JP2016150929A - 義歯用洗浄剤、義歯用洗浄液、義歯用洗浄ユニット及び義歯の洗浄方法 - Google Patents
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Abstract
Description
前記(B)成分は、リン酸塩及びエデト酸塩からなる群から選ばれる1種以上であることが好ましい。
前記(C)成分に対する前記(A)成分と前記(B)成分の合計の質量比(A+B)/Cは、2〜40であることが好ましい。
本発明の義歯用洗浄ユニットは、本発明の義歯用洗浄剤と、超音波洗浄器とを備える。
本発明の義歯の洗浄方法は、本発明の義歯用洗浄液中に義歯を浸漬し、超音波洗浄する方法である。
本発明の義歯の洗浄方法によれば、短時間でも義歯汚れを充分に除去できる。
本発明の義歯用洗浄剤は、(A)成分、(B)成分及び(C)成分を含有する組成物である。
(A)成分は、アニオン性界面活性剤である。アニオン性界面活性剤としては、義歯の洗浄に通常用いられるものを用いることができる。
アニオン性界面活性剤としては、例えば、アルキル硫酸エステル塩(アルキル基の炭素数8〜20)、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩(オキシエチレン基の付加モル数2〜12、アルキル基の炭素数8〜20)等の硫酸塩;アルキルスルホン酸塩(アルキル基の炭素数8〜20)、アルキルベンゼンスルホン酸塩(アルキル基の炭素数8〜20)、α−オレフィン(炭素数8〜20)スルホン酸塩等のスルホン酸塩等が挙げられる。
(A)成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(B)成分は、キレート剤である。キレート剤としては、義歯の洗浄に通常用いられるものを用いることができる。キレート剤としては、リン酸塩又はエデト酸塩からなる群から選ばれる1種以上が好ましい。
エデト酸塩としては、例えば、エデト酸ナトリウム(EDTA−2Na)等が挙げられる。
(B)成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(C)成分は、R1−CO−O−R2(ただし、R1は炭素数3〜11の飽和炭化水素基又は不飽和炭化水素基であり、R2は炭素数1〜4の炭化水素基である。)で表される脂肪酸エステルである。
R1の炭素数が3以上であれば、短時間の洗浄でも高い洗浄効果が得られ、特にタバコヤニ除去効果が充分に得られる。R1の炭素数が11以下であれば、義歯用洗浄剤の濁りを充分に抑制できる。R2の炭素数が4以下であれば、義歯用洗浄剤の濁りを充分に抑制できる。
R2の炭化水素基としては、アルキル基が好ましい。R2の炭素数は、1〜2が好ましい。
(C)成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ノニオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル(又はエステル)、ポリオキシアルキレンフェニル(又はアルキルフェニル)エーテル、ポリオキシアルキレンナフチル(又はアルキルナフトチル)エーテル等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、例えば、2−アルキル−N−カルボキシメチル(又はエチル)−N−ヒドロキシエチル(又はメチル)イミダゾリニウムベタイン、2−アルキル−N−カルボキシメチル(又はエチル)−N−カルボキシメチルオキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン等が挙げられる。
アニオン性界面活性剤以外の他の界面活性剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
香料としては、例えば、天然香料(スペアミント油、ペパーミント油、アニス油、ユーカリ油等)、単品香料(メントール、メントン、カルボン、エチルブチレート、バニリン等)、及びそれらを調合した調合香料等が挙げられる。
香料は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
着色剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
殺菌剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の義歯用洗浄剤が液体洗浄剤である場合、各成分の割合は以下の範囲が好ましい。
本発明の義歯用洗浄剤(100質量%)中の(A)成分の含有量は、2.5〜15.0質量%が好ましく、5.0〜12.0質量%がより好ましい。(A)成分の含有量が前記下限値以上であれば、高い洗浄力が得られやすく、特にタバコヤニ除去効果が充分に得られやすい。(A)成分の含有量が前記上限値以下であれば、義歯用洗浄剤に沈殿析出が生じにくく保存安定性に優れ、また、すすぎ時の(A)成分由来のヌルつきを抑制しやすい。
本発明の義歯用洗浄剤が水を含む場合、義歯用洗浄剤の25℃におけるpHは、6〜10が好ましく、7〜9がより好ましい。pHが前記下限値以上であれば、使用時(洗浄剤取り扱い時)の剤付着による皮膚炎発症等の人体への影響を抑制しやすい。pHが前記上限値以下であれば、義歯のクラスプ等の維持装置やバー等の連結装置に使用される金属への腐食等の為害性を低減しやすい。義歯用洗浄剤のpHは、必要に応じて、pH調整剤(水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、塩酸等)を配合することにより調節できる。
本発明の義歯用洗浄剤の製造方法は、特に限定されず、例えば、(A)〜(C)成分、及び必要に応じて用いる他の成分を水に溶解し、必要に応じてpHを調整する方法等が挙げられる。
以上説明した本発明の義歯用洗浄剤においては、(A)〜(C)成分を含有していることで、高い洗浄力が得られ、短時間の義歯の洗浄でも高い洗浄効果が得られる。特に本発明の義歯用洗浄剤を用いて義歯の超音波洗浄を行うことで、極めて短い時間で義歯汚れを充分に除去することが可能である。タンパク質分解酵素等を配合した洗浄剤では、超音波により配合成分が壊れて充分な効果が発揮されないのに対して、本発明の義歯用洗浄剤は超音波洗浄に特に有効である。
本発明の義歯用洗浄液は、本発明の義歯用洗浄剤を含む水溶液である。本発明の義歯用洗浄液は、後述のように、義歯の超音波洗浄に用いることが特に有効である。
なお、本発明の義歯用洗浄液は、超音波を用いずに義歯を浸漬するだけの義歯の洗浄方法に用いてもよい。例えば、本発明の義歯用洗浄液に義歯を一晩浸漬させて洗浄を行ってもよく、本発明の義歯用洗浄液中に義歯を2〜15分浸漬させた後、義歯用ブラシでブラッシングしても洗浄を行ってもよい。
本発明の義歯用洗浄ユニットは、本発明の義歯用洗浄剤と、超音波洗浄器とを備える。
超音波洗浄器は、特に限定されず、本発明の義歯用洗浄剤を含む水溶液からなる義歯用洗浄液を収容でき、該義歯用洗浄液中に義歯を浸漬した状態で超音波により義歯の洗浄が行えるものであればよい。
超音波洗浄器は、市販されている超音波洗浄器を採用してもよい。
本発明の義歯の洗浄方法は、本発明の義歯用洗浄液中に義歯を浸漬し、超音波洗浄する方法である。
本発明の義歯の洗浄方法は、例えば、本発明の義歯用洗浄ユニットを用いる方法が挙げられる。具体的には、例えば、義歯用洗浄ユニットにおける義歯用洗浄剤から、希釈等の操作により該義歯用洗浄剤を含む水溶液からなる義歯用洗浄液を調製し、超音波洗浄器の洗浄液収容部に該義歯用洗浄液を注ぎ、義歯用洗浄液に義歯を浸漬させた状態で超音波洗浄を行う。
[原料]
本実施例において使用した原料を以下に示す。
A−1:α−オレフィンスルホン酸ナトリウム(炭素数:14、ライオン株式会社製)。
A−2:ラウリル硫酸ナトリウム(関東化学株式会社製)。
B−1:トリポリリン酸ナトリウム(太平化学産業株式会社製)。
B−2:エデト酸ナトリウム(株式会社同仁化学研究所製)。
C−1:オクタン酸エチル(東京化成工業株式会社製)。
C−2:ヘキサン酸エチル(東京化成工業株式会社製)。
POE7:ポリオキシエチレン(POE)ラウリルエーテル(エチレンオキシド(EO)付加モル数:7、日本エマルジョン株式会社製、商品名「エマレックス707」)。
精製水。
容量500mLのビーカーに、表1及び表2に示す組成となるように所定量の配合成分を配合して充分に撹拌し、義歯用洗浄剤を調製した。
内容量50mLの透明PET容器に、調製直後の義歯用洗浄剤約50mLを充填し、洗浄剤の濁りを以下の5段階で目視判定した。5名の平均点に基づいて以下の評価基準に従って外観評価を行った。
(判定基準)
5:濁りが全く認められない。
4:濁りがほとんど認められない。
3:わずかに濁りが認められる。
2:濁りが認められる。
1:著しい濁りが認められる。
(評価基準)
◎:平均点が4.0点以上である。
○:平均点が3.0点以上4.0点未満である。
△:平均点が2.0点以上3.0点未満である。
×:平均点が1.0点以上2.0点未満である。
内容量50mLの透明PET容器に、調製した義歯用洗浄剤約50mLを充填し、ポリプロピレン(PP)製キャップにて封をして低温(−10℃)の条件下で1ヶ月保存した。低温保存後のサンプルを1日間室温(20℃)で放置した後、外観変化(沈殿析出)を以下の5段階で目視評価した。5名の平均点に基づいて以下の評価基準に従って外観安定性の評価を行った。
(判定基準)
5:沈殿析出が全く認められない。
4:沈殿析出がほとんど認められない。
3:わずかに沈殿析出が認められる。
2:沈殿析出が認められる。
1:著しい沈殿析出が認められる。
(評価基準)
◎:平均点が4.0点以上である。
○:平均点が3.0点以上4.0点未満である。
△:平均点が2.0点以上3.0点未満である。
×:平均点が1.0点以上2.0点未満である。
(タバコヤニモデルの作成)
アクリル板(株式会社クラレ製、縦10mm×横10mm×厚さ5mm)の表面をサンドブラストにて処理後、中性洗剤水溶液を用いて超音波洗浄機で洗浄した。アクリル板を水洗して乾燥させた後、タバコヤニ付着前のアクリル板のL*a*b*値(初期)を測定した。
次いで、アクリル板表面にタバコヤニを付着させた。具体的には、密閉容器中にアクリル板を設置し、容器中でタバコ(ピース(日本たばこ産業株式会社製)を吸引しつつ燃焼させ、燃え尽きた後に吸引を止め、3分間放置した。この操作を10回繰り返した。
次いで、アクリル板を80℃で1時間乾燥して放冷した後、37℃水浴中に3時間浸漬した。水洗後、アクリル板を80℃で4時間乾燥させた。アクリル板を放冷した後、表面を歯ブラシ(平切り)で軽く20回ブラッシングし、表面の水分を取り、タバコヤニ付着後のアクリル板のL*a*b*値(洗浄前)を測定した。
各例の義歯用洗浄剤を水で10倍希釈して義歯用洗浄液とした。義歯用超音波洗浄器ウロハミック(URO電子工業株式会社製:周波数約90kHz)に、義歯用洗浄液130mLを注ぎ、タバコヤニ付着アクリル板を浸漬して5分間超音波洗浄した。水洗し、よく乾燥させた後、アクリル板のL*a*b*値(洗浄後)を測定した。
下式(1)〜(3)によりタバコヤニ除去率を算出し、以下の評価基準で洗浄効果(タバコヤニ除去効果)を評価した。
タバコヤニ除去率=〔1−(△E*(2)/△E*(1))〕×100 ・・・(1)
△E*(1)=〔(L*1−L*0)2+(a*1−a*0)2+(b*1−b*0)2〕1/2 ・・・(2)
△E*(2)=〔(L*2−L*0)2+(a*2−a*0)2+(b*2−b*0)2〕1/2 ・・・(3)
ただし、L*0、a*0、b*0はそれぞれL*a*b*値(初期)の各値であり、L*1、a*1、b*1はそれぞれL*a*b*値(洗浄前)の各値であり、L*2、a*2、b*2はL*a*b*値(洗浄後)の各値である。
<評価基準>
◎:タバコヤニ除去率が60%以上である。
○:タバコヤニ除去率が50%以上60%未満である。
△:タバコヤニ除去率が40%以上50%未満である。
×:タバコヤニ除去率が40%未満である。
200mLビーカーに義歯用洗浄液130mLを注ぎ、タバコヤニ付着アクリル板を8時間浸漬して洗浄を行った以外は、評価法(1)と同様にしてタバコヤニ除去率を算出し、洗浄効果(タバコヤニ除去効果)を評価した。
なお、表1及び表2中における精製水の「残」とは、義歯用洗浄剤の全体を100質量%とするのに要する量を意味する。
一方、(A)〜(C)成分のいずれかを含有しない義歯用洗浄液を用いて義歯の超音波洗浄を行った比較例1〜3では、5分間という短時間の洗浄では充分な洗浄効果が得られなかった。(A)成分を含有しない義歯用洗浄液を用いて浸漬のみで義歯の洗浄を行った比較例4でも、充分な洗浄効果が得られなかった。(C)成分を含有しない義歯用洗浄液を用いて浸漬のみで義歯の洗浄を行った比較例5でも、充分な洗浄効果が得られなかった。
Claims (7)
- (A)成分:アニオン性界面活性剤、(B)成分:キレート剤、及び、(C)成分:R1−CO−O−R2(ただし、R1は炭素数3〜11の飽和炭化水素基又は不飽和炭化水素基であり、R2は炭素数1〜4の炭化水素基である。)で表される脂肪酸エステルを含有することを特徴とする義歯用洗浄剤。
- 前記(A)成分が、炭素数12〜16のスルホン酸塩及び炭素数12〜16の硫酸塩からなる群から選ばれる1種以上である、請求項1に記載の義歯用洗浄剤。
- 前記(B)成分が、リン酸塩及びエデト酸塩からなる群から選ばれる1種以上である、請求項1又は2に記載の義歯用洗浄剤。
- 前記(C)成分に対する前記(A)成分と前記(B)成分の合計の質量比(A+B)/Cが、2〜40である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の義歯用洗浄剤。
- 請求項1〜4のいずれか一項に記載の義歯用洗浄剤を含む水溶液からなる義歯用洗浄液。
- 請求項1〜4のいずれか一項に記載の義歯用洗浄剤と、超音波洗浄器とを備える義歯用洗浄ユニット。
- 請求項5に記載の義歯用洗浄液中に義歯を浸漬し、超音波洗浄することを特徴とする義歯の洗浄方法。
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