JP6508866B2 - 柱梁架構 - Google Patents

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Description

本発明は、柱梁架構に関する。
特許文献1には、ラーメン構造の柱・梁架構に関する技術が開示されている。この先行技術では、梁の梁幅を柱の柱幅より大きく設定すると共に、柱と梁の接合部に梁軸方向および梁軸と直角な方向に突出する柱と一体の跳ね出し部を設けている。この跳ね出し部は、その断面を梁の断面にほぼ一致させ、かつ柱から跳ね出し部にかけて、その耐力が接合端部の耐力に比べ十分大きくなるように補強し、梁の端部を梁幅に渡ってほぼ均等に支持している。そして、補強された梁軸方向の跳ね出し部により、梁の支持スパンが実質的に短くなり、柱梁接合部の安全性が高まり変形性能が向上することが記載されている。
特許文献2には、複数のコンクリート製の壁版及び床版が互いに交差し、この交差部を介して壁版及び床版内に通し配筋を配したコンクリート製耐震床壁式構造物が開示されている。この先行技術では、交差部を含めて壁版及び床版をほぼ均一なコンクリート強度で形成し、この床版の通し配筋と同方向に延びる曲げ補強筋を少なくとも交差部に挿入するとともに、この曲げ補強筋を床版のうち交差部と隣接する部分へ延長している。これによって交差部及び隣接部を、その曲げ変形と通し配筋の付着破壊による滑りとに抵抗する補強領域として剛体化し、補強領域に連なる床版部分を塑性領域とし、かつ補強領域に接する塑性領域の端部に塑性ヒンジ形成箇所を再配置している。
ここで、柱梁架構においては、柱の断面積(太さ)は、柱が負担する応力(N(軸方向力),M(曲げモーメント),Q(せん断力))でなく、柱梁仕口部(柱梁接合部)の体積によって決まることが多い。より具体的には、梁主筋の柱梁仕口部(柱梁接合部)の定着長を確保するために柱梁仕口部が大きくなり、これに伴って柱断面が大きくなることが多い。そして、柱断面(柱梁仕口部)は、柱が負担する応力(N,M,Q)から決まる断面積よりも大きくなることが多い。
特開2007−107367号公報 特開2009−7759号公報
本発明は、柱梁架構における柱梁仕口部を小さくすることが課題である。
第一態様は、梁に配筋された梁主筋と、前記梁の柱との接合端部が前記梁主筋の定着領域となる曲げ耐力を有し且つ非塑性ヒンジ領域となるように、前記接合端部と柱梁仕口部とに跨り且つ前記梁主筋よりも前記梁の中心側に配筋された補強筋と、前記接合端部に形成された貫通孔と、前記接合端部に配筋され、前記補強筋及び前記梁主筋を保持する補助筋と、を備え、前記貫通孔は、正面視において、非塑性ヒンジ領域である前記接合端部における梁方向の中央部分に位置するように形成されている。
第一態様では、梁の柱との接合端部が梁主筋の定着領域になるので、梁主筋の定着長を確保するために柱梁仕口部(柱断面)を大きくする必要がなくなり、この結果、柱梁仕口部(柱断面)を小さくすることができる。
また、接合端部は、配筋された補強筋によって曲げ耐力が向上している。よって、接合端部に貫通孔を形成しても必要な曲げ耐力が確保される。そして、このように接合端部(柱梁仕口部際(柱際))に貫通孔が形成されることで、設計の自由度が向上する。
第二態様は、柱に配筋された柱主筋と、前記柱の梁との接合端部が前記柱主筋の定着領域となる曲げ耐力を有し且つ非塑性ヒンジ領域となるように、前記接合端部と柱梁仕口部とに跨り且つ前記柱主筋よりも前記柱の中心側に配筋された補強筋と、前記接合端部に形成された貫通孔と、を備え、前記貫通孔は、正面視において、非塑性ヒンジ領域である前記接合端部における柱方向の中央部分に位置するように形成されている。
第二態様では、柱の梁との接合端部が柱主筋の定着領域になるので、柱主筋の定着長を確保するために柱梁仕口部(梁断面)を大きくする必要がなくなり、この結果、柱梁仕口部に(梁断面)を小さくすることができる。
また、接合端部は、配筋された補強筋によって曲げ耐力が向上している。よって、接合端部に貫通孔を形成しても必要な曲げ耐力が確保される。そして、このように接合端部(柱梁仕口部際(梁際))に貫通孔が形成されることで、設計の自由度が向上する。
第三態様は、前記補強筋の前記接合端部側の端部には、定着板が設けられている。
第三態様では、定着板に生じる支圧力によって接合端部の剛性が向上し、その結果、柱梁仕口部を更に小さくすることができる。
第四態様は、前記補強筋は、正面視において外形が矩形環状である。
本発明によれば、柱梁架構における柱梁仕口部を小さくすることができる。
本発明の第一実施形態に係る柱梁架構の柱梁接合部の鉄筋の配筋構造を示す(A)は水平断面図であり、(B)はX方向に沿った垂直断面図である。 (A)は柱梁架構を構成する柱の配筋構造を示す水平断面図であり、(B)は図1(B)の2B−2B線に沿った垂直断面図であり、(C)は図1(B)の2C−2C線に沿った垂直断面図であり、(D)は図1(B)の2D−2D線に沿った垂直断面図であり、 は本発明の第一実施形態に係る柱梁架構の柱梁接合部の補強筋の配筋構造を示すX方向に沿った垂直断面図である。 (A)は第一変形例の配筋構造を示す図3に対応する垂直断面図であり、(B)は補強筋をスリーブで連結した構成を示す(A)の他の構成例である。 第二変形例の配筋構造を示す図3に対応する垂直断面図である。 (A)は補強筋が配筋されていない比較例の柱梁接合部の梁の塑性ヒンジ領域を説明するための正面図であり、(B)は本発明の第一実施形態に係る柱梁架構の柱梁接合部の梁の塑性ヒンジ領域と非塑性ヒンジ領域(接合端部)とを説明するための正面図である。 本発明の第一実施形態に係る柱梁架構の柱梁接合部の梁主筋の定着領域を説明するための、(A)は平面図であり、(B)は正面図である。 補強筋が配筋されていない比較例の柱梁接合部の梁主筋の定着領域を説明するための、(A)は平面図であり、(B)は正面図である。 (A)は本発明の第一実施形態に係る柱梁架構の柱梁接合部が側面視で横T字形状となる場合の補強筋の配筋例を示す図3に対応する垂直断面図であり、(B)は側面視で横T字形状となる場合の図11の第三変形例の横U字形状の補強筋を用いた配筋例を示す図3に対応する垂直断面図である。 柱(又は柱梁仕口部)がプレキャスト部材の場合の補強筋の配筋構造を示す(C)は梁を打設する前に補強筋を接合する様子を説明する側面図であり、(D)は図3に対応する垂直断面図である。 本発明の第二実施形態に係る柱梁架構の柱梁接合部を示す図3に対応する垂直断面図である。 第三変形例の配筋構造を示す図3に対応する垂直断面図である。 第四変形例の配筋構造を示す図3に対応する垂直断面図である。 本発明の第一実施形態に係る柱梁架構の柱梁接合部が側面視でL字形状となる場合の補強筋の配筋例を示す図3に対応する垂直断面図である。
<第一実施形態>
本発明の第一実施形態に係る鉄筋コンクリート造の柱梁架構10について説明する。なお、各図において、矢印Zは上下方向を示し、矢印X及び矢印Yは水平方向における直交する2方向を示している。また、断面図であっても、断面を示す斜線は、図面が煩雑になるので図示を省略している。
図1に示すように、本実施形態における鉄筋コンクリート造の柱梁架構10は柱100と梁200とで構成されている。なお、図1(A)に示すように、柱100のY方向の幅は、梁200の梁幅よりも幅広である。梁200は矢印X方向に沿って設けられている。
図1(B)及び図2(D)に示すように、梁200の柱100との接合端部250には、Y方向に貫通孔20が形成されている。この貫通孔20は、液体・気体・粉体などの流体を輸送する配管(例えば、空調ダクト、排水菅、水道管など)や電気や通信などの配線(例えば、電線や通信ケーブルなど)を通すために設けられている。なお、「接合端部250」の説明は後述する。
図1及び図2(A)に示すように、鉄筋コンクリート造の柱100には、柱主筋110とせん断補強筋102、104とが配筋されている。柱主筋110は、柱100の外周部分に柱長方向(Z方向)に沿って配筋されている。外側のせん断補強筋102は、外周部分に柱主筋110を囲むように設けられ、柱長方向(Z方向)に所定の間隔をあけて配筋されている。また、内側のせん断補強筋104は、梁200に対応する中央付近の柱主筋110のみを囲むように設けられ、同様に柱長方向(Z方向)に所定の間隔をあけて配筋されている。
図1及び図2(B)、図2(C)、図2(D)に示すように、鉄筋コンクリート造の梁200には、梁主筋210とせん断補強筋202、204とが配筋されている。梁主筋210は、梁200の上部と下部とにそれぞれ梁幅方向に間隔をあけて並んで配筋されている。なお、梁主筋210は、柱梁仕口部150(図1参照)を通る通し配筋となっている。外側のせん断補強筋202は、梁主筋210を囲むように設けられ、梁長方向(X方向)に所定の間隔をあけて配筋されている。また、内側のせん断補強筋204は、梁成方向中央付近の梁主筋210のみを囲むように設けられ、同様に梁長方向(X方向)に所定の間隔をあけて配筋されている。
また、図1(B)に示すように、梁200の接合端部250に形成された貫通孔20の周囲を囲むように、正面視矩形状の補助筋50が配筋されている。なお、補助筋50は、貫通孔20が矩形の場合は不要である。
図1、図2(C)、図2(D)、及び図3に示すように、梁200には、柱100との接合端部250と柱梁仕口部150とに跨って複数本の補強筋220が配筋されている。補強筋220は、梁主筋210と同様に梁長方向(X方向)に沿って配筋されている。また、補強筋220は、上下の梁主筋210の間に上下二段で配筋され、それぞれ梁幅方向に間隔をあけて並んで配筋されている。なお、梁幅方向に並んだ梁主筋210の間に補強筋220を配筋してもよい(梁主筋210と補強筋220とが梁幅方向に交互に並んだ配筋構成であってもよい)。また、各補強筋220の両端部には、定着板222が設けられている。
図2(D)等に示すように、梁200における接合端部250には、これら複数の補強筋220を保持する補助筋230、232が上下にそれぞれ設けられている。幅広の補助筋230は、梁幅方向(Y方向)に沿って配筋され、梁幅方向両外側の梁主筋210の外側からそれぞれ中心側(Z方向)に屈曲し、屈曲した先端部には梁幅方向両外側の補強筋220を保持するフック部231が形成されている。同様に、幅狭の補助筋232は、梁幅方向(Y方向)に沿って配筋され、中央付近の二本の梁主筋210の外側からそれぞれ中心側(Z方向)に屈曲し、屈曲した先端部には中央付近の二本の補強筋220を保持するフック部233が形成されている。
ここで、梁200には、柱100との接合端部250と柱梁仕口部150とに跨って複数の補強筋220が配筋され、これによって接合端部250は梁主筋210の定着領域となる曲げ耐力を有している。つまり、接合端部250は、補強筋220が配筋され、梁主筋210の定着領域となる曲げ耐力を有する領域である。また、図7に示す斜線を引いた領域(S2)が接合端部250である。
更に、別の観点から説明すると、補強筋220を柱梁仕口部150に配筋すると共に、補強筋220を梁200の接合端部250に延長することで、接合端部250を曲げ変形と梁主筋210の付着破壊による滑りとに抵抗する補強領域として剛体化している。なお、ここで言う「剛体化」とは、接合端部250を補強筋220によって周囲に比べて塑性変形(及び弾性変形)を生じ難くする(剛性を強化する)という意味である。
(作用及び効果)
つぎに、本実施形態の作用及び効果について説明する。
前述したように、梁200の柱100との接合端部250と柱梁仕口部150とに跨って複数の補強筋220が配筋されることで、接合端部250が梁主筋210の定着領域となる曲げ耐力を有している。
よって、柱梁仕口部150と接合端部250が梁主筋210の定着領域になる。つまり、図7の柱梁仕口部150の定着領域S1と接合端部250の定着領域S2とが定着領域となる。したがって、梁主筋210の定着長を確保するために柱梁仕口部150を大きくする必要がないので(定着領域S1を大きくする必要がないので)、柱梁仕口部150を小さくすることができる。つまり、柱100の水平断面の面積を小さくすることができる。
また、補強筋220の両端部に設けた定着板222に生じる支圧力によって、接合端部250の曲げ耐力が更に向上し、その結果、柱梁仕口部150を更に小さくすることができる。つまり、柱100の水平断面の面積を更に小さくすることができる。
また、補強筋220にプレストレスを導入してもよい。そして、補強筋220にプレストレスを導入することで、接合端部250の曲げ耐力が更に向上し、その結果、柱梁仕口部150を更に小さくすることができる。つまり、柱100の水平断面の面積を更に小さくすることができる。
なお、補強筋220にプレストレスを導入する方法は、どのような方法であってもよい。一例として、プレキャスト工法を適用し、補強筋220が配筋されている柱梁仕口部150と接合端部250とで構成するプレキャスト部材に予めプレストレスを導入する方法であってもよい。
また、接合端部250は、補強筋220によって曲げ耐力が向上している。よって、接合端部250に貫通孔20を形成しても必要な曲げ耐力が確保される。そして、このように接合端部250、つまり柱100際(きわ)に貫通孔20が形成することが可能となることで、設計の自由度が向上する。また、配管スペースを設けるために、下がり天井にする必要がなくなる。
ここで、本発明が適用されていない比較例の柱梁架構について説明する。
図8に示す比較例の柱梁架構15の梁200には、補強筋220が配筋されていない(図8と図7とを比較参照)。よって、接合端部250(図7参照)は、梁主筋210(図1等を参照)の定着領域となる曲げ耐力を有していない。つまり、梁主筋210(図1等を参照)の定着領域は、柱梁仕口部155の定着領域S3のみである。なお、接合端部250に、曲げ耐力の向上でなく、せん断補強のための鉄筋を配筋してもよい。
比較例の柱梁架構15においては、柱105の水平断面の面積(太さ)は、柱105が負担する応力(N(軸方向力),M(曲げモーメント),Q(せん断力))でなく、柱梁仕口部155の体積によって決まっている。より具体的には、梁主筋210(図1等を参照)の柱梁仕口部155の定着長を確保するために柱梁仕口部155(定着領域S3)が大きくなり、これに伴って柱105の水平断面の面積が大きくなる。つまり、柱105の水平断面の大きさ(柱梁仕口部155の大きさ)は、柱105が負担する応力(N,M,Q)から決まる断面積よりも大きい。
これに対して、本実施形態の柱梁架構10は、前述したように、梁200の柱100との接合端部250と柱梁仕口部150とに跨って複数の補強筋220が配筋されることで、接合端部250が梁主筋210の定着領域となる曲げ耐力を有している。つまり、図7の柱梁仕口部150の定着領域S1と接合端部250の定着領域S2とが定着領域となる。
よって、柱100が負担する応力(N,M,Q)から柱100の水平断面の面積(太さ)を決定することができる。或いは、柱100が負担する応力(N,M,Q)から決定される水平断面の面積(太さ)に近づけることができる。よって、図7と図8とを比較すると判るように、本実施形態の柱梁仕口部150を比較例の柱梁仕口部155よりも小さくすることができる。すなわち、比較例の柱105の水平断面の面積よりも本実施形態の柱100の水平断面の面積を小さくすることができる(柱105よりも柱100を細くすることができる)。なお、柱梁仕口部150の部材寸法を決定する際には、公知の技術的地検に基づいて、適宜せん断設計を行うことが望ましい。
また、図6(A)に示すように、比較例の柱梁架構15では、地震時等に外力が作用した場合、梁200の接合端部250が回転変形する塑性ヒンジ領域Mとなる。
これに対して、図6(B)に示す本実施形態の柱梁架構10では、梁200の接合端部250と柱梁仕口部150とに跨って複数の補強筋220(図7等を参照)が配筋され、接合端部250は曲げ耐力が強化されている。よって、地震時等に外力が作用した場合、接合端部250は非塑性ヒンジ領域Nとなり、この外側に隣接した部位が塑性ヒンジ領域Mとなる。つまり、本実施形態の柱梁架構10の梁200は、比較例と比較し、塑性ヒンジ領域Mが外側に移動している(ヒンジリロケート)。
よって、梁200の塑性領域が短くなり(梁長さが実質的に短くなり)、その分柱梁架構10全体の剛性が向上し、この結果、梁200と柱100を小さくすることができる。また、柱梁架構10の剛性が高くなるので、主筋の本数を減らすことも可能となる。
また、図6(A)に示すように、比較例の柱梁架構15では、梁200の接合端部250は高い曲げ耐力を有していない。また、接合端部250は塑性ヒンジ領域Mとなっている。したがって、比較例の柱梁架構15では、接合端部250に貫通孔をあけることができない(柱際に貫通孔をあけることができない)。よって、例えば、接合端部250の外側の柱105から離れた部位に貫通孔25をあけざるを得ないので、設計の自由度が制限される。
これに対して、図6(B)に示す本実施形態の柱梁架構10では、前述したように接合端部250は、補強筋220によって曲げ耐力が向上している。また、接合端部250は、塑性ヒンジ領域Mでなく非塑性ヒンジ領域Nであるので、地震時に損傷しない(又は損傷しにくい)。よって、接合端部250に貫通孔20を形成することが可能(柱際に貫通孔20を形成することが可能)となり、設計の自由度が向上する。
なお、本実施形態において、接合端部250(非塑性ヒンジ領域N)は、曲げ終局強度とせん断強度とを大きくしている。そして、曲げ終局強度とせん断強度とを大きくすることで、接合端部250(非塑性ヒンジ領域N)における梁主筋210の付着力が向上する。また、鉄筋コンクリート造の梁200のせん断補強強度は、塑性化しないことで、コンクリートのひび割れが限定され、この結果、せん断補強が確保される。なお、実際には、梁主筋210でも、せん断補強を受けて応力伝達を行っている。
<変形例>
上記実施形態では、図3に示すように、補強筋220は、X方向に沿った直線状の鉄筋で構成されていたが、これに限定されるものではない。よって、つぎに、補強筋の配筋構造の変形例(他の例)について説明する。
(第一変形例)
図4(A)に示す第一変形例の配筋構造では、補強筋260が正面視において外形が矩形環状となっている。また、図4(B)は、横U字形状の補強筋261の端部同士をスリーブ259で連結した構成を示している。
(第二変形例)
図5に示す第二変形例の配筋構造では、下側が開口側の正面視U字形状の補強筋262と、上側が開口側の正面視逆U地形状の補強筋264とが、開口側同士を対向して配置した構成となっている。
(第三変形例)
図11に示す第三変形例の配筋構造では、補強筋229は横U字形状とされ、側面視においてU字の湾曲部分同士が重なるように配置した構成となっている。
(第四変形例)
図12に示す第四変形例の配筋構造では、補強筋221の端部には定着板222(図3等を参照)が設けられていない。その替わり、補強筋221の先端部を屈曲させて傾斜部221A,221Bを形成することで、定着力を向上されている。なお、図の左側の傾斜部221Aは先端が近接する構成であり、右側の傾斜部221BはX字状に交差した構成である。また、左右両方とも傾斜部221Aであってもよいし、傾斜部220Bであってもよい。
(その他)
図3の補強筋220、図4の補強筋260、261、図5の補強筋262、264、図11の補強筋229、図12の補強筋221を組み合わせた配筋構造であってもよい。また、図3の補強筋220を正面視X字形状に配置した配筋構造であってもよい。
また、補強筋220等の端部に定着板222を設けたが、これに限定されるものではない。定着板が設けられていなくてもよい。
また、本実施形態及び変形例では、図1や図7に示すように、柱100の対向する側面に梁200が接合した柱梁接合に適用したが、これに限定されるものではない。
柱100の四側面にそれぞれ梁200が接合された平面視十字形状の柱梁接合部に本発明を適用してもよいし、柱100の三側面に梁200が接合された平面視T字形状の柱梁接合部に本発明を適用してもよい。或いは、柱100の隣接する二側面に梁200が接合された平面視L字形状の柱梁接合部に本発明を適用してもよいし、柱100の一側面に梁200が接合された柱梁接合部に本発明を適用してもよい。
なお、図9(A)は、柱梁接合部分が側面視で横T字形状となる場合の補強筋220の配筋例を示している。また、図13は柱梁接合部分が側面視でL字形状となる場合の補強筋220の配筋例を示している。
また、図9(D)は、柱100(又は柱梁仕口部150)がプレキャスト部材で、柱梁接合部分が横T字形状となる場合の配筋構造の例を示している。具体的には、図9(C)に示すように、柱100(プレキャスト部材)の側部にカプラ239が埋め込まれると共に、カプラ239に柱梁仕口部150側(プレキャスト部材側)に埋設された補強筋220の端部が接合されている。そして、これらカプラ239に梁200側の補強筋220をねじ込んで取り付け、図9(D)に示すように、コンクリートを打設する。
<第二実施形態>
つぎに、本発明の第二実施形態に係る鉄筋コンクリート造の柱梁架構30について説明する。なお、第一実施形態と同一の部材には、同一の符号を付し、重複する説明は省略する。また、図において、矢印Zは上下方向を示し、矢印X及びび矢印Yは水平方向における直交する2方向を示している。
図10は鉄筋コンクリート造の構造物の最上階の梁200Aと柱100の上端部との柱梁接合部と、基礎階の梁200Bと柱100の下端部との柱梁接合部と、が図示されている。
柱100には、梁200との接合端部140と柱梁仕口部150とに跨って複数本の補強筋220が配筋されている。補強筋220は、柱主筋110(図1及び図2を参照)と同様に柱長方向(鉛直方向)に沿って配筋されている。また、補強筋220は、柱100の幅方向の両側部に配筋されている。なお、各補強筋220の両端部には定着板222が設けられている。
ここで、柱100には、梁200との接合端部140と柱梁仕口部150とに跨って複数の補強筋220が配筋され、これによって接合端部140は柱主筋110(図1及び図2を参照)の定着領域となる曲げ耐力を有している。つまり、接合端部140は、補強筋220が配筋され、柱主筋110(図1及び図2を参照)の定着領域となる曲げ耐力を有する領域である。
更に、別の観点から説明すると、補強筋220を柱梁仕口部150に配筋すると共に、補強筋220を柱100の接合端部140に延長することで、接合端部140を曲げ変形と柱主筋110(図1及び図2を参照)の付着破壊による滑りとに抵抗する補強領域として剛体化している。なお、ここで言う「剛体化」とは、接合端部250を補強筋220によって周囲に比べて塑性変形(及び弾性変形)を生じ難くする(剛性を強化する)という意味である。
また、柱100の接合端部140には、水平方向に貫通孔20が形成されている。この貫通孔20は、液体・気体・粉体などの流体を輸送する配管(例えば、空調ダクト、排水菅、水道管など)や電気や通信などの配線(例えば、電線や通信ケーブルなど)を通すために設けられている。
(作用及び効果)
つぎに、本実施形態の作用及び効果について説明する。
前述したように、柱100の梁200との接合端部140と柱梁仕口部150とに跨って複数の補強筋220が配筋されることで、接合端部140が柱主筋110(図1及び図2を参照)の定着領域となる曲げ耐力を有している。
よって、柱梁仕口部150と接合端部140が柱主筋110(図1及び図2を参照)の定着領域になる。したがって、柱主筋110(図1及び図2を参照)の定着長を確保するために柱梁仕口部150を大きくする必要がないので、柱梁仕口部150を小さくすることができる。つまり、梁200A,200Bの梁成を低くすることができる。なお、図10に想像線(二点破線)で示すように、柱主筋110の定着長が不足する場合は、柱頭部に補助定着部155を設けてもよい。
また、補強筋220の両端部に設けた定着板222に生じる支圧力によって、接合端部140の曲げ耐力が更に向上し、その結果、柱梁仕口部150を更に小さくすることができる。つまり、梁200A,200Bの梁成を更に低くすることができる。
言い換えると、梁200A,200Bが負担する耐力から梁200A,200Bの水平断面の面積(梁成の高さ)を決定することができる。或いは、梁200A,200Bが負担する耐力から決定される梁200A,200Bの水平断面の面積(梁成の高さ)に近づけることができる。
なお、補強筋220にプレストレスを導入してもよい。そして、補強筋220にプレストレスを導入することで、接合端部140の曲げ耐力が更に向上し、その結果、柱梁仕口部150を更に小さくすることができる。つまり、梁200A,200Bの梁成を更に低くすることができる。
また、接合端部140は、補強筋220によって曲げ耐力が向上している。よって、接合端部140に貫通孔20を形成しても必要な曲げ耐力が確保される。そして、このように接合端部140、つまり梁200際(きわ)に貫通孔20が形成することが可能となることで、設計の自由度が向上する。
なお、本実施形態においても、第一形態の変形例の補強筋260(図4参照)及び第二変形例の補強筋262、264(図5参照)も適用することができる。
<その他>
尚、本発明は上記実施形態に限定されない。
例えば、第二実施形態の梁200A,200Bに第一実施形態と同様の補強筋220、221、260、261、262、264、229を配筋してもよい。
更に、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々なる態様で実施し得ることは言うまでもない。
なお、第一実施形態の柱梁架構を別の観点から説明すると、
柱梁からなる柱梁架構おいて、
補強筋を柱梁仕口部に配筋すると共に、前記補強筋を前記梁の前記柱との接合端部に延長することで、
前記柱梁仕口部と前記接合端部とを、曲げ変形と前記梁主筋の付着破壊による滑りとに抵抗する補強領域として十分なせん断補強を行うことで剛体化し、
前記補強領域に連なる梁部を塑性領域とし、かつ前記補強領域に接する前記塑性領域の端部に塑性ヒンジ形成箇所を構成した柱梁架構、
と説明することもできる。
また、第二実施形態の柱梁架構を別の観点から説明すると、
柱梁からなる柱梁架構おいて、
補強筋を柱梁仕口部に配筋すると共に前記補強筋を前記柱の前記梁との接合端部に延長することで、
前記柱梁仕口部と前記接合端部とを、曲げ変形と前記柱主筋の付着破壊による滑りとに抵抗する補強領域として十分なせん断補強を行うことで剛体化し、
前記補強領域に連なる柱部を塑性領域とし、かつ前記補強領域に接する前記塑性領域の端部に塑性ヒンジ形成箇所を構成した柱梁架構、
と説明することもできる。
10 柱梁架構
20 貫通孔
30 柱梁架構
100 柱
110 柱主筋
140 接合端部
200 梁
210 梁主筋
220 補強筋
221 補強筋
222 定着板
229 補強筋
250 接合端部
260 補強筋
261 補強筋
262 補強筋
264 補強筋

Claims (1)

  1. 梁に配筋された梁主筋と、
    前記梁の柱との接合端部が、前記梁主筋の定着領域となる曲げ耐力を有し且つ非塑性ヒンジ領域となるように、前記接合端部と柱梁仕口部とに跨って配筋された二本の横U字形状の補強筋と、
    非ヒンジ領域である前記接合端部に設けられた貫通孔と、
    を有し、
    二本の前記横U字形状の補強筋は、開口側の端部同士が連結されることで、正面視で外形が矩形環状になっている、
    柱梁架構。
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