JP2018104345A - 義歯ケア組成物及び義歯防汚剤 - Google Patents
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Description
しかし、義歯は、構造が複雑である上に一部が金属で形成されているため、ブラッシングによって完全に汚れを除去することはできず、義歯を傷つけてしまうおそれもあり、また、義歯洗浄剤による洗浄によって汚れを完全に除去することは難しく、洗浄成分によっては義歯が変色や損傷する問題もあった。
特許文献1、2(特開2000−178159号公報、特開2001−172152号公報)には、保持剤にシリコーン油、更には界面活性剤を含浸させることによって、義歯の汚れを除去しながら、義歯をコーティングし、汚れ付着阻止効果及び易洗浄効果を与える義歯ケア剤が提案されている。
本発明によれば、化粧料の保湿成分などとしては公知であるピロリドンカルボン酸又はその塩が、義歯用製剤に応用すると、後述の実験例に示すように牛脂汚れといった義歯に頑固に付着する食渣汚れであってもその付着を高率で抑制する、予想外の作用効果を奏する。本発明では、洗浄作用がある界面活性剤の単なる使用では達成されない、特異的かつ格別な作用効果を与える。
特許文献3(特開2014−40408号公報)では、歯垢付着抑制効果が優れる洗口剤等の液体口腔用組成物がピロリドンカルボン酸塩を含有するが、これはカチオン性殺菌剤及びカチオン性高分子による歯垢付着抑制である。特許文献4(特開平11−35987号公報)は、過酸化物を含有する硬質表面用固形洗浄剤組成物へのピロリドンカルボン酸塩の配合を開示するが、これは発泡剤である。これらに対して、本発明は、(A)ピロリドンカルボン酸又はその塩による義歯の防汚であって、義歯への食渣汚れの付着抑制である。
〔1〕
(A)ピロリドンカルボン酸又はその塩を含有することを特徴とする義歯ケア組成物。
〔2〕
(A)ピロリドンカルボン酸又はその塩の含有量が0.1〜20質量%である〔1〕記載の義歯ケア組成物。
〔3〕
更に、(B)界面活性剤を含有する〔1〕又は〔2〕記載の義歯ケア組成物。
〔4〕
(B)界面活性剤が、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル及びアルキロールアミドから選ばれる1種以上のノニオン性界面活性剤である〔3〕記載の義歯ケア組成物。
〔5〕
(B)界面活性剤の含有量が0.1〜2質量%である〔3〕又は〔4〕記載の義歯ケア組成物。
〔6〕
(A)/(B)が質量比として0.2〜50である〔3〕〜〔5〕のいずれかに記載の義歯ケア組成物。
〔7〕
液体である〔1〕〜〔6〕のいずれかに記載の義歯ケア組成物。
〔8〕
(A)ピロリドンカルボン酸又はその塩からなる義歯防汚剤。
〔9〕
(A)ピロリドンカルボン酸又はその塩と(B)界面活性剤とからなる義歯防汚剤。
〔10〕
(B)界面活性剤が、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル及びアルキロールアミドから選ばれる1種以上のノニオン性界面活性剤である〔9〕記載の義歯防汚剤。
〔11〕
(A)/(B)が質量比として0.2〜50である〔9〕又は〔10〕記載の義歯防汚剤。
ピロリドンカルボン酸は塩でもよく、その塩としては、例えば酸付加塩、塩基付加塩、アミノ酸塩が挙げられる。その具体例として、塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、ヨウ化水素酸塩、硝酸塩、リン酸塩等の無機酸塩;クエン酸塩、シュウ酸塩、酢酸塩、ギ酸塩、プロピオン酸塩、安息香酸塩、トリフルオロ酢酸塩、マレイン酸塩、酒石酸塩、メタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、パラトルエンスルホン酸塩等の有機酸塩;ナトリウム塩、カリウム塩などのアルカリ金属塩、カルシウム塩、マグネシウム塩などのアルカリ土類金属塩、銅塩、亜鉛塩、アルミニウム塩、アンモニウム塩等の無機塩基塩;トリエチルアンモニウム塩、トリエタノールアンモニウム塩、ピリジニウム塩、ジイソプロピルアンモニウム塩等の有機塩基塩;リシン塩、アルギニン塩、ヒスチジン塩、アスパラギン酸塩、グルタミン酸塩等のアミノ酸塩が挙げられる。これらの塩の中でも水溶性の塩が好ましく、より好ましくは水溶性のアルカリ金属塩、特にナトリウム塩、カリウム塩である。
ピロリドンカルボン酸又はその塩としては、市販品を使用することもできる。例えば、味の素(株)から発売されているピロリドンカルボン酸ナトリウム「AJIDEW(登録商標) N−50」、ピロリドンカルボン酸「AJIDEW(登録商標) A−100」等が挙げられる。
また、ポリオキシエチレンアルキルエーテルのエチレンオキサイドの平均付加モル数(E.O.)は、15〜30が好ましく、アルキル基の炭素数は12〜18が好ましい。ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油のエチレンオキサイドの平均付加モル数(E.O.)は40〜100が好ましい。これらを満たすと、食渣汚れ付着抑制効果がより改善する。
これら界面活性剤は、市販品を使用し得る。
なお、義歯防汚剤として成分(A)を単独で配合し、成分(B)が無配合の場合には、特に食渣汚れ付着抑制効果の点から、成分(A)を組成物全体の3%以上、特に10%以上配合すると、食渣汚れ付着抑制効果がより優れ、更に効果的である。
表1〜3に示す組成の義歯ケア組成物を常法により調製し、得られた義歯ケア組成物を薬液として用い、下記方法によって評価した。表1〜3に示す結果が得られた。
(1)食渣汚れの作製
牛脂(和光純薬工業(株)製)にスダンIV(東京化成工業(株)製)を0.1%添加したものを食渣汚れとして用いた。
(2)食渣汚れ付着抑制効果の評価
義歯床モデル(アクリル板、縦20mm×横30mm×厚さ5mm)を薬液50mLに10秒間浸漬させた後、1.5gの食渣汚れに蒸留水100mLを加えた溶液に10秒間入れて、一定の速度で引き抜いた。その際にアクリル板に付着した牛脂量を測定し、下記式により食渣汚れ付着抑制率を算出した。得られた付着抑制率から下記の判定基準に従って評価した。
食渣汚れ付着抑制率(%)
=(薬液未処置時の牛脂付着量−薬液処置時の牛脂付着量)/薬液未処置時の牛脂付着量×100
食渣汚れ付着抑制効果の判定基準:
++++:70%以上
+++: 50%以上70%未満
++: 30%以上50%未満
+: 10%以上30%未満
−: 10%未満
義歯床モデルを薬液50mLに10秒間浸漬させた後、口に含んだ際の苦味や異味のなさについて、判定士5名が下記の判定基準に従って判定した。5名の平均値を求め、下記の評価基準に従って評価し、義歯装着時の苦味や異味のなさを判断した。
使用性のよさ(苦味や異味のなさ)の判定基準:
4点:非常に良い
3点:良い
2点:あまり良くない
1点:非常に良くない
評価基準:
◎:平均点3.5点以上
○:平均3.0点以上3.5点未満
△:平均2.0点以上3.0点未満
×:平均2.0点未満
(A)ピロリドンカルボン酸ナトリウム
(商品名;AJIDEW(登録商標) N−50、味の素(株)製)
(B)ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油
(商品名;NIKKOL HCO−60、E.O.60、日光ケミカルズ(株)製)
(B)ポリオキシエチレンアルキルエーテル
(商品名;EMALEX615、E.O.15、日本エマルジョン(株)製)
(B)グリセリン脂肪酸エステル
(商品名;サンソフトQ−14S−C、太陽化学(株)製)
(B)ソルビタン脂肪酸エステル
(商品名;NIKKOL SS−10V、日光ケミカルズ(株)製)
(A)ピロリドンカルボン酸ナトリウム 5%
(B)ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(E.O.60) 0.5
塩化セチルピリジニウム 0.05
プロピレングリコール 5
グリセリン 5
キシリット 4
サッカリンナトリウム 0.01
クエン酸 0.05
クエン酸ナトリウム 0.3
パラオキシ安息香酸メチル 0.1
パラオキシ安息香酸プロピル 0.05
メントール 0.1
香料 0.2
精製水 バランス
合計 100%
(A)/(B)=10
Claims (11)
- (A)ピロリドンカルボン酸又はその塩を含有することを特徴とする義歯ケア組成物。
- (A)ピロリドンカルボン酸又はその塩の含有量が0.1〜20質量%である請求項1記載の義歯ケア組成物。
- 更に、(B)界面活性剤を含有する請求項1又は2記載の義歯ケア組成物。
- (B)界面活性剤が、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル及びアルキロールアミドから選ばれる1種以上のノニオン性界面活性剤である請求項3記載の義歯ケア組成物。
- (B)界面活性剤の含有量が0.1〜2質量%である請求項3又は4記載の義歯ケア組成物。
- (A)/(B)が質量比として0.2〜50である請求項3〜5のいずれか1項記載の義歯ケア組成物。
- 液体である請求項1〜6のいずれか1項記載の義歯ケア組成物。
- (A)ピロリドンカルボン酸又はその塩からなる義歯防汚剤。
- (A)ピロリドンカルボン酸又はその塩と(B)界面活性剤とからなる義歯防汚剤。
- (B)界面活性剤が、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル及びアルキロールアミドから選ばれる1種以上のノニオン性界面活性剤である請求項9記載の義歯防汚剤。
- (A)/(B)が質量比として0.2〜50である請求項9又は10記載の義歯防汚剤。
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