JP7468371B2 - ダメージ測定システム、マルチセンサ、ダメージ測定方法 - Google Patents

ダメージ測定システム、マルチセンサ、ダメージ測定方法 Download PDF

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Description

本発明は、建物が地震により受けたダメージを定量的に把握するための技術に関する。
地震により建物が被害を受けた場合に、改修工事のための支援金や補助金が支給されたり、仮設住宅が提供されたりといった、公的支援を受けられる制度がある。この種の公的支援は、建物の被害の程度や地震と損壊の因果関係などに基づいて、支援の可否や支援内容が決定されることが一般的である。しかしながら、地震による建物の被害の程度やその因果関係を客観的に認定することは困難である。そのため、公的支援の提供までに相当の時間を要したり、認定に不公平が生じているのが実情である。
特許文献1には、構造物の層の上面と、該構造物近傍の地表面とにそれぞれ振動センサを設置して振動データを測定し、(b)前記構造物の層の上面で記録された振動データと、前記構造物近傍の地表面で記録された振動データとのスペクトル比に基づいて、前記構造物の層の上面の振動の伝達関数を推定して、前記構造物の層の上面の振動の卓越振動数と増幅倍率を求め、(c)前記構造物の層の上面の振動の卓越振動数と増幅倍率と前記構造物の層の高さとに基づいて該構造物の層の変形による地震被害危険度指標を求め、(d)該地震被害危険度指標に想定地震加速度を乗じて、前記構造物の層に地震時に発生する最大剪断ひずみ量を求めることによって、構造物の地震被害危険度を判定する方法が開示されている。
特開平9-105665号公報
特許文献1は、2つの振動センサで測定された振動データから地震による被害を推定するための一手法を提案する。しかしながら、建物や地盤の特性(伝達関数・卓越振動数・増幅倍率など)を推定し、その推定した特性からさらに建物の揺れ(ひずみ)の大きさを推定する、というように推定を重ねる手法では、地震による被害の程度を精度良く求めることは難しく、信頼性の高い判定結果を得ることはできない。また、建物の振動の伝達特性を考慮して2つの振動センサそれぞれの設置位置を決める必要があり、ユーザビリティが低いという問題もある。
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、地震により建物が受けたダメージを定量的に把握するための新規な技術を提供することにある。
本開示は、建物に設置されるセンサユニットと、前記センサユニットから得られるデータに基づいて、前記建物が地震により受けたダメージを数値化したダメージ情報を計算する情報処理ユニットと、を備えるダメージ測定システムであって、前記センサユニットは、垂直方向の高さを測定する第1のセンサと、水平方向の位置を測定する第2のセンサと、を含み、前記情報処理ユニットは、前記第1のセンサの測定データから得られる前記センサユニットの設置個所の高さ情報と、前記第2のセンサの測定データから得られる前記センサユニットの前記設置個所の水平方向の変位情報とに基づいて、前記ダメージ情報を計算することを特徴とするダメージ測定システムを含む。
かかる構成によれば、建物が受けたダメージを自動的に収集することができる。したがって、地震により建物が受けたダメージに関する情報や、長年建物に蓄積されたダメージに関する情報などを、客観的かつ定量的なデータとして、情報要求者に対し提供することが容易に実現できる。
前記第1のセンサは、絶対圧センサ、GPSセンサ、又は、測距センサであってもよい。前記第2のセンサは、加速度センサ又はGPSセンサであってもよい。
前記情報処理ユニットは、前記センサユニットから得られる時系列データに基づいて、前記ダメージ情報を計算してもよい。前記ダメージ情報は、前記建物の層間変位の情報を含んでもよい。前記ダメージ情報は、前記建物の揺れのエネルギーの情報を含んでもよい。
前記建物がダメージを受けた日時とそのダメージ情報とを対応付けたダメージ履歴情報を記憶する記憶ユニットをさらに備えてもよい。前記記憶ユニットに記憶された前記建物の前記ダメージ履歴情報を所定形式の情報に加工して出力する情報出力ユニットをさらに備えてもよい。前記所定形式の情報は、前記建物の地震による被害の程度を示す情報を含んでもよい。前記所定形式の情報は、前記建物が地震により受けたダメージを考慮した前記建物の経年劣化の程度を示す情報を含んでもよい。
本開示は、建物に設置されるマルチセンサであって、垂直方向の高さを測定する第1のセンサと、水平方向の位置を測定する第2のセンサと、前記第1のセンサの測定データから得られる前記マルチセンサの設置個所の高さ情報と、前記第2のセンサの測定データから得られる前記マルチセンサの前記設置個所の水平方向の変位情報とに基づいて、前記建物が地震により受けたダメージを数値化したダメージ情報を計算する情報処理ユニットに対して、データを送信する通信ユニットと、を備えることを特徴とするマルチセンサを含む。
本開示は、建物に設置されたセンサユニットであって、垂直方向の高さを測定する第1のセンサ、及び、水平方向の位置を測定する第2のセンサを備えるセンサユニットから、前記第1のセンサの測定データ及び前記第2のセンサの測定データを取得するステップと、前記第1のセンサの測定データから得られる前記センサユニットの設置個所の高さ情報と、前記第2のセンサの測定データから得られる前記センサユニットの前記設置個所の水平方向の変位情報とに基づいて、前記建物が地震により受けたダメージを数値化したダメージ情報を計算するステップと、を含むことを特徴とするダメージ測定方法を含む。
本発明は、上記手段の少なくとも一部を有するダメージ測定システムとして捉えてもよいし、ダメージ測定システムを構成するセンサユニット(マルチセンサ)又はサーバを発明として捉えてもよい。また、本発明は、上記処理の少なくとも一部を含むダメージ測定方法、または、かかる方法を実現するためのプログラムやそのプログラムを記録した記録媒体として捉えることもできる。なお、上記手段および処理の各々は可能な限り互いに組み合わせて本発明を構成することができる。
本発明によれば、地震により建物が受けたダメージを定量的に把握するための新規な技術を提供することができる。
図1は、ダメージ測定システムの全体構成を模式的に示す図である。 図2は、センサユニットの構成例を示すブロック図である。 図3A~図3Cは、センサユニットの設置例を示す図である。 図4は、サーバの構成例を示すブロック図である。 図5は、センサユニットの処理フローを示すフローチャートである。 図6は、サーバの処理フローを示すフローチャートである。 図7は、ダメージ履歴情報の一例を示す図である。 図8A~図8Bは、情報出力例を示す図である。
<適用例>
図1を参照して、本発明の適用例の一つについて説明する。
ダメージ測定システム1は、概略、センサユニット10とサーバ11を備えて構成される。センサユニット10は、測定対象となる建物12に設置され、インターネットなどの広域ネットワークを介してサーバ11と通信可能である。センサユニット10は、垂直方向の高さを測定する第1のセンサ101と水平方向の位置を測定する第2のセンサ102とを少なくとも有する。1つの建物12に対して複数のセンサユニット10が設置されてもよい。
サーバ11は、いわゆるクラウドサーバであり、センサユニット10からのデータ収集、建物12のダメージ情報の計算・蓄積・管理などの機能を有する。また、サーバ11は、建物12のダメージ情報を適宜加工して、情報要求者の端末13やデータベース14に提供する機能も有する。情報要求者は、例えば、建物12のオーナー、被災者への公的支援を行う行政や団体、不動産業者などである。
このようなダメージ測定システム1によれば、センサユニット10によって建物12が受けたダメージを自動的に収集し、蓄積することができる。したがって、地震により建物12が受けたダメージに関する情報や、長年建物12に蓄積されたダメージに関する情報などを、客観的かつ定量的なデータとして、情報要求者に対しすみやかに(適時に)提供することができる。
<センサユニット>
図2を参照して、センサユニット10の構成例を説明する。
センサユニット10は、複数種類のセンサを1つの筐体100の中に内蔵した構造を有し、単体で複数種類の物理量を測定可能なデバイスである。このような構造のデバイスはマルチセンサとも呼ばれる。
本実施形態のセンサユニット10は、概略、垂直方向の高さを測定する第1のセンサ101と、水平方向の位置を測定する第2のセンサ102と、通信ユニット103と、制御ユニット104とを有する。
第1のセンサ101は、センサユニット10の設置個所の高さ(地表からの高さ)を測定するためのセンサであり、例えば、絶対圧センサ、GPSセンサ、測距センサなどが用いられる。本実施形態では、絶対圧センサを用いる。絶対圧センサは、例えば、MEMSチップにより気圧を測定し、地表の大気圧との差に基づいて地表からの高さ情報を得るセンサである。地表の大気圧は、厳密には、建物12自体の設置面の高度における大気圧であるが、簡易的に標準大気圧(1気圧)とみなしてもよい。あるいは、標準大気圧をデフォルト値としてセンサユニット10にプリセットしておき、建物12の設置面の高度にあわせて設定値を変更できるようにしてもよい。例えば、センサユニット10を建物12に
取り付ける前に、センサユニット10を建物12の設置面上に置いた状態で絶対圧センサによる測定を行い、そのときの測定値を地表の大気圧として設定する、というようなキャリブレーション機能(学習機能)をセンサユニット10が有していてもよい。絶対圧センサは、小型で高精度な測定が可能であるという利点がある。また、測距センサの場合は、センサから所定の高さ基準面(例えば地表面)までの距離を測定する必要が生じるため、センサの設置に制約が生じるが、絶対圧センサはそのような制約がなく設置自由度が高いという利点もある。
第2のセンサ102は、センサユニット10の設置個所の水平方向の変位を測定するためのセンサであり、例えば、加速度センサ、GPSセンサなどが用いられる。本実施形態では、加速度センサを用いる。加速度センサは、例えば、MEMSチップによりx、y、zの3方向の加速度を測定する3軸加速度センサである。
制御ユニット104は、各ユニット(第1のセンサ101、第2のセンサ102、及び通信ユニット103)の制御、第1のセンサ101及び第2のセンサ102の出力に対する信号処理、その他センサユニット10に関わる各種処理を実行する回路である。
通信ユニット103は、サーバ11との間のデータ通信を実現するための回路である。通信方式は特に限定されないが、センサユニット10の設置の容易性から、無線通信方式の通信ユニット103を用いることが好ましい。例えば、Wi-Fi、WiMAX、LTEなどどのような無線通信方式を利用してもよい。
電源(不図示)は、電池(一次電池、二次電池など)でもよいし、外部電源(AC電源、USB電源など)でもよい。例えば、センサユニット10の筐体100にプラグを設け、センサユニット10をコンセントに差し込み固定する構造(いわゆる壁差し型)にしてもよい。あるいは、センサユニット10をコンセント内に埋設し、コンセント内のAC配線から直接電力を供給する構成としてもよい。電池と外部電源の両方を設け、外部電源からの電力供給がストップした場合に内蔵の電池に切り替える構成としてもよい。地震により停電が発生した場合でも、ダメージの測定及びサーバ11への送信を継続することができるため、ダメージ測定システム1の可用性を高めることができる。
図3A~図3Cはセンサユニット10の設置例を示している。図示の簡略化のため、建物12は破線の直方体で模式的に表し、センサユニット10は黒丸で模式的に表している。
図3Aは建物12に1つのセンサユニット10を設置する例である。単一のセンサユニット10の場合は、建物12の構造の中で最も揺れが大きくなると予想される箇所(典型的には建物12の最上部やその近傍。例えば、一般的な2階建て住宅であれば2階の壁面や屋根裏など。)に設置するとよい。そのように設置個所を選ぶことにより、単一のセンサユニット10でも精度良く建物12の揺れを測定することができる。図3Aの例では、建物12の最上部の一隅にセンサユニット10を設置し、当該設置個所の高さH1と水平方向の変位D1を測定する。
図3Bは建物12の異なる高さに2つのセンサユニット10a、10bを設置する例である。この場合、1つ目のセンサユニット10aは、建物12の構造の中で最も揺れが大きくなると予想される箇所に設置し、2つ目のセンサユニット10bは、センサユニット10aの鉛直下方に設置するとよい。センサユニット10aにより測定される高さH1、変位D1と、センサユニット10bにより測定される高さH2、変位D2とを用いることで、センサユニット10aの設置個所とセンサユニット10bの設置個所の間の層間変位を精度良く計算することができるため、建物12の構造自体の揺れの大きさを正確にとら
えることができる。なお、図3Bでは2つのセンサユニットを例示したが、3つ以上のセンサユニットを異なる高さに並べてもよい。例えば、2階建て住宅であれば、1階、2階、屋根裏にそれぞれ設置してもよいし、多層階のビルや集合住宅であれば、各フロアに設置してもよい。
図3Cは建物12の同じ高さに2つのセンサユニット10a、10bを設置する例である。図3Cの例では、2つのセンサユニット10a、10bが建物12の最上部の対偶に設置されている。同じ水平面内に複数のセンサユニットを設置することで、水平面内における建物12の変形(ゆがみや捻じれ)を測定することが可能となる。すなわち、複数のセンサユニットで測定される変位D1、D2の方向及び大きさが同じであれば、建物12が水平面内での形状は維持したまま全体的に横揺れしている状態であるが、図3Cの例のように、変位D1とD2の方向及び大きさが異なる場合は、水平面内でのゆがみや捻じれが生じており、建物12の受けるダメージとしてはより大きなものとなり得る。なお、図3Cでは2つのセンサユニットを例示したが、3つ以上のセンサを同じ高さの異なる箇所に設置してもよい。
<サーバ>
図4を参照して、サーバ11の構成例を説明する。図4は、サーバ11の機能構成(論理構成)を示すブロック図である。
サーバ11は、主な構成として、情報処理ユニット110、記憶ユニット111、情報出力ユニット112を有する。情報処理ユニット110は、センサユニット10から得られるデータに基づいて、建物12が地震により受けたダメージを数値化した情報(「ダメージ情報」と呼ぶ)を計算する機能を提供する。記憶ユニット111は、建物12がダメージを受けた日時とそのダメージ情報とを対応付けた情報(「ダメージ履歴情報」と呼ぶ)を記憶する機能を提供する。情報出力ユニット112は、記憶ユニット111に記憶された建物12のダメージ履歴情報を所定形式の情報に加工して出力する機能を提供する。
地震の影響で建物12に揺れが発生すると、サーバ11の情報処理ユニット110は、第1のセンサ101の測定データから得られるセンサユニット10の設置個所の高さ情報と、第2のセンサ102の測定データから得られるセンサユニット10の設置個所の水平方向の変位情報(すなわち横揺れの振幅)とに基づいて、建物12のダメージ情報を計算し、建物12を識別する情報と地震の日時と共に記憶ユニット111に記録する。記憶ユニット111には、複数の建物のダメージ履歴情報が蓄積されるとよい。
サーバ11の情報出力ユニット112は、記憶ユニット111に蓄積されたダメージ履歴情報を適宜加工し、そのデータを情報要求者の端末13やデータベース14に提供する。
サーバ11は、例えば、CPU(プロセッサ)、メモリ、ストレージ、通信ユニットなどを備える汎用のコンピュータシステムにより構成することができる。この場合、ストレージに格納されたプログラムをメモリにロードし、プロセッサが当該プログラムを実行することによって、図4に示した各ユニット110~112が実現される。なお、サーバ11は、1台のコンピュータシステムにより構成してもよいし、複数のコンピュータシステムにより構成してもよい。
<ダメージ測定方法>
図5及び図6を参照して、ダメージ測定システム1によるダメージ測定方法の一例を説明する。図5はセンサユニット10の処理フローの例であり、図6はサーバ11の処理フローの例である。以下では、図3Bのように、異なる高さに2つのセンサユニット10a
、10bを設置した例を用いて処理フローを説明する。
図5のステップS10において、各センサユニット10a、10bが第1のセンサ101により高さを測定する。制御ユニット104は、センサユニット10aの高さ情報H1、及び、センサユニット10bの高さ情報H2をメモリに記憶する。このステップS10の処理は、センサユニットの設置時に実行するだけでもよいし、定期的(例えば1日1回
など)に実行してもよいし、地震発生を検知したタイミング(すなわちステップS11の後)で実行してもよい。
ステップS11では、各センサユニット10a、10bが地震の発生を監視する。具体的には、制御ユニット104が定期的に第2のセンサ102の測定データを取り込み、第2のセンサ102の測定値に変化がないかを監視する。第2のセンサ102の出力に有意な変化が現れた場合には、地震が発生したと判定し、ステップS12に進む。
ステップS12では、各センサユニット10a、10bが第2のセンサ102により変位を測定する。第2のセンサ102が加速度センサの場合、第2のセンサ102から得られる加速度情報a(t)を下記式のように積分することにより変位情報D(t)に換算することができる。下記式において、a(t)は時刻tにおける加速度、V(t)は時刻tにおける速度、D(t)は時刻tにおける変位であり、dtは時刻tと時刻t-1の間の時間刻みである。
V(t)=V(t-1)+a(t)dt
D(t)=D(t-1)+V(t)dt
制御ユニット104は、各センサユニット10a、10bの変位情報D1、D2をタイムスタンプ(測定日時の情報)と共にメモリに記録する。
ステップS13では、各センサユニット10a、10bが地震の終了を監視する。例えば、制御ユニット104は、第2のセンサ102の測定値の変化幅が所定の範囲に収まった場合に、地震が終了したと判定し、ステップS14に進む。地震が終了するまで、ステップS12の処理が定期的に繰り返される。ステップS12の実行周期は任意に設計してよいが、1秒間に数十から数百回の測定が実行できることが好ましい。
ステップS14では、各センサユニット10a、10bが記録したデータをサーバ11に送信する。このとき、地震発生から終了までに記録された全てのデータ(時系列データ)をサーバ11に送信してもよいし、一部のデータや加工したデータをサーバ11に送信してもよい。なお、制御ユニット104は、サーバ11にデータを送信する際に、建物12もしくは建物12のオーナーを特定するための識別情報(ユーザIDなど)、センサユニットを特定するための識別情報(個体番号など)もあわせて通知する。
次に図6を参照してサーバ11の処理を説明する。サーバ11の処理は、大きく分けて、ダメージ情報の計算及び履歴の記録とダメージ情報の出力とがある。図6のフローは前者の処理を示しており、この処理は、例えば、センサユニットからデータを受信したタイミングで実行される。
ステップS20では、情報処理ユニット110が、各センサユニット10a、10bからデータを受信する。本実施形態では、地震発生から終了までの変位情報D1、D2の時系列データが各センサユニット10a、10bからアップロードされることを想定する。
ステップS21では、情報処理ユニット110が、変位情報の時系列データに基づいてダメージ情報を計算する。ダメージ情報は、建物12が地震により受けたダメージを数値化した指標である。本実施形態では、層間変位の最大値Dmaxと所定揺れ幅以上の横揺
れの回数Nの2つの指標をダメージ情報として用いる。指標Dmax、指標Nともに、建物12のダメージの大きさと正の相関をもつ指標である。
センサユニット10aの設置高さをH1、時刻tにおける変位をD1(t)、センサユニット10bの設置高さをH2、時刻tにおける変位をD2(t)としたとき、時刻tにおける層間変位D(t)は、
D(t)={D1(t)-D2(t)}/{H1-H2}
で求まる。
地震の開始時刻をts、地震の終了時刻をteとしたとき、層間変位の最大値Dmaxは、下記式により求まる。max[・]は最大値を返す関数である。
Dmax=max[D(t)], ts≦t≦te
カウント対象とする揺れ幅の閾値をDthとしたとき、横揺れの回数Nは、下記式により求まる。
N=Σ{sgn[D(t)]}
sgn[D(t)]=1 (D(t)>Dthの場合)
sgn[D(t)]=0 (D(t)≦Dthの場合)
ステップS22では、情報処理ユニット110が、建物12がダメージを受けた日時とそのダメージ情報とを対応付けたダメージ履歴情報を記憶ユニット111に記録する。図7は、ダメージ履歴情報の一例である。また、図7には、記憶ユニット111に予め登録されているユーザ情報(建物12及びそのオーナーに関する情報)の一例も示す。ダメージ履歴情報とユーザ情報とはユーザIDにより紐づいている。
情報出力ユニット112は、情報要求者のリクエストに応じて、記憶ユニット111に記憶された建物12のダメージ履歴情報及びユーザ情報などを読み込み、所定形式の情報に加工し、出力する。
<情報出力例>
図8A、図8Bは、情報出力ユニット112による情報出力の一例を示している。
図8Aは、特定の地震により建物12が受けた被害を示す情報出力例である。オーナーの氏名、建物12の所在地、建物12の構造、築年数、地震の発生日時、地震による被害の程度を示す情報(層間変位の最大値Dmax、横揺れの回数N)などが出力されている。
図8Bは、建物12が経験した地震の履歴を示す情報出力例である。オーナーの氏名、建物12の所在地、建物12の構造、築年数、地震の履歴、経年劣化の総合判定などが出力されている。経年劣化の総合判定は、建物12が地震により受けたダメージを考慮した経年劣化の程度を示す情報である。例えば、地震の回数、層間変位の最大値、横揺れの回数と正の相関を持つように、総合判定スコアが計算される。
このような客観的かつ定量的なデータが提供されることにより、例えば、地震被害に対する公的支援の申請や地震被害の調査に要する労力が大幅に軽減される。また、地震被害の認定の客観化・公平化を図ることができる。さらには、建物12の地震による経年劣化(蓄積ダメージ)を把握できるので、建物12自体の価値評価に利用できる。
<その他>
上記実施形態は、本発明の構成例を例示的に説明するものに過ぎない。本発明は上記の
具体的な形態には限定されることはなく、その技術的思想の範囲内で種々の変形が可能である。例えば、上記実施形態では、層間変位の最大値と横揺れの回数をダメージ情報として用いたが、それ以外の指標をダメージ情報として用いてもよい。例えば、水平面内のゆがみや捻じれの程度、縦揺れの程度、揺れの周期などをダメージ情報としてとらえてもよい。また、上記実施形態では、センサユニット側で変位情報や高さ情報を計算したが、各センサから出力された生データをサーバに送信し、サーバ側で変位や高さの計算を行ってもよい。逆に、センサユニット側で層間変位や揺れの回数などを計算し、その計算結果をサーバに送信してもよい。
<付記1>
建物(12)に設置されるセンサユニット(10,10a,10b)と、
前記センサユニット(10,10a,10b)から得られるデータに基づいて、前記建物(12)が地震により受けたダメージを数値化したダメージ情報を計算する情報処理ユニット(110)と、
を備えるダメージ測定システム(1)であって、
前記センサユニット(10,10a,10b)は、
垂直方向の高さを測定する第1のセンサ(101)と、
水平方向の位置を測定する第2のセンサ(102)と、
を含み、
前記情報処理ユニット(110)は、
前記第1のセンサ(101)の測定データから得られる前記センサユニット(10,10a,10b)の設置個所の高さ情報と、前記第2のセンサ(102)の測定データから得られる前記センサユニット(10,10a,10b)の前記設置個所の水平方向の変位情報とに基づいて、前記ダメージ情報を計算する
ことを特徴とするダメージ測定システム(1)。
1:ダメージ測定システム
10,10a,10b:センサユニット
11:サーバ
12:建物
13:端末
14:データベース
100:筐体
101:第1のセンサ
102:第2のセンサ
103:通信ユニット
104:制御ユニット
110:情報処理ユニット
111:記憶ユニット
112:情報出力ユニット

Claims (12)

  1. 建物に設置されるセンサユニットと、
    前記センサユニットから得られるデータに基づいて、前記建物が地震により受けたダメージを数値化したダメージ情報を計算する情報処理ユニットと、
    を備えるダメージ測定システムであって、
    前記センサユニットは、
    垂直方向の高さを測定する絶対圧センサと、
    水平方向の位置を測定する第2のセンサと、
    を含み、
    前記情報処理ユニットは、
    前記絶対圧センサの測定データから得られる前記センサユニットの設置個所の高さ情報と、前記第2のセンサの測定データから得られる前記センサユニットの前記設置個所の水平方向の変位情報とに基づいて、前記ダメージ情報を計算する
    ことを特徴とするダメージ測定システム。
  2. 前記絶対圧センサは、
    前記センサユニットの設置個所の圧力を測定し、その測定値と予め設定された地表の大気圧の設定値との差に基づいて前記センサユニットの設置個所の高さ情報を計算するものであり、
    前記建物の設置面の高度にあわせて前記設定値を変更する機能を有する
    ことを特徴とする請求項1に記載のダメージ測定システム。
  3. 前記第2のセンサは、加速度センサ又はGPSセンサである
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載のダメージ測定システム。
  4. 前記情報処理ユニットは、前記センサユニットから得られる時系列データに基づいて、前記ダメージ情報を計算する
    ことを特徴とする請求項1~3のうちいずれか1項に記載のダメージ測定システム。
  5. 前記ダメージ情報は、前記建物の層間変位の情報を含む
    ことを特徴とする請求項1~4のうちいずれか1項に記載のダメージ測定システム。
  6. 前記ダメージ情報は、前記建物の揺れのエネルギーの情報を含む
    ことを特徴とする請求項1~5のうちいずれか1項に記載のダメージ測定システム。
  7. 前記建物がダメージを受けた日時とそのダメージ情報とを対応付けたダメージ履歴情報を記憶する記憶ユニットをさらに備える
    ことを特徴とする請求項1~6のうちいずれか1項に記載のダメージ測定システム。
  8. 前記記憶ユニットに記憶された前記建物の前記ダメージ履歴情報を所定形式の情報に加工して出力する情報出力ユニットをさらに備える
    ことを特徴とする請求項7に記載のダメージ測定システム。
  9. 前記所定形式の情報は、前記建物の地震による被害の程度を示す情報を含む
    ことを特徴とする請求項8に記載のダメージ測定システム。
  10. 前記所定形式の情報は、前記建物が地震により受けたダメージを考慮した前記建物の経年劣化の程度を示す情報を含む
    ことを特徴とする請求項8又は9に記載のダメージ測定システム。
  11. 建物に設置されるマルチセンサであって、
    垂直方向の高さを測定する絶対圧センサと、
    水平方向の位置を測定する第2のセンサと、
    前記絶対圧センサの測定データから得られる前記マルチセンサの設置個所の高さ情報と、前記第2のセンサの測定データから得られる前記マルチセンサの前記設置個所の水平方向の変位情報とに基づいて、前記建物が地震により受けたダメージを数値化したダメージ情報を計算する情報処理ユニットに対して、データを送信する通信ユニットと、
    を備えることを特徴とするマルチセンサ。
  12. 建物に設置されたセンサユニットであって、垂直方向の高さを測定する絶対圧センサ、及び、水平方向の位置を測定する第2のセンサを備えるセンサユニットから、前記絶対圧センサの測定データ及び前記第2のセンサの測定データを取得するステップと、
    前記絶対圧センサの測定データから得られる前記センサユニットの設置個所の高さ情報と、前記第2のセンサの測定データから得られる前記センサユニットの前記設置個所の水平方向の変位情報とに基づいて、前記建物が地震により受けたダメージを数値化したダメージ情報を計算するステップと、
    を含むことを特徴とするダメージ測定方法。
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