JP5799183B2 - 建物安全性検証システム、建物安全性検証方法及びプログラム - Google Patents
建物安全性検証システム、建物安全性検証方法及びプログラム Download PDFInfo
- Publication number
- JP5799183B2 JP5799183B2 JP2015010366A JP2015010366A JP5799183B2 JP 5799183 B2 JP5799183 B2 JP 5799183B2 JP 2015010366 A JP2015010366 A JP 2015010366A JP 2015010366 A JP2015010366 A JP 2015010366A JP 5799183 B2 JP5799183 B2 JP 5799183B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- building
- layer
- natural period
- sensor
- vibration
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
- 238000012795 verification Methods 0.000 title claims description 86
- 238000000034 method Methods 0.000 title claims description 46
- 239000010410 layer Substances 0.000 claims description 212
- 239000011229 interlayer Substances 0.000 claims description 195
- 238000006073 displacement reaction Methods 0.000 claims description 119
- 238000005259 measurement Methods 0.000 claims description 91
- 238000011156 evaluation Methods 0.000 claims description 89
- 230000001133 acceleration Effects 0.000 claims description 70
- 206010044565 Tremor Diseases 0.000 claims 1
- 238000013461 design Methods 0.000 description 40
- 238000012545 processing Methods 0.000 description 11
- 238000004891 communication Methods 0.000 description 8
- 238000010586 diagram Methods 0.000 description 8
- 238000011835 investigation Methods 0.000 description 6
- 238000011084 recovery Methods 0.000 description 6
- 238000010276 construction Methods 0.000 description 5
- 230000005540 biological transmission Effects 0.000 description 4
- 238000001228 spectrum Methods 0.000 description 4
- 241000282414 Homo sapiens Species 0.000 description 3
- 230000032683 aging Effects 0.000 description 3
- 238000004458 analytical method Methods 0.000 description 3
- 239000000284 extract Substances 0.000 description 3
- 230000006870 function Effects 0.000 description 3
- 206010049040 Weight fluctuation Diseases 0.000 description 2
- 238000007405 data analysis Methods 0.000 description 2
- 230000006866 deterioration Effects 0.000 description 2
- 230000016507 interphase Effects 0.000 description 2
- 230000033001 locomotion Effects 0.000 description 2
- 238000005452 bending Methods 0.000 description 1
- 238000012790 confirmation Methods 0.000 description 1
- 238000012854 evaluation process Methods 0.000 description 1
- 238000009434 installation Methods 0.000 description 1
- 239000000463 material Substances 0.000 description 1
- 238000012544 monitoring process Methods 0.000 description 1
- 230000002093 peripheral effect Effects 0.000 description 1
- 230000035882 stress Effects 0.000 description 1
Images
Landscapes
- Length Measuring Devices With Unspecified Measuring Means (AREA)
- Testing Of Devices, Machine Parts, Or Other Structures Thereof (AREA)
Description
そして、これらの計測手段で計測されたデータは、現場から離れたデータ監視室等に送られ、データ解析コンピュータ等によって収集される。データ解析コンピュータはこの建物の層間変形を算出し、設定値と比較することにより、建物の損傷の有無を判定し、地震発生後の健全性評価や安全性の確認等に使用している(例えば、特許文献1参照)。
(2)また、上記の建物安全性検証システムは、前記計測部が、前記センサが地震時に検知した当該層の振動のデータから、前記センサを設けた層間の層間変位を算出し、前記算出した層間変位から前記建物の変形を求めることを特徴とする。
(3)また、上記の建物安全性検証システムは、前記計測部が、前記最下層のセンサが検知した当該基礎部又は最下層部分の振動のデータと前記最下層のセンサ以外の何れかの前記センサが検知した当該層の振動のデータとから、前記最下層のセンサ以外の何れかの前記センサを設けた層の層間変位を算出することを特徴とする。
(4)また、上記の建物安全性検証システムは、前記評価部が、地震による前記建物の傾斜の変化を考慮して、当該地震発生後の前記建物の健全性を評価することを特徴とする。
(5)また、上記の建物安全性検証システムは、前記センサを備え、前記計測部は、前記センサからのデータを取得できるように構成されていることを特徴とする。
(6)また、上記の建物安全性検証システムにおける前記評価部は、前記計測部が求めた前記層間変位と、測定して求めた前記建物の固有周期と、測定して求めた前記建物の傾斜角とのうちの何れかを組み合わせた判定により、前記建物の健全性を評価することを特徴とする。
(7)また、上記の建物安全性検証システムは、前記建物の最上層あるいは当該最上層近傍の層の微振動を計測する微振動センサから、当該建物の固有周期を求める固有周期計測部を備えることを特徴とする。
(8)また、上記の建物安全性検証システムは、前記固有周期計測部が、前記建物の最上層あるいは当該最上層近傍の層の微振動を計測する微振動センサから、地震発生後の当該建物の固有周期を求めることを特徴とする。
(9)また、上記の建物安全性検証システムにおける前記固有周期計測部は、前記建物の最上層あるいは当該最上層近傍の層の微振動を計測する微振動センサから、当該建物の常時微動の固有周期を求め、一つの前記センサは、前記微振動センサが微振動を計測する層と同じ層に設けられていることを特徴とする。
(10)また、上記の建物安全性検証システムは、前記層間変位計測部が、前記建物の第1層の層間変位を、前記第1層の変位量と前記建物の基礎部の変位量に基づいて算出することを特徴とする。
(11)また、上記の建物安全性検証システムにおける前記建物の第1層は、前記建物の最上層あるいは当該最上層近傍の層、基礎部に近い層のうちいずれかの層であることを特徴とする。
(12)また、上記の建物安全性検証システムは、前記建物安全性評価部が、前記層間変位が予め設定された層間変位閾値を超えるか否かを判定した第1の判定結果と、また前記固有周期が予め設定した固有周期閾値を超えるか否かを判定した第2の判定結果との組み合わせにより、前記建物の健全性を評価することを特徴とする。
(13)また、上記の建物安全性検証システムは、前記建物の最上層あるいは最上層近傍に配置され、当該建物の傾斜角を計測する傾斜角計測部をさらに有し、前記建物安全性評価部が、前記層間変位、前記固有周期及び前記傾斜角により、前記建物の健全性を評価することを特徴とする。
(14)また、上記の建物安全性検証システムは、前記建物安全性評価部が、前記層間変位が予め設定された層間変位閾値を超えるか否かを判定した第1の判定結果と、また前記固有周期が予め設定した固有周期閾値を超えるか否かを判定した第2の判定結果と、前記傾斜角が予め設定した傾斜角閾値を超えるか否かを判定した第3の判定結果との組み合わせにより、前記建物の健全性を評価することを特徴とする。
(15)また、上記の建物安全性検証システムにおける前記センサは、地震による振動の加速度を検出することを特徴とする。
(16)また、本発明の一態様の建物安全性検証方法は、複数の層からなる建物の複数の層に設けられたセンサであって、当該層の振動を層ごとに検知するセンサがあり、前記センサのうち最下層のセンサは、前記建物の基礎部又は最下層部分に設けられ、前記基礎部又は最下層部分の振動を検知し、前記センサが地震時に検知した当該層の振動のデータと前記基礎部又は前記最下層部分の振動のデータとから前記建物の変形を計測部が求め、前記計測部が求めた前記建物の変形に基づいて、当該地震発生後の前記建物の健全性を評価する手順を含むことを特徴とする。
(17)また、本発明の一態様のプログラムは、複数の層からなる建物の複数の層に、当該層の振動を層ごとに検知するセンサが設けられ、前記センサのうち最下層のセンサは、前記建物の基礎部又は最下層部分に設けられ、当該建物の健全性を評価する建物安全性検証システムのコンピュータに、前記センサが地震時に検知した当該層の振動のデータと前記基礎部又は前記最下層部分の振動のデータとから前記建物の変形を計測部が求めるステップと、前記求めた前記建物の変形に基づいて、当該地震発生後の前記建物の健全性を評価するステップとを実行させるためのプログラムである。
(18)また、本発明に関連する建物安全性検証システムには、以下のものがある。
例えば、建物安全性検証システムは、複数の層からなる建物の前記層の加速度を計測する加速度センサの計測データから、前記各層の層間変位を求める層間変位計測部と、前記建物の最上層あるいは当該最上層近傍の層の微振動を計測する微振動センサから、当該建物の常時微動の固有周期を求める固有周期計測部と、前記層間変位計測部が求めた前記層間変位と、前記固有周期計測部が求めた前記固有周期とにより、前記建物の健全性を評価する建物安全性評価部とを備えたことを特徴とする。
建物安全性検証方法は、層間変位計測部が、複数の層からなる建物の前記層の加速度を計測する加速度センサの計測データから、前記各層の層間変位を求める層間変位計測過程と、固有周期計測部が、前記建物の最上層あるいは当該最上層近傍の層の微振動を計測する微振動センサから、当該建物の常時微動の固有周期を求める固有周期計測過程と、建物安全性評価部が、前記層間変位計測部が求めた前記層間変位と、前記固有周期計測部が求めた前記固有周期とにより、前記建物の健全性を評価する建物安全性評価過程とを含むことを特徴とする。
以下、図を用いて本発明の第1の実施形態の建物安全性検証システムの説明を行う。図1は、本発明の第1の実施形態による建物安全性検証システムの構成例と、評価対象の建物に設けた加速度センサ及び微振動センサとが接続された構成を表す概念図である。
図1において、建物安全性検証システム1は、インターネットなどからなる情報通信網を介して、建物100に設けられている加速度センサS0からSn(0は基礎、1からnまでは建物の階数)の各々から地震の振動データとして加速度データが供給される。加速度センサS0は、建物の基礎部分における加速度を計測するために設けられており、耐震評価の対象の建物の最下層部分(例えば、地下が無い場合、1階1001の下の地盤上に設けられた基礎)に印加される地動加速度を計測し、加速度データとして情報通信網を介して建物安全性検証システム1に対して出力する。
層間変位計測部11は、例えば、加速度センサS0から加速度センサS6の各々から供給される加速度データを2回積分して、基礎1000、1階1001からn階100nまでの加速度方向の変位を求め、隣接する階同士の変位の差分を算出し、建物100のそれぞれの階の層間変位δを求める。このとき、層間変位計測部11は、各加速度センサから供給される地震における加速度データから、各階毎に最大加速度を抽出して、この最大加速度を2回積分して距離を求め、この距離を各階毎の変位とする。また、層間変位計測部11は、得られた各階の層間変位δの各々を、それぞれの階の高さで除算し、各階の層間変形角Δ(ラジアン)を算出する。なお、加速度データから変位を求める方法は、本実施形態に記載されているもの以外の他の方法を用いても良い。
図2は、建物の固有周期の変化を示す図である。図2において、縦軸は固有周期を示しており、横軸は時間を示している。固有周期は、建物の剛性に対応するものであり、剛性が低い場合に長くなり、剛性が高い場合に短くなる。すなわち、図2に示すように、地震による強い地震により応力が与えられることにより、建物の構造躯体の部材(建物の主要な構造体や骨組みなど)あるいは非構造躯体の部材(雑壁、天井など)に損傷が発生し、建物の剛性が低下し、固有振動数が低くなる。本実施形態においては、層間変形角Δ及び固定周期Tは絶対値にて示される。
また、上述した微振動センサSBの他に、建物の最下層に他の微振動センサを設け、固有周期計測部12がこの他の微振動センサの微少振動データに基づいて、微振動センサSBの出力する微少振動データに重畳しているノイズ成分を除去し、より正確な固有周波数を求める構成としても良い。
また、固有周期の初期値に対して経時変化のマージンを加えて、固有周期の初期値の代わりに固有周期閾値を生成し、この固有周期閾値と固有周期Tとを比較するようにしても良い。ここで、固有周期の初期値<固有周期閾値である。この固有周期の初期値または固有周期閾値と、設計層間変位角とは、予め建物安全性評価部13内の記憶部に記憶されており、建物安全性評価部13が判定を行う際、自身内部の上記記憶部から読み出して用いる。
層間変形角Δが設計層間変形角を超えており、かつ固有周期閾値に比較して固有周期が長くなり剛性が低下していると判断される場合には、建物の損傷の程度は以下に示すように推定される。建物の状況は、構造躯体の損傷は想定以上であり、建物の損傷の大きさが想定以上であると推定される。これにより、判定結果は、「建物の損傷の早急な調査が必要である」とされている。
層間変形角Δが設計層間変形角を超えており、一方、固有周期閾値に比較して固有周期Tに変化がなく剛性が維持されていると判断される場合には、建物の損傷の程度は以下に示すように推定される。固有周期Tの変化がないため、建物の構造躯体が設計における設計層間変形角より高い層間変形角として実際に建造されたとして、設計層間変形角を超えても損傷は想定以下と推定することができる。これにより、判定結果は、「継続使用可能であるが、注意して利用する必要がある」とされている。
層間変形角Δが設計層間変形角以下であり、一方、固有周期閾値に比較して固有周期Tが長くなり剛性が低下していると判断される場合には、建物の損傷の程度は以下に示すように推定される。固有周期Tが長くなっているが、層間変形角Δが設計層間変形以下であるため、構造躯体ではなく建物の非構造躯体が損傷を受けており、構造躯体の損傷は想定以下と推定することができる。これにより、判定結果は、「継続使用可能であるが、注意して利用する必要がある」とされている。
層間変形角Δが設計層間変形角以下であり、かつ固有周期閾値に比較して固有周期Tに変化がなく剛性が維持されていると判断される場合には、建物の損傷の程度は以下に示すように推定される。層間変形角Δが設計層間変形以下であり、かつ固有周期Tに変化がなく剛性が維持されているため、建物の構造躯体及び建物の非構造躯体のいずれも損傷を受けおらず、構造躯体の損傷は想定以下と推定することができる。これにより、判定結果は、「継続使用可能」とされている。
図4のように、1階1001が「継続使用可能」と判定され、2階1002が「継続使用可能だが、注意して利用する必要がある」と判定され、2階1003が「早急な調査が必要」と判定され、4階1004が「継続使用可能だが、注意して利用する必要がある」と判定されている。
層間変位計測部11は、供給されるセンサS0が計測した加速度データから加速度を抽出する。そして、層間変位計測部11は、この抽出した加速度を2回積分し、基礎部分の変位を算出する。
層間変位計測部11は、建物100のk階100k(1≦k≦n)に配置されたセンサSkから供給される、それぞれの加速度センサSkに計測した加速度から、加速度センサS0の加速度を抽出する。そして、層間変位計測部11は、この抽出した加速度を2回積分し、各階の変位を算出し、それぞれ隣接する階の変位の差分を算出し、各階の層間変位δを算出する。ここで、建物100の1階1001の層間変位δは、1階1001の変位から基礎1000の変位を減算して求められる。
層間変位計測部11は、算出したk階100kの層間変位δの各々を、k階100kの高さでそれぞれ除算し、k階100kの層間変形角Δを算出する。
固有周期計測部12は、屋上100Rに配置された微振動センサSBから、地震発生後に供給される微振動データに対し、信号処理を行う。すなわち、固有周期計測部12は、微振動データのフーリエ解析を行い、最も高いパワースペクトルを有する周波数を抽出し、この周波数を固有周波数とする。そして、固有周期計測部12は、抽出した固有周波数の周期を求め、この周期を固有周期Tとする。
建物安全性評価部13は、建物100における1階1001からn階100nまでの全ての階における損傷程度の判定が行われたか否かの判定を行う。
このとき、建物安全性評価部13は、建物100における全ての階に対する判定が終了した場合、処理を終了し、建物100における全ての階に対する判定が終了していない場合、処理をステップS4へ進める。
建物安全性評価部13は、建物100の判定の終了していない階の層間変形角Δを層間変位計測部11から読み込み、この読み込んだ判定対象のk階100kの層間変形角Δと設計層間変形角との比較を行い、層間変形角Δが設計層間変形角を超えているかを判定する(第1の判定結果を求める)。このとき、建物安全性評価部13は、層間変形角Δが設計層間変形角を超えている場合、処理をステップS7へ進め、一方層間変形角Δが設計層間変形角を超えていない場合、処理をステップS6へ進める。
建物安全性評価部13は、固有周期計測部12から供給される固有周期Tと固有周期閾値とを比較し、固有周期Tが固有周期閾値以下であるか否かの判定を行う(第2の判定結果を求める)。このとき、建物安全性評価部13は、固有周期Tが固有周期閾値を超える場合、処理をステップS9へ進め、一方、固有周期Tが固有周期閾値以下である場合、処理をステップS10へ進める。ここで、説明においては、建物100の固有周期の初期値ではなく、この固有周期の初期値に対してマージンを持たせた固有周期閾値を用いている。
建物安全性評価部13は、固有周期計測部12から供給される固有周期Tと固有周期閾値とを比較し、固有周期Tが固有周期閾値以下であるか否かの判定を行う(第2の判定結果を求める)。このとき、建物安全性評価部13は、固有周期Tが固有周期閾値を超える場合、処理をステップS11へ進め、一方、固有周期Tが固有周期閾値以下である場合、処理をステップS12へ進める。
建物安全性評価部13は、データベース14の判定テーブルを参照し、層間変形角Δが設計層間変形角を超え、かつ固有周期Tが固有周期閾値を超えている場合、パラメータパターンが状態Aであることを検出する。
次に、建物安全性評価部13は、パラメータパターンが状態Aの判定である「早急な調査が必要である(A)」を、データベース14の判定結果テーブルにおける対応する評価対象のk階100kの判定結果の欄に書き込んで記憶させ、処理をステップS5へ進める。
建物安全性評価部13は、データベース14の判定テーブルを参照し、層間変形角Δが設計層間変形角を超え、一方、固有周期Tが固有周期閾値以下である場合、パラメータパターンが状態Bであることを検出する。
次に、建物安全性評価部13は、パラメータパターンが状態Bの判定である「継続使用可能だが、注意して利用する必要がある(B)」を、データベース14の判定結果テーブルにおける対応するk階100kの判定結果の欄に書き込んで記憶させ、処理をステップS5へ進める。
建物安全性評価部13は、データベース14の判定テーブルを参照し、層間変形角Δが設計層間変形角以下であり、一方、固有周期Tが固有周期閾値以下でない場合、パラメータパターンが状態Cであることを検出する。
次に、建物安全性評価部13は、パラメータパターンが状態Cの判定である「継続使用可能だが、注意して利用する必要がある(C)」を、データベース14の判定結果テーブルにおける対応するk階100kの判定結果の欄に書き込んで記憶させ、処理をステップS5へ進める。
建物安全性評価部13は、データベース14の判定テーブルを参照し、層間変形角Δが設計層間変形角以下であり、かつ固有周期Tが固有周期閾値以下である場合、パラメータパターンが状態Dであることを検出する。
次に、建物安全性評価部13は、パラメータパターンが状態Dの判定である「継続使用可能(D)」を、データベース14の判定結果テーブルにおける対応するk階100kの判定結果の欄に書き込んで記憶させ、処理をステップS5へ進める。
また、本実施形態においては、建物100の全層に加速度センサを設けたが、例えば1階おきなど、複数階(複数層)のいくつかの層に加速度センサを設け、加速度センサを設けた階の損傷を判定するようにしても良い。
以下、図を用いて本発明の第2の実施形態の建物安全性検証システムの説明を行う。図6は、本発明の第2の実施形態による建物安全性検証システムの構成例と、評価対象の建物に設けた加速度センサ、微振動センサ及び傾斜センサとが接続された構成を表す概念図である。
図6において、建物安全性検証システム2は、インターネットなどからなる情報通信網Iを介して、第1の実施形態と同様に、建物100に設けられている加速度センサS0からSn(0は基礎、1からnまでは建物の階数)の各々から地震の振動データとして加速度データが供給される。加速度センサS0、加速度センサS1からSnについては配置箇所が第1の実施形態と同様である。また、第2の実施形態においては、建物100の屋上100Rには、微振動センサSBに加え、傾斜センサSJが配置されている。この傾斜センサSJは、微振動センサSBと同様に、屋上100Rでなくとも、屋上100R近傍の最上階の上部(例えば、n階建てであればn階の天井など)に配置しても良い。
傾斜角計測部25は、建物100の屋上100Rに配置された傾斜センサSJから供給される傾斜データによって、地平に対して垂直方向の軸に対する建物100の傾斜角θを算出する。本実施形態においては、層間変形角Δ、固定周期T及び傾斜角θは絶対値にて示される。
また、固有周期の初期値に対して経時変化のマージンを加えて、固有周期の初期値の代わりに、この固有周期の初期値に対してマージンを加えて固有周期閾値を生成し、この固有周期閾値と固有周期Tとを比較するようにしても良い。ここで、固有周期の初期値<固有周期閾値である。
・パターンP2 層間変形角Δが設計層間変形角を超えており、固有周期Tが固有周期閾値以下であり、傾斜角θが傾斜角の初期値以下であるパターン
・パターンP3 層間変形角Δが設計層間変形角以下であり、固有周期Tが固有周期閾値を超えており、傾斜角θが傾斜角の初期値以下であるパターン
・パターンP4 層間変形角Δが設計層間変形角を超えており、固有周期Tが固有周期閾値を超えており、傾斜角θが傾斜角の初期値以下であるパターン
・パターンP5 層間変形角Δが設計層間変形角以下であり、固有周期Tが固有周期閾値以下であり、傾斜角θが傾斜角の初期値を超えているパターン
・パターンP6 層間変形角Δが設計層間変形角を超えており、固有周期Tが固有周期閾値以下であり、傾斜角θが傾斜角の初期値を超えているパターン
・パターンP7 層間変形角Δが設計層間変形角以下であり、固有周期Tが固有周期閾値を超えており、傾斜角θが傾斜角の初期値を超えているパターン
・パターンP8 層間変形角Δが設計層間変形角を超えており、固有周期Tが固有周期閾値を超えており、傾斜角θが傾斜角の初期値を超えているパターン
判定結果:継続使用可能。
判定理由:パターンP1については、層間変形角Δが設計層間変形角以下であり、固有周期Tが固有周期閾値以下であり、傾斜角θが傾斜角の初期値以下であるため、建物100に対する損傷がないと判定される。また、パターンP2については、層間変形角Δが設計層間変形角を超えているが、固有周期Tが固有周期閾値以下であり、傾斜角θが傾斜角の初期値以下であるため、建物100に対する損傷がないと判定される。ここで、層間変形角Δが設計層間変形角を超えているのに、固有周期Tが固有周期閾値以下であり、傾斜角θが傾斜角の初期値以下であることから、建物100の実際の耐震性能が設計時より高く建設されているためと推定される。
判定結果:応急復旧時には使用可能と判断できるが、通常時に使用できるかどうかは調査が必要。
判定理由:固有周期Tが固有周期閾値以下であり、建物100の傾斜角θが傾斜角の閾値を超えている場合、建物100の立っている地盤が損傷していると推定される。
判定結果:非構造部材が損傷している可能性があり、応急復旧時に使用するとしても調査が必要。
判定理由:固有周期Tが固有周期閾値を超えており、建物100の傾斜角θが傾斜角の閾値を超えており、層間変形角Δが設計層間変形角以下である場合、建物100の非構造部材及び建物100の立っている地盤が損傷していると推定される。
判定結果:非構造部材が損傷している可能性があり、応急復旧時に使用するとしても調査が必要であるが、通常時の使用に関しては非構造部材を補修すれば継続使用可能。
判定理由:建物100の傾斜角θが傾斜角の閾値以下であるが、固有周期Tが固有周期閾値を超えているため、建物100の構造躯体に損傷が無く、非構造躯体に損傷の可能性があると推定される。
判定結果:継続使用不可。
判定理由:建物100の傾斜角θが傾斜角の閾値を超え、かつ固有周期Tが固有周期閾値を超え、かつ層間変形角Δが設計層間変形角を超えているため、建物100の構造躯体、非構造躯体及び地盤に損傷の可能性があると推定される。
層間変位計測部11は、供給されるセンサS0が計測した加速度データから加速度を抽出する。そして、層間変位計測部11は、この抽出した加速度を2回積分し、基礎部分の変位を算出する。
層間変位計測部11は、建物100のk階100k(1≦k≦n)に配置されたセンサSkから供給される、それぞれの加速度センサSkに計測した加速度から、加速度センサS0の加速度を抽出する。そして、層間変位計測部11は、この抽出した加速度を2回積分し、各階の変位を算出し、それぞれ隣接する階の変位の差分を算出し、各階の層間変位δを算出する。ここで、建物100の1階1001の層間変位δは、1階1001の変位から基礎1000の変位を減算して求められる。
なお、全体曲げ変形やロッキングが支配的な建物などに対しては、層間変位を算出する際に、傾斜角θの計測データを用いることでせん断変形成分をより精緻に算出する。
層間変位計測部11は、算出したk階100kの層間変位δの各々を、k階100kの高さでそれぞれ除算し、k階100kの層間変形角Δを算出する。なお、加速度データから変位を求める方法は、本実施形態に記載されているもの以外の他の方法を用いても良い。
固有周期計測部12は、屋上100Rに配置された微振動センサSBから、地震発生後に供給される微振動データに対し、信号処理を行う。すなわち、固有周期計測部12は、微振動データのフーリエ解析を行い、最も高いパワースペクトルを有する周波数を抽出し、この周波数を固有周波数とする。そして、固有周期計測部12は、抽出した固有周波数の周期を求め、この周期を固有周期Tとする。
傾斜角計測部25は、建物100の屋上100Rに配置されている傾斜角センサSJから供給される傾斜角データにより、建物100の傾斜角θを求める。
建物安全性評価部23は、建物100における1階1001からn階100nまでの全ての階における損傷程度の判定が行われたか否かの判定を行う。
このとき、建物安全性評価部23は、建物100における全ての階に対する判定が終了した場合、処理を終了し、建物100における全ての階に対する判定が終了していない場合、処理をステップS27へ進める。
建物安全性評価部23は、傾斜角計測部25から供給される傾斜角θと建物100の傾斜角の初期値との比較を行い、傾斜角θが傾斜角の初期値を超えているか否かを判定する(第3の判定結果を求める)。このとき、建物安全性評価部23は、傾斜角θが傾斜角の初期値を超えていない場合、処理をステップS28へ進め、一方、傾斜角θが傾斜角の初期値を超えている場合、処理をステップS29へ進める。
建物安全性評価部23は、固有周期計測部12から供給される固有周期Tと固有周期閾値とを比較し、固有周期Tが固有周期閾値以下であるか否かの判定を行う(第2の判定結果を求める)。このとき、建物安全性評価部23は、固有周期Tが固有周期閾値を超える場合、処理をステップS32へ進め、一方、固有周期Tが固有周期閾値以下である場合、処理をステップS31へ進める。ここで、説明においては、建物100の固有周期の初期値ではなく、この固有周期の初期値に対してマージンを持たせた固有周期閾値を用いている。
建物安全性評価部23は、固有周期計測部12から供給される固有周期Tと固有周期閾値とを比較し、固有周期Tが固有周期閾値以下であるか否かの判定を行う。このとき、建物安全性評価部23は、固有周期Tが固有周期閾値を超える場合、処理をステップS30へ進め、一方、固有周期Tが固有周期閾値以下である場合、処理をステップS33へ進める。
建物安全性評価部23は、建物100の判定の終了していない階の層間変形角Δを層間変位計測部11から読み込み、この読み込んだ判定対象のk階100kの層間変形角Δと設計層間変形角との比較を行い、層間変形角Δが設計層間変形角を超えているかを判定する(第1の判定結果を求める)。このとき、建物安全性評価部23は、層間変形角Δが設計層間変形角を超えている場合、処理をステップS35へ進め、一方層間変形角Δが設計層間変形角を超えていない場合、処理をステップS34へ進める。
建物安全性評価部23は、データベース24の判定テーブルを参照し、傾斜角θが傾斜角の初期値以下であり、固有周期Tが固有周期閾値以下である場合、パラメータパターンが状態Dであることを検出する。
次に、建物安全性評価部23は、パラメータパターンが状態Dの判定である「継続使用可能(D)」を、データベース24の判定結果テーブルにおける対応するk階100kの判定結果の欄に書き込んで記憶させ、処理をステップS26へ進める。
建物安全性評価部23は、データベース24の判定テーブルを参照し、傾斜角θが傾斜角の初期値以下であり、固有周期Tが固有周期閾値を超えている場合、パラメータパターンが状態Gであることを検出する。
次に、建物安全性評価部23は、パラメータパターンが状態Gの判定である「非構造部材が損傷している可能性があり、応急復旧時に使用するとしても調査が必要であるが、通常時の使用に関しては非構造部材を補修すれば継続使用可能(G)」を、データベース24の判定結果テーブルにおける対応するk階100kの判定結果の欄に書き込んで記憶させ、処理をステップS26へ進める。
建物安全性評価部23は、データベース24の判定テーブルを参照し、傾斜角θが傾斜角の初期値を超えており、固有周期Tが固有周期閾値以下である場合、パラメータパターンが状態Eであることを検出する。
次に、建物安全性評価部23は、パラメータパターンが状態Eの判定である「応急復旧時には使用可能と判断できるが、通常時に使用できるかどうかは調査が必要(E)」を、データベース24の判定結果テーブルにおける対応するk階100kの判定結果の欄に書き込んで記憶させ、処理をステップS26へ進める。
建物安全性評価部23は、データベース24の判定テーブルを参照し、傾斜角θが傾斜角の初期値を超えており、固有周期Tが固有周期閾値を超えており、層間変形角Δが設計層間変形角以下である場合、パラメータパターンが状態Fであることを検出する。
次に、建物安全性評価部23は、パラメータパターンが状態Fの判定である「非構造部材が損傷している可能性があり、応急復旧時に使用するとしても調査が必要(F)」を、データベース24の判定結果テーブルにおける対応するk階100kの判定結果の欄に書き込んで記憶させ、処理をステップS26へ進める。
建物安全性評価部23は、データベース24の判定テーブルを参照し、傾斜角θが傾斜角の初期値を超えており、固有周期Tが固有周期閾値を超えており、層間変形角Δが設計層間変形角を超えている場合、パラメータパターンが状態Hであることを検出する。
次に、建物安全性評価部23は、パラメータパターンが状態Hの判定である「継続使用不可(H)」を、データベース24の判定結果テーブルにおける対応するk階100kの判定結果の欄に書き込んで記憶させ、処理をステップS26へ進める。
11…層間変位計測部
12…固有周期計測部
13,23…建物安全性評価部
14,24…データベース
25…傾斜角計測部
S0,S1,S2,S3,S4,S5,S6…加速度センサ
100…建物
1001…1階
1002…2階
1003…3階
1004…4階
1005…5階
1006…6階
1000…基礎
100R…屋上
SB…微振動センサ
SJ…傾斜角センサ
Claims (18)
- 複数の層からなる建物の複数の層に設けられ、当該層の振動を層ごとに検知するセンサと、
前記センサが地震時に検知した当該層の振動のデータから、前記センサを設けた層間の層間変位を算出し、前記算出した層間変位から前記建物の変形を求める計測部と、
前記建物の最上層あるいは当該最上層近傍の層の微振動を計測する微振動センサから、当該建物の固有周期を求める固有周期計測部と、
前記計測部が求めた前記建物の変形と前記固有周期計測部が求めた前記固有周期とに基づいて、前記建物の健全性を評価する評価部と
を備え、
前記センサのうち最下層のセンサは、前記建物の基礎部又は最下層部分に設けられ、前記基礎部又は最下層部分の振動を検知し、
前記評価部は、
前記層間変位と前記層間変位から求めた層間変形角の何れかにより示される前記建物の変形と、測定して求めた前記建物の固有周期とを組み合わせて判定し、前記建物の変形が、前記建物の構造部材が損傷を受け得る大きさに応じて定めた閾値より大きいと判定された場合に、測定して求めた前記建物の固有周期の値に基づいて、前記建物を継続使用することが可能か否かを判定する
ことを特徴とする建物安全性検証システム。 - 前記評価部が、
前記建物の変形が予め設定された前記閾値を超えるか否かを判定した第1の判定結果と、また前記固有周期が予め設定した固有周期閾値を超えるか否かを判定した第2の判定結果との組み合わせにより、前記建物の健全性を評価する
ことを特徴とする請求項1に記載の建物安全性検証システム。 - 複数の層からなる建物の複数の層に設けられ、当該層の振動を層ごとに検知するセンサと、
前記センサが地震時に検知した当該層の振動のデータから、前記センサを設けた層間の層間変位を算出し、前記算出した層間変位から前記建物の変形を求める計測部と、
前記建物の最上層あるいは当該最上層近傍の層の微振動を計測する微振動センサから、当該建物の固有周期を求める固有周期計測部と、
前記建物の最上層あるいは最上層近傍に配置され、当該建物の傾斜角を計測する傾斜角計測部と、
前記計測部が求めた前記建物の変形と前記固有周期計測部が求めた前記固有周期と前記建物の傾斜角とに基づいて、前記建物の健全性を評価する評価部と
を備え、
前記センサのうち最下層のセンサは、前記建物の基礎部又は最下層部分に設けられ、前記基礎部又は最下層部分の振動を検知し、
前記評価部は、
前記固有周期の判定結果と前記傾斜角の判定結果とを論理的に組み合わせて判定し、当該判定の結果に応じて前記建物の立っている地盤の損傷による影響の有無を判定する
ことを特徴とする建物安全性検証システム。 - 複数の層からなる建物の複数の層に設けられ、当該層の振動を層ごとに検知するセンサと、
前記センサが地震時に検知した当該層の振動のデータから、前記センサを設けた層間の層間変位を算出し、前記算出した層間変位から前記建物の変形を求める計測部と、
前記建物の最上層あるいは当該最上層近傍の層の微振動を計測する微振動センサから、当該建物の固有周期を求める固有周期計測部と、
前記建物の最上層あるいは最上層近傍に配置され、当該建物の傾斜角を計測する傾斜角計測部と、
前記計測部が求めた前記建物の変形と前記固有周期計測部が求めた前記固有周期と前記建物の傾斜角とに基づいて、前記建物の健全性を評価する評価部と
を備え、
前記センサのうち最下層のセンサは、前記建物の基礎部又は最下層部分に設けられ、前記基礎部又は最下層部分の振動を検知し、
前記評価部は、
前記層間変位の判定結果と前記固有周期の判定結果と前記傾斜角の判定結果とを論理的に組み合わせて判定し、当該判定の結果に応じて前記建物の健全性と前記建物の立っている地盤の損傷による影響の有無とを判定する
ことを特徴とする建物安全性検証システム。 - 前記評価部は、
地震による前記建物の傾斜の変化を前記評価の条件に含めて、当該地震発生後の前記建物の健全性を評価する
ことを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の建物安全性検証システム。 - 前記計測部は、
前記最下層のセンサが検知した当該基礎部又は最下層部分の振動のデータと前記最下層のセンサ以外の何れかの前記センサが検知した当該層の振動のデータとから、前記最下層のセンサ以外の何れかの前記センサを設けた層の層間変位を算出する
ことを特徴とする請求項1から請求項5の何れか1項に記載の建物安全性検証システム。 - 前記固有周期計測部は、
前記建物の最上層あるいは当該最上層近傍の層の微振動を計測する微振動センサから、地震発生後の当該建物の固有周期を求める
ことを特徴とする請求項1から請求項6の何れか1項に記載の建物安全性検証システム。 - 前記固有周期計測部は、
前記建物の最上層あるいは当該最上層近傍の層の微振動を計測する微振動センサから、当該建物の常時微動の固有周期を求め、
前記層の振動を層ごとに検知する前記センサから前記最下層のセンサを除いたセンサ
のうちの一つのセンサは、
前記微振動センサが微振動を計測する層と同じ層に設けられている
ことを特徴とする請求項7に記載の建物安全性検証システム。 - 前記計測部は、
前記建物の特定の層の層間変位を、前記特定の層の変位量と前記建物の基礎部の変位量に基づいて算出する
ことを特徴とする請求項1から請求項8の何れか1項に記載の建物安全性検証システム。 - 前記評価部が、
前記層間変位が予め設定された層間変位閾値を超えるか否かを判定した第1の判定結果と、また前記固有周期が予め設定した固有周期閾値を超えるか否かを判定した第2の判定結果と、前記傾斜角が予め設定した傾斜角閾値を超えるか否かを判定した第3の判定結果との組み合わせにより、前記建物の健全性を評価する
ことを特徴とする請求項3から請求項5の何れか1項に記載の建物安全性検証システム。 - 前記評価部が、
前記計測部が求めた前記層間変位と、前記固有周期計測部が求めた前記固有周期とを条件に含めた判定を前記層ごとにそれぞれ実施して、前記各層ごとの判定結果から定まる特定の層より上の層の対応についての判定を予め定められたルールに従って実施する
ことを特徴とする請求項1から請求項10の何れか1項に記載の建物安全性検証システム。 - 前記センサは、前記地震による振動の加速度を検出する
ことを特徴とする請求項1から請求項11の何れか1項に記載の建物安全性検証システム。 - 複数の層からなる建物の複数の層に設けられ、当該層の振動を層ごとに検知するセンサと、
前記センサが地震時に検知した当該層の振動のデータから、前記センサを設けた層間の層間変位を算出し、前記算出した層間変位から前記建物の変形を求める計測部と、
前記建物の最上層あるいは当該最上層近傍の層の微振動を計測する微振動センサから、当該建物の固有周期を求める固有周期計測部と、
を備える建物安全性検証システムの建物安全性検証方法であって、
前記センサのうち最下層のセンサは、前記建物の基礎部又は最下層部分に設けられ、前記基礎部又は最下層部分の振動を検知する過程と、
前記計測部が求めた前記建物の変形と前記固有周期計測部が求めた前記固有周期とに基づいて、前記建物の健全性を評価する過程と、
前記層間変位と前記層間変位から求めた層間変形角の何れかにより示される前記建物の変形と、測定して求めた前記建物の固有周期とを組み合わせて判定し、前記建物の変形が、前記建物の構造部材が損傷を受け得る大きさに応じて定めた閾値より大きいと判定された場合に、測定して求めた前記建物の固有周期の値に基づいて、前記建物を継続使用することが可能か否かを判定する過程と
を含むことを特徴とする建物安全性検証方法。 - 複数の層からなる建物の複数の層に設けられ、当該層の振動を層ごとに検知するセンサと、
前記センサが地震時に検知した当該層の振動のデータから、前記センサを設けた層間の層間変位を算出し、前記算出した層間変位から前記建物の変形を求める計測部と、
前記建物の最上層あるいは当該最上層近傍の層の微振動を計測する微振動センサから、当該建物の固有周期を求める固有周期計測部と、
前記建物の最上層あるいは最上層近傍に配置され、当該建物の傾斜角を計測する傾斜角計測部と、
を備える建物安全性検証システムの建物安全性検証方法であって、
前記センサのうち最下層のセンサは、前記建物の基礎部又は最下層部分に設けられ、前記基礎部又は最下層部分の振動を検知する過程と、
前記計測部が求めた前記建物の変形と前記固有周期計測部が求めた前記固有周期と前記建物の傾斜角とに基づいて、前記建物の健全性を評価する過程と、
前記固有周期の判定結果と前記傾斜角の判定結果とを論理的に組み合わせて判定し、当該判定の結果に応じて前記建物の立っている地盤の損傷による影響の有無を判定する過程と
を含むことを特徴とする建物安全性検証方法。 - 複数の層からなる建物の複数の層に設けられ、当該層の振動を層ごとに検知するセンサと、
前記センサが地震時に検知した当該層の振動のデータから、前記センサを設けた層間の層間変位を算出し、前記算出した層間変位から前記建物の変形を求める計測部と、
前記建物の最上層あるいは当該最上層近傍の層の微振動を計測する微振動センサから、当該建物の固有周期を求める固有周期計測部と、
前記建物の最上層あるいは最上層近傍に配置され、当該建物の傾斜角を計測する傾斜角計測部と、
を備える建物安全性検証システムの建物安全性検証方法であって、
前記センサのうち最下層のセンサが前記建物の基礎部又は最下層部分に設けられており、最下層のセンサが前記基礎部又は最下層部分の振動を検知する過程と、
前記計測部が求めた前記建物の変形と前記固有周期計測部が求めた前記固有周期と前記建物の傾斜角とに基づいて、前記建物の健全性を評価する過程と、
前記層間変位の判定結果と前記固有周期の判定結果と前記傾斜角の判定結果とを論理的に組み合わせて判定し、当該判定の結果に応じて前記建物の健全性と前記建物の立っている地盤の損傷による影響の有無とを判定する過程と
を含むことを特徴とする建物安全性検証方法。 - 複数の層からなる建物の複数の層に設けられ、当該層の振動を層ごとに検知するセンサと、前記センサが地震時に検知した当該層の振動のデータから、前記センサを設けた層間の層間変位を算出し、前記算出した層間変位から前記建物の変形を求める計測部と、前記建物の最上層あるいは当該最上層近傍の層の微振動を計測する微振動センサから、当該建物の固有周期を求める固有周期計測部と、を備える建物安全性検証システムのコンピュータに、
前記センサのうち最下層のセンサが前記建物の基礎部又は最下層部分に設けられており、前記最下層のセンサに前記基礎部又は最下層部分の振動を検知させて、前記計測部が求めた前記建物の変形と前記固有周期計測部が求めた前記固有周期とに基づいて、前記建物の健全性を評価するステップと、
前記層間変位と前記層間変位から求めた層間変形角の何れかにより示される前記建物の変形と、測定して求めた前記建物の固有周期とを組み合わせて判定し、前記建物の変形が、前記建物の構造部材が損傷を受け得る大きさに応じて定めた閾値より大きいと判定された場合に、測定して求めた前記建物の固有周期の値に基づいて、前記建物を継続使用することが可能か否かを判定するステップと
を実行させるためのプログラム。 - 複数の層からなる建物の複数の層に設けられ、当該層の振動を層ごとに検知するセンサと、前記センサが地震時に検知した当該層の振動のデータから、前記センサを設けた層間の層間変位を算出し、前記算出した層間変位から前記建物の変形を求める計測部と、前記建物の最上層あるいは当該最上層近傍の層の微振動を計測する微振動センサから、当該建物の固有周期を求める固有周期計測部と、前記建物の最上層あるいは最上層近傍に配置され、当該建物の傾斜角を計測する傾斜角計測部と、を備える建物安全性検証システムのコンピュータに、
前記センサのうち最下層のセンサが前記建物の基礎部又は最下層部分に設けられており、前記最下層のセンサに前記基礎部又は最下層部分の振動を検知させて、前記計測部が求めた前記建物の変形と前記固有周期計測部が求めた前記固有周期と前記建物の傾斜角とに基づいて、前記建物の健全性を評価するステップと、
前記固有周期の判定結果と前記傾斜角の判定結果とを論理的に組み合わせて判定し、当該判定の結果に応じて前記建物の立っている地盤の損傷による影響の有無を判定するステップと
を実行させるためのプログラム。 - 複数の層からなる建物の複数の層に設けられ、当該層の振動を層ごとに検知するセンサと、前記センサが地震時に検知した当該層の振動のデータから、前記センサを設けた層間の層間変位を算出し、前記算出した層間変位から前記建物の変形を求める計測部と、前記建物の最上層あるいは当該最上層近傍の層の微振動を計測する微振動センサから、当該建物の固有周期を求める固有周期計測部と、前記建物の最上層あるいは最上層近傍に配置され、当該建物の傾斜角を計測する傾斜角計測部と、を備える建物安全性検証システムのコンピュータに、
前記センサのうち最下層のセンサが前記建物の基礎部又は最下層部分に設けられており、前記最下層のセンサに前記基礎部又は最下層部分の振動を検知させて、前記計測部が求めた前記建物の変形と前記固有周期計測部が求めた前記固有周期と前記建物の傾斜角とに基づいて、前記建物の健全性を評価するステップと、
前記層間変位の判定結果と前記固有周期の判定結果と前記傾斜角の判定結果とを論理的に組み合わせて判定し、当該判定の結果に応じて前記建物の健全性と前記建物の立っている地盤の損傷による影響の有無とを判定するステップと
を実行させるためのプログラム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015010366A JP5799183B2 (ja) | 2015-01-22 | 2015-01-22 | 建物安全性検証システム、建物安全性検証方法及びプログラム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015010366A JP5799183B2 (ja) | 2015-01-22 | 2015-01-22 | 建物安全性検証システム、建物安全性検証方法及びプログラム |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2013002078A Division JP5809174B2 (ja) | 2013-01-09 | 2013-01-09 | 建物安全性検証システム、建物安全性検証方法及びプログラム |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2015127707A JP2015127707A (ja) | 2015-07-09 |
JP5799183B2 true JP5799183B2 (ja) | 2015-10-21 |
Family
ID=53837742
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2015010366A Active JP5799183B2 (ja) | 2015-01-22 | 2015-01-22 | 建物安全性検証システム、建物安全性検証方法及びプログラム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5799183B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN107607280A (zh) * | 2017-09-09 | 2018-01-19 | 芜湖市方圆工程质量检验有限责任公司 | 一种工程建筑抗震性能的检测方法 |
CN109708688A (zh) * | 2017-09-12 | 2019-05-03 | 建设综合勘察研究设计院有限公司 | 一种历史文化建筑安全监测与预警系统及方法 |
JP7418798B2 (ja) * | 2020-01-15 | 2024-01-22 | 株式会社サイエンス構造 | 建物危険度判定サーバ、建物危険度判定方法、及びそのプログラム、並びに情報通信端末、情報処理方法、及びそのプログラム、並びに建物の危険度判定システム |
JP7527733B2 (ja) | 2021-01-15 | 2024-08-05 | 西松建設株式会社 | 変位計測装置および変位計測方法 |
Family Cites Families (14)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3876247B2 (ja) * | 2000-12-28 | 2007-01-31 | 構造品質保証研究所株式会社 | 微動観測による構造物の診断方法及び診断システム |
JP2004251678A (ja) * | 2003-02-19 | 2004-09-09 | Taisei Corp | 変位角測定装置 |
JP2005121464A (ja) * | 2003-10-16 | 2005-05-12 | Mitsubishi Space Software Kk | 構造物監視サーバ及び構造物監視システム及び構造物監視方法及び構造物監視プログラム及び構造物監視プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体 |
JP4291798B2 (ja) * | 2005-05-27 | 2009-07-08 | 株式会社都市調査設計 | 傾き測定器 |
JP4859557B2 (ja) * | 2006-06-30 | 2012-01-25 | 財団法人電力中央研究所 | コンクリート建物の健全性判定方法 |
JP4822337B2 (ja) * | 2006-08-03 | 2011-11-24 | 株式会社山武 | 建築構造物の診断方法 |
JP4914162B2 (ja) * | 2006-09-29 | 2012-04-11 | 株式会社竹中工務店 | 地震被害判定装置、地震被害判定方法及び地震被害判定プログラム |
JP2009120337A (ja) * | 2007-11-15 | 2009-06-04 | Toshiba Elevator Co Ltd | エレベータ仮復旧運転システム |
JP5082940B2 (ja) * | 2008-03-07 | 2012-11-28 | 富士通株式会社 | 災害観測システムおよび災害解析プログラム |
JP5327632B2 (ja) * | 2009-10-01 | 2013-10-30 | 清水建設株式会社 | 基礎構造の地震被害予測方法、地震被害予測システムおよび地震被害予測チャート |
JP2012018045A (ja) * | 2010-07-07 | 2012-01-26 | Yamatake Corp | センサ異常診断装置及びセンサシステム |
JP5521196B2 (ja) * | 2010-07-07 | 2014-06-11 | 国立大学法人 筑波大学 | 建物損傷度判定装置および建物損傷度判定方法 |
JP5728301B2 (ja) * | 2011-06-14 | 2015-06-03 | 株式会社竹中工務店 | 基礎構造 |
JP5809174B2 (ja) * | 2013-01-09 | 2015-11-10 | 株式会社Nttファシリティーズ | 建物安全性検証システム、建物安全性検証方法及びプログラム |
-
2015
- 2015-01-22 JP JP2015010366A patent/JP5799183B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2015127707A (ja) | 2015-07-09 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5809174B2 (ja) | 建物安全性検証システム、建物安全性検証方法及びプログラム | |
US10648881B2 (en) | Seismic response assessment of man-made structures | |
JP5569900B2 (ja) | 耐震性能評価方法、耐震性能評価装置及び耐震性能評価システム | |
JP6475930B2 (ja) | 総合監視装置、総合監視プログラム | |
JP5838561B2 (ja) | 地震被害判定システム、地震被害判定システムを備えた構造物、及び地震被害判定プログラム | |
JP5799183B2 (ja) | 建物安全性検証システム、建物安全性検証方法及びプログラム | |
JP5911733B2 (ja) | 免震建築物の安全評価システム | |
JP2011095237A5 (ja) | ||
JP5281475B2 (ja) | 常時微動計測に基づく建物の健全性診断法、診断装置及び診断プログラム | |
JP6768369B2 (ja) | 建物健全度評価システムおよび建物健全度評価方法 | |
Erazo et al. | High‐resolution seismic monitoring of instrumented buildings using a model‐based state observer | |
JP6499832B2 (ja) | 構造物安全性検証システム、構造物安全性検証方法及びプログラム | |
JP7343380B2 (ja) | 建物の健全性モニタリングシステム | |
JP6389663B2 (ja) | 構造物検証システム、構造物検証装置、構造物検証プログラム | |
JP6609403B2 (ja) | 構造物検証システム、構造物検証装置、構造物検証プログラム | |
JP6363539B2 (ja) | 建物の損傷部位の推定方法 | |
JP6642232B2 (ja) | 地震被害推定システム、地震被害推定システムを備えた構造物、及び地震被害推定プログラム | |
JP2016017848A (ja) | 構造物検証システム、構造物検証装置、構造物検証プログラム | |
JP6991703B2 (ja) | 損傷度判定装置及び損傷度判定システム | |
JP6746348B2 (ja) | 建築物の層剛性を同定する方法及びその装置 | |
JP2019138661A (ja) | 建物の残存耐用年数の評価方法、及び評価システム | |
JP7359747B2 (ja) | 建物の健全性モニタリングシステム、及び地震計の設置層を決定する方法 | |
JP6843645B2 (ja) | 判定装置及び判定方法 | |
Zhang et al. | Statistical moment-based damage detection of building structures |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20150513 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20150728 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20150824 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5799183 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R157 | Certificate of patent or utility model (correction) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R157 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |