JP6499832B2 - 構造物安全性検証システム、構造物安全性検証方法及びプログラム - Google Patents
構造物安全性検証システム、構造物安全性検証方法及びプログラム Download PDFInfo
- Publication number
- JP6499832B2 JP6499832B2 JP2014140777A JP2014140777A JP6499832B2 JP 6499832 B2 JP6499832 B2 JP 6499832B2 JP 2014140777 A JP2014140777 A JP 2014140777A JP 2014140777 A JP2014140777 A JP 2014140777A JP 6499832 B2 JP6499832 B2 JP 6499832B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- natural period
- interlayer displacement
- wind
- vibration
- sensor
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
- 238000012795 verification Methods 0.000 title claims description 111
- 238000000034 method Methods 0.000 title claims description 66
- 239000011229 interlayer Substances 0.000 claims description 238
- 238000006073 displacement reaction Methods 0.000 claims description 160
- 238000005259 measurement Methods 0.000 claims description 148
- 238000011156 evaluation Methods 0.000 claims description 135
- 239000010410 layer Substances 0.000 claims description 115
- 238000002955 isolation Methods 0.000 claims description 68
- 230000033001 locomotion Effects 0.000 claims description 32
- 238000004458 analytical method Methods 0.000 claims description 11
- 238000001514 detection method Methods 0.000 claims description 7
- 230000001133 acceleration Effects 0.000 description 99
- 238000013461 design Methods 0.000 description 43
- 230000008569 process Effects 0.000 description 33
- 238000012545 processing Methods 0.000 description 33
- 230000007246 mechanism Effects 0.000 description 12
- 238000010586 diagram Methods 0.000 description 10
- 230000001629 suppression Effects 0.000 description 10
- 229910000831 Steel Inorganic materials 0.000 description 9
- 230000008859 change Effects 0.000 description 9
- 238000004891 communication Methods 0.000 description 9
- 239000010959 steel Substances 0.000 description 9
- 239000000284 extract Substances 0.000 description 8
- 230000006870 function Effects 0.000 description 8
- 238000011835 investigation Methods 0.000 description 6
- 238000011084 recovery Methods 0.000 description 6
- 238000010276 construction Methods 0.000 description 5
- 238000012986 modification Methods 0.000 description 5
- 230000004048 modification Effects 0.000 description 5
- 238000001228 spectrum Methods 0.000 description 5
- 230000005540 biological transmission Effects 0.000 description 4
- 241000282414 Homo sapiens Species 0.000 description 3
- 230000006866 deterioration Effects 0.000 description 3
- 230000001965 increasing effect Effects 0.000 description 3
- 206010049040 Weight fluctuation Diseases 0.000 description 2
- 238000010521 absorption reaction Methods 0.000 description 2
- 230000032683 aging Effects 0.000 description 2
- 238000007405 data analysis Methods 0.000 description 2
- 238000007429 general method Methods 0.000 description 2
- 239000007788 liquid Substances 0.000 description 2
- 230000000737 periodic effect Effects 0.000 description 2
- 230000008855 peristalsis Effects 0.000 description 2
- 230000004044 response Effects 0.000 description 2
- 238000012935 Averaging Methods 0.000 description 1
- 238000005452 bending Methods 0.000 description 1
- 239000002131 composite material Substances 0.000 description 1
- 238000012790 confirmation Methods 0.000 description 1
- 238000013016 damping Methods 0.000 description 1
- 230000025518 detection of mechanical stimulus involved in sensory perception of wind Effects 0.000 description 1
- 230000000694 effects Effects 0.000 description 1
- 230000002708 enhancing effect Effects 0.000 description 1
- 230000016507 interphase Effects 0.000 description 1
- 239000000463 material Substances 0.000 description 1
- 238000012544 monitoring process Methods 0.000 description 1
- 230000002093 peripheral effect Effects 0.000 description 1
- 230000007704 transition Effects 0.000 description 1
Images
Description
そして、これらの計測手段で計測されたデータは、現場から離れたデータ監視室等に送られ、データ解析コンピュータ等によって収集される。データ解析コンピュータはこの構造物(建物)の層間変形を算出し、設定値と比較することにより、構造物の損傷の有無を判定し、地震発生後の健全性評価や安全性の確認等に使用している(例えば、特許文献1参照)。
上記のように地震や強風等の外力は、構造物に振動をもたらし、構造物(建物)を損傷させることがある。さらに、構造物(建物)を損傷させるほどの規模でない振動であっても、居住性を低下させる要因となることが知られている。
また、本発明の一態様は、複数の層からなる構造物の前記層の振動を計測するセンサが当該構造物に設けられており、構造物近傍の風力値の情報と構造物に振動を与える地震の到来を予測する情報の両方を対象の情報にして、前記構造物近傍の風力値の情報と前記構造物に振動を与える地震の到来を予測する情報の少なくとも何れかの情報に応じて、前記センサの計測データから前記層の層間変位を求める層間変位計測部と、前記構造物の最上層あるいは当該最上層近傍の層の微振動を計測する微振動センサから、当該構造物の常時微動の固有周期を求める固有周期計測部と、前記層間変位計測部が求めた前記層間変位と、前記固有周期計測部が求めた前記固有周期とにより、前記構造物の健全性を評価する構造物安全性評価部と、前記構造物に振動を与える風の到来を検出する計測制御部とを備え、前記計測制御部が前記構造物の近傍の所定値を超える瞬間風速を検出すると、前記層間変位計測部は、前記構造物に振動を与える風がおさまるまで前記構造物の変形量を検出し、前記固有周期計測部は、前記風がおさまった後に前記固有周期を算出し、前記構造物安全性評価部は、前記構造物の前記変形量と前記固有周期とに基づいて前記構造物の健全性を評価することを特徴とする構造物安全性検証システム。
また、本発明の一態様は、複数の層からなる構造物の前記層の振動を計測するセンサが当該構造物に設けられており、構造物近傍の風力値の情報と構造物に振動を与える地震の到来を予測する情報の両方を対象の情報にして、前記構造物近傍の風力値の情報と前記構造物に振動を与える地震の到来を予測する情報の少なくとも何れかの情報に応じて、前記センサの計測データから前記層の層間変位を求める層間変位計測部と、前記構造物の最上層あるいは当該最上層近傍の層の微振動を計測する微振動センサから、当該構造物の常時微動の固有周期を求める固有周期計測部と、前記層間変位計測部が求めた前記層間変位と、前記固有周期計測部が求めた前記固有周期とにより、前記構造物の健全性を評価する構造物安全性評価部と、前記構造物に振動を与える風の到来を検出する計測制御部とを備え、前記構造物安全性評価部は、緊急地震速報を受信したとき、前記センサで地震を検出したとき、所定の大きさの風を検出したとき、及び長周期地震動を検出したときに応じて、前記構造物の健全性の評価に関する解析の手法を調整することを特徴とする構造物安全性検証システム。
また、本発明の一態様は、複数の層からなる構造物の前記層の振動を計測するセンサが当該構造物に設けられており、構造物近傍の風力値の情報と構造物に振動を与える地震の到来を予測する情報の両方を対象の情報にして、前記構造物近傍の風力値の情報と前記構造物に振動を与える地震の到来を予測する情報の少なくとも何れかの情報に応じて、前記センサの計測データから前記層の層間変位を層間変位計測部が求めるステップと、前記構造物の最上層あるいは当該最上層近傍の層の微振動を計測する微振動センサから、当該構造物の常時微動の固有周期を固有周期計測部が求めるステップと、前記層間変位計測部が求めた前記層間変位と、前記固有周期計測部が求めた前記固有周期とにより、前記構造物の健全性を評価するステップと、前記構造物に振動を与える風の到来を検出するステップと、前記構造物に振動を与える風の到来を検出するステップにおいて、前記構造物の近傍の所定値を超える瞬間風速を検出すると、前記構造物に振動を与える風がおさまるまで前記構造物の変形量を検出し、前記風がおさまった後に前記固有周期を算出し、前記構造物の前記変形量と前記固有周期とに基づいて前記構造物の健全性を評価するステップとを含むことを特徴とする構造物安全性検証方法である。
また、本発明の一態様は、複数の層からなる構造物の前記層の振動を計測するセンサが当該構造物に設けられており、構造物近傍の風力値の情報と構造物に振動を与える地震の到来を予測する情報の両方を対象の情報にして、前記構造物近傍の風力値の情報と前記構造物に振動を与える地震の到来を予測する情報の少なくとも何れかの情報に応じて、前記センサの計測データから前記層の層間変位を層間変位計測部が求めるステップと、前記構造物の最上層あるいは当該最上層近傍の層の微振動を計測する微振動センサから、当該構造物の常時微動の固有周期を固有周期計測部が求めるステップと、前記層間変位計測部が求めた前記層間変位と、前記固有周期計測部が求めた前記固有周期とにより、前記構造物の健全性を評価するステップと、前記構造物に振動を与える風の到来を検出するステップと、前記構造物の健全性を評価するステップにおいて、緊急地震速報を受信したとき、前記センサで地震を検出したとき、所定の大きさの風を検出したとき、及び長周期地震動を検出したときに応じて、前記構造物の健全性の評価に関する解析の手法を調整するステップとを含むことを特徴とする構造物安全性検証方法である。
また、本発明の一態様は、複数の層からなる構造物の安全性を評価する構造物安全性検証システムのコンピュータに、複数の層からなる構造物の前記層の振動を計測するセンサが当該構造物に設けられており、構造物近傍の風力値の情報と構造物に振動を与える地震の到来を予測する情報の両方を対象の情報にして、前記構造物近傍の風力値の情報と前記構造物に振動を与える地震の到来を予測する情報の少なくとも何れかの情報に応じて、前記センサの計測データから前記層の層間変位を層間変位計測部が求めるステップと、前記構造物の最上層あるいは当該最上層近傍の層の微振動を計測する微振動センサから、当該構造物の常時微動の固有周期を固有周期計測部が求めるステップと、前記層間変位計測部が求めた前記層間変位と、前記固有周期計測部が求めた前記固有周期とにより、前記構造物の健全性を評価するステップと前記構造物に振動を与える風の到来を検出するステップと、前記構造物に振動を与える風の到来を検出するステップにおいて、前記構造物の近傍の所定値を超える瞬間風速を検出すると、前記構造物に振動を与える風がおさまるまで前記構造物の変形量を検出し、前記風がおさまった後に前記固有周期を算出し、前記構造物の前記変形量と前記固有周期とに基づいて前記構造物の健全性を評価するステップとを実行させるためのプログラムである。
また、本発明の一態様は、複数の層からなる構造物の安全性を評価する構造物安全性検証システムのコンピュータに、複数の層からなる構造物の前記層の振動を計測するセンサが当該構造物に設けられており、構造物近傍の風力値の情報と構造物に振動を与える地震の到来を予測する情報の両方を対象の情報にして、前記構造物近傍の風力値の情報と前記構造物に振動を与える地震の到来を予測する情報の少なくとも何れかの情報に応じて、前記センサの計測データから前記層の層間変位を層間変位計測部が求めるステップと、前記構造物の最上層あるいは当該最上層近傍の層の微振動を計測する微振動センサから、当該構造物の常時微動の固有周期を固有周期計測部が求めるステップと、前記層間変位計測部が求めた前記層間変位と、前記固有周期計測部が求めた前記固有周期とにより、前記構造物の健全性を評価するステップと、前記構造物に振動を与える風の到来を検出するステップと、前記構造物の健全性を評価するステップにおいて、緊急地震速報を受信したとき、前記センサで地震を検出したとき、所定の大きさの風を検出したとき、及び長周期地震動を検出したときに応じて、前記構造物の健全性の評価に関する解析の手法を調整するステップとを実行させるためのプログラムである。
以下、図を用いて本発明の第1の実施形態の構造物安全性検証システムの説明を行う。図1は、本発明の第1の実施形態による構造物安全性検証システムの構成例と、評価対象の構造物に設けた加速度センサ及び微振動センサとが接続された構成を表す概念図である。
図1において、構造物安全性検証システム1は、インターネットや構造物内に設けられたLANなどからなる情報通信網を介して、構造物100に設けられている各種センサから、それぞれのセンサが検出したデータが供給される。例えば、構造物100のそれぞれの階の振動を検出するセンサとして加速度センサが設けられている。加速度センサS0からSn(0は基礎、1からnまでは構造物の階数)の各々から地震の振動データとして加速度データが供給される。加速度センサS0は、構造物の基礎部分における加速度を計測するために設けられており、耐震評価の対象の構造物の最下層部分(例えば、地下が無い場合、1階1001の下の地盤上に設けられた基礎)に印加される地動加速度を計測し、加速度データとして情報通信網を介して構造物安全性検証システム1に対して出力する。
層間変位計測部11は、例えば、加速度センサS0から加速度センサS6の各々から供給される加速度データを2回積分して、基礎1000、1階1001からn階100nまでの加速度方向の変位を求め、隣接する階同士の変位の差分を算出し、構造物100のそれぞれの階の層間変位δを求める。このとき、層間変位計測部11は、各加速度センサから供給される地震における加速度データから、各階毎に最大加速度を抽出して、この最大加速度を2回積分して距離を求め、この距離を各階毎の変位とする。また、層間変位計測部11は、得られた各階の層間変位δの各々を、それぞれの階の高さで除算し、各階の層間変形角Δ(ラジアン)を算出する。なお、加速度データから変位を求める方法は、本実施形態に記載されているもの以外の他の方法を用いても良い。また、層間変位計測部11は、例えば、加速度センサS0から加速度センサS6の各々から供給される加速度データに基づいて、地震の到来を検出してもよい。層間変位計測部11は、上記の加速度データの値が予め定めた閾値を超える加速度を検出した場合に、地震の到来を検出し、検出結果を計測制御部16に通知する。
図2は、構造物の固有周期の変化を示す図である。図2において、縦軸は固有周期を示しており、横軸は時間を示している。固有周期は、構造物の剛性に対応するものであり、剛性が低い場合に長くなり、剛性が高い場合に短くなる。すなわち、図2に示すように、地震による強い地震により応力が与えられることにより、構造物の構造躯体の部材(建物の主要な構造体や骨組みなど)あるいは非構造躯体の部材(雑壁、天井など)に損傷が発生し、構造物の剛性が低下し、固有振動数が低くなる。本実施形態においては、層間変形角Δ及び固有周期Tは絶対値にて示される。
また、上述した微振動センサSBの他に、構造物の最下層に他の微振動センサを設け、固有周期計測部12がこの他の微振動センサの微少振動データに基づいて、微振動センサSBの出力する微少振動データに重畳しているノイズ成分を除去し、より正確な固有周波数を求め、より正確な固有周期を求める構成としても良い。
また、固有周期の初期値に対して経時変化のマージンを加えて、固有周期の初期値の代わりに固有周期閾値を生成し、この固有周期閾値と固有周期Tとを比較するようにしても良い。ここで、固有周期の初期値<固有周期閾値である。この固有周期の初期値または固有周期閾値と、設計層間変形角とは、予め構造物安全性評価部13内の記憶部に記憶されており、構造物安全性評価部13が判定を行う際、自身内部の上記記憶部から読み出して用いる。なお、上記の固有周期に基づいた判定は、上記のように地震に起因する構造物100の損傷度を判定する用途に用いる他にも、他の外的要因に起因する構造物100の損傷度を判定する際に有効である。例えば、他の外的要因として、強風等が挙げられる。
層間変形角Δが設計層間変形角を超えており、かつ固有周期閾値に比較して固有周期が長くなり剛性が低下していると判断される場合には、建物の損傷の程度は以下に示すように推定される。建物の状況は、構造躯体の損傷は想定以上であり、建物の損傷の大きさが想定以上であると推定される。これにより、判定結果は、「建物の損傷の早急な調査が必要である」とされている。
層間変形角Δが設計層間変形角を超えており、一方、固有周期閾値に比較して固有周期Tに変化がなく剛性が維持されていると判断される場合には、建物の損傷の程度は以下に示すように推定される。固有周期Tの変化がないため、建物の構造躯体が設計における設計層間変形角より高い層間変形角として実際に建造されたとして、設計層間変形角を超えても損傷は想定以下と推定することができる。これにより、判定結果は、「継続使用可能であるが、注意して利用する必要がある」とされている。
層間変形角Δが設計層間変形角以下であり、一方、固有周期閾値に比較して固有周期Tが長くなり剛性が低下していると判断される場合には、建物の損傷の程度は以下に示すように推定される。固有周期Tが長くなっているが、層間変形角Δが設計層間変形以下であるため、構造躯体ではなく建物の非構造躯体が損傷を受けており、構造躯体の損傷は想定以下と推定することができる。これにより、判定結果は、「継続使用可能であるが、注意して利用する必要がある」とされている。
層間変形角Δが設計層間変形角以下であり、かつ固有周期閾値に比較して固有周期Tに変化がなく剛性が維持されていると判断される場合には、建物の損傷の程度は以下に示すように推定される。層間変形角Δが設計層間変形以下であり、かつ固有周期Tに変化がなく剛性が維持されているため、建物の構造躯体及び建物の非構造躯体のいずれも損傷を受けおらず、構造躯体の損傷は想定以下と推定することができる。これにより、判定結果は、「継続使用可能」とされている。
例えば、予め定めた所定の大きさより大きな振動を建物100に生じさせ得る要因として、地震と強風とを例示して説明する。地震の場合、計測制御部16は、通報サーバ9から、地震の到来を予測する情報の通報を受ける。例えば、地震の到来を予測する情報の通知とは、数秒後に地震が到来すること予測する「緊急地震速報」などの予測情報である。
なお、風速計が無い場合など、実際に測定した風から最大瞬間風速を得ることができない場合がある。このような場合には、実際に測定した風の最大瞬間風速を用いて強風が発生し始めたタイミングを検出する上記の方法を下記の方法に代えてもよい。例えば、「緊急地震速報」を用いる場合のように、計測制御部16は、通報サーバ9から気象予報などの情報の通知を受け、その通知された情報から予測される最大瞬間風速を定め、定めた最大瞬間風速を用いて判定するようにしてもよい。
図4のように、1階1001が「継続使用可能」と判定され、2階1002が「継続使用可能だが、注意して利用する必要がある」と判定され、2階1003が「早急な調査が必要」と判定され、4階1004が「継続使用可能だが、注意して利用する必要がある」と判定されている。
なお、上記は地震時に用いる判定結果テーブルを例示したものであるが、強風時などの外的要因の場合においても同様の判定結果テーブルを用いた判定を行うようにしてもよい。
計測制御部16は、地震の到来を検出したか否かを判定する。例えば、地震の到来を検出したか否かの判定では、計測制御部16が通報サーバ9から地震の到来を予測する情報の通知を受けたか否か、又は、層間変位計測部11により加速度センサS0から供給される加速度センサS0が計測した加速度が所定の地震判定閾値以上か否かを判定する。
ステップSm1における判定により、地震の到来を検出したと判定した場合(ステップSm1:Yes)、計測制御部16は、地震時の建物安全性評価モードの処理を開始させる。建物安全性評価部13は、地震時の建物安全性評価モードの処理を実施して評価結果を出力し、構造物安全性評価の処理を終える。
一方、ステップSm1における判定により、地震の到来を検出しなかったと判定した場合(ステップSm1:No)、計測制御部16は、強風を検出したか否かを判定する。
ステップSm3における判定により、強風を検出したと判定した場合(ステップSm3:Yes)、計測制御部16は、強風時の建物安全性評価モードの処理を開始させる。建物安全性評価部13は、強風時の建物安全性評価モードの処理を実施して評価結果を出力し、構造物安全性評価の処理を終える。
図5Bは、本実施形態による建物安全性検証システム1により地震時における建物の安全性を検証する処理(地震時の建物安全性評価モードの処理)の流れを示すフローチャートである。建物安全性検証システム1は、地震が発生した後、各階毎に図5Bのフローチャートの動作を行い、建物100の階毎の安全性の判定を行う。建物100がn階建てであれば、1階1001からn階100nまで順番にフローチャートによる判定処理を行う。計測制御部16が通報サーバ9から地震の到来を予測する情報の通知を受けた場合、又は、層間変位計測部11が、加速度センサS0から供給される加速度センサS0が計測した加速度が所定の地震判定閾値以上の場合、地震発生として以下のフローチャートの処理を実行する。
層間変位計測部11は、供給される加速度センサS0が計測した加速度データから加速度を抽出する。そして、層間変位計測部11は、この抽出した加速度を2回積分し、基礎部分の変位を算出する。
層間変位計測部11は、建物100のk階100k(1≦k≦n)に配置された加速度センサSkから供給される、それぞれの加速度センサSkに計測した加速度から、加速度センサS0の加速度を抽出する。そして、層間変位計測部11は、この抽出した加速度を2回積分し、各階の変位を算出し、それぞれ隣接する階の変位の差分を算出し、各階の層間変位δを算出する。ここで、建物100の1階1001の層間変位δは、1階1001の変位から基礎1000の変位を減算して求められる。
層間変位計測部11は、算出したk階100kの層間変位δの各々を、k階100kの高さでそれぞれ除算し、k階100kの層間変形角Δを算出する。
固有周期計測部12は、屋上100Rに配置された微振動センサSBから、地震発生後に供給される微振動データに対し、信号処理を行う。すなわち、固有周期計測部12は、微振動データのフーリエ解析を行い、最も高いパワースペクトルを有する周波数を抽出し、この周波数を固有周波数とする。そして、固有周期計測部12は、抽出した固有周波数の周期を求め、この周期を固有周期Tとする。
建物安全性評価部13は、建物100における1階1001からn階100nまでの全ての階における損傷程度の判定が行われたか否かの判定を行う。
このとき、建物安全性評価部13は、建物100における全ての階に対する判定が終了した場合、処理を終了し、建物100における全ての階に対する判定が終了していない場合、処理をステップS4へ進める。
建物安全性評価部13は、建物100の判定の終了していない階の層間変形角Δを層間変位計測部11から読み込み、この読み込んだ判定対象のk階100kの層間変形角Δと設計層間変形角との比較を行い、層間変形角Δが設計層間変形角を超えているかを判定する(第1の判定結果を求める)。このとき、建物安全性評価部13は、層間変形角Δが設計層間変形角を超えている場合、処理をステップS7へ進め、一方層間変形角Δが設計層間変形角を超えていない場合、処理をステップS6へ進める。
建物安全性評価部13は、固有周期計測部12から供給される固有周期Tと固有周期閾値とを比較し、固有周期Tが固有周期閾値以下であるか否かの判定を行う(第2の判定結果を求める)。このとき、建物安全性評価部13は、固有周期Tが固有周期閾値を超える場合、処理をステップS9へ進め、一方、固有周期Tが固有周期閾値以下である場合、処理をステップS10へ進める。ここで、説明においては、建物100の固有周期の初期値ではなく、この固有周期の初期値に対してマージンを持たせた固有周期閾値を用いている。
建物安全性評価部13は、固有周期計測部12から供給される固有周期Tと固有周期閾値とを比較し、固有周期Tが固有周期閾値以下であるか否かの判定を行う(第2の判定結果を求める)。このとき、建物安全性評価部13は、固有周期Tが固有周期閾値を超える場合、処理をステップS11へ進め、一方、固有周期Tが固有周期閾値以下である場合、処理をステップS12へ進める。
建物安全性評価部13は、データベース14の判定テーブルを参照し、層間変形角Δが設計層間変形角を超え、かつ固有周期Tが固有周期閾値を超えている場合、パラメータパターンが状態Aであることを検出する。
次に、建物安全性評価部13は、パラメータパターンが状態Aの判定である「早急な調査が必要である(A)」を、データベース14の判定結果テーブルにおける対応する評価対象のk階100kの判定結果の欄に書き込んで記憶させ、処理をステップS5へ進める。
建物安全性評価部13は、データベース14の判定テーブルを参照し、層間変形角Δが設計層間変形角を超え、一方、固有周期Tが固有周期閾値以下である場合、パラメータパターンが状態Bであることを検出する。
次に、建物安全性評価部13は、パラメータパターンが状態Bの判定である「継続使用可能だが、注意して利用する必要がある(B)」を、データベース14の判定結果テーブルにおける対応するk階100kの判定結果の欄に書き込んで記憶させ、処理をステップS5へ進める。
建物安全性評価部13は、データベース14の判定テーブルを参照し、層間変形角Δが設計層間変形角以下であり、一方、固有周期Tが固有周期閾値以下でない場合、パラメータパターンが状態Cであることを検出する。
次に、建物安全性評価部13は、パラメータパターンが状態Cの判定である「継続使用可能だが、注意して利用する必要がある(C)」を、データベース14の判定結果テーブルにおける対応するk階100kの判定結果の欄に書き込んで記憶させ、処理をステップS5へ進める。
建物安全性評価部13は、データベース14の判定テーブルを参照し、層間変形角Δが設計層間変形角以下であり、かつ固有周期Tが固有周期閾値以下である場合、パラメータパターンが状態Dであることを検出する。
次に、建物安全性評価部13は、パラメータパターンが状態Dの判定である「継続使用可能(D)」を、データベース14の判定結果テーブルにおける対応するk階100kの判定結果の欄に書き込んで記憶させ、処理をステップS5へ進める。
図5Cは、本実施形態による建物安全性検証システム1により強風時における建物の安全性を検証する処理(強風時の建物安全性評価モードの処理)の流れを示すフローチャートである。建物安全性検証システム1は、強風の発生を予測した後、各階毎に図5Cのフローチャートの動作を行い、建物100の階毎の安全性の判定を行う。建物100がn階建てであれば、1階1001からn階100nまで順番にフローチャートによる判定処理を行う。例えば、計測制御部16は、風力計SWが検出した最大瞬間風速が所定の最大風力判定閾値以上の場合、さらなる強風が発生し得ることを予測して以下のフローチャートの処理を実行する。
計測制御部16は、予め定めた所定の期間ごとに風力計SWが検出したデータから、その所定の期間ごとに風力計SWが検出した最大瞬間風速を抽出し、抽出した最大瞬間風速の値を構造物安全性評価部13に送りる。構造物安全性評価部13は、最大瞬間風速の値を14に時系列情報としてデータベース14に記憶させる。
層間変位計測部11は、建物100のk階100k(1≦k≦n)に配置された加速度センサSkから供給される、それぞれの加速度センサSkが計測した加速度から、加速度センサS0の加速度を抽出する。そして、層間変位計測部11は、この抽出した加速度を2回積分し、各階の変位を算出し、それぞれ隣接する階の変位の差分を算出し、各階の層間変位δを算出する。ここで、建物100の1階1001の層間変位δは、1階1001の変位から基礎1000の変位を減算して求められる。
層間変位計測部11は、算出したk階100kの層間変位δの各々を、k階100kの高さでそれぞれ除算し、k階100kの層間変形角Δを算出する。
ここで、計測制御部16は、風力計SWにより検出された最大瞬間風速の値が、予め定めた最大風力判定停止閾値以下になったか否かを判定する(ステップSa13)。ステップSa13における判定により、風力計SWにより検出された最大瞬間風速の値が、予め定めた最大風力判定停止閾値以下になったと判定された場合、ステップSa4の処理へ進める。一方、ステップSa13における判定により、風力計SWにより検出された最大瞬間風速の値が、予め定めた最大風力判定停止閾値以下になっていないと判定された場合、ステップSa1の処理へ進める。
固有周期計測部12は、屋上100Rに配置された微振動センサSBから、強風発生後に供給される微振動データに対し、信号処理を行う。すなわち、固有周期計測部12は、微振動データのフーリエ解析を行い、最も高いパワースペクトルを有する周波数を抽出し、この周波数を固有周波数とする。そして、固有周期計測部12は、抽出した固有周波数の周期を求め、この周期を固有周期Tとする。
また、本実施形態においては、建物100の全層に加速度センサを設けたが、例えば1階おきなど、複数階(複数層)のいくつかの層に加速度センサを設け、加速度センサを設けた階の損傷を判定するようにしても良い。
以下、図を用いて本発明の第2の実施形態の建物安全性検証システムの説明を行う。図6は、本発明の第2の実施形態による建物安全性検証システムの構成例と、評価対象の建物に設けた加速度センサ、微振動センサ及び傾斜角センサとが接続された構成を表す概念図である。
図6において、建物安全性検証システム2は、インターネットや建物内に設けられたLANなどからなる情報通信網Iを介して、第1の実施形態と同様に、建物100に設けられている各種センサから、それぞれのセンサが検出したデータが供給される。例えば、建物100のそれぞれの階の振動を検出するセンサとして加速度センサが設けられている。加速度センサS0からSn(0は基礎、1からnまでは建物の階数)の各々から地震の振動データとして加速度データが供給される。加速度センサS0、加速度センサS1からSnについては配置箇所が第1の実施形態と同様である。また、第2の実施形態においては、建物100の屋上100Rには、微振動センサSB、風力計SWに加え、傾斜角センサSJが配置されている。この傾斜角センサSJは、微振動センサSBと同様に、屋上100Rでなくとも、屋上100R近傍の最上階の上部(例えば、n階建てであればn階の天井など)に配置しても良い。
傾斜角計測部25は、建物100の屋上100Rに配置された傾斜角センサSJから供給される傾斜データによって、地平に対して垂直方向の軸に対する建物100の傾斜角θを算出する。本実施形態においては、層間変形角Δ、固有周期T及び傾斜角θは絶対値にて示される。
また、固有周期の初期値に対して経時変化のマージンを加えて、固有周期の初期値の代わりに、この固有周期の初期値に対してマージンを加えて固有周期閾値を生成し、この固有周期閾値と固有周期Tとを比較するようにしても良い。ここで、固有周期の初期値<固有周期閾値である。
・パターンP2 層間変形角Δが設計層間変形角を超えており、固有周期Tが固有周期閾値以下であり、傾斜角θが傾斜角の初期値以下であるパターン
・パターンP3 層間変形角Δが設計層間変形角以下であり、固有周期Tが固有周期閾値を超えており、傾斜角θが傾斜角の初期値以下であるパターン
・パターンP4 層間変形角Δが設計層間変形角を超えており、固有周期Tが固有周期閾値を超えており、傾斜角θが傾斜角の初期値以下であるパターン
・パターンP5 層間変形角Δが設計層間変形角以下であり、固有周期Tが固有周期閾値以下であり、傾斜角θが傾斜角の初期値を超えているパターン
・パターンP6 層間変形角Δが設計層間変形角を超えており、固有周期Tが固有周期閾値以下であり、傾斜角θが傾斜角の初期値を超えているパターン
・パターンP7 層間変形角Δが設計層間変形角以下であり、固有周期Tが固有周期閾値を超えており、傾斜角θが傾斜角の初期値を超えているパターン
・パターンP8 層間変形角Δが設計層間変形角を超えており、固有周期Tが固有周期閾値を超えており、傾斜角θが傾斜角の初期値を超えているパターン
判定結果:継続使用可能。
判定理由:パターンP1については、層間変形角Δが設計層間変形角以下であり、固有周期Tが固有周期閾値以下であり、傾斜角θが傾斜角の初期値以下であるため、建物100に対する損傷がないと判定される。また、パターンP2については、層間変形角Δが設計層間変形角を超えているが、固有周期Tが固有周期閾値以下であり、傾斜角θが傾斜角の初期値以下であるため、建物100に対する損傷がないと判定される。ここで、層間変形角Δが設計層間変形角を超えているのに、固有周期Tが固有周期閾値以下であり、傾斜角θが傾斜角の初期値以下であることから、建物100の実際の耐震性能が設計時より高く建設されているためと推定される。
判定結果:応急復旧時には使用可能と判断できるが、通常時に使用できるかどうかは調査が必要。
判定理由:固有周期Tが固有周期閾値以下であり、建物100の傾斜角θが傾斜角の閾値を超えている場合、建物100の立っている地盤が損傷していると推定される。
判定結果:非構造部材が損傷している可能性があり、応急復旧時に使用するとしても調査が必要。
判定理由:固有周期Tが固有周期閾値を超えており、建物100の傾斜角θが傾斜角の閾値を超えており、層間変形角Δが設計層間変形角以下である場合、建物100の非構造部材及び建物100の立っている地盤が損傷していると推定される。
判定結果:非構造部材が損傷している可能性があり、応急復旧時に使用するとしても調査が必要であるが、通常時の使用に関しては非構造部材を補修すれば継続使用可能。
判定理由:建物100の傾斜角θが傾斜角の閾値以下であるが、固有周期Tが固有周期閾値を超えているため、建物100の構造躯体に損傷が無く、非構造躯体に損傷の可能性があると推定される。
判定結果:継続使用不可。
判定理由:建物100の傾斜角θが傾斜角の閾値を超え、かつ固有周期Tが固有周期閾値を超え、かつ層間変形角Δが設計層間変形角を超えているため、建物100の構造躯体、非構造躯体及び地盤に損傷の可能性があると推定される。
層間変位計測部11は、供給される加速度センサS0が計測した加速度データから加速度を抽出する。そして、層間変位計測部11は、この抽出した加速度を2回積分し、基礎部分の変位を算出する。
層間変位計測部11は、建物100のk階100k(1≦k≦n)に配置された加速度センサSkから供給される、それぞれの加速度センサSkが計測した加速度から、加速度センサS0の加速度を抽出する。そして、層間変位計測部11は、この抽出した加速度を2回積分し、各階の変位を算出し、それぞれ隣接する階の変位の差分を算出し、各階の層間変位δを算出する。ここで、建物100の1階1001の層間変位δは、1階1001の変位から基礎1000の変位を減算して求められる。
なお、全体曲げ変形やロッキングが支配的な建物などに対しては、層間変位を算出する際に、傾斜角θの計測データを用いることでせん断変形成分をより精緻に算出する。
層間変位計測部11は、算出したk階100kの層間変位δの各々を、k階100kの高さでそれぞれ除算し、k階100kの層間変形角Δを算出する。なお、加速度データから変位を求める方法は、本実施形態に記載されているもの以外の他の方法を用いても良い。
固有周期計測部12は、屋上100Rに配置された微振動センサSBから、地震発生後に供給される微振動データに対し、信号処理を行う。すなわち、固有周期計測部12は、微振動データのフーリエ解析を行い、最も高いパワースペクトルを有する周波数を抽出し、この周波数を固有周波数とする。そして、固有周期計測部12は、抽出した固有周波数の周期を求め、この周期を固有周期Tとする。
傾斜角計測部25は、建物100の屋上100Rに配置されている傾斜角センサSJから供給される傾斜角データにより、建物100の傾斜角θを求める。
建物安全性評価部23は、建物100における1階1001からn階100nまでの全ての階における損傷程度の判定が行われたか否かの判定を行う。
このとき、建物安全性評価部23は、建物100における全ての階に対する判定が終了した場合、処理を終了し、建物100における全ての階に対する判定が終了していない場合、処理をステップS27へ進める。
建物安全性評価部23は、傾斜角計測部25から供給される傾斜角θと建物100の傾斜角の初期値との比較を行い、傾斜角θが傾斜角の初期値を超えているか否かを判定する(第3の判定結果を求める)。このとき、建物安全性評価部23は、傾斜角θが傾斜角の初期値を超えていない場合、処理をステップS28へ進め、一方、傾斜角θが傾斜角の初期値を超えている場合、処理をステップS29へ進める。
建物安全性評価部23は、固有周期計測部12から供給される固有周期Tと固有周期閾値とを比較し、固有周期Tが固有周期閾値以下であるか否かの判定を行う(第2の判定結果を求める)。このとき、建物安全性評価部23は、固有周期Tが固有周期閾値を超える場合、処理をステップS32へ進め、一方、固有周期Tが固有周期閾値以下である場合、処理をステップS31へ進める。ここで、説明においては、建物100の固有周期の初期値ではなく、この固有周期の初期値に対してマージンを持たせた固有周期閾値を用いている。
建物安全性評価部23は、固有周期計測部12から供給される固有周期Tと固有周期閾値とを比較し、固有周期Tが固有周期閾値以下であるか否かの判定を行う。このとき、建物安全性評価部23は、固有周期Tが固有周期閾値を超える場合、処理をステップS30へ進め、一方、固有周期Tが固有周期閾値以下である場合、処理をステップS33へ進める。
建物安全性評価部23は、建物100の判定の終了していない階の層間変形角Δを層間変位計測部11から読み込み、この読み込んだ判定対象のk階100kの層間変形角Δと設計層間変形角との比較を行い、層間変形角Δが設計層間変形角を超えているかを判定する(第1の判定結果を求める)。このとき、建物安全性評価部23は、層間変形角Δが設計層間変形角を超えている場合、処理をステップS35へ進め、一方層間変形角Δが設計層間変形角を超えていない場合、処理をステップS34へ進める。
建物安全性評価部23は、データベース24の判定テーブルを参照し、傾斜角θが傾斜角の初期値以下であり、固有周期Tが固有周期閾値以下である場合、パラメータパターンが状態Dであることを検出する。
次に、建物安全性評価部23は、パラメータパターンが状態Dの判定である「継続使用可能(D)」を、データベース24の判定結果テーブルにおける対応するk階100kの判定結果の欄に書き込んで記憶させ、処理をステップS26へ進める。
建物安全性評価部23は、データベース24の判定テーブルを参照し、傾斜角θが傾斜角の初期値以下であり、固有周期Tが固有周期閾値を超えている場合、パラメータパターンが状態Gであることを検出する。
次に、建物安全性評価部23は、パラメータパターンが状態Gの判定である「非構造部材が損傷している可能性があり、応急復旧時に使用するとしても調査が必要であるが、通常時の使用に関しては非構造部材を補修すれば継続使用可能(G)」を、データベース24の判定結果テーブルにおける対応するk階100kの判定結果の欄に書き込んで記憶させ、処理をステップS26へ進める。
建物安全性評価部23は、データベース24の判定テーブルを参照し、傾斜角θが傾斜角の初期値を超えており、固有周期Tが固有周期閾値以下である場合、パラメータパターンが状態Eであることを検出する。
次に、建物安全性評価部23は、パラメータパターンが状態Eの判定である「応急復旧時には使用可能と判断できるが、通常時に使用できるかどうかは調査が必要(E)」を、データベース24の判定結果テーブルにおける対応するk階100kの判定結果の欄に書き込んで記憶させ、処理をステップS26へ進める。
建物安全性評価部23は、データベース24の判定テーブルを参照し、傾斜角θが傾斜角の初期値を超えており、固有周期Tが固有周期閾値を超えており、層間変形角Δが設計層間変形角以下である場合、パラメータパターンが状態Fであることを検出する。
次に、建物安全性評価部23は、パラメータパターンが状態Fの判定である「非構造部材が損傷している可能性があり、応急復旧時に使用するとしても調査が必要(F)」を、データベース24の判定結果テーブルにおける対応するk階100kの判定結果の欄に書き込んで記憶させ、処理をステップS26へ進める。
建物安全性評価部23は、データベース24の判定テーブルを参照し、傾斜角θが傾斜角の初期値を超えており、固有周期Tが固有周期閾値を超えており、層間変形角Δが設計層間変形角を超えている場合、パラメータパターンが状態Hであることを検出する。
次に、建物安全性評価部23は、パラメータパターンが状態Hの判定である「継続使用不可(H)」を、データベース24の判定結果テーブルにおける対応するk階100kの判定結果の欄に書き込んで記憶させ、処理をステップS26へ進める。
また、本実施形態の建物安全性検証システム2は、第1の実施形態に示したような強風時における場合に対しても傾斜角θを用いる判定方法を適用させることができる。例えば、図5Aに示す手順に従って強風を検出し(ステップSm3)、強風時の構造物安全評価モード(ステップSm4)を実施する。ステップSm4の処理として、図5Cに示す処理と図8に示す処理を下記のように関連付ける。図5Cに示すステップSa1からステップSa4までの各ステップの処理により強風を検出した後のステップS5からステップS12までの各ステップの処理を、本実施形態の図8におけるステップS25からステップS35までの各ステップの処理に置き換えるとよい。これにより、構造物安全性検証システム2は、強風時における構造物の安全性を検証する場合に、構造物100の傾斜角を判定の条件に含めて構造物の安全性を評価することができる。
以下、本発明の第3の実施形態の構造物安全性検証システムの説明を行う。この第3の実施形態では、検証対象の構造物が免震構造を有する場合に対しての適用について例示する。
まず、免震構造を有する構造物について整理する。このような免震構造の構造物は、主に地震を想定して揺れの影響を低減させるように最適化されている。そのため、風が外的要因になる場合には、地震と異なるエネルギー成分の外力を受けることにより強風時に揺れが生じることがある。
例えば、パッシブ型の構成として、バネやダンパーが付いた剛体を載せる機構を備えるTMD(Tuned Mass Damper)、液体の入ったタンクを載せる機構を備えるTLD(Tuned Liquid Damper)などが知られている。
また、アクティブ型のものとして、付加質量の動きをコンピュータで制御する機構を備えるAMD(Active Mass Damper)や、ダンパーの特性を制御するアクティブダンパーなどが知られている。
次に、図9を参照して、免震特性を調整可能な免震構造を有する構造物に対する構造物安全性検証システム2Aの適用について説明する。
図9は、本発明の第3の実施形態による構造物安全性検証システムの構成例と、評価対象の構造物に設けた加速度センサ、微振動センサ、傾斜角センサ及び免震制御部とが接続された構成を表す概念図である。
図9において、構造物安全性検証システム2Aは、インターネットや構造物内に設けられたLANなどからなる情報通信網Iを介して、第2の実施形態と同様に、構造物100Aに設けられている各種センサから、それぞれのセンサが検出したデータが供給される。例えば、構造物100Aのそれぞれの階の振動を検出するセンサとして加速度センサが設けられている。加速度センサS0からSn(0は基礎、1からnまでは構造物の階数)の各々から地震の振動データとして加速度データが供給される。加速度センサS0、加速度センサS1からSnについては配置箇所が第1の実施形態と同様である。また、第2の実施形態においては、構造物100Aの屋上100Rには、微振動センサSB、風力計SWに加え、傾斜角センサSJが配置されている。この傾斜角センサSJは、微振動センサSBと同様に、屋上100Rでなくとも、屋上100R近傍の最上階の上部(例えば、n階建てであればn階の天井など)に配置しても良い。
また、耐震構造の構造物が1次のモードで共振することが多くなるのに対し、免震構造の構造物100Aは、高次(例えば、2次、3次など)の次数のモードで共振する場合が生じやすくなることが知られている。高次のモードのエネルギーが大きくなると、構造物100Aの最大振幅を発生する階が最上階になるとは限らず、中間階に生じることがある。
また、アクティブダンパーを備える構造物において、予め想定される特定の次数のモードが検出できるように、アクティブダンパーを制御するためのセンサを専用に設けて構成し、そのセンサからの信号に基づいて制御されるように構成することがある。
また、免震制御部5は、構造物安全性評価部23Aからの制御に応じてアクティブダンパー6の鋼性を調整して、基礎に対する構造物100Aの振動特性を調整する。免震制御部5がアクティブダンパー6を制御する基本的な制振制御は、一般的な手法を適用することができる。本実施形態では、構造物安全性評価部23Aからの制御に応じて、基礎に対する構造物100Aの振動特性を調整する方法を中心に説明する。
以下、上記についての具体的な実施例について説明する。
各種免震構造の特性を調整する制御方法として、以下の方法が挙げられる。例えば、免震制御部5は、互いに特性が異なる複数の免震特性モデルを予め数値化(又は数式化)して記憶しておく。免震制御部5は、構造物100Aの振動状況に応じて複数の免震特性モデルのうちから何れかを選択して、選択した免震特性モデルに基づいてアクティブダンパー6を制御する。個々の免震特性モデルの数値化(または数式化)は、既知の一般的な手法を用いて算出してもよい。
このように互いに特性が異なる免震特性モデルのうちから最も適した免震特性になるように、下記の外的要因の検出により構造物100Aの免震構造の特性切り替えるようにすることで、適した免震特性モデルを適用させることができる。
例えば、緊急地震通報を計測制御部16が受信した場合には、構造物安全性検証システム2Aを地震に対して備えた状態にする。
構造物安全性評価部23Aは、平常時に選択されている「地震時に適した特性モデル」により、免震構造によって地震波による振動エネルギーを吸収する。例えば、構造物を式(1)に示すようにマスダンパによりモデル化した場合に、同式の固有周期Tを比較的長くするように調整されている。
また、加速度センサにより検出される振動が収まり、予め定めた所定の大きさの振動が検出されなくなったことを層間変位計測部11が検出する。層間変位計測部11が検出してから予め所定の時間が経過した後に、層間変位計測部11は地震による大きな揺れが収まったものと判定する。この判定結果に従い、地震による大きな揺れが収まった段階で、構造物安全性評価部23Aは、地震に対して備えた状態を解除して、構造物の安全性の検証処理を実施する。
例えば、上記(1)の緊急地震通報を計測制御部16が受信しない状況のまま、先に加速度センサ(振動センサ)によって地震による揺れを層間変位計測部11が検出する場合がある。このような場合も、上記(1)に示した緊急地震通報を受信した場合のように、構造物安全性評価部23Aは、構造物安全性検証システム2Aを地震に対して備えた状態にする。
また、上記(1)と同様に、加速度センサにより検出された振動が所定の大きさより小さくなり、そのときより予め所定の時間が経過したタイミングで、地震による大きな揺れが収まったものと判定する。この判定結果に従い、地震による大きな揺れが収まった段階で、構造物安全性評価部23Aは、地震に対して備えた状態を解除して、構造物の安全性の検証処理を実施する。
例えば、瞬間最大風速が所定の大きさを越えたタイミングに応じて、構造物安全性評価部23Aは、平常時に選択されている「地震に適した特性モデル」が選択されている状態から、「強風時に適した特性モデル」を選択して、変更する。これにより、強風時の揺れの振動エネルギーを受ける前に、固有周期Tを比較的短くすることができる。
また、強風時に適した特性モデルを休止させるタイミングを、瞬間最大風速が所定の大きさより小さくなり、その後、所定の時間経過した後にする。このタイミングに応じて、強風時に適した特性モデルから、平常時に適した「地震に適した特性モデル」などに変更する。これにより、比較的短い値に調整していた固有周期Tを元の値の比較的長い値にすることができる。
大規模な地震が発生すると震源から離れた場所まで長周期地震動が生じることがある。長周期の地震波の到来を予測した場合に、構造物安全性評価部23Aは、平常時に選択されている「地震に適した特性モデル」が選択されている状態から、「長周期地震動に適した特性モデル」を選択して、変更する。これにより、長周期地震動による揺れの振動エネルギーを受ける前に、固有周期Tを比較的短くすることができる。また、固有周期Tの値を比較的短い値になるように調整することにより、構造物100Aが長周期の振動に共振することを避けることができる。
また、長周期地震動に適した特性モデルを休止させるタイミングを、長周期地震動による揺れが収まった段階にする。この段階で、長周期地震動に適した特性モデルから、平常時に適した「地震に適した特性モデル」などに変更する。これにより、比較的短い値に調整していた固有周期Tを元の値に戻すことができる。
なお、上記の実施形態の説明では、アクティブダンパー6を用いて免震特性を制御する構成を例示したが、上記の構成に制限されることなく他のアクティブ型の免震構造にも、上記と同様に適用することができる。例えば、他のアクティブ型の免震構造に適用する場合においても、上記のように、互いに特性が異なる免震特性モデルのうちから最も適した免震特性を選択するように構成することで、適した免震特性モデルを適用させることができる。
さらに、免震構造の他の方式への適用として、パッシブ型の免震構造の稼働状態を制限して免震特性を調整する方法が挙げられる。例えば、TMDの機能を休止させたり、TMDの振動を減衰させる減衰係数を調整したりする条件に、本実施形態において検出した外的要因位とその外的要因に応じた調整方法を適用させて、免震特性の調整に応用してもよい。
以下、本発明の第3の実施形態の変形例としての構造物安全性検証システム23Aの説明を行う。上記の第3の実施形態では、検証対象の構造物が免震構造を有する構成について例示した。本第3の実施形態の変形例では、アクティブ型の制振制御を実施する場合に用いる構造モデル(例えば、マス・ダンパ・モデル)を補正するように、本構造物安全性検証システム23Aを利用する形態について説明する。
そこで、第3の実施形態の変形例では、構造物安全性検証システム23Aの解析結果を、構造物の構造モデルを用いたアクティブ型の制振制御に適用して、その構造モデルの精度を高める方法を例示する。
構造物安全性検証システム2Aは、構造物安全性検証システム2Aの検証処理の過程で取得した各種データに基づいて、予め定めた構造モデルの中から適した構造モデルを選択する。構造物安全性検証システム2Aは、選択した構造モデルを免震制御部5に対して指示する。
免震制御部5は、構造物安全性検証システム2Aからの指示に応じて、記憶していた複数の構造モデルのうちから指示された構造モデルを選択する。免震制御部5は、選択した構造モデルに従ってアクティブ型の制振制御を実施する。
例えば、構造物安全性検証システム2Aが構造モデルを選択する際には、実測値に基づいた構造物の固有周期や、地震時の応答特性データなどを用いることができる。構造物安全性評価部23は、このような各種データを用いて、適した構造モデルを選択する。
上記の実施形態では、対象とする構造物として、いわゆる建物を図示して説明したが、他の構成の構造物に対しても適用可能である。例えば、地上高を有する構造物や、地上高を有する構造物に他の構造物を組み合わせて構成された対象物に対して適用することができる。地上高を有する構造物としては、鉄塔、鉄柱、橋梁、高架橋などの構造物が挙げられる。地上高を有する構造物に他の構造物を組み合わせて構成された対象物としては、建物と建物の屋上に鉄塔を設けた構造物などが挙げられる。
なお、第3の実施形態において説明したTMD,AMDなどを構成する付加質量機構を配置する位置は、構造物の頂部等に限られることなく、構造物の頂頭部以外の他の場所に設けたり、構造物に分散して配置したりしてもよい。
Claims (16)
- 複数の層からなる構造物の前記層の振動を計測するセンサが当該構造物に設けられており、構造物近傍の風力値の情報と構造物に振動を与える地震の到来を予測する情報の両方を対象の情報にして、前記構造物近傍の風力値の情報と前記構造物に振動を与える地震の到来を予測する情報の少なくとも何れかの情報に応じて、前記センサの計測データから前記層の層間変位を求める層間変位計測部と、
前記構造物の最上層あるいは当該最上層近傍の層の微振動を計測する微振動センサから、当該構造物の常時微動の固有周期を求める固有周期計測部と、
前記層間変位計測部が求めた前記層間変位と、前記固有周期計測部が求めた前記固有周期とにより、前記構造物の健全性を評価する構造物安全性評価部と、
前記構造物に振動を与える風の到来を検出する計測制御部と
を備え、
前記計測制御部は、
瞬間風速の大きさに応じて前記構造物に振動を与える風の到来を検出し、
前記構造物安全性評価部は、
前記瞬間風速の大きさに基づいて前記構造物の健全性を評価する
ことを特徴とする構造物安全性検証システム。 - 複数の層からなる構造物の前記層の振動を計測するセンサが当該構造物に設けられており、構造物近傍の風力値の情報と構造物に振動を与える地震の到来を予測する情報の両方を対象の情報にして、前記構造物近傍の風力値の情報と前記構造物に振動を与える地震の到来を予測する情報の少なくとも何れかの情報に応じて、前記センサの計測データから前記層の層間変位を求める層間変位計測部と、
前記構造物の最上層あるいは当該最上層近傍の層の微振動を計測する微振動センサから、当該構造物の常時微動の固有周期を求める固有周期計測部と、
前記層間変位計測部が求めた前記層間変位と、前記固有周期計測部が求めた前記固有周期とにより、前記構造物の健全性を評価する構造物安全性評価部と、
前記構造物に振動を与える風の到来を検出する計測制御部と
を備え、
前記計測制御部が前記構造物の近傍の所定値を超える瞬間風速を検出すると、
前記層間変位計測部は、
前記構造物に振動を与える風がおさまるまで前記構造物の変形量を検出し、
前記固有周期計測部は、
前記風がおさまった後に前記固有周期を算出し、
前記構造物安全性評価部は、
前記構造物の前記変形量と前記固有周期とに基づいて前記構造物の健全性を評価する
ことを特徴とする構造物安全性検証システム。 - 複数の層からなる構造物の前記層の振動を計測するセンサが当該構造物に設けられており、構造物近傍の風力値の情報と構造物に振動を与える地震の到来を予測する情報の両方を対象の情報にして、前記構造物近傍の風力値の情報と前記構造物に振動を与える地震の到来を予測する情報の少なくとも何れかの情報に応じて、前記センサの計測データから前記層の層間変位を求める層間変位計測部と、
前記構造物の最上層あるいは当該最上層近傍の層の微振動を計測する微振動センサから、当該構造物の常時微動の固有周期を求める固有周期計測部と、
前記層間変位計測部が求めた前記層間変位と、前記固有周期計測部が求めた前記固有周期とにより、前記構造物の健全性を評価する構造物安全性評価部と、
前記構造物に振動を与える風の到来を検出する計測制御部と
を備え、
前記構造物安全性評価部は、
緊急地震速報を受信したとき、前記センサで地震を検出したとき、所定の大きさの風を検出したとき、及び長周期地震動を検出したときに応じて、前記構造物の健全性の評価に関する解析の手法を調整する
ことを特徴とする構造物安全性検証システム。 - 前記構造物安全性評価部は、
前記風の到来を最大瞬間風速の大きさに応じて検出し、前記構造物の健全性を評価する
ことを特徴とする請求項1から請求項3の何れか1項に記載の構造物安全性検証システム。 - 前記構造物の近傍の瞬間風速を検出して、前記風力値の情報を出力する風力検出部
を備え、
前記構造物安全性評価部は、
前記検出した瞬間風速から抽出した前記最大瞬間風速の大きさに応じて、前記構造物の健全性を評価する
ことを特徴とする請求項4に記載の構造物安全性検証システム。 - 前記計測制御部は、
前記構造物に振動を与える地震の到来を予測する情報を取得し、
前記センサは、
前記取得した地震の到来を予測する情報が示す震度の大きさに応じて前記構造物の前記層の振動を計測する
ことを特徴とする請求項1から請求項5の何れか1項に記載の構造物安全性検証システム。 - 前記構造物安全性評価部が、
前記層間変位が予め設定された層間変位閾値を超えるか否かを判定した第1の判定結果と、また前記固有周期が予め設定した固有周期閾値を超えるか否かを判定した第2の判定結果との組み合わせにより、前記構造物の健全性を評価する
ことを特徴とする請求項1から6の何れか1項に記載の構造物安全性検証システム。 - 前記構造物の最上層あるいは最上層近傍に配置され、当該構造物の傾斜角を計測する
傾斜角計測部をさらに有し、
前記構造物安全性評価部が、
前記層間変位、前記固有周期及び前記傾斜角により、前記構造物の健全性を評価する
ことを特徴とする請求項1から7の何れか1項に記載の構造物安全性検証システム。 - 前記構造物安全性評価部が、
前記層間変位が予め設定された層間変位閾値を超えるか否かを判定した第1の判定結果と、また前記固有周期が予め設定した固有周期閾値を超えるか否かを判定した第2の判定結果と、前記傾斜角が予め設定した傾斜角閾値を超えるか否かを判定した第3の判定結果との組み合わせにより、前記構造物の健全性を評価する
ことを特徴とする請求項8に記載の構造物安全性検証システム。 - 前記構造物安全性評価部の評価結果に基づいて、前記構造物における免震構造の免震特性を調整する
ことを特徴とする請求項1から9の何れか1項に記載の構造物安全性検証システム。 - 複数の層からなる構造物の前記層の振動を計測するセンサが当該構造物に設けられており、構造物近傍の風力値の情報と構造物に振動を与える地震の到来を予測する情報の両方を対象の情報にして、前記構造物近傍の風力値の情報と前記構造物に振動を与える地震の到来を予測する情報の少なくとも何れかの情報に応じて、前記センサの計測データから前記各層の層間変位を層間変位計測部が求めるステップと、
前記構造物の最上層あるいは当該最上層近傍の層の微振動を計測する微振動センサから、当該構造物の常時微動の固有周期を固有周期計測部が求めるステップと、
前記層間変位計測部が求めた前記層間変位と、前記固有周期計測部が求めた前記固有周期とにより、前記構造物の健全性を評価するステップと、
瞬間風速の大きさに応じて前記構造物に振動を与える風の到来を検出するステップと、
前記構造物の健全性を評価するステップにおいて、前記瞬間風速の大きさに基づいて前記構造物の健全性を評価するステップと
を含むことを特徴とする構造物安全性検証方法。 - 複数の層からなる構造物の前記層の振動を計測するセンサが当該構造物に設けられており、構造物近傍の風力値の情報と構造物に振動を与える地震の到来を予測する情報の両方を対象の情報にして、前記構造物近傍の風力値の情報と前記構造物に振動を与える地震の到来を予測する情報の少なくとも何れかの情報に応じて、前記センサの計測データから前記各層の層間変位を層間変位計測部が求めるステップと、
前記構造物の最上層あるいは当該最上層近傍の層の微振動を計測する微振動センサから、当該構造物の常時微動の固有周期を固有周期計測部が求めるステップと、
前記層間変位計測部が求めた前記層間変位と、前記固有周期計測部が求めた前記固有周期とにより、前記構造物の健全性を評価するステップと、
前記構造物に振動を与える風の到来を検出するステップと、
前記構造物に振動を与える風の到来を検出するステップにおいて、前記構造物の近傍の所定値を超える瞬間風速を検出すると、
前記構造物に振動を与える風がおさまるまで前記構造物の変形量を検出し、
前記風がおさまった後に前記固有周期を算出し、
前記構造物の前記変形量と前記固有周期とに基づいて前記構造物の健全性を評価するステップと
を含むことを特徴とする構造物安全性検証方法。 - 複数の層からなる構造物の前記層の振動を計測するセンサが当該構造物に設けられており、構造物近傍の風力値の情報と構造物に振動を与える地震の到来を予測する情報の両方を対象の情報にして、前記構造物近傍の風力値の情報と前記構造物に振動を与える地震の到来を予測する情報の少なくとも何れかの情報に応じて、前記センサの計測データから前記各層の層間変位を層間変位計測部が求めるステップと、
前記構造物の最上層あるいは当該最上層近傍の層の微振動を計測する微振動センサから、当該構造物の常時微動の固有周期を固有周期計測部が求めるステップと、
前記層間変位計測部が求めた前記層間変位と、前記固有周期計測部が求めた前記固有周期とにより、前記構造物の健全性を評価するステップと、
前記構造物に振動を与える風の到来を検出するステップと、
前記構造物の健全性を評価するステップにおいて、緊急地震速報を受信したとき、前記センサで地震を検出したとき、所定の大きさの風を検出したとき、及び長周期地震動を検出したときに応じて、前記構造物の健全性の評価に関する解析の手法を調整するステップと
を含むことを特徴とする構造物安全性検証方法。 - 複数の層からなる構造物の安全性を評価する構造物安全性検証システムのコンピュータに、
複数の層からなる構造物の前記層の振動を計測するセンサが当該構造物に設けられており、構造物近傍の風力値の情報と構造物に振動を与える地震の到来を予測する情報の両方を対象の情報にして、前記構造物近傍の風力値の情報と前記構造物に振動を与える地震の到来を予測する情報の少なくとも何れかの情報に応じて、前記センサの計測データから前記層の層間変位を層間変位計測部が求めるステップと、
前記構造物の最上層あるいは当該最上層近傍の層の微振動を計測する微振動センサから、当該構造物の常時微動の固有周期を固有周期計測部が求めるステップと、
前記層間変位計測部が求めた前記層間変位と、前記固有周期計測部が求めた前記固有周期とにより、前記構造物の健全性を評価するステップと、
瞬間風速の大きさに応じて前記構造物に振動を与える風の到来を検出するステップと、
前記構造物の健全性を評価するステップにおいて、前記瞬間風速の大きさに基づいて前記構造物の健全性を評価するステップと
を実行させるためのプログラム。 - 複数の層からなる構造物の安全性を評価する構造物安全性検証システムのコンピュータに、
複数の層からなる構造物の前記層の振動を計測するセンサが当該構造物に設けられており、構造物近傍の風力値の情報と構造物に振動を与える地震の到来を予測する情報の両方を対象の情報にして、前記構造物近傍の風力値の情報と前記構造物に振動を与える地震の到来を予測する情報の少なくとも何れかの情報に応じて、前記センサの計測データから前記層の層間変位を層間変位計測部が求めるステップと、
前記構造物の最上層あるいは当該最上層近傍の層の微振動を計測する微振動センサから、当該構造物の常時微動の固有周期を固有周期計測部が求めるステップと、
前記層間変位計測部が求めた前記層間変位と、前記固有周期計測部が求めた前記固有周期とにより、前記構造物の健全性を評価するステップと、
前記構造物に振動を与える風の到来を検出するステップと、
前記構造物に振動を与える風の到来を検出するステップにおいて、前記構造物の近傍の所定値を超える瞬間風速を検出すると、
前記構造物に振動を与える風がおさまるまで前記構造物の変形量を検出し、
前記風がおさまった後に前記固有周期を算出し、
前記構造物の前記変形量と前記固有周期とに基づいて前記構造物の健全性を評価するステップと
を実行させるためのプログラム。 - 複数の層からなる構造物の安全性を評価する構造物安全性検証システムのコンピュータに、
複数の層からなる構造物の前記層の振動を計測するセンサが当該構造物に設けられており、構造物近傍の風力値の情報と構造物に振動を与える地震の到来を予測する情報の両方を対象の情報にして、前記構造物近傍の風力値の情報と前記構造物に振動を与える地震の到来を予測する情報の少なくとも何れかの情報に応じて、前記センサの計測データから前記層の層間変位を層間変位計測部が求めるステップと、
前記構造物の最上層あるいは当該最上層近傍の層の微振動を計測する微振動センサから、当該構造物の常時微動の固有周期を固有周期計測部が求めるステップと、
前記層間変位計測部が求めた前記層間変位と、前記固有周期計測部が求めた前記固有周期とにより、前記構造物の健全性を評価するステップと、
前記構造物に振動を与える風の到来を検出するステップと、
前記構造物の健全性を評価するステップにおいて、緊急地震速報を受信したとき、前記センサで地震を検出したとき、所定の大きさの風を検出したとき、及び長周期地震動を検出したときに応じて、前記構造物の健全性の評価に関する解析の手法を調整するステップと
を実行させるためのプログラム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014140777A JP6499832B2 (ja) | 2014-07-08 | 2014-07-08 | 構造物安全性検証システム、構造物安全性検証方法及びプログラム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014140777A JP6499832B2 (ja) | 2014-07-08 | 2014-07-08 | 構造物安全性検証システム、構造物安全性検証方法及びプログラム |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2016017846A JP2016017846A (ja) | 2016-02-01 |
JP6499832B2 true JP6499832B2 (ja) | 2019-04-10 |
Family
ID=55233157
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2014140777A Active JP6499832B2 (ja) | 2014-07-08 | 2014-07-08 | 構造物安全性検証システム、構造物安全性検証方法及びプログラム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6499832B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20210024762A (ko) * | 2019-08-26 | 2021-03-08 | 한국건설기술연구원 | 구조물의 긴급 동적 안정성 판단 시스템 |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN113390390A (zh) * | 2020-03-11 | 2021-09-14 | 特尔科股份有限公司 | 测定构筑物的安全相关数据的智能安全管理传感器 |
Family Cites Families (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH1114448A (ja) * | 1997-06-19 | 1999-01-22 | Fujita Corp | 構造物の振動観測方法および装置 |
JP2005121464A (ja) * | 2003-10-16 | 2005-05-12 | Mitsubishi Space Software Kk | 構造物監視サーバ及び構造物監視システム及び構造物監視方法及び構造物監視プログラム及び構造物監視プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体 |
JP4859557B2 (ja) * | 2006-06-30 | 2012-01-25 | 財団法人電力中央研究所 | コンクリート建物の健全性判定方法 |
JP4822337B2 (ja) * | 2006-08-03 | 2011-11-24 | 株式会社山武 | 建築構造物の診断方法 |
JP4914162B2 (ja) * | 2006-09-29 | 2012-04-11 | 株式会社竹中工務店 | 地震被害判定装置、地震被害判定方法及び地震被害判定プログラム |
JP5082940B2 (ja) * | 2008-03-07 | 2012-11-28 | 富士通株式会社 | 災害観測システムおよび災害解析プログラム |
JP5586890B2 (ja) * | 2009-07-29 | 2014-09-10 | トヨタホーム株式会社 | 制振装置の調整方法 |
-
2014
- 2014-07-08 JP JP2014140777A patent/JP6499832B2/ja active Active
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20210024762A (ko) * | 2019-08-26 | 2021-03-08 | 한국건설기술연구원 | 구조물의 긴급 동적 안정성 판단 시스템 |
KR102284421B1 (ko) * | 2019-08-26 | 2021-08-03 | 한국건설기술연구원 | 구조물의 긴급 동적 안정성 판단 시스템 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2016017846A (ja) | 2016-02-01 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5809174B2 (ja) | 建物安全性検証システム、建物安全性検証方法及びプログラム | |
US8577628B2 (en) | System and method for modal identification using smart mobile sensors | |
US10648881B2 (en) | Seismic response assessment of man-made structures | |
Kang et al. | Performance evaluation of TMD under typhoon using system identification and inverse wind load estimation | |
JP5586890B2 (ja) | 制振装置の調整方法 | |
JP5911733B2 (ja) | 免震建築物の安全評価システム | |
WO2009123656A1 (en) | Resonance frequency tuning in an energy absorbing device | |
Türker et al. | Experimental and numerical investigation of brace configuration effects on steel structures | |
Boscato et al. | Anime Sante church's dome after 2009 l'aquila earthquake, monitoring and strengthening approaches | |
JP2009191961A (ja) | 既存大型構造物の制振システム及び制振装置 | |
JP6499832B2 (ja) | 構造物安全性検証システム、構造物安全性検証方法及びプログラム | |
Marano et al. | Stochastic optimum design criterion for linear damper devices for seismic protection of buildings | |
JP6475930B2 (ja) | 総合監視装置、総合監視プログラム | |
JP5495684B2 (ja) | エレベーター地震被害予測装置 | |
JP2016080538A (ja) | 振動試験装置、振動試験方法 | |
Huang et al. | Control performance of suspended mass pendulum with the consideration of out‐of‐plane vibrations | |
JP2019060884A (ja) | 建物耐震性評価システム及び建物耐震性評価方法 | |
JP5799183B2 (ja) | 建物安全性検証システム、建物安全性検証方法及びプログラム | |
Utne | Numerical models for dynamic properties of a 14 storey timber building | |
Adam et al. | Seismic performance of tuned mass dampers | |
Benavent-Climent et al. | Shaking table tests of structures with hysteretic dampers: experimental results versus prediction using non-linear static methods | |
Valdés‐González et al. | Experiments for seismic damage detection of a RC frame using ambient and forced vibration records | |
JP2016017848A (ja) | 構造物検証システム、構造物検証装置、構造物検証プログラム | |
JP6363539B2 (ja) | 建物の損傷部位の推定方法 | |
Hudson et al. | Active control of concert-induced vibrations |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20170706 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20180516 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20180529 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20180723 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20181221 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20190201 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20190219 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20190318 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6499832 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |