JP4702664B2 - 地震被害予測システム - Google Patents

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Description

本発明は、リアルタイム地震情報に基づき、日本全国又は一部の受震域に位置する建物の建物応答・被害を予測する地震被害予測システムに関するものである。
従来の地震被害予測は、過去の地震記録や存在する活断層を基にして、評価対象地域に影響を及ぼす断層モデルを仮定し、その地震が発生した場合に地表面がどのような大きさや周期で揺れるか、そのとき、評価対象地域にある建物がどのように揺れるかを計算することにより行なわれていた。
また、簡易的に評価対象地域での震度の大きさを想定し、その震度の地震が発生したときに、過去の被害状況から建物にどの程度の被害が発生しそうかを確率的に評価するような手法も行なわれてきた。すなわち、従来の地震被害予測は、実際に地震が発生したときに即時的に評価を行なうのではなく、発生しそうな地震を事前に想定して被害予測を行なっていた。
近年、地震観測ネットワークを用い、地震が発生したときに、観測点での観測情報を分析し即時的に分析情報を周辺の地域に配信し地震防災に役立てる地震防災システム(例えば、気象庁又は独立行政法人防災科学技術研究所の地震観測ネットワークを用い、気象庁が地震発生直後に発信する緊急地震速報)が開発され、実用化に向けた取り組みが行なわれている(以下、このシステム又はこのシステムからの情報をリアルタイム地震情報と呼ぶ)。
リアルタイム地震情報では、地震発生日時、震源位置、震源深さ、マグニチュード等の基本情報の他に、特定地点への地震動の到達予測時刻、予測震度等を付加することができる。緊急地震速報の利用者は、この速報に基づいて、利用者側の責任で、地震防災に役立つ情報を付加して利用している。
また、従来の地震被害予測装置として、入力された加速度を登録する加速度情報部と、地震発生時に加速度を計測し、当該加速度を前記加速度情報部に入力する地震計と、前記加速度情報部に登録された加速度から加速度の固有周期を演算する固有周期演算部と、前記加速度情報部に登録された加速度から速度を演算する速度演算部と、加速度、速度、加速度の固有周期の少なくとも1つの要素からなり、当該要素の範囲を設定してなる条件と、当該条件が成立したときの建物状態についての評価とを対応させた条件処理式を複数保存する知識ベースと、前記加速度情報部に登録された加速度と、前記固有周期演算部で演算された加速度の固有周期と、前記速度演算部で演算された速度との少なくとも1つの組み合せ結果が、前記知識ベースに保存された前記条件処理式何れかの条件に適合するか否かを判定し、条件が適合する場合には、当該条件に対応する前記建物状態の評価から地震による建物被害を予測する推論エンジンとを備え、前記条件処理式における条件及び評価に、特定の県市町村における現実の建物の状況を当てはめ、地震が発生したときの被害状況を現実の市街に即して予測するものがある(例えば、特許文献1参照)。
特開平9−81023号公報
しかしながら、上記特許文献1に開示された従来の地震被害予測装置では、発生した地震の加速度を分析し、評価対象地域にある建物群の被害が軽微か多大か、また、建物の構造種別によって破壊するか否かを予測するものであって、個々の建物のどの部分がどの程度の被害を受けるかという被害の詳細については予測することができないという問題があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、自治体や企業の内部の、実働レベルの小規模な組織が地震の場所や特定の建物の被害の程度を予測段階で把握できるようにし、自治体や企業全体の地震防災の初動体制の確立を支援する地震被害予測システムを得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の地震被害予測システムは、それぞれの震源域で発生した地震がそれぞれの受震域に及ぼす、マグニチュードに応じた地震動スペクトル特性及び地震動継続時間を保持する地震動データベース部と、所定の受震域の所定の建物の位置データ及び振動解析諸元を保持する建物データベース部と、震源位置及びマグニチュードを含むリアルタイム地震情報を受信する受信部と、前記リアルタイム地震情報に基づいて前記地震動データベース部から前記所定の建物位置における地震動スペクトル特性を求め、該地震動スペクトル特性及び建物データベース部の振動解析諸元に基づいて前記所定の建物の建物応答解析又は評価を行い、建物応答・被害を予測する建物応答・被害予測部と、前記所定の建物の建物応答・被害の予測結果を表示する表示部と、を備えることを特徴とする。
受信部がリアルタイム地震情報を受信し、建物応答・被害予測部が自動的に所定の受震域の所定の建物の建物応答・被害を予測し、予測結果を表示部に表示する。
本発明により、地震直後に自動的かつ速やかに、所定の受震域の所定の建物の建物応答・被害を予測する地震被害予測システムが得られる。
以下に、本発明に係る地震被害予測システムの実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。また、以下に説明する実施例では、建物の構造的な被害を例にとるが、構造部材以外の要素(二次部材)や建物の什器・設備、土木構造物やタンクのような容器構造物、塔状構造物等の被害に関しても、実施例と同様な手法により被害予測が可能である。
図1は、本発明に係る地震被害予測システムの実施例を示すシステム構成図であり、図2は、受震域東京都心に対する8つの震源域を示す図であり、図3〜図10は、それぞれ震源域1〜8で発生する地震が東京都心に及ぼす水平動回帰速度応答スペクトル特性を示す図であり、図11〜図13は、震源域1〜3で発生する地震が東京都心に及ぼす上下動回帰速度応答スペクトル特性を示す図であり、図14は、震源域と受震域の分布を示す概念図であり、図15は、表示部のディスプレイを示す図である。
図1に示すように、本システムは、リアルタイム地震情報を発信する発信部10、企業の電算センター等に設置されリアルタイム地震情報を受信する受信部20、企業の本社・支社のサーバ/マシン室等に設置される建物応答・被害予測部30、地震動データベース部40、建物データベース部50及び建物応答データベース部60、各営業所等に設置される表示部70と、これらを結ぶ専用回線、インターネット又はLAN等の通信手段80から構成される。本システムの各部は、コンピュータ等のハードウエア及びこれに格納されたプログラムで構成されている。なお、各部は、システムの安全性の面から、複数をそれぞれ離れた地域に設置し、並列に接続したシステムとするのがよい。また、各部は、別々のハードウエアに分ける必要はなく、例えば、一つのコンピュータ上に受信部20、建物応答・被害予測部30及び各データベース部40、50、60等があってもよい。
特定の受震域、地盤において観測される地震動の特性、すなわち、地震動のスペクトル特性(周期特性)及び継続時間、時間の経過に伴う周期特性の変化等は、地震の震源特性(発震機構)、伝播経路の地盤構造(地下構造)及び観測点近傍の地盤構造の影響を大きく受ける。
また、建物の特定の箇所の振動は、建物の構造種別(鉄骨造、鉄筋コンクリート造、免震・制震構造、基礎構造等)、建設地の地盤、建物用途等によって異なる。地震動の特性と建物の振動特性との関係によって、その建物の特定の箇所の振動・変形の大きさが決まる。従って、建物の特定の箇所の振動・変形・破壊を予測する場合、予測の精度を高めるためには、地震動の特性に関する情報が非常に重要となる。
特定の受震域での地震動のスペクトル特性及び継続時間等は、地震の震源位置及び深さにより顕著な特徴があることが、東京都心での地震観測結果から明らかになっている。また、建物の振動特性は、設計時の検討や応答解析、あるいは数多くの建物の振動実験データや建物の地震観測波形又は常時微動観測波の分析によって明らかになる。
本実施例の地震被害予測システムは、リアルタイム地震情報の基本情報に加えて、上記の地震動特性、建物の振動特性及び建物の特定の箇所(階数、フロアにおける位置等)の情報を用いて精度の高い振動・変形・破壊の予測を行い、防災上有用な情報を得ることができるシステムである。
(地震動データベース部)
それぞれの震源域で発生した地震がそれぞれの受震域に及ぼすマグニチュードに応じた地震動スペクトル特性としては、一例として、横田治彦(1991)東京における入力地震動特性に関する研究、「清水建設研究報告別冊第33号、第3章 工学的入力基盤における地震動のスペクトル特性」、図−3.2.1 スペクトル特性の検討に用いた地震の震央と震源域、図−3.3.7 回帰速度応答スペクトル(水平動,M=5,6,7)、図−3.4.6 M=5,6,7の地震の回帰速度応答スペクトル(上下動).によるデータを地震動データベース部40に入力し、利用することができる。
上記のデータを利用することにより、受震域としての東京都心から震央距離が約200km以内で発生した地震を対象とし、震源域を8地域に分類して各震源域で発生する地震の東京都心に及ぼすマグニチュードに応じた地震動スペクトル特性のデータベースを構築することができる。図2に、受震域としての東京都心に対する8地域の震源域を示し、図3〜図10に、震源域1〜8で発生する各マグニチュードの地震が東京都心に及ぼす水平動回帰速度応答スペクトル特性を示し、図11〜図13に、震源域1〜3で発生する地震が東京都心に及ぼす上下動回帰速度応答スペクトル特性を示す。
これらのスペクトル特性を地震動データベース部40に入力するに当たっては、マグニチュード0.2ピッチ程度で速度応答スペクトル特性曲線の補間計算を行い、マグニチュード0.2ピッチ程度の速度応答スペクトル特性データとして保持するとよい。
また、近年の地震観測データベース、例えば、独立行政法人防災科学技術研究所のK−net等のデータを、上記の横田の分析手法等により分析することにより、東京都心以外の日本全国のそれぞれの受震域毎に、周囲の震源域で発生した地震のマグニチュードに応じた地震動スペクトル特性のデータベースを構築する。
すなわち、図14に示すように、過去に発生した地震において、震源位置やマグニチュードと、各受震域の観測記録から、地震動のスペクトル特性や継続時間に関する傾向を回帰分析等によって求める。同じ震源域で発生する地震は、ほぼ同じ地震発生メカニズムで発生するので震源特性が類似し、また、特定の平野や盆地等の受震域の地震動は、その地盤の同じ堆積層等の状況の影響を受けるため、同じ受震域では、ほぼ同じ地震動特性となることから、震源域及び受震域をそれぞれブロック化し、震源域と受震域の組合せ毎にマグニチュードに応じた地震動スペクトル特性や継続時間のデータベースを構築する。
例えば、図14に示す、それぞれ震源域a、b、c、・・・で発生する地震が、それぞれの受震域A、B、C、・・・に及ぼす地震動スペクトル特性や継続時間のデータベースを構築する。
一般的に、中低層の建物に大きな被害をもたらすのは、主要動(S波)と呼ばれる比較的周期の短い地震動(周期0.2秒〜2秒程度)であるが、高層の建物や長周期で振動が卓越する建物(塔状建物、免振構造物、大型タンク内の石油等のスロッシング、建物内のエレベーター等の設備機器等)は、地震発生からかなり時間が経過した後にやってくるやや周期の長い表面波(周期数秒〜十数秒)の影響を大きく受ける。
このため、建物がこのような長い固有周期をもつ場合には、主要動とは別に、やや長周期の地震動に関しても、上記と同様な地震動スペクトル特性や継続時間を観測記録から求めデータベース化しておく。これにより、長周期建物の応答・被害予測も可能となる。特に、表面波は、速度が主要動に比べて遅く、到達までに時間がかかり、対応時間に余裕があるため、防災効果が大きい。
(建物データベース部)
建物データベース部50は、建物応答・被害の予測を行う所定の建物の位置する受震域データ(例えば、受震域A、B、C等)、緯度・経度等の位置データ及びその建物の振動解析諸元を保持する。振動解析諸元としては、構造(木造、RC造、SRC造、S造、タワー、鉄塔、煙突、その他等)、竣工年、階数、建物の高さ(m)、各階高(m)、各階質量、ばね定数、平面寸法(m×m)、柱・梁の骨組み構造、床組み構造、用途、基礎種別(直接、杭)、根入深さ(m)、杭先深さ(m)、固有周期、復元力特性、減衰定数、構造部材の許容応力、許容層間変形角、許容塑性率等を入力し保持する。
建物内の平面的位置(フロア内の位置)の振動は、上下動の振動による影響が大きいが、梁や床組み構造を考慮することにより、精度のよい予測が可能となる。
また、所定の受震域に位置する所定の建物の位置を後述の表示部70に表示するために、建物データベース部50に、所定の受震域の地理情報データを保持しておくとよい。地理情報データとしては、海岸線、行政界、道路、河川、鉄道などのデータを保持する。
(受信部)
受信部20は、地震発生直後数秒から数十秒後に発信されるリアルタイム地震情報(震源位置、震源深さ、気象庁マグニチュード、予測震度等)を専用回線により気象庁等の外部機関から常時受信できるようにしておく。または、自前で構築したリアルタイム地震情報の発信部10から受信するようにしてもよい。
受信部20は、コード化されたリアルタイム地震情報を受信すると、これをデコードし、震源情報を取り出す。この震源情報が一定条件(例えば、マグニチュード5以上など)に合致すると、その震源情報を後述の建物応答・被害予測部30に出力し、本システムを起動させる。
一定地震強度以上のときに本システムを起動させるようにして、地震被害が極めて軽微な地震に対して頻繁に情報を出すというような、無駄なシステム起動を抑えることができる。なお、受信部20は、リアルタイム地震情報のメール配信、ブラウザ表示、警報機の作動等の一連の処理を行うようにするとよい。
(建物応答・被害予測部)
建物応答・被害予測部30は、受信部20からの震源位置及びマグニチュード等のリアルタイム地震情報に基づいて地震動データベース部40から予め定めた所定の受震域に位置する所定の建物のマグニチュードに応じた地震動スペクトル特性及び地震動継続時間を求め、地震動スペクトル特性、地震動継続時間及び建物データベース部50に保持されている所定の建物の振動解析諸元に基づいて、応答スペクトル法等による通常の建物応答解析プログラムにより、所定の建物の建物応答解析を行う。なお、数値計算による建物応答解析でなく、パターン選択等のより簡易的な方法で建物応答を求めて被害を評価するようにしてもよい。
建物応答・被害解析結果としては、各階のせん断応力、層間変形角、塑性率等を出力し、許容値を超えるものには被害マークを付すようにする。所定の受震域に複数の解析対象建物が存在する場合は、それらの建物について上記と同様の建物応答解析を行い、これらの建物応答・被害解析結果を集約する。集約された建物応答・被害解析結果は、後述の表示部70に直接出力してもよいし、建物データベース部50に別途設けたファイルに出力して保持してもよい。
(他の実施例)
上記の実施例では、受信部20がリアルタイム地震情報を受信し、この地震情報を建物応答・被害予測部30に出力した後に、建物応答・被害解析を行うようにしたが、事前に建物応答予備解析を行い、建物応答データベース60を構築しておいてもよい。
すなわち、地震動データベース部40及び建物データベース部50のデータに基づいて、応答スペクトル法等による通常の建物応答解析プログラムにより、所定の受震域に位置する所定の建物の、震源域別マグニチュード別の建物応答・被害の予備解析を行い、予備解析結果を建物応答データベース部60に保持する。
受信部20がリアルタイム地震情報を受信し、建物応答・被害予測部30に出力すると、建物応答・被害予測部30は、リアルタイム地震情報に基づいて建物応答データベース部60から所定の建物の震源位置及びマグニチュードに対応する予備解析結果を呼び出し、後述の表示部70に出力するようにする。
(表示部)
表示部70は、建物応答・被害予測部30又は建物データベース部50から所定の受震域の所定の建物の建物応答・被害解析結果のファイルの配信を受けると、自動的に地理情報システム(GIS)を起動し、表示に必要な地理情報データ及び建物位置データ等を建物データベース部50から取得し、海岸線、行政界、道路、河川、鉄道等の地理情報とともに、建物応答・被害解析結果を、図15に示すように一つのディスプレイ上に重ねて表示する。なお、表示を高速化するためには、地理情報データは表示部70側で保持するようにしたほうがよい。ここまでの処理は、リアルタイム地震情報の特徴から地震による停電や回線断の前に終了することが期待できる。
その後は、地理情報システム(GIS)の基本的な機能により、拡大/縮小、レイヤの表示/非表示、建物応答・被害の詳細情報の表示等を行なうことができる。図15に示すように、ピンマーク等のポイントマーク90の位置で建物の位置を示し、ポイントマーク90内に、建物の各階のせん断応力、層間変形角、塑性率等のうち許容値を超えた階とその数値等を表示するようにする。ポイントマーク90の色や形状等を変えることにより、自己が管理又は関係する建物の被害状況を即座に把握することができる。ポイントマーク90は、内部に記載された数値が読み易いように、拡大できるようにする。また、図15右下の小さなウインドウに、建物応答・被害の詳細情報を表示する。停電時の表示部の動作は自家発電又は予備電源によって行うことができる。
表示部70は、この他に、以前に発生した地震時の建物応答・被害解析結果を建物データベース部50又は建物応答データベース部60から取得して表示する機能や、利用者が任意の震源情報を入力するとその震源情報を建物応答・被害予測部30に送り、建物データベース部50又は建物応答データベース部60経由で予測結果を得て表示する機能を持っていて、操作の練習、震災対応の事前検討、訓練等を行うことができる。
以上説明した実施例の地震被害予測システムが提供する情報は、リアルタイム地震情報(例えば、気象庁の緊急地震速報)が地震発生直後に特定の場所に伝えられるだけでも、震源位置と当該場所の位置関係によっては、地震の主要動が当該場所に到達する前に地震発生を知ることができ、緊急避難や危険物への対処、建設機器や産業機器の停止や非常設備の始動等が可能であるため、地震防災効果が高い。
これに加えて、地震の特性や地盤特性、建物の振動特性や床組み構造の振動特性等を考慮することにより、地震直後の緊急対策を必要とする者に、対策を行うための精度のよい即時的な地震情報を提供する。すなわち、建物の応答や被害を正確に予測することによって、地震直後の建物の危険度や損傷程度を十分な精度で把握できるため、2次災害の発生を抑制するための対策の選択・立案・救援の初動体制の確立の基礎データとして活用することが可能で、人命の保護や施設の保全に大いに役立つ。
以上のように、本発明にかかる地震被害予測システムは、自治体や企業の内部の、実働レベルの小規模な組織が、地震の場所や建物の被害の程度を予測段階で把握するシステムとして有用である。
本発明に係る地震被害予測システムの実施例を示すシステム構成図である。 受震域東京都心に対する8つの震源域を示す図である。 震源域1で発生する地震が東京都心に及ぼす水平動回帰速度応答スペクトル特性を示す図である。 震源域2で発生する地震が東京都心に及ぼす水平動回帰速度応答スペクトル特性を示す図である。 震源域3で発生する地震が東京都心に及ぼす水平動回帰速度応答スペクトル特性を示す図である。 震源域4で発生する地震が東京都心に及ぼす水平動回帰速度応答スペクトル特性を示す図である。 震源域5で発生する地震が東京都心に及ぼす水平動回帰速度応答スペクトル特性を示す図である。 震源域6で発生する地震が東京都心に及ぼす水平動回帰速度応答スペクトル特性を示す図である。 震源域7で発生する地震が東京都心に及ぼす水平動回帰速度応答スペクトル特性を示す図である。 震源域8で発生する地震が東京都心に及ぼす水平動回帰速度応答スペクトル特性を示す図である。 震源域1で発生する地震が東京都心に及ぼす上下動回帰速度応答スペクトル特性を示す図である。 震源域2で発生する地震が東京都心に及ぼす上下動回帰速度応答スペクトル特性を示す図である。 震源域3で発生する地震が東京都心に及ぼす上下動回帰速度応答スペクトル特性を示す図である。 震源域と受震域の分布を示す概念図である。 表示部のディスプレイを示す図である。
符号の説明
10 発信部
20 受信部
30 建物応答・被害予測部
40 地震動データベース部
50 建物データベース部
60 建物応答データベース部
70 表示部
80 通信手段
90 ポイントマーク

Claims (5)

  1. 特定の受震域に対し複数の震源域を設定し、該震源域内で過去に発生した複数の地震観測記録から得られる震源位置及びマグニチュードの情報と、前記情報に対応する前記受震域における地震動スペクトル特性または地震動継続時間と、の関係から、前記震源域と前記受震域毎に、予め構築されたマグニチュードに応じた地震動スペクトルまたは地震動継続時間のデータベースを保持する地震動データベース部と、
    所定の受震域の所定の建物の位置データ及び振動解析諸元を保持する建物データベース部と、
    震源位置及びマグニチュードを含むリアルタイム地震情報を受信する受信部と、
    前記リアルタイム地震情報に基づいて前記地震動データベース部から前記所定の建物位置における地震動スペクトル特性を求め、該地震動スペクトル特性及び建物データベース部の振動解析諸元に基づいて前記所定の建物の建物応答解析又は評価を行い、建物応答・被害を予測する建物応答・被害予測部と、
    前記所定の建物の建物応答・被害の予測結果を表示する表示部と、
    を備えることを特徴とする地震被害予測システム。
  2. 特定の受震域に対し複数の震源域を設定し、該震源域内で過去に発生した複数の地震観測記録から得られる震源位置及びマグニチュードの情報と、前記情報に対応する前記受震域における地震動スペクトル特性または地震動継続時間と、の関係から、前記震源域と前記受震域毎に、予め構築されたマグニチュードに応じた地震動スペクトルまたは地震動継続時間のデータベースを保持する地震動データベース部と、
    所定の受震域の所定の建物の位置データ及び振動解析諸元を保持する建物データベース部と、
    前記地震動データベース部及び建物データベース部のデータに基づいて、前記所定の建物の、震源域別マグニチュード別の建物応答・被害の予備解析又は評価を行い、予備解析又は評価結果を保持する建物応答データベース部と、
    震源位置及びマグニチュードを含むリアルタイム地震情報を受信する受信部と、
    前記リアルタイム地震情報に基づいて前記建物応答データベース部から前記所定の建物の前記震源位置及びマグニチュードに対応する前記予備解析又は評価結果を呼び出す建物応答・被害予測部と、
    前記所定の建物の前記予備解析又は評価結果を建物応答・被害の予測結果として表示する表示部と、
    を備えることを特徴とする地震被害予測システム。
  3. 前記表示部が、地理情報システムにより、前記所定の建物の建物応答・被害の予測結果を重ねて表示するための前記所定の受震域の地理情報データを保持することを特徴とする請求項1又は2に記載の地震被害予測システム。
  4. 前記所定の受震域に分布する所定の建物毎の建物応答・被害の予測結果が、前記表示部のディスプレイ上のポイントマーク内に表示され、該ポイントマークの位置が前記所定の建物の位置を示すことを特徴とする請求項3に記載の地震被害予測システム。
  5. 前記リアルタイム地震情報に含まれる震源情報が予め定めた条件に合致したとき、前記受信部が、前記震源情報を前記建物応答・被害予測部に出力して、前記地震被害予測システムを起動させることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の地震被害予測システム。
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