JP2019060884A - 建物耐震性評価システム及び建物耐震性評価方法 - Google Patents
建物耐震性評価システム及び建物耐震性評価方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2019060884A JP2019060884A JP2018218642A JP2018218642A JP2019060884A JP 2019060884 A JP2019060884 A JP 2019060884A JP 2018218642 A JP2018218642 A JP 2018218642A JP 2018218642 A JP2018218642 A JP 2018218642A JP 2019060884 A JP2019060884 A JP 2019060884A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- building
- vibration
- analysis
- unit
- acceleration
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
- 238000011156 evaluation Methods 0.000 title claims description 83
- 238000006073 displacement reaction Methods 0.000 claims abstract description 55
- 238000012546 transfer Methods 0.000 claims abstract description 46
- 238000001514 detection method Methods 0.000 claims abstract description 45
- 238000012545 processing Methods 0.000 claims abstract description 42
- 238000009795 derivation Methods 0.000 claims abstract description 5
- 230000033001 locomotion Effects 0.000 claims description 24
- 238000013016 damping Methods 0.000 claims description 20
- 230000004044 response Effects 0.000 abstract description 116
- 238000012795 verification Methods 0.000 abstract 1
- 239000011159 matrix material Substances 0.000 description 169
- 230000001133 acceleration Effects 0.000 description 166
- 238000004088 simulation Methods 0.000 description 63
- 238000004364 calculation method Methods 0.000 description 58
- 230000006870 function Effects 0.000 description 37
- 230000008859 change Effects 0.000 description 30
- 238000000034 method Methods 0.000 description 28
- 238000013461 design Methods 0.000 description 22
- 230000008569 process Effects 0.000 description 22
- 239000013598 vector Substances 0.000 description 21
- 239000010410 layer Substances 0.000 description 13
- 230000005540 biological transmission Effects 0.000 description 12
- 238000004891 communication Methods 0.000 description 10
- 238000004422 calculation algorithm Methods 0.000 description 8
- 230000003068 static effect Effects 0.000 description 7
- 239000011229 interlayer Substances 0.000 description 6
- 238000010586 diagram Methods 0.000 description 4
- 239000000284 extract Substances 0.000 description 4
- 239000007787 solid Substances 0.000 description 4
- 238000002922 simulated annealing Methods 0.000 description 3
- 230000002068 genetic effect Effects 0.000 description 2
- 239000000463 material Substances 0.000 description 2
- 230000035945 sensitivity Effects 0.000 description 2
- 241001522296 Erithacus rubecula Species 0.000 description 1
- 238000010276 construction Methods 0.000 description 1
- 230000006866 deterioration Effects 0.000 description 1
- 239000004973 liquid crystal related substance Substances 0.000 description 1
- 238000012986 modification Methods 0.000 description 1
- 230000004048 modification Effects 0.000 description 1
- 238000005192 partition Methods 0.000 description 1
- 230000002093 peripheral effect Effects 0.000 description 1
- 230000000704 physical effect Effects 0.000 description 1
- 230000002787 reinforcement Effects 0.000 description 1
- 238000010187 selection method Methods 0.000 description 1
- 230000002123 temporal effect Effects 0.000 description 1
- 230000000007 visual effect Effects 0.000 description 1
Images
Landscapes
- Testing Of Devices, Machine Parts, Or Other Structures Thereof (AREA)
Abstract
Description
この解析モデルは、質量マトリクス、減衰マトリクス及び剛性マトリクスの各々を、それぞれ加速度、速度、変位に乗じて構成される、多質点系の運動方程式(常微分方程式)として生成される。
この建物の地震動による加速度を解析モデルに印加することにより、各質点における応答値の解析を行い、新築住宅の建物としての耐震設計あるいは既存住宅の耐震補強等の必要箇所の推定を実現することが可能となる(例えば、特許文献1)。
しかし、剛性マトリクスや質量マトリクスの各々は、材料特性のバラツキ、施工誤差、経年劣化、什器などの建物内部設置物の重量変動、解析上の剛性・耐力評価式の精度などにより、建物の実情とは異なる。
この結果、設計時における条件で作成した解析モデルは、実際の建物の地震における応答特性には対応しておらず、建物の実情を精度良く反映した応答解析を行うことができない。
(2)本発明の建物耐震性評価システムにおける前記振動パラメータ導出部は、前記検出部によって検出された常時微動から、前記振動パラメータを導出する。
(3)本発明の建物耐震性評価システムにおける前記振動パラメータ導出部は、前記建物の固有周期又は減衰定数を含む前記振動パラメータを導出する。
(4)本発明の建物耐震性評価システムにおける前記解析処理部は、前記導出された振動パラメータに基づく演算式により決定される条件を解析処理に用いる。
(5)本発明の建物耐震性評価システムにおける前記決定される条件は、前記建物の状態に対応した解析モデルに基づいて導出される条件である。
(6)本発明の建物耐震性評価システムにおける前記解析処理部は、前記検出部により検出された振動に基づいて、前記建物の伝達特性を近似する。
(7)本発明の建物耐震性評価方法は、建物のそれぞれ異なる高さの箇所の振動を検出部がそれぞれ検出するステップと、前記検出部によって検出された振動から、前記建物の振動の伝達特性を示す振動パラメータを導出する振動パラメータ導出ステップと、前記検出部によって検出された振動を、前記建物の解析対象の位置毎に解析する解析処理ステップと、前記建物の振動の前記建物の解析対象の位置毎の解析結果に基づいて、前記建物の損傷状況を推定するステップと、を含み、前記振動パラメータ導出ステップにおいて、前記検出部によって検出された振動に所定値以上の大きさの振動が含まれていない第1期間の振動データに基づき、前記建物の振動パラメータを導出し、前記解析処理ステップにおいて、前記検出部によって検出された振動に前記所定値以上の大きさの振動が含まれている第2期間の振動データを解析の対象とし、前記導出された振動パラメータに基づき決定される条件を解析処理に用いて、前記建物の解析対象の位置の変位又は変形量を得る。
(8)また、本発明に関連する建物耐震性評価システムには、以下のものがある。
例えば、建物耐震性評価システムは、建物の設計データから生成した解析モデルにより、当該建物の振動における応答解析シミュレーションを行う建物耐震性評価システムであり、前記解析モデルにより、前記建物の評価対象位置における応答値を求める応答解析シミュレーションを行う応答解析シミュレーション部と、前記建物の複数の前記評価対象位置に設けられた加速度センサの振動データから得られた応答値と、前記応答解析シミュレーションの結果における前記評価対象位置に対応する位置における応答値との差分を誤差データとして求める誤差データ算出部と、前記解析モデルの質量、減衰及び剛性を示す係数を変更する解析モデル変更部とを備え、前記解析モデル変更部が、前記誤差データが予め設定した閾値未満となるまで、前記係数を変化させる毎に、前記応答解析シミュレーション部に当該係数を変化させた解析モデルにより応答解析シミュレーションを実行させることを特徴とする。
例えば、建物耐震性評価方法は、建物の設計データから生成した解析モデルにより、当該建物の振動における応答解析を行う建物耐震性評価方法であり、応答解析シミュレーション部が、前記解析モデルにより、前記建物の評価対象位置における応答値を求める応答解析シミュレーションを行う応答解析シミュレーション過程と、誤差データ算出が、前記建物の複数の前記評価対象位置に設けられた加速度センサの振動データから得られた応答値と、前記応答解析シミュレーションの結果における前記評価対象位置に対応する位置における振動データとの差分を誤差データとして求める誤差データ算出過程と、解析モデル変更部が、前記解析モデルの少なくとも質量及び剛性の係数を変更する解析モデル変更過程とを含み、前解析モデル変更部が、前記誤差データが予め設定した閾値未満となるまで、前記係数を変化させる毎に、前記応答解析シミュレーション部に当該係数を変化させた解析モデルにより応答解析シミュレーションが実行されることを特徴とする。
以下、図を用いて本発明の第1の実施形態の建物耐震性評価システムの説明を行う。図1は、本発明の第1の実施形態による建物耐震性評価システムの構成例と、評価対象の建物に設けた加速度センサとが接続された構成を表す概念図である。
図1において、建物耐震性評価システム1は、インターネットなどからなる情報通信網Iを介して、建物100に設けられている加速度センサS0、Sk及びSmの各々から地震動の振動データとして加速度データが供給される。加速度センサS0は、地上階に設けられており、耐震評価の対象の建物の最下層部分に印加される加速度を測定する。また、加速度センサS0、Sk及びSmの各々は、自身に印加される加速度の加速度値を加速度データとして、常時、情報通信網Iを介して建物耐震性評価システム1に対して送信している。
送受信部13は、加速度センサS0、Sk及びSmの各々からの加速度データを情報通信網Iを介して受信し、この加速度データを加速度データに付加されているセンサの各々を識別するセンサ識別情報とともに、受信した加速度データを時系列にデータベース16に対し、建物100に対応させて書き込んで記憶させる。
また、送受信部13は、推定された損傷箇所を示す解析データなどを、情報通信網Iを介して図示しない建物100の管理を行う管理センタに設けられた端末(サーバあるいはパーソナルコンピュータ)に送信する。
表示部17は、画像を表示する表示装置であり、例えば液晶表示装置などである。
ここで、例えば、解析モデルを生成するための基本モデルは、以下の(1)式に示す運動方程式である。
[M0]{x’’} + [C0]{x’} + [K0]{x}=−[M0]y0’’…(1)
この(1)式において、[M0]は質量マトリクスであり、[C0]は減衰マトリクスであり、[K0]は剛性マトリクスである。また、質量マトリクス[M0]、減衰マトリクス[C0]、剛性マトリクス[K0]の各々のマトリクス要素(以下、単に要素とする)は、要素の列数及び行数がディフォルト値となっている。y0’’は、解析モデルの最下層における地震の加速度(地動加速度、地表面に対して平行な方向における加速度)を示している。
また、各マトリクスの要素を予め設計データから算出し、建物100の階数及び設計データに対応させてデータベース16予め書き込んで記憶させておく。そして、解析モデル生成部10がデータベース16から、建物100に対応して各マトリクスの要素を読み出し、このマトリクス各々の要素の次元にあわせて基本モデルを拡張して変更し、建物の解析モデルの第1世代を生成するようにしても良い。
[MD]{x’’} + [CD]{x’} + [KD]{x}=−[MD]y0’’…(2)
この(2)式において、x’’は地震の加速度(地表面に対して平行な方向における加速度)を示し、x’は速度、xは変位量を示している。この加速度{x’’}、速度{x’}、変位{x’}は、すでに説明したように、各階を質点とした応答値とした構成である。
応答解析シミュレーション部11は、耐震評価を行う対象の建物100に対応する(2)式をデータベース16から読み出し、この(2)式に対して加速度センサS0から供給される加速度データである加速度y0’’(建物100の最下層に設置された加速度センサS0の検出する加速度値)を用いて、質点としての各階における列ベクトルである加速度{x’’}、速度{x’}、変位{x’}の各々の応答値を求める(応答解析シミュレーションを行う)。
同様に、誤差データ算出部12は、求めた加速度センサS0、Sk、Smの解析位置の速度y0’、yk’、ym’の各々を積分し、変位y0、yk、ymを求める。
ここで、加速度y0’’、yk’’、ym’’の各々は、それぞれ加速度x0’’、xk’’、xm’’に対応し、速度y0’、yk’、ym’の各々は、それぞれ速度x0’、xk’、xm’に対応し、変位y0、yk、ymの各々は、それぞれ変位x0、xk、xmに対応する。
同様に、誤差データ算出部12は、算出された列ベクトルである速度{x’}から、加速度センサS0、Sk及びSmの各々の配置位置に対応した位置の速度x0’、xk’、xm’を抽出する。
また、誤差データ算出部12は、算出された列ベクトルである変位{x}から、加速度センサS0、Sk及びSmの各々の配置位置に対応した位置の変位x0、xk、xmを抽出する。
同様に、誤差データ算出部12は、速度y0’、yk’、ym’の各々と、速度x0’、xk’、xm’の各々とのそれぞれの差分Δv0、Δvk及びΔvmを求める。
また、誤差データ算出部12は、変位y0、yk、ymの各々と、変位x0、xk、xmの各々とのそれぞれの差分Δd0、Δdk及びΔdmを求める。
ここで、誤差データ算出部12は、例えば、誤差行列{E}={(Δa02+Δak2+Δam2)1/2 (Δv02+Δvk2+Δvm2)1/2 (Δd02+Δdk2+Δdm2)1/2}で示す各々の要素の誤差値の合計である誤差Eが予め設定した判定閾値を超える場合、マトリクスの各要素の調整を指示する制御情報を、それぞれの要素の誤差値を付加して、解析モデル変更部14に対して送信する。
[MT]{x’’} + [CT]{x’} + [KT]{x}=−[MT]y0’’…(3)
この(3)式において、x’’は地震の加速度(例えば、地表面に対して平行な方向、あるいは垂直な方向における加速度)を示し、x’は速度(例えば、地表面に対して平行な方向、あるいは垂直な方向における速度)、xは変位量(例えば、地表面に対して平行な方向、あるいは垂直な方向における変位量)を示している。
また、例えば、誤差値の大きい種類の応答値(加速度、速度、変位)のマトリクスのみの要素を総当たりで調整し、ここで調整された最小値のマトリクスの要素のまま、次に誤差値の大きい種類のマトリクスの要素を調整するというようなアルゴリズムを用いても良い。
また、損傷箇所推定部15は、質点系モデルを用いた場合、上述した(3)式における動的弾塑性解析から得た加速度、速度及び変位により、最大層せん断力及び最大層間変形角の少なくとも一方を導出する。また、損傷箇所推定部15は、立体骨組モデルを用いた場合、動的弾塑性解析から得た加速度{x’’}、速度{x’}、変位{x}に加え、建物100の部材(柱、梁、壁、ブレースなど)にかかる応力と変形とを同時に求め、建物100における損壊状態を導出する。ここで、損傷箇所推定部15は、変位ベクトルである列ベクトルの変位{x}から各部材の変形量を、予め設定されている位置など幾何学的な条件から算出する。そして、損傷箇所推定部15は、算出された変形量に基づき、剛性マトリクス[KT]を介して応力を求める。
ここで、各部材の損傷状態に対応させて、損傷状態となる最大層せん断力及び最大層間変形角の少なくとも一方の数値を閾値とし、予めデータベース16に対して、建物単位で各階の部材毎のテーブルとして、書き込んで記憶させる。
そして、損傷箇所推定部15は、導出した最大層せん断力及び最大層間変形角の少なくとも一方の数値に対応し、上述したテーブルから階毎の各部材の各々の損傷状態を求めて出力する。
データベース16は、解析モデルとしての(2)式、(3)式が書き込まれて記憶され、また解析モデルで算出した応答値、加速度センサから供給される加速度データなどが建物100毎に書き込まれて記憶される。
また、データベース16には、建物100毎に設計図書や設計データが予め書き込まれて記憶されている。
ステップS1:
解析モデル生成部10は、建物100の解析モデルを生成するため、建物100の設計データと、解析モデルを生成する基本モデルの(1)式とを、データベース16から読み出す。
そして、解析モデル生成部10は、読み出した設計データから、(1)式における質量マトリクス[M0]、減衰マトリクス[C0]、剛性マトリクス[K0]各々の各要素を求め、質量マトリクス[MD]、減衰マトリクス[CD]及び剛性マトリクス[KD]の各要素を求める。
また、解析モデル生成部10は、読み出した設計データにおける建物100の階数から、(1)式の加速度{x’’}、速度{x’}、変位{x}の列ベクトルの要素を階数に対応するように拡張する。
この結果、解析モデル生成部10は、拡張された質量マトリクス[MD]、減衰マトリクス[CD]及び剛性マトリクス[KD]と、加速度{x’’}、速度{x’}、変位{x}の列ベクトルとにより、建物100の設計データに基づく解析モデルの初期モデル(第1世代モデル)である(2)式を生成する。
応答解析シミュレーション部11は、建物100に設けられた加速度センサS0から供給される加速度データが供給されると、予め建物100に対して設定された加速度閾値をデータベース16から読み込む。加速度センサS0、Sk及びSmの各々は、それぞれが検出可能な(検出感度以上の)加速度値が印加された場合、検出した加速度値を加速度データとして、情報通信網Iを介し、建物耐震性評価システム1に対して送信する。
すなわち、地震であれば、建物100の設置されている地盤が揺れて、建物100の最下部に加速度を与える揺れの力が印加されるため、初期において、加速度センサS0が他の加速度センサSk及びSmより高い加速度値を検出することになる。このため、本実施形態においては、加速度センサS0の加速度値を、応答解析のシミュレーションを行うか否かを決定するパラメータとして用いている。すなわち、加速度センサS0、Sk及びSmの検出感度が同様である場合、加速度センサSkやSmから加速度データが供給されたとしても、建物100が揺れているのは地震ではなく風や車の走行の振動を原因とする、建物100の固有振動に基づく常時微動による振動と考えられるからである。
また、加速度閾値を設けない構成として、応答解析シミュレーション部11は、上述したステップS2の処理をせずに、加速度センサS0から加速度データが供給される毎に、各マトリクスの要素の変更を行いつつ、建物100の応答解析のシミュレーションを行う構成としても良い。
応答解析シミュレーション部11は、フローチャートにおけるループの1回目であるとき、建物100の解析モデルである(2)式の解析モデルをデータベース16から読み込む。また、フローチャートにおけるループの2回目以降であるとき、建物100の解析モデルである(3)式の解析モデルをデータベース16から読み込む。
次に、応答解析シミュレーション部11は、加速度センサS0から時系列(例えば、Δtの周期毎)に供給される加速度値y0’’を、(2)式(2回目以降は(3)式)におけるy0’’に代入し、応答値としての加速度{x’’}、速度{x’}、変位{x}を、前記Δt毎に算出する。
このとき、送受信部13は、加速度センサS0から時系列に読み込み、加速度y0’’として用いたむ加速度データとともに、加速度センサSk及びSmの各々から時系列に供給される加速度yk’’、ym’’それぞれを、加速度センサS0、Sk及びSmから供給された順番にデータベース16に対して書き込んで記憶させる。このとき、速度y0’、yk’、ym’の各々と、加速度{x’’}、速度{x’}、変位{x}の各々との順番が対応するように、データベース16に書き込まれて記憶されている。また、送受信部13は、加速度センサS0、Sk及びSmの各々から供給される加速度データを同一のタイミングによって、読み込む。
そして、応答解析シミュレーション部11は、加速度センサS0から供給される加速度データの加速度値が加速度閾値以下となると、建物100に対する応答解析のシミュレーションを終了する。また、加速度データの時間範囲を予め設定して、加速度値によらずに、この設定した時間範囲における応答解析シミュレーションを行うように、応答解析シミュレーション部11を構成してもよい。
応答解析のシミュレーションの終了後、応答解析シミュレーション部11は、建物100に対する応答解析のシミュレーションが終了したことを示す終了信号を、建物100を識別する情報を付加して誤差データ算出部12に対して出力する。
誤差データ算出部12は、応答解析のシミュレーションの終了を示す終了信号が応答解析シミュレーション部11から供給されると、データベース16から、時系列に従って建物100の加速度y0’’、yk’’、ym’’の各々を読み出し、読み出した順番に順次積分して、それぞれ速度y0’、yk’、ym’を求める。
そして、誤差データ算出部12は、求めた速度y0’、yk’、ym’を時系列に建物100に対応させてデータベース16に書き込んで記憶させる。このとき、速度y0’、yk’、ym’と、加速度y0’’、yk’’、ym’’との順番が対応するように、データベース16に書き込まれて記憶されている。
そして、誤差データ算出部12は、求めた速度y0’、yk’、ym’を時系列に建物100に対応させてデータベース16に書き込んで記憶させる。このとき、変位y0、yk、ymと、加速度y0’’、yk’’、ym’’との順番が対応するように、データベース16に書き込まれて記憶されている。
そして、誤差データ算出部12は、加速度y0’’及び加速度x0’’の差分Δa0と、加速度yk’’及び加速度xk’’の差分Δakと、加速度ym’’及び加速度xm’’の差分Δamとを求める。
また、誤差データ算出部12は、速度y0’及び速度x0’の差分Δv0と、速度yk’及び速度xk’の差分Δvkと、速度ym’及び速度xm’の差分Δvmとを求める。
また、誤差データ算出部12は、変位y0及び変位x0の差分Δd0と、変位yk及び変位xkの差分Δdkと、変位ym及び変位xmの差分Δdmとを求める。
そして、誤差データ算出部12は、(Δa02+Δak2+Δam2)1/2+(Δv02+Δvk2+Δvm2)1/2+(Δd02+Δdk2+Δdm2)1/2を計算して誤差Eを算出する。
ここで、誤差データ算出部12は、地震の発生した事象において、データベース16に時系列に書き込まれている加速データの全てに対応させ、実際に加速度センサS0、Sk及びSmの各々から得られた加速度、速度、変位と、応答解析のシミュレーションで求めた加速度、速度、変位とにより、誤差Eを求める。
誤差データ算出部12は、データベース16に時系列に記憶されている加速度、速度、変位の全てに対する誤差Eの算出が終了すると、時系列に算出した誤差Eの最大値を抽出する。
誤差データ算出部12は、時系列に算出した誤差Eにおいて最大値として抽出された誤差Eが予め設定されている判定閾値以下であるか否かの判定を行う。
このとき、誤差データ算出部12は、抽出された誤差Eが判定閾値以下でない(誤差Eが判定閾値を超える)場合、解析モデルにおけるマトリクスである質量マトリクス、減衰マトリクス及び剛性マトリクスの各々の要素の変更処理を行う制御情報を、解析モデル変更部14に対して送信し、処理をステップS6へ進める。
また、誤差データ算出部12は、時系列に得られた応答値である加速度{x’’}、速度{x’}及び変位{x}を、建物100及び地震を示す識別情報とともに、データベース16に順次書き込んで記憶させる。
この場合、誤差データ算出部12は、質量マトリクス[MD]、減衰マトリクス[CD]及び剛性マトリクス[KD]の各々の要素により、解析モデルが所定の精度の応答値を算出していると判定する。
解析モデル変更部14は、誤差データ算出部12から質量マトリクス、減衰マトリクス及び剛性マトリクスにおける要素の変更を示す制御情報が供給されると、データベース16から解析モデルを読み出す。
すでに述べたように、解析モデル変更部14は、フローチャートにおけるループの1回目の変更処理の場合、(2)式の解析モデルをデータベース16から読み出す。そして、解析モデル変更部14は、予め設定したアルゴリズムにより、質量マトリクス[MD]、減衰マトリクス[CD]及び剛性マトリクス[KD]の各々の要素を変更し、質量マトリクス[MT]、減衰マトリクス[CT]及び剛性マトリクス[KT]として、(3)式を生成し、生成した(3)式をデータベース16に書き込んで記憶させる。
ここで、予め設定したアルゴリズムとは、質量マトリクス、減衰マトリクス及び剛性マトリクスの各々のマトリクスにおいて、マトリクスにおける変更する要素の選択方法、さらには選択した要素の変化率などが規定されているアルゴリズムを示している。例えば、誤差データ算出部12の算出した誤差値に対応して、遺伝的アルゴリズムやシミュレーテッドアニーリングなどを用いてもよい。
損傷箇所推定部15は、結果情報が誤差データ算出部12から供給されると、データベース16から対応する建物100及び地震に対応した、応答解析により得られた応答値(加速度{x’’}、速度{x’}及び変位{x})を読み出す。
そして、損傷箇所推定部15は、読み出した応答値に基づいて、応答解析シミュレーションに質点系モデルを用いた場合、例えば建物100の解析モデルの質点間、すなわち建物100の層の加速度x’’、速度x’及び変位xに基づいて、この建物100の各階における最大層せん断力及び最大層間変位角を算出する。
この立体架構モデルは、建物構造情報に基づいて作成される。なお、応答解析シミュレーションに立体骨組モデルを用いた場合、応答解析と同時に部材などの損傷状態が推定できる。
また、この建物構造情報は、解析対象とする建物100の構造種別、建物用途、建物階数、延べ床面積、建築面積の各情報と、必要に応じて非構造部材(間仕切り壁、非構造床、天井、外装(外壁仕上げ、サッシ)、設備機器、設備配管など)の各々に関する情報が含まれる。
また、損傷箇所推定部15は、得られた建物100の個々の要素の損傷箇所及びその損傷箇所の損傷状態を、表示部17に対して表示する建物100の立体架構モデルの3次元画像に対して付加する。
例えば、損傷状態のレベルを示す色を予め設定しておき、損傷箇所推定部15は、建物100の損傷箇所毎に、表示部17に対してその箇所の損傷状態に対応して色を表示し、操作者に対してビジュアルな損傷情報を通知する。
また、損傷箇所推定部15は、得られた建物100の損傷箇所とその損傷箇所の損傷状態とを損傷情報として、建物100の管理センタに設けられた端末等に送信する。
この結果、管理センタの端末においても、建物耐震性評価システム1における表示部17と同様の表示により、建物100の損傷箇所とその箇所の損傷状態を確認することができる。
すなわち、設計図書から生成された解析モデルは、建物のみの状態を示しているが、オフィスとして使用する場合、机、いす、什器、コピーマシンなどの設備や、そこで仕事をする人間などの重さが加わるため、設計図書で作成した解析モデルの初期モデルにおける質量マトリクス、減衰マトリクスの要素が異なることになる。さらに、テナントが変わる場合にも、質量マトリクス、減衰マトリクスが変更されることになる。また、経時変化により建物100の部材の剛性も劣化し、剛性マトリクス及び減衰マトリクスの各々の要素も変化することになる。
したがって、本実施形態によれば、地震が起こる毎に、そのときの建物100の状態に対応した解析モデルに変更しつつ、建物100の質点毎の応答解析を行うため、得られた応答位置に基づく損傷箇所及びその箇所の損傷状態の推定を高い精度で行うことができる。
以下、図を用いて本発明の第2の実施形態の建物耐震性評価システムの説明を行う。図3は、本発明の第2の実施形態による建物耐震性評価システムの構成例と、評価対象の建物に設けた加速度センサの配置例とを示す概念図である。この図3において、第1の実施形態における図1と同様の構成には同一の符号を付し、その説明を省略する。
第2の実施形態による建物耐震性評価システム1は、解析モデル生成部10、応答解析シミュレーション部11、誤差データ算出部12、送受信部13、解析モデル変更部14、損傷箇所推定部15、データベース16、表示部17及び伝達関数計算部18を備えている。第2の実施形態が第1の実施形態と異なる点は、常時微動の加速度データにより伝達関数を求め、この伝達関数により質量マトリクス、減衰マトリクス及び剛性マトリクスの係数を更新する伝達関数計算部18が新たに設けられたことである。以下、第2の実施形態が第1の実施形態と異なる構成及び動作のみの説明を行う。
ここで、常微振動とは、地震によらず通常の状態であっても、風力、交通振動、波浪、地球深部の振動、建物内における人間の動きなどを震動源とする、人体には感じられないほどの非常に小さな振幅の振動を意味している。
すなわち、伝達関数計算部18は、共振振動数の推定をカーブフィットにより行い、質量マトリクス、減衰マトリクス及び剛性マトリクスの各要素の同定を行う。
ステップS21:
伝達関数計算部18は、一定時間内において、加速度センサS0、Sk及びSm各々から供給される加速度データを、時系列にデータベース16に書き込んで記憶させる。
そして、伝達関数計算部18は、一定時間内における加速度センサS0、Sk及びSm各々から供給される加速度データの記録が終了すると、処理をステップS22へ進める。
次に、伝達関数計算部18は、建物の異なる質点の位置に設けられている2つの加速度センサ、例えば、加速度センサS0と加速度センサSmとの常時微動の加速度値(加速度y0’’、ym’’)の時系列な記録を、データベース16から順次読み出す。
そして、伝達関数計算部18は、読み出し加速度値の時系列変化により求められる建物の応答波形から、建物100の伝達特性、例えば以下の(4)式に示す伝達関数(印加される加速度値に対する応答加速度値の比)を求める。
y’’+2hω・y’+ω2・y …(4)
この(4)式において、ω(=2π/T)は角振動数であり、hは減衰定数である。また、(4)式の角振動数ωにおいて、Tは振動の固有周期である。
ここで、伝達関数を求める際に2つの加速度センサを用いる際、建物100において離れた位置に設けたれた加速度センサ、すなわち、加速度センサS0及びSmを用いることにより、建物100に対応した伝達関数をより高い精度で求めることができる。
次に、伝達関数計算部18は、データベース16から順次読み出した常時微動による加速度値から推定される建物の伝達特性を最も良く表す、(4)式における振動パラメータ(減衰定数h、固有周期T)を決定する。
すなわち、伝達関数計算部18は、ステップS22で求めた伝達関数に対し、任意振動系の応答倍率(加速度応答倍率)曲線を最小二乗法で近似する。
そして、伝達関数計算部18は、伝達関数に対する応答倍率曲線の近似の結果、任意振動系の固有周期T及び減衰定数hを同定する。
次に、伝達関数計算部18は、以下の(5)式及び(6)式の各々に示すように、それぞれ質量マトリクス[MT]、剛性マトリクス[KT]を定義する。
[MT]=α[MD] …(5)
[KT]=β[KD] …(6)
そして、伝達関数計算部18は、以下の(7)式及び(8)式を解くことにより、固定周期TT及び減衰定数hTが、固有周期T及び減衰定数hに最も近くなるように、(5)式の係数α及び(6)式の係数βを同定する。
|(−2π/TT)[MT]+[KT]|=0 …(7)
[CT]=a0[MT]+a1[KT] …(8)
この(8)式における係数a0及びa1は、求める減衰定数hTにより、以下の(9)式の関係から定まる係数である。(9)式における1ωは一次円振動数を示している。
hT=(1/2)・((a0/1ω)+(a1・1ω)) …(9)
この図5のフローチャートは、ステップS1Bの「伝達関数による解析モデルの係数の同定処理」の処理が、第1の実施形態における図2のフローチャートに追加されている点である。このステップS1Bは、すでに説明した図4のフローチャートが示している、常微振動による質量マトリクス、減衰マトリクス及び剛性マトリクスの更新処理である。他のステップS1からステップS7までの処理は、第1の実施形態と同様のため、説明を省略する。また、ステップS1Bの処理により、質量マトリクス[MD]、減衰マトリクス[CD]及び剛性マトリクス[KD]の各々が、予め設定された加速度閾値を超える加速度値y0’’が得られない場合、ステップS2を通過するループの2回目までの変更処理によってステップS3までに、質量マトリクス[MT]、減衰マトリクス[CT]及び剛性メトリクス[KT]へと更新される。したがって、ステップS3における応答解析の計算には、(3)式が用いられることになる。
これにより、本実施形態によれば、地震が発生して解析モデルで応答値を得るための精度を有さないy0’’しか得られなくとも、解析モデルにおける質量マトリクス、減衰マトリクス及び剛性マトリクスを、周期的にその時点の建物100の状態に対応する要素に更新することが可能となるため、第1の実施形態における質量マトリクス、減衰マトリクス及び剛性マトリクスを調整するためのループ回数を低減することができる。
10…解析モデル生成部
11…応答解析シミュレーション部
12…誤差データ算出部
13…送受信部
14…解析モデル変更部
15…損傷箇所推定部
16…データベース
17…表示部
18…伝達関数計算部
100…建物
200…基礎
I…情報通信網
S0,Sk,Sm…加速度センサ
(2)本発明の一態様の建物耐震性評価システムにおいて、前記建物の損傷状況に関する閾値が前記建物の静的弾塑性解析の結果に基づき予め定められ、前記損傷箇所推定部は、前記応答解析結果と前記閾値に基づいて前記建物の損傷状況を推定する。
(3)本発明の一態様の建物耐震性評価システムにおいて、前記建物の柱、梁、壁、及びブレースの中の少なくとも何れかの部材の損傷状態に関する閾値が、前記建物の各階毎に規定され、前記損傷箇所推定部は、前記閾値に基づいて前記部材の損傷状態を、前記建物の各階毎に推定する。
(4)本発明の一態様の建物耐震性評価システムにおいて、前記建物の柱、梁、壁、及びブレースの中の少なくとも何れかの部材の損傷状態に関する閾値が、前記建物の部材毎に規定され、前記損傷箇所推定部は、前記閾値に基づいて前記部材の損傷状態を推定する。
(5)本発明の一態様の建物耐震性評価システムにおいて、前記建物の柱、梁、壁、及びブレースの中の少なくとも何れかの部材の損傷状態に関する閾値が、前記建物の各階の部材毎に規定され、前記損傷箇所推定部は、前記閾値に基づいて前記部材の損傷状態を、前記建物の各階の部材毎に推定する。
(6)本発明の一態様の建物耐震性評価システムにおいて、前記損傷箇所推定部は、変位または変形量と損傷状況との関係を示すデータを参照し、前記応答解析シミュレーション部の応答解析結果と、前記建物の静的弾塑性解析の結果とに基づいて、少なくとも前記建物の損傷状況を推定する。
(7)本発明の一態様の建物耐震性評価システムにおいて、前記応答解析シミュレーション部は、前記検出部により検出された振動に基づいて、前記建物の応答値を得る。
(8)本発明の一態様の建物耐震性評価システムにおいて、前記応答解析シミュレーション部は、前記建物が損傷状態になる最大層せん断力及び最大層間変形角の少なくとも一方の数値を、前記建物の損傷状況を推定するための閾値に利用する。
(9)本発明の一態様の建物耐震性評価システムにおいて、振動の大きさに対応する所定値が、常時微動による振動と常時微動より大きな振動とを識別可能な値になるように、前記建物の常時微動の大きさに基づいて定められ、前記検出部によって検出された振動に、前記所定値以上の大きさの振動が含まれていない第1期間と、前記所定値以上の大きさの振動が含まれている第2期間とが識別され、前記応答解析シミュレーション部は、前記第2期間の振動データに基づいた応答解析を実施して、前記建物の解析対象の位置の変位又は変形量を得る。
(10)本発明の一態様の建物耐震性評価方法は、建物のそれぞれ異なる高さの箇所の振動を検出部がそれぞれ検出するステップと、前記検出部によって検出された振動に基づいた前記建物の応答解析をシミュレーションによって実施する応答解析ステップと、前記シミュレーションによる応答解析結果と、前記建物の静的弾塑性解析の結果とに基づいて、前記建物の損傷状況を推定するステップと、を含む建物耐震性評価方法である。
(11)本発明に関連する建物耐震性評価システムには、以下のものがある。
例えば、建物のそれぞれ異なる高さの箇所の振動をそれぞれ検出する検出部と、前記検出部によって検出された振動から、前記建物の振動の伝達特性を示す振動パラメータを導出する振動パラメータ導出部と、前記検出部によって検出された振動を、前記建物の解析対象の位置毎に解析する解析処理部と、前記建物の振動の前記建物の解析対象の位置毎の解析結果に基づいて、前記建物の損傷状況を推定する損傷箇所推定部と、を備え、振動の大きさに対応する所定値が、常時微動による振動と常時微動より大きな振動とを識別可能な値になるように、前記建物の常時微動の大きさに基づいて定められ、前記振動パラメータ導出部は、前記検出部によって検出された振動に前記所定値以上の大きさの振動が含まれていない第1期間の振動データに基づき、前記建物の伝達関数を同定し、前記伝達関数に基づいた前記振動パラメータを導出し、前記解析処理部は、前記検出部によって検出された振動に前記所定値以上の大きさの振動が含まれている第2期間の振動データを解析の対象とし、前記導出された振動パラメータに基づき決定される条件を解析処理に用いて、前記建物の解析対象の位置の変位又は変形量を得る。
本発明に関係する建物耐震性評価システムにおける前記振動パラメータ導出部は、前記検出部によって検出された前記所定値を超えない振動である常時微動から、前記振動パラメータを導出する。
本発明に関係する建物耐震性評価システムにおける前記振動パラメータ導出部は、前記建物の固有周期又は減衰定数を含む前記振動パラメータを導出する。
本発明に関係する建物耐震性評価システムにおける前記解析処理部は、前記導出された振動パラメータに基づく演算式により決定される条件を解析処理に用いる。
本発明に関係する建物耐震性評価システムにおける前記決定される条件は、前記建物の状態に対応した解析モデルに基づいて導出される条件である。
本発明に関係する建物耐震性評価システムにおける前記解析処理部は、前記検出部により検出された振動に基づいて、前記建物の伝達特性を近似する。
本発明に関係する建物耐震性評価方法は、建物のそれぞれ異なる高さの箇所の振動を検出部がそれぞれ検出するステップと、前記検出部によって検出された振動から、前記建物の振動の伝達特性を示す振動パラメータを導出する振動パラメータ導出ステップと、前記検出部によって検出された振動を、前記建物の解析対象の位置毎に解析する解析処理ステップと、前記建物の振動の前記建物の解析対象の位置毎の解析結果に基づいて、前記建物の損傷状況を推定するステップと、を含み、振動の大きさに対応する所定値が、常時微動による振動と常時微動より大きな振動とを識別可能な値になるように、前記建物の常時微動の大きさに基づいて定められ、前記振動パラメータ導出ステップにおいて、前記検出部によって検出された振動に所定値以上の大きさの振動が含まれていない第1期間の振動データに基づき、前記建物の伝達関数を同定し、前記伝達関数に基づいた前記振動パラメータを導出し、前記解析処理ステップにおいて、前記検出部によって検出された振動に前記所定値以上の大きさの振動が含まれている第2期間の振動データを解析の対象とし、前記導出された振動パラメータに基づき決定される条件を解析処理に用いて、前記建物の解析対象の位置の変位又は変形量を得る。
本発明に関係する建物耐震性評価システムは、建物耐震性評価システムは、建物の設計データから生成した解析モデルにより、当該建物の振動における応答解析シミュレーションを行う建物耐震性評価システムであり、前記解析モデルにより、前記建物の評価対象位置における応答値を求める応答解析シミュレーションを行う応答解析シミュレーション部と、前記建物の複数の前記評価対象位置に設けられた加速度センサの振動データから得られた応答値と、前記応答解析シミュレーションの結果における前記評価対象位置に対応する位置における応答値との差分を誤差データとして求める誤差データ算出部と、前記解析モデルの質量、減衰及び剛性を示す係数を変更する解析モデル変更部とを備え、前記解析モデル変更部が、前記誤差データが予め設定した閾値未満となるまで、前記係数を変化させる毎に、前記応答解析シミュレーション部に当該係数を変化させた解析モデルにより応答解析シミュレーションを実行させることを特徴とする。
Claims (7)
- 建物のそれぞれ異なる高さの箇所の振動をそれぞれ検出する検出部と、
前記検出部によって検出された振動から、前記建物の振動の伝達特性を示す振動パラメータを導出する振動パラメータ導出部と、
前記検出部によって検出された振動を、前記建物の解析対象の位置毎に解析する解析処理部と、
前記建物の振動の前記建物の解析対象の位置毎の解析結果に基づいて、前記建物の損傷状況を推定する損傷箇所推定部と、
を備え、
前記振動パラメータ導出部は、
前記検出部によって検出された振動に所定値以上の大きさの振動が含まれていない第1期間の振動データに基づき、前記建物の振動パラメータを導出し、
前記解析処理部は、
前記検出部によって検出された振動に前記所定値以上の大きさの振動が含まれている第2期間の振動データを解析の対象とし、前記導出された振動パラメータに基づき決定される条件を解析処理に用いて、前記建物の解析対象の位置の変位又は変形量を得る、
建物耐震性評価システム。 - 前記振動パラメータ導出部は、
前記検出部によって検出された常時微動から、前記振動パラメータを導出する、
請求項1に記載の建物耐震性評価システム。 - 前記振動パラメータ導出部は、
前記建物の固有周期又は減衰定数を含む前記振動パラメータを導出する、
請求項1又は請求項2に記載の建物耐震性評価システム。 - 前記解析処理部は、
前記導出された振動パラメータに基づく演算式により決定される条件を解析処理に用いる、
請求項1から請求項3の何れか1項に記載の建物耐震性評価システム。 - 前記決定される条件は、前記建物の状態に対応した解析モデルに基づいて導出される条件である、
請求項1から請求項4の何れか1項に記載の建物耐震性評価システム。 - 前記解析処理部は、
前記検出部により検出された振動に基づいて、前記建物の伝達特性を近似する、
請求項1から請求項5の何れか1項に記載の建物耐震性評価システム。 - 建物のそれぞれ異なる高さの箇所の振動を検出部がそれぞれ検出するステップと、
前記検出部によって検出された振動から、前記建物の振動の伝達特性を示す振動パラメータを導出する振動パラメータ導出ステップと、
前記検出部によって検出された振動を、前記建物の解析対象の位置毎に解析する解析処理ステップと、
前記建物の振動の前記建物の解析対象の位置毎の解析結果に基づいて、前記建物の損傷状況を推定するステップと、
を含み、
前記振動パラメータ導出ステップにおいて、前記検出部によって検出された振動に所定値以上の大きさの振動が含まれていない第1期間の振動データに基づき、前記建物の振動パラメータを導出し、
前記解析処理ステップにおいて、前記検出部によって検出された振動に前記所定値以上の大きさの振動が含まれている第2期間の振動データを解析の対象とし、前記導出された振動パラメータに基づき決定される条件を解析処理に用いて、前記建物の解析対象の位置の変位又は変形量を得る、
建物耐震性評価方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018218642A JP6684889B2 (ja) | 2018-11-21 | 2018-11-21 | 建物耐震性評価システム及び建物耐震性評価方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018218642A JP6684889B2 (ja) | 2018-11-21 | 2018-11-21 | 建物耐震性評価システム及び建物耐震性評価方法 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2016202877A Division JP6441869B2 (ja) | 2016-10-14 | 2016-10-14 | 建物耐震性評価システム及び建物耐震性評価方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2019060884A true JP2019060884A (ja) | 2019-04-18 |
JP6684889B2 JP6684889B2 (ja) | 2020-04-22 |
Family
ID=66177285
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2018218642A Active JP6684889B2 (ja) | 2018-11-21 | 2018-11-21 | 建物耐震性評価システム及び建物耐震性評価方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6684889B2 (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN110765530A (zh) * | 2019-10-23 | 2020-02-07 | 宁波工程学院 | 一种快速确定框架-摇摆墙结构中摇摆墙刚度的方法 |
WO2020195431A1 (ja) | 2019-03-27 | 2020-10-01 | 住友金属鉱山株式会社 | リチウムイオン二次電池用正極活物質とその製造方法、及び、リチウムイオン二次電池 |
JP2021110632A (ja) * | 2020-01-10 | 2021-08-02 | メインマーク・ストラクチュアル・コンサルティング株式会社 | 状態解析プログラム、装置、及びシステム |
JP7512096B2 (ja) | 2020-06-08 | 2024-07-08 | 清水建設株式会社 | 健全性評価システム及び健全性評価方法 |
Citations (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US4429496A (en) * | 1980-12-24 | 1984-02-07 | University Of Southern California | Method and apparatus for active control of flexible structures |
JP2003344213A (ja) * | 2002-05-24 | 2003-12-03 | Building Research Institute | 建物の耐震性能評価方法及び装置 |
JP2005049225A (ja) * | 2003-07-29 | 2005-02-24 | Takenaka Komuten Co Ltd | 地震被害予測装置、地震被害予測方法及び地震被害予測プログラム |
JP2006064483A (ja) * | 2004-08-25 | 2006-03-09 | Okumura Corp | 地震を被った建物の点検支援方法および点検支援システム |
JP2009008562A (ja) * | 2007-06-28 | 2009-01-15 | Kajima Corp | 構造物の振動特性検出方法及び振動特性検出システム |
JP2012013521A (ja) * | 2010-06-30 | 2012-01-19 | Takenaka Komuten Co Ltd | 地震被害予測装置およびプログラム |
JP2012083172A (ja) * | 2010-10-08 | 2012-04-26 | Kajima Corp | 建物の損傷評価方法及び建物の損傷評価装置 |
CN102507121A (zh) * | 2011-11-23 | 2012-06-20 | 浙江大学 | 基于无线传感网的建筑结构震害评估系统及方法 |
-
2018
- 2018-11-21 JP JP2018218642A patent/JP6684889B2/ja active Active
Patent Citations (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US4429496A (en) * | 1980-12-24 | 1984-02-07 | University Of Southern California | Method and apparatus for active control of flexible structures |
JP2003344213A (ja) * | 2002-05-24 | 2003-12-03 | Building Research Institute | 建物の耐震性能評価方法及び装置 |
JP2005049225A (ja) * | 2003-07-29 | 2005-02-24 | Takenaka Komuten Co Ltd | 地震被害予測装置、地震被害予測方法及び地震被害予測プログラム |
JP2006064483A (ja) * | 2004-08-25 | 2006-03-09 | Okumura Corp | 地震を被った建物の点検支援方法および点検支援システム |
JP2009008562A (ja) * | 2007-06-28 | 2009-01-15 | Kajima Corp | 構造物の振動特性検出方法及び振動特性検出システム |
JP2012013521A (ja) * | 2010-06-30 | 2012-01-19 | Takenaka Komuten Co Ltd | 地震被害予測装置およびプログラム |
JP2012083172A (ja) * | 2010-10-08 | 2012-04-26 | Kajima Corp | 建物の損傷評価方法及び建物の損傷評価装置 |
CN102507121A (zh) * | 2011-11-23 | 2012-06-20 | 浙江大学 | 基于无线传感网的建筑结构震害评估系统及方法 |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2020195431A1 (ja) | 2019-03-27 | 2020-10-01 | 住友金属鉱山株式会社 | リチウムイオン二次電池用正極活物質とその製造方法、及び、リチウムイオン二次電池 |
CN110765530A (zh) * | 2019-10-23 | 2020-02-07 | 宁波工程学院 | 一种快速确定框架-摇摆墙结构中摇摆墙刚度的方法 |
JP2021110632A (ja) * | 2020-01-10 | 2021-08-02 | メインマーク・ストラクチュアル・コンサルティング株式会社 | 状態解析プログラム、装置、及びシステム |
JP2021110721A (ja) * | 2020-01-10 | 2021-08-02 | メインマーク・ストラクチュアル・コンサルティング株式会社 | 状態解析プログラム、装置、及びシステム |
JP7174437B2 (ja) | 2020-01-10 | 2022-11-17 | メインマーク・ストラクチュアル・コンサルティング株式会社 | 状態解析プログラム、装置、及びシステム |
JP2022187011A (ja) * | 2020-01-10 | 2022-12-15 | メインマーク・ストラクチュアル・コンサルティング株式会社 | 状態解析プログラム、装置、及びシステム |
JP7512096B2 (ja) | 2020-06-08 | 2024-07-08 | 清水建設株式会社 | 健全性評価システム及び健全性評価方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP6684889B2 (ja) | 2020-04-22 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6027797B2 (ja) | 建物耐震性評価システム及び建物耐震性評価方法 | |
JP6684889B2 (ja) | 建物耐震性評価システム及び建物耐震性評価方法 | |
JP5809174B2 (ja) | 建物安全性検証システム、建物安全性検証方法及びプログラム | |
Calabrese et al. | Adaptive constrained unscented Kalman filtering for real‐time nonlinear structural system identification | |
Shao et al. | Real-time hybrid simulation with online model updating: methodology and implementation | |
Zhou et al. | Physical parameter identification of structural systems with hysteretic pinching | |
JP6441869B2 (ja) | 建物耐震性評価システム及び建物耐震性評価方法 | |
KR102064328B1 (ko) | 건축물 지진 피해 예측 정보 제공 장치 및 그 방법 | |
JP6679166B2 (ja) | 安全性診断装置、安全性診断方法及び安全性診断プログラム | |
Erdogan et al. | Investigation of the seismic behavior of a historical masonry minaret considering the interaction with surrounding structures | |
JP7253231B2 (ja) | 家屋の耐震性評価システム | |
Singh et al. | Dynamic strain response measurement‐based damage identification in structural frames | |
Erazo et al. | High‐resolution seismic monitoring of instrumented buildings using a model‐based state observer | |
Hernandez et al. | Dissipated energy ratio as a feature for earthquake-induced damage detection of instrumented structures | |
JP5799183B2 (ja) | 建物安全性検証システム、建物安全性検証方法及びプログラム | |
JP6997431B2 (ja) | 地震による建物変位量の判定方法 | |
Varghese et al. | Crack identification using combined power flow and acceleration matching technique | |
Fujita et al. | Stiffness identification of high-rise buildings based on statistical model-updating approach | |
KR102545390B1 (ko) | 사면 동적 안정성 평가방법 | |
Yun et al. | Structural damage identification with a tuning-free hybrid extended Kalman filter | |
Barbieri et al. | Parameters estimation of sandwich beam model with rigid polyurethane foam core | |
JP2016017848A (ja) | 構造物検証システム、構造物検証装置、構造物検証プログラム | |
Nandakumar et al. | Structural parameter identification using damped transfer matrix and state vectors | |
JP6983648B2 (ja) | 構造物の固有周期推定方法、構造物の耐震性判定方法、構造物の固有周期推定システム及び構造物の耐震性判定システム | |
Van Nimmen et al. | Inverse identification of pedestrian-induced loads |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20181214 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20181214 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20190729 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20190806 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20191003 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20200303 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20200330 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6684889 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |