JP2022095335A - 義歯洗浄剤組成物 - Google Patents

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【課題】義歯のステイン着色が抑制された義歯洗浄剤組成物【解決手段】カチオン系界面活性剤として、窒素原子に炭素数6~18の炭素鎖が1つ結合してなる化合物を含有する義歯洗浄剤組成物。【選択図】なし

Description

本発明は義歯洗浄剤組成物に関する。より詳細には、本発明は液体洗浄剤組成物、特に濃縮型液体洗浄剤組成物に関する。
近年、短時間で洗浄可能な義歯洗浄剤として、水に溶解する手間を省いた濃縮型の液体義歯洗浄剤が提案されている。一方、義歯に付着する汚れには、デンチャープラーク、食物残渣、ステイン(着色沈着物)、歯石等があり、これらの汚れを短時間に効果的に洗浄除去する必要がある。特に、義歯へのステインの付着は、衛生的・美的観点からも好ましくなく、ステイン除去は、義歯洗浄剤の大きな課題となっている。
このため、従来、カンジダ菌に対する除菌効果及びステイン除去効果に優れた液体義歯洗浄剤が種々提案されている。例えば、(A)ヒドロキシエタンジホスホン酸と(B)アルキルアミンオキシドと(C)安息香酸又はその誘導体とを組み合わせて配合した濃縮型液体義歯洗浄剤組成物(特許文献1参照)、(A)ヒドロキシエタンジホスホン酸、及び(B)界面活性剤としてアニオン性界面活性剤及び両性界面活性剤から選ばれる1種又は2種以上を含有し、20℃におけるpHが5~9である液体義歯洗浄剤組成物(特許文献2参照)等が提案されており、これらは、過酸化物や漂白剤を含まずとも、ステインを効果的に除去できるとされている。
特開2018-90501号公報 特開2018-90499号公報
本発明は、カンジダ菌に対する除菌効果を有するとともに、義歯へのステイン付着(着色)が抑制された義歯洗浄剤組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するため検討を行っているなかで、カンジダ菌に対して優れた除菌効果を発揮するカチオン系界面活性剤を配合した義歯洗浄剤を用いて洗浄した義歯は、使用に伴ってステインの付着が誘引されて、ステイン付着が蓄積し着色しやすくなるという問題があることを知見した。この問題を解決すべく、鋭意検討を重ねていたところ、カチオン系界面活性剤のうち、窒素原子に炭素数6~18の鎖式炭素鎖が1つ結合してなる化合物、特に第4級アンモニウム塩を用いることで、義歯へのステイン付着が有意に抑制され、義歯への着色が抑えられることを見出した。
本発明は、前記カチオン系界面活性剤に起因する問題と、それに対する解決手段を見出したことに基づいて、さらに検討を重ねて完成したものであり、下記の実施形態を有する。
(I)義歯洗浄剤組成物
(I-1)カチオン系界面活性剤として、炭素数6~18の鎖式炭素鎖を有する基が窒素原子に1つ結合してなる化合物を含有する義歯洗浄剤組成物。
(I-2)前記化合物が第4級アンモニウム塩である、(I-1)に記載する義歯洗浄剤組成物。
(I-3)液体組成物、好ましくは濃縮型液体組成物である、(I-1)又は(I-2)に記載する義歯洗浄剤組成物。
(II)カチオン系界面活性剤の使用方法
(II-1)カチオン系界面活性剤として炭素数6~18の鎖式炭素鎖を有する基が窒素原子に1つ結合してなる化合物を義歯洗浄剤組成物に配合することで、当該義歯洗浄剤組成物に対して、除菌機能、及び義歯へのステイン付着を抑制する機能を付与することを特徴とする、前記カチオン系界面活性剤の使用方法。
(II-2)前記化合物が第4級アンモニウム塩である、(II-1)に記載する使用方法。
(II-3)前記義歯洗浄剤組成物が液体組成物、好ましくは濃縮型液体組成物である、(II-1)又は(II-2)に記載する使用方法。
本発明によれば、義歯に対する除菌効果とともにステイン付着が抑制された液体義歯洗浄剤組成物を提供することができる。具体的には、本発明の義歯洗浄剤組成物は、カチオン系界面活性剤の除菌作用に基づいてカンジダ菌に対して優れた除菌効果を発揮すると同時に、カチオン系界面活性剤に起因する義歯へのステイン付着が抑制されている。このため、本発明によれば、カチオン系界面活性剤を含有する液体義歯洗浄剤組成物の問題である、液体義歯洗浄剤の使用による義歯へのステイン付着による着色を、有効に防止することができる。また、本発明の義歯洗浄剤組成物は、液体の状態で提供することができるため、錠剤や顆粒等の固形剤を溶解する手間が不要で、そのまま若しくは希釈等の簡単な作業で即座に義歯の洗浄に使用することができる。
(I)義歯洗浄剤組成物
本発明の義歯洗浄剤組成物は、カチオン系界面活性剤として、炭素数6~18の鎖式炭素鎖を有する基が窒素原子に1つ結合してなる化合物(以下、これを「本化合物」と称する)を含有することを特徴とする。
本化合物における炭素数6~18の鎖式炭素鎖(以下、単に「C6-18鎖式炭素鎖」ともいう)としては、具体的には鎖式炭化水素基(非環式炭化水素基)を挙げることができる。当該鎖式炭化水素基には鎖式飽和炭化水素基(アルキル基)、及び鎖式不飽和炭化水素基(アルケニル基、アルキニル基)が含まれる。好ましくは鎖式飽和炭化水素基である。当該鎖式飽和炭化水素基は、直鎖状のアルキル基であっても、また分岐状のアルキル基であってもよいが、好ましくは直鎖状のアルキル基である。
鎖式炭素鎖の炭素数としては、前記6~18の範囲から選択することができ、制限されないものの、好ましくは炭素数8~18、より好ましくは12~18である。具体的には、これらにはカプリル基(オクチル基)、ラウリル基(ドデシル基)、ミリスチル基(テトラデシル基)、セチル基(ヘキサデシル基)、及びステアリル基(オクタデシル基)が含まれる。好ましくは、ラウリル基、セチル基、及びステアリル基であり、より好ましくはラウリル基である。
C6-18鎖式炭素鎖を有する基は、前記C6-18鎖式炭素水素基そのものであってもよいし、前記C6-18鎖式炭素水素基を一部に有する基であってもよい。C6-18鎖式炭素水素基を一部に有する基は制限されないものの、これらには、C6-18鎖式炭素水素基が例えば酸素原子等の炭素原子以外の原子に結合した基(例えば、アルコキシ基)や、当該アルコキシ基を有するアルキル基(アルコキシアルキル基)等が含まれる。具体的には、炭素数6~18のアルコキシに炭素数1~6、好ましくは炭素数2~3のアルキル基が結合したアルコキシアルキル基を例示することができる。
本化合物は、C6-18鎖式炭素鎖を有する基が窒素原子に1つ結合してなる化合物であり、好ましくは第4級アンモニウム化合物である。窒素原子に結合した他の基は、C6-18鎖式炭素鎖を有する基以外の原子または基、及び非環式の基であることが望ましく、例えば水素原子、炭素数1~5の鎖状アルキル基を挙げることができる。好ましくはメチル基、エチル基等のアルキル基であり、より好ましくはメチル基である。
本化合物として、好ましくは、窒素原子に一つのC6-18鎖式炭素鎖を有する基と、3つのメチル基が結合してなるトリメチル型の第4級アンモニウム化合物を挙げることができる。具体的には、ラウリルトリメチルアンモニウム(ドデシルトリメチルアンモニウム)、セチルトリメチルアンモニウム(ヘキサデシルトリメチルアンモニウム)、ステアリルトリメチルアンモニウム(オクタデシルトリメチルアンモニウム)、ヤシアルキルトリメチルアンモニウム、牛脂アルキルトリメチルアンモニウム、オクタデシロキシプロピルトリメチルアンモニウム、並びにこれらの塩を例示することができる。好ましくは、ラウリルトリメチルアンモニウム及びその塩である。塩は、制限されないが、塩化物を例示することができる。
後述する実験例に示すように、これらのカチオン系界面活性剤は、カンジダ菌に対して有効な除菌効果を発揮するとともに、義歯素材へのステイン付着を誘引し難いという特長を有する。これに対して、同じく第4級アンモニウム化合物であるジアルキル(炭素数6~20)ジメチルアンモニウム塩やアルキル(炭素数6~20)ジメチルベンジルアンモニウム塩は、カンジダ菌に対して有効な除菌効果を発揮するものの、義歯素材へのステイン付着を誘引し易いという短所を有する。このため、本発明の義歯洗浄剤組成物は、カチオン系界面活性剤として、前記本化合物のみを1種単独または2種以上を組み合わせて含有し、これ以外のカチオン系界面活性剤(例えば前記の第4級アンモニウム化合物)を含まないことが好ましい。
本発明の義歯洗浄剤組成物におけるカチオン系界面活性剤(本化合物)の配合量は、義歯洗浄剤組成物に除菌作用を付与する量であればよい。本発明の義歯洗浄剤組成物が使用時に希釈することなく使用される液体義歯洗浄剤組成物(これを「原液型液体義歯洗浄剤組成物」と称する場合がある」)である場合、本化合物の割合は、当該義歯洗浄剤組成物全体の0.1~50質量%の範囲から適宜選択することができる。好ましくは0.5~30質量%であり、より好ましくは1~20質量%である。本発明の義歯洗浄剤組成物が使用時に水道水で希釈して使用される液体義歯洗浄剤組成物(これを「濃縮型液体義歯洗浄剤組成物」と称する場合がある)である場合、例えば希釈率を10倍とした場合、本化合物の割合は、当該義歯洗浄剤組成物全体の0.01~5質量%の範囲から適宜選択することができる。好ましくは0.05~3質量%であり、より好ましくは0.1~2質量%である。
本発明の義歯洗浄剤組成物には、上記成分に加えてその他の公知成分を必要に応じて配合できる。例えば、制限されないものの、界面活性剤(アニオン系界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン系界面活性剤)、溶剤、香料、着色剤、緩衝剤、pH調整剤、殺菌剤、安定化剤、防錆剤等が挙げられる。
アニオン性界面活性剤としては、制限されないものの、アルキル硫酸塩、α-オレフィンスルホン酸塩、アシルアミノ酸塩、及びアルキルリン酸塩等が挙げられる。中でも、ステイン汚れ除去力の点から、炭素数8~18のアルキル硫酸塩(例えばラウリル硫酸塩)、炭素数8~18のα-オレフィンスルホン酸塩、アシル基の炭素数が8~18であるアシルアミノ酸塩が好ましく、より好ましくは上記アシルアミノ酸塩である。塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩が好ましく、ナトリウム塩が特に好ましい。
両性界面活性剤としては、アルキルアミンオキシド、ベタイン型両性界面活性剤が挙げられる。アルキルアミンオキシドとしては、好ましくはアルキル基の炭素数が12~18、特に12~16である、アルキルジメチルアミンオキシドを使用することができ、例えばラウリルジメチルアミンオキシド等が挙げられる。
ベタイン型両性界面活性剤としては、例えば2-アルキル-N-カルボキシメチル-N-ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタインや、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン等の脂肪酸アミドプロピルベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタインなどが挙げられ、中でも、2-アルキル-N-カルボキシメチル-N-ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、脂肪酸アミドプロピルベタインが好ましく、脂肪酸アミドプロピルベタインが特に好ましい。
ノニオン性界面活性剤としては、ポリエチレングリコール型、とりわけポリオキシエチレンアルキルエーテル及びポリオキシエチレン硬化ヒマシ油が好ましい。より好ましくは、アルキル基の炭素数が12~20で、エチレンオキサイドの平均付加モル数(以下、E.O.付加モル数と略記する。)が10~20モルのポリオキシエチレンアルキルエーテル及び/又はE.O.付加モル数が5~60モルのポリオキシエチレン硬化ヒマシ油を使用できる。
これらの界面活性剤は一種単独または二種以上を任意に組み合わせて使用することができる。本発明の義歯洗浄剤組成物におけるこれらの界面活性剤(アニオン系界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン系界面活性剤)の配合量は、制限されないものの、例えば原液型液体義歯洗浄剤組成物については全体の0.1~50質量%の範囲から適宜選択することができる。好ましくは0.5~30質量%であり、より好ましくは1~20質量%である。
溶剤としては、通常、水(イオン交換水)が用いられるが、エタノールなどの低級アルコールやグリセリンなどの多価アルコールなども、例えば1~30質量%程度、添加配合することもできる。
前述するカチオン系界面活性剤が除菌効果を発揮することから、殺菌剤は、特段配合しなくてもよいが、イソプロピルメチルフェノール等の非イオン性殺菌剤を配合することもできる。なお、本発明では、義歯洗浄剤成分として使用されている過炭酸ナトリウム、過ホウ酸ナトリウム等の過酸化物、次亜塩素酸又はその塩、亜硫酸塩などの酸化剤や漂白剤は、特に液体組成物中での安定性に乏しいため、配合しない(配合量0%)ほうがよい。仮に配合する場合であっても、配合量が原液型義歯洗浄剤組成物について全体の0.03%以下、特に0.01%以下になるように少量に留めることが好ましい。
本発明の義歯洗浄剤組成物は、使用時(水道水での希釈使用時)の20℃におけるpHが5~9になるように調整されたものであることが好ましい。好ましいpHは5.3~8である。pHはなりゆきでもよいが、適宜、pH調整剤を添加して調整してもよい。
本発明の義歯洗浄剤組成物は、前述する溶剤を用いて液体の形状に調製される。当該液体の義歯洗浄剤組成物は、使用時に希釈することなくそのまま使用できるものであってもよいが(原液型液体義歯洗浄剤組成物)、必要に応じて、濃縮型液体義歯洗浄剤組成物を水で希釈した希釈液に義歯を浸漬し、使用してもよい。浸漬して洗浄した後は、必要に応じて水ですすいで使用することができる。
濃縮型液体義歯洗浄剤組成物として調製する場合、水による希釈倍率が、使用性及び溶解性の点から、10~100倍希釈、特に10~50倍希釈したときに、カチオン系界面活性剤の濃度が前記原液型液体義歯洗浄剤組成物中の濃度範囲内となるよう、製剤濃度を設計することが好ましい。
義歯の浸漬時間は5分間以上とすることが好ましく、10分間以上がより好ましく、浸漬時間の上限は特に限定されないが、通常、8時間以内、特に6時間以内が好ましい。なお、歯ブラシなどで軽く汚れを落とした後に、本発明の液体義歯洗浄剤組成物を使用して義歯を浸漬すると更に効果的である。また、本発明の液体義歯洗浄剤組成物は、液体状で分散性が高いことから、希釈させた洗浄剤希釈液を用いて公知の超音波洗浄器を併用して洗浄しても良く、この場合、義歯の浸漬時間は15分間以内、特に5分間程度が好ましい。歯ブラシや超音波洗浄等を採用すると、より効率良く義歯汚れを除去できる。
(II)カチオン系界面活性剤の使用方法
本発明は、カチオン系界面活性剤として窒素原子に炭素数6~18の鎖式炭素鎖が1つ結合してなる化合物を義歯洗浄剤組成物に配合することで、当該義歯洗浄剤組成物に対して、除菌機能、及び義歯へのステイン付着を抑制する機能を付与することを特徴とする、前記カチオン系界面活性剤の使用方法を提供する。
当該カチオン系界面活性剤として使用される本化合物の種類や、義歯洗浄剤組成物に対するその割合などは、前記(I)で説明した通りであり、この欄にその記載を援用することができる。
以上、本明細書において、「含む」及び「含有する」の用語には、「からなる」及び「から実質的になる」という意味が含まれる。
以下、本発明の構成及び効果について、その理解を助けるために、実験例を用いて本発明を説明する。但し、本発明はこれらの実験例によって何ら制限を受けるものではない。以下の実験は、特に言及しない限り、室温(25±5℃)、及び大気圧条件下で実施した。なお、特に言及しない限り、以下に記載する「%」は「質量%」、「部」は「質量部」を意味する。
実験例1 カチオン系界面活性剤を含む水溶液の除菌作用、及び義歯へのステイン付着性の評価(その1)
表1に記載する各種のカチオン系界面活性剤を精製水に溶解して、濃縮型液体の義歯洗浄剤組成物(実施例1~3、比較例1~4)を調製した。これを用いて、下記の試験(除菌試験、ステイン付着[着色]試験)を実施し、除菌効果とステイン付着性を評価した。
(1)実験方法
(1-1)ステイン付着試験
下記の操作を実施した。
1)各濃縮型液体義歯洗浄剤組成物(実施例1~3、比較例1~4)を水道水で15倍に希釈した洗浄液2mLを6穴プレートに入れる。また、参考例として精製水を、同様に水道水で15倍に希釈した洗浄液2mLを6穴プレートに入れる。
2)予め、人工唾液に5秒間浸漬させておいたレジン(和田精密歯研株式会社製)(大きさ:20mm×20mm×1.5mmの正方形)を、前記の洗浄液2mL中に入れて浸漬する。
3)室温条件下で、30分間静置する。
4)静置後、レジンを洗浄液から取り出し、表面に付着した洗浄液をキムタオル(日本製紙クレシア社製)により除去する。
5)前記のレジンを、人工ステイン溶液(600mLの蒸留水にティーバック2袋を加え、10分間沸騰し煮出し、インスタントコーヒーを加え、攪拌溶解したものを室温まで冷却させたもの)に浸漬し、30分間静置する。
6)静置後、レジンをステイン溶液から取り出し、そのままの状態で、50℃恒温槽で乾燥させる。
7)前記1)~6)の操作を3回繰り返して、レジンの着色の程度を目視で観察した。
(1-2)除菌試験
カンジダ・アルビカンス(Candida albicans NBRC1595)(独立行政法人製品評価技術基盤機構より購入)を用い、次の手順に従い、除菌効果の評価試験を行った。カンジダ菌は、義歯等に付着して臭いや汚れの原因となることで知られている。
(1)カンジダ・アルビカンス NBRC1595菌株の培養
ポテトデキストロース寒天培地(コージンバイオ社製)において、35℃、一晩培養した菌株を、TSB培地(Trypticase Soy Broth、BD社製)に5%スクロースを添加した培地(5%スクロースTSB培地)に懸濁し、分光光度計を用いて、600nmにおける濁度(O.D.600)が0.150になるように適宜希釈した。次いで、6ウェルプレートに、100μg/mLで調整したアルブミンにて処理した3×3cmのPMMA樹脂プレートを1ウェルあたり1枚入れ、次いで、前述のように希釈して得た菌液5mLを添加し、35℃にて18時間静置培養し、樹脂プレートにバイオフィルムを形成させた。
(2)除菌試験
培養後、樹脂プレートをウェルからゆっくり取り出し、次いで、該樹脂プレートを、精製水で30倍に希釈した各濃縮型液体義歯洗浄剤組成物(実施例1~3、比較例1~4)に5分間浸漬させた(各組成物につきn=6)。その後、樹脂プレートをゆっくり取り出し、滅菌精製水にて洗浄した。次いで、洗浄した樹脂プレートをSCDLP液体培地(Soybean-Casein Digest Broth with Lecithin & Polysorbate 8、ダイゴ社製)に投入し、セルリフター(ビオラモ株式会社製)を用いて樹脂プレートからバイオフィルムを剥がして懸濁し、得られた懸濁液を用いて10倍希釈系列を作製し、10倍希釈液、100倍希釈液、1000倍希釈液を100μLずつGPLP寒天培地(Glucose Peptone Agar with Lecithin & Polysorbate 80、ダイゴ社製)に塗抹し、35℃にて24時間培養後、生育したコロニー数(前記懸濁液1mLあたりのコロニー数)をカウントした。これを、次式中の「洗浄後のコロニー数」とした。
次式を用いて除菌率を算出した。具体的には、まず樹脂プレート毎の除菌率Aを算出し、合計6枚の樹脂プレートの除菌率Aの平均値をもって、除菌試験の除菌率(%)とした。
[式]
除菌率A(%)={1-(洗浄後のコロニー数/未洗浄のコロニー数)}×100
なお、該式において「未洗浄のコロニー数」は、前記(2)において精製水で30倍に希釈した各濃縮型液体義歯洗浄剤組成に5分間浸漬させる工程を除く以外は、洗浄後のコロニー数と同様に試験してカウントしたコロニー数である。
(2)実験結果
実験結果を表1に纏めて記載する。
なお、試験結果は、下記の基準に従って評価した。
(2-1)ステイン付着性(着色)
○:参考例の洗浄液で処理したレジン(参考レジン)の着色の程度とほぼ変わらない。
×:前記参考レジンの着色の程度と比較して、明らかに着色の程度が濃くなっている。
(2-2)除菌効果
前記方法で算出した除菌率に基づいて、下記の基準に従って評価した。値が大きいほど除菌率が高いことを示す。
○:除菌率が99%以上
×:除菌率が99%未満
Figure 2022095335000001
表1に示すように、義歯洗浄剤にカチオン系界面活性剤を配合することで有効な除菌効果を得ることができることが確認されるとともに、使用するカチオン系界面活性剤の種類によっては、義歯素材にステインの付着が蓄積していくことが確認された(比較例1~4)。また、塩化セチルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウムなど窒素原子に炭素数が6~18の鎖式炭素鎖が1つ結合している化合物でも同様の傾向が確認された。カチオン系界面活性剤として、塩化ラウリルメチルアンモニウムのように窒素原子に炭素数6~18の鎖式炭素鎖が1つ結合してなる化合物を用いることで、有効な除菌効果が得られるとともに、義歯素材へのステイン付着の蓄積も抑制ないし予防できることが確認された。
実験例2 カチオン系界面活性剤を含む水溶液の除菌作用、及び義歯へのステイン付着性の評価(その2)
表2に記載する各種のカチオン系界面活性剤、及びその他の成分を精製水に溶解して、濃縮型液体の義歯洗浄剤組成物(実施例4~5、比較例5~6)を調製した。これを用いて、実験例1と同様の方法で除菌試験、及びステイン付着[着色]試験を実施し、除菌効果とステイン付着性を評価した。
結果を表2に併せて示す。
Figure 2022095335000002
表2に示すように、カチオン系界面活性剤として、塩化ラウリルメチルアンモニウムのように窒素原子に炭素数6~18の鎖式炭素鎖が1つ結合してなる化合物、特に第4級アンモニウム塩を用いることで、有効な除菌効果が得られるとともに、義歯素材へのステイン付着の蓄積も抑制ないし予防できることが確認された。一方、カチオン系界面活性剤として、ジデシルジメチルアンモニウム硫酸塩のように、窒素原子に炭素数6~18の鎖式炭素鎖が2つ結合してなる第4級アンモニウム塩物や、ベンザルコニウム塩化物のように炭素数6~18の環式炭素鎖を有する第4級アンモニウム塩は、有効な除菌効果は得られるものの、使用に伴い義歯素材にステインが蓄積し、着色していくことが確認された。
下記表に記載する処方に従って、本発明の濃縮型液体状の義歯洗浄剤組成物を調製した。これらは、使用時に水道水で10~50倍に希釈して義歯の浸漬洗浄に使用することができる。
Figure 2022095335000003

Claims (3)

  1. カチオン系界面活性剤として、炭素数6~18の鎖式炭素鎖を有する基が窒素原子に1つ結合してなる化合物を含有する、義歯洗浄剤組成物。
  2. 前記化合物が第4級アンモニウム塩である、請求項1に記載する義歯洗浄剤組成物。
  3. 液体組成物である、請求項1又は2に記載する義歯洗浄剤組成物。
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