JP6082597B2 - 損傷状況報知システム及び地震防災システム - Google Patents

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Description

本発明は、損傷状況報知システム及び地震防災システムに係り、詳しくは、外乱(地震、台風等)により構築物(高層ビル、住宅等の建物、タワー、鉄塔、橋等)の各部に発生したであろう損傷を算出して報知する損傷状況報知システム、この損傷状況報知システムを備えた地震防災システムに関するものである。
従来、構築物としての建物等において、建物内部に設置された地震センサによって地震時の建物の揺れを検知し、その振動レベルに応じてエレベータを運転停止させる地震管制システムが利用されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載の地震管制システムは、地震による建物の揺れをコンピュータにより分析し、その揺れがエレベータに異常を生じさせないものと判断した場合には、エレベータの運転を再開させるようになっている。また、特許文献1には、レーザー計測装置によってエレベータガイドレールの変形を計測することにより、エレベータの運転再開に支障がないかを判定するようになっている。
一方、建物内部のセンサによって地震の揺れを検知するのではなく、通信回線を通じて受信可能な地震速報を用いることで、地震到達以前にエレベータを運転停止させる地震防災システムが提案されている(例えば、特許文献2参照)。特許文献2に記載の地震防災システムは、地震速報によって地震発生の情報を得るとともに、ニューラルネットワークを用いて地盤の卓越周期や建物の振動特性を考慮した地震動評価を行うことで、建物の揺れ方や損傷レベルの予測の信頼性を向上させようとする技術である。
特開2003−321171号公報 特開2006−170739号公報
しかしながら、特許文献1に記載された地震管制システムでは、地震の揺れがエレベータに異常を生じさせるものか否かを判定するのみであり、建物の損傷レベルを判定することができないことから、建物自体が継続使用可能か否かの情報を建物管理者や利用者に提供することができない。また、特許文献2に記載された地震防災システムでは、地震速報とニューラルネットワークを用いて建物の揺れ方や損傷レベルを予測しようとするものであるが、地震の際に建物に対して実際にどのような損傷が生じたかを判定するものではない。このため、特許文献2の技術によっても、地震後に建物自体が継続使用可能か否かを建物管理者や利用者は判断することができず、継続使用を判断するためには建物各部の被害調査や強度試験等を実施しなければならず、建物の復旧に多大な手間と時間を要するという問題があった。
本発明は、構築物における各部の強度に基づいて地震の応答値を評価するとともに、構築物自体が継続使用可能か否かを判定できる情報を報知することができる損傷状況報知システム及び地震防災システムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の損傷状況報知システムは、外乱を受けた構築物の各部に発生したであろう損傷を算出して報知する損傷状況報知システムであって、前記構築物の各部に設置されて外乱による前記各部の振動を検知する複数の検知手段と、前記複数の検知手段からの信号を受信して前記各部の振動に基づいて該各部の最大応答値を算出する応答値算出手段と、少なくとも前記構築物における構造体の強度に基づいて予め設定された前記各部ごとの損傷限界閾値を記憶した記憶手段と、前記最大応答値と前記損傷限界閾値とを重ね合わせて表示情報を生成する制御手段と、前記制御手段によって生成された前記表示情報を表示する表示手段と、を備えたことを特徴とする。
以上のような本発明によれば、複数の検知手段からの信号を受信して構築物の各部の振動に基づいて各部の最大応答値を算出するとともに、構築物における構造体の強度に基づいて予め設定された各部ごとの損傷限界閾値が記憶手段に記憶され、最大応答値と損傷限界閾値とを重ね合わせて表示手段に表示させることで、構築物の損傷レベルを各部ごとに詳細に報知することができる。従って、最大応答値と損傷限界閾値とを重ね合わせた表示情報を視認することで、構築物の管理者や利用者は、構築物の各部が全て健全で構築物自体が継続使用可能であることや、各部のうちのいずれかの部位が損傷限界閾値を超えていて補修が必要であること、さらには大半の部位が損傷限界閾値を超えていて継続使用が困難であること、などの判定を支援することができる。従って、継続使用可能である場合には、即座に使用開始することで不利益を回避することができ、補修が必要な場合であっても、補修部位が判明していることから調査や確認、補修計画立案の手間と時間を節約することができる。さらに、継続使用が困難であるとの判別ができることで、迅速に避難、退避等を行うことができるとともに、事後の改修計画等の対応を早めることができる。
この際、本発明の損傷状況報知システムでは、前記構築物は、複数の階層を有した建築物であって、前記検知手段は、前記複数の階層のうちの所定の複数階に設置され、前記応答値算出手段は、前記最大応答値として前記各階ごとの層間変形角を算出し、前記記憶手段には、前記損傷限界閾値として前記各階ごとの損傷限界変形角が記憶され、前記制御手段は、前記各階ごとの損傷限界変形角と前記算出した各階ごとの層間変形角とを重ねて前記表示手段に表示させることが好ましい。
このような構成によれば、構築物が建築物である場合に、最大応答値としての各階ごとの層間変形角と、損傷限界閾値としての各階ごとの損傷限界変形角と、を重ね合わせて表示することで、各階ごとの損傷レベルを即座に判定することができる。従って、例えば、地震直後の避難誘導を適切に行うことができるとともに、地震後の復旧作業が実施しやすく、さらに後の補修、改修計画が立案しやすくできる。
さらに、本発明の損傷状況報知システムでは、前記応答値算出手段は、前記最大応答値として前記各階ごとの最大応答加速度を算出し、前記記憶手段には、前記建築物に設置された備品類の転倒可能性を示す第一加速度範囲と、前記建築物に設置された内外装材の損傷可能性を示す第二加速度範囲と、が記憶され、前記制御手段は、前記算出した最大応答加速度を前記第一及び第二の加速度範囲に重ねて前記表示手段に表示させることが好ましい。
このような構成によれば、備品類の転倒可能性を示す第一加速度範囲、及び内外装材の損傷可能性を示す第二加速度範囲と、算出した最大応答加速度とを重ねて表示することで、備品類の転倒可能性がある階や内外装材の損傷可能性がある階に対する対処を迅速に行うことができる。また、実際には備品類が転倒しなかったり、内外装材が損傷しなかったりした場合であっても、そのような可能性が内在することが判明するので、調査や補修の手間を軽減することができ、余震等への対応を迅速に行うことができる。
さらに、本発明の損傷状況報知システムでは、前記記憶手段には、前記構造体の強度に基づいて予め設定された前記各部ごとの損傷耐力値が記憶され、前記応答値算出手段は、前記複数の検知手段で検知した前記各部の振動に基づいて該各部の逐次応答値を算出し、前記制御手段は、前記逐次応答値に基づく損傷度を算出するとともに、算出した損傷度と前記損傷耐力値とを比較して前記表示手段に表示させることが好ましい。
このように、各部の逐次応答値を算出し、この逐次応答値に基づく損傷度と、構造体の強度に基づく損傷耐力値と、を比較して表示手段に表示させることで、構築物が外乱から受けたダメージ(損傷度)を各部ごとに把握することができ、補修の要否を判断しやすくなるとともに、補修計画の立案を速やかに行うことができる。なお、損傷耐力値は、構築物の繰り返し塑性変形能力を示す値であって、外乱によって繰り返し荷重を受けて何度か塑性領域まで変形した場合に、構築物が耐え得る変形又は応力の合算値(限界値)として設定され、例えば、保有累積塑性変形倍率や、保有累積塑性エネルギー等として定義されている。一方、逐次応答値に基づく損傷度としては、実際の外乱によって繰り返し荷重を受けた際に、構築物の各部が塑性領域まで変形する度に累積された実測の累積塑性変形倍率、あるいは各部の塑性変形によって吸収した累積塑性吸収エネルギーとして定義される。
さらに、本発明の損傷状況報知システムでは、前記記憶手段には、過去の外乱による前記損傷度が損傷履歴として記憶され、前記制御手段は、前記過去の外乱による前記損傷履歴と、新たな外乱による前記逐次応答値から算出した新たな損傷度と、を累積した累積損傷度を前記損傷耐力値と比較して前記表示手段に表示させることが好ましい。
このように、過去の外乱による損傷履歴(過去に累積された累積塑性変形倍率や累積塑性吸収エネルギー)と、新たな外乱による逐次応答値に基づく損傷度(新たな損傷度)と、を累積した累積損傷度を表示することで、構築物の受けたダメージを的確に把握することができる。即ち、過去の外乱に対しては継続使用可能と判断していた場合においても、その損傷履歴を記憶しておき、新たな外乱による損傷度を加算することで、長期に渡る使用期間中の累積損傷度を的確かつ安全側に判断することが可能となる。
また、本発明の地震防災システムは、前記いずれかの損傷状況報知システムと、前記外乱としての地震の発生情報を通信手段を介して外部から受信する受信手段と、前記構築物の所定位置に設けられて警報を発する警報手段と、を備え、前記制御手段は、前記受信手段が受信した地震の発生情報に基づいて地震表示情報を生成するとともに前記表示手段に表示させ、前記制御手段又は前記受信手段は、前記警報手段に信号を送信して警報を発するように動作させることを特徴とする。
以上の本発明によれば、前述した損傷状況報知システムの効果に加えて、外部から受信した地震の発生情報に基づいて、地震表示情報を表示手段に表示させるとともに、警報手段から警報を発することで、地震時の注意喚起や安全確保を行うことができる。
この際、本発明の地震防災システムでは、前記制御手段又は前記受信手段は、前記受信手段が受信した地震の発生情報に基づいて、前記構築物の各部に亘って設けられた可動設備を停止させ、あるいは前記構築物の各部に亘って設けられた配管設備による流体の供給を停止させることが好ましい。
このような構成によれば、地震の発生情報に基づいて、可動設備を停止させたり、配管設備による流体の供給を停止させたりすることで、可動設備の安全確保を行うとともに、配管設備からの流体の流出等を防止することができる。
以上の本発明によれば、外乱によって構築物の各部に生じた最大応答値と、構造体の強度に基づいて予め設定された損傷限界閾値と、を重ね合わせて表示手段に表示させることで、構築物の損傷レベルを各部ごとに詳細に報知することができるので、構築物の管理者や利用者は、構築物が継続使用可能であるか、補修が必要であるか、さらには継続使用が困難であるか、などの判定を支援することができる。従って、継続使用可能であるとの判断に基づき早期の使用再開が可能になって、使用停止状態による不利益を回避することができる。一方、補修が必要な部位が判明していることから補修計画に要する時間及び手間を削減して補修を実施することで、早期に構築物を復旧させることができる。
本発明の一実施形態に係る損傷状況報知システムを用いた地震防災システムが設けられた構築物を示す概略図である。 損傷状況報知システムを用いた地震防災システムの概略構成を示すブロック図である。 モニター表示画面の一例を示し、(a)は建物におけるX方向の最大層間変形角分布図の表示画面、(b)は建物におけるY方向の最大層間変形角分布図の表示画面である。 モニター表示画面の一例を示し、建物におけるX及びY方向の最大加速度分布図の表示画面である。 モニター表示画面の一例を示し、建物におけるX方向の層間変位による累積損傷履歴図である。 モニター表示画面の一例を示し、建物におけるY方向の層間変位による累積損傷履歴図である。 モニター表示画面の一例を示し、緊急地震速報の表示画面である。 モニター表示画面の一例を示し、主要階の加速度・震度の表示画面である。 モニター表示画面の一例を示し、真上から捉えた建物の揺れを示す変位の表示画面である。
以下、本発明の一実施の形態に係る損傷状況報知システムを用いた地震防災システムについて説明する。図1は、本発明の一実施の形態に係る損傷状況報知システムを用いた地震防災システムを示す説明図である。
構築物としての高層の建物1には、可動設備としての乗用のエレベータ2が設けられている。エレベータ2は、例えばトラクション式エレベータであり、トラクションシーブ2aに掛けられたメインロープ2bの一方の端部に連結された乗りかご2cと、メインロープ2bの他方の端部に連結されたカウンタウェイト2dと、エレベータ駆動制御装置2eと、を備えて構成されている。
建物1には、各階ごとに外装材としてのガラス1aや、内装材としての天井1bや、備品(家具・什器類)1cが備えられていると共に、供給弁装置11aを介して各階にガス、水道水等の流体を配給する配管11bを含む配管設備としての配管システム11が取り付けられている。
建物1は、さらに、複数の階に感知手段としての地震センサ3及び警報手段としてのスピーカ9が設置されており、地震センサ3の検出出力が、ハブ4を介して記録装置5及びコンピュータ6に入力されている。地震センサ3は、例えば3軸方向の加速度を検出して検出出力として加速度値を出力するセンサである。記録装置5は、各地震センサ3からの加速度値を時系列的に記録する。
建物1の例えば地下には、防災センター(Disaster Control Center)DCCが設けられており、ここには、ハブ4、記録装置5、コンピュータ6、受信装置7及び警告灯8が備えられている。
制御装置としてのコンピュータ6は、図2に示すように、制御手段としての制御部6aと、該制御部6aに接続された応答値算出手段としての演算部6b、記憶手段としての第1記憶部6c、第2記憶部6d及び通信部6dと、を含んで構成される。演算部6bは、ハブ3から入力される各地震センサ3からの加速度値を取得して、地震の揺れ収束時までの応答加速度、応答変位を算出すると共に、最大応答加速度、最大応答層間変形角等を算出する。第1記憶部6cは、予め設定された、建物1の各階の状況(少なくとも構築物における構造体の強度)に応じた各部(各階)毎の建物1のX及びY方向の損傷限界変形角としての損傷限界閾値A1,A2と、建物1の層間変位による損傷の可能性が少ない範囲C1と、加速度による備品1cの一部転倒等の可能性のある第一加速度範囲C2と、建物1の層間変位による小規模な損傷の可能性のある範囲D1と、加速度による外装材としてのガラス1a、天井1b等の内外装材の一部損傷・落下の可能性のある第二加速度範囲D2、天井1bの加速度による損傷限界閾値F1、配管11bの加速度による損傷限界閾値F2、ガラス1aの加速度による損傷限界閾値F3と、構造体のX方向及びY方向の強度に基づいて予め設定された各部ごとの損傷耐力値との各データを記憶している。第2記憶部6cは表示情報を記憶する。第2記憶部6cに記憶された表示情報は、モニター6fに表示される。通信部6dは受信手段としての受信装置7からの受信情報を処理して制御部6aへ供給する。
通信部6dは、受信装置7に接続されている。受信装置7は、コンピュータ6からの通信データと、外部報知センター(例えば、気象庁)10から配信される緊急地震速報データを受信する。地震センサ3、ハブ4、記録装置5、コンピュータ6、受信装置7、警告灯8、スピーカ9、供給弁装置11a、エレベータ駆動制御装置2eは、LAN接続されている。
上記の構成において、コンピュータ6の制御部6aは、予め設定された建物1の情報と地震センサ3からの実測の加速度データとから、建物1全フロアの最大応答値としての最大加速度と最大層間変形角を演算部6bで算出し、第1記憶部6cに記憶させる。また、制御部6aは、図示しないキー入力部からの指示により、演算部6bで算出された最大応答値と、第1記憶部6cに記憶されている損傷限界閾値、各範囲等とを重ね合わせて各種の表示情報を生成し、表示情報を第2記憶部6dに記憶させる。そして、制御部6aは、第2記憶部6dに記憶された表示情報を図3に示す最大層間変形角分布図及び図4に示す最大加速度分布図のようにモニター6fに表示させる。これらの情報を参考にして、建物1の被災状況を判断することで、建物1の継続使用の可否、適切な避難指示、設備の点検の優先順位付け、防災拠点としての利用の可否等を行うことができる。
図3は、モニター表示画面の一例を示し、(a)は建物におけるX方向の最大層間変形角の分布図、(b)は建物におけるY方向の最大層間変形角の分布図である。図3(a)及び(b)において、B1は建物1のX方向における地下1階から最上階までの加速度データから算出された各階ごとの層間変形角、B2は建物1のY方向における地下1階から最上階までの加速度データから算出された層間変形角、A1は建物1のX方向における地下1階から最上階までの予め設定された損傷限界閾値、A2は建物1のY方向における地下1階から最上階までの予め設定された損傷限界閾値、C1は損傷の可能性が少ない範囲、D1は小規模な損傷の可能性のある範囲を示す。
このように、図3に示すモニター表示画面には、算出された最大層間変形角と、予め設定された損傷限界閾値とが表示されているので、建物1の各階毎の層間変形角による被災度状況を判断して、スピーカ9からのメッセージの発報による適切な避難指示、建物1の継続使用の可否等を精度良く行うことができる。
図4は、モニター表示画面の一例を示し、建物におけるX及びY方向の最大加速度分布図である。図4において、E1は建物1のX方向における地下1階から最上階まで実測された最大加速度、E2は建物1のY方向における地下1階から最上階まで実測された最大加速度、C2は家具什器類1cの一部転倒等の可能性のある範囲、D2は外装材としてのガラス1a、天井1b等の一部損傷・落下の可能性のある範囲、F1は天井1bの損傷限界閾値、F2は配管11bの損傷限界閾値、F3はガラス1aの損傷限界閾値である。
このように、図4に示すモニター表示画面には、実測された最大加速度と、予め設定された損傷限界閾値と、損傷等の可能性のある範囲が表示されているので、建物1の各階毎の最大加速度による被災度状況を精度良く判断して、スピーカ9からのメッセージの発報による適切な避難指示、建物1の継続使用の可否等を精度良く行うことができる。
また、制御部6aは、複数の地震センサ3で検知した各部(各階)の振動に基づいて該各部の逐次応答値を算出する。そして、制御部6aは、前記逐次応答値に基づく損傷度を算出するとともに、算出した損傷度と、第1記憶部6cに記憶されている損傷耐力値とを比較して、モニター6fに図5及び図6に示すように表示させる。
図5及び図6は、モニター表示画面の一例を示し、それぞれ、建物におけるX方向、Y方向の層間変位による累積損傷履歴図である。図5及び図6においては、例えば各部(各階)ごとの損傷耐力値に対する各階の層間変位に基づいた過去の損傷度と今回の損傷度が加えられた累積損傷履歴がパーセンテージで示されている。
このように、各部の逐次応答値を算出し、この逐次応答値に基づく損傷度と、構造体の強度に基づく損傷耐力値と、を比較して表示手段に表示させることで、構築物が外乱から受けたダメージ(損傷度)を各部ごとに把握することができ、補修の要否を判断しやすくなるとともに、補修計画の立案を速やかに行うことができる。なお、損傷耐力値は、構築物の繰り返し塑性変形能力を示す値であって、外乱によって繰り返し荷重を受けて何度か塑性領域まで変形した場合に、構築物が耐え得る変形又は応力の合算値(限界値)として設定され、例えば、保有累積塑性変形倍率や、保有累積塑性エネルギー等として定義されている。一方、逐次応答値に基づく損傷度としては、実際の外乱によって繰り返し荷重を受けた際に、構築物の各部が塑性領域まで変形する度に累積された実測の累積塑性変形倍率、あるいは各部の塑性変形によって吸収した累積塑性吸収エネルギーとして定義される。
また、過去の外乱による損傷履歴(過去に累積された累積塑性変形倍率や累積塑性吸収エネルギー)と、新たな外乱による逐次応答値に基づく損傷度(新たな損傷度)と、を累積した累積損傷度を表示することで、構築物が受けたダメージを的確に把握することができる。即ち、過去の外乱に対しては継続使用可能と判断していた場合においても、その損傷履歴を記憶しておき、新たな外乱による損傷度を加算することで、長期に渡る使用期間中の累積損傷度を的確かつ安全側に判断することが可能となる。
さらに上記の構成においては、地震発生の際には、外部報知センター10から配信される緊急地震速報を有線または無線による不図示の通信手段を介して受信装置7で受信し、受信装置8から出力される接点出力や、コンピュータ6からの通信部6eを介する制御信号により、警告灯8を点灯させたり、スピーカ9から警告音やメッセージを放音させたり、エレベータ駆動制御装置2eを制御してエレベータ2を停止/再可動させたり、配管システム11の供給弁装置11aを遮断/復帰したりすることができる。
また、地震発生の際には、外部報知センター10から配信される緊急地震速報を受信装置7で受信し、コンピュータ6へ送信して、図7に示す緊急地震速報をモニター6fに表示させる。それにより、強い地震動が到達する前に、予測した震度や到達時刻を知ることができる。また、防災センターDCCの初動体制の立ち上げ、建物利用者への注意喚起の放送、運転中のエレベータ等の自動停止といった設備制御など、人の安全対策を建物が揺れる前から講じることができる。
また、建物1の各所に分散させて地震センサ3を設置することで、個々の地震センサ3からの加速度データを取得すると共に、コンピュータ6の演算部6bで震度相当値、変位、層間変形角も算出し、図8及び図9に示すようにモニター6fに表示することができる。また、防災センターDCCにて、地震波到達時の建物1全体の揺れをリアルタイムに把握することができるため、実際の揺れの状況に合わせた対応が可能になる。
固有周期(建物の持つ揺れやすい振動周期)が、長周期地震動の周期と近い高層ビルやそのビルのエレベータは、長周期地震動で大きく長く揺れる。緊急地震速報からマグニチュードと震央距離を用いて長周期地震動の発生を予測し、実測から得た変位の動きと組み合わせ、より早いタイミングでエレベータを停止させる信号を送ったり、放送と連動して警報を発報することが可能となる。
外乱によって構築物の各部に生じた最大応答値B1,B2,E1,E2と、構造体の強度に基づいて予め設定された損傷限界閾値A1,A2,F1,F2,F3と、を重ね合わせて表示手段6fに表示させることで、構築物の損傷レベルを各部ごとに詳細に報知することができるので、構築物の管理者や利用者は、構築物が継続使用可能であるか、補修が必要であるか、さらには継続使用が困難であるか、などを即座に判定することができる。従って、継続使用可能であるとの判断に基づき早期の使用再開が可能になって、使用停止状態による不利益を回避することができる。一方、補修が必要な部位が判明していることから補修計画に要する時間及び手間を削減して補修を実施することで、早期に構築物を復旧させることができる。
なお、前述した実施形態は本発明の代表的な形態を示したに過ぎず、本発明は、実施形態に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。かかる変形によってもなお本発明の構成を具備する限り、勿論、本発明の範疇に含まれるものである。
例えば、上記の実施の形態では、地震、建物の場合について説明したが、地震の他に台風等の風、建物以外にタワー、鉄塔、橋等の構築物における損傷状況報知システム及び防災システムとしても適用可能である。また、センサは、地震センサの代わりに振動センサを用いたり、その設置場所は、各階でもよいし、数階ごとの限定の階でもよい。また、センサ3とコンピュータ6とモニタ6fだけで損傷状況報知システムを構築してもよい。
1 建物
1a ガラス(外装材)
1b 天井
1c 備品
2 エレベータ(可動設備)
3 地震センサ(検知手段)
6 コンピュータ(制御装置)
6a 制御部(制御手段)
6b 演算手段(応答値算出手段)
6c 第1記憶部(記憶手段)
6d 第2記憶部
6e 通信部
6f モニタ(表示手段)
7 受信装置(受信手段)
8 警告灯
9 スピーカ(警報手段)
10 外部報知センター
11 配管システム(配管設備)

Claims (7)

  1. 外乱を受けた構築物の各部に発生したであろう損傷を算出して報知する損傷状況報知システムであって、
    前記構築物の各部に設置されて外乱による前記各部の振動を検知する複数の検知手段と、
    前記複数の検知手段からの信号を受信して前記各部の振動に基づいて該各部の最大応答値を算出する応答値算出手段と、
    少なくとも前記構築物における構造体の強度に基づいて予め設定された前記各部ごとの損傷限界閾値を記憶した記憶手段と、
    前記最大応答値と前記損傷限界閾値とを重ね合わせて表示情報を生成する制御手段と、
    前記制御手段によって生成された前記表示情報を表示する表示手段と、
    を備えたことを特徴とする損傷状況報知システム。
  2. 前記構築物は、複数の階層を有した建築物であって、
    前記検知手段は、前記複数の階層のうちの所定の複数階に設置され、
    前記応答値算出手段は、前記最大応答値として前記各階ごとの層間変形角を算出し、
    前記記憶手段には、前記損傷限界閾値として前記各階ごとの損傷限界変形角が記憶され、
    前記制御手段は、前記各階ごとの損傷限界変形角と前記算出した各階ごとの層間変形角とを重ねて前記表示手段に表示させることを特徴とする請求項1に記載の損傷状況報知システム。
  3. 前記応答値算出手段は、前記最大応答値として前記各階ごとの最大応答加速度を算出し、
    前記記憶手段には、前記建築物に設置された備品類の転倒可能性を示す第一加速度範囲と、前記建築物に設置された内外装材の損傷可能性を示す第二加速度範囲と、が記憶され、
    前記制御手段は、前記算出した最大応答加速度を前記第一及び第二の加速度範囲に重ねて前記表示手段に表示させることを特徴とする請求項2に記載の損傷状況報知システム。
  4. 前記記憶手段には、前記構造体の強度に基づいて予め設定された前記各部ごとの損傷耐力値が記憶され、
    前記応答値算出手段は、前記複数の検知手段で検知した前記各部の振動に基づいて該各部の逐次応答値を算出し、
    前記制御手段は、前記逐次応答値に基づく損傷度を算出するとともに、算出した損傷度と前記損傷耐力値とを比較して前記表示手段に表示させることを特徴とする請求項1から3の何れか一項に記載の損傷状況報知システム。
  5. 前記記憶手段には、過去の外乱による前記損傷度が損傷履歴として記憶され、
    前記制御手段は、前記過去の外乱による前記損傷履歴と、新たな外乱による前記逐次応答値から算出した新たな損傷度と、を累積した累積損傷度を前記損傷耐力値と比較して前記表示手段に表示させることを特徴とする請求項4に記載の損傷状況報知システム。
  6. 請求項1から5の何れか一項に記載の損傷状況報知システムと、
    前記外乱としての地震の発生情報を通信手段を介して外部から受信する受信手段と、
    前記構築物の所定位置に設けられて警報を発する警報手段と、を備え、
    前記制御手段は、前記受信手段が受信した地震の発生情報に基づいて地震表示情報を生成するとともに前記表示手段に表示させ、
    前記制御手段又は前記受信手段は、前記警報手段に信号を送信して警報を発するように動作させることを特徴とする地震防災システム。
  7. 前記制御手段又は前記受信手段は、前記受信手段が受信した地震の発生情報に基づいて、前記構築物の各部に亘って設けられた可動設備を停止させ、あるいは前記構築物の各部に亘って設けられた前記配管設備による流体の供給を停止させることを特徴とする請求項6に記載の地震防災システム。
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