれ以上大きくならないようにする。それにより、図10(C)に示すように、DC−ACインバータ162からの出力波形は、ピークがフラットとなった台形状となる。
まず、インバータ制御部164は、PWM信号のデューティ比のリミット値「L1」に初期値を設定する(S10)。実施の形態1では、力率改善回路161から出力される電圧はDC390Vであるため、デューティ比が「1」になってしまうと、DC−ACインバータ162から出力される電圧も定格である200Vを越えてしまう。このため、インバータ制御部164は、定格の電圧を出力する場合の最大デューティ比を初期値として設定する。
そして、インバータ制御部164は、取得されたデューティ比「Va」がリミット値「L1」よりも大きいか否かを判断する(S12)。取得されたデューティ比「Va」がリミット値「L1」よりも大きい場合には、処理はステップS13に進み、取得されたデューティ比「Va」がリミット値以下の場合には、取得されたデューティ比を現設定のデューティ比として、処理はステップS14に進む。
ステップS14では、インバータ制御部164は、現設定のデューティ比に基づいて、PWM信号を出力する。この場合、現設定のデューティ比は、ヒータ132の属性値に基づいて補正される。
そして、インバータ制御部164は、ADC_A入力端子807の入力電圧が予め定められた閾値よりも大きいか否かを判断する(S16)。ADC_A入力端子807の入力電圧が予め定められた閾値よりも大きい場合(S16でYes)には、処理はステップS17に進み、ADC_A入力端子807の入力電圧が予め定められた閾値以下の場合(S16でNo)には、処理はステップS11に戻る。
図12(A)〜(D)に示された波形は、図9(A)〜(D)の右半分に対応する。
図12(A)及び(B)は、PWM_A信号の波形と、そのような波形が出力された場合におけるDC−ACインバータ162の出力正弦波の波形を示してある。PWM_B信号は、PWM_A信号の波形の反転波形にデッドタイムを加えたものとなる。
そして、カレントトランス751に流れた電流に応じてADC_A入力端子807の入力電圧が変化し、ADC_A入力端子807の入力電圧が、予め定められた閾値を超えた場合に、インバータ制御部164は、図12(D)に示すように、PWM_A信号のパルス幅に制限を掛ける。それにより、図12(C)に示すように、DC−ACインバータ162からの出力波形は、ピークがフラットとなった台形状となる。
まず、インバータ制御部164は、PWM信号のデューティ比のリミット値「L2」に初期値を設定する(S20)。実施の形態1では、力率改善回路161から出力される電圧はDC390Vであるため、デューティ比が「1」になってしまうと、DC−ACインバータ162から出力される電圧も定格である200Vを越えてしまう。このため、インバータ制御部164は、定格の電圧を出力する場合の最小デューティ比を初期値として設定する。
そして、インバータ制御部164は、取得されたデューティ比「Vb」がリミット値「L2」よりも小さいか否かを判断する(S22)。取得されたデューティ比「Vb」がリミット値「L2」よりも小さい場合には、処理はステップS23に進み、取得されたデューティ比「Vb」がリミット値以上の場合には、取得されたデューティ比を現設定のデューティ比として、処理はステップS24に進む。
ステップS24では、インバータ制御部164は、現設定のデューティ比に基づいて、PWM信号を出力する。この場合、現設定のデューティ比は、ヒータ132の属性値に基づいて補正される。
そして、インバータ制御部164は、ADC_A入力端子807の入力電圧が予め定められた閾値よりも大きいか否かを判断する(S26)。ADC_A入力端子807の入力電圧が予め定められた閾値よりも大きい場合(S26でYes)には、処理はステップS27に進み、ADC_A入力端子807の入力電圧が予め定められた閾値以下の場合(S26でNo)には、処理はステップS21に戻る。
さらに、ヒータ132は、AC200Vのみで入力商用電源AC80〜260Vに対応可能となり、仕様に応じて異なるヒータ132を用意する必要がなくなった。
(構成の説明)
図1に示すように、実施の形態2に係る画像形成装置200は、トナーカートリッジ101と、LEDヘッド102と、現像ユニット110と、転写ローラ103と、用紙カセット104と、ホッピングローラ105と、レジストローラ106と、用紙検出センサ107と、転写ベルト108と、駆動ローラ120と、従動ローラ121と、転写ベルトクリーニングブレード122と、クリーナー容器123と、定着器230と、用紙ガイド124と、排紙トレー125とを備える。実施の形態2に係る画像形成装置200は、定着器230以外は、実施の形態1に係る画像形成装置100と同様である。
定着器230は、サーミスタ131と、ヒータ132と、過昇温防止部133とを備える。実施の形態2における定着器230は、データ保持部134を備えていない点を除いて、実施の形態1における定着器130と同様に構成されている。
本実施の形態におけるDC−ACインバータ262は、スイッチング部263に流れる電流の値に基づいて、生成する交流電圧を補正することで、ヒータ132の消費電力を一定にする。
実施の形態2におけるスイッチング部263は、抵抗757及びコンデンサ758をさらに備えており、電圧ADC_Bをインバータ制御部264に出力する点を除いて、実施の形態1におけるスイッチング部163と同様に構成されている。
ここで、カレントトランス751、抵抗752、754、755、757、ダイオード753及びコンデンサ756、758は、スイッチング部163の電流を検出するための第1の電流検出部を構成する。また、カレントトランス751、抵抗752、754、755、ダイオード753及びコンデンサ756は、スイッチング部163の電流を検出するための第2の電流検出部を構成する。
実施の形態2におけるインバータ制御部264は、ADC_B入力端子808がさらに設けられている点を除いて、実施の形態1におけるインバータ制御部164と同様に構成されている。
以下、実施の形態2における動作を説明するが、実施の形態1と同様の部分については、説明を省略する。
図15に示されているスイッチング部263では、カレントトランス751には、ADC_A入力端子807及びADC_B入力端子808の2系統への出力が接続されている。
実施の形態1でも用いられているADC_A入力端子807への出力は、インバータスイッチング周波数のうちPWM_A信号及びPWM_B信号のスイッチング周波数での電流変化を検出することのできる遮断周波数のRCフィルタが接続されている。実施の形態2では、それに加えてインバータ出力周波数であるPWM_C信号及びPWM_D信号のスイッチング周波数での電流変化を検知することのできる低い遮断周波数のRCフィルタが実装される。
ここでは、ヒータ132の消費電力が1000Wであるものとする。
まず、インバータ制御部264は、PWM信号のデューティ比の補正値を初期値に設定する(S30)。例えば、ここでの初期値は、DC−ACインバータ262からAC180Vを出力させるため、「0.9」とする。
そして、インバータ制御部264は、ADC_B入力端子808から入力される電圧から、インバータ出力の電流の検出値を演算し(S32)、その平均値を算出することで、インバータ出力の電流平均値を演算する(S33)。
電流平均値×200÷出力実行電圧値 (1)
ここで、出力実効電圧値は、ステップS30で180Vにされている。
従って、(1)式により算出される演算値は、定格AC200Vでの電流値を示すことになる。
そして、インバータ制御部264は、設定された補正値が1.1よりも大きいか否かを判断する(S36)。設定された補正値が1.1よりも大きい場合(S36でYes)には、処理はステップS37に進み、設定された補正値が1.1以下である場合(S36でNo)には、処理はステップS38に進む。
ステップS37では、インバータ制御部264は、補正値を1.1に変更する。そして、処理はステップS38に進む。
ステップS39では、インバータ制御部264は、補正値を0.9に変更する。そして、処理はステップS31に戻る。ここで、以降では、出力実効電圧値を200Vとしてもよい。
Claims (4)
- 商用電源からの交流電圧を直流電圧に変換する力率改善回路と、
前記力率改善回路で変換された直流電圧から、所望の交流電圧を生成するインバータと、
前記インバータで生成された所望の交流電圧が印加されるヒータと、
前記インバータと前記ヒータとの間に接続され、前記インバータが発生する高調波成分を除去するLCフィルタと、
前記インバータで生成された所望の交流電圧の前記ヒータへの印加を、前記LCフィルタの出力側で遮断する過昇温防止部と、を備え、
前記インバータは、
前記力率改善回路で変換された直流電圧をスイッチングするスイッチング部と、
前記力率改善回路から前記インバータに流れる電流を検出する電流検出部と、
前記スイッチング部に出力するパルス信号のデューティ比を変えることで、前記スイッチング部のスイッチングを制御するインバータ制御部と、を備え、
前記インバータ制御部は、予め記憶された、前記ヒータの抵抗値のバラツキを含む属性値を用いて、前記ヒータの抵抗値のバラツキにより前記ヒータの抵抗値が大きな値を示すほど、前記交流電圧が高くなるように、前記交流電圧のゼロクロス点から、前記デューティ比が予め定められた第1のリミット値になるまで、前記デューティ比を徐々に大きくし、前記デューティ比が前記第1のリミット値にまで達した後に、前記デューティ比を徐々に小さくし、
前記インバータ制御部は、前記デューティ比が前記第1のリミット値になる前に、前記電流検出部で検出される電流が予め定められた閾値を超えた場合には、前記デューティ比が前記第1のリミット値よりも小さい第2のリミット値を超えないようにすること
を特徴とするヒータ制御装置。 - 前記インバータは、前記直流電圧のプラス側に接続する第1のスイッチング素子と、前記直流電圧のマイナス側に接続する第2のスイッチング素子とを備え、
前記過昇温防止部及び前記ヒータは、前記第1のスイッチング素子及び前記第2のスイッチング素子との間に直列に接続され、
前記過昇温防止部は、前記第1のスイッチング素子及び前記第2のスイッチング素子との間の通電を遮断することで、前記所望の交流電圧の前記ヒータへの印加を遮断し、
前記第1のスイッチング素子がオンにされるとともに、前記第2のスイッチング素子がオンにされると、前記第1のスイッチング素子及び前記第2のスイッチング素子を介して、前記過昇温防止部及び前記ヒータに電流が流れ、
前記第1のスイッチング素子がオフにされるとともに、前記第2のスイッチング素子がオフにされると、前記第1のスイッチング素子及び前記第2のスイッチング素子を介して、前記過昇温防止部及び前記ヒータに流れる電流が遮断されること
を特徴とする請求項1に記載のヒータ制御装置。 - 前記LCフィルタのインダクタは、前記第2のスイッチング素子と、前記過昇温防止部との間に直列に接続され、
前記LCフィルタのコンデンサは、前記インダクタと前記過昇温防止部とを結ぶ第1の結線と、前記第1のスイッチング素子と前記過昇温防止部とを結ぶ第2の結線との間に、前記過昇温防止部及び前記ヒータの直列接続に対して並列に接続されること
を特徴とする請求項2に記載のヒータ制御装置。 - 請求項1から3の何れか一項に記載されたヒータ制御装置を有することを特徴とする画像形成装置。
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