JP7146489B2 - 液体洗浄用組成物及びその利用 - Google Patents

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本発明は、液体洗浄用組成物及びその利用に関する。
従来、殺菌剤を配合した洗浄剤が広く知られており、例えば、カチオン性殺菌剤は真菌類等に対して殺菌作用を有することが知られている。一方、洗浄剤においては、汚れに対して高い洗浄効果を発揮させるために、アニオン性界面活性剤が配合されている。しかし、アニオン性界面活性剤はカチオン性殺菌剤の殺菌作用を阻害することが知られている。
真菌類はバイオフィルムを形成し、これは、ぬめりや口臭等の原因の一つとなるため、汚れの除去だけでなく、真菌類の除去にも有用な洗浄剤を提供することは重要である(特許文献1)。
特開2014-005358号公報
本発明は、真菌類に対する除菌効果や汚れ除去効果を発揮できる、カチオン性殺菌剤を含有する洗浄用組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記課題に鑑み鋭意検討を行ったところ、カチオン性殺菌剤に、酢酸ベタイン型両性界面活性剤とアルキルグリコシドとを組み合わせることにより、真菌類に対する除菌効果と汚れ除去効果が得られることを見出した。本発明は該知見に基づき更に検討を重ねた結果完成されたものであり、次に掲げるものである。
項1.(A)酢酸ベタイン型両性界面活性剤、(B)アルキルグリコシド及び(C)カチオン性殺菌剤を含有する液体洗浄用組成物。
項2.成分(A)100質量部に対して、成分(B)が6~134質量部及び成分(C)が10~250質量部である、項1に記載の液体洗浄用組成物。
項3.成分(A)がラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ヤシ油アルキルベタイン、ステアリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン及びラウリン酸アミドプロピルベタインからなる群より選択される少なくとも1種である、項1または2に記載の液体洗浄用組成物。
項4.成分(B)が、アルキル基の炭素数が8~18であるアルキルグルコシドである、項1~3のいずれかに記載の液体洗浄用組成物。
項5.成分(C)が、第四級アンモニウム塩及びクロルヘキシジン塩からなる群より選択される少なくとも1種である、項1~4のいずれかに記載の液体洗浄用組成物。
項6.義歯洗浄用である、項1~5のいずれかに記載の液体洗浄用組成物。
項7.項1~6に記載する液体洗浄用組成物を入れた水と洗浄対象物とを接触させることを特徴とする、洗浄対象物の洗浄方法。
項8.洗浄対象物が義歯である、項7に記載の洗浄方法。
項9.項1~6に記載する液体洗浄用組成物と超音波洗浄器とを含む、洗浄セット。
項10.義歯洗浄用である、項9に記載の洗浄セット。
本発明の液体洗浄用組成物によれば、カチオン性殺菌剤を含有しながらも、真菌類に対する除菌効果や汚れ除去効果を発揮することができる。また、本発明によれば、該液体洗浄用組成物と洗浄対象物とを接触させることにより、該対象物を洗浄でき、これにより該対象物の除菌、汚れ除去を行うことができる。
図1は、本発明において使用可能な超音波洗浄器の外観のモデル図の例示である。
本発明は、(A)酢酸ベタイン型両性界面活性剤、(B)アルキルグリコシド及び(C)カチオン性殺菌剤を含有する液体洗浄用組成物を提供する。
成分(A)は従来公知の成分であり、本発明を制限するものではないが、成分(A)として、例えば、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ヤシ油アルキルベタイン(ヤシ油アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン)、ステアリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ステアリルジメチルベタインナトリウム、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン、パーム油脂肪酸アミドプロピルベタイン、ラウリン酸アミドプロピルベタイン、リシノレイン酸アミドプロピルベタイン、ステアリルジヒドロキシエチルベタイン等が挙げられる。
成分(A)として、好ましくはラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ヤシ油アルキルベタイン(ヤシ油アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン)、ステアリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ステアリルジメチルベタインナトリウム、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン、パーム油脂肪酸アミドプロピルベタイン、ラウリン酸アミドプロピルベタインが例示され、より好ましくはラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ヤシ油アルキルベタイン(ヤシ油アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン)、ステアリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン、ラウリン酸アミドプロピルベタインが例示される。
これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
成分(B)は従来公知の成分であり、本発明を制限するものではないが、成分(B)として、例えば、アルキル基の炭素数が8~18であるアルキルグルコシドが挙げられる。成分(B)として、好ましくはアルキル基の炭素数が8~16のアルキルグルコシドが例示され、より好ましくはデシルグルコシド、ラウリルグルコシド、ミリスチルグルコシドが例示される。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
成分(C)は従来公知の成分であり、本発明を制限するものではないが、成分(C)として、例えば、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化セチルピリジニウム、塩化デカリニウム等の第四級アンモニウム塩や、塩酸クロルヘキシジン、グルコン酸クロルヘキシジン、酢酸クロルヘキシジン等のクロルヘキシジン塩が挙げられる。成分(C)として、好ましくは第四級アンモニウム塩が例示され、より好ましくは塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化セチルピリジニウムが例示される。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明の組成物において、本発明の効果を奏する限り、前記成分(A)~(C)の含有量は制限されないが、好ましい含有量として、成分(C)に対する成分(A)~(C)の合計量(成分(A)~(C)の合計量/成分(C))が2~7が例示され、より好ましくは2.2~6.5、更に好ましくは2.9~3.6が例示される。
本発明の組成物において、本発明の効果を奏する限り、前記成分(A)~(C)の含有量は制限されないが、好ましい含有量として、例えば、前記成分(A)100質量部に対して、前記成分(B)が、好ましくは6~134質量部、より好ましくは8~100質量部、更に好ましくは10~70質量部が挙げられる。また、例えば、前記成分(A)100質量部に対して、前記成分(C)が、好ましくは10~250質量部、より好ましくは12~200質量部、更に好ましくは15~150質量部が挙げられる。
本発明の組成物において、本発明の効果を奏する限り、前記成分(A)~(C)の含有量は制限されないが、好ましい含有量として、例えば、本発明の組成物中、成分(A)は、好ましくは3~38質量%、より好ましくは6~30質量%が挙げられる。また、本発明の組成物中、成分(B)は、好ましくは1~20質量%、より好ましくは2~10質量%が挙げられる。また、本発明の組成物中、成分(C)は、好ましく1~25質量%、より好ましくは3~12質量%が挙げられる。
また、本発明の組成物において、本発明の効果を奏する限り、前記成分(A)~(C)の含有量は制限されないが、好ましい含有量として、例えば、本発明の組成物中、成分(A)~(C)含有量は、その合計量として、5~83質量%、より好ましくは11~52質量%が挙げられる。
本発明の組成物は、本発明の効果を妨げない範囲で、更に必要に応じて、任意の他の成分を含有してもよい。該他の成分として、酵素、着色料、香料、防錆剤、漂白剤、歯石防止剤、消臭剤、増粘剤、発泡安定剤、賦形剤、防腐剤、pH調整剤、キレート剤、油性成分、前記成分(A)及び(B)以外の界面活性剤(ただし、アニオン性界面活性剤は除く)、前記成分(C)以外の殺菌剤、水等が例示される。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよく、その含有量も目的等に応じて適宜設定すればよい。なお、このように本発明の組成物は、アニオン性界面活性剤を含有しない。
本発明の組成物は、前記成分(A)~(C)、必要に応じて他の成分を混合することにより製造することができる。
本発明の組成物のpHは制限されないが、25℃で、好ましくはpH3~12、より好ましくはpH5~9が例示される。ここで、pHは、本発明の組成物5mLを25℃の精製水145mLに溶かして得られる溶液のpHを意味し、pHはpHメーター(堀場製作所製、型番F-53)にて測定する。
本発明の組成物の洗浄対象物は、除菌や汚れ除去を目的とするものであれば制限されないが、対象物として好ましくは義歯、マウスピース、リテーナー等の口腔内装具が例示される。義歯は、総義歯、部分床義歯の別を問わない。
本発明において対照物の洗浄は、本発明の組成物を入れた水と対象物とを接触させることにより実施される。本発明の組成物を入れた水と対象物とが接触する限り制限されないが、効果的に対象物を洗浄する観点から、対象物全体が本発明の組成物を入れた水に浸漬するように接触させることが好ましい。該接触は、例えば、水と本発明の組成物とを混合し、得られた混合液に対象物を投入することによって実施してもよく、本発明の組成物と対象物とを接触させ、次いで水を投入することによって実施してもよく、水と対象物とを接触させ、次いで本発明の組成物を投入することによって実施してもよい。
使用される水は制限されず、水道水、精製水、脱イオン水、生理食塩水等が挙げられる。使用される水の温度も制限されないが、より効果的に対象物を洗浄する観点から、5~50℃の範囲が好ましく例示される。また、対象物の洗浄において、本発明の組成物と水の使用量も制限されず、対象物の汚れの程度等に従い適宜設定すればよく、本発明の効果が得られる限り制限されないが、水約50~300mLに対して本発明の組成物1~50mL、好ましくは3~20mLを用いることが例示される。
本発明の組成物を入れた水と対象物とを接触させる時間も本発明の効果が得られる限り制限されないが、例えば1分~24時間、より好ましくは3分~8時間が例示され、対象物の汚れ等の程度によって適宜設定すればよい。また、本発明の組成物の使用頻度も同様に制限されず、適宜設定すればよい。
本発明の組成物によれば、真菌類に対する除菌効果と汚れ除去効果とを効果的に発揮することができる。また、本発明によれば、本発明の組成物と洗浄対象物とを接触させることにより該対象物を洗浄でき、これにより該対象物の除菌及び汚れ除去を行うことができる。
このことから、本発明は、本発明の組成物を入れた水と洗浄対象物とを接触させることを特徴とする、該対象物の洗浄方法を提供する。該方法は、対象物の洗浄にあたり、本発明の組成物を入れた水と対象物とを接触させる限り制限されず、その実施態様は前述の通りである。
また、本発明の組成物は、超音波洗浄器と組み合わせて使用してもよい。このことから、本発明は、本発明の組成物と超音波洗浄器とを含む洗浄セットを提供する。
本発明の洗浄セットにおいて、本発明の組成物は前述の液体洗浄用組成物と同様に説明される。
超音波洗浄器は、少なくとも本発明の組成物と水と洗浄対象物とが投入される洗浄層を備え、超音波により対象物を洗浄できるものであり、この限りにおいて公知の超音波洗浄器を使用し得る。本発明を制限するものではないが、超音波洗浄器の外観のモデル図として図1が例示される。
超音波洗浄器や洗浄層の大きさや形状は、洗浄対象物を洗浄できる限り制限されず、例えば、対象物が義歯である場合、洗浄層は、総入れ歯や部分入れ歯といった義歯を収容、洗浄できる大きさや形状であればよい。省スペース、取り扱い易い等の観点からは、超音波洗浄器はコンパクトであることが好ましい。
この限りにおいて制限されないが、洗浄層の容量として、好ましくは100~600mL、より好ましくは120~300mLが例示される。また、洗浄層の形状として、直径または長辺が12cm以下の円形状、楕円形状、半円形状等、一辺が10cm以下の四角形状等、これに順ずる大きさの任意の形状が挙げられる。これらの下限値は、少なくとも本発明の組成物と水と洗浄対象物とを投入でき、超音波により対象物を洗浄できる限り制限されない。
超音波洗浄器の大きさや形状は、前記洗浄層の大きさや形状に応じて、適宜設定すればよい。例えば、省スペース等の観点から、超音波洗浄器本体の大きさとして、幅108cm、奥行き108cm、高さ67cmで形成される立方体に実質的に収まる大きさが例示される。
また、超音波洗浄器の重さは、容易に持ち運びができる重さであれば制限されない。該重さとして、例えば、250~600gが例示され、好ましくは300~500gが例示される。
超音波洗浄における周波数として、15~80kHzが例示され、好ましくは30~50kHzが例示される。また、出力は、3~35Wが例示され、好ましくは10~20Wが例示される。
洗浄層には、必要に応じて、本発明の組成物を入れる目安となる印(例えば、組成物計量部、投入線等)、水を入れる目安となる印(例えば、水位線)等が設けられていてもよい。例えば、通常、前記印は洗浄層の内側から見えるように設けられている。また、洗浄層の少なくとも一部に、洗浄層内の溶液の排出が容易になる排出口(例えば、洗浄層の上部の淵にとがった部分)が設けられていても良い。また、超音波洗浄器は、洗浄層に収容できる洗浄用トレーを用いるものであってよく、洗浄用トレーに、本発明の組成物を入れる目安となる印や、水を入れる目安となる印等が設けられていてもよく、例えば、洗浄用トレーに計量部が設けられており、該計量部に従い、本発明の組成物や水を必要量投入してもよい。また、洗浄用トレーは網目構造を有していても良い。対象物は、洗浄用トレーに置いた状態で、洗浄層内で超音波洗浄を行っても良い。超音波洗浄後、洗浄層から対象物を取り出す際、対象物を置いた洗浄用トレーごと取り出しても良い。
超音波洗浄器は、蓋を有していても有していなくてもよく、使い勝手の向上等の点から、例えば、洗浄層の上部を覆う蓋を有していても良い。また、超音波洗浄器は、電源のオン、オフを切り替えることのできるスイッチ、タイマー等を有していてもよい。また、超音波洗浄器は、電源コードや電源プラグを連結させて使用するものであってもよく、電池式であってもよい。
超音波洗浄器による洗浄時間も制限されないが、超音波処理時間として1分~30分、好ましくは3分~15分が例示される。
本発明の組成物を超音波洗浄器と組み合わせて使用することにより、より短時間で、対象物の洗浄を行うことができる。
本発明の洗浄セットには、本発明の組成物、超音波洗浄器のほか、必要に応じて、更に取扱説明書、洗浄用トレー、時計ホルダー、タイマー等が含まれていても良い。
本発明の組成物が、超音波洗浄器と組み合わせて使用される場合、前記洗浄対象物を洗浄できる限り、その方法は制限されないが、効率のよい洗浄を行う点から、通常、前記洗浄層内に、少なくとも本発明の組成物、水及び前記洗浄対象物を入れ、次いで、超音波処理を行うことが好ましく例示される。
本発明の洗浄セットによれば、洗浄対象物をより短時間で効果的に洗浄できる。
以下、実施例を示して本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
試験例
液体洗浄用組成物の作製
表1に示す組成に従い、各成分を混合し、実施例1~12及び比較例1~5の液体洗浄用組成物を作製した。
なお、本試験例で用いた成分は次の通りである。
(A)アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン:商品名アモーゲンS-H、第一工業製薬株式会社製
(B)ラウリルグルコシド:商品名マイドール12、花王株式会社製
(C)塩化ベンザルコニウム:商品名:カチナールMB-50A、東邦化学工業株式会社製
キレート剤:エチレンジアミン四酢酸(EDTA)
除菌評価
カンジダ アルビカンス(Candida albicans NBRC1595)(独立行政法人製品評価技術基盤機構より購入)を用い、次の手順に従い、除菌効果の評価試験を行った。カンジダ菌は、義歯等に付着して臭いや汚れの原因となることで知られている。
(1)カンジダ アルビカンス NBRC1595菌株の培養
ポテトデキストロース寒天培地(コージンバイオ社製)において、35℃、一晩培養した菌株を、TSB培地(Trypticase Soy Broth、BD社製)に5%スクロースを添加した培地(5%スクロースTSB培地)に懸濁し、分光光度計を用いて、600nmにおける濁度(O.D.600)が0.150になるように適宜希釈した。
次いで、6ウェルプレートに、100μg/mLで調整したアルブミンにて処理した3×3cmのPMMA樹脂プレートを1ウェルあたり1枚入れ、次いで、前述のように希釈して得た菌液5mLを添加し、35℃にて18時間静置培養し、樹脂プレートにバイオフィルムを形成させた。
(2)除菌試験
培養後、樹脂プレートをウェルからゆっくり取り出し、次いで、該樹脂プレートを、水で30倍に希釈した実施例1~12及び比較例1~5の液体洗浄用組成物に5分間浸漬させた(各組成物につきn=6)。その後、樹脂プレートをゆっくり取り出し、滅菌精製水にて洗浄した。次いで、洗浄した樹脂プレートをSCDLP液体培地(Soybean-Casein Digest Broth with Lecithin & Polysorbate 8、ダイゴ社製)に投入し、セルリフター(ビオラモ株式会社製)を用いて樹脂プレートからバイオフィルムを剥がして懸濁し、得られた懸濁液を用いて10倍希釈系列を作製し、10倍希釈液、100倍希釈液、1000倍希釈液を100μLずつGPLP寒天培地(Glucose Peptone Agar with Lecithin & Polysorbate 80、ダイゴ社製)に塗抹し、35℃にて24時間培養後、生育したコロニー数(前記懸濁液1mLあたりのコロニー数)をカウントした。これを、次式中の「洗浄後のコロニー数」とした。
次式を用いて除菌率を算出した。具体的には、まず樹脂プレート毎の除菌率Aを算出し、合計6枚の樹脂プレートの除菌率Aの平均値をもって、除菌試験の除菌率(%)とした。
除菌率A(%)={1-(洗浄後のコロニー数/未洗浄のコロニー数)}×100
なお、該式において「未洗浄のコロニー数」は、前記(2)において水で30倍に希釈した実施例1~12及び比較例1~5の液体洗浄用組成物に5分間浸漬させる工程を除く以外は、洗浄後のコロニー数と同様に試験してカウントしたコロニー数である。
このようにして算出した除菌率に基づいて、次のように評価した。値が大きいほど除菌率が高いことを示す。
◎:90%以上
○:80%以上90%未満
△:70%以上80%未満
×:70%未満
汚れ除去評価
該試験は、JIS K3362 7.2(2008)「台所用合成洗剤の洗浄力評価方法」に規定の方法に従ったリーナッツ試験法によって行った。
本試験では、牛脂20g、大豆油各20g、オレイン酸モノグリセライド0.25gを174gのクロロホルムに溶解し、汚こう浴を調製した。この汚こうをスライドガラスに付着させ、試験片を作製した(各組成物につきn=6)。
次いで、このようにして得た試験片を、前記除菌評価と同様に、水で30倍に希釈した実施例1~12及び比較例1~5の液体洗浄用組成物に5分間浸漬させ、次いで試験片をゆっくり取り出し、滅菌精製水にて洗浄し、25℃にて12時間静置乾燥させた。
次式を用いて汚れ除去率を算出した。具体的には、まず試験片毎の汚れ除去率Aを算出し、合計6枚の試験片の汚れ除去率Aの平均値をもって汚れ除去率(%)とした。
汚れ除去率A(%)={(洗浄前の汚こう付着量-洗浄後の汚こう付着量)/洗浄前の汚こう付着量}×100
ここで、「洗浄前の汚こう付着量」は、試験片作製(汚こう付着)直後に測定した試験片の重量から、汚こう付着前のスライドガラスの重量を引いた値である。「洗浄後の汚こう付着量」は、前述の通り洗浄し、乾燥させた後に測定した試験片の重量から、汚こう付着前のスライドガラスの重量を引いた値である。
このようにして算出した汚れ除去率に基づいて、次のように評価した。値が大きいほど汚れ除去率が高いことを示す。
◎:80%以上
○:70%以上80%未満
△:60%以上70%未満
×:60%未満
結果
結果を表1に示す。
Figure 0007146489000001
アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ラウリルグリコシド、塩化ベンザルコニウムのいずれも含んでいない比較例5では、結果が×であり、高い除菌効果、汚れ除去効果は得られなかった。また、アルキルジメチルアミノ酢酸ベタインとラウリルグリコシドとを含有するものの、塩化ベンザルコニウムを含有しない比較例1では、汚れ除去効果は得られたが、除菌効果は低かった。また、アルキルジメチルアミノ酢酸ベタインと塩化ベンザルコニウムとを含有するものの、ラウリルグリコシドを含有しない比較例2及び3では、比較例5より効果が向上したものの、比較例2では除菌効果、汚れ除去効果が共に△にとどまり、また、比較例3では除菌効果が△、汚れ除去効果が×にとどまった。また、ラウリルグリコシドと塩化ベンザルコニウムとを含有するものの、アルキルジメチルアミノ酢酸ベタインを含有しない比較例4では、比較例5より効果が向上し、除菌効果は○であったものの、汚れ除去効果は×にとどまった。
これに対して、アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ラウリルグリコシド、塩化ベンザルコニウムを全て含有する実施例1~12では、除菌効果、汚れ除去効果が共に△であった比較例2を上回る効果が得られた。
このことから、塩化ベンザルコニウムと共に、アルキルジメチルアミノ酢酸ベタインとラウリルグリコシドとを組み合わせることにより、塩化ベンザルコニウムを含有しながら、所望の除菌効果と汚れ除去効果が得られることが分かった。

Claims (4)

  1. (A)アルキル酢酸ベタイン、(B)アルキルグリコシド及び(C)カチオン性殺菌剤を含有し、成分(A)100質量部に対して成分(B)が8~70質量部であり、成分(A)100質量部に対して成分(C)が10~250質量部である、口腔内装具の洗浄に使用するための液体洗浄用組成物、
    ここで、成分(A)は、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ヤシ油アルキルベタイン、ステアリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン及びラウリン酸アミドプロピルベタインからなる群より選択される少なくとも1種であり、
    成分(B)は、アルキル基の炭素数が8~18であるアルキルグルコシドであり、
    成分(C)は、第四級アンモニウム塩及びクロルヘキシジン塩からなる群より選択される少なくとも1種である。
  2. 義歯洗浄用である、請求項1に記載の液体洗浄用組成物。
  3. 請求項1または2に記載する液体洗浄用組成物を入れた水と口腔内装具とを接触させることを特徴とする、口腔内装具の洗浄方法。
  4. 請求項1または2に記載する液体洗浄用組成物と超音波洗浄器とを含む、洗浄セット。
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