JP7464075B2 - プレストレス構造及びそれを用いたプレキャストコンクリート部材 - Google Patents

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Description

本発明は、PC鋼材、特にPC鋼より線を用いたプレテンション方式に適用されるプレストレス構造及びそれを用いたプレキャストコンクリート部材に関する。
プレストレストコンクリート(PC)は、プレストレスの導入時期によって、プレテンション方式とポストテンション方式とに大別され、ポストテンション方式は、緊張材をコンクリート内に自由に配置することができるので、さまざまな形状の場所打ちコンクリートに対して容易にかつ大きなプレストレスを導入することが可能である。
一方、プレテンション方式は、緊張材が取り付けられた反力台から反力をとる形で該緊張材に引張力を導入し、この状態でコンクリートを打設した後、コンクリートの強度発現を待って緊張材を反力台から取り外すといった手順になるため、基本的には、工場でプレキャストコンクリート(PCa)部材を製作する際に採用される。
ここで、プレテンション方式は、ポストテンション方式とは異なり、鉄筋工事と錯綜しながらのシースの配置に時間を要したり、油圧ジャッキを据え付けるためのスペースや足場が必要になったりすることがないため、工期短縮の要請が大きい道路橋床版の更新に数多く採用されている。
「プレテンション部材におけるPC鋼材のプレストレス定着長に関する研究」(土木学会第58回年次学術講演会(平成15年9月))[令和4年3月16日検索]、インターネット<URL : http://library.jsce.or.jp/jsce/open/00035/2003/58-5/58-5-0254.pdf>
プレテンション方式では、プレキャストコンクリート部材の端部で緊張力を十分に伝達させることができないため、この区間では緊張力を考慮しない設計とすることが多いが、複数のプレキャストコンクリート部材を接合して一体化させる際には、その接合箇所を曲げに抵抗し得る構造とする必要があり、その場合、曲げひび割れを防止するために緊張力を別途導入しなければならないという問題を生じていた。
本発明は、上述した事情を考慮してなされたもので、端部における曲げひび割れを防止可能なプレストレス構造及びそれを用いたプレキャストコンクリート部材を提供する ことを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係るプレストレス構造は請求項1に記載したように、PC鋼より線等のPC鋼材が該PC鋼材の各端近傍が含まれた2つの端部区間及びそれらに挟まれた中間区間からなるコンクリートに埋設され該PC鋼材に導入された緊張力が前記コンクリートとの付着を介して該コンクリートに伝達されるようになっているプレストレス構造において、
前記2つの端部区間の少なくともいずれかに拡がるコンクリートのうち、前記PC鋼材の材軸を横断面中心として円筒状に拡がる部分を超高強度繊維補強コンクリートで構成して円筒状反力部とし、該円筒状反力部を、前記緊張力が前記コンクリートに伝達されるときに前記PC鋼材の周面からその材軸に直交する方向に向かう膨張力を引張支持することで、該膨張力の反力を前記PC鋼材に向けて発生させるように構成したものである。
また、本発明に係るプレストレス構造は、前記円筒状反力部の内側及び外側を超高強度繊維補強コンクリートで構成したものである。
また、本発明に係るプレストレス構造は、前記2つの端部区間のうち、前記円筒状反力部が設けられた端部区間においてその縁部から該端部区間と前記中間区間との境界面までの距離が、厚み中心部位よりも表面部位の方で長くなるように構成したものである。
また、本発明に係るプレストレス構造は、前記2つの端部区間のうち、前記円筒状反力部が設けられた端部区間においてその縁部から該端部区間と前記中間区間との境界面までの距離が、前記PC鋼材の埋設部位よりも該PC鋼材とそれに隣り合うPC鋼材との中間部位の方で長くなるように、又は短くなるように構成したものである。
また、本発明に係るプレキャストコンクリート部材は、請求項1乃至請求項4のいずれか一記載のプレストレス構造が採用されたものである。
従来、プレテンション方式のプレストレス構造においては、PC鋼材の緊張力が端部区間で十分に伝達されないことから、複数のプレキャストコンクリート部材を接合して一体化させるような場合には、接合箇所での曲げひび割れを防止すべく、該接合箇所に別途緊張力を導入しなければならない場合があった。
本出願人は、端部区間における緊張力の伝達力低下が、コンクリートの膨張による付着力の低下が原因であることに着眼して研究開発を行ったところ、本願発明をなすに至ったものである。
すなわち、本発明に係るプレストレス構造においては、少なくともいずれかの端部区間に拡がるコンクリートのうち、PC鋼材の材軸を横断面中心として円筒状に拡がる部分を超高強度繊維補強コンクリートで構成して円筒状反力部としてある。
ここで、プレテンション方式のプレストレス構造は、PC鋼材とコンクリートとの付着を介してPC鋼材の緊張力がコンクリートへと伝達されるが、その緊張力は、PC鋼材の材軸に平行な方向の分力が圧縮力としてコンクリートに伝達される一方、該材軸に直交する方向の分力がPC鋼材の周面からその材軸を中心とした放射方向へと向かい、膨張力としてコンクリートに伝達する。
この膨張力は、コンクリートにひび割れを生じさせるのみならず、PC鋼材とコンクリートとの付着力を減少させ、ひいては端部区間における緊張力の伝達低下の原因となる。
しかし、上述した本発明の円筒状反力部は、超高強度繊維補強コンクリートが有する優れた引張強度性能によって上記膨張力を引張支持するとともに、その反力をPC鋼材に向けて発生させる。
そのため、PC鋼材を取り囲むコンクリートは、材軸直交方向に膨らもうとする変形が拘束されるとともにPC鋼材に押し付けられて付着力が高まり、かくして、端部区間における緊張力の伝達低下が抑制されるとともに、複数のプレキャストコンクリート部材を接合して一体化させるような場合においても、緊張力を別途導入することなく、上記接合箇所での曲げひび割れを防止することが可能となる。
なお、ポストテンション方式のプレストレス構造においては、支圧板近傍に補強筋を設けることがあるが、この補強筋は、支圧板から作用する荷重に対する補強手段であって、PC鋼材の周面から放射方向に向かう荷重に対するものではなく、本発明とは技術思想が本質的に相違する。
超高強度繊維補強コンクリートは、PC鋼材の材軸を横断面中心として円筒状に拡がる部分に配置されれば足りるものであって、端部区間に拡がるコンクリートのうち、円筒状反力部の内側あるいは外側に拡がるコンクリートを超高強度繊維補強コンクリートで構成するか否かは任意である。
加えて、円筒状反力部は、2つの端部区間のうち、少なくともいずれかの端部区間に設ければ足りるものであって、いずれか一方の端部区間にのみ設けるか、2つの端部区間にそれぞれ設けるかは任意であるし、2つの端部区間に挟まれた中間区間に拡がるコンクリートを超高強度繊維補強コンクリートで構成するかも任意である。
具体的には、以下の配置パターン、
(a)円筒状反力部の内側を超高強度繊維補強コンクリートで構成し、それ以外の部分は中間区間や円筒状反力部が設けられていない側の端部区間を含め、普通コンクリートで構成する
(b)円筒状反力部の内側及び外側を超高強度繊維補強コンクリートで構成し、それ以外の部分は中間区間や円筒状反力部が設けられていない側の端部区間を含め、普通コンクリートで構成する
(c)(a)又は(b)において、床構造に適用した場合に中間区間の上面近傍に相当する部分を超高強度繊維補強コンクリートで構成する
が本発明に包摂される。
ここで、構成(a)は、超高強度繊維補強コンクリートが有する優れた引張強度性能によってPC鋼材とコンクリートとの付着性能が向上し、端部区間における緊張力の伝達低下がさらに抑制される。
また、構成(b)は、2つの端部区間のうち、いずれか一方又はその両方の端部区間に拡がるコンクリートがすべて超高強度繊維補強コンクリートで構成されるため、該超高強度繊維補強コンクリートにポストテンション方式の支圧板と類似の作用効果が発揮され、端部区間及び中間区間への緊張力の伝達がより確実に行われる。
また、構成(c)は、床面での水密性が向上するので、超高強度繊維補強コンクリートを防水材として機能させることが可能となる。
構成(a)及び構成(b)は、超高強度繊維補強コンクリートで構成される部分が端部区間に限定されるため、中間区間を含めた構造全体を超高強度繊維補強コンクリートで構成する場合に比べて、構築コストを大幅に低減することができる。
円筒状反力部は、その内側に作用する膨張力を引張支持することで、該膨張力の反力をPC鋼材に向けて発生させることができる限り、厳密な意味で円筒である必要はない。
また、円筒状反力部は、超高強度繊維補強コンクリートの打設範囲に円筒状部分が含まれていれば足りる、言い換えれば、円筒状反力部の内外に超高強度繊維補強コンクリートが延設されていてもかまわない。
例えばPC鋼材の端部周囲を箱抜きしその箱抜き領域に超高強度繊維補強コンクリートが後打ちした場合において、後打ち部分がボックス状であっても、その後打ち部分に円筒状部分が形成されている限り、その構成は本発明に包摂される。
2つの端部区間のうち、円筒状反力部が設けられた端部区間においてその縁部から該端部区間と中間区間との境界面までの距離が、厚み中心部位よりも表面部位の方で長くなるように構成したならば、中間区間へのコンクリート拘束作用をさらに高めることが可能となる。
また、2つの端部区間のうち、円筒状反力部が設けられた端部区間においてその縁部から該端部区間と中間区間との境界面までの距離が、PC鋼材の埋設部位よりも該PC鋼材とそれに隣り合うPC鋼材との中間部位の方で長くなるように、又は短くなるように構成した場合においても同様であり、中間区間へのコンクリート拘束作用をさらに高めることが可能となる。
なお、上述した各発明において、超高強度繊維補強コンクリートとそれ以外の例えば普通コンクリートとを打ち分けるにあたっては、同時打ちでもよいし、いずれかを先行させるようにしてもかまわない。
本発明に係るプレストレス構造は、橋梁等の構造物が施工される現地において構築される場合も包摂されるが、工場で製作されるプレキャストコンクリート部材に採用される場合が典型例であり、特に道路橋床版として製作した上、これらを接合して一体化させる際には、別途緊張力を導入せずとも、接合箇所が曲げに抵抗し得る構造となる。
本実施形態に係るプレキャストコンクリート部材1の図であり、(a)は全体縦断面図、(b)はA-A線に沿う横断面詳細図。 プレキャストコンクリート部材1の作用を示した図であり、(a)はPC鋼より線2の緊張力が、材軸に平行な方向と該材軸に直交する方向でそれぞれコンクリートに伝達する様子を示した縦断面詳細図、(b)はB-B線に沿う横断面詳細図であって、PC鋼より線2の材軸に直交する方向の分力が、PC鋼より線2の周面からその材軸を中心とした放射方向へと向かい、膨張力としてコンクリートに伝達する様子を示した図、(c)はB-B線に沿う横断面部分詳細図であって、上記膨張力が、円筒状反力部4の引張強度性能によって引張支持されるとともに、その反力がPC鋼より線2に向けて発生する様子を示した図。 プレキャストコンクリート部材の端部近傍における緊張力の伝達低下を縦断面図とともに示した図であり、(a)は従来のプレキャストコンクリート部材の図、(b)は本実施形態に係るプレキャストコンクリート部材1の図。 プレキャストコンクリート部材1,1を互いに接合して道路橋床版44を構築する例を示した図であり、(a)は接合前の状態を橋軸方向から見た側面図、(b)は接合後の状態を橋軸方向から見た側面図、(c)は道路橋床版44に生じる曲げモーメントの概念図。 変形例に係る横断面図。 プレキャストコンクリート部材1´の図であり、(a)は全体縦断面図、(b)はプレキャストコンクリート部材1とともに道路橋床版61を構築した場合の橋軸方向から見た側面図。 変形例に係るプレキャストコンクリート部材の図であり、(a)は全体縦断面図、(b)は作用を示した図。 変形例に係るプレキャストコンクリート部材の図であり、(a)は全体縦断面図(床版利用の場合は断面が水平面と平行)、(b)は作用を示した図。 変形例に係るプレキャストコンクリート部材の図であり、(a)は全体縦断面図(床版利用の場合は断面が水平面と平行)、(b)は作用を示した図。
以下、本発明に係るプレストレス構造及びそれを用いたプレキャストコンクリート部材の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係るプレキャストコンクリート部材1を示したものである。
同図に示すように、プレキャストコンクリート部材1は、プレテンション方式のプレストレス構造が採用された床版であり、PC鋼材としてのPC鋼より線2がコンクリートに埋設され、該PC鋼より線に導入された緊張力がそのコンクリートとの付着を介して該コンクリートに伝達されるようになっている。
同図に示されていないが、PC鋼より線2は、床版の幅に応じ、紙面奥行方向に沿って所要の本数だけ適宜配置すればよい。
ここで、プレキャストコンクリート部材1を構成するコンクリートは、PC鋼より線2の各端近傍が含まれた2つの端部区間3a,3bに拡がるコンクリートと、それらに挟まれた中間区間3cに拡がるコンクリートとで構成される。
本実施形態に係るプレキャストコンクリート部材1は、図1の右側に位置する端部区間3aに拡がるコンクリートのうち、PC鋼より線2の材軸を横断面中心として円筒状に拡がる部分を超高強度繊維補強コンクリートで構成して円筒状反力部4としてある。
円筒状反力部4は、PC鋼より線2に導入された緊張力が端部区間3aのコンクリートに伝達されるとき、PC鋼より線2の周面からその材軸に直交する方向に向けて発生する膨張力を引張支持することで、該膨張力の反力がPC鋼より線2に向けて発生するように構成してある。
円筒状反力部4の内径及び外径並びに超高強度繊維補強コンクリートの配合等は、上記膨張力が引張支持され、さらにはそれに伴う反力が発生するように適宜設定すればよい。超高強度繊維補強コンクリートの配合や施工方法を選定するにあたっては、土木学会から発行されている「超高強度繊維補強コンクリートの設計・施工指針 (案) 」を参照することができるが、ここではその詳細を省略する。
但し、本実施形態においては、円筒状反力部4のみならず、内側部分5や外側部分6も超高強度繊維補強コンクリートで構成してあり、円筒状反力部4の超高強度繊維補強コンクリートはその内外の超高強度繊維補強コンクリートと連続一体化されているので、円筒状反力部4の内径や外径を特段定める必要はない。
円筒状反力部4の長さは、端部区間3aの縁部(図1の右端に位置する部位)から該端部区間と中間区間3cとの境界面までの距離(以下、単に長さと呼ぶ)に相当するが、この長さについては、超高強度繊維補強コンクリートを用いることのコスト増加を考慮しつつ、端部区間3aを含む材端近傍での緊張力の伝達低下をどの程度改善したいかに応じて適宜定めればよい。
なお、端部区間3bや中間区間3cに拡がるコンクリートについては、繊維補強されていないコンクリート(非繊維補強コンクリート)、普通コンクリートその他超高強度繊維補強コンクリート以外のコンクリートで適宜構成すればよい。
本実施形態に係るプレキャストコンクリート部材1は、プレテンション方式のプレストレス構造であり、PC鋼より線2とコンクリートとの付着を介して該PC鋼より線の緊張力がコンクリートへと伝達されるが、その緊張力は、図2(a)に示すように、PC鋼より線2の材軸に平行な方向の分力が圧縮力としてコンクリートに伝達される一方、該材軸に直交する方向の分力は、膨張力としてコンクリートに伝達する。
この膨張力は、コンクリートが本来、引張強度を期待できないものであるため、そのコンクリートにひび割れを生じさせるのみならず、PC鋼より線2とコンクリートとの付着力を減少させ、ひいては端部区間3aにおける緊張力の伝達低下の原因となる。
かかる点に鑑み、本実施形態に係るプレキャストコンクリート部材1においては、図2に示すように、端部区間3aに拡がるコンクリートのうち、PC鋼より線2の材軸を横断面中心として円筒状に拡がる部分を超高強度繊維補強コンクリートで構成して円筒状反力部4としてあり、該円筒状反力部を、PC鋼より線2に導入された緊張力が端部区間3aのコンクリートに伝達されるとき、PC鋼より線2の周面からその材軸に直交する方向に向けて伝達される膨張力(図2(b)、(c)では黒矢印)が、超高強度繊維補強コンクリートが有する優れた引張強度性能によって図2(c)の白矢印(大)で示されるように引張支持されるとともに、該膨張力の反力が、同図白矢印(小)で示されるようにPC鋼より線2に向けて発生するように構成してある。
そのため、PC鋼より線2を取り囲む内側部分5のコンクリートは、材軸直交方向に膨らもうとする変形が拘束されるとともにPC鋼より線2に押し付けられて付着力が高まる。
図3は、緊張力の伝達低下に関する作用を示したものであり、従来のプレストレス構造が採用されたプレキャストコンクリート部材の場合、同図(a)に示すように、PC鋼材の端部近傍では、コンクリートの膨張を抑えることができないため、PC鋼材の緊張力が十分な大きさでコンクリートに伝達されず、部材縁部から一定程度離れた部位までの間(定着長L))は、緊張力が伝達されないものとして扱う必要があった。
一方、本実施形態に係るプレキャストコンクリート部材1においては、同図(b)に示したように、上述した円筒状反力部4によって端部区間3aにおけるコンクリートの膨張が抑制されるため、定着長はLに短縮される。
図4は、プレキャストコンクリート部材1を用いて道路橋床版を構築する例を示したものである。
道路用床版を構築するには、同図(a)に示すようにまず橋桁42の上にプレキャストコンクリート部材1,1を架け渡す。このとき、プレキャストコンクリート部材1,1は、接合のためのクリアランス41を介して端部区間3aが対向するように配置する。
次に、同図(b)に示すように、クリアランス41に接合構造43を適宜施してプレキャストコンクリート部材1,1を互いに接合し、道路橋床版44とする。
同図(c)は、道路橋床版44に生じる曲げモーメントを概略的に示したものである。
2枚のプレキャストコンクリート部材を剛接合して道路橋床版を構築する場合、該道路橋床版の端部では、回転拘束されないので曲げモーメントがゼロになる一方、接合箇所では、それぞれのプレキャストコンクリート部材の端部が回転拘束されるため、一定の曲げモーメントが発生するが、本実施形態に係るプレキャストコンクリート部材1,1では、同図に示すように、端部区間3aに拡がるコンクリートに十分な緊張力が伝達され予め圧縮力が導入されているため、接合箇所では曲げひび割れが抑制される。
なお、接合構造43を構築するにあたり、その構成材料として超高強度繊維補強コンクリートを用いるようにすれば、端部区間3aを構成するコンクリートが超高強度繊維補強コンクリートであることと相俟って、接合構造43とプレキャストコンクリート部材1,1との接合箇所でも曲げひび割れが抑制される。
以上説明したように、本実施形態に係るプレキャストコンクリート部材1によれば、端部区間3aに拡がるコンクリートのうち、PC鋼より線2の材軸を横断面中心として円筒状に拡がる部分を超高強度繊維補強コンクリートで構成して円筒状反力部4とするとともに、該円筒状反力部を、PC鋼より線2に導入された緊張力が端部区間3aのコンクリートに伝達されるとき、PC鋼より線2の周面からその材軸に直交する方向に向けて発生する膨張力を引張支持することで、該膨張力の反力がPC鋼より線2に向けて発生するように構成してあるので、PC鋼より線2を取り囲む内側部分5のコンクリートは、材軸直交方向に膨らもうとする変形が拘束されるとともにPC鋼より線2に押し付けられて付着力が高まり、それゆえ、PC鋼より線2の緊張力は十分な大きさをもって圧縮力としてコンクリートに伝達される。
そのため、端部区間3aにおける緊張力の伝達低下が抑制されるとともに、2枚のプレキャストコンクリート部材1,1を接合して一体化させるような場合においても、緊張力を別途導入することなく、上記接合箇所での曲げひび割れを防止することが可能となる。
また、本実施形態に係るプレキャストコンクリート部材1によれば、円筒状反力部4のみならず、内側部分5についても超高強度繊維補強コンクリートで構成してあるので、PC鋼より線2への付着性が高まり、円筒状反力部4の上記作用とも相俟って端部区間3aにおける緊張力の伝達低下がさらに抑制される。
また、本実施形態に係るプレキャストコンクリート部材1によれば、円筒状反力部4のみならず、内側部分5、さらには外側部分6についても超高強度繊維補強コンクリートで構成してあるので、端部区間3a全体が超高強度繊維補強コンクリートで構成されることとなり、該端部区間にポストテンション方式の支圧板と類似の作用効果が発揮され、端部区間3a及び中間区間3cへの緊張力の伝達がより確実に行われる。
また、本実施形態に係るプレキャストコンクリート部材1によれば、中間区間3cに拡がるコンクリートを普通コンクリート等の超高強度繊維補強コンクリート以外のコンクリートで構成してあるので、プレキャストコンクリート部材1全体の製作コストを低く抑えることが可能となる。
本実施形態では、PC鋼材がPC鋼より線2である場合について説明したが、プレキャストコンクリート部材のサイズいかんでは、PC鋼より線2に代えて、PC鋼棒を用いるようにしてもかまわない。
また、本実施形態では、プレキャストコンクリート部材1を床版用としたが、端部の曲げひび割れを抑制する必要があるのであれば、床版のみならず、柱材、梁材など任意の部位の部材に適用することが可能である。
また、本実施形態では、プレキャストコンクリート部材に係る構成を説明したが、例えば、長大であるがゆえに搬送コストが高くなり、現地で緊張力導入を行うことのコストを差し引いても、全体としては経済性があるような場合であれば、プレストレス構造として現場で構築するようにしてもかまわない。
また、本実施形態では、円筒状反力部4のみならず、内側部分5及び外側部分6に拡がるコンクリートについても超高強度繊維補強コンクリートで構成するようにしたが、図5(a)に示すように、円筒状反力部4の内側部分5及び外側部分6を、繊維補強されていないコンクリート(非繊維補強コンクリート)、普通コンクリートその他超高強度繊維補強コンクリート以外のコンクリートで構成してもかまわないし、同図(b)に示すように、円筒状反力部4の外側部分6を同じく超高強度繊維補強コンクリート以外のコンクリートで構成してもかまわない。
かかる構成においては、PC鋼より線2とその周囲とのコンクリートとの付着強度が実施形態ほどは高くない、あるいはポストテンション方式の支圧板と類似の作用効果が期待しにくいといった不利な点は残るものの、PC鋼より線2の緊張力によって該PC鋼より線を取り囲むコンクリートが外側に膨らもうとする変形が円筒状反力部4によって拘束され、それによって緊張力の伝達低下が防止されるという効果については、実施形態と何ら変わるものではない。
この場合、円筒状反力部4の内径あるいは外径は、PC鋼材周面からコンクリートに伝達された膨張力が引張支持されるとともに、それに伴う反力が発生するように適宜設定すればよい。
なお、同図(c)は、施工上の便宜を考慮した同図(b)の変形例であって、プレキャストコンクリート部材を製作する際、PC鋼より線2の端部周囲を箱抜きし、その箱抜き領域51に超高強度繊維補強コンクリートを後打ちした例であり、該箱抜き領域以外は超高強度繊維補強コンクリート以外のコンクリートで構成してある。
かかる構成においては、箱抜き領域51がボックス状であっても、その箱抜き領域51に後打ちされた超高強度繊維補強コンクリートによって円筒状反力部4が設けられることに変わりはなく、その点では同図(b)の構成と同一である。
また、本実施形態では、端部区間3a,3bのうち、一方の端部区間3aにのみ円筒状反力部4を設けたが、これに代えて、端部区間3a,3bのそれぞれに円筒状反力部4を設けた構成としてもよい。この場合、端部区間3aに関する上述の変形例は、端部区間3bにもすべて同様に適用される。
図6(a)は、端部区間3a,3bのそれぞれに円筒状反力部4を設けてなるプレキャストコンクリート部材1´を示した縦断面図、同図(b)は、プレキャストコンクリート部材1及びプレキャストコンクリート部材1´を用いて道路橋床版61を構成した例を示した側面図である。
道路用床版61を構築するには、まず、橋桁42の上にプレキャストコンクリート部材1、プレキャストコンクリート部材1´及びプレキャストコンクリート部材1を架け渡す。
このとき、同図で左側に位置するプレキャストコンクリート部材1と中央に位置するプレキャストコンクリート部材1´は、クリアランス41と同様のクリアランスを介してプレキャストコンクリート部材1の端部区間3aとプレキャストコンクリート部材1´の端部区間3bが対向するように配置し、プレキャストコンクリート部材1´と同図で右側に位置するプレキャストコンクリート部材1とは、同じくクリアランス41と同様のクリアランスを介してプレキャストコンクリート部材1´の端部区間3aとプレキャストコンクリート部材1の端部区間3aが対向するように配置する。
次に、各クリアランスに接合構造43と同様の接合構造62を適宜施してプレキャストコンクリート部材1,1´,1を互いに接合し、道路橋床版61とする。
このように構成すると、プレキャストコンクリート部材1の端部区間3a及びプレキャストコンクリート部材1´の端部区間3a,3bに拡がるコンクリートに十分な緊張力が伝達され予め圧縮力が導入されているため、接合箇所では曲げひび割れが抑制される。
また、本実施形態及びその変形例では、中間区間3cに拡がるコンクリートを超高強度繊維補強コンクリート以外のコンクリートで構成するものとしたが、その上面近傍部分を超高強度繊維補強コンクリートで構成するようにすれば、床面での水密性が向上するため、超高強度繊維補強コンクリートを防水材として機能させることが可能となる。
この場合、端部区間3aあるいは端部区間3a,3bと連続一体化するように超高強度繊維補強コンクリートを施工するのが望ましい。
また、本実施形態及びその変形例では、端部区間3aと中間区間3cとの境界面あるいは端部区間3a,3bと中間区間3cとの各境界面をPC鋼より線2の材軸と直交する直立面としたが、変形例の場合においては、これに代えて、図7(a)に示すように、端部区間3a,3bと中間区間3cとの各境界面71が厚み中心部位で縁部側に膨らむように、言い換えれば端部区間3a,3bの各縁部から各境界面71までの距離が、厚み中心部位よりも表面部位の方で長くなるように構成してもよい。
かかる構成においては、端部区間3a,3bに設けられた各円筒状反力部4の作用によって、PC鋼より線2の緊張力が十分な大きさの圧縮力としてコンクリートに伝達されることに加え、その圧縮力が、同図(b)に示すように、PC鋼より線2の材軸方向ではなく、該材軸から断面中心側に若干傾いた方向に伝達するので、境界面71近傍の中間区間3cでも、コンクリートの膨張が抑制されることとなり、PC鋼より線2の緊張力のコンクリートへの伝達効率がさらに向上する。
なお、境界面71に係るこの変形例は、本実施形態にも適用可能であることは言うまでもない。
また、図8(a)に示すように、端部区間3a,3bと中間区間3cとの各境界面81がPC鋼より線2の配置中心で縁部側に膨らむように、言い換えれば端部区間3a,3bの縁部から該各端部区間と中間区間3cとの各境界面81までの距離が、PC鋼より線2の埋設部位よりも該PC鋼より線とそれに隣り合うPC鋼より線との中間部位の方で短くなるように構成してもよい。
かかる構成においては、端部区間3a,3bに設けられた各円筒状反力部4の作用によって、PC鋼より線2の緊張力が十分な大きさの圧縮力としてコンクリートに伝達されることに加え、その圧縮力が、同図(b)に示すように、PC鋼より線2の材軸方向ではなく、該材軸から配置中心側に若干傾いた方向に伝達するので、境界面81近傍の中間区間3cにおいては、PC鋼より線2の配置中心近傍でコンクリートの膨張が抑制されることとなり、PC鋼より線2の緊張力のコンクリートへの伝達効率がさらに向上する。
同様に、図9(a)に示すように、端部区間3a,3bと中間区間3cとの各境界面91がPC鋼より線2の配置中心で縁部と反対の側に膨らむように、言い換えれば端部区間3a,3bの縁部から該各端部区間と中間区間3cとの各境界面91までの距離が、PC鋼より線2の埋設部位よりも該PC鋼より線とそれに隣り合うPC鋼より線との中間部位の方で長くなるように構成してもよい。
かかる構成においては、端部区間3a,3bに設けられた各円筒状反力部4の作用によって、PC鋼より線2の緊張力が十分な大きさの圧縮力としてコンクリートに伝達されることに加え、その圧縮力が、同図(b)に示すように、PC鋼より線2の材軸方向ではなく、該材軸からPC鋼より線2の配置側に若干傾いた方向に伝達するので、境界面91近傍の中間区間3cにおいては、PC鋼より線2近傍でコンクリートの膨張が抑制されることとなり、PC鋼より線2の緊張力のコンクリートへの伝達効率がさらに向上する。
1,1´ プレキャストコンクリート部材
2 PC鋼より線(PC鋼材)
3a,3b 端部区間
3c 中間区間3c
4 円筒状反力部
71,81,91 境界面

Claims (5)

  1. PC鋼より線等のPC鋼材が該PC鋼材の各端近傍が含まれた2つの端部区間及びそれらに挟まれた中間区間からなるコンクリートに埋設され該PC鋼材に導入された緊張力が前記コンクリートとの付着を介して該コンクリートに伝達されるようになっているプレストレス構造において、
    前記2つの端部区間の少なくともいずれかに拡がるコンクリートのうち、前記PC鋼材の材軸を横断面中心として円筒状に拡がる部分を超高強度繊維補強コンクリートで構成して円筒状反力部とし、該円筒状反力部を、前記緊張力が前記コンクリートに伝達されるときに前記PC鋼材の周面からその材軸に直交する方向に向かう膨張力を引張支持することで、該膨張力の反力を前記PC鋼材に向けて発生させるように構成したことを特徴とするプレストレス構造。
  2. 前記円筒状反力部の内側及び外側を超高強度繊維補強コンクリートで構成した請求項1記載のプレストレス構造。
  3. 前記2つの端部区間のうち、前記円筒状反力部が設けられた端部区間においてその縁部から該端部区間と前記中間区間との境界面までの距離が、厚み中心部位よりも表面部位の方で長くなるように構成した請求項2記載のプレストレス構造。
  4. 前記2つの端部区間のうち、前記円筒状反力部が設けられた端部区間においてその縁部から該端部区間と前記中間区間との境界面までの距離が、前記PC鋼材の埋設部位よりも該PC鋼材とそれに隣り合うPC鋼材との中間部位の方で長くなるように、又は短くなるように構成した請求項2記載のプレストレス構造。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれか一記載のプレストレス構造が採用されたことを特徴とするプレキャストコンクリート部材。
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