JP6018898B2 - 建物安全管理システム - Google Patents

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Description

本発明は、建物安全管理システムに関し、特に、構造躯体の損傷、使用安全性、修復可能性などを適切に評価するための損傷評価を可能とする建物モニタリング診断システムを備えた建物安全管理システムに関する。
従来、建物安全管理として、地震時における建物の損傷診断や平常時での超高層集合住宅におけるエレベータの停止状況を確認することが行われている。
例えば、建物の地震動に対する損傷状況を判定する地震被害判定装置として、特許文献1に示すようなものが提案されている。
この地震被害判定装置は、地震被害の判定対象とする建物に設けられ、地震が発生した際の当該建物の揺れの波形を計測する地震計と、前記地震計により計測される波形に基づいて得られる予め定められた複数種類の物理量の、前記建物に地震動に応じて損傷が発生する閾値を導出する導出手段と、前記導出手段によって導出された前記閾値を記憶する記憶手段と、地震が発生した場合に、前記地震計によって計測された前記波形に基づいて前記建物における前記複数種類の物理量と前記記憶手段により記憶されている対応する前記閾値との比較を行い、当該比較の結果に基づいて前記建物に損傷が発生したか否かを判定する判定手段と、前記判定手段による判定結果を報知する報知手段とを備えたものとされている。
特開2008−90534号公報
このような地震被害判定装置にあっては、記憶手段がインターネットを介して接続されたサーバ装置とされているため、各データを一旦インターネットを介して外部のサーバ装置に送信して記憶させ、比較、演算等の処理をサーバ装置側で行った後、報知手段にて報知することとなるため、地震の発生から報知までの間に時間がかかることとなり、早期に情報を提供しにくいという問題がある。
また、従来の地震時における建物の損傷診断や超高層集合住宅におけるエレベータの停止状況は、それぞれで告知されており、しかも、地震後ある程度時間が経過した後に行われており、場合によっては、建物に利用者が閉じ込められたりすることもある。
さらには、避難指示が出ても、システマチックでなく、利用者がバラバラに行動している状況である。
したがって、平常時の建物管理と非常時の建物安全管理との両面からの建物の安全管理は十分なものとは言えなかった。
本発明の目的は、インターネットを介することなく、ローカルネットワークで早期に建物の被災評価を行って通知することができ、しかも、複数台のエレベータを有する建物で緊急時におけるエレベータ利用のための適切な避難方法を通知することができる建物安全
管理システムを提供することにある。
本発明の他の目的は、長周期地震動が遠方で発生した場合に、早期に、どの程度の揺れになるか、この建物は共振を起こし大きく揺れる可能性があるかなど予測も含め利用者に適切な事前情報を発信することで、長時間の大きな揺れに対しての恐怖心を緩和できる建物安全管理システムを提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、集合住宅においてインターホンの住戸表示器に緊急時の情報を表示することで、各利用者に素早く確実に通知することのできる建物安全管理システムを提供することにある。
(1)前記目的を達成するため、本発明の建物安全管理システムは、複数台のエレベータを設置した集合住宅の建物における前記各エレベータの稼働状況を把握するエレベータ稼働情報システムと、
非常時の建物モニタリング診断システムとを有する建物安全管理システムであって、
前記建物モニタリング診断システムは、
地震時の加速度を検出するために前記建物の複数の階に設置された複数の加速度センサと、
前記建物内で前記複数の加速度センサからの検出データを受け取って分析する分析処理を行い、その分析結果を前記建物の各戸に設置された住戸表示器を含むインターホンに向けて送信するとともに、記録する演算記録部と
有し、
前記演算記録部は、
前記分析処理として、
前記建物の各階の震度を演算する震度算定処理
CPU内に有する診断アルゴリズムに基づいて前記建物の被災評価を演算する被災評価処理と、
前記エレベータ稼働情報システムからのエレベータ稼働状況を分析して緊急時における各戸の階におけるエレベータを利用したまたは利用しない適切な避難方法を分析決定する避難方法分析処理と、を行い、
前記住戸表示器に、前記建物の各階の震度と、前記被災評価処理により得られた前記建物の被災評価と、前記避難方法分析処理により得られた緊急時における適切な避難方法と、を表示させる
本発明によれば、加速度センサからの検出データを建物内の演算記録部に記録し、この記録部で前記検出データを分析し、その分析結果をインターホンに向けて送信することで、加速度センサからの検出データをインターネットを介して外部サーバに送信するのではなく、ローカルネットワーク内で分析して、地震の発生から報知までの間に時間をかけずに、早期に情報を提供することができる。
また、エレベータ稼働情報システムと接続してエレベータ稼働情報システムからのエレベータ稼働状況を分析し緊急時におけるエレベータ利用のための適切な避難方法を前記インターホンに向けて送信することにより、複数台のエレベータを有する建物で緊急時におけるエレベータ利用のための適切な避難方法を通知することができる。
(2)本発明においては、(1)において、
前記演算部は、長周期地震診断データを有し、この長周期地震診断データにより長周期地震と判断された場合に、前記住戸表示器を介して建物利用者に適切な事前情報を通知するようにすることができる。
このような構成とすることにより、長周期地震動が遠方で発生した場合に、長周期地震診断データにより、早期に、どの程度の揺れになるか、この建物は共振を起こし大きく揺れる可能性があるかなど判定し、予測も含め利用者に適切な事前情報を通知することで、長時間の大きな揺れに対しての恐怖心を緩和することができる。
(3)本発明においては、(1)または(2)において、
前記演算記録部は、オンライン建物応答予測処理により分析した予測速報を前記住戸表示器を介して建物利用者に通知し、
前記オンライン建物応答予測処理は、前記建物の建物基礎及び所定の高層階に設けられた前記加速度センサのP波部の記録を用いて前記高層階のS波部における計測震度を予測する処理であることができる。
このような構成とすることにより、オンライン建物応答予測手法により予測した結果を予測速報として利用者に通知することにより、たとえば、まだこれから震度が大きくなる可能性がある場合などに緊急地震速報等によらずに、独自に、しかも即座にその注意を促すことが可能となる。
(4)本発明においては、(3)において、
前記オンライン建物応答予測処理は、
前記建物基礎におけるP波部の第1擬似速度応答スペクトルから前記建物基礎におけるS波部の第1予測応答スペクトルを求める処理と、
前記高層階におけるP波部の第2擬似速度応答スペクトルと前記第1擬似速度応答スペクトルとの比を求める処理と、
前記第1予測応答スペクトルと前記比から前記高層階におけるS波部の第2予測応答スペクトルを求める処理と、
前記第2予測応答スペクトルから前記高層階におけるS波部の計測震度を予測する処理と、を含むことができる。
本発明の一実施の形態にかかる建物安全管理システムに用いられる建物モニタリング診断システムの概略構成図である。 図1の表示器における表示画面の一例を示す図である。 剛性変化の算定状態を示すフロー図である。 剛性変化の算定レベルの設定例を示す図である。 (A)は、建物固有周期(固有モード)と加速度センサ位置の関係を示す図、(B)は、大空間での1次固有モード〜3次固有モードを対象に加速度センサを配置した例を示す図である。 被災評価の算定状態を示すフロー図である。 層間変形角と剛性変化と損傷の対応を示す図である。 図1〜図7の建物モニタリング診断システムを用いた建物安全管理システムの一例を示す概略構成図である。 本実施の形態における建物損害判定とエレベータ制御の関係を示すフロー図である。 本実施の形態における長周期震動の判定状態を示す説明図である。 1階とR階の記録例による建物増幅の説明図である。 P波部分からの1階からR階への建物増幅算定例を示す図である。 1階P波部から最上階の計測震度予測フロー図である。 集合住宅における各インターホンの住戸表示器と画像表示の一例を示すシステム図である。 集合住宅における各インターホンの住戸表示器と画像表示の他例を示すシステム図である。 オフィスビルにおける各テナントと画像表示の一例を示すシステム図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1〜図13は、本発明の一実施の形態にかかる建物安全管理システムを示す図で、この建物安全管理システムは建物モニタリング診断システムを有している。
図1〜図7は、その建物モニタリング診断システムの一例を示す図である。
図1は、本発明の一実施の形態にかかる建物モニタリング診断システム概略構成図で、この建物モニタリング診断システム10は、加速度センサ12と、記録部14と、通知手段としての表示器16とを有している。
加速度センサ12は、複数台設置されて、その設置位置の地震時の加速度を検出するためのもので、建物18の複数の階に設置されるようになっている。
これら各加速度センサ12は、給電可能なハブ(PoEHUB)20に接続され、無停電電源装置22に接続されて、停電時でも動作可能にされている。
また、この加速度センサ12は、内部にCPU及びメモリを有するデジタル方式のものとされており、ノイズが乗りにくいものとされるとともに、通信エラーがあった場合には通信を繰り返したり、自己診断を行ってメンテナンスを容易にしたり、記録部14と双方向通信が可能な状態となっている。
記録部14は、建物18内で、ハブ20を介して加速度センサ12と接続するとともに無停電電源装置22に接続した状態となっている。
また、記録部14は、CPUとメモリを有し、複数の加速度センサ12からの検出データを受け取って記録するとともに、その検出データを分析し、その分析結果を表示器16に送信するようになっている。
より詳細には、記録部14は、建物18の各階の震度と、CPU内に有する診断アルゴリズムに基づいて建物18の被災評価を演算し、その演算結果を表示器16に送信するようになっている。
表示器16は、記憶部から送信された分析結果を画像表示することにより、使用者にわかりやすいものにしている。
また、ハブ20は、ルーター24に接続され、このルーター24からインターネット回線26を介して外部の診断サーバ28に接続され、加速度センサ12からの検出データが診断サーバ28に転送され、診断サーバ28で被災評価を診断できるようにしている。
これによって、専門家等の意見を取り入れたより詳細な情報を提供しうるようにしている。
この場合、複数の加速度センサ12からの検出データを受け取って記録部14で分析したデータを外部のサーバシステムに転送するようにしてもよい。
さらにまた、複数のハブ20はLANケーブルにて接続されているが、無線LANにて接続するようにして、遠距離接続を容易にするようにしてもよい。
なお、この建物18は、免震装置19を有する建物構造となっているが、免震装置を有しない建物にも適用可能である。
このように、加速度センサ12からの検出データを建物18内の記録部14に記録し、
この記録部14で前記検出データを分析し、その分析結果を表示器16に送信することで、加速度センサ12からの検出データをインターネットを介して外部サーバに送信するのではなく、ローカルネットワーク内で分析して、地震の発生から表示までの間に時間をかけずに、早期に情報を提供することができることとなる。
このようにすることにより、災害時にインターネット回線が切断するなどの状況が発生しても、建物内の記録部と表示器が診断機能を有するために、外部診断サーバによらずとも、必要な情報の伝達が可能である。
図2は、図1の表示器における表示画面の一例を示す図で、この表示器16の表示画面32は、例えば、常時は消灯で、地震発生時に自動点灯し、一定時間後に消灯するようになっている。
また、表示画面32には、上部に、例えば地盤と、1階と、R階の震度を示す震度表示部34が設けられ、その下側には、例えば、1階と、R階の診断情報を示す建物診断情報部36が設けられた状態となっている。
震度表示部34では、最大震度をホールドし、震度により文字色を変え、一定時間後に消去するようになっている。
なお、それぞれの消去時間は、大きい地震の際には長く表示するなど、発生した地震の大きさによって異なる時間でもよい。
また、建物診断情報部36では、最大震度での診断をホールドし、危険度により背景色を変え、一定時間後に消去するようになっている。
その他、表示画面32には、例えば、建物名称38、地震発生時の最大震度の時刻40、大きい地震の履歴42、地震発生時の警報表示44、現在時刻46等が表示されるようになっている。
本装置は以下のようなフローで設定〜解析される。
まず加速度センサ12の設置については、図6のフロー図に示すとおり、まず、設定建物で考慮する振動数を求めて、想定地震動の設定を行う(S10)。
次に、求めた振動数範囲の対象建物固有周期(解析モード次数)を設定する(S11)。
この場合、告示波を対象地震動の一つと考えると、例えば、3次固有モードまでを対象とすることが考えられる。
次いで、モードに応じた加速度センサ12位置の設定を行う(S12)。
この場合、図5(A)の建物固有周期(固有モード)と加速度センサ位置の関係を示す図にあるように、1次固有モード〜3次固有モードから加速度センサ12の設置階を決定し、各固有モード(固有周期)の腹の位置に加速度センサを設置するようにすることで設置台数と設置位置が決定される。
このように、設定建物で考慮する振動数を求めてその振動数範囲の対象建物固有周期を設定して前記加速度センサ12の設置階を決定し、各固有周期の腹の位置に前記加速度セ
ンサを設置することで、加速度センサ12の台数を少なくしてコンパクトかつ低コストで、システムの設置も容易なものとすることができるようになっている。
この考え方は、図5(B)に大空間での1次固有モード〜3次固有モードを対象に加速度センサを配置した例でも示すように、大空間建物でも同様である。
引き続いて地震直後早期の剛性低下評価であるが、図3の、計測された加速度から各階の加速度を推定する(S2)。
次いで、例えば各階の最大加速度が設定値である500galを超えているか否かを判定
する(S3)。
最大加速度が設定値である500galを超えている場合には、剛性変化の算定を行う(
S4)。
最大加速度が設定値である500galを超えていない場合には、各階の変位を推定する
(S5)。
次に、各階の変位から、層間変形角を推定する(S6)。
次いで、例えば最大層間変形角が設定値である1/100を超えているか否かを判定する(S7)。
最大層間変形角が設定値である1/100を超えている場合には、剛性変化の算定を行う(S8)。
最大層間変形角が設定値である1/100を超えていない場合には、震度表示による伝達を行う(S9)ようにしている。
このように、記録部12は、加速度センサの計測に基づいて各階の加速度を推定するとともに、この各階の加速度から各階変位を推定し、そこから層間変位角を算定して震度を表示器16に伝達することで、各階の精度の良い正確な震度情報を発信することができる。
また、剛性低下に関する検討は、計測加速度または層間変形角が設定値を超えた時にされるのであるが、設定値は例えば図4に示すレベルに設定することも可能である。
図4(日経アーキテクチャ 2010-10-25 pp.25「層間変形角と加速度で被害を予測する」を参照)は、横軸に加速度、縦軸に層間変形角を設定したもので、安全性を高めようとするのであれば、図4に示すレベル1(加速度500gal、層間変形角1/100)をレベル2(加速度300gal、層間変形角1/200)に変更することも可能である。
次に、剛性変化の判定がされるのは、図3の剛性変化の算定条件(S4、S8)を満たした場合で、剛性の観測値と解析値の比較を行い、剛性の同定を行う(S13)。
次いで、剛性の観測値と解析値の比較により誤差が最小の結果を選択する(S14)。
次に、各剛成の評価を行い(S15)、剛性の低下と被災の算定を行う(S16)。
この剛性の低下と被災の算定に際しては、図7の層間変形角と剛性変化と損傷対応を示す図にあるように、横軸の剛性の低下割合と縦軸の層間変形角から損傷度を判定する。
例えば、損傷(被災)度の判定は、層間変形角が1/100より大きい場合はすべて「避難・専門家検査」となり、また、剛性の低下割合が初期の50%よりも小さい場合もすべて「避難・専門家検査」となり、層間変形角が1/200〜1/100、剛性の低下割合が初期の70%〜50%の場合は「居住OK・点検確認・専門家調査」となり、それ以外は「問題無」となる。
これまでの説明は一例であって、判定に用いる層間変形角、剛性低下の割合についての大きさは、建物の構造、用途及び重要度等によって変えて良いのは勿論である。
そして、この被災の判定に基づいて、被災評価を表示器16に伝達して表示を行うようになっている(S17)。
このように、記録部14が、計測加速度または層間変形角が設定値を超えた時に剛性変化の算定を行い、剛性の低下割合と層間変形角とにより被災の算定を行い、被災の算定結果を表示器16に伝達することにより、精度の良い正確な被災情報を発信することができるようになっている。
図8は、このような建物モニタリング診断システム10を用いた建物安全管理システム100の一例を示す概略構成図で、この場合の建物50は集合住宅である超高層マンションで、制御盤52により制御される複数台のエレベータ54を設置してあり、これら複数台のエレベータ54の稼働状況を把握する一般的なエレベータ稼働情報システム(図示せず)を備えている。
また、この建物50には前述のように建物モニタリング診断システム10の加速度センサ12を所定階に設置してLAN回線56で接続するとともに、管理室58には記録部14が設置され、各住戸にはインターホンの住戸表示器60が設置され、これらインターホンの各住戸の住戸表示器60が通知手段として用いられるようになっている。
さらに、この建物安全管理システム100では、記録部14がエレベータ稼働情報システムと接続し、エレベータ稼働情報システムからのエレベータ54の稼働状況を分析して緊急時におけるエレベータ54の利用のための適切な避難方法を各住戸の住戸表示器60に送信して表示できるようにしている。
図9は、本実施の形態における建物損害判定とエレベータ制御の関係を示すフロー図で、地震発生時には、まず、加速度センサ12の検出データを記録部14にて分析して地震記録による建物損傷を判定し(S20)、各住戸表示器60に表示させる。
次に,エレベータ稼働情報システムからのエレベータ54の稼働状況を分析して,地震記録によるエレベータ制御を行う(S21)。
この場合、エレベータ54が停止しているときには、その状況等をインターホンの各住戸表示器60に表示させる(S22)。
このエレベータ54が停止している場合で、建物損傷状況が大きい階があり、避難が必要な場合、その階の各住戸表示器60に避難方法を表示して避難を指示する(S23)。
また、エレベータ54が運転されている場合で、建物損傷状況が大きい階があり、避難が必要な場合、その階の各住戸表示器60に避難方法を表示して避難を指示する(S24)。
なお、避難が必要で、エレベータ54が停止している場合、最も安全なルートを確保するか、建物の損傷程度との関係では避難するよりとどまることを薦めるメッセージを流すことで利用者の安全・安心に寄与するようにすることが可能である。
さらに、この建物安全管理システム100では、記録部14が、長周期地震診断データを有し、この長周期地震診断データにより長周期地震(図10参照)と判断された場合に、各住戸表示器60を介して建物利用者に適切な事前情報を通知するようにしている。
このようにすることで、長周期地震動が遠方で発生した場合に、長周期地震診断データにより、早期に、どの程度の揺れになるか、この建物は共振を起こし大きく揺れる可能性があるかなど判定し、予測も含め利用者に適切な事前情報を通知することで、長時間の大きな揺れに対しての恐怖心を緩和することができる。
この場合、長周期によるエレベータロープのねじれ等も制御することが可能である。
そしてさらに、この記録部14は、オンライン建物応答予測手法(図示せず)を有し、このオンライン建物応答予測手法により分析した地震の予測速報を各住戸表示器60を介して建物利用者に通知するようにするようにしている。
このように、オンライン建物応答予測手法により予測した結果を予測速報として利用者に通知することにより、たとえば、まだこれから震度が大きくなる可能性がある場合などに緊急地震速報等によらずに、独自に、しかも即座にその注意を促すことが可能となる。
このオンライン建物応答予測手法の予測方法は、建物基礎(たとえば1階)と高層階のP部(波初動部)記録を用いて、高層階のS波部(主要動部)揺れの予測を行う。
高層建物では、建物基礎への初期入力の段階で高層階の応答を予測できれば、主要動で大きく揺れる高層階の揺れに対する警報も確実に出すことができ、安全・安心を与えることができる。
建物基礎に入力した地震波は、高層階では建物特性の影響を受けて増幅するが、その増幅特性は図11に示すようにP波部の増幅特性をS波部に用いることができる。
図12に観測記録による1階からR階へのP波部での建物増幅の例を示す。
このようにP波部を検討することにより、対象建物の地震に対する応答倍率が得られ、この特性をS波部の増幅特性として用いる。
図13のフロー図により説明する。
1階とR階で加速度センサの記録が得られる場合について説明する。
1階とR階で地震を受信すると、それぞれ図11のように振幅の小さいP波部が震源距離に応じた時間継続し、やがて振幅の大きいS波部が到達し、建物を大きく揺らす。
STEP101では、1階のP波部(地震受信から2.5秒を最短とする)の擬似速度応答スペクトル(h=0%)を求め、事前に検討した倍率を乗じ、1階S波部予測スペクトルを求める。
この倍率は、P波とS波の最大値(最大速度値の比または擬似応答スペクトルの最大値の比)の関係から求めた値で、記録数が十分でない時点では、同様な構造の記録から求めた値を用いる。
その後、地震記録が得られれば、その記録を優先し倍率を補正して行く。
STEP102では、R階のP波部の擬似速度応答スペクトル(h=0%)を求め、次にR階/1階の比を求める。
STEP103では、STEP101で求めた1階S波部予測応答スペクトルにSTEP102のR階/1階を乗じて、R階S波部予測応答スペクトルを求める。
STEP104では、STEP103で求めたR階S波部予測応答スペクトルを1階のP波部の位相を用いて時刻歴波形に戻し、R階S波部の水平2方向での最大速度値を求める。
STEP105では、2方向の最大速度値の内、大きい値を用いてたとえば、下記の関係式(翠川・他1999:地域安全学会論文集,51−56)から計測震度を予測するものである。
I=2.68+1.72×logVmaxRF(1)
ここで、I:計測震度、VmaxRF:R階の最大速度値
図14は、集合住宅におけるインターホンの各住戸表示器と画像表示の一例を示すシステム図で、インターホン62は玄関機64から制御装置66を経て各住戸に設置した住戸表示器1−1〜1−N1、2−1〜2−N2・・・へと接続されている。
各住戸表示器1−1〜1−N1、2−1〜2−N2・・・には、映像切替機68が設けられ、この映像切替機68を介して玄関機64からの映像を各住戸表示器1−1〜1−N1、2−1〜2−N2・・・に表示可能にされている。
また、地震発生時には、加速度センサ12から記録部14を経て画像メモリ70に複数の画像1〜画像Nが作成されるようになっている。
この画像1〜画像Nは、例えば、集合住宅の階数分だけ作成されるようになっている。
そして、画像1が各画像切替機68を介して例えば1階の各住戸表示器1−1〜1−N1、画像2が各画像切替機68を介して2階の各住戸表示器2−1〜2−N2 、画像Nが同様にN階の各住戸表示器に接続され、記録部14からの映像切り替え信号により各階ごとの映像切替機68を切り替えて、各階ごとに異なる映像を表示できるようにしている。
図15は、集合住宅におけるインターホンの各住戸表示器と画像表示の他の例を示すシステム図で、図11の場合と同様に、インターホン62は玄関機64から制御装置66を経て各住戸に設置した住戸表示器1−1〜1−N1、2−1〜2−N2・・・へと接続されている。
各住戸表示器1−1〜1−N1、2−1〜2−N2・・・には、映像切替機68が設けられ、この映像切替機68を介して玄関機64からの映像を各住戸表示器1−1〜1−N1、2−1〜2−N2・・・に表示可能にされている。
また、地震発生時には、加速度センサ12から記録部14を経て画像サーバ72に複数の画像1〜画像Nが作成されるようになっている。
画像サーバ72は、LAN回線74を介して各住戸の画像切替機68に接続されている。
そして、記録部14から各住戸の画像切替機68に画像切り替え信号を送信して任意の各住戸表示器1−1〜2−N2・・・に任意の画像1〜Nを表示できるようにしている。
この場合、各階ごとに同種類の映像を表示するようにしてもよく、各住戸ごとに異なる映像を表示するようにすることも可能である。
図16は、オフィスビルにおける各テナントと画像表示の一例を示すシステム図で、このビルディングには、A社、B社など複数のテナントが入居している。
そして、地震時にビルディング内に配置した加速度センサ12とLAN回線56で接続された記録部14を介して1次診断用サーバ76にテナントごとの複数の画像(たとえばA社用及びB社用の画像)を作成し、各テナント側では各テナントごとの社内イントラ用サーバ78に各テナントごとの画像を取り込み、この社内イントラ用サーバ78から表示部としての各社事務所内個人PC80に読み込んで表示するようにしている。
このようにすることで、オフィスビルのような複数のテナントが入居する場合でも各テナントごとの表示を行うことが可能となり、即座に、確実な安全管理が可能となる。
本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において種々の形態に変形可能である。
例えば、前記実施の形態では、通知手段として画像を表示可能な表示器を示したが、この例に限らず、音声出力で通知するものでもよく、あるいは、指定メール、電話の自動発信でもよく、宛先は、管理人、居住者、PC、家庭用モニタでもよい。
また、前記実施の形態においては、地震発生のないときには表示画面を消灯するようにしているが、地震発生時以外には他の情報、例えば、温湿度、空気清浄度、消費電力、自家発電量、CO2発生量等を表示するようにしてもよい。
さらに、建物内のシステムにサーバ機能を持たせて各家庭から居住ビルの診断情報をPCでみられるようにしてもよい。
また、震度表示、地震発生表示、履歴の自動消去時間を震度に応じて変更させるようにしてもよい。
さらに、設備機器、防災管理情報、ガス感知情報、防犯、減災など様々な住環境に関する情報をモニタリングし、発信できるようにしてもよい。
また、前記実施の形態では、エレベータ稼働情報システムとリンクさせる場合について説明したが、このリンクに加えて建物内ライフラインシステムとリンクさせて、非常時での電源供給、燃料、水等の備蓄状況の発信などを行うようにすることも可能である。
10 建物モニタリング診断システム
12 加速度センサ
14 記録部
16 表示器
26 インターネット回線
28 診断サーバ
50 建物
54 エレベータ
60 住戸表示器
62 インターホン

Claims (4)

  1. 複数台のエレベータを設置した集合住宅の建物における前記各エレベータの稼働状況を把握するエレベータ稼働情報システムと、
    非常時の建物モニタリング診断システムとを有する建物安全管理システムであって、
    前記建物モニタリング診断システムは、
    地震時の加速度を検出するために前記建物の複数の階に設置された複数の加速度センサと、
    前記建物内で前記複数の加速度センサからの検出データを受け取って分析する分析処理を行い、その分析結果を前記建物の各戸に設置された住戸表示器を含むインターホンに向けて送信するとともに、記録する演算記録部と
    有し、
    前記演算記録部は、
    前記分析処理として、
    前記建物の各階の震度を演算する震度算定処理
    CPU内に有する診断アルゴリズムに基づいて前記建物の被災評価を演算する被災評価処理と、
    前記エレベータ稼働情報システムからのエレベータ稼働状況を分析して緊急時における各戸の階におけるエレベータを利用したまたは利用しない適切な避難方法を決定する避難方法分析処理と、を行い、
    前記住戸表示器に、前記建物の各階の震度と、前記被災評価処理により得られた前記建物の被災評価と、前記避難方法分析処理により得られた緊急時における適切な避難方法と、を表示させることを特徴とする建物安全管理システム。
  2. 請求項1において、
    前記演算部は、長周期地震診断データを有し、この長周期地震診断データにより長周期地震と判断された場合に、前記住戸表示器を介して建物利用者に適切な事前情報を通
    知することを特徴とする建物安全管理システム。
  3. 請求項1または2において、
    前記演算記録部は、オンライン建物応答予測処理により分析した予測速報を前記住戸表示器を介して建物利用者に通知し、
    前記オンライン建物応答予測処理は、前記建物の建物基礎及び所定の高層階に設けられた前記加速度センサのP波部の記録を用いて前記高層階のS波部における計測震度を予測する処理であることを特徴とする建物安全管理システム。
  4. 請求項3において、
    前記オンライン建物応答予測処理は、
    前記建物基礎におけるP波部の第1擬似速度応答スペクトルから前記建物基礎におけるS波部の第1予測応答スペクトルを求める処理と、
    前記高層階におけるP波部の第2擬似速度応答スペクトルと前記第1擬似速度応答スペクトルとの比を求める処理と、
    前記第1予測応答スペクトルと前記比から前記高層階におけるS波部の第2予測応答スペクトルを求める処理と、
    前記第2予測応答スペクトルから前記高層階におけるS波部の計測震度を予測する処理と、を含むことを特徴とする建物安全管理システム。
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