JP2007211496A - プレストレスト構造物 - Google Patents

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Abstract

【課題】少ない緊張材の本数で、複数の方向にプレストレスを導入して全体を容易に補強することが可能なプレストレスト構造物を提供する。
【解決手段】コンクリートによって成形される床版部1と、その床版部1に沿って配設させるPC鋼材2とを有するPC床版10である。
そして、PC鋼材2は、床版部1の対向する短辺端部1a,1aにそれぞれ定着されて定着部3,3間にプレストレスが導入されるとともに、その定着部間にはPC鋼材2の向きを変える複数の転向部21,・・・が形成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、橋梁や人工地盤や桟橋等に架け渡される床版、建築物の床面を形成する床版、又はトラスなどの骨組み構造体などとして使用されるプレストレスト構造物に関するものである。
従来、橋脚間に架け渡される床版のように橋軸方向となる一方向にだけPC鋼材を挿通させ、プレストレス(以下、緊張力という場合もある。)を導入する一方向スラブが知られている(特許文献1など参照)。
他方、特許文献2には、主方向にプレテンション方式でプレストレスを導入し、その主方向に直交する副方向にポストテンション方式でプレストレスを導入することで2方向の補強をおこなったPC合成床版が開示されている。
また、矩形板状のコンクリート壁の隅角部を補強するために、円弧状にPC鋼材を挿通させてプレストレスを導入する方法が特許文献3に開示されている。
特開昭59−49912号公報 特開平8−128016号公報 特公平3−64669号公報
しかしながら、特許文献2に開示されたPC合成床版は、2方向に多くの緊張材を配置することになるため、PC合成床版の端部に緊張材の2倍の数の定着部又は端部処理部が発生することになり、その設置及び処理に手間がかかる。
また、特許文献3に開示された補強方法では、コンクリート構造物を部分的補強することしかできない。
さらに、コンクリート構造物の耐震強度などを上げる目的でおこなう構築後の補強や、経時劣化によって強度が低下した既設コンクリート構造物の補強を容易におこなえる方法が求められている。
そこで、本発明は、少ない緊張材の本数で、複数の方向にプレストレスを導入して全体を容易に補強することが可能なプレストレスト構造物を提供することを目的としている。
前記目的を達成するために、本発明は、セメント系混合材料によって成形される本体部と、その本体部に沿って配設させる緊張材とを有するプレストレスト構造物であって、前記緊張材は前記本体部の対向する端部にそれぞれ定着されて定着部間にプレストレスが導入されるとともに、その定着部間には前記緊張材の向きを変える複数の転向部が形成されているプレストレスト構造物であることを特徴とする。
ここで、前記緊張材は2本を一対にして配設され、対となる緊張材は前記定着部を設けた対向する端部間方向に略直交する方向で対向する位置に転向部が形成されるとともに、平面視が前記転向部間で交差しているように構成することができる。
また、前記本体部には、略平行する複数の梁部とその梁部に略直交して梁部間を連結させる連結部とが形成され、前記転向部は前記梁部と前記連結部との交差部又はその交差部に近接する連結部に形成されるように構成することもできる。
さらに、前記転向部は、前記交差部に近接する連結部に穿孔された孔に形成することもできる。
また、前記転向部は、前記本体部の表面に固定された前記緊張材を挿通させる孔を備えた転向治具によって形成されるものであってもよい。
このように構成された本発明は、コンクリート等のセメント系混合材料によって成形された本体部に、複数の転向部が形成された緊張材が配設されている。
そして、緊張材を緊張して本体部の端部に定着させると、定着部を設けた端部間方向のプレストレスと転向部において方向が変えられたプレストレスの分力とによって、本体部の内部に複数の方向の圧縮力が作用することになる。
このため、少ない緊張材の本数で、複数の方向にプレストレスを導入して本体部全体を補強することができる。
また、緊張材を使用する本数が少なければ緊張作業や定着部の処理作業を低減できるので、施工性が向上する。
さらに、定着部を設けた端部間方向と略直交する方向の端部には定着部を設ける必要がないので、その端部側に定着部を設置するスペースがない場合でも複数の方向にプレストレスを導入して本体部を補強することができる。
そして、プレストレスを複数の方向に導入することで、部材断面を削減して軽量化することが可能になる。
また、2本を一対にした緊張材を転向部が対向し、かつ転向部間で交差するように配置することで、対向する転向部の間に介在される本体部に効果的にプレストレスを導入することができる。
さらに、本体部が梁部とその間を連結させる連結部とから形成される骨組み構造体を有している場合にも、梁部と連結部との交差部付近に転向部を形成することで、連結部の軸方向にプレストレスを導入して補強することができる。
また、この連結部に穿孔した孔に転向部を形成する構造であれば、既設の本体部を後から取り付けた緊張材によって容易に補強することができる。
さらに、本体部の表面に転向治具を固定して緊張材を挿通させる構造であれば、既設の床版などに後から複数方向のプレストレスを容易に導入することができる。
このため、セメント系混合材料によって成形された構造物の耐震強度などを上げたり、経時劣化によって強度が低下した構造物を補強したりすることが容易におこなえる。
以下、本発明の最良の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は、橋梁や人工地盤や桟橋等に架け渡されたり、建築物の床面を形成させたりするプレストレスト構造物としてのPC床版10の平面図を示したものである。
このPC床版10は、平面視矩形の本体部としての床版部1と、その床版部1の内部に挿通させる緊張材としてのPC鋼材2とから主に構成される。
この床版部1は、普通コンクリート、高強度コンクリート、繊維補強コンクリート、超高強度鋼繊維補強セメント系混合材料などのセメント系混合材料によって板状に成形される部材であって、短辺側の短辺端部1a,1aと長辺側の長辺端部1b,1bがそれぞれ対向する端部として形成されている。
また、PC鋼材2は床版部1の内部に配設されることになるが、PC鋼材2の周面が本体部1のコンクリートと付着しないようにアンボンド処理されている。
すなわち、PC鋼材2の周囲は、シース管やグリスによって被覆されており、本体部1を成形するための型枠の内部にアンボンド処理されたPC鋼材2を配設してコンクリートを打設しても、本体部1とPC鋼材2が一体化することがなく、コンクリート硬化後にPC鋼材2を緊張することによって床版部1にプレストレスを導入することができる(ポストテンション方式)。
このPC鋼材2には、PC鋼線、PC鋼より線などが使用できる。また、緊張材として、PC鋼材2の代わりにカーボン繊維緊張材、ガラス繊維緊張材、アラミド繊維緊張材等の可撓性の緊張材を使用することができる。
さらに、このPC鋼材2は2本を一対に配設され、対になるPC鋼材2A,2A(又は2B,2B)は、対向する短辺端部1a,1aにそれぞれ設けられた定着部3,3間に平面視略波型となるように配設されている。
すなわち、一対のPC鋼材2A,2A(又は2B,2B)は、図1に示すように短辺端部1aの長辺端部1b,1bに近い位置から長辺端部1b,1bに略平行にそれぞれ延設され、転向部21,21で床版部1の内側に向きが変えられる。
この転向部21,21は、短辺端部1a,1a間方向(図1では床版部1の長手方向であって以下この方向を主方向という。)と略直交する方向(以下、副方向という。)で対向する位置に形成され、一対のPC鋼材2A,2Aはこの転向部21,21から互いに近づく方向に傾斜配置される。
そして、平面視で一対のPC鋼材2A,2Aが交差した後は、次の転向部21,21に向けて互いに離れる方向で傾斜配置される。
このように一対のPC鋼材2A,2Aは、短辺端部1a,1aにそれぞれ設けられた定着部3,3間に形成された複数の転向部21,・・・によって繰り返し向きが変えられる。
すなわち、PC鋼材2A,2Aは、山折と谷折が同じ角度(内角)で繰り返されるとともに、対になるPC鋼材2A,2Aが主方向に延伸される床版部1の中心線に対して線対称になるように配設される。
また、このように配設された一対のPC鋼材2A,2Aは、副方向の転向部21,21間で最も距離が離れ、主方向の転向部21,21間の平面視で交差する位置で最も近づくことになる。
さらに、定着部3は、例えばPC鋼材2を所定の位置で楔やネジなどによって固定する定着治具3bと、その定着治具3bと短辺端部1aとの間に介在される支圧板3aとによって構成される。
なお、図1では、対向する短辺端部1a,1aのそれぞれに設けられた定着部3,・・・を床版部1の外側に露出させたが、これに限定されるものではなく、短辺端部1a,1aに凹部を設けてその中に定着部3,・・・を設置したり、一方の短辺端部1aの定着部3を床版部1の内部に埋設させたりすることができる。
次に、本実施の形態のPC床版10のプレストレスの導入方法及びその作用について説明する。
まず、図1に示すように4本のPC鋼材2A,2A,2B,2Bを、床版部1を成形するための型枠の内部にアンボンド処理した状態で平面視略波型に配設し、型枠の内部にコンクリートを流し込む。
このコンクリートが硬化して所定の強度が発現した後に、一方の短辺端部1aから突出するPC鋼材2A,2A,2B,2Bの一端を定着部3に固定し、他端には緊張ジャッキ(図示せず)を配置してPC鋼材2A,2A,2B,2Bを把持させて緊張をおこなう。
そして、所定のプレストレスが導入されるだけPC鋼材2A,2A,2B,2Bを緊張した状態で他端も定着部3に固定する。
このようにしてPC鋼材2A,2A,2B,2Bに緊張力を与えると、定着部3,・・・を介して床版部1の主方向(短辺端部1a,1a間方向)にプレストレスが導入される。
また、転向部21においては、図1に示すように、床版部1の主方向に転向部21を挟んで対称となる向きにPC鋼材2Aが引っ張られ、床版部1の副方向に床版部1を圧縮する力が作用する。
この床版部1の副方向に作用する圧縮力は、対になるPC鋼材2A,2A(2B,2B)の対向する転向部21,21間で互いに向き合う正反対の方向に発生するので、対向する転向部21,21間で効果的に床版部1の副方向にプレストレスが導入される。
このように構成された本実施の形態のPC床版10は、コンクリート等のセメント系混合材料によって成形された床版部1に、複数の転向部21,・・・が形成されたPC鋼材2が挿通されている。
そして、PC鋼材2を緊張して床版部1の短辺端部1a,1aに定着させると定着部3,3間では主方向の圧縮力が作用し、転向部21,・・・において方向が変えられたプレストレスの分力によっては副方向の圧縮力が作用することになる。
このため、少ないPC鋼材2の本数で、床版部1主方向及び副方向という2方向にプレストレスを導入して、床版部1の全体を補強したPC床版10とすることができる。
また、本実施の形態では、4本のPC鋼材2A,2A,2B,2Bを2箇所の緊張作業で定着させるだけで2方向にプレストレスを導入することができるため、非常に施工性に優れている。
さらに、長辺端部1b,1b側に定着部を設けなくとも床版部1の副方向(長辺端部1b,1b間方向)にプレストレスを導入することができるうえに、定着部が突出しないので長辺端部1bに当接するように他のPC床版10などの構造物を設置することができる。
そして、プレストレスを複数の方向に導入するため、部材断面を削減して軽量化することが可能になる。このように軽量なPC床版10で橋梁の橋桁などの上部構造を構築すれば、地震荷重を大幅に低減できるので、下部構造の断面も小さくなって総建設費を大幅に削減することができる。
以下、前記した実施の形態の実施例1について説明する。なお、前記実施の形態で説明した内容と同一乃至均等な部分の説明については同一符号を付して説明する。
前記実施の形態では、床版部1の内部にPC鋼線2を挿通させたPC床版10について説明したが、この実施例1では図2に示すような骨組み構造体4を本体部とするプレストレスト構造物40について説明する。
この骨組み構造体4は、略平行する2本の梁部41,41とその梁部41,41に略直交して梁部41,41間を連結させる連結部42,・・・とから梯子状に形成されている。
そして、この梁部41,41と連結部42,・・・とが交差する交差部43,・・・に近接する連結部42の端部に、梁部41の長手方向に貫通する円弧状の孔44が形成されている。
この連結部42に設ける孔44は、連結部42をコンクリートで成形する際に予め湾曲した鞘管を配置しておくことで形成することができる。
また、既設の骨組み構造体4に後からプレストレスを導入して補強しようとする場合は、補強する際に連結部42の側面から穿孔することによって孔44を設けてもよい。
このような骨組み構造体4では、梁41の軸方向を主方向とし、連結部42の軸方向(梁41,41間方向)を副方向とする。
そして、連結部42,・・・の側面間を縫うように孔44に挿通させて平面視波型に2本のPC鋼材2,2を配設する。このPC鋼材2の転向部21は、連結部42に設けた孔44の中に形成される。
また、骨組み構造体4の端部に配置される連結部42Aは、他の連結部42よりも主方向に幅が広い部材とし、その連結部42AにPC鋼材2の定着部3を設ける。
この定着部3は、前記実施の形態と同様に支圧板3aと定着治具3bとによって主に構成される。
このように梁部41,41とその間を連結させる連結部42,・・・とから形成される骨組み構造体4においては、連結部42の軸方向端部付近(交差部43付近)にPC鋼材2,2の転向部21,21を設けることで、副方向(連結部42の軸方向)にプレストレスを導入することができる。
また、このように連結部42に穿孔した孔44に転向部21を形成する構造であれば、既設の骨組み構造体4であっても連結部42の側面から容易に孔44が形成できるので、その孔44にPC鋼材2を挿通して緊張することによって容易に骨組み構造体4を補強したプレストレスト構造物40とすることができる。
なお、他の構成及び作用効果については、前記実施の形態と略同様であるので説明を省略する。
以下、前記した実施の形態の実施例2について説明する。なお、前記実施の形態及び実施例1で説明した内容と同一乃至均等な部分の説明については同一符号を付して説明する。
前記実施の形態では、床版部1の内部にPC鋼線2を挿通させたPC床版10について説明したが、この実施例2では図3に示すようなリブ付床版5を本体部とするプレストレスト構造物としてのリブ付PC版50について説明する。
ここで、図3(a)は、リブ付PC版50を下面側から見た平面図で、図3(b)は、(a)のA−A線断面図である。
このリブ付床版5は、板状の床部55と、その下面の縁部に長手方向(主方向)に延設される梁部51,51と、その梁部51,51間を主方向に間隔を置いて連結させる連結部52,・・・とが一体になるようにコンクリートによって成形されている。
そして、この梁部51,51と連結部52,・・・とが交差する交差部53,・・・に近接する連結部52の端部に、梁部51の長手方向に貫通する円弧状の孔54が形成されている。
この連結部52に設ける孔54は、連結部52をコンクリートで成形する際に予め鞘管を配置しておくことで設けることができる。また、既設のリブ付床版5に後からプレストレスを導入して補強しようとする場合は、補強する際に穿孔によって孔54を設けることができる。
そして、連結部52,・・・の側面間を縫うように孔54に挿通させて平面視波型に2本のPC鋼材2,2を配設し、露出するPC鋼材2,2は梁部51,51と連結部52,・・・に囲まれた凹部に収容させる。
このように連結部52の軸方向端部付近(交差部53付近)に設けた孔54,54にPC鋼材2,2の転向部21,21を設けることで、副方向(連結部52の軸方向)にプレストレスを導入することができる。
また、連結部52の軸方向に導入されたプレストレスは、連結部52と一体に成形されている床部55にも伝達されるので、リブ付床版5全体に2方向のプレストレスを導入することができる。
また、補強のために配設されるPC鋼材2,2は、梁部51と連結部52によって形成された凹部に収容されるので、外観上で目立つことがなく美感を損なうことがない。
なお、他の構成及び作用効果については、前記実施の形態又は実施例1と略同様であるので説明を省略する。
以下、前記した実施の形態の実施例3について説明する。なお、前記実施の形態及び他の実施例で説明した内容と同一乃至均等な部分の説明については同一符号を付して説明する。
前記実施の形態では、床版部1の内部にPC鋼線2を挿通させたPC床版10について説明したが、この実施例3では図4に示すような既設床版6を本体部とするプレストレスト構造物60について説明する。
この既設床版6は、コンクリートによって板状に成形された部材である。この既設床版6の表面に、図4(b)に示すような転向治具7を、間隔を置いて複数取り付ける。
この転向治具7は、図4(b)に示すように既設床版6の表面に当接させる矩形板状の底板部71と、その底板部71と略直交するように立設させる壁板部72とから形成される。
この壁板部72にはPC鋼材2を挿通させる孔73が形成され、底板部71には固定アンカー74,・・・を挿通させる孔(図示せず)が複数形成されている。
また、既設床版6の短辺端部に固定される定着用治具8は、PC鋼材2を定着させる定着部3を設置するため、PC鋼材2の方向を変えることを主目的に配置される転向治具7の壁板部72よりも厚い壁板部82を底板部81に立設させる。
このような転向治具7及び定着用治具8は、鋼板を溶接したり、鋳物で成形したり、超高強度鋼繊維補強セメント系混合材料で成形したりして製作することができる。
そして、この転向治具7は、PC鋼材2の転向部21を形成する位置に固定し、2本のPC鋼材2,2を転向治具7の孔73に挿通させることによって平面視波型に配設する。
このように既設床版6の下面側の表面に固定された転向治具7によってPC鋼材2の向きを変えることで、既設床版6の長手方向(主方向)と直交する方向(副方向)にプレストレスを導入することができる。
また、定着部3が設置される定着用治具8を介して既設床版6の主方向にプレストレスを導入することができる。
このように既設床版6の表面に固定アンカー74などで転向治具7及び定着用治具8を固定してPC鋼材2を挿通させる構造であれば、既設のコンクリート構造物に後から複数方向のプレストレスを容易に導入することができる。
またこのように後から容易に取り付けが可能な転向治具7を利用してプレストレスを2方向に導入できるので、既存のコンクリート構造物の耐震強度を上げたり、経時劣化によって強度が低下したコンクリート構造物を補強したりすることが容易におこなえる。
さらにこのような補強工事は、既設床版6の副方向側の端部に定着部を設ける必要がないので、副方向側端部の作業スペースが制限されるような場合であっても適用することができる。
また、このような転向治具7やPC鋼材2は、既設床版6の下面側に設置するようにすれば、上面側の使用形態が変更されることも、外観が損なわれることもない。
なお、他の構成及び作用効果については、前記実施の形態又は他の実施例と略同様であるので説明を省略する。
以上、図面を参照して、本発明の最良の実施の形態を詳述してきたが、具体的な構成は、この実施の形態に限らず、本発明の要旨を逸脱しない程度の設計的変更は、本発明に含まれる。
例えば、前記実施の形態では、一対のPC鋼材2A,2A(2B,2B)の対向する転向部21,21を、短辺端部1a,1a間方向と略直交する方向(副方向)で対向する位置に形成したが、これに限定されるものではなく、対向する転向部21,21の方向と圧縮力が作用する方向がずれていても片押し状態で本体部にプレストレスを導入することができる。
また、前記実施の形態では2本のPC鋼材2を一対にして配設したが、これに限定されるものではなく、対になるPC鋼材2がない場合であっても片押し状態にはなるが複数方向のプレストレスは導入することができる。
さらに、前記実施の形態及び実施例では、主方向と副方向が決められるプレストレスト構造物について説明したが、これに限定されるものではなく、例えば平面視略正方形の四辺支持された本体部など両方向が主方向となる場合などであればいずれの方向の端部に定着部を設けてもよい。また、主方向と副方向がある場合であっても、副方向側の端部の方が定着部を設けやすい場合はそちら側に定着部を設けることもできる。
また、隅角部が直角にならないような本体部に対しても本発明を適用することができ、この場合はプレストレスが導入される複数の方向は直交するとは限らない。
本発明の最良の実施の形態のPC床版の概略構成を示した平面図である。 実施例1のプレストレスト構造物の概略構成を示した斜視図である。 実施例2のリブ付PC版の概略構成を示した図であって、(a)は下面側から見た平面図、(b)は(a)のA−A線方向の断面図である。 (a)は実施例3のプレストレスト構造物の概略構成を示した下面側から見た平面図、(b)は転向治具の概略構成を示した斜視図である。
符号の説明
10 PC床版(プレストレスト構造物)
1 床版部(本体部)
1a 短辺端部(端部)
2,2A,2B PC鋼材(緊張材)
21 転向部
3 定着部
40 プレストレスト構造物
4 骨組み構造体(本体部)
41 梁部
42 連結部
43 交差部
44 孔
50 リブ付PC版(プレストレスト構造物)
5 リブ付床版(本体部)
51 梁部
52 連結部
53 交差部
54 孔
60 プレストレスト構造物
6 既設床版(本体部)
7 転向治具
73 孔

Claims (5)

  1. セメント系混合材料によって成形される本体部と、その本体部に沿って配設させる緊張材とを有するプレストレスト構造物であって、
    前記緊張材は前記本体部の対向する端部にそれぞれ定着されて定着部間にプレストレスが導入されるとともに、その定着部間には前記緊張材の向きを変える複数の転向部が形成されていることを特徴とするプレストレスト構造物。
  2. 前記緊張材は2本を一対にして配設され、対となる緊張材は前記定着部を設けた対向する端部間方向に略直交する方向で対向する位置にそれぞれ転向部が形成されるとともに、平面視が前記転向部間で交差していることを特徴とする請求項1に記載のプレストレスト構造物。
  3. 前記本体部には、略平行する複数の梁部とその梁部に略直交して梁部間を連結させる連結部とが形成され、前記転向部は前記梁部と前記連結部との交差部又はその交差部に近接する連結部に形成されることを特徴とする請求項1又は2に記載のプレストレスト構造物。
  4. 前記転向部は、前記交差部に近接する連結部に穿孔された孔に形成されることを特徴とする請求項3に記載のプレストレスト構造物。
  5. 前記転向部は、前記本体部の表面に固定された前記緊張材を挿通させる孔を備えた転向治具によって形成されることを特徴とする請求項1又は2に記載のプレストレスト構造物。
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