JP4618101B2 - エレベータ管制運転装置 - Google Patents

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Description

本発明は、地震や強風等による建物の揺れの発生を検知すると、エレベータの各種ロープの昇降路内の突起物等への引っ掛かりを予見してエレベータを管制運転に移行させるエレベータ管制運転装置に関するものである。
従来のエレベータでは、阪神大震災後の(社)日本エレベータ協会による報告(非特許文献1)を見ても、地震時にテンションのかかり方が少ない各種ロープが昇降路内の突起物等(例えば、ガイドレール支持金具や着床装置)に引っ掛かった事例が多数報告されている。
しかし、近年の検知機器の性能向上で存在が明らかになってきた地震動の長周期成分により、このような大地震ではなくとも、震度2程度の地震動であっても、比較的長い固有周期を持つ高層建物では、長周期地震動の卓越周期成分が建物の固有周期に一致して建物の揺れが大きくなる場合もあり、建物の揺れ幅が大きくなるとそれによって引き起こされるエレベータの各種ロープの揺れ幅自体も大きくなって、大地震時と同様のロープ引っ掛かり事故を起こす場合が考えられることが分かってきた(非特許文献2)。
また、長周期地震動の卓越周期成分が建物の固有周期に一致しなくても、エレベータの各種ロープの比較的長い固有周期と一致する場合にも同様にロープの揺れを引き起こす場合があり、それにより上記同様の引っ掛かり事故が起こる場合もあることが分かってきた。また、地震以外に強風時にも建物頂部の揺れが大きくなり、ロープの揺れを引き起こす場合がある。
一方、従来、エレベータの地震による被害を防ぐための手段として広く使われている地震時管制運転システムでは、地震動の短周期成分の振幅を検知して管制運転を行うものが一般的である。例えば特許文献1に記載されているように、建物基部のエレベータ・ピット内等に置いた動作レベルの低い(『特低レベル』)第一加速度式検出器と、建物上部のエレベータ機械室内等に置いた動作レベルの高い(『低レベル』)第二加速度式検出器を用い、第一が動作するとエレベータを停止させ、第二が動作しなければ、加速度が所定値以下となってから所定時間後にエレベータを自動復帰させ、第二が動作すれば、休止させたままにする運転である(図4参照)。
しかし、エレベータ用の感震器では、フィルタによりそもそも長周期成分を遮断しており、遮断していない場合についても、震度2程度の長周期地震動は一般に建物上部のエレベータ機械室内等の位置で大きな加速度を示すことは無く、通常の地震時管制運転システムに採用されている地震感知器では、長周期地震動の場合には、エレベータの一時停止を命じる『特低』レベルに達することはあっても、エレベータの休止を命じる『低』レベルに達するとは考えにくく、一時停止後所定時間である1分程度で自動復帰して、再び運行してしまうことが考えられる。しかるに、長周期地震動による各種ロープの揺れは一般に数分間に及ぶことも考えられ、一時停止を行っている1分程度では収まらず、この時点では逆にロープの揺れ幅をまだ増大させ続けている状況であることが多いことが解析的検討から分かっている。このようにロープの揺れ幅が増大している間にエレベータが通常運転に復帰してしまうと、かごの動きによってはロープの引っ掛かり事故発生の可能性を高めてしまうことが考えられる。
また、エレベータの休止を命じられるように、第二加速度式検出器の『低』レベルの設定値をこのような長周期地震動でも感知できるように小さくしてしまうと、一般に全く問題にならない小規模地震に対しても感知して休止してしまうことになり、実用的ではない。また、この方法では、強風による建物の揺れは検知できない。
これ以外の検知方法としては、地震動が長周期振動であることを検知して、それに応じた地震時管制運転を行わせる方法と、ロープの揺れが増大していることを検知して、それに応じた管制運転を行わせる方法の二つの方法があると考えられる。
このうち前者の方法としては、特許文献2のような波動エネルギ式地震感知器が既に発明されている。この方法は、地震だけではなく強風時に建物の揺れが大きい場合を検知できる。しかし、この方法では、建物頂部が大きく揺れていることは感知できるものの、ロープの揺れ幅については推定することができないので、建物固有周期と一致して建物頂部を大きく揺する長周期地震動を検知できる可能性はあるものの、建物固有周期と一致しないものの、特定のロープだけを共振させる可能性は検出できず、ロープ引っ掛かりを防ぐ意味での精度に問題がある。
一方、後者の方法に合致するものはなく、ロープ引っ掛かりを検知する方法がいくつか見られる。例えば特許文献3や特許文献4のように、ロープの引っ掛かりによりガバナロープの張り車の移動変位が異常値となることを利用して検知する方法や、特許文献5のようにガバナロープを加振器で加振した際の振幅からロープ長の変化を検知する方法、あるいは特許文献6のようにガバナロープの揺れの大きさを評価してそれとの比較で検知する方法、特許文献7のようにガバナロープに通した落下部材を落として検出できない場合に引っ掛かりを検知する方法等が示されている。しかし、いずれもロープが引っ掛かって事故が起こったことを検知する方法であり、ロープが引っ掛かる前に引っ掛かりそうであることを検知できる訳ではない。また、これらの発明ではその適用対象がガバナロープに限られてしまい、条件の異なるメインロープ・コンペンロープ・テールコード等には対処することができない。
(社)日本エレベータ協会「兵庫県南部地震の昇降機被害調査報告(第一報)」『エレベータ界 No.119』、1995年7月 日本建築学会東海地震等巨大災害への対応特別調査委員会「巨大地震時に予測される長周期地震動とその耐震問題」、2005年度日本建築学会大会(近畿)特別調査部門研究協議会資料、2005年9月、P.171-175 特公昭54−9375号公報 特開昭59−049259号公報 特開平09−077409号公報 特開平10−120327号公報 特開2000−255928号公報 特開平09−290975号公報 特開2001−270666号公報
前述したように、従来の地震動の短周期成分の振幅を検知して管制運転を行う地震時管制運転システムでは、長周期地震動を検知することができず、エレベータを停止させないためにロープ引っ掛かり事故を起こす可能性があるという問題がある。また、特許文献2のような従来考案されている地震動が長周期地震動であることを検知して管制運転を行う方法では、ロープの引っ掛かりを確実に防ぐことができない問題がある。また、ロープの揺れが増大していることを検知して管制運転を行う方法は存在せず、ロープが引っ掛かる前に検知することもできないという問題がある。
本発明は、前述のような問題を解決すべくなされたものであり、長周期地震動や強風に対してエレベータを確実に一時停止させ、ロープの過大な揺れが起こる前にエレベータを運行させていることに起因するエレベータのロープの引っ掛かり事故を未然に確実に防止することができるエレベータ管制運転装置を提供することを目的とする。
本発明は、地震動を常時計測し、必要に応じて各エレベータのかご位置情報、緊急地震速報などの建物敷地外で得られた遠隔地の地震情報等を用い、計測された地震動の振幅が一定レベル以上の場合、あるいは緊急地震速報などにより、当該建物が一定以上の揺れを生じると考えられる場合、エレベータを一時停止させると共に、地震動情報やエレベータかご位置情報等を用いて、各ロープの揺れ幅をリアルタイムに算出し、揺れ幅に対するクライテリア(判定基準)と比較して各ロープの引っ掛かり可能性を判定し、当該エレベータあるいは建物内の全てのエレベータに対して、ロープや建物の揺れが収まるまで休止状態を指示し、エレベータが運転していることに起因するロープの引っ掛かり被害を未然に確実に防ぐようにしたものである。強風時の場合も同様である。
本発明の請求項1の発明は、地震時や強風時のエレベータの安全を図るエレベータ管制運転装置であり、建物の揺れを計測する計測手段(加速度計、速度計、または変位計など)と、前記計測手段による計測データが入力され、前記計測データを用いてエレベータのロープの揺れ幅を算出するロープ揺れ幅推論機能を備える自動判断推論手段(PC等のコンピュータ)を有し、
前記自動判断推論手段にはロープ位置およびエレベータ・シャフト内の機器、並びに突起物のある可能性のある部位までの距離をもとに、各ロープが引っ掛かる可能性がある揺れ幅が各ロープ別の判定用クライテリアとして事前に設定されており、
前記自動判断推論手段は前記計測データを用い、ロープを多数要素に分割して差分法により、もしくはロープ揺れを質点応答に置き換えて重ね合わせる手法により前記ロープの揺れ幅を算出し、前記判定用クライテリアと前記算出されたロープ揺れ幅との比較によりロープの引っかかり可能性を推論することを特徴とするエレベータ管制運転装置である。なお、以下は主として地震時の処理について記載しているが、強風時の場合も地震時と同様の処理がなされる(後述)。
エレベータ管制運転装置は、地震の発生を検知するとエレベータの一時停止を指示する自動停止機能を備えており、あるいは新たな自動停止機能が設けられており、後述するように、計測された地震動の振幅が一定レベル以上の場合、エレベータを一時停止させる。以下の新たな機能が有効に働くためには、エレベータを確実に早期停止させることが有効である。なお、この前段行程において、加速度計を使用する場合は、この一時停止機能は、従来の地震時管制運転装置と全く同様である。なお、速度計や変位計を利用した場合には、より長周期地震動が捉え易いという特徴を持っている。もちろん、加速度計や速度計の出力を積分することにより速度や変位を求めて、長周期地震動を捉える方法も考えられる。もちろん、通常の地震時管制運転システムによる一時停止が行なわれない場合に、自動判断推論手段で求められたロープの揺れ幅予測値が、予め定めた一定値以上になる場合に、一定時間のエレベータの一時停止を指示する機能を設けることも出来る。
また、後述するように、自動判断推論手段には、各エレベータ及び各ロープの諸元に基づくロープ振動解析モデル、各ロープが引っ掛かる可能性のある揺れ幅の設定値が与えられる。また、後述するように、自動判断推論手段は、推論結果を監視者等に提供する表示手段、あるいは推論結果に基づいてエレベータを自動制御する自動制御機能を有している場合もある。
なお、計測手段で得られた情報や、自動判断推論手段で得られたロープの揺れの情報等は、ここで述べたエレベータの管制運転以外にも、建物の地震後の健全性を判定する情報として用いることも可能となる。
本発明の請求項2の発明は、請求項1に記載のエレベータ管制運転装置において、自動判断推論手段は、ロープの揺れ幅予測値と設定値とを比較し、ロープの引っ掛かりが生じる可能性があると判定した場合、エレベータの一時停止を延長する自動停止延長機能を備えていることを特徴とするエレベータ管制運転装置である。
通常の地震時管制運転システムでは約1分でエレベータの自動停止が解除されるが、長周期地震動の場合には、ロープの揺れは1分以上経っても成長を続けることが考えられ、1分間の停止では短すぎるので、推論して出てきたロープの揺れ幅予測値が大きい間は、自動停止時間を延長させるものである。
自動判断推論手段には、予め各エレベータ及び各ロープの諸元またはそれを基に作成したロープ振動解析モデルを与えておく。諸元が与えられる場合には、それを自動的にロープ振動解析モデルに変換する機能を自動判断推論手段は持つことになる。また、各ロープが引っ掛かる可能性がある揺れ幅を各ロープ別の判定用クライテリアとして与えておく。
自動判断推論手段では得られたエレベータかご位置情報がある場合には、それを基に現在の各エレベータ・ロープの状況を把握し、エレベータが停止したかどうかを判断することができる。停止が確認されると、それに応じたロープ振動解析モデルを選択することが可能である。一方、エレベータかご位置情報が無い場合には、全ての停止位置についてのロープ振動解析モデルを使用して以下を行うことになる。
ロープ振動解析モデルとしては、高精度の結果が要求される場合には、下記の文献aに示されているようなモデルを利用することが可能である。しかし、予め高精度のロープ振動解析モデルの振動解析を行っておき、その振動結果のモード分解を行い、各モードの揺れ幅に相当する揺れ幅を、簡易な1質点の揺れで表す方法等の略算法を確立しておけば、それによって求めた簡略モデルで、計算時間を短縮することが可能である。
文献a:豊島順彦、他3名(東芝エレベータ、東芝、東京農工大)「高速エレベータのワイヤ・ロープ系の振動特性(差分法による数値解析)」日本機械学会論文集(C編)、68巻、675号、平成14(2002)年11月、pp.3202-3208
選択された振動解析モデルに対して、計測された地震動を入力して、計測された建物上部の加速度が一定以上の値を示しており、地震動が継続していると判断される間は、常にリアルタイムで各ロープの揺れ幅予測値を計算する。ロープの揺れ幅予測値を計算したら、前述の、地震検知による一定時間の一時停止が終わり、エレベータが自動復帰する前までの間は、常に以下の判断及び制御を行う。
即ち、算出された各ロープの揺れ幅予測値を判定用クライテリア(ロープの配置位置とそこからシャフト内の突出物との距離を勘案して設定される値)と比較して、その突出物までロープが到達する可能性があるので引っ掛かりが生じる可能性があると判定した場合には、一定時間後の自動復帰をさせずに、そのまま休止させるべきであると判断する。
なお、これらの判断結果をハードディスクや紙等に記録しておけば、地震後にエレベータを復帰させる場合にも、地震の際のロープの揺れ幅を確認することができるので、エレベータの早期復旧に役立てることができる。
本発明の請求項3の発明は、請求項1から請求項2までのいずれか一つに記載のエレベータ管制運転装置において、自動判断推論手段は、ロープの揺れ幅予測値の推移から今後の一定時間内に生じる揺れ幅を予測し、予測された揺れ幅がロープの引っ掛かりを生じさせる可能性があると判定した場合、エレベータの一時停止を延長する自動停止延長機能を備えていることを特徴とするエレベータ管制運転装置である。
通常の地震時管制運転システムでは約1分でエレベータの自動停止が解除されるが、長周期地震動の場合には、ロープの揺れは1分以上経っても成長を続けることが考えられ、1分間の停止では短すぎるので、推論して出てきたロープの揺れ幅が今後さらに大きくなると判定される間は、自動停止時間を延長させるものである。
例えば、シャフト内の突出物までロープの揺れ幅予測値が到達しそうも無いので、引っ掛かりが生じる可能性が無いと判断される場合には、さらに、その時点までのロープの揺れ幅予測値の推移から今後の一定時間内に生じる揺れ幅を予測する計算を行い、予測された揺れ幅がロープの引っ掛かりを生じさせる可能性があると判断された場合には、一定時間後の自動復帰をさせずに、そのまま一時停止を続けるべきであると判断する、等がこれに当たる。
なお、一時停止を続ける必要はないと判断されたままで、一時停止時間が所定時間を経過した場合には、従来の地震管制運転により自動復帰が可能なレベルであれば、自動復帰を許すことが可能になる。但し、一時停止時間が所定時間を越えても、ロープの揺れ幅予測値や建物の揺れが一定以上の値を示していれば、未だ揺れが収まっておらず、推移を監視すべきであるとして、一時停止を続けるべきであるとの判断を出し、リアルタイムのロープの揺れ幅予測値計算を継続して行い、ロープ揺れ幅予測値のチェックを継続して行う。
本発明の請求項4の発明は、請求項1から請求項3までのいずれか一つに記載のエレベータ管制運転装置において、自動判断推論手段は、計測された建物の揺れ(地震動や強風による揺れ)の周期特性を分析し、長周期振動(長周期地震動や強風時の揺れ)を含んでいると判定した場合、エレベータの一時停止を延長する自動停止延長機能を備えていることを特徴とするエレベータ管制運転装置である。
本発明の請求項5の発明は、請求項1から請求項4までのいずれか一つに記載のエレベータ管制運転装置において、自動判断推論手段により得られた判断結果を用いてエレベータを自動制御する自動制御機能を有していることを特徴とするエレベータ管制運転装置である。
自動判断推論手段が示した判断を表示させても表示させなくてもよいが、前記判断に基づいてエレベータに対して自動的な制御を行うこともできる。逆にいえば、自動的な制御を行なわない場合に付いては、監視者等が自動判断推論手段が示した判断を基に制御することになる。
本発明の請求項6の発明は、請求項1から請求項5までのいずれか一つに記載のエレベータ管制運転装置において、自動判断推論手段にはエレベータのかご位置情報及び運行情報の少なくとも一方の情報が入力されることを特徴とするエレベータ管制運転装置である。
エレベータのかご位置情報(エレベータの運転装置からの階床情報等を通信により得る、あるいは中央監視室等にエレベータ位置を表示させるための電光掲示用の情報等を電気信号により得る)を加えることで、自動判断推論手段がロープ揺れ予測値を計算するケース数が減少する等簡略化され、前記の監視者等に判断を任せる場合には、ケース数が減ることに伴ない、表示すべき判断結果も少なくなって判断が容易となる。
このかご位置情報にエレベータの運行情報(エレベータが上昇・下降・停止のいずれの状態であるか、あるいは、何処の階へ向かって動いているのか、何処の階へ止まろうとしているのか、等を示す情報。エレベータの運転装置から通信等により得る。)を加えることで、エレベータが停止したかどうかを判断できるので、それに応じたロープ振動解析モデルを選択することが可能となり、自動判断推論手段が簡略化され、前記の監視者等に判断を任せる場合には、表示すべき判断結果も少なくなって判断が容易となる。また、上昇・下降の情報により、かごの移動によりロープの揺れ幅が増大する可能性を把握することが可能となり、検知精度が高まる。
本発明の請求項7の発明は、請求項1から請求項6までのいずれか一つに記載のエレベータ管制運転装置において、自動判断推論手段には当該建物に地震波が到達する前に敷地外で得られた地震動情報が入力されることを特徴とするエレベータ管制運転装置である。
当該建物に地震波が到達する前に敷地外で得られた地震動情報とは、当該建物周囲で地震計網を構築して、そこから得た地震情報で、当該建物が何秒後に大きな揺れを受けるか、その揺れ方はどの程度であるか、等の当該建物への影響を判断した結果や、あるいは気象庁が発信している緊急地震速報(地震発生時刻、震源位置やマグニチュードの情報)等を用いたりすることである。これらを用いることにより、地震が当該建物に到来するよりも早く情報を与えることが出来るので、早期停止指令により最寄階への停止を安全に行え、かつ、地震到達前にエレベータが停止した場合には、ロープ揺れ解析の初期条件が静止から始まり、実情と一致するので、解析精度が向上する利点がある。
また、通常の地震時管制運転システムでは約1分でエレベータの自動停止が解除されるが、長周期地震動が予測される場合には1分では短すぎるので、当該建物に地震波が到達する前に敷地外で得られた地震動情報から解析して、自動停止時間を予め長めに延長させることもできる。
さらに、設置されている地震動感知手段を利用して、感知した地震動を基に、エレベータが設置された建物の揺れの状況(建物震度、建物被害状況推定、設備被害状況推定など)を求めて、それらも建物管理者等に知らせるようにすることもできる。
本発明の請求項8の発明は、請求項1から請求項7までのいずれか一つに記載のエレベータ管制運転装置において、自動判断推論手段により得られた判断結果を表示する表示手段を有していることを特徴とするエレベータ管制運転装置である。
例えば、監視を行う監視者に、直接、あるいは通信手段を使用して接続されたCRT・電光掲示板等の表示機器を使用して知らせる方法が考えられる。
自動判断推論手段が示した判断を、監視者等に知らせる手段を持たせたものであり、実際のエレベータの制御は監視者に任せることもできる。
本発明の請求項9の発明は、請求項1から請求項8までのいずれか一つに記載のエレベータ管制運転装置において、自動判断推論手段により得られた判断結果を遠隔表示し、遠隔からエレベータを操作する遠隔表示・遠隔操作機能を有していることを特徴とするエレベータ管制運転装置である。
例えば、符牒やメール等の情報に変換して、電話回線・LAN回線等の送信手段を用いて遠隔監視者に送る、という手段で伝達することができる。
判断結果を、遠隔地のサービスセンター等でも把握することが可能となり、長周期地震動や強風によってロープの引っ掛かりがおこる可能性があることが表示されれば、センター側からの遠隔操作によるエレベータの一時停止や停止延長が可能となる。また、その情報を利用して、この管制運転装置がついていない周辺の建物に対しても、エレベータの運行を一時停止する等の遠隔操作が可能となる。
なお、これらの判断結果を現地や遠隔地でハードディスクや紙等に記録しておけば、地震後にエレベータを復帰させる場合にも、地震の際のロープの揺れ幅を確認することができるので、エレベータの早期復旧に役立てることができる。
本発明の請求項10の発明は、請求項1から請求項9までのいずれか一つに記載のエレベータ管制運転装置において、計測手段より得られた計測結果を基に、建物の揺れの情報を提供する建物揺れ提供機能を有していることを特徴とするエレベータ管制運転装置である。さらに、設置されている地震動感知手段を利用して、感知した地震動を基に、エレベータが設置された建物の揺れの状況(建物震度、建物被害状況推定、設備被害状況推定など)を求めて、それらも建物管理者等に知らせるようにすることもできる。
本発明の請求項11の発明は、請求項1から請求項10までのいずれか一つに記載のエレベータ管制運転装置において、計測手段により得られた計測結果を基に、自動判断推論手段には強風時等の建物の揺れによりロープの揺れが増大する可能性があると判断される場合に、エレベータを一時停止させ、さらに、強風が続いていると判断される場合には一時停止を延長させる機能を有していることを特徴とするエレベータ管制運転装置である。
通常の地震時管制運転装置では、特許文献2のような特殊な感震器を使わない限り強風時の揺れは感知しないために、ロープが引っ掛かる恐れがあるような強風レベルでも、エレベータを停止させることができないが、本発明による管制運転装置では、自動判断推論手段において、建物上部の揺れの大きさを判断し、ロープの揺れが増大する可能性を判断できるので、強風時にも適切にエレベータを一時停止させることが可能である。
本発明は、以上のような構成からなるので、次のような効果が得られる。
(1)地震動や建物の揺れを常時計測し、計測された地震動情報やエレベータかご位置情報等を用いて、各ロープの揺れ幅をリアルタイムに算出し、揺れ幅に対するクライテリアと比較して各ロープの引っ掛かり可能性を判定し、当該エレベータあるいは建物内の全てのエレベータに対して、ロープや建物の揺れが収まるまで休止状態を指示するようにしているため、従来では事故が起こるまで検知する手段が無く、地震中には建物が大きく揺れているとの情報しか得る手段が無かったエレベータの各種ロープの引っ掛かり事故発生の可能性を迅速かつ正確に把握することができる。これにより、長周期地震動に対してエレベータが動きつづけていることに起因するエレベータのロープの引っ掛かり事故を未然に確実に防止することができる。これらの機能は、強風時にも同様に作用する。
(2) ロープ揺れ幅を記録しておくことで、地震後にも、エレベータの早期復旧に役立てることができる。強風による場合も同様である。
(3) 建物とエレベータ・ロープの揺れを記録しておくことで、建物についての地震後の健全性について確認するデータとなる。強風による場合も同様である。
以下、本発明を図示する実施形態に基づいて説明する。この実施形態は、超高層ビル用エレベータにおける地震時や強風時の管制運転に適用した場合である。図1は、本発明のエレベータ管制運転装置を有するシステムの一例を示すシステム全体図である。図2は、エレベータの構成の一例を示す図である。図2に示すように、エレベータ10は、かご11と、巻上機12と、釣り合い錘13と、主ロープ14と、コンペンロープ(アンバランス解消ロープ)15と、ガバナ(調速機)16と、ガバナロープ17などから構成されている。エレベータ管制運転装置はこれらの各種ロープの揺れを対象とする。
図1において、本発明のエレベータ管制運転装置1は、地震動および建物の揺れを計測する計測手段としての加速度計、速度計、あるいは変位計2と、この計測手段の計測データが入力される自動判断推論手段としてのコンピュータ3とから構成されている。
計測手段2は地震動のような建物下部あるいはエレベータ基部への入力を計測できる位置(例えばエレベータ・ピット内)や、強風の入力や建物上部の応答などのエレベータ上部への入力が計測できる位置(例えばエレベータ機械室)などに設置されている。地震のみを対象とする場合には、建物への入力の計測さえ行えれば、建物モデルを用いて解析することで建物の揺れを推測できるため、計測手段としては建物への入力の計測だけを設けてもよい。しかし、地震を対象とする場合でも、精度よくロープの揺れを推測したい時や、強風を対象とする場合には、エレベータ上部への入力となる建物上部あるいはエレベータ上部の揺れを直接計測するために、建物上部あるいはエレベータ上部の応答が計測できる位置に計測手段を設けることが必要となる。
コンピュータ3には、計測手段2からの計測データ、気象庁からの緊急地震速報など、エレベータ制御盤5やエレベータ監視盤6からのかご位置情報・運行情報が入力される。コンピュータ3では、後述するように、入力データや設定データ等に基づいて処理がなされ、エレベータが自動的に一時停止制御・休止制御され、あるいは一時停止操作・休止操作される。
図4は従来の管制運転方法の一例を示すフロー図であり、図5は本発明に係る管制運転方法の一例を示すフロー図である。本発明のエレベータ管制運転装置は、従来の地震時管制運転システムと並列に使用されても構わない。その際に、従来の地震時管制運転システムと通信する必要は特にない。エレベータの停止には、接点信号等を用いるのが一般的であるので、エレベータの制御装置との間で、接点信号等による信号の授受が行えれば、本発明のエレベータ管制運転装置により、エレベータの一時停止や一時停止の延長、あるいは休止は可能となる。もちろん、従来の地震時管制運転システムと通信して、より高度な制御をすることも可能である。もちろん、従来の地震時管制運転システムと一体のシステムとして構築することも可能である。
エレベータに従来の地震時管制運転システムが装備されている場合には、当該システムにより地震時にはエレベータの一時停止が行なわれるが、それとは別に、計測手段により得られた計測データをもとに、エレベータをなるべく早期に一定時間一時停止させる機能を持たせることもできる。なるべく早期に一時停止させることによりロープの引っ掛かり事故が生じにくい、あるいは、生じた場合でも復旧が容易であることが利点である。特に、ロープの引っ掛かり事故は、ロープが大きく揺れている際にエレベータが動いていたために起こることが多いが、その発生を大きく抑制することが出来る。
従来の地震時管制運転システムでは、長周期地震動や強風による揺れは感知できず、一時停止させることが出来ないが、計測手段で得られたデータを基に、応答スペクトルやFFT、ランニングスペクトル解析などを行うことにより、周波数成分の分析を行って長周期地震動成分を検出することで早期に一時停止させたり、建物上部あるいはエレベータ上部での揺れの大きさを監視させたりすることで、強風時の揺れや長周期地震動成分による建物の揺れを検出して、早期に一時停止させることも可能である。
また、このようになるべく早期に一時停止させることで、後述するロープ揺れ解析が容易になるという長所もある。さらに、当該建物に地震波が到達する前に敷地外で得られた地震情報(気象庁で配信する緊急地震速報など)等が得られる場合には、建物が揺れ始める前にエレベータを一時停止させておくこともできる。また、地震波が到達する前に敷地外で得られた地震情報を応答スペクトルやFFT、ランニングスペクトル解析等を行い分析することにより、長周期地震動か否かなどを判断できるので、後述するロープ揺れ幅推論を行うことを省略して自動判定推論を行ったり、自動的に一時停止させたりすることもできる。
コンピュータ3は、計測手段2からの計測データを取り込んで、エレベータのロープ揺れ幅を推論するロープ揺れ幅推論機能を持つ。ロープ揺れ幅の推論は常時行ってもよいし、計測データがある一定以上の値となった場合のみ開始し、一定時間継続する運用方法でも良い。
エレベータのかご位置情報などが得られない場合には、全エレベータの全ロープについて、全階に停止している場合を想定した全ケースの振動解析モデルを作成し、計測データを使ってロープ揺れ幅をリアルタイムで算出する。もちろん、後述のように、全ケースを行わず、主要ケースに絞って計算し、揺れが大きいと思われる箇所を発見したら、そこだけ詳細に計算を行う方法もある。
ロープの揺れ幅の算出は、ロープを多数要素に分割して差分法により高精度に算定する方法等を用いることができる。要素分割方法や、解析方法については、求める精度や、実行するための時間による制約等で決定されるべきである。例えば、簡易な場合は、図3に示すように、ロープ揺れを質点応答に置き換えて重ね合わせる簡易算定手法等によることもできる。この場合、エレベータロープの上端のみの揺れからロープ揺れ幅を算定することも可能である。
また、エレベータの各種ロープは長さ(停止位置)によって固有周期が決まってくるため、エレベータが停止していることを前提に、ロープの固有周期が建物の固有周期に近接する場合や、応答スペクトルやFFT、ランニングスペクトル解析などを行うことにより、建物の揺れにロープの固有周期の成分が多く含まれていることが計測できる場合には、それらの固有周期をもつケースのみ選択することで、解析ケース数を減らすことも考えられる。
これに加えて、エレベータからの情報として、かご位置情報が得られる場合には、上述のように全階に停止している場合を想定する必要がなくなるので、解析ケースを大幅に減じることが可能である。また、このような場合には、解析によって得られる揺れ幅の精度が向上するので、解析によって得られた揺れが大きい場所の特定精度が向上し、かご位置情報を基に、監視者にその情報を示して手動で、あるいは自動的に、揺れが大きい箇所をエレベータ・シャフト内各部やかご周囲等にあらかじめ設置されたカメラで状況を視認させたり、エレベータ・シャフト内各部やかご周囲等にあらかじめ設置されたセンサを利用して引っ掛かりを検知させたりすることも可能になる。
また、それに加えてエレベータの運行情報(エレベータが上昇・下降・停止のいずれの状態であるか、あるいは、何処の階へ向かって動いているのか、何処の階へ止まろうとしているのか、等を示す情報。)が得られると、例えばエレベータが動いている場合には、動いていることで起こるリスク、つまり、エレベータが上昇中にはメインロープが大きく揺れているとテンションが緩み、さらにロープが揺れて引っ掛かりが起こり易くなるとか、エレベータ下降中にはコンペンロープのテンションが緩み、引っ掛かり易くなるとか、を予測することが出来て、さらに危険察知の精度が向上する。また、運行情報に加えて当該建物に地震波が到達する前に敷地外で得られた地震情報(気象庁で配信する緊急地震速報など)等が得られる場合には、地震動に含まれる周期成分を分析して、卓越する周期が分かれば、運行情報と照らし合わせて、それに一致する固有周期が生まれるような位置にエレベータが停止しないように、エレベータの制御を行うことも考えられる。
コンピュータ3は、このようにして算出されたロープ揺れ幅と、事前にロープ位置およびエレベータ・シャフト内の機器や、突起物のある可能性のある部位までの距離などをもとに設定されたクライテリア(判定基準)とを比較して、ロープの引っかかり可能性を推論する自動判定推論機能を持つ。ロープ揺れ幅推論機能と自動判定推論機能を用い、ロープの揺れ幅とクライテリアを比較して、ロープの引っ掛かりが生じる可能性があると判断した場合には、一定時間一時停止したエレベータの停止を自動的に延長する機能をもたせることができる。
また、一定時間を越えて今後のロープの揺れ幅の推移を予想して、その予想値からロープの引っかかり可能性が判断される場合には、エレベータの停止を自動的に延長する機能を有することもできる。
同様に、計測された揺れの性質を応答スペクトルやFFT、ランニングスペクトル解析などをおこなうことにより、長周期地震動による揺れであると判断した場合には、継続時間が長くなることが想定されるので、エレベータの停止を自動的に延長する機能を有することもできる。ここに、クライテリア(判断基準)を2段階あるいは多段階設けることにより、低いレベルでは停止の継続、高いレベルでは運行休止と使い分けること等も可能である。
本発明のエレベータ管制運転装置は、自動判断推論手段により得られた判断結果(ロープ引っ掛かり可能性の有無、等)や、場合によっては推定されたロープの揺れ幅自体を略図等で表示する手段を持つこともできる。自動判定推論手段により得られた判定に従い、一時停止しているエレベータを全てあるいは引っかかりの可能性のあるものだけ、上述のように自動運転停止させることもできる。エレベータ運転の制御は建物管理者に任せることを前提に、表示機能を用いて建物管理者にエレベータの一時停止や一時停止の延長、あるいは休止等をうながすこともできる。この表示機能は、当該装置に直接接続した表示装置だけでなく、通信手段を使用して接続されたCRT、電光掲示板などの表示手段を用いて遠隔で監視している場所に表示させたり、電話回線やインターネット、メールなどで伝達させたりすることも可能である。また、同様に、通信手段を用いて、遠隔で管制運転装置を操作することも可能である。よって、地域一帯の複数のエレベータの運転制御を集中して行わせることも可能である。
エレベータ管制運転装置は、一定時間経った後に、エレベータの各種ロープの揺れが引っ掛かり事故を起こす可能性は小さいと判断した場合、かつ、建物の揺れが一定の大きさ以下におさまっている場合、かつ、その時点から建物の揺れやロープの揺れが増大する可能性は小さいと判断した場合には、一時停止しておいたエレベータを自動復帰させることもできる。また、ロープの揺れ幅によっては、一時停止状態を継続して、建物管理者や作業員による点検後の手動復帰を待つこともできる。また、ここで述べた、自動復帰させたり手動復帰させたりする条件を満足しない場合には、一定時間を更新し、エレベータの一時停止を継続して、建物の揺れとエレベータ・ロープの揺れが収まるのを待つこともできる。
ここまでの流れは、地震の場合に限らず、強風などにより建物が揺れる場合にも建物の揺れを計測できる位置に計測手段を設けることにより、同様の手順で管制運転装置を用いることも可能である。
また、エレベータ管制運転装置でのエレベータの情報や、建物の揺れなどの情報を、建物の状況を把握するシステムに引き継ぐことにより、建物機能の健全性や地震後あるいは強風後の被災度などをより高精度に評価できる。
本発明のエレベータ管制運転装置を有するシステムの一例を示すシステム全体図である。 はエレベータの構成を示す概略図である。 本発明で用いるロープ揺れ簡易算出手法であり、(a)はロープ揺れの説明図、(b)は入力波と1質点応答を示すグラフである。 従来の管制運転方法を示すフロー図である。 本発明に係る管制運転方法を示すフロー図である。
符号の説明
1……エレベータ管制運転装置
2……加速度計・速度計・変位計(計測手段)
3……コンピュータ(自動判断推論手段)
4……地震感知器
5……エレベータ制御盤
6……エレベータ監視盤
10……エレベータ
11……かご
12……巻上機
13……釣り合い錘
14……主ロープ
15……コンペンロープ
16……ガバナ(調速機)
17……ガバナロープ

Claims (11)

  1. 地震時や強風時のエレベータの安全を図るエレベータ管制運転装置であり、
    建物の揺れを計測する計測手段と、前記計測手段による計測データが入力され、前記計測データを用いてエレベータのロープの揺れ幅を算出するロープ揺れ幅推論機能を備える自動判断推論手段を有し、
    前記自動判断推論手段にはロープ位置およびエレベータ・シャフト内の機器、並びに突起物のある可能性のある部位までの距離をもとに、各ロープが引っ掛かる可能性がある揺れ幅が各ロープ別の判定用クライテリアとして事前に設定されており、
    前記自動判断推論手段は前記計測データを用い、ロープを多数要素に分割して差分法により、もしくはロープ揺れを質点応答に置き換えて重ね合わせる手法により前記ロープの揺れ幅を算出し、前記判定用クライテリアと前記算出されたロープ揺れ幅との比較によりロープの引っかかり可能性を推論することを特徴とするエレベータ管制運転装置。
  2. 請求項1に記載のエレベータ管制運転装置において、自動判断推論手段は、ロープの揺れ幅予測値と設定値とを比較し、ロープの引っ掛かりが生じる可能性があると判定した場合、エレベータの一時停止を延長する自動停止延長機能を備えていることを特徴とするエレベータ管制運転装置。
  3. 請求項1または請求項2のいずれか1つに記載のエレベータ管制運転装置において、自動判断推論手段は、ロープの揺れ幅予測値の推移から今後の一定時間内に生じる揺れ幅を予測し、予測された揺れ幅がロープの引っ掛かりを生じさせる可能性があると判定した場合、エレベータの一時停止を延長する自動停止延長機能を備えていることを特徴とするエレベータ管制運転装置。
  4. 請求項1から請求項3までのいずれか一つに記載のエレベータ管制運転装置において、自動判断推論手段は、計測された建物の揺れの周期特性を分析し、長周期振動を含んでいると判定した場合、エレベータの一時停止を延長する自動停止延長機能を備えていることを特徴とするエレベータ管制運転装置。
  5. 請求項1から請求項4までのいずれか一つに記載のエレベータ管制運転装置において、自動判断推論手段により得られた判断結果を用いてエレベータを自動制御する自動制御機能を有していることを特徴とするエレベータ管制運転装置。
  6. 請求項1から請求項5までのいずれか一つに記載のエレベータ管制運転装置において、自動判断推論手段にはエレベータのかご位置情報及び運行情報の少なくとも一方の情報が入力されることを特徴とするエレベータ管制運転装置。
  7. 請求項1から請求項6までのいずれか一つに記載のエレベータ管制運転装置において、自動判断推論手段には当該建物に地震波が到達する前に敷地外で得られた地震動情報が入力されることを特徴とするエレベータ管制運転装置。
  8. 請求項1から請求項7までのいずれか一つに記載のエレベータ管制運転装置において、自動判断推論手段により得られた判断結果を表示する表示手段を有していることを特徴とするエレベータ管制運転装置。
  9. 請求項1から請求項8までのいずれか一つに記載のエレベータ管制運転装置において、自動判断推論手段より得られた判断結果を遠隔表示し、遠隔からエレベータを操作する遠隔表示・遠隔操作機能を有していることを特徴とするエレベータ管制運転装置。
  10. 請求項1から請求項9までのいずれか一つに記載のエレベータ管制運転装置において、計測手段より得られた計測結果を基に、建物の揺れの情報を提供する建物揺れ提供機能を有していることを特徴とするエレベータ管制運転装置。
  11. 請求項1から請求項10までのいずれか一つに記載のエレベータ管制運転装置において、自動判断推論手段には強風時等の建物の揺れによりロープの揺れが増大する可能性があると判断される場合に、エレベータを一時停止させ、さらに、強風が続いていると判断される場合には一時停止を延長させる機能を有していることを特徴とするエレベータ管制運転装置。
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