JP7186017B2 - 柱と梁との接合構造及び柱と梁との接合構造の施工方法 - Google Patents
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すなわち、本発明に係る柱と梁との接合構造は、コンクリート充填鋼管造の柱と鉄骨造の梁との接合構造であって、前記柱は、鉛直方向に延びる鋼管と、該鋼管の内部に配置され、鉛直方向に延びる複数の接合鉄筋と、前記鋼管の内部に配置され、鉛直方向に延びる複数の鉛直補強筋と、該複数の鉛直補強筋を束ね、鉛直方向に略等間隔に配置される複数のせん断補強筋と、を有し、前記鋼管に連設され、前記柱から突出する前記接合鉄筋を囲繞するように設けられたふさぎ部材と、前記梁に接合可能に構成され、該梁と前記ふさぎ部材との間に設けられた接合梁と、前記鋼管の内部及び前記ふさぎ部材の内部に充填されたコンクリート部と、を備え、隣り合う前記接合梁どうしが、前記ふさぎ部材の周面の外側に配された平面視矩形形状の外ダイヤフラムを介して連結されており、前記鋼管と前記外ダイヤフラムとは溶接接合されておらず、前記柱の内部において、前記接合梁はウェブのみが配されており、前記隣り合う接合梁どうしが前記ウェブを介して連結されていることを特徴としている。
また、本発明に係る柱と梁との接合構造では、前記鋼管の下端は、直下の外ダイヤフラムの上面に溶接接合をされずに設置され、前記鋼管の上端は、直上の外ダイヤフラムの下面に溶接接合をされずに当接配置されていてもよい。
また、梁は接合梁にボルト等で接合すればよく、梁を柱に溶接する必要がないため、梁を容易に設置することができ、施工性が良い。また、梁が鉄骨造であるため、鉄筋コンクリート造と比較して短期間で施工できる。さらに、外ダイヤフラムを採用することにより、ふさぎ部材の内部に鉄骨梁のフランジが存在しないため、接合鉄筋の鉄筋量を増やすことができ、柱の曲げ耐力を向上させることができる。そして、接合梁どうしが外ダイヤフラムを介して連結されていることにより、ふさぎ部材の内部に鉄骨梁のフランジをなくすことができ、鋼管およびふさぎ部材の内部にコンクリートを打設する際に、スペースが確保され、効率よくコンクリート打設を行うことができる。例えば、コンクリート充填時に、人力による棒状バイブレータ作業によってコンクリートの充填性を向上させることができ、また、径の大きいコンクリートホースを用いることができコンクリートの充填時間を短縮することができる。
また、コンクリート充填鋼管造の柱内に配置された鉛直補強筋及びせん断補強筋により、火災時に鋼管が高温になっても、充填コンクリート拘束効果を保持し、柱のせん断伝達性能及び軸力伝達性能を確保することができる。
さらに、外ダイヤフラム形式を採用することによって、接合部材の上方からコンクリートを打設する際に、鉄骨が干渉することがなくなり、結果としてコンクリート打設作業の高効率化を図ることができる。また、接合鉄筋と補強鉄筋体とを一体に組み上げた集合鉄筋体として建て込みをすることができるため、施工期間の短縮および生産性の向上を図ることができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る柱と梁との接合構造100を示す図であり、一部を破断した斜視図である。図2は、本発明の一実施形態に係る柱と梁との接合構造を示す図であり、(a)鉛直断面図、(b)図2(a)のA-A線断面図、(c)図2(a)のB-B線断面図である。
図1及び図2に示すように、一対の梁1が、平面視で直交するように配置されている。本実施形態では、各梁1は、H形鋼で構成されている。
接合鉄筋42は、円筒状のふさぎ板2の内部に挿通され、上方の鋼管41から下方の鋼管41に跨るように延びている。一の鋼管41において、上側の接合鉄筋42の下端42bと下側の接合鉄筋42の上端42uとは、鋼管41の長さ方向(鉛直方向)略中心において鉛直方向に間隔を有して配置されている。
図2及び図3に示すように、補強鉄筋体46は、複数の鉛直補強筋47と、これら複数の鉛直補強筋47を束ねる複数のせん断補強筋48と、を有している。
図4は、柱4と梁1との接合構造100の施工方法を示す図であり、(a)下階Aにおける鋼管設置工程を示す図であり、(b)下階Aにおける接合部材設置工程を示す図であり、(c)下階Aにおける集合鉄筋体設置工程を示す図であり、(d)下階Aにおけるコンクリート充填工程を示す図であり、(b)上階Bにおける鋼管設置工程を示す図である。なお、図4においては、鉄筋の本数などは簡略化して記載している。
図4(a)に示すように、下階Aの床Fに接合鉄筋42を設置する。例えば、下階Aの床Fを施工する際に、接合鉄筋42を床から突出するように設置し、床コンクリートを打設しておく。接合鉄筋42は、鉛直方向に沿って配置し、周方向に間隔を有して複数配置する。
周方向に配置された複数の接合鉄筋42を覆うように、鋼管41を設置する。
図4(b)に示すように、接合梁1Xの端部に円筒状に形成されたふさぎ板2が接合された接合部材3を、鋼管41の上部に設置する。このとき、ふさぎ板2が鋼管41と連通するように設置する。
図4(c)に示すように、ふさぎ板2の上方から、接合鉄筋42と補強鉄筋体46とを一体化した集合鉄筋体50を下方に移動させる。補強鉄筋体46の下端(鉛直補強筋47の下端47b)が床Fの上面に位置し、接合鉄筋42の上端42uがふさぎ板2から突出するように、集合鉄筋体50を設置する。
接合部材3の接合梁1Xに、梁1をボルト等で接合する。また、床デッキプレート51を敷き込んでおく。
図4(d)に示すように、鋼管41の内部及び前記ふさぎ板2の内部にコンクリートを打設し、コンクリート部49を形成する。同時に、床デッキプレート51の上面にもコンクリートを打設し、床面も施工する。
図4(e)に示すように、上階Bにおいて、周方向に配置された複数の接合鉄筋42を覆うように、鋼管41を設置する。
引き続き、上記の接合部材設置工程、集合鉄筋体設置工程、梁接合工程及びコンクリート打設工程を、上階Bにおいて行う。以降、同様の工程を繰り返すことで柱4と梁1との接合構造100を施工することができる。
図5は、図4とは異なる柱と梁との接合構造の施工方法を示す図であり、(a)下階Aにおける集合鉄筋体設置工程を示す図であり、(b)下階Aにおける鋼管設置工程を示す図であり、(c)下階Aにおける接合部材設置工程を示す図であり、(d)下階Aにおける梁接合工程を示す図であり、(e)下階Aにおけるコンクリート充填工程を示す図であり、(f)上階Bにおける集合鉄筋体設置工程を示す図であり、(g)上階Bにおける鋼管設置工程を示す図である。
図5(a)に示すように、下階Aの床Fに接合鉄筋42を設置する。例えば、下階Aの床Fを施工する際に、接合鉄筋42を床から突出するように設置し、床コンクリートを打設しておく。接合鉄筋42は、鉛直方向に沿って配置し、周方向に間隔を有して複数配置する。
床Fに設置された接合鉄筋42の上方から、接合鉄筋42と補強鉄筋体46とを一体化した集合鉄筋体50を下方に移動させる。補強鉄筋体46の下端(鉛直補強筋47の下端47b)が床Fの上面に位置するようにして集合鉄筋体50を設置する。
図5(b)に示すように、周方向に配置された複数の接合鉄筋42および集合鉄筋体50を覆うように、鋼管41を設置する。
図5(c)に示すように、接合梁1Xの端部に円筒状に形成されたふさぎ板2が接合された接合部材3を、接合鉄筋42を挿通させた後に、鋼管41の上部に設置する。ふさぎ板2が鋼管41と連通するように設置する。
図5(d)に示すように、接合部材3の接合梁1Xに、梁1をボルト等で接合する。また、床デッキプレート51を敷き込んでおく。
図5(e)に示すように、鋼管41の内部及び前記ふさぎ板2の内部にコンクリートを打設し、コンクリート部49を形成する。
図5(f)に示すように、上階Bにおいて、周方向に配置された複数の接合鉄筋42の上方から集合鉄筋体50を設置する。
引き続き、上記の鋼管設置工程(図5(g))、接合部材設置工程、梁接合工程及びコンクリート打設工程を、上階Bにおいて行う。以降、同様の工程を繰り返すことで柱4と梁1との接合構造100を施工することができる。
次に、本発明の一実施形態に係る柱4と梁1との接合構造100の変形例について、図6を用いて説明する。
以下の実施形態において、前述した実施形態で用いた部材と同一の部材には同一の符号を付して、その説明を省略する。
図6に示すように、本変形例では、接合梁1Xのウェブ12がふさぎ板2の内部まで延設されており、ウェブ12同士がふさぎ板2の内部で連結されている。なお、ふさぎ板2の内部には接合梁1Xのフランジは形成されていない。
1X…接合梁
2…ふさぎ板(ふさぎ部材)
3…接合部材
4…柱
21…外ダイヤフラム
41…鋼管
42…接合鉄筋
46…補強鉄筋体
47…鉛直補強筋
48…せん断補強筋
49…コンクリート部
50…集合鉄筋体
100…接合構造
A…下階
B…上階
Claims (3)
- コンクリート充填鋼管造の柱と鉄骨造の梁との接合構造であって、
前記柱は、
鉛直方向に延びる鋼管と、
該鋼管の内部に配置され、鉛直方向に延びる複数の接合鉄筋と、
前記鋼管の内部に配置され、鉛直方向に延びる複数の鉛直補強筋と、
該複数の鉛直補強筋を束ね、鉛直方向に略等間隔に配置される複数のせん断補強筋と、を有し、
前記鋼管に連設され、前記柱から突出する前記接合鉄筋を囲繞するように設けられたふさぎ部材と、
前記梁に接合可能に構成され、該梁と前記ふさぎ部材との間に設けられた接合梁と、
前記鋼管の内部及び前記ふさぎ部材の内部に充填されたコンクリート部と、を備え、
隣り合う前記接合梁どうしが、前記ふさぎ部材の周面の外側に配された平面視矩形形状の外ダイヤフラムを介して連結されており、
前記鋼管と前記外ダイヤフラムとは溶接接合されておらず、
前記柱の内部において、前記接合梁はウェブのみが配されており、前記隣り合う接合梁どうしが前記ウェブを介して連結されていることを特徴とする柱と梁との接合構造。 - 前記鋼管の下端は、直下の外ダイヤフラムの上面に溶接接合をされずに設置され、
前記鋼管の上端は、直上の外ダイヤフラムの下面に溶接接合をされずに当接配置されている請求項1に記載の柱と梁との接合構造。 - コンクリート充填鋼管造の柱と鉄骨造の梁との接合構造の施工方法であって、
前記柱と前記梁との接合箇所に配置される接合部材が、筒状に形成されたふさぎ部材と、前記梁に接合可能に構成され該梁と前記ふさぎ部材との間に設けられた接合梁と、を有し、隣り合う前記接合梁どうしが前記ふさぎ部材の周面の外側に配された平面視矩形形状の外ダイヤフラムを介して連結されており、
鋼管と前記外ダイヤフラムとは溶接接合されておらず、
前記柱の内部において、前記接合梁はウェブのみが配されており、前記隣り合う接合梁どうしが前記ウェブを介して連結されており、
床面から上方に突出するように延びる複数の接合鉄筋が設けられた箇所において、前記接合鉄筋を囲繞するように、かつ、直下の外ダイヤフラムの上面に溶接接合を用いずに鋼管を設置する鋼管設置工程と、
前記接合部材を前記ふさぎ部材が前記鋼管に連設するように設置する接合部材設置工程と、
複数の鉛直補強筋及び該複数の鉛直補強筋を束ね鉛直方向に略等間隔に配置される複数のせん断補強筋を有する補強鉄筋体と、前記接合鉄筋と、を一体に組み上げた集合鉄筋体を、前記鋼管内に建て込みする集合鉄筋体設置工程と、
前記接合梁に前記梁を接合する梁接合工程と、
前記鋼管の内部及び前記ふさぎ部材の内部にコンクリートを打設するコンクリート打設工程と、を備えることを特徴とする柱と梁との接合構造の施工方法。
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