JP6516413B2 - 天井構造 - Google Patents

天井構造 Download PDF

Info

Publication number
JP6516413B2
JP6516413B2 JP2014081693A JP2014081693A JP6516413B2 JP 6516413 B2 JP6516413 B2 JP 6516413B2 JP 2014081693 A JP2014081693 A JP 2014081693A JP 2014081693 A JP2014081693 A JP 2014081693A JP 6516413 B2 JP6516413 B2 JP 6516413B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ceiling
suspension
ceiling plate
plate
support
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014081693A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015203185A (ja
Inventor
円 山高
円 山高
星川 努
努 星川
林 篤
篤 林
泰典 和田
泰典 和田
和明 岩▲崎▼
和明 岩▲崎▼
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
East Japan Railway Co
Original Assignee
East Japan Railway Co
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by East Japan Railway Co filed Critical East Japan Railway Co
Priority to JP2014081693A priority Critical patent/JP6516413B2/ja
Publication of JP2015203185A publication Critical patent/JP2015203185A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6516413B2 publication Critical patent/JP6516413B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Hooks, Suction Cups, And Attachment By Adhesive Means (AREA)

Description

本発明は、天井板および吊り材を有する天井の構造に関する。
構造物内側の空間の上部には、空間の保温効果を高める、照明や空調などからの埃の落下を防ぐ、躯体や配線を遮蔽して美観を高める、といったことを目的として天井が設けられることがある。駅や商業施設などの大型の構造物に設けられる天井の構造は、構造物の躯体から垂下する複数の吊りボルトと、吊りボルトによって水平に吊り下げられた複数の野縁受けと、各野縁受けに、野縁受けと直交するように取り付けられた複数の野縁と、各野縁にビス止めされた仕上げ板と、によって構成されるのが一般的である。
近年では、仕上げ板等を吊るす吊りボルトとは別に、新たな吊りボルトを、仕上げ板を貫通するように新設し、その下端に金属などで格子状、或いは網状に形成した支持体をナット止めすることにより、仕上げ板等を下方から支持する技術が提案されている(非特許文献1参照)。こうすることで、地震などによって天井が揺れ、吊りボルトから野縁受けが外れたり、野縁受けから野縁が外れたりしても、支持体が仕上げ板等を受け止めるので、仕上げ板等が下まで落下してしまうのを防ぐことができる。
"居ながら施工で天井落下を防止"、[online]、平成25年10月16日、日経BP ケンプラッツ、[平成26年2月6日検索]、インターネット<URL:http://kenplatz.nikkeibp.co.jp/article/building/news/20131015/635971/>
上述した天井構造は、新設した吊りボルトが仕上げ板を貫通していることから、仕上げ板等が水平方向に揺れるときには、支持体も一緒に揺れることになる。しかしながら、上述した吊りボルトと支持体との結合部は変形を許容しない剛接合となっているため、支持体が揺れる際、この接合部には大きな力が作用することになる。また、構造物と吊りボルトとの接合部は、構造物から下方へと延びるブラケットの孔と、吊りボルトの上部をなす羽子板ボルトの孔、或いは吊りボルトの上端に取り付けられたアイナットの孔とにピンを通すことによって接合させているのが一般的である。このため、ピンの軸と水平に直交する方向への揺れに対しては柔軟性を発揮するが、ピンの軸に沿う方向への揺れに対しては剛接合と変わらないため、やはり大きな力が作用することになる。このような力により吊りボルトや支持体が破損し、仕上げ板等が支持体もろとも落下してしまうのを防ぐためには、吊りボルトの上端部と仕上げ板との間に耐震ブレースを設置して、仕上げ板および支持体の水平方向の揺れを規制する、或いは、各結合部に補強部材を取り付ける等して、その剛性を高めるといった追加対策が必要となり、施工に手間やコストがかかってしまう。
また、ボールジョイント等のあらゆる方向への揺れに対して柔軟性を発揮できる接合部材を用いる方法も存在するが、特殊な部材を用いるので、やはりコストがかかってしまうことになる。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたもので、吊り材および天井板を有する天井構造において、手間やコストをかけることなく、揺れによる天井板の落下を防ぐことを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明は、構造物内側の空間上部の躯体から垂下する第1吊り材と、前記第1吊り材によって吊り下げられた天井板と、を備える天井構造であって、水平方向に延びる部位を有する第1係止部を有し、前記躯体の天井面に2次元的に分布するように設けられた複数の係止部材と、一端に環状または鉤爪状の第1被係止部を有するとともに、他端に環状または鉤爪状の第2係止部を有し、各第1係止部の水平方向に延びる部位に前記第1被係止部を掛けることにより、前記複数の係止部材からそれぞれ垂下する複数の第2吊り材と、前記第2吊り材の下方に位置する箇所に設けられ、上端に環状または鉤爪状の第2被係止部が形成され、前記天井に固定された金具と、前記天井板の下方に位置し、前記金具の下端に繋げられた本体と、からなり、前記複数の第2係止部に、前記第2被係止部をそれぞれ掛けることにより、前記第2吊り材から吊り下げられた支持体と、を備え、前記支持体は、前記天井板が揺れる際に、前記天井板とともに揺れるよう構成されていることを特徴とする。
本発明の「躯体」には、構造物の梁、スラブ等の壁体、柱などが含まれる。
また、「係止部材」や「係止部」には、環状或いは鉤爪状などに形成されたものが含まれる。すなわち、互いに係合することにより、下方に吊るされた部材が下方に移動しようとする動きは規制するが、下方に吊るされた部材が、係合部を中心として回動しようとする動きは許容するような構造のものを指す。
このようにすれば、第1被係止部が、第1係止部を中心としてその周りを回転することができるとともに、第1係止部との接触部を中心として水平に延びる部位の延びる方向に回動することが可能となる。また、これらの動きが組み合わさることにより、第2吊り材5が第1被係止部を中心として係止部材4,4Aに対してあらゆる回動可能となる。一方、第2被係止部が、第2係止部の下端部を中心としてその周りを回転することができるとともに、第2係止部との接触部を中心として第2係止部の下端部が延びる方向に回動することが可能となる。また、これらの動きが組み合わさることにより、第2係止部を中心として支持体7,7A,7Bに対してあらゆる回動可能となる。このため、地震動により天井板3が揺れると、支持体7,7A,7Bも一緒に揺れることになる。しかし、第2係止部5aが係止部材4,4Aに係止される箇所、および第4係止部72a,75a,78aが第3係止部5bに係止される箇所において、揺れによる力が分散されるので、第2吊り材5や支持体7,7A,7Bが破壊されることはない。このため、天井板3が第1吊り材2から外れてしまっても、支持体7,7A,Bが天井板3を支持するので、天井板3が支持体7,7A,7Bもろとも落下する心配がない。
また、揺れを許容しつつも落下を防ぐフェイルセーフ構造となっているので、揺れを抑えるため、或いは剛性を高めるための対策が必要ない。従って、容易かつ低コストで施工することができる。
なお、望ましくは、上記発明において、前記第2吊り材5,5A,5Bは、ワイヤー51で構成され、前記第1被係止部5aと前記第2係止部5bの少なくとも一方は、前記ワイヤー51の端部を折り返し、その先端をその中間部に結合することにより環状に形成されたものにする、棒材53で構成され、前記第1被係止部54aと前記第2係止部55aの少なくとも一方は、前記棒材53の端部に、環状または鉤爪状の部材54,55を取り付けることにより形成されたものにするとよい。
このようにすれば、市販の部品で簡単に第2吊り材5,5A,5Bを製作することができる。特に、ワイヤー51を用いた場合には、第2係止部5aを鉤爪状の係止部材4に掛ける、或いは、ワイヤー51を環状の係止部材4に通して結合するだけで、第2吊り材5を吊り下げることができるので、より一層容易かつ低コストで施工することができる。
また、望ましくは、上記発明において、前記本体は、金属で棒状に形成された型材で構成されるとともに水平方向に延びるように配置され、前記天井板の下面に接した状態で前記天井板に固定され、前記金具は、前記本体を鉛直方向に貫通するボルト孔に支持された
ボルトと、当該ボルトの上端に螺合するアイナットと、を有し、前記ボルトを支持する前記ボルトの内壁部を介して前記天井板に固定されているものとしてもよい。
このようにすれば、本体は天井板に対し相対的な移動をすることが無い上に、吊り下げられても弛むことがない。従って、新たな吊り材や移動規制部材が不要となる。
また、望ましくは、上記発明において、前記支持体7,7A,7Bは、前記第2吊り材5の下端から、他の第2吊り材5の下端へと延びる棒状または紐状の部材であり、前記天井板3の一端部および他端部が、並行する複数の支持体7,7A,7Bによって支持されるようにするとよい。
このようにすれば、支持体7,7A,7Bが目立たなくなるので、外観を損なうことなく、また、照明や空調の吹き出し口と干渉することなく施工することができる。
また、天井板3が複数の板材31aからなる場合、各板材31aの並びに沿うように支持体7,7A,7Bを配置することで、少ない支持体7,7A,7Bで数多くの板材31aを支持することができるので、施工のコストを下げることができる。
また、望ましくは、上記発明において、前記支持体7Aは、前記天井板3の下に、天井板3と平行に配置された棒材74と、前記棒材の両端部に取り付けられた環状または鉤爪状の金具75と、で構成されたものにするとよい。
棒材は剛性を有するので、このようにすれば、支持体7Aは天井板3に対し相対的な移動をすることが無い上に、吊り下げられても弛むことがなくなる。また、支持体7Aの両端部の上にのみ第2吊り材を設ければよい、すなわち、支持体7Aの中間部は第吊り材によって吊り下げる必要が無いので、施工コストを抑えることができる。
また、望ましくは、上記発明において、前記天井板3の、前記第2吊り材5の下方に位置する部位には孔3aがそれぞれ形成され、前記棒材74に前記孔3aを介して前記金具75を取り付けることにより、前記第2被係止部が前記天井板3の上方に設けられたものにするとよい。
このようにすれば、天井板3がゆれて、支持体7に対し第2吊り材5が係合部を中心として回動する際、天井板3と干渉することが無いので、天井板の損傷を防ぐことができる。
また、望ましくは、上記発明において、前記支持体の本体は、ワイヤーで構成されたものにするとよい。
このようにすれば、ワイヤーは目立たないので、美観を損なうことなく天井板3を支持することができる。
また、望ましくは、上記発明において、前記支持体は、前記天井板の下に、天井板と平行に配置された板材と、前記板材の、一直線上に並ばない3箇所に取り付けられた環状または鉤爪状の金具と、で構成されたものにするとよい。
このようにすれば、天井板を面で支持するので、天井板が石膏ボード等の壊れやすい材料で形成されていても、天井板の破片が落下する心配がない。
本発明によれば、吊り材および天井板を有する天井構造において、手間やコストをかけることなく、揺れによる天井板の落下を防ぐことができる。
本発明の第1実施形態に係る天井構造の正面図および側面図である。 図1の天井構造の斜視図である。 図1の天井構造の一部を拡大して示した図である。 図3の天井構造の一部を下方および側方から示した図およびその断面図である。 第1実施形態の変形例の天井構造の一部を拡大して示した図である。 第1実施形態の変形例の天井構造の一部を拡大して示した図である。 第1実施形態の変形例の天井構造の一部を拡大して示した図である。 本発明の第2実施形態に係る天井構造の一部を拡大して示した図である。 第2実施形態の変形例の天井構造の一部を拡大して示した図である。 本発明の第3実施形態に係る天井構造の一部を拡大して示した図である。
<第1実施形態>
まず、図1〜4を参照して、本発明の第1実施形態について詳細に説明する。
本実施形態の天井構造10を有する構造物1は、図1に示すように、構造物1の梁をなす複数のH形鋼11が、水平かつ2枚のフランジ11aがウェブ11bを挟んで上下に位置するように、かつ互いに並行となるように配されたものとなっている。
本実施形態の天井構造10は、構造物1の空間Sと、屋上或いは上階とを隔てる壁体12の下面から垂下する複数の第1吊り材2と、第1吊り材2によって吊るされた天井板3と、H形鋼11に取り付けられた係止金具4と、係止金具4から垂下する複数の第2吊り材5および第3吊り材6と、天井板3の下方に配されるとともに、各第2吊り材5および第3吊り材6によって吊るされた支持体7と、で構成されている。
第1吊り材2は、壁体12の下面から垂下する複数の吊りボルト21、各吊りボルト21の下端に取り付けられた複数の野縁受け22、野縁受け22の下に取り付けられた複数の野縁23からなる。
吊りボルト21は、下から見上げたときに、互いに所定間隔を空けて行列状に並ぶように設けられている。なお、吊りボルト21の壁体12への取り付け方は任意である。野縁受け22は、棒状の部材であり、複数の吊りボルト21の各下端にそれぞれ取り付けられた複数のハンガー21aに掛けられることにより、それぞれが水平かつ互いに並行となるように配置されている。野縁23は、棒状の部材であり、複数の野縁受け22の下にそれぞれクリップ止めされることにより、それぞれが水平かつ互いに並行に配置されている。つまり、野縁受け22および野縁23は、空間Sの下から見上げたときに、格子状をなしている。
本実施形態の天井板3は、アルミなどの金属で形成されたスパンドレルとなっており、構造物1内側の空間Sを、上部と、中間部および下部とに仕切るように設けられている。天井板3は、図2に示すように、矩形をなす複数の天井板ユニット31をそれぞれ水平方向に並べることにより構成されている。各天井板ユニット31は、所定長(例えば6m)の帯状をなす複数の仕上げ板31aを、各長辺を互いに接合することにより構成されている。天井板3は、各仕上げ板31aを野縁23にビス留めすることにより、第1吊り材2の下に固定されている。
係止金具4は、図1,2に示したように、H形鋼11の、四隅(各天井板ユニット31の一端部と他端部を構成する仕上げ板31aの両端部)の上方に位置する4箇所にそれぞれ設けられており、下から見上げたときには、互いに所定間隔を空けて行列状に並んで見える。各係止金具4は、図3に示すように、H形鋼11の下側のフランジ11aに固定された固定部41と、固定部41の下に設けられた挿通部42からなる。
固定部41は、図3に示すように、凹部41aを有し、その凹部41aをフランジ11aにはめ込み、ねじ止めすることによりフランジ11aに固定されている。挿通部42は、側面視コ字状をなし、その開放端が固定部41にピン止めされることにより、下端に水平方向に延びる部位42aを有し、かつ固定部41に対し回動可能となっている。そして、固定部41の下端および挿通部42によって環状部4aが形成されている。
第2吊り材5は、主としてワイヤー51で構成されている。第2吊り材5は、上端に上環状部5aを、下端に下環状部5bをそれぞれ有している。各環状部5a,5bは、ワイヤー51の先端部を、ワイヤー51の中間部にワイヤークリップ52でかしめることにより形成されている。係止金具4と上環状部5aとは、上環状部5aを構成するワイヤー51が係止金具4の環状部4aに通されることにより、鎖のように繋げられている。すなわち、係止金具4が係止部材に、挿通部42が第1係止部に、第2吊り材5の上環状部5aが第1被係止部にそれぞれ相当する。
第3吊り材6は、第2吊り材5と同じ構造となっており、図1に示したように、2本の第2吊り材5の間となる位置に1本、或いは、図2に示したように複数本取り付けられている。
支持体7は、図3に示したように、本体71および本体1の両端に設けられた金具72からなる。
金具72は、所定長の全ねじ721と、全ねじ721の両端にそれぞれ取り付けられたアイナット722,723、ナット724からなる。全ねじ721は、天井板3の所定箇所に開けられた孔3aに挿通され、全ねじ721の下端に螺合するアイナット722と、全ねじ721の上端から螺合させたナット724とによって天井板3に固定されている。
金具72の上下端には、アイナット722,723によって上環状部72aおよび下環状部72bが形成されている。
本実施形態の本体71は、主としてワイヤー711で構成されている。本体71は、両端に環状部71aをそれぞれ有しており、各環状部71aは、ワイヤー711の先端部を、ワイヤー711の中間部にワイヤークリップ712でかしめることにより形成されている。本体71と金具72とは、本体71を構成するワイヤー711が金具72の下環状部72bに通されることにより、鎖のように繋げられている。
支持体7は、本実施形態の場合、一の天井板3に対し複数本設置される。支持体71のうちの一本は、図2に示したように、各天井板ユニット31の一端部を構成する仕上げ板31aの一端部の上方に吊り下げられた第2吊り材5の下環状部5bと、天井板ユニット31の他端部を構成する仕上げ板31aの一端部の上方に吊り下げられた第2吊り材5の下環状部5bとに鎖のように繋がっている。もう一本の支持体7は、各天井板ユニット31の一端部を構成する仕上げ板31aの他端部の上方に吊り下げられた第2吊り材55の下環状部5bと、天井板ユニット31の他端部を構成する仕上げ板31aの他端部の上方に吊り下げられた第2吊り材5の下環状部5bとに鎖のように繋がっている。すなわち、第2吊り材5の下環状部5bが第2係止部に相当し、支持体7の上環状部72aが第2被係止部に相当する。こうして、一の天井板ユニット31に対し、2本の支持体7が、天井板3の両端部の下方に、略水平かつ互いに並行に配置される。天井板ユニット31の両端部は、各仕上げ板31aの両端部でもあるため、一の天井板ユニット31を構成する全ての仕上げ板31aが2本の支持体7によって支持されることになる。なお、支持材7の中間部は、第3吊り材6の下環状部に挿通されている。
また、天井板3の下面であって、ワイヤー71の先端をかしめた箇所の近傍には、図4に示すように、移動規制部材73がビス止めされている。移動規制部材73は、図4(c)に示すように、板材を、中間部に溝73aができるように折り曲げ形成したものとなっており、溝73aにはワイヤー711が通される。また、ワイヤー711の、移動規制部材73の両隣となる部位には、図4(a),(b)に示すようにワイヤークリップ712が取り付けられている。
この移動規制部材73や上述した第3吊り材6によって、支持体7をなすワイヤー71が弛むのが防止されるとともに、支持体7の天井板3に対する相対的な移動が規制されている。
このように構成された天井構造10を有する構造物1が、地震などにより水平方向に揺れると、天井板3および天井板3に固定された支持体7も水平方向に揺れることになる。しかし、係止部材4と第2吊り材との係合部、第2吊り材と支持体との係合部は、環状部と環状部とを鎖のように繋げた構造となっているので、第2吊り材5および第3吊り材6が、天井面、空間S上面に対し比較的自由に振り子のように揺れることになるので、第2,第3吊り材5,6や支持体7に曲げ応力が作用せず、破損が起こらない。一方で、第2,第3吊り材5,6は、それぞれの上端から下端へ向かう力に対しては高い支持力を有するので、もし、野縁受けを吊っているハンガーや野縁受けに野縁を留めているクリップが開き、第1吊り材2と天井板3とが切り離されてしまっても、第2,第3吊り材5,6によって吊り下げられた支持体7が天井板3を下から支持するので、天井板3が落下することはなく、空間S内にいる人が怪我をする心配はない。
(変形例1)
なお、本実施形態では、固定部41と挿通部42とによって係止金具4を構成したが、一端部に孔43aが形成されたL字状の金具43を、図5に示すように、一端部がフランジ11aの端から下方へと延びる状態で固定(ここでは、2つの金具43でフランジ11aを挟み込むようにボルトとナットで締めている)することにより、金具4Aを構成するようにしてもよい。なお、この場合、金具43の、孔43aの下方の部位が水平方向に延びる部位ということになり、孔43aが第1係止部として機能することになる。このようにすれば、第1係止部をより簡単に構成することができるので、施工の手間とコストをより一層低減することができる。
(変形例2)
また、図6(a)に示すように、H形鋼11のウェブ11bに孔11cをあけ、そこに第2吊り材5のワイヤー51を通すことにより、H形鋼11に直接第2吊り材を係止させるようにしてもよい。この場合、ウェブ11の孔11cの下の部位が、水平方向に延びる部位ということになり、ウェブ11そのものが係止部材として機能することになる。従って、天井構造をより一層簡単に構成することができる。
また、H形鋼11の上方が空いている場合には、6(b)に示すように、H形鋼に手を加えることなく、H形鋼11の上にワイヤー51を通し、上記実施形態と同様の環状部5aを形成するようにしてもよい。このようにすれば、H形鋼11の上側のフランジ11aが水平方向に延びる部位ということになる。
(変形例3)
また、本実施形態では、第2吊り材5をワイヤー51で構成し、ワイヤー51の端部を中間部にかしめることにより環状部5a,5bを形成したが、図7に示すように、ワイヤー51の先端にフック53を取り付けることにより係止部としてもよい。なお、図では、下端にフック53を取り付けた第2吊り材5Aによって支持材7を吊り下げている状態(第2係止部を鉤爪状とした例)を示したが、係止金具4や、第2吊り材5の上端、本体71の両端、金具72の上下端にこのようなフック53を用いてもよい。ワイヤー51を係止金具4或いは金具72に通してかしめる場合、その作業は設置個所、すなわち、天井板3の上で行わなければならないが、このようにすれば、ワイヤー51にフック53を取り付ける作業は下で行い、係止させるときだけ天井板3の上に上がればよくなるので、作業が安全かつ容易になるし、メンテナンスなどで第2吊り材5や支持材7を取り外したい場合に、容易に係止状態を解除することができる。
<第2実施形態>
次に、図8を参照して、本発明の第2実施形態について説明する。
なお、ここでは、第1実施形態と相違する点のみ説明することとし、共通する点については説明を省略する。
本実施形態の構造物1Aは、鉄筋コンクリート構造となっており、空間Sの上面は、梁11Aまたはスラブ12Aとなっているため、H形鋼が配されていない。
このため、本実施形態の係止金具4Bは、構造物1Aの梁11Aやスラブ12Aの下面に打ち込まれた施工アンカー44と、あと施工アンカー44の下端に切られたねじに螺合したアイナット45とで構成されている。これにより、梁11Aまたはスラブ12Aの下方に環状部4Baが形成される。すなわち、本実施形態の場合、アイナット45の下端部が水平方向に延びる部位ということになり、係止金具4Bが係止部材として機能することになる。
また、本実施形態は支持体の構成が異なる。本実施形態の支持体7Aの本体74は、アルミ等の金属で平たい棒状に形成された型材で構成され、本体74の両端部に取り付けられる金具75は、型材74の両端部に上下に貫通するように形成されたボルト孔74aに通されたボルト751およびボルト75の上端に螺合するアイナット752からなる。型材74の上には、天井板3がL字金具76を用いてビス止めされている。
本体74は板状の金属である上、図8(b)に示すように、縦方向に長くなるように配置されているので、本実施形態の本体74は天井板3に対し相対的な移動をすることが無い上に、吊り下げられても弛むことがない、従って、第1実施形態の第3吊り材6や移動規制部材73は不要となる。
(変形例)
なお、本実施形態では、第2吊り材5をワイヤー51で構成したが、図9(a),(b)に示すように、全ねじボルト53の両端にアイナット54,55を取り付け、そのアイナット54,55にシャックル56,57を通すことで棒状の第2吊り材5Aとしてもよい。このように構成した第2吊り材5Aの係止部材4Bへの係止は、シャックル56の両端の孔と係止部材4Bの環状部4Baを重ねてピン留めするだけとなる。同様に、支持体7Aの第2吊り材5Aへの係止は、シャックル57の両端の孔と支持体7Aの環状部72aを重ねてピン留めするだけとなる。
また、図9(c),(d)に示すように、チェーン58の両端にシャックル56,57を通すことで第2吊り材5Bとしてもよい。このようにすれば、部品点数を少なくでき、より安価に天井構造を構成することができる。
<第3実施形態>
次に、図10を参照して、本発明の第3実施形態について説明する。
なお、ここでは、第1実施形態と相違する点のみ説明することとし、共通する点については説明を省略する。
本実施形態は支持体の構成が異なる。本実施形態の支持材7Bの本体77は、天井板の下面に沿って配された金属帯で構成され、本体77の両端部に取り付けられる金具78は、本体77の両端部に形成された孔77aに通されたボルト781、ボルト781の上端に螺合するアイナット782からなる。本体77は、天井板3を形成する各仕上げ板31aにビス止めされている。
本実施形態のように、金属帯を用いることで、天井板3の下面から突出する部位がボルト781の頭部のみとなるので、美観を損なうことなく、天井板3の落下を防止することができる。
(変形例)
なお、本実施形態では、支持体7Bを帯状としたが、支持体を板状または網状に構成して天井板3全面を下から支持するようにしてもよい。特に支持体を網状に構成すれば、天井板3全体を支持しつつ、照明や空調との干渉を防ぐことができる。
以上、本発明を実施形態に基づいて具体的に説明してきたが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
例えば、第1実施形態では、第2吊り部をH形鋼から吊るしたもの、支持体をワイヤーとし、第2実施形態では、第2吊り部をあと施工アンカーから吊るしたもの、支持体を型材としたが、第1実施形態の第2吊り部に第2実施形態の型材を吊るし、第2実施形態の第2吊り部に第1実施形態のワイヤーを吊るすようにしてもよい。また、両者を併用するようにしてもよい。
また、上記実施形態では、梁や上面の壁体に係止金具を設けたが、柱に設けるようにしてもよい。
また、上記実施形態では、H形鋼や梁が水平に配された場合を示したが、これらが斜めに配された構造物に適用してもよい。その場合、吊り材の長さを設置個所に応じて変えるようにする。
また、上記実施形態では、ワイヤーの先端を、ワイヤークリップでかしめることによって環状部を形成したが、接着剤で留めたり、溶接したり、先端に金具を取り付けたりしてもよい。
また、上記実施形態では、第2吊り材を、仕上げ板を貫通するように設けたが、構造物の壁と天井板の端との間にできる間隙を通すことにより、仕上げ板を貫通させないようにしてもよい。
また、上記実施形態では、仕上げ板と支持体とを、互いに接触した状態で固定したが、固定しなくてもよい。
また、上記実施形態では、仕上げ板を金属製のスパンドレルとしたが、例えば、石膏、樹脂等で帯状以外の形状(矩形等)に形成されたものとしてもよい。
また、上記実施形態では、第1吊り材や仕上げ板の揺れを防ぐ手段について説明を省略したが、本発明は、そのような手段が設けられていない天井は勿論、例えば、第1吊り材と野縁受けとの間にブレースが設けられている天井にも適用できる。なお、第2吊り材および支持体を設置する際に、揺れを防ぐ手段を新規に設けるようにしてもよい。
10,10A 天井構造
1,1A 構造物
2 第1吊り材
3 天井板
4,4A,4B 係止金具(第1係止部)
5,5A,5B 第2吊り材
5a 上環状部(第1被係止部)
5b 下環状部(第2係止部)
6 第3吊り材
7,7A,7B 支持体
71,74,77 本体
72a,75a,78a 環状部(第2被係止部)

Claims (9)

  1. 構造物内側の空間上部の躯体から垂下する第1吊り材と、前記第1吊り材によって吊り下げられた天井板と、を備える天井構造であって、
    水平方向に延びる部位を有する第1係止部を有し、前記躯体の天井面に2次元的に分布するように設けられた複数の係止部材と、
    一端に環状または鉤爪状の第1被係止部を有するとともに、他端に環状または鉤爪状の第2係止部を有し、各第1係止部の水平方向に延びる部位に前記第1被係止部を掛けることにより、前記複数の係止部材からそれぞれ垂下する複数の第2吊り材と、
    前記第2吊り材の下方に位置する箇所に設けられ、上端に環状または鉤爪状の第2被係止部が形成され、前記天井に固定された金具と、前記天井板の下方に位置し、前記金具の下端に繋げられた本体と、からなり、前記複数の第2係止部に、前記第2被係止部をそれぞれ掛けることにより、前記第2吊り材から吊り下げられた支持体と、を備え、
    前記支持体は、前記天井板が揺れる際に、前記天井板とともに揺れるよう構成されていることを特徴とする天井構造。
  2. 前記第2吊り材は、ワイヤーで構成され、
    前記第1被係止部と前記第2係止部の少なくとも一方は、前記ワイヤーの端部を折り返し、その先端をその中間部に結合することにより環状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の天井構造。
  3. 前記第2吊り材は、棒材で構成され、
    前記第1被係止部と前記第2係止部の少なくとも一方は、前記棒材の端部に、環状または鉤爪状の部材を取り付けることにより形成されていることを特徴とする請求項1に記載の天井構造。
  4. 前記本体は、
    金属で棒状に形成された型材で構成されるとともに水平方向に延びるように配置され、
    前記天井板の下面に接した状態で前記天井板に固定され、
    前記金具は、
    前記本体を鉛直方向に貫通するボルト孔に支持されたボルトと、当該ボルトの上端に螺合するアイナットと、を有し、
    前記ボルトを支持する前記ボルトの内壁部を介して前記天井板に固定されていることを特徴とする請求項1に記載の天井構造。
  5. 前記支持体は、前記第2吊り材の下端から、他の第2吊り材の下端へと延びる棒状または紐状の部材であり、
    前記天井板の一端部および他端部が、並行する複数の支持体によって支持されていることを特徴とする請求項1に記載の天井構造。
  6. 前記支持体は、
    前記天井板の下に、天井板と平行に配置された棒材と、
    前記棒材の両端部に取り付けられた環状または鉤爪状の金具と、で構成されていることを特徴とする請求項5に記載の天井構造。
  7. 前記天井板の、前記第2吊り材の下方に位置する部位には孔がそれぞれ形成され、
    前記棒材に前記孔を介して前記金具を取り付けることにより、前記第2被係止部が前記天井板の上方に設けられていることを特徴とする請求項6に記載の天井構造。
  8. 前記支持体の本体は、ワイヤーで構成されていることを特徴とする請求項5に記載の天井構造。
  9. 前記支持体は、
    前記天井板の下に、天井板と平行に配置された板材と、
    前記板材の、一直線上に並ばない3箇所に取り付けられた環状または鉤爪状の金具と、で構成されていることを特徴とする請求項5に記載の天井構造。
JP2014081693A 2014-04-11 2014-04-11 天井構造 Active JP6516413B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014081693A JP6516413B2 (ja) 2014-04-11 2014-04-11 天井構造

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014081693A JP6516413B2 (ja) 2014-04-11 2014-04-11 天井構造

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015203185A JP2015203185A (ja) 2015-11-16
JP6516413B2 true JP6516413B2 (ja) 2019-05-22

Family

ID=54596817

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014081693A Active JP6516413B2 (ja) 2014-04-11 2014-04-11 天井構造

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6516413B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6735184B2 (ja) * 2016-08-22 2020-08-05 中日本ハイウェイ・エンジニアリング名古屋株式会社 落下防止構造体、その施工方法、及びアンカー
JP2018076645A (ja) * 2016-11-07 2018-05-17 西日本高速道路株式会社 天井の落下防止構造
JP6349007B1 (ja) * 2017-04-18 2018-06-27 株式会社鴻池組 天井材落下防止構造
JP7219652B2 (ja) * 2019-03-27 2023-02-08 大和ハウス工業株式会社 枠部材取付方法及び天井パネル施工方法
CN113622584A (zh) * 2021-08-20 2021-11-09 浙江亚厦装饰股份有限公司 一种装配式挂装吊顶

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003306989A (ja) * 2002-04-16 2003-10-31 Yoshiaki Kanogawa 天井吊持具、及び天井構造、並びに天井工法
JP5777064B2 (ja) * 2012-01-31 2015-09-09 清水建設株式会社 吊り天井構造及び吊り天井構造の耐震改修方法
JP5866261B2 (ja) * 2012-06-15 2016-02-17 本田技研工業株式会社 天井落下防止構造

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015203185A (ja) 2015-11-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6516413B2 (ja) 天井構造
CA2836279C (en) Mounting hardware and mounting system for vertical panels
JP4806239B2 (ja) 吊天井の補強金具
US5941029A (en) Seismic fixture clamp
EP2937485B1 (en) Suspended ceiling comprising a system for supporting a load
JP6170697B2 (ja) 天井下地構造
JP2008121371A (ja) 天井振動低減構造
KR102173314B1 (ko) 경량 천장틀용 연결클립을 이용한 천장마감장치
JP5794868B2 (ja) 天井下地構造
JP2013224574A5 (ja)
JP2001524627A (ja) 地震用固定具クランプ
JP2018062853A (ja) 天井下地構造
JP3217663U (ja) 開閉式テント
JP2017025513A (ja) 野縁受け懸架装置
JP6145380B2 (ja) 天井構造
JP5213048B2 (ja) 天井振れ止めシステム
JP2015212503A (ja) 斜め補強部材用取付金具
JP3084009B2 (ja) 高架構造物の桁裏面へのパネルの取付方法
JP2016217045A (ja) 吊天井の落下防止構造
JP2013060703A (ja) 天井補強構造
CN116084616B (zh) 一种结合机电管线的装饰板安装悬挂构架
JP6629577B2 (ja) 間仕切り壁の転倒防止具
JP5374781B2 (ja) 天井下地用耐震補強金具
JP2020041418A (ja) 間仕切り壁の転倒防止具
JP7449087B2 (ja) 天井落下防止構造

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170306

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20171220

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180109

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180301

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180724

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180907

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190129

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190218

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190409

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190416

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6516413

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250