JP6501394B2 - 義歯用洗浄剤、義歯用洗浄液、義歯用洗浄ユニット及び義歯の洗浄方法 - Google Patents

義歯用洗浄剤、義歯用洗浄液、義歯用洗浄ユニット及び義歯の洗浄方法 Download PDF

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Description

本発明は、義歯用洗浄剤、義歯用洗浄液、義歯用洗浄ユニット及び義歯の洗浄方法に関する。
義歯の洗浄方法としては、発泡タイプの洗浄剤を含む水溶液に義歯を浸漬して洗浄する化学的洗浄と、ブラッシングによる物理的洗浄が主流である。義歯は複雑な構造であるため、ブラッシングによる物理的洗浄だけでは狭い隙間や義歯表面に付着した汚れや細菌を充分に除去することは困難である。
発泡タイプの洗浄剤としては、過炭酸塩、過ホウ酸塩等の過酸化物が配合された洗浄剤(特許文献1)や、タンパク質分解酵素(プロテアーゼ)が配合された洗浄剤(特許文献2)が提案されている。これらの洗浄剤は、義歯汚れに対して高い洗浄力を発揮するものの、洗浄に長時間を要するという問題がある。
特開2005−272365号公報 特開平11−181500号公報
本発明は、短時間の洗浄でも優れた洗浄効果を発揮できる義歯用洗浄剤、義歯用洗浄液及び義歯用洗浄ユニット、並びに義歯の洗浄方法を提供することを目的とする。
本発明の義歯用洗浄剤は、(A)成分:アニオン性界面活性剤、(B)成分:キレート剤、及び、(C)成分:R−CO−O−R(ただし、Rは炭素数3〜11の飽和炭化水素基又は不飽和炭化水素基であり、Rは炭素数1〜4の炭化水素基である。)で表される脂肪酸エステルを含有する。
前記(A)成分は、炭素数12〜16のスルホン酸塩及び炭素数12〜16の硫酸塩からなる群から選ばれる1種以上であることが好ましい。
前記(B)成分は、リン酸塩及びエデト酸塩からなる群から選ばれる1種以上であることが好ましい。
前記(C)成分に対する前記(A)成分と前記(B)成分の合計の質量比(A+B)/Cは、2〜40であることが好ましい。
本発明の義歯用洗浄液は、本発明の義歯用洗浄剤を含む水溶液からなる義歯用洗浄液である。
本発明の義歯用洗浄ユニットは、本発明の義歯用洗浄剤と、超音波洗浄器とを備える。
本発明の義歯の洗浄方法は、本発明の義歯用洗浄液中に義歯を浸漬し、超音波洗浄する方法である。
本発明の義歯用洗浄剤、義歯用洗浄液及び義歯用洗浄ユニットは、短時間の洗浄でも優れた洗浄効果を発揮できる。
本発明の義歯の洗浄方法によれば、短時間でも義歯汚れを充分に除去できる。
[義歯用洗浄剤]
本発明の義歯用洗浄剤は、(A)成分、(B)成分及び(C)成分を含有する組成物である。
((A)成分)
(A)成分は、アニオン性界面活性剤である。アニオン性界面活性剤としては、義歯の洗浄に通常用いられるものを用いることができる。
アニオン性界面活性剤としては、例えば、アルキル硫酸エステル塩(アルキル基の炭素数8〜20)、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩(オキシエチレン基の付加モル数2〜12、アルキル基の炭素数8〜20)等の硫酸塩;アルキルスルホン酸塩(アルキル基の炭素数8〜20)、アルキルベンゼンスルホン酸塩(アルキル基の炭素数8〜20)、α−オレフィン(炭素数8〜20)スルホン酸塩等のスルホン酸塩等が挙げられる。
アニオン性界面活性剤としては、炭素数12〜16のスルホン酸塩及び炭素数12〜16の硫酸塩からなる群から選ばれる1種以上が好ましい。炭素数が12以上であれば、高い洗浄力が得られやすく、特にタバコヤニ除去効果が得られやすい。炭素数が16以下であれば、義歯用洗浄剤に濁りや沈殿析出が生じにくく、良好な外観と優れた保存安定性が得られやすい。
(A)成分としては、α−オレフィン(炭素数14〜16)スルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウムが特に好ましい。
(A)成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
((B)成分)
(B)成分は、キレート剤である。キレート剤としては、義歯の洗浄に通常用いられるものを用いることができる。キレート剤としては、リン酸塩又はエデト酸塩からなる群から選ばれる1種以上が好ましい。
リン酸塩としては、例えば、ピロリン酸ナトリウム、ピロリン酸カリウム、トリポリリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、ヒドロキシエタンジホスホン酸四ナトリウム(HEDP−4Na)等が挙げられる。
エデト酸塩としては、例えば、エデト酸ナトリウム(EDTA−2Na)等が挙げられる。
(B)成分としては、トリポリリン酸ナトリウム、ヒドロキシエタンジホスホン酸四ナトリウム(HEDP−4Na)、エデト酸ナトリウム(EDTA−2Na)が好ましい。
(B)成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
((C)成分)
(C)成分は、R−CO−O−R(ただし、Rは炭素数3〜11の飽和炭化水素基又は不飽和炭化水素基であり、Rは炭素数1〜4の炭化水素基である。)で表される脂肪酸エステルである。
の炭素数が3以上であれば、短時間の洗浄でも高い洗浄効果が得られ、特にタバコヤニ除去効果が充分に得られる。Rの炭素数が11以下であれば、義歯用洗浄剤の濁りを充分に抑制できる。Rの炭素数が4以下であれば、義歯用洗浄剤の濁りを充分に抑制できる。
としては、アルキル基が好ましい。Rの炭素数は、6〜10が好ましい。
の炭化水素基としては、アルキル基が好ましい。Rの炭素数は、1〜2が好ましい。
(C)成分としては、Rが炭素数5〜9の飽和炭化水素基又は不飽和炭化水素基であり、Rが炭素数1〜2のアルキル基である脂肪酸エステルが好ましく、ヘキサン酸エチル、オクタン酸エチル、デカン酸エチルがより好ましく、オクタン酸エチルが特に好ましい。
(C)成分の脂肪酸エステルは、例えば、炭素数4〜12の飽和脂肪酸又は不飽和脂肪酸と炭素数1〜4の1価アルコールとを反応させることで合成できる。
(C)成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の義歯用洗浄剤は、必要に応じて、(A)〜(C)成分以外の成分を含有してもよい。例えば、本発明の義歯用洗浄剤は、アニオン性界面活性剤以外の他の界面活性剤を含んでもよい。他の界面活性剤としては、義歯の洗浄に通常用いられるものを用いることができ、例えば、カチオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、両性界面活性剤等が挙げられる。
カチオン性界面活性剤としては、例えば、アルキルアミン塩酸塩、アルキルアミン酢酸塩、アルキルアミンオレイン酸塩等が挙げられる。
ノニオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル(又はエステル)、ポリオキシアルキレンフェニル(又はアルキルフェニル)エーテル、ポリオキシアルキレンナフチル(又はアルキルナフトチル)エーテル等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、例えば、2−アルキル−N−カルボキシメチル(又はエチル)−N−ヒドロキシエチル(又はメチル)イミダゾリニウムベタイン、2−アルキル−N−カルボキシメチル(又はエチル)−N−カルボキシメチルオキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン等が挙げられる。
アニオン性界面活性剤以外の他の界面活性剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の義歯洗浄用洗浄剤は、香料、着色剤、殺菌剤、酵素等を含有してもよい。
香料としては、例えば、天然香料(スペアミント油、ペパーミント油、アニス油、ユーカリ油等)、単品香料(メントール、メントン、カルボン、エチルブチレート、バニリン等)、及びそれらを調合した調合香料等が挙げられる。
香料は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
着色剤としては、例えば、法定色素(赤色2号、黄色4号、青色1号、緑色3号等)、カラメル色素、ベニバナ色素、クチナシ色素、コチニール色素、アナトー色素、雲母チタン、酸化チタン等が挙げられる。
着色剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
殺菌剤としては、例えば、イソプロピルメチルフェノール、チモール、トリクロサン、安息香酸又はその塩、サリチル酸又はそのエステルもしくはその塩、パラベン類、フェノール等が挙げられる。
殺菌剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(各成分の割合)
本発明の義歯用洗浄剤が液体洗浄剤である場合、各成分の割合は以下の範囲が好ましい。
本発明の義歯用洗浄剤(100質量%)中の(A)成分の含有量は、2.5〜15.0質量%が好ましく、5.0〜12.0質量%がより好ましい。(A)成分の含有量が前記下限値以上であれば、高い洗浄力が得られやすく、特にタバコヤニ除去効果が充分に得られやすい。(A)成分の含有量が前記上限値以下であれば、義歯用洗浄剤に沈殿析出が生じにくく保存安定性に優れ、また、すすぎ時の(A)成分由来のヌルつきを抑制しやすい。
本発明の義歯用洗浄剤(100質量%)中の(B)成分の含有量は、5.0〜12.0質量%が好ましく、6.0〜10.0質量%がより好ましい。(B)成分の含有量が前記下限値以上であれば、高い洗浄力が得られやすく、特にタバコヤニ除去効果が充分に得られやすい。(B)成分の含有量が前記上限値以下であれば、塩の沈殿析出を充分に抑制しやすい。
本発明の義歯用洗浄剤(100質量%)中の(C)成分の含有量は、0.5〜8.0質量%が好ましく、1.0〜6.0質量%がより好ましい。(C)成分の含有量が前記下限値以上であれば、高い洗浄力が得られやすく、特にタバコヤニ除去効果が充分に得られやすい。(C)成分の含有量が前記上限値以下であれば、義歯用洗浄剤に濁りが生じることを充分に抑制しやすい。
本発明の義歯用洗浄剤における、(C)成分に対する(A)成分と(B)成分の合計の質量比(A+B)/Cは、2〜40が好ましく、3〜15がより好ましい。質量比(A+B)/Cが前記下限値以上であれば、義歯用洗浄剤に濁りが生じることを充分に抑制しやすい。質量比(A+B)/Cが前記上限値以下であれば、高い洗浄力が得られやすく、特にタバコヤニ除去効果が充分に得られやすい。
(pH)
本発明の義歯用洗浄剤が水を含む場合、義歯用洗浄剤の25℃におけるpHは、6〜10が好ましく、7〜9がより好ましい。pHが前記下限値以上であれば、使用時(洗浄剤取り扱い時)の剤付着による皮膚炎発症等の人体への影響を抑制しやすい。pHが前記上限値以下であれば、義歯のクラスプ等の維持装置やバー等の連結装置に使用される金属への腐食等の為害性を低減しやすい。義歯用洗浄剤のpHは、必要に応じて、pH調整剤(水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、塩酸等)を配合することにより調節できる。
(製造方法)
本発明の義歯用洗浄剤の製造方法は、特に限定されず、例えば、(A)〜(C)成分、及び必要に応じて用いる他の成分を水に溶解し、必要に応じてpHを調整する方法等が挙げられる。
(作用効果)
以上説明した本発明の義歯用洗浄剤においては、(A)〜(C)成分を含有していることで、高い洗浄力が得られ、短時間の義歯の洗浄でも高い洗浄効果が得られる。特に本発明の義歯用洗浄剤を用いて義歯の超音波洗浄を行うことで、極めて短い時間で義歯汚れを充分に除去することが可能である。タンパク質分解酵素等を配合した洗浄剤では、超音波により配合成分が壊れて充分な効果が発揮されないのに対して、本発明の義歯用洗浄剤は超音波洗浄に特に有効である。
[義歯用洗浄液]
本発明の義歯用洗浄液は、本発明の義歯用洗浄剤を含む水溶液である。本発明の義歯用洗浄液は、後述のように、義歯の超音波洗浄に用いることが特に有効である。
なお、本発明の義歯用洗浄液は、超音波を用いずに義歯を浸漬するだけの義歯の洗浄方法に用いてもよい。例えば、本発明の義歯用洗浄液に義歯を一晩浸漬させて洗浄を行ってもよく、本発明の義歯用洗浄液中に義歯を2〜15分浸漬させた後、義歯用ブラシでブラッシングしても洗浄を行ってもよい。
本発明の義歯用洗浄液は、本発明の義歯用洗浄剤が液体洗浄剤である場合は、本発明の義歯用洗浄剤を水で希釈することで得られる。本発明の義歯用洗浄剤が固体洗浄剤である場合は、本発明の義歯用洗浄剤を水に溶解することで得られる。
本発明の義歯用洗浄液(100質量%)中の(A)成分の含有量は、0.25〜1.5質量%が好ましく、0.5〜1.2質量%がより好ましい。(A)成分の含有量が前記下限値以上であれば、高い洗浄力が得られやすく、特にタバコヤニ除去効果が充分に得られやすい。(A)成分の含有量が前記上限値以下であれば、すすぎ時の(A)成分由来のヌルつきを抑制しやすい。
本発明の義歯用洗浄液(100質量%)中の(B)成分の含有量は、0.5〜1.2質量%が好ましく、0.5〜1.0質量%がより好ましい。(B)成分の含有量が前記下限値以上であれば、高い洗浄力が得られやすく、特にタバコヤニ除去効果が充分に得られやすい。(B)成分の含有量が前記上限値以下であれば、塩の沈殿析出を充分に抑制しやすい。
本発明の義歯用洗浄液(100質量%)中の(C)成分の含有量は、0.05〜0.8質量%が好ましく、0.1〜0.8質量%がより好ましい。(C)成分の含有量が前記下限値以上であれば、高い洗浄力が得られやすく、特にタバコヤニ除去効果が充分に得られやすい。(C)成分の含有量が前記上限値以下であれば、外観の濁りが充分に抑制しやすい。
[義歯用洗浄ユニット]
本発明の義歯用洗浄ユニットは、本発明の義歯用洗浄剤と、超音波洗浄器とを備える。
超音波洗浄器は、特に限定されず、本発明の義歯用洗浄剤を含む水溶液からなる義歯用洗浄液を収容でき、該義歯用洗浄液中に義歯を浸漬した状態で超音波により義歯の洗浄が行えるものであればよい。
超音波洗浄器は、市販されている超音波洗浄器を採用してもよい。
[義歯の洗浄方法]
本発明の義歯の洗浄方法は、本発明の義歯用洗浄液中に義歯を浸漬し、超音波洗浄する方法である。
本発明の義歯の洗浄方法は、例えば、本発明の義歯用洗浄ユニットを用いる方法が挙げられる。具体的には、例えば、義歯用洗浄ユニットにおける義歯用洗浄剤から、希釈等の操作により該義歯用洗浄剤を含む水溶液からなる義歯用洗浄液を調製し、超音波洗浄器の洗浄液収容部に該義歯用洗浄液を注ぎ、義歯用洗浄液に義歯を浸漬させた状態で超音波洗浄を行う。
洗浄時の超音波周波数は、25〜120kHzが好ましく、40〜100kHzがより好ましい。超音波周波数が前記下限値以上であれば、洗浄時の音を軽減できる。超音波周波数が前記上限値以下であれば、高い洗浄力が得られやすく、特にタバコヤニ除去効果が充分に得られやすい。
洗浄時の超音波出力は、5〜300Wが好ましく、10〜200Wがより好ましい。超音波出力が前記下限値以上であれば、高い洗浄力が得られやすく、特にタバコヤニ除去効果が充分に得られやすい。超音波出力が前記上限値以下であれば、超音波発生時の温度上昇による義歯素材への影響(変形等)を抑制しやすい。
超音波洗浄における洗浄時間は、2〜15分が好ましく、3〜10分がより好ましい。洗浄時間が前記下限値以上であれば、高い洗浄力が得られやすく、特にタバコヤニ除去効果が充分に得られやすい。洗浄時間が前記上限値以下であれば、超音波発生時の温度上昇による義歯素材への影響(変形等)を抑制しやすい。
超音波洗浄における義歯用洗浄液の温度は、10〜50℃が好ましく、20〜40℃がより好ましい。義歯用洗浄液の温度が前記下限値以上であれば、高い洗浄力が得られやすく、特にタバコヤニ除去効果が充分に得られやすい義歯用洗浄液の温度が前記上限値以下であれば、義歯素材への影響(変形等)を抑制しやすい。
以上説明した本発明の義歯の洗浄方法によれば、(A)〜(C)成分を含有する義歯用洗浄液を用いた超音波洗浄により、高い洗浄効果が発揮されるため、極めて短い時間で義歯汚れを充分に除去することができる。
以下、実施例によって本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の記載によっては限定されない。
[原料]
本実施例において使用した原料を以下に示す。
((A)成分)
A−1:α−オレフィンスルホン酸ナトリウム(炭素数:14、ライオン株式会社製)。
A−2:ラウリル硫酸ナトリウム(関東化学株式会社製)。
((B)成分)
B−1:トリポリリン酸ナトリウム(太平化学産業株式会社製)。
B−2:エデト酸ナトリウム(株式会社同仁化学研究所製)。
((C)成分)
C−1:オクタン酸エチル(東京化成工業株式会社製)。
C−2:ヘキサン酸エチル(東京化成工業株式会社製)。
(任意成分)
POE7:ポリオキシエチレン(POE)ラウリルエーテル(エチレンオキシド(EO)付加モル数:7、日本エマルジョン株式会社製、商品名「エマレックス707」)。
精製水。
[実施例1〜11及び比較例1〜5]
容量500mLのビーカーに、表1及び表2に示す組成となるように所定量の配合成分を配合して充分に撹拌し、義歯用洗浄剤を調製した。
[外観(濁り)評価]
内容量50mLの透明PET容器に、調製直後の義歯用洗浄剤約50mLを充填し、洗浄剤の濁りを以下の5段階で目視判定した。5名の平均点に基づいて以下の評価基準に従って外観評価を行った。
(判定基準)
5:濁りが全く認められない。
4:濁りがほとんど認められない。
3:わずかに濁りが認められる。
2:濁りが認められる。
1:著しい濁りが認められる。
(評価基準)
◎:平均点が4.0点以上である。
○:平均点が3.0点以上4.0点未満である。
△:平均点が2.0点以上3.0点未満である。
×:平均点が1.0点以上2.0点未満である。
[外観安定性(沈殿析出)評価]
内容量50mLの透明PET容器に、調製した義歯用洗浄剤約50mLを充填し、ポリプロピレン(PP)製キャップにて封をして低温(−10℃)の条件下で1ヶ月保存した。低温保存後のサンプルを1日間室温(20℃)で放置した後、外観変化(沈殿析出)を以下の5段階で目視評価した。5名の平均点に基づいて以下の評価基準に従って外観安定性の評価を行った。
(判定基準)
5:沈殿析出が全く認められない。
4:沈殿析出がほとんど認められない。
3:わずかに沈殿析出が認められる。
2:沈殿析出が認められる。
1:著しい沈殿析出が認められる。
(評価基準)
◎:平均点が4.0点以上である。
○:平均点が3.0点以上4.0点未満である。
△:平均点が2.0点以上3.0点未満である。
×:平均点が1.0点以上2.0点未満である。
[洗浄効果(タバコヤニ除去効果)]
(タバコヤニモデルの作成)
アクリル板(株式会社クラレ製、縦10mm×横10mm×厚さ5mm)の表面をサンドブラストにて処理後、中性洗剤水溶液を用いて超音波洗浄機で洗浄した。アクリル板を水洗して乾燥させた後、タバコヤニ付着前のアクリル板のL値(初期)を測定した。
次いで、アクリル板表面にタバコヤニを付着させた。具体的には、密閉容器中にアクリル板を設置し、容器中でタバコ(ピース(日本たばこ産業株式会社製)を吸引しつつ燃焼させ、燃え尽きた後に吸引を止め、3分間放置した。この操作を10回繰り返した。
次いで、アクリル板を80℃で1時間乾燥して放冷した後、37℃水浴中に3時間浸漬した。水洗後、アクリル板を80℃で4時間乾燥させた。アクリル板を放冷した後、表面を歯ブラシ(平切り)で軽く20回ブラッシングし、表面の水分を取り、タバコヤニ付着後のアクリル板のL値(洗浄前)を測定した。
(評価法(1))
各例の義歯用洗浄剤を水で10倍希釈して義歯用洗浄液とした。義歯用超音波洗浄器ウロハミック(URO電子工業株式会社製:周波数約90kHz)に、義歯用洗浄液130mLを注ぎ、タバコヤニ付着アクリル板を浸漬して5分間超音波洗浄した。水洗し、よく乾燥させた後、アクリル板のL値(洗浄後)を測定した。
下式(1)〜(3)によりタバコヤニ除去率を算出し、以下の評価基準で洗浄効果(タバコヤニ除去効果)を評価した。
タバコヤニ除去率=〔1−(△E(2)/△E(1))〕×100 ・・・(1)
△E(1)=〔(L1−L0)+(a1−a0)+(b1−b0)1/2 ・・・(2)
△E(2)=〔(L2−L0)+(a2−a0)+(b2−b0)1/2 ・・・(3)
ただし、L0、a0、b0はそれぞれL値(初期)の各値であり、L1、a1、b1はそれぞれL値(洗浄前)の各値であり、L2、a2、b2はL値(洗浄後)の各値である。
<評価基準>
◎:タバコヤニ除去率が60%以上である。
○:タバコヤニ除去率が50%以上60%未満である。
△:タバコヤニ除去率が40%以上50%未満である。
×:タバコヤニ除去率が40%未満である。
(評価法(2))
200mLビーカーに義歯用洗浄液130mLを注ぎ、タバコヤニ付着アクリル板を8時間浸漬して洗浄を行った以外は、評価法(1)と同様にしてタバコヤニ除去率を算出し、洗浄効果(タバコヤニ除去効果)を評価した。
実施例及び比較例の義歯用洗浄剤の組成及び評価結果、並びに洗浄効果の条件及び評価結果を表1及び表2に示す。
なお、表1及び表2中における精製水の「残」とは、義歯用洗浄剤の全体を100質量%とするのに要する量を意味する。
Figure 0006501394
Figure 0006501394
表1及び表2に示すように、(A)〜(C)成分を含有する義歯用洗浄液を用いて義歯の超音波洗浄を行った実施例1〜10では、5分間という極めて短い時間でも高い洗浄効果が得られた。(A)〜(C)成分を含有する義歯用洗浄液を用いて浸漬のみで義歯の洗浄を行った実施例11でも、高い洗浄効果が得られた。
一方、(A)〜(C)成分のいずれかを含有しない義歯用洗浄液を用いて義歯の超音波洗浄を行った比較例1〜3では、5分間という短時間の洗浄では充分な洗浄効果が得られなかった。(A)成分を含有しない義歯用洗浄液を用いて浸漬のみで義歯の洗浄を行った比較例4でも、充分な洗浄効果が得られなかった。(C)成分を含有しない義歯用洗浄液を用いて浸漬のみで義歯の洗浄を行った比較例5でも、充分な洗浄効果が得られなかった。

Claims (8)

  1. (A)成分:アニオン性界面活性剤
    (B)成分:ピロリン酸ナトリウム、ピロリン酸カリウム、トリポリリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、ヒドロキシエタンジホスホン酸四ナトリウム及びエデト酸ナトリウムからなる群から選ばれる1種以上のキレート剤、及び
    (C)成分:ヘキサン酸エチル、オクタン酸エチル及びデカン酸エチルからなる群から選ばれる1種以上の脂肪酸エステルを含有し、
    前記(C)成分の含有量が0.5〜8.0質量%であることを特徴とする義歯用洗浄剤。
  2. 前記(A)成分が、炭素数12〜16のスルホン酸塩及び炭素数12〜16の硫酸塩からなる群から選ばれる1種以上である、請求項1に記載の義歯用洗浄剤。
  3. 前記(A)成分の含有量が2.5〜15.0質量%、前記(B)成分の含有量が5.0〜12.0質量%である、請求項1又は2記載の義歯用洗浄剤。
  4. 前記(C)成分に対する前記(A)成分と前記(B)成分の合計の質量比(A+B)/Cが、2〜40である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の義歯用洗浄剤。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の義歯用洗浄剤を含む水溶液からなる義歯用洗浄液。
  6. 前記(A)成分の含有量が0.25〜1.5質量%、前記(B)成分の含有量が0.5〜1.2質量%、前記(C)成分の含有量が0.05〜0.8質量%である、請求項5に記載の義歯用洗浄液。
  7. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の義歯用洗浄剤と、超音波洗浄器とを備える義歯用洗浄ユニット。
  8. 請求項5又は6に記載の義歯用洗浄液中に義歯を浸漬し、超音波洗浄することを特徴とする義歯の洗浄方法。
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