JP6491827B2 - 構造物検証システム、構造物検証プログラム - Google Patents

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本発明は、構造物検証システム、構造物検証プログラムに関する。
地震等の外的要因に応じた構造物の応答を予測することが行われている。例えば、特許文献1には、質点モデルにより建物をモデル化した建物モデルに基づいて建物の特性を予備解析して特性データを算出しておき、緊急地震速報を受信すると、予め算出した特性データを照合して、建物の基礎部の予測震度と予測到達余裕時間、建物の各階毎の予測震度を算出することが記載されている。
特許第5113475号公報
しかしながら、上述の特許文献では、建物モデルに基づいて予測を行うため、予めモデル化した建物モデルと実際の建物の状態とが異なれば予測精度は低い。例えば、実際の建物の状態は経年劣化や損傷により変化しており、予め想定した建物モデルとは異なる場合がある。このような変化に対応するため、例えば不定期または定期的にモデル解析を行って建物モデルを修正することが考えられるが、このような作業には手間や時間がかかるとともに、予測精度がモデル化の精度に依存するため、予測結果の信頼性も低い。そこで、より簡単に、精度良い構造物の応答予測を支援することが望ましい。
本発明は、このような状況に鑑みてなされたもので、外的要因に応じた構造物の応答予測を支援する構造物検証システム、構造物検証プログラムを提供する。
上述した課題を解決するために、本発明の一態様は、外的要因に応じた監視対象の構造物の揺れを計測するセンサによって計測されたセンサデータを受信するセンサデータ制御部と、前記構造物に設けられた設備の動作モードを、外的要因による前記構造物の揺れが生じる前の段階で指定する動作モードである平常時モードから、前記外的要因に応じた前記構造物の揺れによる影響を回避するように前記設備に設定する動作モードである非常時モードに切り替える設備制御部と、前記設備制御部により非常時モードに切り替えられている設備の動作モードを、前記センサデータ制御部が受信したセンサデータに基づいて、当該非常時モードを継続させるか否かを、前記外的要因により前記構造物が搖動した後に判定する非常時モード解除判定部と、外的要因に応じた前記構造物の応答特性を示す応答特性データを記憶する応答特性データ記憶部と、前記構造物に対する外的要因の規模を示す要因データの入力を受け付ける要因データ受付部と、前記要因データ受付部に入力された前記要因データに対応する前記応答特性データを前記応答特性データ記憶部から読み出し、読み出した応答特性データに基づいて、当該外的要因による当該構造物の応答を予測する応答予測部と、を備え、前記設備制御部は、前記応答予測部による予測結果に基づいて、前記構造物に付属する設備の動作モードを、前記非常時モードを継続させるか、前記平常時モードへ移行させるかを判定することを特徴とする構造物検証システムである。
また、本発明の一態様は、外的要因に応じた監視対象の構造物の揺れを計測するセンサによって計測されたセンサデータの履歴を記憶するセンサデータ履歴記憶部と、前記センサデータ履歴記憶部に記憶されたセンサデータの履歴に基づいて、前記応答特性データを算出し、算出した当該応答特性データを前記応答特性データ記憶部に記憶させる応答特性データ算出部と、を備えることを特徴とする。
また、本発明の一態様は、前記外的要因である地震の規模を含む緊急地震速報を受信し、受信した緊急地震速報を前記要因データとして前記要因データ受付部に入力する緊急地震速報制御部を備え、前記センサデータ制御部は、前記緊急地震速報制御部が前記緊急地震速報を受信してから所定時間内に前記センサによって計測されたセンサデータを、前記センサデータ履歴記憶部に記憶させることを特徴とする。
また、本発明の一態様は、前記設備制御部は、前記構造物に設けられた設備が設けられている場所にユーザが存在するか否かに応じて、当該設備の動作モードを前記平常時モードから前記非常時モードに切り替える際に、ユーザが存在する場所と存在しない場所とにおいて互いに異なる動作状態になるように制御することを特徴とする。
また、本発明の一態様は、構造物検証装置のコンピュータに、センサデータ制御部によ
り外的要因に応じた監視対象の構造物の揺れを計測するセンサによって計測されたセンサ
データを受信するセンサデータ制御ステップと、設備制御部により前記構造物に設けられ
た設備の動作モードを、外的要因による前記構造物の揺れが生じる前の段階で指定する動
作モードである平常時モードから、前記外的要因に応じた前記構造物の揺れによる影響を
回避するように前記設備に設定する動作モードである非常時モードに切り替える設備制御
ステップと、非常時モード解除判定部により前記設備制御部により非常時モードに切り替
えられている設備の動作モードを、前記センサデータ制御部が受信したセンサデータに基
づいて、当該非常時モードを継続させるか否かを、前記外的要因により前記構造物が搖動
した後に判定する非常時モード解除判定ステップと、外的要因に応じた前記構造物の応答特性を示す応答特性データを応答特性データ記憶部に記憶させるステップと、前記構造物に対する外的要因の規模を示す要因データの入力を要因データ受付部が受け付けるステップと、前記要因データ受付部に入力された前記要因データに対応する前記応答特性データを前記応答特性データ記憶部から読み出し、読み出した応答特性データに基づいて、当該外的要因による当該構造物の応答を予測するステップと、前記設備制御部により、前記応答の予測結果に基づいて、前記構造物に付属する設備の動作モードを、前記非常時モードを継続させるか、前記平常時モードへ移行させるかを判定するステップと、を実行させる構造物検証プログラムである。
以上説明したように、本発明によれば、構造物検証システムが、外的要因に応じた監視対象の構造物の揺れを計測するセンサによって計測されたセンサデータを受信するセンサデータ制御部と、前記構造物に設けられた設備の動作モードを、外的要因による前記構造物の揺れが生じる前の段階で指定する動作モードである平常時モードから、前記外的要因に応じた前記構造物の揺れによる影響を回避するように前記設備に設定する動作モードである非常時モードに切り替える設備制御部と、前記設備制御部により非常時モードに切り替えられている設備の動作モードを、前記センサデータ制御部が受信したセンサデータに基づいて、当該非常時モードを継続させるか否かを、前記外的要因により前記構造物が搖動した後に判定する非常時モード解除判定部と、を備えるようにしたので、外的要因に応じた構造物の応答予測を支援することができる。
本発明の一実施形態による構造物検証システムの構成例を示すブロック図である。 本発明の一実施形態による構造物データ記憶部が記憶する構造物データの例を示す図である。 本発明の一実施形態によるセンサデータ履歴記憶部が記憶するセンサデータの例を示す図である。 本発明の一実施形態による応答特性データ記憶部が記憶する応答特性データの例を示す図である。 本発明の一実施形態による健全性判定ルール記憶部が記憶する健全性判定ルールの例を示す図である。 本発明の一実施形態による構造物検証システムの動作例を示すフローチャートである。 図1に示す構造物検証システム1において、図6に示す手順を実施する場合の各設備の制御状態を示した図である。 第2の実施形態による構造物検証システム1Aの構成例を示すブロック図である。 第2の実施形態による構造物検証システム1Aの動作例を示すフローチャートである。 図8に示す構造物検証システム1Aにおいて、図9に示す手順を実施する場合の各設備の制御状態を示した図である。 本実施形態による構造物検証システム1Bの構成を示すブロック図である。 センサデータ履歴記憶部432Bが記憶するセンサデータの例を示す図である。 健全性判定ルール記憶部434Bが記憶する健全性判定ルールの例を示す図である。 本実施形態による構造物検証システム1Bの建物の安全性を検証する処理の流れを示すフローチャートである。
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。
(第1実施形態)
図1は、本実施形態による構造物検証システム1の構成を示すブロック図である。構造物検証システム1は、監視対象の構造物である建物900の健全性の検証を支援する。構造物検証システム1は、緊急地震速報サーバ100と、監視対象の構造物に設置された複数のセンサ200(センサ200−1、センサ200−2、センサ200−3、センサ200−4、センサ200−5)と、監視対象の構造物に付属する複数の設備300(設備300−1、設備300−2、設備300−3、設備300−4、設備300−5)と、構造物検証装置400と、コントローラ600とを備えている。複数のセンサ200は同様の構成であるため、特に区別しない場合には「−1」、「−2」等を省略してセンサ200として説明する。同様に、複数の設備300は同様の構成であるため、特に区別しない場合には「−1」、「−2」等を省略して設備300として説明する。
緊急地震速報サーバ100は、気象庁の地震警報システムが備えるコンピュータ装置であり、地震の発生時に、震源に近い観測点の地震計によって計測した地震波のデータを解析して推定した震源の位置や地震の規模を示すデータを含む緊急地震速報を、無線または有線により送信する。
センサ200は、監視対象である構造物の揺れを計測し、計測値であるセンサデータを出力する。センサ200は、例えば加速度センサである。例えば、センサ200−1は、構造物の基礎部分における加速度を計測するために設けられており、耐震評価の対象の構造物の最下層部分(例えば、地下が無い場合、1階の下の地盤上に設けられた基礎)に印加される地動加速度を計測し、加速度データであるセンサデータを、情報通信網を介して構造物検証装置400に送信する。センサ200−2からセンサ200−5の各々は、それぞれ2階から屋上に設置され、自身に印加される加速度値を計測した加速度データであるセンサデータを、構造物検証装置400に送信する。ここでは、4階層の構造物の2階にセンサ200−2が設置され、3階にセンサ200−3が設置され、4階にセンサ200−4が設置され、屋上にセンサ200−5が設置されている。ここで、屋上に設置されるセンサ200−5は、加速度センサの他、微振動センサを含むように構成することができる。微振動センサは、屋上でなくとも、例えば屋上近傍の最上階に設置してもよい。なお、センサ200−1からセンサ200−5の各々は、加速度センサの他、傾斜角センサを含むように構成することができる。例えば、傾斜角センサは、屋上、又は、屋上近傍の最上階に設置したり、各階に設置したりしてもよい。傾斜角センサからのセンサデータに基づいて、構造物の傾斜角、各センサを設置した箇所の傾斜角を検出することができる。なお、センサ200−1からセンサ200−5の各々は、水平方向の変位を検出する変位計を含むように構成することができる。
設備300は、監視対象の構造物に付属する設備であり、コントローラ600からの指示に応じた動作状態を維持して、所望の動作をする。
例えば、設備300には、照明設備、ドア施錠管理設備、電源設備(負荷に電力を分配する分電盤内の遮断器等)、空調設備及びポンプ設備等の設備がある。
コントローラ600は、各階に設けられた設備300の動作状態をそれぞれの階ごとに制御する。さらに同一の階のうちで複数のゾーンに分けられている場合には、コントローラ600は、ゾーンごとに設備300を制御してもよい。コントローラ600は、構造物検証装置400から通知される動作モードを示す情報(コマンド)に応じて、各設備の動作状態を制御する。構造物検証装置400から通知される動作モードには、平常時モード、及び非常時モードがある。
設備300である照明設備は、建物の各階に設けられている照明器具である。照明設備は、コントローラ600からの制御に応じて点灯・消灯が切り替えられ、また、調光制御がなされる場合がある。コントローラ600は、平常時には、省エネルギー化推進の観点から、照明を必要とされる場所の照明器具を点灯させている。ただし、コントローラ600は、非常時には、避難したり、避難できるように誘導したり、また、救助をしたりするために、建物管内の照度を確保する必要がある。そこで、コントローラ600は、平常時には平常時モードとしての制御により、所望の条件で照明設備を点灯・消灯を制御するとともに、非常時には非常時モードとしての制御により、平常時モード時に非点灯箇所であった照明器具を点灯させたり、照明器具の点灯状態をフラッシュさせたりする。このように制御することにより、在室者に非常状態を知らせることができる。
設備300であるドア施錠管理設備は、各階に設けられたドアを施錠する。例えば、セキュリティポリシーが各階ごとに異なる場合、設定されたセキュリティポリシーに応じて入退出が制限されている。ただし、非常時には、自由に出入りできるようにして、避難や救助を容易にする必要がある。そこで、コントローラ600は、平常時には平常時モードとしての制御により、ドア施錠管理設備に対して所望のセキュリティポリシーに応じた施錠管理を行い、非常時には非常時モードとしての制御により、入退出の制限を緩和させる。
設備300である電源設備は、各階に設けられた負荷に電力を分配する分電盤内の遮断器等である。非常時に給電を継続していると、2次災害を招く虞が高いと見込まれる場合がある。このような場合、例えば、コントローラ600は、平常時には平常時モードとしての制御により、遮断器を閉じて負荷に電力を分配しているが、非常時には非常時モードとしての制御により、2次災害を防ぐために遮断器を開いて、負荷に対する電力の供給を停止させる。
設備300である空調設備やポンプ設備は、各階に設けられた空調機又はポンプ等である。一般に空調機又はポンプは、回転体(例えば、ロータリーポンプのロータなど)を含み構成されている。回転体が機能している間に所定の大きさを超える振動を受けると、回転体が損傷し復旧困難な状態になりうる。そこで、コントローラ600は、平常時に回転体を機能させている場合には、非常時の対応が必要と推定される場合には、回転体を停止させて、非常時に備えるように制御する。
構造物検証装置400は、監視対象の構造物に設置されたセンサ200から送信されるセンサデータに基づいて構造物の状態を推定し、地震による応答(搖動)を予測するコンピュータ装置である。構造物検証装置400は、入力部410と、通信部420と、記憶部430と、制御部440とを備えている。
入力部410は、キーボードやマウス等の入力デバイスであり、管理者等であるユーザの操作に応じた入力信号を生成し、制御部440に出力する。
通信部420は、外部のコンピュータ装置等の機器と無線または有線により通信する。例えば、通信部420は、緊急地震速報サーバ100から送信される緊急地震速報を受信する。また、通信部420は、センサ200から送信されるセンサデータを受信する。また、通信部420は、コントローラ600に対して動作モード(非常時モード、または平常時モード)を示す情報(コマンド)を送信する。
記憶部430は、構造物検証装置400が動作する際に参照する各種データを記憶する。記憶部430は、構造物データ記憶部431と、センサデータ履歴記憶部432と、応答特性データ記憶部433と、健全性判定ルール記憶部434とを備えている。
構造物データ記憶部431は、監視対象の構造物の特徴を示す構造物データを記憶する。図2は、構造物データ記憶部431が記憶する構造物データの例を示す図である。構造物データには、構造物ID(Identifier)、構造種別、固有周期、主軸の向き、等のデータが含まれる。構造物IDは、監視対象の構造物を識別する識別情報である。構造種別は、監視対象物である構造物の構造種別であり、例えば、「鉄筋コンクリート構造」、「鉄骨構造」等の値が対応付けられる。固有周期は、監視対象物である構造物の固有周期である。主軸の向きは、構造物が振動しやすい構面の向きを示す。向きとは、例えば東西南北の4方向を基準とし、その基準に対する構造物の方向の差を角度によって示す値である。例えば、主軸の向きに「NE45」が対応付けられている場合、その構造物の主軸が北東45度の方向を向いていることを示す。
センサデータ履歴記憶部432は、複数のセンサ200によって計測されたセンサデータの履歴を記憶する。図3は、センサデータ履歴記憶部432が記憶するセンサデータの例を示す図である。センサデータには、センサID、取得日時、震度、最大加速度、最大速度、最大変位等のデータが含まれる。センサIDは、センサ200を識別する識別情報である。取得日時は、対応するセンサ200からセンサデータが送信された日時を示す。最大加速度は、対応するセンサ200による計測値である。最大速度は、監視対象の構造物における各階毎の速度の最大値を示す。最大変位は、監視対象の構造物における各階毎の変位の最大値を示す。このような速度・変位は、例えば、センサ200−1からセンサ200−5の各々から送信される加速度のセンサデータを1回又は2回積分して、1階から屋上までの加速度方向の速度・変位を求め、隣接する階同士の変位の差分を算出することにより、構造物のそれぞれの階の層間変位δを求めることができる。
応答特性データ記憶部433は、地震等の外的要因に応じた監視対象である構造物の応答特性を示す応答特性データを記憶する。応答特性データは、センサデータ履歴記憶部432に記憶されているセンサデータに基づいて、後述する応答特性データ算出部444によって算出され、記憶される。図4は、応答特性データ記憶部433が記憶する応答特性データの例を示す図である。応答特性データには、構造物対象個所、基準震度、加速度応答倍率、速度応答倍率、変位応答倍率等のデータが含まれる。構造物対象個所は、構造物における応答特性を算出する個所を示す。例えば、1階や2階などの階層を示すデータである。ただし、例えばひとつの階層における複数個所を構造物対象個所として対応付けてもよいし、複数階層をひとつの構造物対象個所として対応付けることもできる。基準震度は、基準となる構造物対象個所における揺れの大きさを示す。例えば、基準対象個所は、構造物の1階とする。基準震度によって、特性を分類して記憶させることで予測精度を高めることができる。加速度応答倍率は、対応する基準となる構造物対象個所において、対応する基準震度の揺れが発生した場合における、基準となる個所の最大加速度に対する、対応する個所の最大加速度の比を示す。速度応答倍率・変位応答倍率についても、基準となる個所の最大値に対する、対応する個所の最大値の比を示す。
健全性判定ルール記憶部434は、地震発生により監視対象の構造物に揺れが発生した後に、構造物の健全性の検証を行うための健全性判定ルールを記憶する。図5は、健全性判定ルール記憶部434が記憶する健全性判定ルールの例を示す図である。健全性判定ルールは、後述する層間変形角Δ及び限界層間変形角の比較結果と、固有周期T及び固有周期の初期値の比較結果との組み合わせにより構造物の健全性の判定結果を示す情報である。限界層間変形角は、この値を超える層間変位が発生した場合、構造躯体の部材が変形などの損傷を受ける大きさ(破断などを含め、構造躯体の部材が変形した状態から元に戻らない状態となる塑性変形の限界を示す大きさ)に設定されている。以下、固有周期Tと層間変形角Δとの判定のパターンを示すパラメータパターンに対応する構造物である建物900(以下、建物900を単に「建物」ということがある。)の安全性(健全性)の判定を示す。
・パラメータパターンA
層間変形角Δが限界層間変形角を超えており、かつ固有周期閾値に比較して固有周期が長くなり剛性が低下していると判断される場合には、建物の損傷の程度は以下に示すように推定される。建物の状況は、構造躯体の損傷は想定以上であり、建物の損傷の大きさが想定以上であると推定される。これにより、判定結果は、「建物の損傷の早急な調査が必要である」とされている。
・パラメータパターンB
層間変形角Δが限界層間変形角を超えており、一方、固有周期閾値に比較して固有周期Tに変化がなく剛性が維持されていると判断される場合には、建物の損傷の程度は以下に示すように推定される。固有周期Tの変化がないため、建物の構造躯体が設計における限界層間変形角より大きい層間変形角として実際に建造されたとして、限界層間変形角を超えても損傷は想定以下と推定することができる。これにより、判定結果は、「継続使用可能であるが、注意して利用する必要がある」とされている。
・パラメータパターンC
層間変形角Δが限界層間変形角以下であり、一方、固有周期閾値に比較して固有周期Tが長くなり剛性が低下していると判断される場合には、建物の損傷の程度は以下に示すように推定される。固有周期Tが長くなっているが、層間変形角Δが限界層間変形以下であるため、構造躯体ではなく建物の非構造躯体が損傷を受けており、構造躯体の損傷は想定以下と推定することができる。これにより、判定結果は、「継続使用可能であるが、注意して利用する必要がある」とされている。
・パラメータパターンD
層間変形角Δが限界層間変形角以下であり、かつ固有周期閾値に比較して固有周期Tに変化がなく剛性が維持されていると判断される場合には、建物の損傷の程度は以下に示すように推定される。層間変形角Δが限界層間変形以下であり、かつ固有周期Tに変化がなく剛性が維持されているため、建物の構造躯体及び建物の非構造躯体のいずれも損傷を受けおらず、構造躯体の損傷は想定以下と推定することができる。これにより、判定結果は、「継続使用可能」とされている。
図1にもどり、制御部440は、構造物検証装置400が備える各部を制御し、コンピュータ処理を実行する。制御部440は、緊急地震速報制御部441と、要因データ受付部442と、センサデータ制御部443と、応答特性データ算出部444と、応答予測部445と、設備制御部446と、非常時モード解除判定部447とを備えている。
緊急地震速報制御部441は、外的要因である地震の規模を含む緊急地震速報を受信し、受信した緊急地震速報を要因データとして要因データ受付部442に入力する。例えば、緊急地震速報制御部441は、緊急地震速報サーバ100から送信される緊急地震速報を、通信部420を介して受信し、受信した緊急地震速報の電文データに基づいて、地震の発生時刻、震源、規模を示す要因データを算出する。発生時刻は、地震の発生時刻を、例えば日時分秒により示すデータである。震源は、地震の震源を、東西南北の位置(緯度、経度)と深さとによって示すデータである。規模は、例えばマグニチュードであり、地震の大きさを示す。
要因データ受付部442は、構造物に対する外的要因の規模を示す要因データの入力を受け付ける。例えば、要因データ受付部442は、緊急地震速報制御部441からの要因データの入力を受け付ける。
センサデータ制御部443は、センサ200から送信されるセンサデータを受信し、受信したセンサデータをセンサデータ履歴記憶部432に記憶させる。ここで、センサ200は、センサ200から送信されるセンサデータを定期的にセンサデータ履歴記憶部432に記憶させてもよいし、地震発生の際にセンサ200から送信されるセンサデータをセンサデータ履歴記憶部432に記憶させるようにしてもよい。すなわち、例えば地震等の外的要因がなくとも、風等の影響により、監視対象の構造物が揺れを生じている場合、このような揺れを計測したセンサデータをセンサデータ履歴記憶部432に記憶させておくことができる。ただし、地震が発生した場合には、構造物の状態に応じて、より顕著な揺れが発生すると考えられる。このため、構造物の状態を示す応答特性データを算出するための標本であるセンサデータの実測値としては、地震が発生した場合の方がより有用である。このため、センサデータ制御部443は、地震発生の際にセンサ200から送信されるセンサデータをセンサデータ履歴記憶部432に記憶させることができる。この場合、例えば、センサデータ制御部443は、緊急地震速報制御部441が緊急地震速報を受信してから所定時間内にセンサ200によって計測され送信されたセンサデータを、センサデータ履歴記憶部432に記憶させる。例えば、緊急地震速報が誤報であったり、監視対象の構造物まで揺れが届かなかったりすることにより、緊急地震速報制御部441が緊急地震速報を受信してから所定時間内(例えば、15分等)に、センサ200から出力されるセンサデータに変化がなかった場合、センサデータ制御部443は、センサデータをセンサデータ履歴記憶部432に記憶させないように制御することができる。なお、上記の説明では、センサ200から送信されるセンサデータは、定期的に或いは地震発生時に記憶させてもよいものとしたが、ユーザの操作に起因して記憶させるようしてもよい。
応答特性データ算出部444は、センサデータ履歴記憶部432に記憶されたセンサデータの履歴に基づいて、応答特性データを算出し、算出した応答特性データを応答特性データ記憶部433に記憶させる。具体的には、例えば、応答特性データ算出部444は、緊急地震速報によって示される震源、マグニチュードのデータと、その緊急地震速報によって示される地震によって生じた揺れを計測したセンサデータのデータと、震源と監視対象の構造物との距離、構造物の主軸の向きと震源の方角等に基づいて応答波形解析、統計処理を行い、応答特性データを算出する。
応答予測部445は、要因データ受付部442に入力された要因データに対応する応答特性データを応答特性データ記憶部433から読み出し、読み出した応答特性データに基づいて、その外的要因による構造物の応答を予測する。例えば、応答予測部445は、要因データに含まれる震度に応じた応答倍率(加速度応答倍率、速度応答倍率、変位応答倍率)のデータを、構造物対象個所ごとに応答特性データ記憶部433から読み出し、読み出したデータを、基準となる構造物対象での揺れの大きさに乗じて、応答の予測結果として出力する。
設備制御部446は、応答予測部445による予測結果に基づいて、監視対象の構造物に付属する設備300に対するコントローラ600に対してコマンドを送信する。例えば、設備制御部446は、設備300が設けられた階ごとに、その設備300の動作モードを非常時モードにする震度や加速度等の停止閾値を自身の記憶領域に記憶させておく。設備制御部446は、応答予測部445による予測結果と停止閾値とを比較し、予測結果が停止閾値を超える階の設備300に対して、動作状態を非常時に対応させるべく、コントローラ600に非常時モードを示す情報(コマンド)を送信する。設備制御部446は、構造物に設けられた設備の動作モードを、外的要因による構造物の揺れが生じる前の段階で指定する動作モードである平常時モードから、外的要因に応じた構造物の揺れによる影響を回避するように設備に設定する動作モードである非常時モードに切り替える。
非常時モード解除判定部447は、地震発生により監視対象の構造物に揺れが発生した後に、構造物の健全性の検証を行い、構造物または構造物に付属する設備300に損傷のおそれがあるか否かを判定する。ここで、非常時モード解除判定部447による健全性検証処理を説明する。例えば、非常時モード解除判定部447は、センサデータに基づいて上述のように層間変位δを算出し、算出した各階の層間変位δの各々を、それぞれの階の高さで除算し、各階の層間変形角Δ(ラジアン)を算出する。なお、加速度データから変位を求める方法は、本実施形態に記載されているもの以外の他の方法を用いても良い。
また、非常時モード解除判定部447は、微振動センサであるセンサ200−5から出力される微少振動データの周波数解析を行う。非常時モード解除判定部447は、パワースペクトルにおけるピーク(最も高いパワースペクトル値)となる周波数を固有周波数(固有振動数)として選択し、この固有周波数の逆数を固有周期として出力する。非常時モード解除判定部447は、層間変形角Δと、建物の固有周期とにより、健全性判定ルール記憶部434に記憶されている健全性判定ルールに基づいて、構造躯体の損傷度合いを判定する。すなわち、非常時モード解除判定部447は、層間変形角Δと予め設定されている限界層間変形角(層間変位閾値)とを比較し、層間変形角Δが限界層間変形角を超えているか否かを判定する。このとき、非常時モード解除判定部447は、固有周期Tと固有周期の初期値(例えば、建物を建設した直後の固有周期あるいは地震発生直前の固定周期)とを比較し、固有周期Tが固有周期の初期値以下であるか否かを判定する。
ここで、非常時モード解除判定部447は、例えば、健全性判定ルールに基づいて、「建物の損傷の早急な調査が必要である」、あるいは「継続使用可能であるが、注意して利用する必要がある」と判定した場合、構造物または構造物に付属する設備300に損傷のおそれがあると判定し、「継続使用可能」と判定した場合、構造物または構造物に付属する設備300に損傷のおそれがないと判定する。非常時モード解除判定部447は、構造物または構造物に付属する設備300に損傷のおそれがあると判定した場合、その設備300の動作状態の非常時モードを解除させるコマンドをコントローラ600に対して送信せず、または動作状態の非常時モードを継続させるコマンドをコントローラ600に対して送信することにより、非常時モード状態を継続させる。一方、構造物または構造物に付属する設備300に損傷のおそれがないと判定した場合、その設備300の動作状態を平常時モードへと移行させるコマンドをコントローラ600に対して送信することにより、非常時モードを解除させ、設備300を再稼働させるように制御する。このように、非常時モード解除判定部447は、外的要因である地震により構造物が応答した後に、その地震に応じてセンサ200によって計測されたセンサデータに基づいて、その地震によって動作モードが非常時モードにされた構造物に付属する設備300の動作状態の非常時モードを解除して平常時モードへ移行させるか、動作状態を非常時モードのまま維持させるかを判定する。なお、上記に示した場合では、その地震によって動作モードが非常時モードにされた構造物に付属する設備300の動作状態の非常時モードを解除して平常時モードへ移行させるか、動作状態を非常時モードのまま維持させるかを非常時モード解除判定部447が判定するものとして説明したが、目視点検などによりユーザが判断した結果に応じて設備300の非常時モードにするを解除できるようにしてもよい。
次に、図面を参照して、本実施形態による構造物検証システム1の動作例を説明する。図6は、本実施形態による構造物検証装置400の動作例を示すフローチャートである。
緊急地震速報サーバ100から緊急地震速報が送信されると、構造物検証装置400の緊急地震速報制御部441は、通信部420を介して緊急地震速報を受信する(ステップS1)。緊急地震速報制御部441は、受信した緊急地震速報に基づいて要因データを算出し、算出した要因データを要因データ受付部442に入力する。
応答予測部445は、要因データ受付部442に入力された要因データに対応する応答特性データを応答特性データ記憶部433から読み出し、地震に対する構造物各層の応答を予測する(ステップS2)。設備制御部446は、構造物の各層ごとに、応答予測部445による予測結果に基づいて、予測結果の揺れが停止閾値以上か否かを判定する(ステップS3)。設備制御部446は、予測結果の揺れが停止閾値以上でないと判定すれば(ステップS3:NO)、ステップS10に進む。設備制御部446は、予測結果の揺れが停止閾値以上であると判定すれば(ステップS3:YES)、その層の設備300の動作状態を非常時モードに移行させるようにコントローラ600に対する指令を送信する(ステップS4)。
監視対象の構造物に地震の揺れが到達し、構造物に応答が発生すると、各センサ200は、計測したセンサデータを構造物検証装置400に送信する。センサデータ制御部443は、センサ200から送信されたセンサデータを、通信部420を介して受信する(ステップS5)。センサデータ制御部443は、受信したセンサデータをセンサデータ履歴記憶部432に記憶させる。非常時モード解除判定部447は、センサデータ制御部443が受信したセンサデータに基づいて、構造物各層ごとに健全性を判定する(ステップS6)。非常時モード解除判定部447は、損傷のおそれがあると判定すると(ステップS7:YES)、非常時モードを継続させる(ステップS8)。非常時モード解除判定部447は、損傷のおそれがないと判定すると(ステップS7:NO)、コントローラ600に対し非常時モードから平常時モードに移行させる指令を送信し、非常時モードを解除させる(ステップS9)。
また、応答特性データ算出部444は、センサデータ制御部443が受信したセンサデータに基づいて、各層ごとの床応答を算出し(ステップS10)、応答倍率を算出する(ステップS11)。応答特性データ算出部444は、算出した応答倍率を応答特性データとして応答特性データ記憶部433に記憶させる(ステップS12)。なお、応答特性データ算出部444は、ステップS10からステップS12までの各ステップの処理を、ステップS5の処理を終えた後、ステップS6の処理を実施するまでに実施してもよく、又は、ステップS6からステップS9までの処理と並行して実施するようにしてもよい。また、予測結果の揺れが停止閾値以上でないと判定(ステップS3:NO)した際の処理を、ステップS10に代えてステップS5にしてもよい。
図7は、図1に示す構造物検証システム1において、図6に示す手順を実施する場合の各設備の制御状態を示した図である。図7(a)は、非常時モードについて示す図である。
非常時モードにおいて、照明設備では、避難・誘導・救助を容易とするため、非点灯箇所の照明器具を点灯させる。また、照明設備では、避難・誘導を在室者に知らせるために照明器具の点灯状態をフラッシュさせる。
非常時モードにおいて、ドア施錠管理設備では、避難・救助のため、全館のドアの施錠状態を開錠させる。
非常時モードにおいて、電源設備では、二次災害発生を防ぐため、配電を停止させる。
非常時モードにおいて、空調設備では、他設備の機能維持に必要な個所以外の空調機を停止させる。例えば、直流電源装置が置かれた電気室や通信機械室などは、非常時といえども機能を停止させることができない。このような特別な設備が置かれた箇所を除く他の個所の空調を停止させる。
非常時モードにおいて、ポンプ設備では、他設備の機能維持に必要な個所以外のポンプ設備を停止させる。
非常時モードにおいて、通信設備では、現在の在室状況を管理者にメールや電話などにより通知する。
図7(b)は、非常時モードから平常時モードに動作モードを移行する場合の動作モードについて示す図である。
平常時モードにおいて、照明設備では、点灯状態を平常時の点灯状態に戻す。
平常時モードにおいて、ドア施錠管理設備では、全館のドアの施錠状態を平常時の施錠管理状態に戻す。
平常時モードにおいて、電源設備では、配電を開始させて復旧させる。
平常時モードにおいて、空調設備では、全館の空調機の運転状態を平常時に戻す。
平常時モードにおいて、ポンプ設備では、ポンプ設備の運転状態を平常時に戻す。
平常時モードにおいて、通信設備では、実際の震度状況を管理者にメールや電話などにより通知する。
上記の処理を行うことにより、以下に示すように災害を防ぐことができる。
例えば、地震が発生したのが夜である場合、照明が点灯していない箇所がある。このような箇所の照明器具を強制的に点灯させることにより、在室者を各階から逃げやすくしたり、助けやすくしたりすることが可能になる。また、照明器具をフラッシュさせることにより、在室者が耳の不自由な人であっても、緊急事態の発生を知らせることが可能になる。
ドアが開錠されることにより、階(又はゾーン)ごとに設定されたセキュリティポリシーにより、入場が制限されている階(又はゾーン)を全て開錠することにより、入場権限が無い人が在室者を助けに入ることが可能になる。ただし、このように自由に出入りできるようにしても、入退出履歴を記録して、在室者の有無、出入りした人数などを管理するとよい。
非常時モード解除判定部447は、建物に損傷のおそれがないと判定すると、非常時モードとして制限していた各設備300の稼働状態を平常時モードに復旧させるように制御している。これまで、専門家の判断がなされた後に、平常動作に切り換える復旧処理が行われていたため、広域の災害時には、専門家の判断が速やかに行われにくいことがあり、建物や設備に異常がない場合であっても、設備を利用できないことがあった。これに対し、構造物検証装置400は、建物の状態を速やかに判定することにより、建物に付帯する設備の復旧も速やかに行えるようになる。
以上説明したように、本実施形態によれば、予め算出した建物モデルではなく、監視対象の構造物に設置されたセンサ200から送信されるセンサデータの実測値に基づいて応答特性を算出することができるため、監視対象の構造物のリアルタイムな状態に基づいた信頼性の高い応答予測を行うことができる。すなわち、応答予測を行うために、状態の変化の都度、建物モデルを修正する必要がなく、構造物に設置されたセンサ200から送信されるセンサデータに基づいて自動的に応答特性データを算出することが可能となる。
さらに、監視対象の構造物に地震による揺れが到来した後には、その際に計測したセンサデータの実測値に基づいて健全性の判定を行い、判定結果に基づいて、動作モードを非常時モードにした設備300の動作モードを非常時モードのまま継続するか非常時モードを解除するかを判定することができる。これにより、地震により構造物や付属設備が損傷して継続使用が危ぶまれるような場合に、設備のみの健全性ではなく、構造物全体の状況に基づいて継続使用の可否を判定することが可能となる。これにより、例えば地震による二次災害を防ぐことが期待できる。例えば、緊急地震速報を受けて構造物内のエレベータが動作を停止した場合、揺れが止まった後でも、構造物に損傷のおそれがある場合には停止解除をせず動作を再開させないといった制御を行うことができる。これにより、緊急地震速報やその時点での揺れのみによって制御する場合に比べて信頼性が向上し、稼働再開を迅速かつ安全に行うことができる。
(第2実施形態)
図8を参照して、第1の実施形態と異なる実施形態について説明する。図8は、第2の実施形態による構造物検証システム1Aの構成例を示すブロック図である。構造物検証システム1Aは、監視対象の構造物である建物900Aの健全性の検証を支援する。第1実施形態に示す構成と異なる構成について説明する。なお、図1と同じ部分については、同じ符号を付し、その説明を省略する。
構造物検証システム1Aは、緊急地震速報サーバ100と、監視対象の構造物に設置された複数のセンサ200(センサ200−1、センサ200−2、センサ200−3、センサ200−4、センサ200−5)と、監視対象の構造物に配置された複数の在室検知センサ250(在室検知センサ250−1、在室検知センサ250−2、在室検知センサ250−3、在室検知センサ250−4)と、監視対象の構造物に付属する複数の設備300(設備300−1、設備300−2、設備300−3、設備300−4、設備300−5)と、構造物検証装置400Aとを備えている。
同図に示す在室検知センサ250−1から在室検知センサ250−4の各々は、各階において在室者が居るか否かの情報を得るためのセンサであり、いかなるセンサにより構成されてもよい。例えば、室内照明点灯状況やPC起動状況が、在籍屋が居るか否かの情報となってもよい。
構造物検証装置400Aは、監視対象の構造物に設置されたセンサ200から送信されるセンサデータに基づいて構造物の状態を推定し、地震による応答を予測するコンピュータ装置である。構造物検証装置400Aは、入力部410と、通信部420と、記憶部430と、制御部440Aとを備えている。
制御部440Aは、構造物検証装置400Aが備える各部を制御し、コンピュータ処理を実行する。制御部440Aは、緊急地震速報制御部441と、要因データ受付部442と、センサデータ制御部443と、応答特性データ算出部444と、応答予測部445と、設備制御部446Aと、非常時モード解除判定部447A、在室状況判定部448とを備えている。
在室状況判定部448は、在室検知センサ250の出力により、各階に在室者が居るか否かを判定する。
設備制御部446Aは、設備制御部446と同様の働きを行うが、ステップS3における(図6)判定の後に、在室状況判定部448の判定結果を用いて非常時モードへ移行するか否かを判定する。設備制御部446Aは、構造物に設けられた設備が設けられている場所にユーザが存在するか否かに応じて、当該設備の動作モードを平常時モードから非常時モードに切り替える際に、ユーザが存在する場所と存在しない場所とにおいて互いに異なる動作状態になるように制御する。
非常時モード解除判定部447Aは、非常時モード解除判定部447と同様の働きを行うが、ステップS7における(図6)判定において、在室者がいる場合に、非常時モードを継続するか否かの判定を行う。
図9は、第2の実施形態による構造物検証システム1Aの動作例を示すフローチャートである。図9に示すフローチャートでは、図6に示すフローチャートに対してステップS3−1を付け加えた点が相違する。すなわち、在室状況判定部448は、設備制御部446が、予測結果の揺れが停止閾値以上であると判定した場合(ステップS3:YES)、構造物に設けられた設備が設けられた場所に在室者(ユーザ)が存在するか否かを判定する(ステップS3−1)。在室状況判定部448が、在室者がいると判定した場合(ステップS3−1:YES)、設備制御部446AはステップS4に進み、その層の設備300の動作状態を非常時モードに移行させるようにコントローラ600に対する指令を送信する(ステップS4)。一方、在室状況判定部448が、在室者がいないと判定した場合(ステップS3−1:NO)、設備制御部446は、ステップS5に進み、非常時モードに移行させる指令をコントローラ600に送信しない。
図10は、図8に示す構造物検証システム1Aにおいて、図9に示す手順を実施する場合の各設備の制御状態を示した図である。この図10は、在室者がいる場合の各設備の状況を示している。
図10(a)は、非常時モードについて示す。
非常時モードにおいて、照明設備では、避難・誘導・救助を容易とするため、非点灯箇所の照明器具を点灯させる。また、照明設備では、避難・誘導を在室者に知らせるために照明器具の点灯状態をフラッシュさせる。
非常時モードにおいて、ドア施錠管理設備では、避難・救助のため、全館のドアの施錠状態を開錠させる。
非常時モードにおいて、電源設備では、二次災害発生を防ぐため、配電を停止させる。
図10(b)は、非常時モードから平常時モードに動作モードを移行する場合の動作モードについて示す。
平常時モードにおいて、照明設備では、点灯状態を平常時の点灯状態に戻す。
平常時モードにおいて、ドア施錠管理設備では、全館のドアの施錠状態を平常時の施錠管理状態に戻す。
平常時モードにおいて、電源設備では、配電を開始させて復旧させる。
図10に示すように、在室者がいる場合、照明設備、ドア施錠管理設備、電源設備に対しては、図7と同じ制御が行われる。空調設備、ポンプ設備に対しては、非常時モード、及び平常時モードともに制御の内容が相違する。これは、空調機及びポンプ等は、在室者がいる場合であって、夏など暑い場合には、停止しないことにより、在室者への影響を最小限にとどめることが可能になるためである。また、通信設備に関しても、通知の必要がない。これは、在室状況判定部448により知ることができるためである。
なお、在室者がいない場合については、図10には示していないが、例えば、ステップS8において、図10(a)に示す非常時モードに移行してもよい。
(第3実施形態)
図11を参照して、前述の実施形態と異なる実施形態について説明する。図11は、本実施形態による構造物検証システム1Bの構成を示すブロック図である。構造物検証システム1Bは、監視対象の構造物である建物900の健全性の検証を支援する。第1実施形態に示す構成と異なる構成について説明する。
構造物検証システム1Bは、緊急地震速報サーバ100と、監視対象の構造物に設置された複数のセンサ200B(センサ200B−1、センサ200B−2、センサ200B−3、センサ200B−4、センサ200B−5)と、監視対象の構造物に付属する複数の設備300(設備300−1、設備300−2、設備300−3、設備300−4、設備300−5)と、構造物検証装置400Bとを備えている。複数のセンサ200Bは同様の構成であるため、特に区別しない場合には「−1」、「−2」等を省略してセンサ200として説明する。
同図に示すセンサ200B−1からセンサ200B−5の各々は、加速度センサの他、傾斜角センサを含む。
構造物検証装置400Bは、監視対象の構造物に設置されたセンサ200から送信されるセンサデータに基づいて構造物の状態を推定し、地震による応答を予測するコンピュータ装置である。構造物検証装置400Bは、入力部410と、通信部420と、記憶部430Bと、制御部440Bとを備えている。
記憶部430Bは、構造物検証装置400Bが動作する際に参照する各種データを記憶する。記憶部430Bは、構造物データ記憶部431と、センサデータ履歴記憶部432Bと、応答特性データ記憶部433と、健全性判定ルール記憶部434Bとを備えている。
センサデータ履歴記憶部432Bは、複数のセンサ200によって計測されたセンサデータの履歴を記憶する。図12は、センサデータ履歴記憶部432Bが記憶するセンサデータの例を示す図である。センサデータには、センサID、取得日時、震度、最大加速度、最大速度、最大変位、傾斜角等のデータが含まれる。センサデータのうちセンサID、取得日時、震度、最大加速度、最大速度、最大変位の各項目は、前述のセンサデータ履歴記憶部432(図3)の各項目に対応する。傾斜角は、各センサを設置した箇所の傾斜角を記憶する。
健全性判定ルール記憶部434Bは、地震発生により監視対象の構造物に揺れが発生した後に、構造物の健全性の検証を行うための健全性判定ルールを記憶する。健全性判定ルールの詳細については後述する。
制御部440Bは、構造物検証装置400Bが備える各部を制御し、コンピュータ処理を実行する。制御部440Bは、緊急地震速報制御部441と、要因データ受付部442と、センサデータ制御部443と、応答特性データ算出部444と、応答予測部445と、設備制御部446と、非常時モード解除判定部447Bとを備えている。
非常時モード解除判定部447Bは、地震発生により監視対象の構造物に揺れが発生した後に、構造物の健全性の検証を行い、構造物または構造物に付属する設備300に損傷のおそれがあるか否かを判定する。非常時モード解除判定部447Bは、非常時モード解除判定部447(図1)と同様の方法により、各階の層間変形角Δ(ラジアン)を算出し、また、微振動センサであるセンサ200−5から出力される微少振動データの周波数解析の結果から、パワースペクトルにおけるピーク(最も高いパワースペクトル値)となる周波数を固有周波数(固有振動数)として算出する。
また、非常時モード解除判定部447Bは、傾斜角センサを含むセンサ200Bから送信されたセンサデータから傾斜角θを算出する。なお、センサ200Bが出力する加速度データから傾斜角θを求めてもよい。傾斜角θを算出する方法は、本実施形態に記載されているもの以外の他の方法を用いても良い。
図13は、健全性判定ルール記憶部434Bが記憶する健全性判定ルールの例を示す図である。健全性判定ルールは、層間変形角Δ及び限界層間変形角の比較結果と、固有周期T及び固有周期の初期値の比較結果と、傾斜角θ及び傾斜角の初期値(傾斜角閾値)の比較結果との組み合わせにより構造物の健全性の判定結果を示す情報である。限界層間変形角は、この値を超える層間変位が発生した場合、構造躯体の部材が変形などの損傷を受ける大きさ(破断などを含め、構造躯体の部材が変形した状態から元に戻らない状態となる塑性変形の限界を示す大きさ)に設定されている。以下、固有周期Tと層間変形角Δと傾斜角θとの判定のパターンを示すパラメータパターンに対応する建物の安全性(健全性)の判定を示す。
この図13において、3次元の判定空間がパターンP1からパターンP8の8個の領域に分割されている。
・パターンP1 層間変形角Δが設計層間変形角以下であり、固有周期Tが固有周期閾値以下であり、傾斜角θが傾斜角の初期値以下であるパターン
・パターンP2 層間変形角Δが設計層間変形角を超えており、固有周期Tが固有周期閾値以下であり、傾斜角θが傾斜角の初期値以下であるパターン
・パターンP3 層間変形角Δが設計層間変形角以下であり、固有周期Tが固有周期閾値を超えており、傾斜角θが傾斜角の初期値以下であるパターン
・パターンP4 層間変形角Δが設計層間変形角を超えており、固有周期Tが固有周期閾値を超えており、傾斜角θが傾斜角の初期値以下であるパターン
・パターンP5 層間変形角Δが設計層間変形角以下であり、固有周期Tが固有周期閾値以下であり、傾斜角θが傾斜角の初期値を超えているパターン
・パターンP6 層間変形角Δが設計層間変形角を超えており、固有周期Tが固有周期閾値以下であり、傾斜角θが傾斜角の初期値を超えているパターン
・パターンP7 層間変形角Δが設計層間変形角以下であり、固有周期Tが固有周期閾値を超えており、傾斜角θが傾斜角の初期値を超えているパターン
・パターンP8 層間変形角Δが設計層間変形角を超えており、固有周期Tが固有周期閾値を超えており、傾斜角θが傾斜角の初期値を超えているパターン
本実施形態においては、上述したパターンP1からパターンP8を以下に示すように、5個の判定グループ(状態)に分類されている。健全性判定ルール記憶部434Bには、この判定グループに対応した判定結果が判定テーブルとして予め書き込まれて記憶されている。
・判定グループD:パターンP1、パターンP2
判定結果:継続使用可能。
判定理由:パターンP1については、層間変形角Δが設計層間変形角以下であり、固有周期Tが固有周期閾値以下であり、傾斜角θが傾斜角の初期値以下であるため、建物900に対する損傷がないと判定される。また、パターンP2については、層間変形角Δが設計層間変形角を超えているが、固有周期Tが固有周期閾値以下であり、傾斜角θが傾斜角の初期値以下であるため、建物900に対する損傷がないと判定される。ここで、層間変形角Δが設計層間変形角を超えているのに、固有周期Tが固有周期閾値以下であり、傾斜角θが傾斜角の初期値以下であることから、建物900の実際の耐震性能が設計時より高く建設されているためと推定される。
・判定グループE:パターンP5、パターンP6
判定結果:応急復旧時には使用可能と判断できるが、通常時に使用できるかどうかは調査が必要。
判定理由:固有周期Tが固有周期閾値以下であり、建物900の傾斜角θが傾斜角の閾値を超えている場合、建物900の立っている地盤が損傷していると推定される。
・判定グループF:パターンP7
判定結果:非構造部材が損傷している可能性があり、応急復旧時に使用するとしても調査が必要。
判定理由:固有周期Tが固有周期閾値を超えており、建物900の傾斜角θが傾斜角の閾値を超えており、層間変形角Δが設計層間変形角以下である場合、建物900の非構造部材及び建物900の立っている地盤が損傷していると推定される。
・判定グループG:パターンP3、パターンP4
判定結果:非構造部材が損傷している可能性があり、応急復旧時に使用するとしても調査が必要であるが、通常時の使用に関しては非構造部材を補修すれば継続使用可能。
判定理由:建物900の傾斜角θが傾斜角の閾値以下であるが、固有周期Tが固有周期閾値を超えているため、建物900の構造躯体に損傷が無く、非構造躯体に損傷の可能性があると推定される。
・判定グループH:パターンP8
判定結果:継続使用不可。
判定理由:建物900の傾斜角θが傾斜角の閾値を超え、かつ固有周期Tが固有周期閾値を超え、かつ層間変形角Δが設計層間変形角を超えているため、建物900の構造躯体、非構造躯体及び地盤に損傷の可能性があると推定される。
次に、本実施形態による建物安全性検証システム2の建物の安全性を検証する処理を、図14を参照して説明する。図14は、本実施形態による構造物検証システム1Bの建物の安全性を検証する処理の流れを示すフローチャートである。構造物検証システム1Bは、地震が発生した後、各階毎に図14のフローチャートの動作を行い、建物900の階毎の安全性の判定を行う。建物900がn階建てであれば、1階からn階まで順番にフローチャートによる判定処理を行う。非常時モード解除判定部447B(層間変位計測部)は、供給されるセンサ200B−1から地動加速度が所定の地震判定閾値以上の場合、地震発生として以下のフローチャートの処理を実行する。
ステップS1〜ステップS5:
前述の図6のステップS1からステップS5と同じ処理をする。
ステップS21:
非常時モード解除判定部447Bは、供給されるセンサ200B−1が計測した加速度データから加速度を抽出する。そして、非常時モード解除判定部447Bは、この抽出した加速度を2回積分し、積分の結果から1階部分の最大変位を算出する。
ステップS22:
非常時モード解除判定部447Bは、建物900のk階(1≦k≦n)に配置されたセンサ200B−kから供給される、それぞれのセンサ200B−kにおいて計測した加速度データから、センサ200B−1の加速度を抽出する。そして、非常時モード解除判定部447Bは、この抽出した加速度を2回積分し、各階の変位を算出し、それぞれ隣接する階の変位と当該階の差分から、当該階に隣接する階の最大変位を算出して、各階の層間変位δを算出する。ここで、建物900の1階の層間変位δは、2階の変位から1階部分の変位を減算して求められる。
なお、全体曲げ変形やロッキングが支配的な建物などに対しては、層間変位を算出する際に、傾斜角θの計測データを用いることでせん断変形成分をより精緻に算出する。
ステップS23:
非常時モード解除判定部447Bは、算出したk階の層間変位δの各々を、k階の高さでそれぞれ除算し、k階の層間変形角Δを算出する。なお、加速度データから変位を求める方法は、本実施形態に記載されているもの以外の他の方法を用いても良い。
ステップS24:
非常時モード解除判定部447B(固有周期計測部)は、屋上に配置された微振動センサから、地震発生後に供給される微振動データに対し、信号処理を行う。すなわち、建物安全性評価部23は、微振動データのフーリエ解析を行い、最も高いパワースペクトルを有する周波数を抽出し、この周波数を固有周波数とする。そして、建物安全性評価部23は、抽出した固有周波数の周期を求め、この周期を固有周期Tとする。
ステップS25:
非常時モード解除判定部447B(傾斜角計測部)は、建物900の屋上に配置されているセンサ200B−5(傾斜角センサ)から供給される傾斜角データにより、建物900の傾斜角θを求める。
ステップS26:
非常時モード解除判定部447B(建物安全性評価部)は、建物900における1階からn階までの全ての階における損傷程度の判定が行われたか否かの判定を行う。
このとき、非常時モード解除判定部447Bは、建物900における全ての階に対する判定が終了した場合、処理をステップS36に進め、建物900における全ての階に対する判定が終了していない場合、処理をステップS27へ進める。
ステップS27:
非常時モード解除判定部447Bは、算出した傾斜角θと建物900の傾斜角の初期値との比較を行い、傾斜角θが傾斜角の初期値を超えているか否かを判定する(第3の判定結果を求める)。このとき、非常時モード解除判定部447Bは、傾斜角θが傾斜角の初期値を超えていない場合、処理をステップS28へ進め、一方、傾斜角θが傾斜角の初期値を超えている場合、処理をステップS29へ進める。
ステップS28:
非常時モード解除判定部447Bは、算出した固有周期Tと固有周期閾値とを比較し、固有周期Tが固有周期閾値以下であるか否かの判定を行う(第2の判定結果を求める)。このとき、非常時モード解除判定部447Bは、固有周期Tが固有周期閾値を超える場合、処理をステップS32へ進め、一方、固有周期Tが固有周期閾値以下である場合、処理をステップS31へ進める。ここで、説明においては、建物900の固有周期の初期値ではなく、この固有周期の初期値に対してマージンを持たせた固有周期閾値を用いている。
ステップS29:
非常時モード解除判定部447Bは、算出した固有周期Tと固有周期閾値とを比較し、固有周期Tが固有周期閾値以下であるか否かの判定を行う。このとき、非常時モード解除判定部447Bは、固有周期Tが固有周期閾値を超える場合、処理をステップS30へ進め、一方、固有周期Tが固有周期閾値以下である場合、処理をステップS33へ進める。
ステップS30:
非常時モード解除判定部447Bは、建物900の判定の終了していない階の層間変形角Δを非常時モード解除判定部447Bから読み込み、この読み込んだ判定対象のk階の層間変形角Δと設計層間変形角との比較を行い、層間変形角Δが設計層間変形角を超えているかを判定する(第1の判定結果を求める)。このとき、非常時モード解除判定部447Bは、層間変形角Δが設計層間変形角を超えている場合、処理をステップS35へ進め、一方層間変形角Δが設計層間変形角を超えていない場合、処理をステップS34へ進める。
ステップS31:
非常時モード解除判定部447Bは、健全性判定ルール記憶部434Bの判定テーブルを参照し、傾斜角θが傾斜角の初期値以下であり、固有周期Tが固有周期閾値以下である場合、パラメータパターンが状態Dであることを検出する。
次に、非常時モード解除判定部447Bは、パラメータパターンが状態Dの判定である「継続使用可能(D)」を、健全性判定ルール記憶部434Bの判定結果テーブルにおける対応するk階の判定結果の欄に書き込んで記憶させ、処理をステップS26へ進める。
ステップS32:
非常時モード解除判定部447Bは、健全性判定ルール記憶部434Bの判定テーブルを参照し、傾斜角θが傾斜角の初期値以下であり、固有周期Tが固有周期閾値を超えている場合、パラメータパターンが状態Gであることを検出する。
次に、非常時モード解除判定部447Bは、パラメータパターンが状態Gの判定である「非構造部材が損傷している可能性があり、応急復旧時に使用するとしても調査が必要であるが、通常時の使用に関しては非構造部材を補修すれば継続使用可能(G)」を、健全性判定ルール記憶部434Bの判定結果テーブルにおける対応するk階の判定結果の欄に書き込んで記憶させ、処理をステップS26へ進める。
ステップS33:
非常時モード解除判定部447Bは、健全性判定ルール記憶部434Bの判定テーブルを参照し、傾斜角θが傾斜角の初期値を超えており、固有周期Tが固有周期閾値以下である場合、パラメータパターンが状態Eであることを検出する。
次に、非常時モード解除判定部447Bは、パラメータパターンが状態Eの判定である「応急復旧時には使用可能と判断できるが、通常時に使用できるかどうかは調査が必要(E)」を、健全性判定ルール記憶部434Bの判定結果テーブルにおける対応するk階の判定結果の欄に書き込んで記憶させ、処理をステップS26へ進める。
ステップS34:
非常時モード解除判定部447Bは、健全性判定ルール記憶部434Bの判定テーブルを参照し、傾斜角θが傾斜角の初期値を超えており、固有周期Tが固有周期閾値を超えており、層間変形角Δが設計層間変形角以下である場合、パラメータパターンが状態Fであることを検出する。
次に、非常時モード解除判定部447Bは、パラメータパターンが状態Fの判定である「非構造部材が損傷している可能性があり、応急復旧時に使用するとしても調査が必要(F)」を、健全性判定ルール記憶部434Bの判定結果テーブルにおける対応するk階の判定結果の欄に書き込んで記憶させ、処理をステップS26へ進める。
ステップS35:
非常時モード解除判定部447Bは、健全性判定ルール記憶部434Bの判定テーブルを参照し、傾斜角θが傾斜角の初期値を超えており、固有周期Tが固有周期閾値を超えており、層間変形角Δが設計層間変形角を超えている場合、パラメータパターンが状態Hであることを検出する。
次に、非常時モード解除判定部447Bは、パラメータパターンが状態Hの判定である「継続使用不可(H)」を、健全性判定ルール記憶部434Bの判定結果テーブルにおける対応するk階の判定結果の欄に書き込んで記憶させ、処理をステップS26へ進める。
ステップS36:
非常時モード解除判定部447Bは、建物900における全ての階に対する判定が終了した場合、何れかの階の判定結果に状態Hが含まれるか否かを判定する。このとき、非常時モード解除判定部447Bは、何れかの階の判定結果に状態Hが含まれる場合、処理をステップS8へ進め、一方、何れかの階の判定結果に状態Hが含まれない場合、処理をステップS9へ進める。
ステップS8:
応答特性データ算出部444は、前述の図6のステップS8と同じ処理をして、処理をステップS10に進める。
ステップS9:
応答特性データ算出部444は、前述の図6のステップS9と同じ処理をして、処理をステップS10に進める。
ステップS10〜ステップS12:
応答特性データ算出部444は、前述の図6のステップS10からステップS12と同じ処理をする。
上述した処理を行うことにより、本実施形態の構造物検証システム1Bは、建物900の固有周期Tと建物900におけるk階の層間変形角Δと建物900の傾斜角θの組み合わせにより、建物900の各々の階の損傷程度を判定する。これにより、本実施形態の構造物検証システム1Bは、建物900が設計層間変形角と異なる数値で建設されていても、建物900の固有周期T及び傾斜角θと組み合わせることにより、建物900が設計基準値である設計層間変形角と異なる数値で建設されていても、建物900の固有周期及び傾斜角と組み合わせて判定することにより、建設された実際の建物の設計層間変形角に対応して、各階の個別の損傷程度及び地盤の損傷程度を従来に比較して高い精度にて推定して判定することができる。また、本実施形態の構造物検証システム1Bは、施工誤差、経年劣化、什器など建物内部設置物の重量変動、構造躯体や非構造部材の剛性などの条件が変化しても対応し、建物900における各階の個別の損傷程度及び地盤の損傷程度を従来に比較して高い精度にて推定し、建物の安全性を判定することができる。すなわち、本実施形態によれば、各階の層間変形角及び固定周期による判定に対して傾斜角の判定を加えることにより、建物900における構造躯体の損傷、非構造躯体の損傷及び地盤の損傷(建物の傾斜角θにより推定)の発生を検出することができる。さらに、本実施形態の構造物検証システム1Bは、建物900における構造躯体の損傷、非構造躯体の損傷及び地盤の損傷(建物の傾斜角θにより推定)の発生状況をそれぞれ切り分けて検出することができ、単に、建物900における構造躯体の損傷のみを検出するだけでは判断しきれない、建物900に進入できる状況か否かも容易に判定することができる。このように、本実施形態の構造物検証システム1Bは、第1の実施形態に比較してより詳細な建物900の状態の判定を行うことができる。また、本実施形態の構造物検証システム1Bによれば、健全性判定ルール記憶部434Bにおける判定結果テーブルに対して、各階の判定結果を書き込むことにより、その判定結果によってすでに述べたように、建物900における各階の地震後の避難の優先度などを判定することができる。
なお、上記の説明において、最大層間変位の算出を加速度センサによって検出した加速度データに基づいて算出するものとして説明したが、例えば、水平方向を検出する変位計によって検出された変位量(位置情報)に基づいて最大層間変位を算出するようにしてもよい。
また、このようにセンサ200から取得したセンサデータは、地震による損傷や長期的な劣化(経年劣化)等に対する健全性の判断材料としても利用することができる。
また、階層構造の構造物に対して、各層の応答特性を算出して、各層の震度等を予測することができるため、予測の結果に基づいて、例えば特定の階のみに警報を出したり、特定の階の機器、設備を限定して、限定した機器、設備に対して制御信号を送信したりすることができる。これによって、構造物内の設備や構造物内の人物への影響を、最小限にとどめることが可能となる。
なお、上述の例では、監視対象の構造物における各階にひとつずつセンサ200を設置している例を示したが、監視対象の構造物の特徴等に応じて、任意の個数を設置しておくことができる。例えば、各階に複数のセンサ200を設置してもよいし、複数階にひとつのセンサ200を設置することもできる。
また、上述の例では、監視対象の構造物に対して揺れを発生させる外的要因として地震を想定して説明したが、外的要因は他の要因であってもよい。例えば、台風等の風による揺れを予測し、制御信号を送信するようにしてもよい。
また、上述の例では、要因データ受付部442は、緊急地震速報に基づいて緊急地震速報制御部441によって算出された要因データの入力を受け付けるようにしたが、要因データ受付部442は、例えば、ユーザが入力部410に入力する任意の要因データを受け付けることもできる。この場合、設備300に対する制御信号を送信せず、構造物検証装置400によって応答予測のシミュレーションを行うように利用することもできる。この場合、応答予測部445は、要因データ受付部442に入力された要因データに対応する応答特性データを読み出してディスプレイ等の出力部に出力させる。
また、監視対象の構造物の監視制御を行う構造物検証装置400は、監視対象の構造物ごとに設置されてもよいし、例えば、複数の構造物を管理する業者等によって運営され、複数の構造物を監視対象とするものであってもよい。また、構造物検証装置400が算出した応答特性データは、ひとつの構造物内においてのみ利用してよいが、複数の構造物に総合的に利用することもできる。例えば、近隣に同様の構造の構造物が複数存在する場合には、総合的に統計処理を行うようにしてもよいし、例えばセンサデータの実測値が存在しない新たな構造物に対して、同様の条件の他の構造物の応答特性データを適用して応答予測を行うこともできる。
また、構造物検証装置400が備える各機能部は、クラウド環境やネットワーク環境、監視対象の構造物や構造物の収容人員の規模、構造物検証装置400を構成するために用意されたハードウェアの数やスペック等に応じて、任意の台数のコンピュータ装置に分散または集約して配置することができる。
また、上述の例において、構造物データ記憶部431に記憶される主軸の向きや固有周期の値は、ひとつの構造物について複数の値が対応付けられていてもよい。例えば、L字型やコの字型の構造物である場合や、構造物の内部構造における例えば壁の存在などにより複数の主軸が想定される場合は、その形状等に応じた複数の主軸を対応付けて記憶させておいてもよいし、主軸ごとの固有周期を対応付けて記憶させておくことができる。この場合、応答特性データについても、複数の主軸ごとに対応付けて記憶させておき、主軸ごとに応答予測を行ったり、複数の主軸から複合的に応答予測を行ったりすることもできる。
また、設備制御部446が、応答予測部445による予測結果に基づいて送信する制御信号は、例えば、各階ごとに存在する人物が持つスマートフォン等の携帯電話端末に対して、警報を送信するものであってもよい。例えば、監視対象の構造物における各階ごとに無線LAN(Local Area Network)による通信を行う無線基地局が存在する場合、特定の階の無線基地局にのみ、警報である制御信号を、通信領域内の携帯電話端末に対して送信することができる。
なお、本発明における処理部の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより構造物検証を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータシステム」は、インターネットやWAN、LAN、専用回線等の通信回線を含むネットワークを介して接続された複数のコンピュータ装置を含んでもよい。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、ネットワークを介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また、上記プログラムは、上述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、上述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
また、上述した機能の一部または全部を、LSI(Large Scale Integration)等の集積回路として実現してもよい。上述した各機能は個別にプロセッサ化してもよいし、一部、または全部を集積してプロセッサ化してもよい。また、集積回路化の手法はLSIに限らず専用回路、または汎用プロセッサで実現してもよい。また、半導体技術の進歩によりLSIに代替する集積回路化の技術が出現した場合、当該技術による集積回路を用いてもよい。
1 構造物検証システム
100 緊急地震速報サーバ
200 センサ
250 在室検知センサ
300 設備
400 構造物検証装置
410 入力部
420 通信部
430 記憶部
431 構造物データ記憶部
432 センサデータ履歴記憶部
433 応答特性データ記憶部
434 健全性判定ルール記憶部
440 制御部
441 緊急地震速報制御部
442 要因データ受付部
443 センサデータ制御部
444 応答特性データ算出部
445 応答予測部
446、446A 設備制御部
447、447A、447B 非常時モード解除判定部
448 在室状況判定部
600 コントローラ
900 建物(構造物)

Claims (5)

  1. 外的要因に応じた監視対象の構造物の揺れを計測するセンサによって計測されたセンサデータを受信するセンサデータ制御部と、
    前記構造物に設けられた設備の動作モードを、外的要因による前記構造物の揺れが生じる前の段階で指定する動作モードである平常時モードから、前記外的要因に応じた前記構造物の揺れによる影響を回避するように前記設備に設定する動作モードである非常時モードに切り替える設備制御部と、
    前記設備制御部により非常時モードに切り替えられている設備の動作モードを、前記センサデータ制御部が受信したセンサデータに基づいて、当該非常時モードを継続させるか否かを、前記外的要因により前記構造物が搖動した後に判定する非常時モード解除判定部と、
    外的要因に応じた前記構造物の応答特性を示す応答特性データを記憶する応答特性データ記憶部と、
    前記構造物に対する外的要因の規模を示す要因データの入力を受け付ける要因データ受付部と、
    前記要因データ受付部に入力された前記要因データに対応する前記応答特性データを前記応答特性データ記憶部から読み出し、読み出した応答特性データに基づいて、当該外的要因による当該構造物の応答を予測する応答予測部と、
    を備え、
    前記設備制御部は、前記応答予測部による予測結果に基づいて、前記構造物に付属する設備の動作モードを、前記非常時モードを継続させるか、前記平常時モードへ移行させるかを判定する
    ことを特徴とする構造物検証システム。
  2. 外的要因に応じた監視対象の構造物の揺れを計測するセンサによって計測されたセンサデータの履歴を記憶するセンサデータ履歴記憶部と、
    前記センサデータ履歴記憶部に記憶されたセンサデータの履歴に基づいて、前記応答特性データを算出し、算出した当該応答特性データを前記応答特性データ記憶部に記憶させる応答特性データ算出部と、
    を備えることを特徴とする請求項に記載の構造物検証システム。
  3. 前記外的要因である地震の規模を含む緊急地震速報を受信し、受信した緊急地震速報を前記要因データとして前記要因データ受付部に入力する緊急地震速報制御部を備え、
    前記センサデータ制御部は、前記緊急地震速報制御部が前記緊急地震速報を受信してから所定時間内に前記センサによって計測されたセンサデータを、前記センサデータ履歴記憶部に記憶させることを特徴とする請求項に記載の構造物検証システム。
  4. 前記設備制御部は、
    前記構造物に設けられた設備が設けられている場所にユーザが存在するか否かに応じて、当該設備の動作モードを前記平常時モードから前記非常時モードに切り替える際に、ユーザが存在する場所と存在しない場所とにおいて互いに異なる動作状態になるように制御する
    ことを特徴とする請求項1からの何れか1項に記載の構造物検証システム。
  5. 構造物検証装置のコンピュータに、
    センサデータ制御部により外的要因に応じた監視対象の構造物の揺れを計測するセンサによって計測されたセンサデータを受信するセンサデータ制御ステップと、
    設備制御部により前記構造物に設けられた設備の動作モードを、外的要因による前記構造物の揺れが生じる前の段階で指定する動作モードである平常時モードから、前記外的要因に応じた前記構造物の揺れによる影響を回避するように前記設備に設定する動作モードである非常時モードに切り替える設備制御ステップと、
    非常時モード解除判定部により前記設備制御部により非常時モードに切り替えられている設備の動作モードを、前記センサデータ制御部が受信したセンサデータに基づいて、当該非常時モードを継続させるか否かを、前記外的要因により前記構造物が搖動した後に判定する非常時モード解除判定ステップと、
    外的要因に応じた前記構造物の応答特性を示す応答特性データを応答特性データ記憶部に記憶させるステップと、
    前記構造物に対する外的要因の規模を示す要因データの入力を要因データ受付部が受け付けるステップと、
    前記要因データ受付部に入力された前記要因データに対応する前記応答特性データを前記応答特性データ記憶部から読み出し、読み出した応答特性データに基づいて、当該外的要因による当該構造物の応答を予測するステップと、
    前記設備制御部により、前記応答の予測結果に基づいて、前記構造物に付属する設備の動作モードを、前記非常時モードを継続させるか、前記平常時モードへ移行させるかを判定するステップと、
    を実行させる構造物検証プログラム。
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