JP2007086352A - 画像形成装置及びそのヒータ制御回路 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ヒータに流れる電流をPWM駆動することによりヒータに供給する電力量を制御する制御手段において、端子雑音の発生を抑制することを目的とする。
【解決手段】 PWM信号のオン/オフの周波数を常に変化させる。切替えるタイミングは例えばゼロクロスの正から負または負から正に切り替わるタイミングである。
【選択図】 図2

Description

本発明は、画像形成装置及びそのヒータ制御回路に関する。より詳細には、本発明は、プリンタ、複写機、ファクシミリ等の画像形成装置、及び、未定着画像を定着させる為の定着装置内の加熱手段を制御する画像形成装置のヒータ制御回路に関する。
に関する。
従来、電子写真方式、静電記録方式等の画像形成装置の多くは、記録材上に形成担持させた未定着画像を定着する定着器として、熱ローラ定着器やフィルム型定着器(フィルム型オンデマンド定着器)を採用している。これらは、熱効率、安全性が良好な接触加熱型の熱ローラ定着器、及び省エネルギータイプ、オンデマンドタイプのフィルム型定着器である。
フィルム型定着器は、加熱体であるヒータと、このヒータと摺動する耐熱性フィルム(定着フィルム)と、このフィルムを介してヒータと圧接して定着ニップ部を形成する加圧部材とを有する。フィルム型定着器は、定着ニップ部のフィルムと加圧部材の間で未定着画像が形成された記録材を挟持搬送して、フィルムを介して付与されるヒータからの熱と定着ニップ部の加圧力によって未定着画像を記録材上に永久画像として定着させる装置である。
上記加熱体であるヒータは、一般的にはセラミック等の耐熱性絶縁材からなるヒータ基板上に発熱体がパターン形成されており、表面は耐熱性ガラスで保護されており、基板の裏面には温度検知素子である例えばサーミスタが配置された構成となっている。
画像形成装置は、上記温度検出素子からの温度信号を電圧信号としてエンジンコントローラで受け取り、エンジンコントローラ内部で設定されているセラミックヒータの設定温度と比較する。これにより、画像形成装置は、セラミックヒータに供給するべき電力を算出し、その供給する電力を対応した位相角(位相制御)又は波数(波数制御)に換算し定着装置の温度制御を行う。
(位相・波数制御のヒータ駆動及び制御回路)
従来、上記温度制御は一般的に、図9に示すように、AC(交流)のON/OFF素子であるトライアック(TRIAC)等のスイッチング制御素子を用いた制御回路により実現される。
図中符号1は画像形成装置を接続する交流電源で、画像形成装置は商用電源をACフィルタ2を介して発熱体であるセラミックヒ−タ3、4へ供給することにより、セラミックヒ−タを発熱させる。発熱体3、4への電力の供給はフォトトライアックカプラを有したヒータドライバ回路5、6により通電又は遮断され所定の電力量に調整される。
抵抗5e、5dはトライアック5aのためのバイアス抵抗で、フォトトライアックカプラ5bは、一次、二次間の沿面距離を確保するためのデバイスであり、フォトトライアックカプラ5bの発光ダイオードに通電することによりトライアック5aをオンする。抵抗5fはフォトトライアックカプラ5bの電流を制限するための抵抗であり、トランジスタ5cによりフォトトライアックカプラ5bをオン/オフする。トランジスタ5cのベースは抵抗7を介してCPU(central processing unit)13のポートPA2に接続されており、CPUからのオン/オフ制御によりヒータ3への通電が制御される構成となっている。また、ドライバ回路6及びベース抵抗8はヒータ4に対する制御回路であり、CPU13のポートPA3からのオン/オフ制御によりヒータ4への通電が制御される構成となっている。
また、ヒータに裏面に配置された温度検出素子9は、一方をグランド、もう一方を抵抗10、抵抗11に接続されており、さらに抵抗11を介してCPU13のアナログ入力ポートANOに接続されている。これによりCPUはヒータの温度を検出する。
また、ACフィルタ2を介して交流電源1は、ゼロクロス検出回路12に入力される。交流電源1はACフィルタ2を介して、整流器14により全波整流される。全波整流された交流電圧は、抵抗12a、ツェナーダイオード12b、コンデンサ12d、抵抗12cを介して、トランジスタ12eに入力される。商用交流電源1の電圧の大きさが、抵抗12a、ツェナーダイオード12b、コンデンサ12d、抵抗12c、トランジスタ12eによって決定されるスライス電圧Vz以下であれば、トランジスタ12eはオフとなり、上記スライス電圧Vz以上であればオンとなる。フォトカプラ12fは一次二次間の沿面距離を確保するためのデバイスであり、抵抗12g、12hはフォトカプラ12fに流れる電流を制限するための抵抗である。交流電源1が上記スライス電圧Vz以下であるとき、フォトカプラ12fはオフとなり、ZEROX(ゼロクロス)電圧はLowとなり、「交流電源1がスライス電圧Vz以下である」ことを抵抗15を介してCPU13に報知する。
このZEROX信号はパルス周期が商用交流電源の周波数とほぼ等しいパルス信号である。エンジンコントロ−ラはZEROX信号のパルスのエッジを検知し、位相制御または波数制御によりトライアックのオン/オフを行う。位相制御は図10(a)に示すように、ACの1半波内での通電割合を変えることにより、供給電力を制御する方式である。波数制御は図10(b)に示すように、AC複数波を1ユニットとしてその1ユニット内で通電する半波の数を変えることにより供給電力を制御する方式である。
しかしながら、上記説明した位相・波数制御には電源のユニバーサル化が困難な場合がある。この電源のユニバーサル化とは、近年のOA(office automation)機器の世界的普及により画像形成装置の使用される地域が使用電源電圧の異なる多種多様な国や地域にわたるようになったために要求されるものである。即ち、電源のユニバーサル化とは、電源を100V系と200V系の両方に対応可能とすることをいう。また、さらに電源のユニバーサル化に伴い、定着装置の100V系と200V系の共通化も望まれている。
ユニバーサル化することにより、同一の電源及び同一の定着装置においてAC入力の85V〜264Vを満足させる為には、上記説明した制御回路による位相・波数制御では高調波、フリッカが非常に悪化してしまうこととなり、ユニバーサル化の妨げとなっている。
例えば、100V入力時に画像の定着性を満足させる為には抵抗値の低いヒータが必要となる。しかしながら上記抵抗値の低いヒータを備えた定着装置を200V入力時に位相制御により所望の電力を供給する為には半波内の通電時間を非常に小さくすることとなり、その結果、高調波の多大な発生を招いてしまうこととなる。一方、上記抵抗値の低いヒータを備えた定着装置を200V入力時に波数制御を行ったとしても、非常に大きな電流値のON/OFFが発生し、フリッカの悪化を招いてしまうこととなる。
また逆に200V入力時の高調波発生やフリッカ現象の改善の為に、ヒータの抵抗値を高くした場合には100V入力時にフル通電したとしても十分な電力を得ることができずに画像不良をおこしてしまう可能性が考えられる。
上記理由により電源及び定着装置のユニバーサル化の為には、図9に示されているトライアックを用いた従来回路による、位相・波数制御では実現することが困難である。従って、電源及び定着装置のユニバーサル化を考えた場合には、ヒータに流す電流をPWM(pulse-width modulation)制御することによる各ヒータへの供給電力制御方式が必要とされる。即ち、個々のヒータを例えばFET(field-effect transistor)のような電流スイッチング素子を用いて高周波でスイッチングして、ヒータに流す電流をPWM(pulse-width modulation)制御する。いくつかの文献にPWMによるヒータ制御が提案されている(例えば特許文献1参照)。上記PWM制御によるヒータ駆動方式においてはヒータに供給される電流はPWM信号に同期した波形となるが、PWM周波数に対するフィルタをACラインとの間に介することにより高調波の悪化を防止することが可能である。また、トライアックによる低周期のON/OFF制御ではなく、高周波のスイッチング制御である為、ヒータへの突入電流などによるフリッカへの影響を低減することが可能であり、電源及び定着装置のユニバーサル化には効果的である。
特開2004−303466号公報
しかしながら、上記PWM制御によるヒータ駆動方式においては、常に同じ周波数によるPWMの制御を行うと端子雑音において特定周波数のピークがひどくなり、端子雑音を悪化させる原因となる。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、ヒータに流れる電流をPWM駆動することによりヒータに供給する電力量を制御する場合において、端子雑音の発生を抑制する画像形成装置及びそのヒータ制御回路を提供することにある。
このような目的を達成するために、本発明の画像形成装置(101)は、被記録材上に未定着画像を定着させる少なくとも1つのヒータ(123)を有する定着装置(120)と、前記ヒータのそれぞれに流れる電流を個別的にPWM駆動することにより前記ヒータに供給する電力量を制御するヒータ制御回路(図2、図3)とを備え、前記ヒータ制御回路は前記ヒータに対するPWM信号のオン/オフする繰り返しの周波数を変化させることを特徴とする。
以上の構成により、PWMの周波数を固定ではなく常に変化させることにより、ACライン上の端子雑音の特定周波数のピークが抑えられ端子雑音がブロード的に現れる形となる。
また上記目的を達成するために、本発明の画像形成装置は、被記録材上に未定着画像を定着させる複数のヒータ(123、124)を有する定着装置と、前記ヒータそれぞれに流れる電流を個別的にPWM駆動することにより前記ヒータに供給する電力量を制御するヒータ制御回路(図6)とを備え、前記ヒータ制御回路は少なくとも2つの前記ヒータに対するPWM信号のオン/オフする繰り返しの周波数を全て同期したタイミングで同じ周波数に変化させる(図7)ことを特徴とする。
以上の構成により、複数のヒータのPWM周波数を共に同じ周波数に変化させることにより、より端子雑音の抑制に対し効果的となる。
また上記目的を達成するために、本発明の画像形成装置のヒータ制御回路は、上記のいずれかに記載のヒータ制御回路の機能を有することを特徴とする。
尚、特許請求の範囲の構成要素と対応する実施形態中の図中符号等を()で示した。ただし、特許請求の範囲に記載した構成要素は上記()部の実施形態の構成要素に限定されるものではない。
本発明によれば、ヒータに流れる電流をPWM駆動することによりヒータに供給する電力量を制御する場合において、端子雑音の発生を抑制する効果を奏する。
以下、図面を参照して本発明を適用できる実施形態を詳細に説明する。尚、本明細書で参照される各図面において同様の機能を有する箇所には同一の符号を付している。
[実施形態1]
以下、実施形態1を図1〜図2を参照して説明する。但し、本実施形態1はあくまで例示であり、本発明はこれらの構成に限定されるものではない。
図1は電子写真プロセスを用いた画像形成装置の構成図であり、例えばレーザビームプリンタの例を示す。図1において、レーザビームプリンタ101は記録紙Pを収納する紙カセット102を有し、記録紙Pはピックアップローラ103によって紙カセット102から繰り出され、給紙ローラ104により紙搬送経路に送られる。この場合、記録紙Pの重送を防止するために給紙ローラ104と対をなして、リタードローラ105が設けられている。
搬送経路に送られた記録紙Pは給紙搬送ローラ106によってさらに下流のレジ前センサ107を通過し、レジストローラ対108に向けて搬送される。そして、レジストローラ対108の駆動によって所定のタイミングでプロセスカートリッジ109に搬送される。
このプロセスカートリッジ109は公知の電子写真プロセスに必要な現像剤(トナー)を収容している。プロセスカートリッジ109は、現像剤担持体である現像スリーブ111を備えた現像剤容器であるトナー容器110、帯電手段である帯電ローラ112、クリーニング手段116、及び電子写真感光体である感光ドラム117が一体的に構成されている。プロセスカートリッジ109は、レーザビームプリンタ101に対して着脱可能に装着される。
前記感光体ドラム117上には、後述するレーザスキャナ部114からのレーザ光により画像信号に基づいた像露光が行われ、静電潜像が形成される。この潜像は現像スリーブ111を含めた現像手段によりトナー像として感光体ドラム117上に現像され、トナー像は転写手段である転写ローラ115によって、感光体ドラム117と転写ローラ115のニップ部に搬送されてきた記録紙Pに転写される。
転写位置で画像が転写された記録紙Pは熱定着するために定着装置120内の定着ニップ部に搬送される。
定着装置120は加熱体であるセラミックヒータ123、ヒータと摺動する定着フィルム122、加圧部材としての加圧ローラ121を備えている。記録紙Pが定着フィルム122と加圧ローラ121により形成された定着ニップ部を通過することにより、記録紙上の未定着トナー像がヒータからの熱により加熱定着処理を受ける。
加熱定着処理が終了した記録紙Pは排紙ローラ対118によってレーザビームプリンタ101の外部に排出される。これら一連の記録処理は不図示のコントローラによって制御される。
また、上記スキャナ部114は、不図示の外部装置から送られる画像信号に基づいて変調されたレーザ光を発光するレーザユニット114aを含む。さらにスキャナ部114は、レーザユニット114aからのレーザ光を感光体ドラム117上に走査するためのポリゴンミラー114bとスキャナモータ114c、結像レンズ群114d、及び折り返しミラー114eを含む。
図2は、ヒータ制御回路を説明する図である。上記セラミックヒータ123は図2で示されるヒータ制御回路によって駆動される。図2を参照すると、図中符号1はレーザビームプリンタを接続する交流電源で、レーザビームプリンタは商用電源をACフィルタ2を介して発熱体であるセラミックヒ−タ123へ供給することにより、セラミックヒ−タを発熱させる。セラミックヒータ123への電力の供給はヒータ駆動回路20により通電又は遮断され所定の電力量に調整される。
ヒータ駆動回路20において、抵抗20eはフォトカプラ20cのためのバイアス抵抗で、フォトカプラ20cは一次、二次間の沿面距離を確保するためのデバイスである。フォトカプラ20cはCPU13より供給されるDrive1信号によるトランジスタ20dのON/OFFによりFET20a、20bをON/OFFし、セラミックヒ−タ123への電流供給を制御する。なお、図中Vcc3はFET20a,20bのソースを基準とした電圧である。
またCPU13は、ヒータの裏面に配置された温度検出素子9からの温度情報をアナログ入力ポートANOの電圧値より判断し、現状与えるべき電力量に対応したDuty設定値をPWM信号発生回路52に対して入力する。PWM信号発生回路52はCPUからの信号を受けてDrive1信号(PWM信号)をベース抵抗7を介してトランジスタ20dに出力することでヒータ駆動回路20をPWM制御する。
ゼロクロス検出回路12、整流器14は図9を参照し前述した従来の構成と同じである。
CPU13は不図示のコントローラからヒータ点灯要求を受けると、予めROM(read-only memory)13aに格納されたテーブルの情報に基づきその際に必要とされる所定Dutyの設定値をPWM信号発生回路52に対して送る。PWM信号発生回路52は、水晶振動子50からの一定周波数のクロックが周波数拡散IC(integrated circuits)51を介して入力されており、上記一定周波数例えば10MHzの周波数が微小に分散された動作クロックでPWM信号を生成する。PWM信号発生回路52から出力される信号は上記周波数拡散IC51の効果により、常に周波数が変動しつづけるPWM信号として出力される。
以上説明したように本実施形態1では、図2に示した回路構成に基づき常にヒータ点灯を制御するPWM信号のON/OFFの繰り返し周波数を変化させる。これにより、ヒータ電流をスイッチング駆動することによる、ACライン上の端子雑音の特定周波数のピークが抑えられ端子雑音がブロード的に現れる形となる。
[実施形態2]
以下、実施形態2を説明する。尚、本実施形態2におけるレーザビームプリンタの基本的な構成は実施形態1と同様であり、ヒータは図3に示す駆動回路により駆動される。
実施形態1では周波数拡散ICを用いて回路を構成したが、周波数拡散ICは一般的に高価なものであり、コストアップを招く要因となってしまう。本実施形態2では、周波数拡散ICを用いることなく図3の回路構成により図4のシーケンスフローに基づいてPWM信号の周波数変動を実現する。
図3は、ヒータ制御回路を説明する図である。図3において、ヒータ駆動回路20、ゼロクロス検出回路12の構成は図2と同様であり、周波数拡散回路が省かれている。また、PWM発生回路はなく、PWM信号はCPUのROM13aに格納されたプログラムのカウンタによりPWM信号を生成する構成となっている。
本実施形態2は図4に示すフローチャートの処理により実現される。なお、このフローチャートに示す制御処理は、予めROM13aに格納されたプログラムに従ってCPU13により実行される。
まずCPU13は不図示のコントローラからヒータ点灯要求(S101)を受けると、図4の処理フローを開始する。ヒータ点灯要求とは例えばプリント開始時のヒータ立ち上げ点灯や、プリント中のプリント温調制御点灯、またスタンバイ時のスタンバイ温調制御点灯等の場合に発生する要求である。
ヒータ点灯要求を受けた後、CPU13はZEROX信号の立下りを検知する(S102)と予めROM13aに格納されたテーブルの情報に基づきその際に必要とされる所定DutyのPWM信号を出力する。このPWM信号は図3に示すDrive1信号としてCPU13のIOポートPA2より出力される。図4のフローでは一例として20KHz・60%としている(S103)。この際、CPU13は使用するカウンタNを0に初期化する。
その後CPU13はヒータ消灯要求及びZEROX信号の立下りを監視する(S104、S105)。CPU13はヒータ消灯要求を受けると直ちにPWM信号を停止し、信号論理をヒータ消灯側の論理に固定する(S112)。また、CPU13はZEROX信号の立下りを検知するとPWM信号の周波数を+1KHzし、21KHz・60%を出力する。この際、CPU13はS103で初期化したカウンタNをインクリメントし、N=N+1とする(S106)。
このときヒータに供給される電圧は図5(a)に示すようにPWM信号に同期して印加され、図5の(b)、(c)に示されるように前ZEROX周期間のヒータ電圧ON/OFF周期T1と次のZEROX周期間のヒータ電圧ON/OFF周期T2が異なる周期となる。
ZEROX信号の立下りタイミングごとにPWM信号の周波数を上記制御に基づいて変更し、Nが10を超えるまで繰り返す(S107)。
CPU13はNが10を超えたことを検知すると、続いてヒータ消灯要求及びZEROX信号の立下りの検知の後(S108、S109)、PWM信号の周波数を−1KHzし、PWM信号を出力する。この際カウンタNをデクリメントし、N=N−1とする(S110)。
CPU13は、引き続きZEROX信号の立下りタイミングごとにPWM信号の周波数を上記制御に基づいて変更し、Nが−10未満となるまで繰り返し(S111)、Nが−10未満となると再びPWM信号の周波数を+1KHzずつ上げていく。
以上説明したように本実施形態2では、ZEROX信号の立下りタイミングに同期して常にヒータの点灯・消灯を制御するPWM信号の周波数を変更する制御を行う。これにより、コストアップすることなく、ヒータ電流をスイッチング駆動することによるACライン上の端子雑音の特定周波数のピークが抑えられ端子雑音がブロード的に現れる形となる。
[実施形態3]
以下、実施形態3を説明する。尚、本実施形態3におけるレーザビームプリンタの基本的な構成は実施形態1と同様である。また、本実施形態3ではヒータは2本構成であり、図6に示す駆動回路により駆動される。
図6は、ヒータ制御回路を説明する図で、基本的には実施形態2において説明した図3と同様な構成である。図6の図3と異なる点は、セラミックヒータ124を駆動する為の駆動回路21及びベース抵抗8が存在し、抵抗8はCPU13のIOポートPA3に接続されている点である。尚、ヒータ駆動回路20中のVcc3はFET20a、20bのソースを基準とした電圧であり、またヒータ駆動回路21中のVcc4はFET21a、21bのソースを基準とした電圧である。
本実施形態3は図7に示すフローチャートの処理により実現される。なお、このフローチャートに示す制御処理は、予めROM13aに格納されたプログラムに従ってCPU13により実行される。図7の処理フローは基本的には実施形態2において説明した図4と同様である。図7の図4と異なる点は、S203、S206、S210においてPWM信号を2本のヒータに対し出力しており、ZEROXの信号をトリガとし、同じタイミングで同じ周波数に変化させていることである。
さらに、本実施形態3の特徴的な点を図8に示す。ヒータに供給される電圧は図8(a)に示すようにPWM信号に同期して印加され、図8の(b)、(c)に示されるように前ZEROX周期間のヒータ電圧ON/OFF周期T1と次のZEROX周期間のヒータ電圧ON/OFF周期T2が異なる周期となる。図7のフローチャート中のS203、S206、S210において出力される各ヒータに対するPWM信号は、図8の(b)及び(c)に示されるようにヒータ123のPWM信号のOFFのタイミングでヒータ124のPWM信号をONとする制御を行う。
以上説明したように本実施形態3では、このようにすることで、ヒータ電流をスイッチング駆動することによる、ACライン上の端子雑音の特定周波数のピークが抑えられ端子雑音がブロード的に現れる形となる。このことに加え、電流の変動を小さくし装置外のACライン上での電圧変動を小さくする効果がある。
[実施形態の効果]
以上説明したように本実施形態によれば、第1の態様として、画像形成装置(101)は、被記録材上に未定着画像を定着させる少なくとも1つのヒータ(123)を有する定着装置(120)と、上記ヒータのそれぞれに流れる電流を個別的にPWM駆動することにより上記ヒータに供給する電力量を制御するヒータ制御回路(図2、図3)とを備え、上記ヒータ制御回路は上記ヒータに対するPWM信号のオン/オフする繰り返しの周波数を変化させることを特徴とする。
これにより、PWM信号の周波数を固定ではなく常に変化させることにより、ACライン上の端子雑音の特定周波数のピークが抑えられ端子雑音がブロード的に現れる形となる。
ここで、第2の態様として、第1の態様において、上記繰り返しの周波数を変化させるタイミングは入力商用電源の正から負または負から正に切り替わるタイミングに同期したタイミングであることを特徴とすることができる。
これにより、AC入力より得られるZEROX信号のタイミングに同期させて周波数を切替えることにより、自ら切替えタイミングを作り出す必要がなくなる。
また、第3の態様として、第1の態様において、上記ヒータ制御回路は予め複数の周波数でPWM信号を制御し、入力商用電源の正から負または負から正に切り替わる毎に上記繰り返しの周波数を変更することを特徴とすることができる。
これにより、ZEROX信号のタイミングに同期させて毎度切替えることにより安定的にPWM信号の周波数が変化し、端子雑音の特定周波数のピークが抑えられ端子雑音がブロード的に現れる形となる。
また、第4の態様として、画像形成装置は、被記録材上に未定着画像を定着させる複数のヒータ(123、124)を有する定着装置と、上記ヒータそれぞれに流れる電流を個別的にPWM駆動することにより上記ヒータに供給する電力量を制御するヒータ制御回路(図6)とを備え、上記ヒータ制御回路は少なくとも2つの上記ヒータに対するPWM信号のオン/オフする繰り返しの周波数を全て同期したタイミングで同じ周波数に変化させる(図7)ことを特徴とする。
これにより、複数のヒータのPWM周波数を共に同じ周波数に変化させることにより、より端子雑音の抑制に対し効果的となる。
また、第5の態様として、第4の態様において、上記ヒータが2つの場合には、上記ヒータ制御回路は一方の上記ヒータに対するPWM信号のOFFタイミングと他方の上記ヒータに対するPWM信号のONタイミングとを同じタイミングになるように制御することを特徴とすることができる。
これにより、1本のヒータに対するPWM信号のOFFタイミングと他方のヒータに対するPWM信号のONタイミングが同じタイミングになる制御を行うことにより、電流の変動を小さくし装置外のACライン上での電圧変動を小さくすることが可能となる。
[その他の実施形態]
1)上述の実施形態1では、CPUとPWM発生回路を別構成とし、PWM発生回路にのみ周波数拡散させたクロックを入力している。しかしながら、本発明はそれに限られるものではなく、CPUのROMに格納されたプログラムのカウンタによりPWM信号を生成してもよい。その場合にはCPUのクロック入力に周波数拡散ICの出力クロックを入力することによりPWM信号の周波数変動が実現できる。
2)上述の実施形態2においては、PWMの周波数の切替えタイミングをZEROX信号の立下りタイミング毎とした。しかしながら、本発明はこれに限られるものではなく、ZEROX信号の立ち上がりタイミング毎としてもよいし、立ち上がり立下りの両タイミング毎としてもよい。また実施形態2においては周波数に関しても±1KHzずつ変化させたが、本発明はこれに限られるものではない。
3)尚、上述した実施形態は、いずれも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。即ち、本発明はその技術思想、又はその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
本発明を適用できる実施形態の画像形成装置の概略断面図である。 本発明を適用できる実施形態1のヒータ制御回路を説明する図である。 本発明を適用できる実施形態2のヒータ制御回路を説明する図である。 本発明を適用できる実施形態2の処理を説明するフローチャートである。 本発明を適用できる実施形態2のヒータ電圧波形を説明する図である。 本発明を適用できる実施形態3のヒータ制御回路を説明する図である。 本発明を適用できる実施形態3の処理を説明するフローチャートである。 本発明を適用できる実施形態3のヒータ電圧波形を説明する図である。 従来のヒータ制御回路を説明する図である。 従来のヒータ電圧波形を説明する図である。
符号の説明
1 交流電源
12 ゼロクロス検出回路
13 CPU
20、21 ヒータ駆動回路
101 レーザビームプリンタ
120‥‥定着装置
123、124‥‥セラミックヒータ

Claims (6)

  1. 被記録材上に未定着画像を定着させる少なくとも1つのヒータを有する定着装置と、
    前記ヒータのそれぞれに流れる電流を個別的にPWM駆動することにより前記ヒータに供給する電力量を制御するヒータ制御回路とを備え、
    前記ヒータ制御回路は前記ヒータに対するPWM信号のオン/オフする繰り返しの周波数を変化させる
    ことを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記ヒータ制御回路において、繰り返しの周波数を変化させるタイミングは入力商用電源の正から負または負から正に切り替わるタイミングに同期したタイミングである
    ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記ヒータ制御回路は予め複数の周波数でPWM信号を制御し、入力商用電源の正から負または負から正に切り替わる毎に前記繰り返しの周波数を変更する
    ことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  4. 被記録材上に未定着画像を定着させる複数のヒータを有する定着装置と、
    前記ヒータそれぞれに流れる電流を個別的にPWM駆動することにより前記ヒータに供給する電力量を制御するヒータ制御回路とを備え、
    前記ヒータ制御回路は少なくとも2つの前記ヒータに対するPWM信号のオン/オフする繰り返しの周波数を全て同期したタイミングで同じ周波数に変化させる
    ことを特徴とする画像形成装置。
  5. 前記ヒータが2つの場合には、前記ヒータ制御回路は一方の前記ヒータに対するPWM信号のOFFタイミングと他方の前記ヒータに対するPWM信号のONタイミングとを同じタイミングになるように制御する
    ことを特徴とする請求項4記載の画像形成装置。
  6. 請求項1乃至5のいずれかに記載のヒータ制御回路の機能を有することを特徴とする画像形成装置のヒータ制御回路。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011081143A (ja) * 2009-10-06 2011-04-21 Ricoh Co Ltd 画像形成装置
JP2015043013A (ja) * 2013-08-26 2015-03-05 株式会社リコー 定着装置、画像形成装置、定着制御方法及び定着制御プログラム
JP2016090700A (ja) * 2014-10-31 2016-05-23 株式会社沖データ 電力制御装置及び画像形成装置

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