JP6746348B2 - 建築物の層剛性を同定する方法及びその装置 - Google Patents
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Description
各層の剛性を直接特定してその変化を観察することは不可能なため、従来では建築物に加速度センサを設置して、この加速度センサの出力をフーリエ変換して得られた加速度応答スペクトルのピークを観察することによりその剛性の変化を推定していた。ある層の剛性が変化すれば、理論上、加速度応答スペクトルのピークも変化するからである。しかしながら、計測雑音や非構造材の影響により、または解像度の設定具合により、加速度応答スペクトルには複数本のピークが密集的に現れることがある。その場合、建築物の真の固有振動数に最も近いピークの選定が困難なことはもとより、層剛性の変化に伴いその固有振動数も変化するので、時間をおいて観察したときに常に真値に近いピークを選定してその変化を特定することは困難である。更には、ピークの変化のみから剛性の変化の度合いを把握することは難しく、またピークの変化から層の剛性の変化を数値化することには多大な手間がかかる(通常一日程度)。
そこで、各層に設置されたセンサの出力を用いてこれをコンピュータ装置で演算処理することにより、各層の剛性をリアルタイムで同定し、その値を表示することが考えられる。
また、非特許文献2には近似関数の極限値を利用する方法が開示されている。
更には特許文献1〜6を参照されたい。
近似関数の極限値を利用する方法においても、近似関数の選定及び範囲の選定時に誤差が含まれるので、同じく同定精度に高い信頼性を得難い。
上記目的を達成すべく本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、以下に規定する本件発明に想到した。即ち、この発明の第1の局面は次のように規定される。
コンピュータ装置の質量メモリに建築物の各層の質量mを保存する質量保存ステップと、
前記コンピュータ装置の加速度応答メモリに前記建築物の各層の加速度応答(周波数領域)A(ω)を保存する加速度応答保存ステップと、
前記コンピュータ装置の第1の演算部が、層nの前記加速度応答A n (ω)及び質量mnを読み出して、下記式(1)を演算し、層nの剛性スペクトルkn (ω)を得る第1の演算ステップと、
ここに、ωは円振動数、Re()は()内の実部、mjは層jの質量、A n (ω)は層nの加速度応答(周波数領域)である、
を含む、建築物の層剛性を同定する層剛性同定方法。
第1の局面で規定される層剛性同定方法において、
前記コンピュータ装置の第2の演算部が前記層nの伝達関数(周波数領域)の平均値を演算する第2の演算ステップと、
前記コンピュータ装置の第3の演算部が前記演算された伝達関数(周波数領域)の平均値を重みとして前記剛性スペクトルkn (ω)を重み付け平均する第3の演算ステップと、が更に含まれる。
前記第2の演算ステップは下記式(2)を演算して前記伝達関数(周波数領域)の平均値H(ω)を演算し、
但しNは最上層、
ここにHn(ω)は下記式(3)であらわされる。
ここに、A 0 (ω)は地上における加速度応答(周波数領域)であり、A n (ω)は層nの加速度応答(周波数領域)であり、
前記第3の演算ステップは、前記伝達関数(周波数領域)の平均値H(ω)を二乗してH(ω)2=wiを演算する重み演算ステップと、
演算された前記重みwiを用いて下記式(4)を実行し、
重み付平均値k n ~を得る、請求項2に記載の層剛性同定方法。
得られた重み付平均値k n ~は層nの実の層剛性Knに極めて近似する。
第3の局面では、平均値H(ω)を二乗してこれを重みwiとしている。同定に要求される層剛性の精度に応じて、この二乗処理を省略したり、また複数乗としたりすることができる。
第3の局面で規定の層剛性同定方法を用いることにより、各層の剛性を正確に同定できる。
本発明者らの観察によれば、伝達関数の平均値H(ω)の周波数が全ての層においてその剛性スペクトルkn(ω)の平坦部分の周波数に一致する。そこで、各層の伝達関数の平均値H(ω)を層nの剛性スペクトルkn(ω)に重ねて表示することが好ましい。
なお、各層の剛性スペクトルkn(ω)へ、各層の加速度応答A n (ω)のピークその他の周波数領域で規定されたピークを重ねて表示することも可能である。
層nの剛性スペクトルkn(ω)を出力する第4の局面で規定される層剛性同定方法において、前記剛性スペクトルkn(ω)へ各層の伝達関数(周波数領域)の平均値を重ねて出力する。
建築物の全層の質量mを保存する質量メモリと、
前記建築物の各層の加速度応答(周波数領域)A n (ω)を保存する加速度応答メモリと、
層nの前記加速度応答A n (ω)及び質量mnを読み出して、下記式(1)を実行し、層nの剛性スペクトルkn (ω)を演算する第1の演算部と、
ここに、ωは円振動数、Re()は()内の実部、mjは層jの質量、A n (ω)は層nの加速度応答(周波数領域)である、
を備える、建築物の層剛性を同定する層剛性同定装置。
このように規定される第6の局面の層剛性同定装置によれば、第1の局面で規定の発明と同等の作用効果が得られる。
第6の局面で規定の層剛性同定装置において、前記層nの伝達関数(周波数領域)の平均値を演算する第3の演算部と、
前記演算された伝達関数(周波数領域)の平均値を重みとして前記剛性スペクトルkn (ω)を重み付け平均して層nの重み付け平均k n ~を演算する第4の演算部と、が更に備えられる。
このように規定される第7の局面の層剛性同定装置によれば、第2の局面で規定の発明と同等の作用効果が得られる。
第7の局面で規定の層剛性同定装置において、前記第2の演算部は下記式(2)を演算して前記伝達関数(周波数領域)の平均値H(ω)を演算し、
但しNは最上層、
ここにHn(ω)は下記式(3)であらわされる。
ここに、A 0 (ω)は地上における加速度応答(周波数領域)であり、A n (ω)は層nの加速度応答(周波数領域)であり、
前記第3の演算部は、前記伝達関数(周波数領域)の平均値H(ω)を二乗してH(ω)2=wiを演算し、
演算された前記重みwiを用いて下記式(4)を実行する。
このように規定される第7の局面の層剛性同定装置によれば、第3の局面で規定の発明と同等の作用効果が得られる。
第6の局面に規定の層剛性同定装置において、前記層nの剛性スペクトルkn (ω)を出力する出力装置が更に備えられる。
このように規定される第9の局面の層剛性同定装置によれば、第4の局面で規定の発明と同等の作用効果が得られる。
第9の局面に規定の層剛性同定装置において、前記剛性スペクトルkn(ω)へ各層の伝達関数(周波数領域)の平均値を重ねて表示する第2の出力装置が備えられる。
第1〜第5の局面の何れかに記載の層剛性同定方法をコンピュータ装置に実行させる、該コンピュータ装置が読み込み可能なコンピュータプログラム。
kn (ω)は式(1)から得られる各層の剛性スペクトルである。
cn (ω)は実施例で説明する各層の減衰定数スペクトルである。
各層の床にはu方向の加速度センサA0〜Nが固定されている。グランドに固定される加速度センサA0は地震センサとして使用することもできる。
フーリエ変換部2は建築物の各層のフロアに固定された加速度センサA0〜Nの出力をフーリエ変換し、各層の加速度応答として加速度応答メモリ5に保存する。質量メモリ3には各層の質量が保存される。
第1の演算部9は質量メモリ3から層nの質量mnを読み出し、加速度応答メモリ5から層nの加速度応答を読み出して、それらを式(1)に代入して各層の剛性スペクトルkn (ω)を演算する。演算された層nの剛性スペクトルkn (ω)を出力装置7から出力する。
ステップ1では、建築物が地震にさらされているか否か(即ち、地震状態にあるか否か)を判定し、地震状態にあるときにデータをサンプリングする。地震状態にあるか否かの判定基準は任意に定めることができるが、加速度センサA0の出力が所定値以上のときを地震状態と判定し、加速度センサA0の出力とともに他の加速度センサA1−Nの出力(加速度応答(時間領域))を保存してデータサンプリングとする。加速度センサA0の出力が所定値を下回ったとき、データのサンプリングを中止し、ステップ5に進む。
なお、地震状態との判定が所定時間以下の場合は、建築物に対する影響が小さいものとみなして、ステップ5へ進まないこともできる。
加速度センサの出力(時間領域)の全て、若しくはそのフーリエ変換後の加速度応答(周波数領域)の全てのデータを一旦保存する。その後、他の地震計等のデータを参照して自動的に、若しくはマニュアルで、保存したデータの中から地震に関係する部分の抽出を行ってもよい。
建築物に設置された加速度センサが加速度応答(周波数領域)を出力できるタイプであれば、その出力データを加速度応答メモリ5へ直接書き込むこともできる。
ここに、ωは円振動数、Re()は()内の実部、mjは層jの質量、A n (ω)は層nの加速度応答(周波数領域)である。
演算した結果の層nの剛性スペクトルknを出力装置7から出力することができる。
層nの剛性スペクトルにはデータが平坦な部分が存在し、その値が層nの実の剛性Knと略等しい。
図4に示す第2の演算部11は各層nにおける伝達関数の平均値H(ω)を演算する(図5のステップ9)。
伝達関数の平均値H(ω)は例えば次のようにして求められる。
但しNは最上層、
ここにHn(ω)は下記式(3)であらわされる。
ここに、A 0 (ω)は地上における加速度応答(周波数領域)であり、A n (ω)は層nの加速度応答(周波数領域)である。
かかる重み付け平均値k n ~は、例えば次のようにして求められる。
伝達関数(周波数領域)の平均値H(ω)を二乗してH(ω)2=wiを演算し、
演算された重みwiを用いて下記式(4)を実行し、
得られた重み付平均値k n ~を層nの層剛性Knとする。
図6は実施例の層剛性同定装置30の構成を示すブロック図である。なお、図4と同一の作用を奏する要素には同一の符号を付してその説明を省略する。
この層剛性同定装置30は中央演算装置33に対してバスを介して演算装置40、メモリ装置50、入力部61、出力部63、外部データ入出力インターフェース70がつながれている。
演算装置40は汎用的な演算回路から構成され、主メモリ51に保存されているプログラムにより、フーリエ変換部2、第1〜第3の演算部9,11,12として機能する。
主メモリ51には層剛性同定装置30自体を制御するためのコントロールプログラム、演算装置40を実行するためのプログラムが保存されている。
パラメータメモリ52には演算装置40が演算を実行する際に要求されるパラメータ(例えば、円振動数ω)が保存される。
剛性スペクトルkn (ω)メモリ55には、第1の演算部9で演算されたすべての層について層剛性スペクトルが保存される。
バッファメモリ56には伝達関数やその平均値など演算装置40が演算を実行するにあたり一時的に必要とされるデータが保存される。
出力部7はディスプレやプリンタからなり、演算装置40の各種演算結果を出力する。
外部データ入出力インターフェース70は加速度計A0−Nや地震計80と層剛性同定装置30との間のデータのインターフェースとなる。その他、電話回線やインターネット回線とのインターフェース90も備えられる。
典型的な地震波として図7に示すEl Centro 地震の南北方向の波形成分(以下、この明細書では同じ方向の波形を解析している)を用いた。建築物のモデルとして図1に示すものにおいてN=4を採用した。なお、この建築モデルにおいて各層の質量はm1=m2=m3=22.0×103kg、m4=18.0×103kgと定義される。この値は質量メモリ3に保存される。
層剛性Knは
K1=38.0×106N/m
K2=32.0×106N/m
K3=24.0×106N/m
K4=20.0×106N/m
と定義される。この値が各層における実の剛性である。
ω1=13.6689rad/sec
ω2=35.6420rad/sec
ω3=52.9320rad/sec
ω4=67.6712rad/sec
また、減衰定数Cnは次のように定義される。
C1=3.0×104N/m/s
C2=3.5×104N/m/s
C3=4.0×104N/m/s
C4=4.5×104N/m/s
そのとき得られた各層の加速度センサA1〜A4の出力(加速度応答(時間領域))を図8に示す。
加速度センサA0〜A4の出力は一旦バッファメモリ56に保存され、フーリエ変換部2でフーリエ変換されてその結果の加速度応答(周波数領域)は加速度応答メモリ5に保存される。このようにして得られた加速度応答メモリ5の加速度応答の値と、質量メモリ3の質量とが第1の演算部9に読み出され、既述の式(1)を実行すると、図9に示すように各層の剛性スペクトルkn (ω)が得られる。図中の横線が定義された(即ち実の)層剛性Knである。図9より、剛性スペクトルkn (ω)の平坦部分が定義された層剛性Knとほぼ一致することがわかる。従って、この剛性スペクトルkn (ω)を視認できるように出力すれば、オペレータが目視により各層の層剛性を把握できる。
この平均値H(ω)を図9の層剛性スペクトルkn (ω)上に重畳させた結果を図10に示す。図10の結果から、伝達関数の平均値H(ω)は周波数依存性があり、平均値H(ω)の最大値の周波数は各層nの剛性スペクトルkn (ω)の平坦部分の周波数と一致していることがわかる。
そこで、この伝達関数の平均値H(ω)を重みとして、第3の演算部において式(4)を実行して重み付け平均値k n ~を演算した。結果を表1に示す。
表1には、定義された層剛性値Knと演算により得られた重み付け平均値との差(同定誤差)も並記した。
表1より、重み付け平均値k n ~は殆ど定義された層剛性Knと一致することがわかる。
図11と図9とを、周波数を一致させて、重ね合わせると図12となる。
図10と図12とも、加速度応答の平均値H(ω)のピークの周波数が、剛性スペクトルの平坦部分に重なっており、かつ容易に視認できることがわかる。
ここに、ωは円振動数、Im()は()内の虚部、mjは層jの質量、A n (ω)は層nの加速度応答(周波数領域)である。
層剛性スペクトルkn (ω)と異なり、減衰定数スペクトルcn (ω)には定義された減衰定数に対応する平坦部分が見当たらない。
そこで、層剛性スペクトルと同様に重み付け平均の処理を行った。
図14は減衰定数同定装置100の構成を示すブロック図である。なお、図4と同一の要素には同一の符号を付してその説明を省略する。
図14の減衰定数同定装置100では、上記式(6)を実行する第4の演算部109が備えられる。
なお、建物の損傷同定には剛性の方が減衰定数より重要である。
周波数の単位(ピッチ)を粗くすればより演算速度が向上し、他方その単位を細かくすれば演算精度が向上する。これらトレードオフの関係を調整した結果、周波数の単位(ピッチ)は1024〜8192程度が好ましい。
図16(A)はRC造建築物の減築前、同(B)は減築補強後の構造を示す。
減築前後の各層nの重量は表5に示すようであった。
図18より、この例の場合は、加速度応答(周波数領域)A n (ω)のべき数を多くすることにより層の剛性を反映するピークがより鮮明となることがわかる。
図19は、各層の剛性スペクトルを示す図17へ図18の(C)のピークを重ね合わせたものである。
図17では、その5階において剛性スペクトルの平坦部分が特徴たっていないが、このスペクトルを重ね合わせることで、平坦部分を特定できる。このように特定された平坦部分より、5層の剛性が推定できる。
2015年05月03日06時12分頃宮城県沖で発生したM6.8の地震の観測結果である。なお、灯台における震度は5強であった。
図20には、RC造灯台の層nにおける加速度応答(時間領域)を示す。
図21には、図20の加速度応答をフーリエ変換し、更に、式(1)を適用して得られた層nの剛性スペクトルkn(ω)と、そこに重畳された伝達関数の平均値H(ω)を示す。なお、各層の質量は灯台の設計図より計算した。また、伝達関数には地上における加速度応答(周波数領域)A 0 (ω)と層nの加速度応答(周波数領域)A n (ω)の4乗を用いた。
曲げの影響が大きくなる高層階では、剛性スペクトルに平坦部分がほとんど現れないが、伝達関数の平均値H(ω)のピークの周波数に対応する値を剛性と推定することができる。更には、周知の方法(例えば武藤のD値法:武藤清、耐震計算法、丸善)により曲げ剛性をせん断剛性に置換して、見掛けせん断剛性とすることもできる。
加速度応答(周波数領域)を用いて建築物の各層の特性を規定するステップと、
各層の伝達関数(周波数領域)の平均値H(ω)を重みとして、前記各層の特性を重み付け平均するステップと、を備える、建築物の特性評価方法。
2 フーリエ変換部
5 加速度応答メモリ
9 第1の演算部
11 第2の演算部
12 第3の演算部
Claims (7)
- コンピュータ装置の質量メモリに建築物の各層の質量mを保存する質量保存ステップと、
前記コンピュータ装置の加速度応答メモリに前記建築物の各層の加速度応答(周波数領域)A(ω)を保存する加速度応答保存ステップと、
前記コンピュータ装置の第1の演算部が、層nの前記加速度応答A n (ω)及び質量mnを読み出して、下記式(1)を演算し、層nの剛性スペクトルkn (ω)を演算する第1の演算ステップと、
ω:円振動数
Re():()内の実部
mj:層jの質量
N:最上層
A n (ω):層nの加速度応答(周波数領域)
前記コンピュータ装置の第2の演算部が前記層nの伝達関数(周波数領域)の平均値を演算する第2の演算ステップであって、下記式(2)を演算して前記伝達関数(周波数領域)の平均値H(ω)を演算するステップと、
N:最上層
Hn(ω):下記式(3)であらわされる値
A 0 (ω):地上における加速度応答(周波数領域)
A n (ω):層nの加速度応答(周波数領域)
前記コンピュータ装置の第3の演算部が前記演算された伝達関数(周波数領域)の平均値を重みとして前記剛性スペクトルk n (ω)を重み付け平均する第3の演算ステップであって、
前記伝達関数(周波数領域)の平均値H(ω)を二乗してH(ω)2=wiを演算する重み演算ステップと、
演算された前記重みwiを用いて下記式(4)を実行し、
重み付平均値k n ~を得るステップと、を含む第3の演算ステップと、
剛性スペクトルk n (ω)と伝達関数の平均値H(ω)の最大値を重畳表示するステップと、
を含む建築物の層剛性を同定する層剛性同定方法。 - 前記層nの剛性スペクトルkn (ω)を出力する出力ステップが更に備えられる請求項1に記載の同定方法。
- 前記剛性スペクトルkn (ω)へ各層の伝達関数(周波数領域)の平均値を重ねて出力する、請求項2に記載の同定方法。
- 建築物の全層の質量mを保存する質量メモリと、
前記建築物の各層の加速度応答(周波数領域)A(ω)を保存する加速度応答メモリと、
層nの前記加速度応答A n (ω)及び質量mnを読み出して、下記式(1)を実行し、層nの剛性スペクトルkn (ω)を演算する第1の演算部と、
ω:円振動数
Re():()内の実部
mj :層jの質量
N:最上層
A n (ω):層nの加速度応答(周波数領域)
前記層nの伝達関数(周波数領域)の平均値を演算する第2の演算部であって、
下記式(2)を演算して前記伝達関数(周波数領域)の平均値H(ω)を演算する第2の演算部と、
N:最上層
Hn(ω):下記式(3)であらわされる値
A 0 (ω):地上における加速度応答(周波数領域)
A n (ω):層nの加速度応答(周波数領域)
前記演算された伝達関数(周波数領域)の平均値を重みとして前記剛性スペクトルk n (ω)を重み付け平均する第3の演算部であって、
前記伝達関数(周波数領域)の平均値H(ω)を二乗してH(ω) 2 =wiを演算する重み演算ステップと、
演算された前記重みwiを用いて下記式(4)を実行し、
得られた重み付平均値k n ~を得る、ステップを実行する第3の演算部と、
剛性スペクトルk n (ω)と伝達関数の平均値H(ω)の最大値を重畳表示する表示部と、
を備える建築物の層剛性を同定する層剛性同定装置。 - 前記層nの剛性スペクトルkn(ω)を出力する出力装置が更に備えられる請求項4に記載の層剛性同定装置。
- 前記剛性スペクトルkn(ω)へ各層の伝達関数(周波数領域)の平均値を重ねて出力する第2の出力装置が更に備えられる、請求項5に記載の層剛性同定装置。
- 請求項1〜3の何れかに記載の層剛性同定方法をコンピュータ装置に実行させる、該コンピュータ装置が読み込み可能なコンピュータプログラム。
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