JP6230813B2 - 免震建物の免震効果監視方法および監視装置 - Google Patents

免震建物の免震効果監視方法および監視装置 Download PDF

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Description

この発明は、住宅やその他の免震建物における免震装置の免震効果を監視する免震効果監視方法および監視装置に関する。
住宅やその他の免震建物における免震作用を監視するシステムとして、大きく2つの種類がある。
(1) 加速度センサを用いた非接触監視システム。
(2) 免震装置自体に触針等で免震軌道を直接に描く接触式監視システム。
特開2006−249833号公報 特開2006−233703号公報 特開2012−137339号公報
上記(1) の非接触監視システムは、加速度センサによる振動測定値のみを用いるため、建物の免震装置の変位量を正確に把握することができない。また、地震と風等の作用している荷重を明確に判断することができず、要因を解決することができない。
上記(2) の接触式監視システムは、免震作用時に破壊する可能性がある。また、判断は移動したか否かのみであり、地震と風等の作用している荷重の要因を明確に判断することができない。そのため、要因を解決することができない。
免震建物において、建物に作用している荷重の要因が何であるかを判断するシステムは、案出されるに至っていない。
この発明の目的は、建物に作用している荷重の要因が地震であることを判断した上で、免震装置の免震作用の状況が判断でき、また地震等の大きな荷重時もセンサ類に損傷を生じることのない免震建物の免震効果監視方法および監視装置を提供することである。
この発明の他の目的は、建物に作用している荷重の要因が風であることを判断でき、かつその場合に免震装置に残留変位が生じているか否かを知ることができるようにすることである。
この発明の免震建物の免震効果監視方法は、免震建物における免震装置の効果を監視する免震効果監視方法であって、
前記免震建物の前記免震装置に載せられた建物本体の振動を測定する加速度センサと、前記免震装置の互いに水平変位可能な基礎側部分と建物本体側部分間の水平変位を監視し前記水平変位の所定量を境にオンとオフに切り替わる磁気センサとを用い、
前記加速度センサにより測定した振動波形の特徴から振動源を判断し、この判断として振動源が地震であるか地震以外の要因であるかの判断を少なくとも行う振動源要因判断過程と、
前記磁気センサのオンオフの切り換わりの結果から前記免震装置が所定の免震作用を生じたか否かの判断と前記免震装置に残留変位が生じているか否かの判断とのいずれか一方または両方を行う免震化判断過程、
とを含む。
この方法によると、加速度センサと磁気センサとの2種類のセンサを用い、相互の状態を判断する。例えば、まず、振動波形の特徴から地震による振動であるか地震以外の要因による振動であるかを判断する。建物の振動は振動源が何であるかによってそれぞれ特徴を有するため、振動波形がその特徴を有するか否かで振動源が明確に分かり、地震による振動であるか否かを判断できる。この振動要因の判断の後、磁気センサのオンオフの切り換わりの結果から免震装置の免震作用の状況を判断する。前記磁気センサは、所定量の水平変位によってオンとオフに切り替わりものであるため、オンオフが切り替わった否か、その切り替わりの回数、現在オンであるかオフであるかによって、免震装置が作用して建物本体が移動したか否か、また残留変位が生じているか否かが正確に把握できる。
このように、加速度センサと磁気センサとの2種類のセンサを用い、相互の状態を判断するため、建物の移動を正確に把握すると共に、免震装置が作用した際の要因が地震であることを明確に判断することができる。免震作用を生じた状況を振動の要因と共に評価できるため、免震化、つまり所定の免震作用を生じたか否かについての評価が適切に行える。このため、免震化が適切に行われていない場合の対処法の検討が行い易い。要因が明確であるため、現地に行かなくても、状況に応じた対処を行うことができる。また、建物状況を自動で判断するため、人による判断ミスがない。
また、使用するセンサ類が加速度センサおよび磁気センサであっても、いずれも非接触センサであるため、地震などの大きな荷重の作用時も損傷しない。
この発明方法において、前記振動源要因判断過程で地震による振動であると判断された場合に、前記加速度センサによる測定値を設定値と比較して設定値未満である場合に前記免震装置が所定の免震作用を生じなかったと判断し、設定値以上である場合に前記免震化判断過程に進む作用外地震判断過程を含むようにしても良い。
建物に加わる荷重がある程度大きくなければ、免震装置は免震化しない。そのため、加速度センサによる振動の測定値が設定値未満である場合は、免震装置は作用しなかったと判断できる。
この発明方法、前記振動源要因判断過程が、前記振動源が地震であるか地震以外の要因であるかの判断を行う地震判断過程と、この地震判断過程で地震以外の要因であると判断した場合に前記振動波形の特徴から風による振動であるか風以外の要因による振動であるかを判断する風要因判断過程とを含み、かつ前記風による振動であると判断した場合に前記磁気センサのオンオフの値から前記免震装置に残留変位が生じているか否かを判断する残留変位判断過程を有する
風荷重で建物が大きな揺れを生じ、前記免震装置の残留変位が変わることがある。このため、振動の要因が風荷重であり、前記免震装置の残留変位の有無を知ることで、風荷重に応じた対処法を適切に検討することができる。
この発明の免震建物の免震効果監視装置(20)は、免震建物(1)における免震装置(2)の効果を監視する装置であって、
前記建物本体(1a)の振動を測定する加速度センサ(4)と、
前記免震装置(2)の互いに水平変位可能な基礎側部分(2a)と建物本体側部分(2b)間の水平変位を監視し前記水平変位の所定量を境にオンとオフに切り替わる磁気センサ(5)と、
これら加速度センサ(4)および磁気センサ(5)の検出信号を監視して所定の処理を行う免震効果監視手段(21)とを備え、
この免震効果監視手段(21)は、
前記加速度センサ(4)により測定した振動波形の特徴から振動源を判断し、この判断として振動源が地震であるか地震以外の要因であるかの判断を少なくとも行う振動源要因判断手段(22)と、
前記磁気センサ(5)のオンオフの切り換わりの結果から前記免震装置(2)が所定の免震作用を生じたか否かの判断、および前記免震装置(2)に残留変位が生じているか否かの判断のいずれか一方または両方を行う免震化判断手段(23)、
とを有し、
前記振動源要因判断手段(22)は、前記振動源が地震であるか地震以外の要因であるかの判断を行う地震判断部(25)と、この地震判断部(25)で地震以外の要因であると判断した場合に前記振動波形の特徴から風による振動であるか風以外の要因による振動であるかを判断する風要因判断部(26)とを含み、前記免震化判断手段(23)は、前記風による振動であると判断した場合に前記磁気センサのオンオフの値から前記免震装置に残留変位が生じているか否かを判断する残留変位判断部(29)を有する。
この構成の免震効果監視装置によると、この発明の免震効果監視方法につき説明したと同様に、建物(1)に作用している荷重の要因が地震であることを判断した上で、免震装置(2)の免震作用の状況が判断できる。また、地震等の大きな荷重時もセンサ類(4,5)に損傷を生じることがない。
この発明装置において、前記振動源要因判断手段(22)で地震による振動であると判断された場合に、前記加速度センサ(4)による測定値を設定値と比較して設定値未満である場合に前記免震装置(2)が所定の免震作用を生じなかったと判断し、設定値以上である場合に前記免震化判断手段23による処理を行わせる作用外地震判断部(25b)を含んでいても良い。
この構成の場合、建物(1)に作用している荷重の要因が風であることを判断でき、かつその場合に免震装置(2)に残留変位が生じているか否かを知ることができる。
この発明の免震建物の免震効果監視方法および監視装置は、加速度センサと磁気センサとの2種類のセンサを用い、振動波形の特徴から建物に作用している荷重の要因が地震であることを判断し、また磁気センサから免震装置の所定の免震作用を判断し、両センサの相互の状態を判断するため、建物に作用している荷重の要因が地震であることを判断した上で、免震装置の免震作用の状況が判断でき、また地震等の大きな荷重時もセンサ類に損傷を生じることのないという効果が得られる。
この発明において、振動波形の特徴から風による振動であるか風以外の要因による振動であるかを判断する風要因判断過程とを含み、前記風による振動であると判断した場合に前記磁気センサのオンオフの値から前記免震装置に残留変位が生じているか否かを判断する残留変位過程を設けた場合は、建物に作用している荷重の要因が風であることを判断でき、かつその場合に免震装置に残留変位が生じているか否かを知ることができる。
この発明の一実施形態に係る免震建物の免震効果監視方法に用いる免震効果監視装置の説明図である。 同免震効果監視装置の概念構成を示すブロック図である。 同免震効果監視方法の概要の説明図である。 同免震効果監視方法の概略の流れ図である。 同免震効果監視方法の各過程を示す流れ図である。 同流れ図の一部を拡大して示す図である。 同流れ図の残り部分を拡大して示す図である。
この発明の一実施形態を図面と共に説明する。この免震建物の免震効果監視方法は、免震建物1における免震装置2の免震の効果を監視する方法である。前記免震建物1は、基礎3上に設けられた免震装置2上に建物本体1aが載せられている。免震建物1は、戸建住宅、集合住宅、事務所ビル等のいずれであっても良い。免震装置2は、免震架台となる形式のものであれば良く、この例では対向面が凹球面状の基礎側部材2aと建物本体側部分2bとの間に鋼球等の球体2cを介在させ、基礎側部材2aと建物本体側部分2bとの水平変位を可能とすると共に、原点復帰機能を持つ形式とされている。免震装置2は、この他に基礎側部材2aと建物本体側部分2bを摩擦接触させる形式や、粘弾性体で原点復帰機能を有するものであっても良い。
この免震効果監視方法は、前記免震建物1の建物本体1aの振動を測定する加速度センサ4と、前記免震装置2の基礎側部分2aと建物本体側部分2b間の水平変位を監視する磁気センサ5と、情報処理装置6とを用いる。加速度センサ4には、任意方向の加速度の値と、その加速度が生じた方向とが測定されるものを用いる。磁気センサ5は、例えば近接スイッチからなり、この例では、基礎側部分2aに設けられた強磁性体からなる被検出体5aと、建物本体側部分2bに設けられて被検出体5aを検出するセンサ素子5bとからなり、基礎側部分2aと建物本体側部分2bの相対的な水平変位の所定量を境にオンとオフに切り替わる。例えば、水平変位が所定量以内ではオンを維持し、所定量を超えるとオフになる。前記所定量は、適宜に定められる量、または磁気センサ5が特性として持つ量である。被検出体5aとセンサ素子5bとは、いずれを建物本体側部分2bに設置してもよい。
情報処理装置6は、パーソナルコンピュータ等のコンピュータであり、記憶手段7に記憶された免震効果監視プログラム8をCPU(中央処理装置)9で実行することにより、この実施形態の免震効果監視方法における後述の各過程を行う。免震効果監視プログラム8は、情報処理装置6の持つOS(オペレーションプログラム)上で実行可能なアプリケーションプログラムである。前記加速度センサ4および磁気センサ5の出力する信号は、情報処理装置6に入出力ポート10から入力される。情報処理装置6は、この他に、キーボート等の入力機器11と、液晶ディスプレイ等の画像を表示する画面表示装置12とが備えられ、または接続されている。なお、情報処理装置6は、タブレット端末や、スマートフォン等と呼ばれる多機能電話端末であっても良い。加速度センサ4および磁気センサ5の出力する信号は、この例では情報処理装置6にリアルタイムで取り込まれるが、記憶装置(図示せず)に、加速度センサ4の振動測定情報と磁気センサ5のオンオフの検出状態を時間的に関連させて記憶しておいて、例えば定期的に、または任意時に情報処理装置6に取り込み、免震効果の判断を行うようにしても良い。
なお、免震効果監視プログラム8と情報処理装置6のCPU9等のハードウェア構成とで、免震効果監視装置20の免震効果監視手段21が構成されるが、これについては、後に図2と共に説明する。
この免震効果監視方法は、図3および図4に概要の流れ図を示し、図5〜図7に詳細の流れ図を示すように、次の各過程を含む。これらの各過程は、情報処理装置6によって処理を行う過程であって、いずれも免震効果監視プログラム8の持つ各手順を実行する過程である。図5〜図7の各ステップは免震効果監視プログラム8における各手順を示すが、免震効果監視方法の各過程として説明する。
まず、図3,図4と共に概要を説明する。この免震効果監視方法は、振動源要因判断過程S1と、免震化判断過程S2と、対処法提案過程S3とを含む。なお、図3では、各過程の前に、その過程で用いるセンサを図示している。
振動源要因判断過程S1では、加速度センサ4により測定した振動波形の特徴から振動源を判断し、この判断として振動源が地震であるか地震以外の要因であるかの判断を少なくとも行う。免震建物1の振動は、振動源が何であるかによってそれぞれ特徴を有するため、振動波形がその特徴を有するか否かで振動源が明確に分かり、地震による振動であるか否かを判断できる。
免震化判断過程S2は、磁気センサ5のオンオフの切り換わりの結果から前記免震装置2が所定の免震作用を生じたか否か、つまり免震化を行ったか否かの判断と、免震装置2に残留変位が生じているか否かの判断とのいずれか一方または両方を行う。この例では両方の判断を行う。磁気センサ5は、所定量の水平変位によってオンとオフに切り替わるものであるため、オンオフが切り替わった否かによって、免震装置2が作用して建物本体1aが移動したか否か、つまり免震化が行われた否かが分かり、現在オンであるかオフであるかによって残留変位が生じているか否かが把握できる。
対処法提案過程S3は、振動源要因判断過程S1および免震化判断過程S2の判断結果に応じて、定められた対処法の提案を画面表示装置12(図1)に出力する過程である。対処法提案過程S3は、必ずしも自動で行わなくても良く、前記各過程S1,S2の判断結果から人が対処法を検討しても良い。
前記振動源要因判断過程S1は、詳しくは、それぞれ振動波形の特徴から、振動源が地震であるか否かを判断する地震判断過程S1a、地震以外の要因である場合に風による振動であるか否かを判断する風要因判断過程S1b、その他要因判断過程(1) S1c、およびその他要因判断過程(2) S1dを含む。また、地震判断過程S1aは、前記地震判断過程S1aで地震による振動であると判断された場合に、加速度センサ4による測定値を設定値と比較して設定値未満である場合に免震装置2が所定の免震作用を生じなかったと判断し、設定値以上である場合に前記免震化判断過程S2に進む作用外地震判断過程S1aaを含む。
前記振動源要因判断過程S1で判断する振動波形の特徴の例を説明する。
地震の波形の特徴は、振動時間が短時間(例えば3分以下)、応答スペクトルが最大となる振動数が1Hz程度以下、初期微動(小さい揺れ)の後に主要動(大きい揺れ)が観測されることである。したがって、測定された振動が、設定分(例えば5分)以下で、応答スペクトルが最大となる振動数が、設定値(例えば3Hz程度)以下で、振動の大きさが設定値(例えば10Gal未満が1秒以上観測された後に10Gal以上が観測)を満たしている場合は、振動源が地震であると判断する。
風の波形の特徴は、加速度が小さく(1〜3Gal程度)、方向別では縦揺れの方が小さく、長時間(10分程度以上)、応答スペクトルが最大となる振動数が建物の固有振動数程度である。したがって、測定された振動が、設定加速度範囲(例えば、0.5〜5Gal)以内、横揺れが縦揺れよりも大きい、振動時間が設定時間(例えば5分)以上、応答スペクトルが最大となる振動数が設定範囲(例えば3〜10Hz)内である場合は、振動源が風であると判断する。
その他(1) の特徴は、事故などの災害による衝突波形の特徴であり、大きさ加速度(100Gal程度)が一度入り、その後に自由振動し、応答スペクトルが最大となる振動数が建物の固有振動数程度である。したがって、その他要因判断過程(1) S1cでは、設定加速度(例えば50Gal)が一度入り、その後に自由振動し、応答スペクトルが最大となる振動数が設定範囲(例えば3〜10Hz)内である場合は、振動源が「その他(1) 」であると判断する。
その他(2) の特徴は、交通振動の特徴であり、加速度が小さく(1〜3Gal程度)、方向別では縦揺れの方が横揺れよりも大きく、短時間(1分以下)である。したがって、その他要因判断過程(2) S1cでは、加速度が設定範囲(例えば、0.5〜5Gal)内であり縦揺れの方が横揺れよりも大きく、振動が設定時間(例えば2分以内)である場合に、振動源が「その他(2) 」であると判断する。
なお、上記の例では、振動源毎の全ての特徴につき条件を判断するようにしたが、振動源の種類を区別できればよく、上記のうちのいずれかの判断条件を省略しても良い。
前記免震化判断過程S2は、免震化有無判断過程S2aと、残留変位判断過程S2bとを含む。免震化有無判断過程S2aは、磁気センサ5のオンとオフとの切り替わりがあった場合に、免震化、つまり所定の免震作用が生じたと判断する。
残留変位判断過程S2bは、振動の終了時点で磁気センサ5がオンであると残留変位がないと判断し、オフであると残留変位があると判断する。
つぎに、図5〜図7と共に、この免震効果監視方法の具体的な各過程を説明する。図5は全体を示し、図5の一部を図6に、残り部分を図7にそれぞれ拡大して示す。
図6に示すように、まず、加速度センサ4の測定した加速度波形が地震特有の特徴を有しているか否かを判断する(地震判断過程S1a)。
地震特有の特徴を有していない場合は、図7に示す過程に進む。地震特有の特徴を有している場合は、加速度が100Gal以上であるか否かを判断する(作用外地震判断過程S1aa)。建物に加わる荷重がある程度大きくなければ、免震装置2は免震化しない。そのため、加速度センサ4による振動の測定値が設定値(この例では100Gal)未満である場合は、免震装置は作用しなかったと判断できる。
100Gal未満である場合は、振動終了時の磁気センサ5(以下「最終マグ」と略称する)が、オンであるか否かを判断する(S2b)。オンでなければ、免震化せず、残留変位有りと判断する(b11)。この場合、免震装置(免震層)2の点検を行い、建物の引き戻しを行う対処法の提案を画面表示装置12に出力する(S3)。なお、「提案を画面表示装置12に出力する」という事項につき、以下は単に「提案を示す」と称す。オンである場合は、免震化せず、また残留変位無しと判断する(b12)。
前記作用外地震判断過程S1aaで、加速度が100Gal以上であるときは、磁気センサ5がオンからオフに変化したか、またはオフからオンを1回以上動作したか否かを判断する(免震化有無判断過程S2a)。条件非充足(NG)の場合は、最終マグがオンであるかを判断する(S2b)。オンでない場合は、免震化可能性あり、残留変位有りであり(b21)、建物の引き戻しを行う対処法の提案を示す(S3)。オンである場合は、免震化可能性あり、残留変位無しであると判断される(b22)。
前記免震化有無判断過程S2aで条件充足の場合は、免震化した場合であり、最終マグがオンであるかを判断する(S2b)。オンでない場合は、免震化し、残留変位有りであり(b31)、建物の引き戻しを行う対処法の提案を示す(S3)。オンである場合は、免震化あり、残留変位無しであると判断される(b32)。
前記地震判断過程S1aで地震特有の特徴を有していないと判断された場合は、図7の風要因判断過程S1bに進み、加速度波形が風特有の特徴を有しているか否かを判断する。風特有の特徴を有している場合は、振動発生直前の磁気センサ5がオンであるか否かを判断する(S2b)。オンでない場合は、マグがオフからオンになったか否かを判断する(S2b)。オフからオンになったのではない場合は、もともと残留変位有りと判断し(b51)、建物の引き戻しを行う対処法の提案を示す(b3)。オフからオンになった場合は、残留変位無しであるが、風で戻ったか、または風で動いていない場合であり(b52)、風で戻った場合は、風揺れを固定する対処法の提案を行う(S3)。
前記振動発生直前の磁気センサ5がオンであるか否かの判断過程(S2b)で、オンであると判断した場合は、磁気センサ5がオンからオフになったか否かを判断する(S2b)。オンからオフになったのではない場合は、残留変位無しで、かつ風で動いていないと判断する(b61)。オンからオフになった場合は、風で動き、残留変位有りと判断する(b62)。この場合は、風揺れを固定する対策を行い、かつ建物を引き戻す対処法を提案する(S3)。
前記風要因判断過程S1bで風特有の特徴を有していないと判断された場合は、振動波形が「その他(1) 」の特徴を有しているか否かを判断する(S1c)。この特徴を有している場合は、振動発生直前の磁気センサ5がオンであるか否かを判断する(S2b)。オンでない場合は、マグがオフからオンになったか否かを判断する(S2b)。オフからオンになったのではない場合は、もともと残留変位有りと判断し(b81)、建物の引き戻しを行う対処法の提案を示す(S3)。オフからオンになった場合は、残留変位無しであるが、振動で戻ったか、または振動で動いていない場合であり(b82)、建物を補修する対処法の提案を行う(S3)。
前記振動発生直前の磁気センサ5がオンであるか否かの判断過程(S2b)で、オンであると判断した場合は、磁気センサ5がオンからオフになったか否かを判断する(S2b)。オンからオフになったのではない場合は、残留変位無しで、かつ振動で動いていないと判断する(b91)。この場合は、建物を補修する提案を行う(S3)オンからオフになった場合は、振動により建物が動き、残留変位有りと判断する(b92)。この場合は、建物を補修しかつ建物を引き戻す対処法を提案する(S3)。
「その他(1) 」の特徴を有しているか否かの判断過程(S1c)で、その特徴を有していないと判断された場合は、振動波形が「その他(2) 」の特徴を有しているか否かの判断を行う(S1d)。この特徴を有している場合は、振動発生直前の磁気センサ5がオンであるか否かを判断する(S2b10)。オンでない場合は、マグがオフからオンになったか否かを判断する(S2b11)。オフからオンになったのではない場合は、もともと残留変位有りと判断し(b111)、建物の引き戻しを行う対処法の提案を示す(S310)。オフからオンになった場合は、残留変位無しであるが、交通振動で戻ったか、または交通振動で動いていない場合である(b112)。
前記振動発生直前の磁気センサ5がオンであるか否かの判断過程(S2b10)で、オンであると判断した場合は、磁気センサ5がオンからオフになったか否かを判断する(S2b12)。オンからオフになったのではない場合は、残留変位無しで、かつ交通振動で動いていないと判断する(b121)。オンからオフになった場合は、交通振動により建物が動き、残留変位有りと判断する(b112)。この場合は、振動の原因を追求し、交通振動への対策を行い、建物を引き戻す対処法を提案する(S311)。
なお、図5において、複数の過程を1点鎖線で囲むと共に参照符号を付し、図4に示す各過程との関係を示した。すなわち、図4に示す各過程は、図5に1点鎖線で囲んだ各個別の過程を含む。
この免震効果監視方法は、このような一連の判断を行う。この方法によると、いずれも非接触式のセンサである加速度センサ4と磁気センサ5との2種のセンサを用い、相互の状態を最適に判断するため、建物の移動を正確に把握すると共に、免震装置2が稼働した際の要因を明確に判断することができる。そのため、次の各利点が得られる。
・免震建物1の監視状態から振動発生の要因を明確に判断することができる。
・要因が明確であるため、現地に行かなくても、状況に応じた対処を採ることができる。
・建物1の状況を自動で判断するため、人による判断ミスがない。
・非接触センサを用いるため、地震等の大きな荷重時も損傷しない。
次に、図2と共にこの免震建物の免震効果監視装置20につき説明する。この免震効果監視装置20は、前記免震建物1における前記免震装置2の効果を監視する装置であって、前記加速度センサ4と、前記磁気センサ5と、前記免震効果監視手段21とを備える。免震効果監視手段21は、前述のように、図1の免震効果監視プログラム8と、これを実行する情報処理装置6とで、図2に示す次の各機能達成手段を構成したものである。免震効果監視手段21は、振動源要因判断手段22と、免震化判断手段23と、対処法提案手段24とを備える。
振動源要因判断手段22は、加速度センサ4により測定した振動波形の特徴から振動源を判断し、この判断として振動源が地震であるか地震以外の要因であるかの判断を少なくとも行う手段である。
免震化判断手段23は、前記磁気センサ5のオンオフの切り換わりの結果から前記免震装置2が所定の免震作用である免震化を生じたか否かの判断と前記免震装置2に残留変位が生じているか否かの判断とのいずれか一方または両方を行う手段であり、この例では両方を行う。
対処法提案手段24は、振動源要因判断手段22および免震化判断手段23の判断結果に応じて、定められた対処法の提案を画面表示装置12(図1)に出力する手段である。対処法提案手段24は、詳しくは図4〜図7の対処法提案過程S3につき説明した処理を行う。
振動源要因判断手段22は、詳しくは、図4の免震化要因判断過程S1で説明した各処理を行う。振動源要因判断手段22は、地震判断部25と、風要因判断部26と、その他要因判断部27とを有する。地震判断部25は、図4の地震判断過程S1aにつき説明した処理を行う手段であり、主地震判断部25aと、作用外地震判断部25bとを有する。地震判断部25は、図5の過程S1aの判断を行う手段である。作用外地震判断部25bは、図5の過程S1aaの判断を行う手段である。主地震判断部25aは、図6の過程S2a以降の各判断を行う。
風要因判断部26は、図4、図5、図7の風要因判断過程S1bにつき説明した判断を行う。その他要因判断部27は、図4、図5、図7のその他要因判断過程(1) S1c、およびその他要因判断過程(2) S1dで説明した処理を行う手段である。
免震化判断手段23は、詳しくは、図4の免震化判断過程S2で説明した各処理を行う手段であり、免震化有無判断部28、および残留変位判断部29を有する。免震化有無判断部28は、図4〜図7の免震化有無判断過程S2aで説明した各処理を行う。残留変位判断部29は、図4〜図7の残留変位判断過程S2bで説明した各処理を行う。
この構成の免震効果監視装置によると、前記免震効果監視方法を実施でき、この免震効果監視方法につき説明した各作用,効果が得られる。
1…免震建物
1a…建物本体
2…免震装置
2a…基礎側部材
2b…建物本体側部分
3…基礎
4…加速度センサ
5…磁気センサ
6…情報処理装置
5a…被検出体
5b…センサ素子
8…免震効果監視プログラム
20…免震効果監視装置
21…免震効果監視手段
22…免震化判断手段
23…免震化判断手段
24…対処法提案手段
25…地震判断部
26…風要因判断部
27…その他要因判断部
28…免震化有無判断部
29…残留変位判断部

Claims (4)

  1. 免震建物における免震装置の効果を監視する免震効果監視方法であって、
    前記免震建物の前記免震装置に載せられた建物本体の振動を測定する加速度センサと、前記免震装置の互いに水平変位可能な基礎側部分と建物本体側部分間の水平変位を監視し前記水平変位の所定量を境にオンとオフに切り替わる磁気センサとを用い、
    前記加速度センサにより測定した振動波形の特徴から振動源を判断し、この判断として振動源が地震であるか地震以外の要因であるかの判断を少なくとも行う振動源要因判断過程と、
    前記磁気センサのオンオフの切り換わりの結果から前記免震装置が所定の免震作用を生じたか否かの判断、および前記免震装置に残留変位が生じているか否かの判断のいずれか一方または両方を行う免震化判断過程、
    とを含み、
    前記振動源要因判断過程は、前記振動源が地震であるか地震以外の要因であるかの判断を行う地震判断過程と、この地震判断過程で地震以外の要因であると判断した場合に前記振動波形の特徴から風による振動であるか風以外の要因による振動であるかを判断する風要因判断過程とを含み、前記風による振動であると判断した場合に前記磁気センサのオンオフの値から前記免震装置に残留変位が生じているか否かを判断する残留変位判断過程を設けた免震建物の免震効果監視方法。
  2. 請求項1に記載の免震建物の免震効果監視方法において、前記振動源要因判断過程で地震による振動であると判断された場合に、前記加速度センサによる測定値を設定値と比較して設定値未満である場合に前記免震装置が所定の免震作用を生じなかったと判断し、設定値以上である場合に前記免震化判断過程に進む作用外地震判断過程を含む免震建物の免震効果監視方法。
  3. 免震建物における免震装置の効果を監視する免震効果監視装置であって、
    前記免震建物の前記免震装置に載せられた建物本体の振動を測定する加速度センサと、 前記免震装置の互いに水平変位可能な基礎側部分と建物本体側部分間の水平変位を監視し前記水平変位の所定量を境にオンとオフに切り替わる磁気センサと、
    これら加速度センサおよび磁気センサの検出信号を監視して所定の処理を行う免震効果監視手段とを備え、
    この免震効果監視手段は、
    前記加速度センサにより測定した振動波形の特徴から振動源を判断し、この判断として振動源が地震であるか地震以外の要因であるかの判断を少なくとも行う振動源要因判断手段と、
    前記磁気センサのオンオフの切り換わりの結果から前記免震装置が所定の免震作用を生じたか否かの判断、および前記免震装置に残留変位が生じているか否かの判断のいずれか一方または両方を行う免震化判断手段、
    とを有し、
    前記振動源要因判断手段は、前記振動源が地震であるか地震以外の要因であるかの判断を行う地震判断部と、この地震判断部で地震以外の要因であると判断した場合に前記振動波形の特徴から風による振動であるか風以外の要因による振動であるかを判断する風要因判断部とを含み、前記免震化判断手段は、前記風による振動であると判断した場合に前記磁気センサのオンオフの値から前記免震装置に残留変位が生じているか否かを判断する残留変位判断部を有する
    免震建物の免震効果監視装置。
  4. 請求項3に記載の免震建物の免震効果監視装置において、前記振動源要因判断手段で地震による振動であると判断された場合に、前記加速度センサによる測定値を設定値と比較して設定値未満である場合に前記免震装置が所定の免震作用を生じなかったと判断し、設定値以上である場合に前記免震化判断手段による処理を行わせる作用外地震判断手段を含む免震建物の免震効果監視装置。
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