JP6506922B2 - 構造物検証システム、構造物検証装置、構造物検証プログラム - Google Patents
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Description
また、地震到来時の被害を低減するため、構造物における設備の稼働を制限することがある。
(第1の実施形態)
図1は、本実施形態による構造物検証システム1の構成を示すブロック図である。構造物検証システム1は、監視対象の構造物である建物900の健全性の検証を支援するとともに、建物900における設備の稼働の制限を安全に解除できるように、建物900における設備の稼働を支援する。構造物検証システム1は、緊急地震速報サーバ100と、監視対象の構造物に設置された複数のセンサ200(センサ200−1、センサ200−2、センサ200−3、センサ200−4、センサ200−5)と、監視対象の構造物に付属する複数の設備300(設備300−1、設備300−2、設備300−3、設備300−4、設備300−5)と、構造物検証装置400とを備えている。複数のセンサ200は同様の構成であるため、特に区別しない場合には「−1」、「−2」等を省略してセンサ200として説明する。同様に、複数の設備300は同様の構成であるため、特に区別しない場合には「−1」、「−2」等を省略して設備300として説明する。
商用電源系統501は交流電力を断路器DS504に供給する。断路器DS504は、一次側には商用電源系統501が接続され、二次側には遮断器CB503−0が接続される。
遮断器CB503−0は、一次側には断路器DS504が接続され、二次側には受電変圧器502が接続される。
受電変圧器502は、遮断器CB503−0の二次側の電圧を降圧して、遮断器CB503−1〜5に供給する。
遮断器CB503−1〜5は、受電変圧器502と設備300との間の接続経路を開閉する。例えば、遮断器CB503−1〜5は、通常時は、構造物検証装置400からの制御信号がハイ(H)レベルにあることにより、閉じられている(投入されている、ONされる)。また、遮断器CB503−1〜5は、構造物検証装置400からの制御信号がロウ(L)レベルになることにより、開放される(OFFされる)ものとする。
入力部410は、キーボードやマウス等の入力デバイスであり、管理者等であるユーザの操作に応じた入力信号を生成し、制御部440に出力する。
例えば、通信部420は、緊急地震速報サーバ100から送信される緊急地震速報を受信する。また、通信部420は、センサ200から送信されるセンサデータを受信する。また、通信部420は、受電部500に対して制御信号を送信する。
例えば、主軸の向きに「NE45」が対応付けられている場合、その構造物の主軸が北東45度の方向を向いていることを示す。
最大加速度は、対応するセンサ200による計測値である。最大速度は、監視対象の構造物における各階毎の速度の最大値を示す。最大変位は、監視対象の構造物における各階毎の変位の最大値を示す。このような速度・変位は、例えば、センサ200−1からセンサ200−5の各々から送信される加速度のセンサデータを1回又は2回積分して、1階から屋上までの加速度方向の速度・変位を求め、隣接する階同士の変位の差分を算出することにより、構造物のそれぞれの階の層間変位δを求めることができる。
層間変形角Δが限界層間変形角を超えており、かつ固有周期閾値に比較して固有周期が長くなり剛性が低下していると判断される場合には、建物の損傷の程度は以下に示すように推定される。建物の状況は、構造躯体の損傷は想定以上であり、建物の損傷の大きさが想定以上であると推定される。これにより、判定結果は、「建物の損傷の早急な調査が必要である」とされている。
層間変形角Δが限界層間変形角を超えており、一方、固有周期閾値に比較して固有周期Tに変化がなく剛性が維持されていると判断される場合には、建物の損傷の程度は以下に示すように推定される。固有周期Tの変化がないため、建物の構造躯体が設計における限界層間変形角より大きい層間変形角として実際に建造されたとして、限界層間変形角を超えても損傷は想定以下と推定することができる。これにより、判定結果は、「継続使用可能であるが、注意して利用する必要がある」とされている。
層間変形角Δが限界層間変形角以下であり、一方、固有周期閾値に比較して固有周期Tが長くなり剛性が低下していると判断される場合には、建物の損傷の程度は以下に示すように推定される。固有周期Tが長くなっているが、層間変形角Δが限界層間変形以下であるため、構造躯体ではなく建物の非構造躯体が損傷を受けており、構造躯体の損傷は想定以下と推定することができる。これにより、判定結果は、「継続使用可能であるが、注意して利用する必要がある」とされている。
層間変形角Δが限界層間変形角以下であり、かつ固有周期閾値に比較して固有周期Tに変化がなく剛性が維持されていると判断される場合には、建物の損傷の程度は以下に示すように推定される。層間変形角Δが限界層間変形以下であり、かつ固有周期Tに変化がなく剛性が維持されているため、建物の構造躯体及び建物の非構造躯体のいずれも損傷を受けおらず、構造躯体の損傷は想定以下と推定することができる。これにより、判定結果は、「継続使用可能」とされている。
図7は、本実施形態による構造物検証装置400の動作例を示すフローチャートである。また、図8は、本実施形態による構造物検証装置400の動作例を示すタイミングチャートである。図8において、一例として、設備300−1に対応する遮断器CB503−1のON/OFF状態、設備300−1に供給される電圧レベルを示している。
緊急地震速報サーバ100から緊急地震速報が送信されると、構造物検証装置400の緊急地震速報制御部441は、通信部420を介して緊急地震速報を受信する(ステップS1)。設備制御部446は、予測される揺れが大きい場合、監視対象である設備300に対して給電を停止するために、遮断器CB503−1〜nに対して、給電の停止状態にする制御信号(OFF信号)を送信する(ステップS2)。図8の時刻t1に示すように、通常時は投入されている遮断器CB503−1〜nはOFFされ、設備300−1〜nに対して供給される電圧は通常与えられている電圧値VHから、開放電位である電圧値VLになる。設備300−1〜nに対して供給される電流は通常与えられている電流値IHから、電流値ILになる。なお、上記の予測される揺れが大きい場合とは、例えば、設備300が損傷する震度がある場合、物が倒れる震度、安全性を確保できると認められる震度を超える震度がある場合などがある。上記の安全性を確保できると認められる震度を震度3とした場合として、例えば、震度3を超える震度4の震度がある場合とする。なお、遮断器CB503−1〜nをOFFにするかわりに、遮断器CB503−0をOFFしてもよい。
なお、応答特性データ算出部444は、ステップS8からステップS10までの各ステップの処理を、ステップS5の処理を終えた後、ステップS6の処理を実施するまでに実施してもよく、又は、ステップS5からステップS7までの処理と並行して実施するようにしてもよい。
一方、本実施形態によれば、設備や家具が転倒するほどの振動を生じ得る地震が到来することを予測した時点(時刻t1)において、各設備に対する電力の供給を遮断する。これにより、仮に、使用中の電気ストーブが実際に転倒することがあったとしても、電気ストーブに給電されることはなく、過度の発熱を発生させる虞もない。さらに、本実施形態によれば、地震が到来した後(時刻t2)において、予め定めた大きさより大きな揺れを検出した場合には、構造物の損傷度を判定して、構造物に大きな損傷があると判定した場合には、設備への通電を開始させないように制御している。これにより、停電の要因が解消して復電する際に、構造物の損傷を検出した場所に対する通電開始を制限する。仮に、地震の揺れが予め定めた大きさより大きく、構造物の損傷により電気ストーブが転倒したとしても、転倒している電気ストーブに対して給電されることがない。仮に電気ストーブが転倒するほどの振動を生じ得る地震が到来しても、転倒している電気ストーブなどの設備に対して給電されることがなく、災害の発生を防ぐことができる。さらに、本実施形態によれば、給電を再開した後に異常を検出した場合(時刻t3)に必要に応じて電力の供給を再び停止させることができる。上記のように制御するようにしたので、構造物検証システム1は、外的要因に応じた構造物の応答予測により、当該構造物における設備の稼働を支援することができる。
次に、図面を参照して、第2の実施形態による構造物検証システム1の動作例を説明する。図9は、第2の実施形態による構造物検証装置400の動作例を示すフローチャートである。また、図10は、第2の実施形態による構造物検証装置400の動作例を示すタイミングチャートである。図10において、一例として、設備300−1に対応する遮断器CB503−1のON/OFF状態、設備300−1に供給される電圧レベルを示している。
上記の第1の実施形態では、緊急地震警報が送信された場合、全ての階において予測される揺れが大きい(例えば、設備300の設備が損傷する震度、物が倒れる震度、安全サイドが震度3とすると4を超える震度がある)と判定して、全ての階における遮断器をOFFさせている。中にはOFFさせることが必要とされない遮断器が含まれている場合がある。そこで、第2の実施形態では、OFFさせる遮断器を特定して制御する場合について説明する。
本実施形態では、第1の実施形態と相違して、各階の揺れの判定に応じて、給電制御を加えた場合を説明する。例えば、1階〜2階に関しては揺れの程度が少ないと判定し、そのまま給電を続け、3階〜5階に関しては揺れの程度が大きいと判定し、遮断器を開放した場合を例示して説明する。
緊急地震速報サーバ100から緊急地震速報が送信されると、構造物検証装置400の緊急地震速報制御部441は、通信部420を介して緊急地震速報を受信する(ステップSa1)。緊急地震速報制御部441は、受信した緊急地震速報に基づいて要因データを算出し、算出した要因データを要因データ受付部442に入力する。
なお、応答特性データ算出部444は、ステップSa10からステップSa12までの各ステップの処理を、ステップSa5の処理を終えた後、ステップS6の処理を実施するまでに実施してもよく、又は、ステップSa6からステップSa8までの処理と並行して実施するようにしてもよい。
本実施形態によれば、設備や家具が転倒するほどの振動を生じ得る地震の到来を検出した時点(時刻t1’)において、設備や家具が転倒するほどの振動を生じ得る階(例えば、1階)の設備に対する電力の供給を遮断する。これにより、仮に、当該階において、使用中の電気ストーブが実際に転倒することがあったとしても、電気ストーブに給電されることはなく、過度の発熱を発生させる虞もない。さらに、本実施形態によれば、地震が到来した後(時刻t2’)において、予め定めた大きさより大きな揺れを検出した場合には、構造物の損傷度を判定して、構造物に大きな損傷があると判定した場合には、設備への通電を開始させないように制御している。これにより、停電の要因が解消して復電する際に、構造物の損傷を検出した場所に対する通電開始を制限する。仮に、地震の揺れが予め定めた大きさより大きく、構造物の損傷により電気ストーブが転倒したとしても、転倒している電気ストーブに対して給電されることがない。仮に電気ストーブが転倒するほどの振動を生じ得る地震が到来しても、転倒している電気ストーブなどの設備に対して給電されることがなく、災害の発生を防ぐことができる。さらに、本実施形態によれば、給電を再開した後に異常を検出した場合(時刻t3’)に必要に応じて電力の供給を再び停止させることができる。
図11を参照して、前述の実施形態と異なる第3の実施形態について説明する。図11は、本実施形態による構造物検証システム1Aの構成を示すブロック図である。構造物検証システム1Aは、監視対象の構造物である建物900の健全性の検証を支援するとともに、建物900における設備の稼働の制限を安全に解除できるように、建物900における設備の稼働を支援する。第1実施形態に示す構成と異なる構成について説明する。
また、停止解除判定部447Aは、傾斜角センサを含むセンサ200Aから送信されたセンサデータから傾斜角θを算出する。なお、センサ200Aが出力する加速度データから傾斜角θを求めてもよい。傾斜角θを算出する方法は、本実施形態に記載されているもの以外の他の方法を用いても良い。
・パターンP2 層間変形角Δが設計層間変形角を超えており、固有周期Tが固有周期閾値以下であり、傾斜角θが傾斜角の初期値以下であるパターン
・パターンP3 層間変形角Δが設計層間変形角以下であり、固有周期Tが固有周期閾値を超えており、傾斜角θが傾斜角の初期値以下であるパターン
・パターンP4 層間変形角Δが設計層間変形角を超えており、固有周期Tが固有周期閾値を超えており、傾斜角θが傾斜角の初期値以下であるパターン
・パターンP5 層間変形角Δが設計層間変形角以下であり、固有周期Tが固有周期閾値以下であり、傾斜角θが傾斜角の初期値を超えているパターン
・パターンP6 層間変形角Δが設計層間変形角を超えており、固有周期Tが固有周期閾値以下であり、傾斜角θが傾斜角の初期値を超えているパターン
・パターンP7 層間変形角Δが設計層間変形角以下であり、固有周期Tが固有周期閾値を超えており、傾斜角θが傾斜角の初期値を超えているパターン
・パターンP8 層間変形角Δが設計層間変形角を超えており、固有周期Tが固有周期閾値を超えており、傾斜角θが傾斜角の初期値を超えているパターン
判定結果:継続使用可能。
判定理由:パターンP1については、層間変形角Δが設計層間変形角以下であり、固有周期Tが固有周期閾値以下であり、傾斜角θが傾斜角の初期値以下であるため、建物900に対する損傷がないと判定される。また、パターンP2については、層間変形角Δが設計層間変形角を超えているが、固有周期Tが固有周期閾値以下であり、傾斜角θが傾斜角の初期値以下であるため、建物900に対する損傷がないと判定される。ここで、層間変形角Δが設計層間変形角を超えているのに、固有周期Tが固有周期閾値以下であり、傾斜角θが傾斜角の初期値以下であることから、建物900の実際の耐震性能が設計時より高く建設されているためと推定される。
判定結果:応急復旧時には使用可能と判断できるが、通常時に使用できるかどうかは調査が必要。
判定理由:固有周期Tが固有周期閾値以下であり、建物900の傾斜角θが傾斜角の閾値を超えている場合、建物900の立っている地盤が損傷していると推定される。
判定結果:非構造部材が損傷している可能性があり、応急復旧時に使用するとしても調査が必要。
判定理由:固有周期Tが固有周期閾値を超えており、建物900の傾斜角θが傾斜角の閾値を超えており、層間変形角Δが設計層間変形角以下である場合、建物900の非構造部材及び建物900の立っている地盤が損傷していると推定される。
判定結果:非構造部材が損傷している可能性があり、応急復旧時に使用するとしても調査が必要であるが、通常時の使用に関しては非構造部材を補修すれば継続使用可能。
判定理由:建物900の傾斜角θが傾斜角の閾値以下であるが、固有周期Tが固有周期閾値を超えているため、建物900の構造躯体に損傷が無く、非構造躯体に損傷の可能性があると推定される。
判定結果:継続使用不可。
判定理由:建物900の傾斜角θが傾斜角の閾値を超え、かつ固有周期Tが固有周期閾値を超え、かつ層間変形角Δが設計層間変形角を超えているため、建物900の構造躯体、非構造躯体及び地盤に損傷の可能性があると推定される。
前述の図9のステップSa1からステップSa5と同じ処理をする。
ステップS21:
停止解除判定部447Aは、供給されるセンサ200A−1が計測した加速度データから加速度を抽出する。そして、停止解除判定部447Aは、この抽出した加速度を2回積分し、積分の結果から1階部分の最大変位を算出する。
停止解除判定部447Aは、建物900のk階(1≦k≦n)に配置されたセンサ200A−kから供給される、それぞれのセンサ200A−kにおいて計測した加速度データから、センサ200A−1の加速度を抽出する。そして、停止解除判定部447Aは、この抽出した加速度を2回積分し、各階の変位を算出し、それぞれ隣接する階の変位と当該階の差分から、当該階に隣接する階の最大変位を算出して、各階の層間変位δを算出する。ここで、建物900の1階の層間変位δは、2階の変位から1階部分の変位を減算して求められる。
なお、全体曲げ変形やロッキングが支配的な建物などに対しては、層間変位を算出する際に、傾斜角θの計測データを用いることでせん断変形成分をより精緻に算出する。
停止解除判定部447Aは、算出したk階の層間変位δの各々を、k階の高さでそれぞれ除算し、k階の層間変形角Δを算出する。なお、加速度データから変位を求める方法は、本実施形態に記載されているもの以外の他の方法を用いても良い。
停止解除判定部447A(固有周期計測部)は、屋上に配置された微振動センサから、地震発生後に供給される微振動データに対し、信号処理を行う。すなわち、建物安全性評価部23は、微振動データのフーリエ解析を行い、最も高いパワースペクトルを有する周波数を抽出し、この周波数を固有周波数とする。そして、建物安全性評価部23は、抽出した固有周波数の周期を求め、この周期を固有周期Tとする。
停止解除判定部447A(傾斜角計測部)は、建物900の屋上に配置されているセンサ200A−5(傾斜角センサ)から供給される傾斜角データにより、建物900の傾斜角θを求める。
停止解除判定部447A(建物安全性評価部)は、建物900における1階からn階までの全ての階における損傷程度の判定が行われたか否かの判定を行う。
このとき、停止解除判定部447Aは、建物900における全ての階に対する判定が終了した場合、処理をステップS36に進め、建物900における全ての階に対する判定が終了していない場合、処理をステップS27へ進める。
停止解除判定部447Aは、算出した傾斜角θと建物900の傾斜角の初期値との比較を行い、傾斜角θが傾斜角の初期値を超えているか否かを判定する(第3の判定結果を求める)。このとき、停止解除判定部447Aは、傾斜角θが傾斜角の初期値を超えていない場合、処理をステップS28へ進め、一方、傾斜角θが傾斜角の初期値を超えている場合、処理をステップS29へ進める。
停止解除判定部447Aは、算出した固有周期Tと固有周期閾値とを比較し、固有周期Tが固有周期閾値以下であるか否かの判定を行う(第2の判定結果を求める)。このとき、停止解除判定部447Aは、固有周期Tが固有周期閾値を超える場合、処理をステップS32へ進め、一方、固有周期Tが固有周期閾値以下である場合、処理をステップS31へ進める。ここで、説明においては、建物900の固有周期の初期値ではなく、この固有周期の初期値に対してマージンを持たせた固有周期閾値を用いている。
停止解除判定部447Aは、算出した固有周期Tと固有周期閾値とを比較し、固有周期Tが固有周期閾値以下であるか否かの判定を行う。このとき、停止解除判定部447Aは、固有周期Tが固有周期閾値を超える場合、処理をステップS30へ進め、一方、固有周期Tが固有周期閾値以下である場合、処理をステップS33へ進める。
停止解除判定部447Aは、建物900の判定の終了していない階の層間変形角Δを停止解除判定部447Aから読み込み、この読み込んだ判定対象のk階の層間変形角Δと設計層間変形角との比較を行い、層間変形角Δが設計層間変形角を超えているかを判定する(第1の判定結果を求める)。このとき、停止解除判定部447Aは、層間変形角Δが設計層間変形角を超えている場合、処理をステップS35へ進め、一方層間変形角Δが設計層間変形角を超えていない場合、処理をステップS34へ進める。
停止解除判定部447Aは、健全性判定ルール記憶部434Aの判定テーブルを参照し、傾斜角θが傾斜角の初期値以下であり、固有周期Tが固有周期閾値以下である場合、パラメータパターンが状態Dであることを検出する。
次に、停止解除判定部447Aは、パラメータパターンが状態Dの判定である「継続使用可能(D)」を、健全性判定ルール記憶部434Aの判定結果テーブルにおける対応するk階の判定結果の欄に書き込んで記憶させ、処理をステップS26へ進める。
停止解除判定部447Aは、健全性判定ルール記憶部434Aの判定テーブルを参照し、傾斜角θが傾斜角の初期値以下であり、固有周期Tが固有周期閾値を超えている場合、パラメータパターンが状態Gであることを検出する。
次に、停止解除判定部447Aは、パラメータパターンが状態Gの判定である「非構造部材が損傷している可能性があり、応急復旧時に使用するとしても調査が必要であるが、通常時の使用に関しては非構造部材を補修すれば継続使用可能(G)」を、健全性判定ルール記憶部434Aの判定結果テーブルにおける対応するk階の判定結果の欄に書き込んで記憶させ、処理をステップS26へ進める。
停止解除判定部447Aは、健全性判定ルール記憶部434Aの判定テーブルを参照し、傾斜角θが傾斜角の初期値を超えており、固有周期Tが固有周期閾値以下である場合、パラメータパターンが状態Eであることを検出する。
次に、停止解除判定部447Aは、パラメータパターンが状態Eの判定である「応急復旧時には使用可能と判断できるが、通常時に使用できるかどうかは調査が必要(E)」を、健全性判定ルール記憶部434Aの判定結果テーブルにおける対応するk階の判定結果の欄に書き込んで記憶させ、処理をステップS26へ進める。
停止解除判定部447Aは、健全性判定ルール記憶部434Aの判定テーブルを参照し、傾斜角θが傾斜角の初期値を超えており、固有周期Tが固有周期閾値を超えており、層間変形角Δが設計層間変形角以下である場合、パラメータパターンが状態Fであることを検出する。
次に、停止解除判定部447Aは、パラメータパターンが状態Fの判定である「非構造部材が損傷している可能性があり、応急復旧時に使用するとしても調査が必要(F)」を、健全性判定ルール記憶部434Aの判定結果テーブルにおける対応するk階の判定結果の欄に書き込んで記憶させ、処理をステップS26へ進める。
停止解除判定部447Aは、健全性判定ルール記憶部434Aの判定テーブルを参照し、傾斜角θが傾斜角の初期値を超えており、固有周期Tが固有周期閾値を超えており、層間変形角Δが設計層間変形角を超えている場合、パラメータパターンが状態Hであることを検出する。
次に、停止解除判定部447Aは、パラメータパターンが状態Hの判定である「継続使用不可(H)」を、健全性判定ルール記憶部434Aの判定結果テーブルにおける対応するk階の判定結果の欄に書き込んで記憶させ、処理をステップS26へ進める。
停止解除判定部447Aは、建物900における全ての階に対する判定が終了した場合、何れかの階の判定結果に状態Hが含まれるか否かを判定する。このとき、停止解除判定部447Aは、何れかの階の判定結果に状態Hが含まれる場合、処理をステップS8へ進め、一方、何れかの階の判定結果に状態Hが含まれない場合、処理をステップS9へ進める。
応答特性データ算出部444は、前述の図9のステップSa8と同じ処理をして、処理をステップS10に進める。
ステップSa9:
応答特性データ算出部444は、前述の図9のステップSa9と同じ処理をして、処理をステップS10に進める。
応答特性データ算出部444は、前述の図9のステップSa10からステップSa12と同じ処理をする。
なお、上記の処理は、前述の第2の実施形態として示す図9の処理に関連付けて説明したが、第1の実施形態として示す図7の処理に適用すること制限するものではない。
また、階層構造の構造物に対して、各層の応答特性を算出して、各層の震度等を予測することができるため、構造物に対して到来する地震による損傷の予測の結果に基づいて、例えば特定の階のみに警報を出したり、特定の階の機器、設備を限定して、限定した機器、設備に対する給電を制限する制御信号を送信したりすることができる。これによって、構造物内の設備や構造物内の人物への影響を、最小限にとどめるとともに、災害による影響を低減させることが可能となる。
また、構造物検証装置400が備える各機能部は、クラウド環境やネットワーク環境、監視対象の構造物や構造物の収容人員の規模、構造物検証装置400を構成するために用意されたハードウェアの数やスペック等に応じて、任意の台数のコンピュータ装置に分散または集約して配置することができる。
なお、設備300−nに流れる電流と設備300−nに供給する電圧は、受電部500内に設けられた計器により検出されるものとし、例えば、構造物検証装置400はその検出結果に基づいて判定してもよい。
100 緊急地震速報サーバ
200 センサ
300 設備
400 構造物検証装置
410 入力部
420 通信部
430 記憶部
431 構造物データ記憶部
432 センサデータ履歴記憶部
433 応答特性データ記憶部
434 健全性判定ルール記憶部
440 制御部
441 緊急地震速報制御部
442 要因データ受付部
443 センサデータ制御部
444 応答特性データ算出部
445 応答予測部
446 設備制御部
447 停止解除判定部
500 受電部
501 商用電源系統
502 受電変圧器
CB503 遮断器
DS504 断路器
900 建物(構造物)
Claims (6)
- 地震を含む外的要因に応じた監視対象の構造物の揺れを計測するセンサによって計測されたセンサデータを受信するセンサデータ制御部と、
外的要因に応じた前記構造物の応答特性を示す応答特性データを記憶する応答特性データ記憶部と、
前記構造物に対する外的要因の規模を示す要因データの入力を受け付ける要因データ受付部と、
前記要因データ受付部に入力された前記要因データに対応する前記応答特性データを応答特性データ記憶部から読み出し、読み出した応答特性データに基づいて、当該外的要因による当該構造物の応答を予測する前記応答予測部であって、緊急地震速報制御部が受信した緊急地震速報に含まれる地震の規模に関するデータと、前記構造物に係る振動の応答倍率を含む応答特性データとに基づいて前記構造物の応答を予測する応答予測部と、
制御信号に応じて前記構造物に付属する設備に対する電力の供給を遮断する遮断部と、
前記予測によって前記構造物の応答が基準量よりも大きいと予測された場合に、前記地震の揺れが前記建造物に到来する前に前記構造物に付属する設備に対して電力の供給を制限するように、前記制御信号を前記設備に係る前記遮断部に送信する設備制御部と、
前記制御信号が前記設備に係る前記遮断部に送信され、前記外的要因である地震により前記構造物が応答した後に、前記センサデータ制御部が受信したセンサデータに基づいて、当該地震によって停止された当該構造物に付属する設備に対する電力の供給を制限する状況を解除するか否かを判定する停止解除判定部と、
を備え、
前記停止解除判定部は、
前記判定の結果に基づいて前記遮断部を投入させて、前記遮断された遮断部の2次側の配電系統の通電を再開させて、
前記通電の再開後に、前記通電が再開された前記配電系統の電圧と電流の何れかに基づいて前記構造物に付属する設備の状況を再判定して、
前記再判定により前記構造物に付属する設備に損傷があると判定された場合には、前記遮断部により通電を停止させる、
ことを特徴とする構造物検証システム。 - 前記設備制御部は、前記応答予測部による予測結果に基づいて、前記構造物に付属する設備に対して電力の供給を制限する制御信号を前記遮断部に送信することを特徴とする請求項1に記載の構造物検証システム。
- 外的要因に応じた監視対象の構造物の揺れを計測するセンサによって計測されたセンサデータの履歴を記憶するセンサデータ履歴記憶部と、
前記センサデータ履歴記憶部に記憶されたセンサデータの履歴に基づいて、前記応答特性データを算出し、算出した当該応答特性データを前記応答特性データ記憶部に記憶させる応答特性データ算出部と、
を備えることを特徴とする請求項2に記載の構造物検証システム。 - 前記緊急地震速報制御部は、
前記外的要因である地震の規模を含む緊急地震速報を受信し、受信した緊急地震速報を前記要因データとして前記要因データ受付部に入力し、
前記センサデータ制御部は、前記緊急地震速報制御部が前記緊急地震速報を受信してから所定時間内に前記センサによって計測されたセンサデータを、前記センサデータ履歴記憶部に記憶させることを特徴とする請求項3に記載の構造物検証システム。 - 地震を含む外的要因に応じた監視対象の構造物の揺れを計測するセンサによって計測されたセンサデータを受信するセンサデータ制御部と、
制御信号に応じて前記構造物に付属する設備に対する電力の供給を遮断する遮断部と、
少なくとも、緊急地震速報制御部が受信した緊急地震速報に基づいて前記緊急地震速報に係る地震の規模と、前記構造物に係る振動の応答倍率とに基づいて前記構造物の応答が予測された後、前記予測によって前記構造物の応答が基準量よりも大きいと予測された場合に、前記地震の揺れが前記建造物に到来する前に前記構造物に付属する設備に対して電力の供給を制限するように、前記制御信号を前記設備に係る前記遮断部に送信する設備制御部と、
前記制御信号が前記設備に係る前記遮断部に送信され、前記外的要因である地震により前記構造物が応答した後に、前記センサデータ制御部が受信したセンサデータに基づいて、当該地震によって停止された当該構造物に付属する設備に対する電力の供給を制限する状況を解除するか否かを判定する停止解除判定部と、
を備え、
前記停止解除判定部は、
前記判定の結果に基づいて前記遮断部を投入させて、前記遮断された遮断部の2次側の配電系統の通電を再開させて、
前記通電の再開後に、前記通電が再開された前記配電系統の電圧と電流の何れかに基づいて前記構造物に付属する設備の状況を再判定して、
前記再判定により前記構造物に付属する設備に損傷があると判定された場合には、前記遮断部により通電を停止させる、
ことを特徴とする構造物検証装置。 - 構造物検証装置のコンピュータに、
センサデータ制御部により地震を含む外的要因に応じた監視対象の構造物の揺れを計測するセンサによって計測されたセンサデータを受信するセンサデータ制御ステップと、
少なくとも、緊急地震速報制御部が受信した緊急地震速報に基づいて前記緊急地震速報に係る地震の規模と、前記構造物に係る振動の応答倍率とに基づいて前記構造物の応答が予測された後、前記予測によって前記構造物の応答が基準量よりも大きいと予測された場合に、前記地震の揺れが前記建造物に到来する前に前記構造物に付属する設備に対して電力の供給を制限するように、前記制御信号を前記設備に係る前記遮断部に送信する設備制御ステップと、
前記制御信号が前記設備に係る遮断部に送信され、前記遮断部により、制御信号に応じて前記構造物に付属する設備に対する電力の供給を遮断するステップと、
前記外的要因である地震により前記構造物が応答した後に、当該地震によって停止された当該構造物に付属する設備に対する電力の供給を制限する状況を解除するか否かを、前記センサデータ制御部が受信したセンサデータに基づいて、停止解除判定部によって判定する停止解除ステップと、
を実行させ、
前記停止解除判定部により、
前記判定の結果に基づいて前記遮断部を投入させて、前記遮断された遮断部の2次側の配電系統の通電を再開させて、
前記通電の再開後に、前記通電が再開された前記配電系統の電圧と電流の何れかに基づいて前記構造物に付属する設備の状況を再判定して、
前記再判定により前記構造物に付属する設備に損傷があると判定された場合には、前記遮断部により通電を停止させるステップ、
を実行させる構造物検証プログラム。
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