JP2022116495A - 口腔内装着器具用洗浄剤組成物 - Google Patents

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拓弥 半田
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Abstract

【課題】口腔内装着器具への適用時等における酵素臭を有効に抑制しながら、高い酵素活性を良好に保持することのできる口腔内装着器具用洗浄剤組成物に関する。【解決手段】次の成分(A)~(C):(A)プロテアーゼ、アミラーゼ、ムタナーゼ、及びデキストラナーゼから選ばれる1種又は2種以上の酵素 0.005質量%以上1質量%以下(B)アニオン界面活性剤(b1)、及び両性界面活性剤(b2)から選ばれる1種又は2種以上の界面活性剤(C)水 20質量%以上99.5質量%以下を含有し、成分(B)の含有量と成分(A)の含有量との質量比((B)/(A))が10以上350以下である口腔内装着器具用洗浄剤組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、口腔内装着器具用洗浄剤組成物に関する。
近年における超高齢化の進展に伴い、義歯のような脱着可能な口腔内装着器具の装着を余儀なくされる人々が加速的に増加している。このような着脱可能な口腔内装着器具、例えば義歯や歯科矯正器具等は、装着中に付着したデンチャープラークや食物残渣等の汚れが残存しやすい。また、デンチャープラーク等が残存したまま口腔内装着器具を装着すれば、口臭やう蝕、歯周病等を引き起こすおそれがある。
このように、身体の健康を維持する上でも口腔内装着器具を清潔に保つ必要があり、日々の細やかな手入れが不可欠となるなか、デンチャープラーク等の除去効果に優れる酵素を用いた種々の口腔内装着器具用洗浄剤組成物が開発されている。
例えば、特許文献1には、特定のポリグリセリン脂肪酸エステル及びプロテアーゼとともに、カチオン性殺菌剤及び水を特定の質量比で含有する濃縮タイプの義歯洗浄剤液体組成物が開示されており、デンチャーバイオフィルムの除去力と義歯浸漬液の防腐力の向上を図っている。
また、特許文献2にも、濃縮タイプの義歯洗浄剤液体組成物が開示されており、デンチャーバイオフィルムの除去力を高めるとともに、酵素臭のマスキング効果の発揮を試みている。
特開2010-6720号公報 特開2011-241167号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載の技術であっても、酵素臭を充分に抑制しつつ高い酵素活性をも良好に保持するには、さらなる改善を要する。
また、上記特許文献2に記載の技術は、単に和種ハッカ油によってマスキング効果を図るのみであり、根本的な酵素臭の抑制を図るものではない。
ここで本発明者らは、水を一定量以上含有する口腔内装着器具用洗浄剤組成物に酵素を特定量で配合すると、洗浄後に口腔内装着器具を装着すべく顔の前に口腔内装着器具を近付けた時や、口腔内装着器具へ洗浄剤組成物を適用する時に酵素臭が気になることに新たに着目した。そして、この課題を解決すべく鋭意検討を行ったところ、水を一定量含有する口腔内装着器具用洗浄剤組成物において、酵素に対して特定の界面活性剤を特定比率で使用すると、酵素臭を有効に抑制することができることを見出した。
したがって、本発明は、口腔内装着器具への適用時等における酵素臭を有効に抑制しながら、高い酵素活性を良好に保持することのできる口腔内装着器具用洗浄剤組成物に関する。
そこで本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、水を一定量含有する口腔内装着器具用洗浄剤組成物において、プロテアーゼ等の特定の酵素を特定量で含有しつつ、アニオン界面活性剤及び両性界面活性剤から選ばれる1種又は2種以上の界面活性剤を特定の質量比で含有することにより、口腔内装着器具への適用時等における酵素臭を有効に抑制するとともに、高い酵素活性を良好に保持することのできる口腔内装着器具用洗浄剤組成物を見出した。
すなわち、本発明は、次の成分(A)~(C):
(A)プロテアーゼ、アミラーゼ、ムタナーゼ、及びデキストラナーゼから選ばれる1種又は2種以上の酵素 0.005質量%以上1質量%以下
(B)アニオン界面活性剤(b1)、及び両性界面活性剤(b2)から選ばれる1種又は2種以上の界面活性剤
(C)水 20質量%以上99.5質量%以下
を含有し、成分(B)の含有量と成分(A)の含有量との質量比((B)/(A))が5以上350以下である口腔内装着器具用洗浄剤組成物を提供するものである。
本発明の口腔内装着器具用洗浄剤組成物によれば、口腔内装着器具への適用時等において、不快感の要因となる酵素臭を有効に抑制しつつ、高い酵素活性を良好に保持することができ、快適な使用感のもと、デンチャープラーク等の除去効果を充分に発揮することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
なお、本明細書において「口腔内装着器具」とは、全部床義歯、部分床義歯、歯列矯正器具、リテイナー(以下、これらを総称して「義歯等」ともいう。)、或いはマウスピース、マウスガード等の、いわゆる口腔内にて着脱を要する歯科用装着器具を意味する。具体的には、例えば、全部床義歯(総入れ歯)とは、無歯顎に装着するための義歯であって、人工歯と義歯床から構成されてなる。一方、部分床義歯(部分入れ歯)とは、部分的に歯が失われた顎に装着するための義歯であって、人工歯、義歯床、及びクラスプやレスト、アタッチメント等の支台装置から構成されてなり、歯列矯正器具やリテイナーもこれに類する構成を有する。義歯床の材質としては、一般的にアクリルレジン等の樹脂が挙げられ、人工歯や支台装置の材質としては、かかる樹脂のほか、チタン等の金属やセラミック等が挙げられる。マウスピースやマウスガードの材質としては、一般的にエチレン酢酸ビニル等の樹脂が挙げられる。
また、本明細書において「酵素臭」とは、口腔内装着器具の洗浄時、すなわち組成物を口腔内装着器具に適用した際や、口腔内装着器具を装着すべく顔の前に口腔内装着器具を近付けた際等に発生する、不快に感じる酵素由来の独特な臭いを意味する。
さらに、本明細書において、「デンチャープラーク」とは、口腔内装着器具に付着した菌と菌が生産する細胞外物質の集合体を意味する。
本発明の口腔内装着器具用洗浄剤組成物は、成分(A)として、プロテアーゼ、アミラーゼ、ムタナーゼ、及びデキストラナーゼから選ばれる1種又は2種以上の酵素を0.005質量%以上1質量%以下含有する。本発明の口腔内装着器具用洗浄剤組成物であれば、これら成分(A)による高い酵素活性を良好に保持することができるため、種々の酵素反応を有効に進行させて、デンチャープラーク等の除去効果等を充分に発揮することができる。
成分(A)の含有量は、優れたデンチャープラーク等の除去効果等を有効に発揮する観点から、本発明の口腔内装着器具用洗浄剤組成物中に、0.005質量%以上であって、好ましくは0.01質量%以上であり、より好ましくは0.015質量%以上であり、さらに好ましくは0.02質量%以上である。また、成分(A)の含有量は、成分(A)由来の酵素臭を有効に抑制する観点から、本発明の口腔内装着器具用洗浄剤組成物中に、1質量%以下であって、好ましくは0.8質量%以下であり、より好ましくは0.6質量%以下であり、さらに好ましくは0.4質量%以下である。そして、成分(A)の含有量は、本発明の口腔内装着器具用洗浄剤組成物中に、0.005質量%以上1質量%以下であって、好ましくは0.01~0.8質量%であり、より好ましくは0.015~0.6質量%であり、さらに好ましくは0.02~0.4質量%である。
より具体的には、例えば成分(A)がプロテアーゼである場合、かかる含有量は、本発明の口腔内装着器具用洗浄剤組成物中に、好ましくは0.01~0.8質量%であり、より好ましくは0.015~0.6質量%であり、さらに好ましくは0.02~0.4質量%である。
プロテアーゼの含有量は、次の定量法を用いることにより求めることができる。具体的には、まず口腔内装着器具用洗浄剤組成物を5%チオ硫酸ナトリウム・2mM フッ化フェニルメチルスルホニル水溶液10mLに溶解させ、うち0.2mLに、-20℃に冷却した15%トリクロロ酢酸のアセトン溶液1mLを添加後、-20℃で一晩静置させる。遠心分離後、ペレットに-30℃に冷却したアセトン1mLを添加し、次いで-20℃で10分静置させた後、再度遠心分離を行い、そのペレットを1時間風乾させる。得られたペレットを0.1N 水酸化ナトリウム水溶液0.2mLで再溶解させ、DC protein assayキット(Bio-rad)にてプロテアーゼを定量する。
本発明の口腔内装着器具用洗浄剤組成物は、成分(B)として、アニオン界面活性剤(b1)、及び両性界面活性剤(b2)から選ばれる1種又は2種以上の界面活性剤を含有する。このように、特定の界面活性剤である成分(B)を成分(A)に対して特定の質量比にて含有することにより、成分(A)由来の酵素臭を効果的に抑制しながら、高い酵素活性を保持することができる。
成分(b1)のアニオン界面活性剤としては、具体的には、N-アシルアミノ酸又はその塩、N-アシルタウリン又はその塩、α-オレフィンスルホン酸又はその塩、アルキル硫酸エステル塩、並びに脂肪酸又はその塩から選択される1種又は2種以上が挙げられる。
このように、アニオン界面活性剤である成分(b1)を成分(A)とともに含有することにより、酵素活性の低下を抑えつつ酵素臭を抑制することが可能となり、成分(A)の優れたデンチャープラーク等の除去効果等を有効に発揮させることができる。
N-アシルアミノ酸及びN-アシルタウリンのアシル基は、成分(A)由来の酵素臭を効果的に抑制しつつ、高い酵素活性を有効に保持する観点から、飽和又は不飽和の直鎖又は分岐鎖を有する脂肪酸又はそれらの混合脂肪酸を由来としたものであって、直鎖脂肪酸又は直鎖脂肪酸の混合脂肪酸を由来としたものが好ましく、炭素数6~22のアシル基であるのが好ましく、炭素数10~20のアシル基であるのがより好ましく、炭素数12~18のアシル基であるのがさらに好ましい。
かかるアシル基としては、成分(A)由来の酵素臭を効果的に抑制する観点から、カプリロイル基、ラウロイル基、ミリストイル基、パルミトイル基、ステアロイル基、及びココイル基から選ばれる1種又は2種以上が好ましく、ラウロイル基、ミリストイル基、及びココイル基から選ばれる1種又は2種以上がより好ましく、ラウロイル基、及びココイル基から選ばれる1種以上がさらに好ましい。
N-アシルアミノ酸を構成するアミノ酸部分は、グルタミン酸、アスパラギン酸、グリシンのいずれであってもよく、D体、L体或いはD体とL体の混合物のいずれであってもよく、L体であるのが好ましい。
以上より、N-アシルアミノ酸としては、具体的には、N-ラウロイルグルタミン酸、N-ミリストイルグルタミン酸、N-ココイルグルタミン酸、N-ラウロイルアスパラギン酸、N-ミリストイルアスパラギン酸、及びN-ココイルアスパラギン酸、N-ラウロイルグリシン、N-ミリストイルグリシン、N-ココイルグリシンから選ばれる1種又は2種以上が好ましく、N-ラウロイルグルタミン酸、及びN-ココイルグルタミン酸から選ばれる1種又は2種がより好ましい。
N-アシルタウリンとしては、ココイル脂肪酸タウリン、ココイルメチルタウリン、N-カプロイルメチルタウリン、N-ラウロイルタウリン、N-ラウロイルメチルタウリン、N-ミリストイルメチルタウリン、N-パルミトイルメチルタウリン、N-ステアロイルメチルタウリン、及びN-オレオイルメチルタウリンから選ばれる1種又は2種以上が好ましく、N-ラウロイルメチルタウリン、及びN-ミリストイルメチルタウリンから選ばれる1種又は2種がより好ましく、N-ラウロイルメチルタウリンが好ましい。
α-オレフィンスルホン酸及びその塩が有するオレフィン基は、炭素数8~18であるのが好ましく、炭素数14~16であるのがより好ましく、炭素数14であるのがさらに好ましい。
アルキル硫酸エステル塩としては、炭素数8~18の飽和又は不飽和のアルキル基を有するものが好ましく、具体的には、デシル硫酸塩、ラウリル硫酸塩、ミリスチル硫酸塩、パルミチル硫酸塩、ステアリル硫酸塩、オクチル硫酸塩、カプリル硫酸塩等が挙げられる。なかでも、炭素数10~12の飽和アルキル基を有するものが好ましく、具体的には、ラウリル硫酸塩がより好ましい。
脂肪酸又はその塩としては、具体的には、ラウリン酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸又はこれらの塩等が挙げられ、ラウリン酸、パルミトレイン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸又はこれらの塩が好ましい。なかでも、水への溶解性を確保する観点から、ラウリン酸、オレイン酸又はこれらの塩が好ましく、オレイン酸又はその塩がより好ましい。
これら成分(b1)の塩としては、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属塩;カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属塩;アルミニウム、亜鉛等の他の無機塩;アンモニウム塩;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等の有機アミン塩;アルギニン塩、リジン塩、ヒスチジン塩、オルニチン塩等の塩基性アミノ酸塩等が挙げられる。これらは、1種単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。なかでも、成分(A)由来の酵素臭の抑制効果や入手容易性の観点から、アルカリ金属塩が好ましく、ナトリウム塩、及びカリウム塩がより好ましい。
これら成分(b1)のなかでも、成分(A)由来の酵素臭の抑制と高い酵素活性の保持との両立を有効に図る観点から、N-アシルアミノ酸又はその塩、アルキル硫酸エステル塩、並びに脂肪酸又はその塩から選択される1種又は2種以上であるのがより好ましい。
成分(b2)の両性界面活性剤としては、具体的には、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン等の酢酸ベタイン;ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン等のヤシ油脂肪酸アミドアルキルベタイン;ラウリルスルホベタインやラウリルヒドロキシスルホベタイン等のアルキルスルホベタイン;2-アルキル-N-カルボキシメチル-N-ヒドロキシエチル-N-イミダゾリウムベタイン等のイミダゾリニウムベタイン;カルボキシベタイン;N-アルキル-1-ヒドロキシエチルイミダゾリンベタインナトリウム等のアルキルイミダゾリンベタイン塩;ラウリルジメチルアミンオキシド等のアルキルアミンオキシドから選択される1種又は2種以上が挙げられる。
なかでも、ヤシ油脂肪酸アミドアルキルベタイン、アルキルスルホベタイン、及びアルキルアミンオキシド、から選択される1種又は2種以上が好ましく、ヤシ油脂肪酸アミドアルキルプロピルベタイン、アルキルアミンオキシドがより好ましく、アルキルアミンオキシドがさらに好ましい。
成分(B)の含有量は、成分(A)由来の酵素臭を効果的に抑制する観点から、本発明の口腔内装着器具用洗浄剤組成物中に、好ましくは0.15質量%以上であり、より好ましくは0.3質量%以上であり、さらに好ましくは0.4質量%以上であり、よりさらに好ましくは0.5質量%以上である。また、成分(B)の含有量は、水への成分(A)の溶解性、及び高い酵素活性を有効に保持する観点から、本発明の口腔内装着器具用洗浄剤組成物中に、好ましくは20質量%以下であり、より好ましくは15質量%以下であり、さらに好ましくは10質量%以下であり、よりさらに好ましくは5質量%以下であり、よりさらに好ましくは3質量%以下であり、よりさらに好ましくは1.5質量%以下である。そして、成分(B)の含有量は、本発明の口腔内装着器具用洗浄剤組成物中に、好ましくは0.15~20質量%であり、より好ましくは0.3~15質量%であり、さらに好ましくは0.4~10質量%であり、よりさらに好ましくは0.5~5質量%であり、よりさらに好ましくは0.5~3質量%であり、よりさらに好ましくは0.5~1.5質量%である。
成分(B)の含有量と成分(A)の含有量との質量比((B)/(A))は、成分(A)による高い酵素活性を減じることを抑えつつ、成分(A)由来の酵素臭を効果的に抑制する観点から、5以上であって、好ましくは7以上であり、より好ましくは9以上であり、さらに好ましくは10以上であり、よりさらに好ましくは12以上であり、350以下であって、好ましくは300以下であり、より好ましくは250以下であり、さらに好ましくは200以下であり、よりさらに好ましくは150以下であり、よりさらに好ましくは90以下である。そして、成分(B)の含有量と成分(A)の含有量との質量比((B)/(A))は、5以上350以下であって、好ましくは7~300であり、より好ましくは9~250であり、さらに好ましくは10~200であり、よりさらに好ましくは12~150であり、よりさらに好ましくは12~90である。
本発明の口腔内装着器具用洗浄剤組成物は、成分(C)として、水を20質量%以上99.5質量%以下含有する。これにより、予め水に溶解する等の手間を要することなく、口腔内装着器具へ、簡易に適用することができる。一方で、成分(C)水を多量に含有することにより、成分(A)由来の酵素臭が強く感じられてしまうという課題が発生するところ、本発明の口腔内装着器具用洗浄剤組成物であれば、かかる課題の解決をも図ることができる。
成分(C)の含有量は、本発明の口腔内装着器具用洗浄剤組成物中に、20質量%以上であって、好ましくは30質量%以上であり、より好ましくは40質量%以上であり、さらに好ましくは50質量%以上である。また、成分(C)の含有量は、本発明の口腔内装着器具用洗浄剤組成物中に、99.5質量%以下であって、好ましくは99質量%以下であって、より好ましくは98.5質量%以下であり、さらに好ましくは98質%以下である。成分(C)の含有量は、本発明の口腔内装着器具用洗浄剤組成物中に、20質量%以上99.5質量%以下であって、好ましくは30~99質量%であり、より好ましくは40~98.5質量%であり、さらに好ましくは50~98質量%である。
なお、本発明における水とは、口腔内装着器具用洗浄剤組成物に直接配合した精製水等だけでなく、配合した各成分に含まれる水分をも含む、口腔内装着器具用洗浄剤組成物中に含まれる全水分を意味する。そして、本発明の口腔内装着器具用洗浄剤組成物中の水の含有量は、配合した水分量及び配合した成分中の水分量から計算によって算出することもできるが、例えばカールフィッシャー水分計で測定することができる。カールフィッシャー水分計としては、例えば、微量水分測定装置(平沼産業社製)を用いることができる。この装置では、口腔内装着器具用洗浄剤組成物を5gとり、無水メタノール25gに懸濁させ、この懸濁液0.02gを分取して水分量を測定することができる。
成分(C)の含有量と成分(A)の含有量との質量比((C)/(A))は、口腔内装着器具への口腔内装着器具用洗浄剤組成物の適用時等に口腔内装着器具用洗浄剤組成物中の成分(A)及び(B)の拡散性を高めつつ、成分(A)による高い酵素活性を減じることを抑えつつ、成分(A)由来の酵素臭を効果的に抑制する観点から、好ましくは20以上であり、より好ましくは30以上であり、さらに好ましくは50以上であり、よりさらに好ましくは100以上であり、好ましくは19800以下であり、より好ましくは10000以下であり、さらに好ましくは7000以下であり、よりさらに好ましくは5000以下である。そして、成分(C)の含有量と成分(A)の含有量との質量比((C)/(A))は、好ましくは20~19800であり、より好ましくは30~10000であり、よりさらに好ましくは50~7000であり、よりさらに好ましくは100~5000である。
本発明の口腔内装着器具用洗浄剤組成物は、さらに香料化合物(D)を含有してもよいが、含有を制限してもよい。香料化合物(D)を含有することにより、洗浄時に口腔内において心地よい香気をもたらし、成分(A)由来の酵素臭の抑制に適度に寄与させることが可能となる。一方、本発明の口腔内装着器具用洗浄剤組成物であれば、成分(A)由来の酵素臭が抑制されているため、香料化合物(D)の含有量を制限することもできる。
かかる成分(D)としては、成分(A)由来の酵素臭の抑制に寄与しつつ、洗浄後の口腔内装着器具において過度に残留することなく、かえって不快臭の要因ともなり得る過剰な香気の発生を低減する観点から、メントール、リモネン、リナロール、シトラール、イソプレゴール、乳酸メンチル、バニリン、メンチルラクテート、カンファー、アネトール、サリチル酸メチル、ユーカリプトール、カッシア、1,8-メンチルアセテート、オイゲノール、オキサノン、α-イリソン、プロペニルグアエトール、リナノール、ベンズアルデヒド、シンナムアルデヒドグリセロールアセタール、メントン、ピネン、ゲラニオール、ボルネオール、ペリルアルデヒド、シトロネラール、カンフル、シネオール、アネトールカルボン、オシメン、n-アミルアルコール、シトロネロール、α-テルピネオール、シトロネオールアセテート、エチルリナロール、ワニリン、イオノン、シス-3-ヘキセノール、δ-ウンデカラクトン、チモール、桂皮油、ピメント油、シソ油、アニス油、ペパーミントオイル、ウインターグリーンオイル、サッサフラスオイル、丁子油、セージ油、マヨナラ油、肉桂油、ユーカリ、コーンミント油、チャノキ、チャノキ油コモン、スペアミントオイル、レモンオイル、及びタイム油から選ばれる1種又は2種以上が挙げられる。
成分(D)の含有量は、洗浄時において、成分(A)由来の酵素臭の抑制効果及び高い酵素活性の保持効果を阻害することなく、口腔内に心地よい香気をもたらし、その香気を良好に保持する観点からは、本発明の口腔内装着器具用洗浄剤組成物中に、好ましくは0.008質量%以上であり、より好ましくは0.01質量%以上であり、さらに好ましくは0.012質量%以上であり、よりさらに好ましくは0.014質量%以上である。また、成分(D)の含有量は、洗浄後の口腔内装着器具における過度な香気の残留を有効に回避する観点からは、本発明の口腔内装着器具用洗浄剤組成物中に、好ましくは0.8質量%以下であり、より好ましくは0.2質量%以下であり、さらに好ましくは0.05質量%以下であり、よりさらに好ましくは0.02質量%以下である。そして、成分(D)の含有量は、本発明の口腔内装着器具用洗浄剤組成物中に、好ましくは0.008~0.8質量%であり、より好ましくは0.01~0.2質量%であり、さらに好ましくは0.012~0.05質量%であり、よりさらに好ましくは0.014~0.02質量%である。
一方で、本発明の口腔内装着器具用洗浄剤組成物であれば、成分(A)由来の酵素臭が抑制されているため、香料化合物(D)の含有量を制限することもでき、その場合、香料化合物(D)の含有量は、本発明の口腔内装着器具用洗浄剤組成物中に、好ましくは0.5質量%未満であってもよく、より好ましくは0.4質量%未満であってもよく、さらに好ましくは0.3質量%未満であってもよく、さらに好ましくは0.2質量%未満であってもよく、さらに好ましくは0.1質量%未満であってもよく、さらに好ましくは0.05質量%未満であってもよく、さらに好ましくは0.025質量%未満であってもよく、よりさらに好ましくは0.01質量%未満であってもよく、よりさらに好ましくは成分(D)を含有しなくてもよい。
本発明の口腔内装着器具用洗浄剤組成物は、さらに、pH調整剤(E)を含有することができる。これにより、成分(A)由来の酵素臭を抑制しつつ、高い酵素活性を保持するのに有効なpHを維持することができる。
成分(E)としては、具体的には、例えば、炭酸塩や重炭酸塩;水酸化物;クエン酸、リンゴ酸、乳酸、酒石酸、コハク酸等の有機酸又はこれらの塩;塩酸、硫酸、硝酸、リン酸等の無機酸又はこれらの塩から選ばれる1種又は2種以上が挙げられる。なかでも、炭酸塩、重炭酸塩、水酸化物、有機酸、及び塩酸から選ばれる1種又は2種以上が好ましく、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、水酸化カリウム、クエン酸、リンゴ酸、乳酸、酒石酸、コハク酸、及び塩酸から選ばれる1種又は2種以上がより好ましく、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、クエン酸、及び塩酸から選ばれる1種又は2種以上がよりさらに好ましい。
成分(E)の含有量は、本発明の口腔内装着器具用洗浄剤組成物のpHを安定化させる観点から、本発明の口腔内装着器具用洗浄剤組成物中に、好ましくは0.1質量%以上であり、より好ましくは0.15質量%以上であり、さらに好ましくは0.2質量%以上である。また、成分(E)の含有量は、本発明の口腔内装着器具用洗浄剤組成物中に、60質量%以下であって、好ましくは20質量%以下であり、より好ましくは10質量%以下であり、より好ましくは5質量%以下である。そして、成分(E)の含有量は、本発明の口腔内装着器具用洗浄剤組成物中に、好ましくは0.1~60質量%であり、より好ましくは0.1~20質量%であり、さらに好ましくは0.15~10質量%であり、よりさらに好ましくは0.2~5質量%である。
本発明の口腔内装着器具用洗浄剤組成物は、成分(A)由来の酵素臭を抑制しつつも、特にデンチャープラーク等の除去効果を一層高める観点から、さらに、アニオン性ホモポリマー又はコポリマー(F)を含有するのが好ましい。
アニオン性のホモポリマー又はコポリマーとは、アニオン性モノマー由来の構成単位を含むホモポリマー又はコポリマーであり、アニオン性モノマー1種のみ由来の構成単位からなるホモポリマーであってもよく、2種以上のアニオン性モノマー由来の構成単位からなるコポリマーであってもよく、或いはアニオン性モノマー由来の構成単位と、アニオン性モノマー以外の他のモノマー由来の構成単位とからなるコポリマーであってもよい。
成分(F)の質量平均分子量は、デンチャープラーク等の除去効果を効果的に高める観点から、好ましくは2000以上であり、より好ましくは5000以上であり、さらに好ましくは8000以上であり、よりさらに好ましくは10000以上である。また、成分(F)の質量平均分子量は、各成分の良好な溶解性又は分散性を確保する観点から、好ましくは500000以下であり、より好ましくは350000以下であり、さらに好ましくは200000以下であり、よりさらに好ましくは100000以下である。そして、成分(F)の質量平均分子量は、好ましくは2000以上500000以下であり、より好ましくは5000~350000であり、さらに好ましくは8000~200000であり、よりさらに好ましくは10000~100000である。
なお、質量平均分子量(Mw)とは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(クロロホルム溶媒、直鎖ポリスチレンを標準として定められた較正曲線、屈折率検出器を用いる)測定によって求められる値を意味する。
成分(F)が含むアニオン性モノマー由来の構成単位は、デンチャープラーク除去効果の発揮に大いに寄与させる観点から、カルボキシル基、スルホ基、又はリン酸基を有するアニオン性モノマー(f1)由来の構成単位であると好ましい。成分(F)を構成するモノマー(f1)としては、具体的には、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、スルホン酸、スチレンスルホン酸、メタクリロイルオキシアルキルスルホン酸、メタクリルアミドアルキルスルホン酸、アクリロイルオキシアルキルホスフェート、及びこれらの無水物や一部がアルキル基等により置換されてなるモノマー、並びにヒドロキシ基の一部にカルボキシメチル基が結合してなるグリコピラノース等の糖由来のモノマーから選ばれる1種又は2種以上が挙げられる。なかでも、分子構造中に芳香環又は脂環を含まないモノマーであるのが好ましく、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、及びスルホン酸から選ばれる1種又は2種以上であるのがより好ましい。
成分(F)の全構成単位100質量%中におけるアニオン性モノマー由来の構成単位の含有量は、優れたデンチャープラーク除去効果の発揮を有効に確保する観点から、好ましくは15質量%以上であり、より好ましくは35質量%以上であり、さらに好ましくは50質量%以上であり、好ましくは100質量%以下である。
成分(F)としては、具体的には、例えば、アクリル酸ホモポリマー、メタクリル酸ホモポリマー、架橋型アクリル酸ホモポリマー、アクリル酸/マレイン酸コポリマー、アクリル酸/メタクリル酸コポリマー、アクリル酸/スルホン酸コポリマー、酢酸ビニル/マレイン酸コポリマー、ホスフィン酸/アクリル酸コポリマー、カルボキシメチルセルロース、キサンタンガム、ジェランガム、アルギン酸、カラギーナン、ペクチン、及びヒアルロン酸から選ばれる1種又は2種以上が挙げられる。なかでも、デンチャープラーク等の除去効果を効果的に高める観点から、アクリル酸ホモポリマー、アクリル酸/マレイン酸コポリマー、アクリル酸/メタクリル酸コポリマー、及びアクリル酸/スルホン酸コポリマーから選ばれる1種又は2種以上が好ましく、アクリル酸/マレイン酸コポリマー及びアクリル酸/スルホン酸コポリマーから選ばれる1種又は2種以上がより好ましく、アクリル酸/マレイン酸コポリマーがさらに好ましい。
なお、アクリル酸/マレイン酸コポリマーを構成するアクリル酸モノマー由来の構成単位とマレイン酸モノマー由来の構成単位との質量比(アクリル酸/マレイン酸)は、好ましくは0.01~99であり、より好ましくは0.05~50であり、さらに好ましくは0.1~10であり、よりさらに好ましくは0.1~5である。
成分(F)の含有量は、成分(A)由来の酵素臭を抑制しつつ、デンチャープラーク等の除去効果を有効に高める観点から、本発明の口腔内装着器具用洗浄剤組成物中に、好ましくは0.05質量%以上であり、より好ましくは0.07質量%以上であり、さらに好ましくは0.2質量%以上であり、よりさらに好ましくは0.3質量%以上であり、好ましくは8質量%以下であり、より好ましくは7質量%以下であり、さらに好ましくは6質量%以下であり、よりさらに好ましくは5質量%以下であり、またさらに好ましくは4質量%以下であり、よりさらに好ましくは2質量%以下である。
本発明の口腔内装着器具用洗浄剤組成物の25℃におけるpHは、成分(A)由来の酵素臭を抑制しつつ、高い酵素活性を保持するのに有効なpH環境を確保する観点から、成分(A)の種類によっても変動し得るが、好ましくは4以上であり、より好ましくは4.5以上であり、さらに好ましくは5以上であり、よりさらに好ましくは5.5以上であり、よりさらに好ましくは6以上であり、好ましくは13以下であり、より好ましくは12以下であり、さらに好ましくは11以下である。
本発明の口腔内装着器具用洗浄剤組成物は、本発明の効果を阻害しない範囲で、上記成分の他、例えば、上記成分以外の界面活性剤;抗炎症剤、防腐剤、顔料、色素、漂白剤等を含有することができる。
本発明の口腔内装着器具用洗浄剤組成物の形態は、液状又は泡状であってもよく、さらに液状の本発明の口腔内装着器具用洗浄剤組成物をシートに含浸させた形態や、本発明の口腔内装着器具用洗浄剤組成物を噴霧容器に充填した形態、泡吐出容器に充填した形態、又はエアゾール容器に充填した形態であってもよい。これにより、予め水に溶解又は水に希釈する等の手間を要することなく、迅速かつ簡易な口腔内装着器具への適用が可能となる。
一般に、酵素を含有する口腔内装着器具用洗浄剤組成物の形態が泡状である場合、液状である場合に比べて酵素臭が強まる傾向にあるが、本発明の口腔内装着器具用洗浄剤組成物であれば、泡状の形態であっても、成分(A)由来の酵素臭を抑制しつつ、高い酵素活性を保持して優れたデンチャープラーク等の除去効果等を発揮させることができる。
とりわけ、泡状の形態とすることで、これで口腔内装着器具を被覆することにより、複雑な形状を伴う口腔内装着器具の隅々にわたって洗浄剤組成物が充分に到達することとなり、高い酵素活性の保持によって効果的に優れたデンチャープラーク等の除去効果等を発揮させることができる。その結果、組成物を適用した後の口腔内装着器具を水等により漱いで洗い流すのみで、特段ブラッシング等の物理的な付加力を施すことなく、酵素臭の抑制を効果的に実現しながら、速効性の高い優れたデンチャープラーク等の除去効果等を発揮することが可能である。
本発明の口腔内装着器具用洗浄剤組成物の使用態様は、まず、義歯等の口腔内装着器具を口腔内装着器具用洗浄剤組成物に浸漬、或いは、口腔内装着器具用洗浄剤組成物を口腔内装着器具に泡吐出、塗布、滴下又は噴霧等することにより適用した後、一定時間放置する。放置時間は、通常20~30分であればよく、さらに放置時間を5~10分に短縮することも可能である。
次に、放置した後、口腔内装着器具を水等により漱いで口腔内装着器具用洗浄剤組成物を洗い流す。本発明の口腔内装着器具用洗浄剤組成物であれば、より好ましくは、洗い流すだけでよく、ブラッシング等の物理的な付加力を特段施す必要がない。
本発明の口腔内装着器具用洗浄剤組成物を泡状の形態とする場合、その使用態様は、義歯等の口腔内装着器具を泡状の口腔内装着器具用洗浄剤組成物で被覆した後、一定時間放置する。
泡で口腔内装着器具を被覆する時間は、成分(A)由来の酵素臭を効果的に抑制しながら、優れたデンチャープラーク除去効果を充分に享受する観点から、好ましくは1分以上であり、より好ましくは2分以上であり、さらに好ましくは3分以上である。また、泡で口腔内装着器具を被覆する時間は、泡の効果を充分に発揮させる観点から、好ましくは30分以下であり、より好ましくは20分以下であり、さらに好ましくは10分以下である。そして、泡で口腔内装着器具を被覆する時間は、好ましくは1分以上30分以下であり、より好ましくは2~20分であり、さらに好ましくは3~10分である。
口腔内装着器具を被覆する泡量は、泡の効果を有効に発揮させて、高い酵素活性の効果を充分に享受する観点から、口腔内装着器具の表面積1cm2あたりに、好ましくは0.05g以上であり、より好ましくは0.07g以上であり、さらに好ましくは0.1g以上であり、好ましくは3.5g以下であり、より好ましくは3.2g以下であり、さらに好ましくは3g以下である。
形成された泡で口腔内装着器具を被覆した後、口腔内装着器具を水で漱ぐことにより、洗浄剤組成物を洗い流すのが好ましい。このように本発明の口腔内装着器具用洗浄剤組成物を泡状の形態とすると、特段物理的な付加力を要することなく口腔内装着器具を水で漱ぐのみで、成分(A)由来の酵素臭を効果的に抑制しながら、被覆した泡を洗い流しながら速効性の高い優れたデンチャープラーク除去効果を発揮することができるため、高齢者等の使用者にとっても不快感なく負担が軽減され、容易に使用頻度を高めることもできる。
また、形成された泡で口腔内装着器具を被覆した後、物理的な付加力を施すことなく、組成物を適用した後の口腔内装着器具を水により漱いで洗い流すことが好ましい。これにより、酵素臭による不快感を効果的に抑制しながら、簡易的かつ効果的に口腔内装着器具を洗浄することが可能である。
泡の効果を充分に発揮させる観点から、本発明の口腔内装着器具用洗浄剤組成物を、泡形成機構を備えた容器に充填し、該容器より噴射又は吐出することにより泡を形成することが好ましい。
泡形成機構を備えた容器とは、容器に充填されてなる内容物を噴射口又は吐出口から容器外部へと泡形成機構を介して噴射又は吐出することにより、泡を形成することができる容器である。かかる泡形成機構を備えた容器としては、トリガー式噴射容器、ポンプ式ディスペンサー容器が挙げられる。
トリガー式噴射容器は、内容物を充填する容器本体と、泡形成機構であるトリガー及びスプレイヤーを具備しており、使用時にトリガーを引くことにより、内容物がスプレイヤーの噴射口から外部へと噴射され、泡が形成される。かかるトリガー式噴射容器は、直圧型であってもよく、蓄圧型であってもよい。
ポンプ式ディスペンサー容器は、内容物を充填する容器本体と、チューブやノズル、及びこれらの内部にメッシュ等の泡形成機構を具備し、使用時に容器の一部を押圧することにより、内容物がチューブやノズルの吐出口から外部へと吐出され、泡が形成される。
本発明の口腔内装着器具用洗浄剤組成物を用いて口腔内装着器具を洗浄する場合、これら容器のなかでも、泡の効果を充分に発揮させる観点から、トリガー式噴射容器を用いるのが好ましい。
トリガー式噴射容器を用いる場合、泡の効果を充分に発揮させる観点から、噴射距離20cmにおける噴射径を好ましくは2cm以上、より好ましくは3cm以上、好ましくは10cm以下、より好ましくは8cm以下に設定するのが望ましい。
また、トリガー式噴射容器において、内容物である洗浄剤組成物の噴射力は、泡を有効に形成させる観点から、噴射距離 20cmにおける噴射力を好ましくは1g・f以上、より好ましくは3g・f以上、好ましくは10g・f以下、より好ましくは8g・f以下に設定するのが望ましい。
このように、口腔内装着器具への適用時等において、不快感の要因となる酵素臭が抑制されるのみならず、高い酵素活性を良好に保持しつつ口腔内装着器具を洗浄することのできる本発明の口腔内装着器具用洗浄剤組成物であれば、快適な使用感のもと、デンチャープラーク等の除去効果を充分に発揮することができる。
以下、本発明について、実施例に基づき具体的に説明する。なお、表中に特に示さない限り、各成分の含有量は質量%を示す。
[実施例1~10、比較例1~5]
表1~4に記載の各成分を混合し、各口腔内装着器具用洗浄剤組成物を調製した。得られた口腔内装着器具用洗浄剤組成物について、下記方法にしたがって各評価を行った。
結果を表1~4に示す。
なお、表1~3は、泡状の形態での評価であり、表4は液状の形態での評価である。
《pHの測定》
各組成物(25℃)について、pHメーター(HORIBA LAQUA pH/ION METER F53;9615S JF15(堀場製作所社製))を用いてpHを測定した。
《酵素の臭いの評価》
口腔内装着器具用洗浄剤組成物について、専門パネラーを用いた官能試験により評価した。まず酵素の原料の臭いを直接嗅ぎ、酵素臭を認識させた。その後、下記方法にて口腔内装着器具用洗浄剤組成物の酵素臭を評価した。
・泡状の形態で評価する場合
得られた口腔内装着器具用洗浄剤組成物を泡吐出用容器(噴射距離20cmにおける噴射径:5cm、噴射力:5g・fに設定したトリガー式噴射容器)に充填し、吐出口から泡状にて5g吐出させて口腔内装着器具に適用し、下記基準にしたがって評価した。
・液状の形態で評価する場合
得られた口腔内装着器具用洗浄剤組成物を口腔内装着器具に5g適用し、下記基準にしたがって評価した。
・評価基準
1:酵素の臭いを全く感知できない
2:酵素の臭いをほとんど感知できない
3:酵素の臭いが弱く感知できる
4:酵素の臭いが楽に感知できる
5:酵素の強い臭い
《酵素活性の評価》
口腔内装着器具用洗浄剤組成物について、下記方法により酵素活性率を算出し、評価の指標とした。
まず、試験管に炭酸ナトリウム0.22%、炭酸水素ナトリウム0.17%を溶解させた水溶液0.45mLと、40mM AAPL(Glt-Ala-Ala-Pro-Leu-pNA、ペプチド研究所社製)のDMSO溶液0.025mLを入れてボルテックスミキサーにて混合した。それを50℃、5分間インキュベート後、20倍希釈した。その中に、下記実施例・比較例のサンプルを0.025mL添加・混合し、50℃にて、0分及び90分反応させた。反応を終了させるために、5%クエン酸水溶液1mLを添加・混合した。マイクロプレートリーダー(TECAN社製 波長可変型吸光マイクロプレートリーダー サンライズレインボーサーモ)で吸光度OD420nmを測定した。また、界面活性剤を含有しないサンプル(比較例2)の吸光度OD420nmを基準とし、下記式(1)にしたがって酵素活性率(%)を算出した。
なお、得られた酵素活性率の値が大きいほど、酵素活性が高いことを意味する。
酵素活性率(%)=
100-{(上記得られた組成物を用いた際の反応90分後のOD420nm-上記得られた組成物を用いた際の反応0分後のOD420nm)/(比較例2の反応90分後のOD420nm-比較例2の反応0分後のOD420nm)}×100・・・(1)
Figure 2022116495000001
Figure 2022116495000002
Figure 2022116495000003
Figure 2022116495000004
本発明の口腔内装着器具用洗浄剤組成物の処方例を以下に示す。
[処方例1]液体義歯洗浄剤
Figure 2022116495000005
[処方例2]ポンプフォーマー型義歯洗浄剤
Figure 2022116495000006
[処方例3]ポンプフォーマー型義歯洗浄剤
Figure 2022116495000007
[処方例4]トリガー式スプレー義歯洗浄剤
Figure 2022116495000008
[処方例5]ポンプフォーマー型義歯洗浄剤
Figure 2022116495000009
[処方例6]トリガー式スプレー義歯洗浄剤
Figure 2022116495000010
[処方例7]濃縮液体義歯洗浄剤
Figure 2022116495000011

Claims (8)

  1. 次の成分(A)~(C):
    (A)プロテアーゼ、アミラーゼ、ムタナーゼ、及びデキストラナーゼから選ばれる1種又は2種以上の酵素 0.005質量%以上1質量%以下
    (B)アニオン界面活性剤(b1)、及び両性界面活性剤(b2)から選ばれる1種又は2種以上の界面活性剤
    (C)水 20質量%以上99.5質量%以下
    を含有し、成分(B)の含有量と成分(A)の含有量との質量比((B)/(A))が5以上350以下である口腔内装着器具用洗浄剤組成物。
  2. 成分(b1)が、N-アシルアミノ酸又はその塩、N-アシルタウリン又はその塩、α-オレフィンスルホン酸又はその塩、アルキル硫酸エステル塩、並びに脂肪酸又はその塩から選ばれる1種又は2種以上である請求項1に記載の口腔内装着器具用洗浄剤組成物。
  3. さらに、pH調整剤(F)を含有する請求項1又は2に記載の口腔内装着器具用洗浄剤組成物。
  4. 成分(F)の含有量が、0.1質量%以上60質量%以下である請求項3に記載の口腔内装着器具用洗浄剤組成物。
  5. 成分(B)の含有量が、0.15質量%以上20質量%以下である請求項1~4のいずれか1項に記載の口腔内装着器具用洗浄剤組成物。
  6. 成分(C)の含有量と成分(A)の含有量との質量比((C)/(A))が、20以上19800以下である請求項1~5のいずれか1項に記載の口腔内装着器具用洗浄剤組成物。
  7. 25℃におけるpHが、4以上13以下である請求項1~6のいずれか1項に記載の口腔内装着器具用洗浄剤組成物。
  8. 泡状の形態にて口腔内装着器具へ適用されてなる請求項1~7のいずれか1項に記載の口腔内装着器具用洗浄剤組成物。
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