JP5185711B2 - 鉄筋コンクリート梁 - Google Patents

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Description

本発明は、幅に比べてせい(梁せい)が大きいロングスパン系の鉄筋コンクリート梁に関する。
図6は、従来の鉄筋コンクリート梁を示す構造図であり、(a)は縦断面図、(b)は(a)のX−X断面図である。
鉄筋コンクリート梁100は、幅に比べてせいが大きいロングスパン系の鉄筋コンクリート梁であり、コンクリート102と、軸方向に配筋した上下の主筋103,104と、上下の主筋103,104に巻回されてそれらを拘束する拘束筋(せん断補強筋)105で構成されている。
また、従来、鉄筋コンクリート梁100の幅方向に開口部(図示せず)を設ける場合には、開口部の周囲に開口補強金物やワイヤメッシュや斜め筋などを設置していた。
例えば特許文献1には、組立鉄筋体の開口部設置対応箇所に開口部の口径よりも大きな径のスパイラル筋を開口部と同軸に配置して補強した鉄筋コンクリート梁が開示されている。
特開2007−277852号公報(図4)
従来のロングスパン系の鉄筋コンクリート梁100は、荷重が作用したときに発生する曲げモーメントに比べて、発生するせん断力が小さい部材であるにもかかわらず、せん断力に対して鉄筋コンクリート梁100の全断面積で抵抗する仕組みとなっているので、上下の主筋103,104に多数の拘束筋105を所定間隔で巻回しなければならなかった。
また、鉄筋コンクリート梁100の幅方向に貫通する開口部を設ける際には、上下の主筋103,104の間に所定間隔で巻回する拘束筋105の一部を省略しなければならず、拘束筋105を省略した分について、開口部の周囲に特許文献1に記載のような複雑な補強を行わなければならず、材料費や施工手間の増加を招いていた。
本発明は、かかる問題を解決するために創案されたものであり、幅方向に貫通する開口部を容易に形成することができる鉄筋コンクリート梁を提供することを課題とする。
本発明は、幅に比べてせいが大きい鉄筋コンクリート梁であって、コンクリートと、当該コンクリート内の上端側に複数段に配筋された複数の上端主筋と、当該コンクリート内の下端側に複数段に配筋された複数の下端主筋と、前記複数の上端主筋に互いに間隔を空けて巻回され、前記複数の上端主筋を拘束する閉鎖型に加工された複数の上端拘束筋と、前記複数の下端主筋に互いに間隔を空けて巻回され、前記複数の下端主筋を拘束する閉鎖型に加工された複数の下端拘束筋と、を備え、前記上端主筋と前記下端主筋の間に、梁の幅方向に貫通する開口部が形成され、前記開口部の両脇に、前記上端主筋と前記下端主筋を繋ぐ棒状の鉄筋の両端をそれぞれ鉤状に折り曲げて成る補強筋が配され、前記補強筋は、前記複数段の上端主筋のうちの上段に梁の幅方向に離間して配置された2本の上端主筋と前記複数段の下端主筋のうちの上段に梁の幅方向に離間して配置された2本の下端主筋とをそれぞれ繋ぐ1対の第1補強筋と、前記複数段の上端主筋のうちの下段に梁の幅方向に離間して配置された2本の上端主筋と前記複数段の下端主筋のうちの下段に梁の幅方向に離間して配置された2本の下端主筋とをそれぞれ繋ぐ1対の第2補強筋と、を1組として構成され、前記1組の補強筋は、前記2本の上端主筋同士及び前記2本の下端主筋同士の間を通るように配置されていることを特徴とする。
かかる構成によれば、コンクリート内の上端側に複数の上端主筋を複数段に配筋するとともに、この複数の上端主筋に互いに間隔を空けて複数の上端拘束筋を巻回して複数の上端主筋を拘束することにより、鉄筋コンクリート梁のうちの上端側の部分に小型の仮想梁が形成されることとなる。さらに、コンクリート内の下端側に複数の下端主筋を複数段に配筋するとともに、この複数の下端主筋に互いに間隔を空けて複数の下端拘束筋を巻回して複数の下端主筋を拘束することにより、鉄筋コンクリート梁のうちの下端側の部分に小型の仮想梁が形成されることとなる。そして、上端側の仮想梁と下端側の仮想梁によって、鉄筋コンクリート梁に生じるせん断力に抵抗することができるので、上端主筋と下端主筋とに巻き付ける拘束筋を省略あるいは削減することができる。そのため、上端主筋と下端主筋の間の拘束筋を省略あるいは削減することができるので、開口部を容易に形成することができる。また、もともと拘束筋が必要ないので、開口部を形成した際に従来のような複雑な補強も必要ない。
また、前記上端拘束筋及び前記下端拘束筋は、閉鎖型に加工され、曲げ圧縮に対する靭性が高められているのが好ましい。
また、前記上端主筋と前記下端主筋の間に、梁の幅方向に貫通する開口部が形成され、 前記開口部の両脇に、前記上端主筋と前記下端主筋を繋ぐ補強筋が配されているのが好ましい。
かかる構成によれば、開口部の両脇に、上端主筋と下端主筋を繋ぐ補強筋を配置するという簡易な補強で十分であるので、鉄筋コンクリート梁の軸方向の所望の位置に開口部を容易に形成することができる。
また、前記上端主筋と前記下端主筋の間の部分における前記コンクリートの幅寸法は、前記上端主筋及び前記下端主筋が配置された部分におけるコンクリートの幅寸法よりも小さいのが好ましい。
かかる構成によれば、鉄筋コンクリート梁の自重を小さくすることができる。そのため、更なるロングスパンに対応することができる。
本発明によれば、上端主筋と下端主筋の間に拘束筋が存在しないので、幅方向に貫通する開口部を容易に形成することができる鉄筋コンクリート梁を提供することができる。
本発明を実施するための最良の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。説明において、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
図1は、第1実施形態に係る鉄筋コンクリート梁の斜視図である。図2は、第1実施形態に係る鉄筋コンクリート梁の構造図であり、(a)は、鉄筋コンクリート梁の縦断面図、(b)は(a)のI−I矢視断面図である。
なお、図1においては、コンクリートを仮想線(2点鎖線)で描いている。
図1及び図2に示すように、鉄筋コンクリート梁1は、幅寸法Hに比べて高さ寸法Tが大きいいわゆるロングスパン系の梁である。鉄筋コンクリート梁1は、例えば建物の対向する柱(図示省略)の間に架設されている。鉄筋コンクリート梁1の上端側の両側部には、建物の床を構成するスラブSが連続的に設けられている。
鉄筋コンクリート梁1は、コンクリート2と、コンクリート2内の上端側に配置される複数の上端主筋3と、コンクリート2内の下端側に配置される複数の下端主筋4と、複数の上端主筋3に巻回される上端拘束筋5と、複数の下端主筋4に巻回される下端拘束筋6と、から構成されている。
コンクリート2は、主に骨材と水とセメントを混合して凝固させた部材である。コンクリート2の種類は、特に限定されるものではなく、例えば高強度コンクリートを用いることができる。
上端主筋3は、例えば異形鉄筋からなり、コンクリート2内の上端側において鉄筋コンクリート梁1の軸方向に延在して配置されている。第1実施形態では、上端主筋3は、4本の鉄筋で構成されており、上下二段に2本ずつ配置されている。各段に配置された上端主筋3は、互いに左右に間隔を隔てて配置されている。
下端主筋4は、例えば異形鉄筋からなり、コンクリート2内の下端側において鉄筋コンクリート梁1の軸方向に延在して配置されている。第1実施形態では、下端主筋4は、4本の鉄筋で構成されており、上下二段に2本ずつ配置されている。各段に配置された下端主筋4は、互いに左右に間隔を隔てて配置されている。
上端拘束筋5は、4本の上端主筋3の周囲に巻回される部材であり、上端主筋3の軸方向に互いに間隔を隔てて複数設置されている。上端拘束筋5は、例えば異形鉄筋を口字状に折り曲げた部材であり、例えばガス圧接や電気抵抗溶接などによって異形鉄筋の端部同士を接合することにより、あるいは、異形鉄筋の両端部を135°フックとすることにより、閉鎖型に構成されている。
下端拘束筋6は、4本の下端主筋4の周囲に巻回される部材であり、下端主筋4の軸方向に互いに間隔を隔てて複数設置されている。下端拘束筋6は、例えば異形鉄筋を口字状に折り曲げた部材であり、例えばガス圧接や電気抵抗溶接などによって異形鉄筋の端部同士を接合することにより、あるいは、異形鉄筋の両端部を135°フックとすることにより、閉鎖型に構成されている。
図2(a)、(b)に示すように、コンクリート2内の上端側に上下二段の上端主筋3が配置されると共に、この上端主筋3の周囲に複数の上端拘束筋5が巻回されることにより、鉄筋コンクリート梁1のうち上端側の部分に、小型の梁(以下、「上端側仮想梁7」という)が形成されることとなる。
また、コンクリート2内の下端側に上下二段の下端主筋4が配置されると共に、この下端主筋4の周囲に複数の下端拘束筋6が巻回されることにより、鉄筋コンクリート梁1のうち下端側の部分に、小型の梁(以下、「下端側仮想梁8」という)が形成されることとなる。
また、上端側仮想梁7と下端側仮想梁8との間には、コンクリート2のみで構成された中間部9が形成されることとなる。なお、図2(a)、(b)においては、上端側仮想梁7及び下端側仮想梁8と中間部9との境界を仮想線(2点鎖線)で描いている。
上端主筋3及び下端主筋4、並びに、上端拘束筋5及び下端拘束筋6の鉄筋径や本数や配置は、上端側仮想梁7のせん断耐力と下端側仮想梁8のせん断耐力の和が、鉄筋コンクリート梁1に作用するせん断力(設計せん断力)よりも大きくなるように設定されている。
つづいて、鉄筋コンクリート梁1の作用について説明する。
第1実施形態に係る鉄筋コンクリート梁1のうち上端側の部分は、4本の上端主筋3と複数の上端拘束筋5とによって、上端側仮想梁7として機能する。また、鉄筋コンクリート梁1のうち下端側の部分は、4本の下端主筋4と複数の下端拘束筋6とによって、下端側仮想梁8として機能する。
そして、上端側仮想梁7及び下端側仮想梁8は、上端側仮想梁7のせん断耐力と下端側仮想梁8のせん断耐力の和が鉄筋コンクリート梁1に作用するせん断力(設計せん断力)よりも大きくなるように構成されているので、中間部9を含めた鉄筋コンクリート梁1の全体で、せん断力に抵抗する必要がない。そのため、中間部9にせん断補強筋を配筋する必要がなく、換言すれば、上端主筋3と下端主筋4との間に拘束筋を巻き回す必要がなく、中間部9を無筋化することができる。
このように、鉄筋コンクリート梁1は、無筋の中間部9を有しているので、当該中間部9に容易に開口部11(図3参照)を設けることができる。また、中間部9はもともと無筋なので、開口部11を形成した際に従来のような複雑な補強を行う必要がない。また、中間部9内であれば、開口部11を自由な位置に形成することができる。
なお、鉄筋コンクリート梁1は、中間部9が無筋で構成されており、かつ、開口部11を形成した際に補強が不要であるので、鉄筋コンクリート梁1を形成した後に、中間部9を切削して開口部11を形成することもできる。
また、上端拘束筋5及び下端拘束筋6は、それぞれ閉鎖型に構成されているので、上端側仮想梁7及び下端側仮想梁8の曲げ圧縮に対する靭性を向上することができる。特に、プレストレストコンクリート梁のように曲げ圧縮が大きい部材に対して有効である。
つづいて第2実施形態に係る鉄筋コンクリート梁10について図3を参照して説明する。
図3は、第2実施形態に係る鉄筋コンクリート梁の構造図であり、(a)は縦断面図、(b)は(a)のII−II矢視断面図、(c)は(a)のIII−III矢視断面図である。なお、第1実施形態と同一の要素については同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
図3(a),(b),(c)に示すように、第2実施形態に係る鉄筋コンクリート梁10は、中間部9に開口部11を有する点、及び、上端主筋3と下端主筋4を繋ぐ補強筋12を備える点、が第1実施形態と異なっている。
第2実施形態に係る鉄筋コンクリート梁10は、中間部9に断面視円形状の開口部11を有している。開口部11は、例えば鉄筋コンクリート梁10の軽量化(肉抜き)のため、あるいは、鉄筋コンクリート梁10に交差して配管(図示省略)を設置するために形成される孔であり、鉄筋コンクリート梁10の幅方向に貫通形成されている。
開口部11の直径Dは、鉄筋コンクリート梁10の高さ寸法Tから、上端側仮想梁7の高さ寸法T及び下端側仮想梁8の高さ寸法Tを差し引いた寸法(中間部9の高さ寸法T)以下に形成されている。
また、開口部11のあき寸法Lは、上端側仮想梁7と下端側仮想梁8の一体性を考慮して、開口部11の直径Dの1倍以上とするのが好ましい。
図3(a)、(c)に示すように、補強筋12は、上端主筋3と下端主筋4の外側に巻回される鉄筋である。第2実施形態では、補強筋12は、隣り合う開口部11の間に等間隔で4本(4巻き)設置されている。換言すれば、補強筋12は、開口部11の左右両脇に2本ずつ設置されている。
なお、上端拘束筋5及び下端拘束筋6は、上端主筋3及び下端主筋4のうち、開口部11の上下にのみ設置されており、隣り合う開口部11同士の間に対応する部分には設置されていない。
第2実施形態に係る鉄筋コンクリート梁10によれば、鉄筋コンクリート梁10の上端側に上端側仮想梁7が形成され、鉄筋コンクリート梁10の下端側に下端側仮想梁8が形成されているので、開口部11の左右両側に、上端主筋3と下端主筋4とを繋ぐ補強筋12を設置するだけで、開口部11を十分に補強することができる。そのため、従来のように複雑な補強をする必要がなく、開口部11を容易に形成することができる。
つづいて、第3実施形態に係る鉄筋コンクリート梁20について図4を参照して説明する。説明において、第1、第2実施形態と共通する要素については同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
図4は、第3実施形態に係る鉄筋コンクリート梁の構造図であって、(a)は縦断面図、(b)は(a)のIV−IV矢視断面図、(c)は(a)のV−V矢視断面図である。
第3実施形態に係る鉄筋コンクリート梁20は、中間部9の幅寸法が上端側仮想梁7及び下端側仮想梁8の幅寸法に比べて小さい点、及び、補強筋22の形状が、前記した第2実施形態と異なっている。
図4(b),(c)に示すように、第3実施形態に係る鉄筋コンクリート梁20は、中間部21の幅寸法が上端側仮想梁7及び下端側仮想梁8の幅寸法に比べて小さく形成されている。すなわち、鉄筋コンクリート梁20は、I形断面に形成されている。これにより、鉄筋コンクリート梁20を軽量化することができ、さらなるロングスパンに対応することができる。
図4(a),(c)に示すように、補強筋22は、上端主筋3のうち上段側の左右にある上端主筋3,3と下端主筋4のうち段側の左右にある下端主筋4,4とをそれぞれ繋ぐ第1補強筋22a,22aと、上端主筋3のうち下段側の左右にある上端主筋3,3と下端主筋4のうち下段側の左右にある下端主筋4,4とをそれぞれ繋ぐ第2補強筋22b,22bと、を一組として構成されている。
図4(c)に示すように、第1補強筋22a及び第2補強筋22bは、棒状の鉄筋の両端をそれぞれ鉤状に折り曲げて形成した部材であり、この鉤状部分が上端主筋3及び下端主筋4にそれぞれ引っ掛けられている。
また、第1補強筋22a及び第2補強筋22bは、図4(c)に示すように、左右に離間して配置された上端主筋3同士の間及び下端主筋4同士の間を通るように配置されている。そのため、中間部9の幅寸法を小さくすることができる。
なお、図4(b),(c)に示すように、上端側仮想梁7の下側の両角部、及び、下端側仮想梁8の上側の両角部は、コンクリート2が欠け難いように面取りされている。
以上、本発明を実施するための最良の実施形態について、図面を参照して詳細に説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。
例えば、第1乃至第3実施形態では、上端主筋3及び下端主筋4をそれぞれ上下二段に配置したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば3段、4段など複数段に配置すればよい。また、上端主筋3及び下端主筋4の本数も、4本に限定されるものではない。
また、第1乃至第3実施形態では、上端拘束筋5及び下端拘束筋6を閉鎖型に構成したが、本発明はこれに限定されるものではなく、上端主筋3及び下端主筋4をそれぞれ拘束するものであればよい。例えば、上端拘束筋5及び下端拘束筋6を螺旋状に構成してもよい。
また、第2及び第3実施形態では、開口部11を円形状に形成したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば四角形状や楕円形状など、他の形状に形成しても良い。
また、上端主筋3、下端主筋4、上端拘束筋5、及び下端拘束筋6として用いる鉄筋は、特に限定されるものではないが、必要に応じて高強度鋼を用いることができる。例えば、上端拘束筋5及び下端拘束筋6に高強度せん断補強筋を用いれば、上端側仮想梁7及び下端側仮想梁8のせん断耐力を増加させることができる。
また、第1乃至第3実施形態では、鉄筋コンクリート梁1,10,20を例にとって説明したが、鉄筋コンクリート梁1,10,20にプレストレスを導入してプレストレストコンクリート梁にしてもよい。
具体的には、図2(a)、(b)に示す鉄筋コンクリート梁1において、下端主筋4に高強度鉄筋を用い、コンクリート2の打設前にジャッキを用いて下端主筋4を緊張し、コンクリート2の硬化後に緊張を解くことにより、下端主筋4を緊張材と兼用してプレストレスを導入してもよい(いわゆるプレテンション方式)。
また、必要に応じて、同様の方法で、上端主筋3にもプレストレスを導入してもよい。
また、いわゆるポストテンション方式によりプレストレスを導入しても良い。
図5は、ポストテンション方式でプレストレスを導入した鉄筋コンクリート梁の断面図である。
図5に示すように、複数の下端主筋4の間に、鉄筋コンクリート梁1の軸方向に沿ってシース管31を配置し、コンクリート2の硬化後に、シース管31の内部に配置したPC鋼線32を緊張し、シース管31とPC鋼線32との隙間にグラウト材33を充填することにより、鉄筋コンクリート梁1にプレストレスを導入することができる。
また、必要に応じて、同様の方法で、複数の上端主筋3の間(上端側仮想梁7側)にプレストレスを導入してもよい。
このように、鉄筋コンクリート梁1にプレストレスを導入すれば、より小さな断面で大きな曲げモーメント及びせん断力に抵抗することができるので、梁を小型化したり、ロングスパン化することができる。
なお、上記の説明では、第1実施形態に係る鉄筋コンクリート梁1にプレストレスを導入する場合を例にとって説明したが、第2、第3実施形態に係る鉄筋コンクリート梁20、30に適用してもよいことは言うまでもない。
第1実施形態に係る鉄筋コンクリート梁の斜視図である。 第1実施形態に係る鉄筋コンクリート梁の構造図であり、(a)は、鉄筋コンクリート梁の縦断面図、(b)は(a)のI−I矢視断面図である。 第2実施形態に係る鉄筋コンクリート梁の構造図であり、(a)は縦断面図、(b)は(a)のII−II矢視断面図、(c)は(a)のIII−III矢視断面図である。 第3実施形態に係る鉄筋コンクリート梁の構造図であって、(a)は縦断面図、(b)は(a)のIV−IV矢視断面図、(c)は(a)のV−V矢視断面図である。 ポストテンション方式でプレストレスを導入した鉄筋コンクリート梁の断面図である。 従来の鉄筋コンクリート梁を示す構造図であり、(a)は縦断面図、(b)は(a)のX−X断面図である。
符号の説明
1 鉄筋コンクリート梁
2 コンクリート
3 上端主筋
4 下端主筋
5 上端拘束筋
6 下端拘束筋
7 上端側仮想梁
8 下端側仮想梁
9 中間部

Claims (2)

  1. 幅に比べてせいが大きい鉄筋コンクリート梁であって、
    コンクリートと、
    当該コンクリート内の上端側に複数段に配筋された複数の上端主筋と、
    当該コンクリート内の下端側に複数段に配筋された複数の下端主筋と、
    前記複数の上端主筋に互いに間隔を空けて巻回され、前記複数の上端主筋を拘束する閉鎖型に加工された複数の上端拘束筋と、
    前記複数の下端主筋に互いに間隔を空けて巻回され、前記複数の下端主筋を拘束する閉鎖型に加工された複数の下端拘束筋と、を備え
    前記上端主筋と前記下端主筋の間に、梁の幅方向に貫通する開口部が形成され、
    前記開口部の両脇に、前記上端主筋と前記下端主筋を繋ぐ棒状の鉄筋の両端をそれぞれ鉤状に折り曲げて成る補強筋が配され、
    前記補強筋は、前記複数段の上端主筋のうちの上段に梁の幅方向に離間して配置された2本の上端主筋と前記複数段の下端主筋のうちの上段に梁の幅方向に離間して配置された2本の下端主筋とをそれぞれ繋ぐ1対の第1補強筋と、前記複数段の上端主筋のうちの下段に梁の幅方向に離間して配置された2本の上端主筋と前記複数段の下端主筋のうちの下段に梁の幅方向に離間して配置された2本の下端主筋とをそれぞれ繋ぐ1対の第2補強筋と、を1組として構成され、
    前記1組の補強筋は、前記2本の上端主筋同士及び前記2本の下端主筋同士の間を通るように配置されていることを特徴とする鉄筋コンクリート梁。
  2. 前記上端側のコンクリートと前記複数の上端主筋と前記複数の上端拘束筋とによって上端側仮想梁が形成され、
    前記下端側のコンクリートと前記複数の下端主筋と前記複数の下端拘束筋とによって下端側仮想梁が形成され、
    前記複数の上端主筋及び前記複数の上端拘束筋、並びに、前記複数の下端主筋及び前記複数の下端拘束筋の鉄筋径、本数及び配置は、前記上端側仮想梁のせん断耐力と前記下端側仮想梁のせん断耐力の和が、鉄筋コンクリート梁に作用する設計せん断力よりも大きくなるように設定されていることを特徴とする請求項1に記載の鉄筋コンクリート梁。
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