JP2023110403A - 口腔内装着器具用洗浄剤組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】優れたデンチャープラーク除去効果を発揮しつつ良好な香り立ちをもたらすとともに、長時間にわたりその良好な香りを安定して保持することのできる、口腔内装着器具用洗浄剤組成物に関する。【解決手段】次の成分(A)~(B):(A)炭素数10以上20以下の脂肪酸塩又はその塩 脂肪酸換算量で0.5質量%以上20質量%以下(B)l-メントンを含有し、l-カルボンの含有量が0.0005質量%未満であり、成分(B)の含有量と成分(A)の含有量との質量比((B)/(A))が0.003以上0.3以下であり、かつ25℃におけるpHが8以上14以下である口腔内装着器具用洗浄剤組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、口腔内装着器具用洗浄剤組成物に関する。
近年における超高齢化の進展に伴い、義歯のような着脱可能な口腔内装着器具の装着を余儀なくされる人々が加速的に増加している。このような口腔内装着器具、例えば義歯や歯科矯正器具等は、装着中に付着したデンチャープラークや食物残渣等の汚れが残存しやすく、口腔内装着器具を装着した際に口臭等の不快臭を伴うおそれがあり、またう蝕や歯周病等を引き起こすおそれもある。
このように、身体の健康を維持する上でも清潔に保つ必要がある口腔内装着器具は、日々の細やかな洗浄が不可欠であるとともに、口腔内装着器具や口腔内における不快臭の発生を未然に防ぐことも望まれるため、従来より種々の洗浄剤が開発されている。
例えば、特許文献1には、ミントノート以外の香調の香料を含有する錠剤状の義歯洗浄剤が開示されており、洗浄後の義歯に香りを付与することによって、使用者に洗浄効果を実感させる試みがなされている。また特許文献2には、特定の脂肪酸又はその塩を含有する口腔内装着器具用洗浄剤組成物が開示されており、デンチャープラークの除去効果や形成抑制効果を高めつつ、不快臭の発生を抑制する試みもなされている。
特開2015-189724号公報 特許第6921349号公報
しかしながら、これらの技術では、長時間の保存に晒された後においても良好な香りを保持し、口腔内装着器具の洗浄及び装着時に爽快な香り立ちをもたらすには、未だ改善の余地がある。
したがって、本発明は、優れたデンチャープラーク除去効果を発揮しつつ良好な香り立ちをもたらすとともに、長時間にわたりその良好な香りを安定して保持することのできる、口腔内装着器具用洗浄剤組成物に関する。
そこで本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、特定の脂肪酸塩又はその塩とl-メントンとを特定の質量比で含有する一方、l-カルボンの含有を制限し、さらに特定のpH領域とすることにより、優れたデンチャープラーク除去効果を発揮しつつ良好な香り立ちをもたらし、長時間の保存に晒された後においても、その良好な香り立ちを有効に保持し、口腔内装着器具の洗浄及び装着時に爽快な香り立ちをもたらすことのできる、口腔内装着器具用洗浄剤組成物を見出した。
すなわち、本発明は、次の成分(A)~(B):
(A)炭素数10以上20以下の脂肪酸塩又はその塩 脂肪酸換算量で0.5質量%以上20質量%以下
(B)l-メントン
を含有し、l-カルボンの含有量が0.0005質量%未満であり、成分(B)の含有量と成分(A)の含有量との質量比((B)/(A))が0.003以上0.3以下であり、かつ
25℃におけるpHが8以上14以下である口腔内装着器具用洗浄剤組成物を提供するものである。
本発明の口腔内装着器具用洗浄剤組成物によれば、優れたデンチャープラーク除去効果を発揮し、口腔内装着器具用洗浄剤組成物由来の不快臭を有効に抑制しつつ、良好な香り立ちをもたらすことができる。また、長時間の保存に晒された後においても、その良好な香り立ちを有効に保持することができ、口腔内装着器具の洗浄及び装着時に爽快な香り立ちをもたらす。
以下、本発明について詳細に説明する。
なお、本明細書において「口腔内装着器具」とは、全部床義歯、部分床義歯、歯列矯正器具、或いは(以下、これらを総称して「義歯等」ともいう。)、或いはマウスピース、マウスガード等の、いわゆる口腔内にて着脱を要する歯科用装着器具を意味する。具体的には、例えば、全部床義歯(総入れ歯)とは、無歯顎に装着するための義歯であって、人工歯と義歯床から構成されてなる。一方、部分床義歯(部分入れ歯)とは、部分的に歯が失われた顎に装着するための義歯であって、人工歯、義歯床、及びクラスプやレスト、アタッチメント等の支台装置から構成されてなり、歯列矯正器具やリテイナーもこれに類する構成を有する。義歯床の材質としては、一般的にアクリルレジン等の樹脂が挙げられ、人工歯や支台装置の材質は、かかる樹脂のほか、チタン等の金属やセラミック等が挙げられる。マウスピースやマウスガードの材質としては、一般的にエチレン酢酸ビニル等の樹脂が挙げられる。
また、本明細書において「良好な香り立ち」とは、洗浄時及び洗浄後の口腔内装着器具やこれを装着した後の口腔内において、成分(B)のl-メントンによりもたらされるミント様の香気を含む、香料化合物由来の香りが心地よく漂うと認識され、良好な爽快感を実感できることを意味する。さらに「不快臭」とは、主として成分(A)の脂肪酸塩又はその塩のような含有成分によりもたらされる脂肪酸臭を含む、不快感を伴う臭いを意味する。
そして、本明細書において、「デンチャープラーク」とは、口腔内装着器具に付着した菌と菌が生産する細胞外物質の集合体を意味する。
本発明の口腔内装着器具用洗浄剤組成物は、成分(A)として、炭素数10以上20以下の脂肪酸塩又はその塩を脂肪酸換算量で0.5質量%以上20質量%以下含有する。これにより、口腔内装着器具に堅固に付着したデンチャープラーク表面に強く吸着し、デンチャープラークの凝集構造を崩壊させ、口腔内装着器具から効果的に根こそぎ脱離させることができる。
そのため、優れたデンチャープラーク除去効果を発揮することができるとともに、洗浄後における口腔内装着器具において、製造時から洗浄時や洗浄後、及び長期にわたる保存後に至るまで、成分(B)による香り立ちを安定して保持すること(以下、「香り立ちの安定化」ともいう)にも寄与する。
成分(A)の脂肪酸、及び成分(A)の脂肪酸塩を構成する脂肪酸は、その炭素数が10以上20以下であって、好ましくは12以上20以下であり、より好ましくは14以上20以下であり、さらに好ましくは16以上20以下である。かかる脂肪酸は、飽和又は不飽和の直鎖又は分岐鎖を有するものであってよく、不飽和の直鎖を有するものがより好ましい。
成分(A)の脂肪酸、及び成分(A)の脂肪酸塩を構成する脂肪酸としては、具体的には、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、パルミトレイン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、バクセン酸、ガドレイン酸、エイコセン酸、イソステアリン酸、及びアラキジン酸、並びにこれらの混合脂肪酸であるヤシ油脂肪酸、及びパーム油脂肪酸等から選ばれる1種又は2種以上が挙げられる。なかでも、デンチャープラーク除去効果を充分に発揮させつつ、製造時及び洗浄時のみならず長期にわたる保存後に至るまで良好な香り立ちを安定して保持する観点から、パルミトレイン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、バクセン酸、ガドレイン酸、及びエイコセン酸から選ばれる1種又は2種以上が好ましく、オレイン酸がより好ましい。
成分(A)の塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、及びアンモニウム塩から選ばれる無機塩;モノエタノールアンモニウム塩、ジエタノールアンモニウム塩、及びトリエタノールアンモニウム塩等の有機アミン塩;アルギニン塩等の塩基性アミノ酸塩から選ばれる1種又は2種以上が挙げられる。なかでも、デンチャープラーク除去効果を充分に発揮させつつ、製造時及び洗浄時のみならず長期にわたる保存後に至るまで、良好な香り立ちを安定して保持する観点から、ナトリウム塩、又はカリウム塩が好ましく、とりわけカリウム塩が好ましい。
成分(A)の含有量は、優れたデンチャープラーク除去効果を有効に発揮させつつ、良好な香り立ちを長期間にわたり保持する観点から、本発明の口腔内装着器具用洗浄剤組成物中に、脂肪酸換算量で、0.5質量%以上であって、好ましくは0.6質量%以上であり、より好ましくは0.7質量%以上であり、さらに好ましくは0.8質量%以上である。また、成分(A)の含有量は、洗浄後の口腔内装着器具から生じる成分(A)由来の不快臭を低減する観点から、本発明の口腔内装着器具用洗浄剤組成物中に、脂肪酸換算量で、20質量%以下であって、好ましくは10質量%以下であり、より好ましくは5質量%以下であり、さらに好ましくは2質量%以下である。そして、成分(A)の含有量は、本発明の口腔内装着器具用洗浄剤組成物中に、脂肪酸換算量で、0.5質量%以上20質量%以下であって、好ましくは0.6~10質量%であり、より好ましくは0.7~5質量%であり、さらに好ましくは0.8~2質量%である。
本発明の口腔内装着器具用洗浄剤組成物は、成分(B)として、l-メントンを含有する。かかる成分(B)は、ミント様の爽快な香気をもたらす成分であり、洗浄時に優れた香り立ちを発現するだけでなく、長期間にわたる保存後においても、その優れた香り立ちを保持することができる。
成分(B)の含有量は、製造時及び洗浄時のみならず長期にわたる保存後に至るまで、良好な香り立ちを安定して保持し、良好な爽快感をもたらす観点から、本発明の口腔内装着器具用洗浄剤組成物中に、好ましくは0.001質量%以上であり、より好ましくは0.005質量%以上であり、さらに好ましくは0.01質量%以上であり、よりさらに好ましくは0.02質量%以上である。また、成分(B)の含有量は、洗浄後の口腔内装着器具における過度な残留を有効に回避する観点から、本発明の口腔内装着器具用洗浄剤組成物中に、好ましくは0.35質量%以下であり、より好ましくは0.25質量%以下であり、さらに好ましくは0.15質量%以下であり、よりさらに好ましくは0.08質量%以下である。そして、成分(B)の含有量は、本発明の口腔内装着器具用洗浄剤組成物中に、好ましくは0.001~0.35質量%であり、より好ましくは0.005~0.25質量%であり、さらに好ましくは0.01~0.15質量%であり、よりさらに好ましくは0.02~0.08質量%である。
成分(B)の含有量と成分(A)の含有量との質量比((B)/(A))は、成分(A)由来の不快臭を低減することと相まって、製造時及び洗浄時のみならず長期にわたる保存後に至るまで良好な香り立ちを安定して保持し、良好な爽快感をもたらす観点から、0.003以上であって、好ましくは0.006以上であり、より好ましくは0.01以上であり、さらに好ましくは0.02以上である。また、成分(B)の含有量と成分(A)の含有量との質量比((B)/(A))は、長期にわたる保存後に至るまで良好な香り立ちを安定して保持しつつ、不快臭を効果的に低減する観点から、0.3以下であって、好ましくは0.25以下であり、より好ましくは0.15以下であり、さらに好ましくは0.08以下である。そして、成分(B)の含有量と成分(A)の含有量との質量比((B)/(A))は、0.003以上0.3以下であって、好ましくは0.006~0.25であり、より好ましくは0.01~0.15であり、さらに好ましくは0.02~0.08である。
本発明の口腔内装着器具用洗浄剤組成物は、l-カルボンの含有量が0.0005質量%未満である。すなわち、本発明の口腔内装着器具用洗浄剤組成物は、l-カルボンを0.0005質量%未満で含有するか、或いはl-カルボンを含有しない。l-カルボンはスペアミント精油の主成分として知られるが、本発明の口腔内装着器具用洗浄剤組成物のような高pH領域においては、かえって不快臭の発生を誘発し、長期間にわたり良好な香り立ちを保持するのを阻害し得ることが、本発明者らにより判明した。
そこで、本発明の口腔内装着器具用洗浄剤組成物では、かかるl-カルボンの含有を制限することとし、不快臭の発生を有効に抑制しながら、製造時及び洗浄時のみならず長期にわたる保存後に至るまで、成分(B)による良好な香り立ちを安定して保持することを可能とするものである。
l-カルボンの含有量は、本発明の口腔内装着器具用洗浄剤組成物中に、0.0005質量%未満であって、好ましくは0.0001質量%以下であり、より好ましくは0.00005質量%以下であり、さらに好ましくは0.00001質量%以下であり、或いは本発明の口腔内装着器具用洗浄剤組成物は、l-カルボンを含有しない。
l-カルボンと成分(B)の含有量の含有量との質量比(l-カルボン/(B))は、成分(A)由来の不快臭を低減することと相まって、製造時及び洗浄時のみならず長期にわたる保存後に至るまで良好な香り立ちを安定して保持し、良好な爽快感をもたらす観点から、好ましくは0.2以下であり、より好ましくは0.02以下であり、さらに好ましくは0.002以下である。
本発明の口腔内装着器具用洗浄剤組成物は、さらに、カンファー、ぺリルアルデヒド、シス-3-ヘキセノール、及びシス-6-ノネン-1-オールから選ばれる1種又は2種以上の香料化合物(C)を含有するのが好ましい。これにより、成分(B)のl-メントンによりもたらされるミント様の香気を相乗的に増強させることができ、優れたデンチャープラーク除去効果を確保しつつ、製造時及び洗浄時のみならず長期にわたる保存後に至るまで、良好な香り立ちを安定して保持することができる。これら成分(C)のなかでも、ミント様の香気を一層増強させながら、香り立ちの安定化を図る観点から、カンファー、ペリルアルデヒド、及びシス-6-ノネン-1-オールから選ばれる1種又は2種以上が好ましく、成分(C)として、少なくともカンファー及びペリルアルデヒを併用するのがより好ましい。
成分(C)の含有量は、製造時及び洗浄時のみならず長期にわたる保存後に至るまで、香り立ちを増強しつつ、その安定化を有効に図る観点から、本発明の口腔内装着器具用洗浄剤組成物中に、好ましくは0.0001質量%以上であり、より好ましくは0.0005質量%以上であり、さらに好ましくは0.001質量%以上であり、よりさらに好ましくは0.005質量%以上であり、よりさらに好ましくは0.01質量%以上である。また、成分(C)の含有量は、洗浄後の口腔内装着器具における過度な残留を有効に回避する観点から、本発明の口腔内装着器具用洗浄剤組成物中に、好ましくは0.3質量%以下であり、より好ましくは0.2質量%以下であり、さらに好ましくは0.1質量%以下であり、よりさらに好ましくは0.05質量%以下である。そして、成分(C)の含有量は、本発明の口腔内装着器具用洗浄剤組成物中に、好ましくは0.0001~0.3質量%であり、より好ましくは0.0005~0.2質量%であり、さらに好ましくは0.001~0.1質量%であり、よりさらに好ましくは0.005~0.05質量%であり、よりさらに好ましくは0.01~0.05質量%である。
本発明の口腔内装着器具用洗浄剤組成物は、デンチャープラーク除去効果を増強しつつ、香り立ちの安定化をも有効に図る観点から、さらに成分(A)以外のアニオン性界面活性剤(d1)、ノニオン性界面活性剤(d2)、及び両性界面活性剤(d3)から選ばれる1種又は2種以上の界面活性剤(D)を含有するのが好ましい。
成分(A)以外のアニオン性界面活性剤である、成分(d1)のアニオン性界面活性剤としては、具体的には、ラウリル硫酸又はその塩、ミリスチル硫酸又はその塩、パルミチル硫酸又はその塩、ステアリル硫酸又はその塩、オクチル硫酸又はその塩、カプリル硫酸又はその塩等のアルキル硫酸エステル又はその塩;アルキルベンゼンスルホン酸又はその塩、α-オレフィンスルホン酸又はその塩、ヒドロキシアルカンスルホン酸又はその塩等のアルキルスルホン酸又はその塩;アシルグルタミン酸又はその塩、アシルサルコシン又はその塩等のアシルアミノ酸又はその塩;ラウリルメチルタウリン又はその塩等のN-メチル長鎖アシルタウリン又はその塩;アルキルリン酸又はその塩等のアルキルリン酸又はその塩;高級脂肪酸スルホン化モノグリセリド又はその塩、イセチオン酸の脂肪酸エステル又はその塩;ポリオキシエチレンモノアルキルリン酸又はその塩から選ばれる1種又は2種以上が挙げられる。
なかでも、不快臭の発生を抑制しながら香り立ちの安定化を有効に図る観点、及びデンチャープラーク除去効果を高める観点から、アシルアミノ酸又はその塩が好ましい。
成分(d2)のノニオン性界面活性剤としては、具体的には、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油;ショ糖脂肪酸エステル;ソルビタン脂肪酸エステル;モノステアリン酸グリセリド等のグリセリン脂肪酸エステル;アルキルグルコシド;モノステアリン酸デカグリセリド、モノミリスチン酸デカグリセリド等のポリグリセリン脂肪酸エステル;ポリオキシエチレンモノアルキル(又はアルケニル)エーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル;ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド等の脂肪酸アルカノールアミド;並びにポリエチレングリコール脂肪酸エステルから選ばれる1種又は2種以上が挙げられる。
なかでも、不快臭の発生を抑制しながら香り立ちの安定化を有効に図る観点、及びデンチャープラーク除去効果を高める観点から、ポリオキシエチレンモノアルキル(又はアルケニル)エーテル、又はポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体が好ましい。
成分(d3)の両性界面活性剤としては、具体的には、アルキルアミンオキシド;ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン等の酢酸ベタイン;2-アルキル-N-カルボキシメチル-N-ヒドロキシエチル-N-イミダゾリウムベタイン等のイミダゾリニウムベタイン;ラウリルスルホベタインやラウリルヒドロキシスルホベタイン等のアルキルスルホベタイン;ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン等のヤシ油脂肪酸アミドアルキルベタイン;N-アルキル-1-ヒドロキシエチルイミダゾリンベタインナトリウム等の長鎖アルキルイミダゾリンベタイン塩から選ばれる1種又は2種以上が挙げられる。
なかでも、不快臭の発生を抑制しながら香り立ちの安定化を有効に図る観点、及びデンチャープラーク除去効果を高める観点から、ヤシ油脂肪酸アミドアルキルベタイン及びアルキルアミンオキシドが好ましい。
成分(D)の含有量は、本発明の口腔内装着器具用洗浄剤組成物中に、好ましくは0.05質量%以上であり、より好ましくは0.1質量%以上であり、さらに好ましくは1質量%以上である。また、成分(D)の含有量は、本発明の口腔内装着器具用洗浄剤組成物中に、好ましくは20質量%以下であり、より好ましくは10質量%以下であり、さらに好ましくは8質量%以下である。そして、成分(D)の含有量は、本発明の口腔内装着器具用洗浄剤組成物中に、好ましくは0.05質量%以上20質量%以下であり、より好ましくは0.1~10質量%であり、さらに好ましくは1~8質量%である。
本発明の口腔内装着器具用洗浄剤組成物は、含有する各成分の不要な酸化を防止しつつ、成分(A)由来の不快臭の発生を有効に抑制し、香り立ちの安定化に寄与させる観点から、さらに抗酸化剤(E)を含有するのが好ましい。かかる成分(E)としては、亜硫酸塩、トコフェロール、没食子酸エステル、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、及びアスコルビン酸及びその塩、アスコルビン酸高級脂肪酸エステル等が挙げられる。
なかでも、良好に酸化防止効果を発揮して、成分(A)由来の不快臭の発生を抑制する観点から、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、亜硫酸アンモニウム、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸水素カリウム、亜硫酸水素アンモニウム、二亜硫酸ナトリウム、二亜硫酸カリウム、及び二亜硫酸アンモニウムから選ばれる1種又は2種以上の亜硫酸塩が好ましく、亜硫酸ナトリウム、又は亜硫酸水素ナトリウムがより好ましい。
成分(E)の含有量は、成分(A)由来の不快臭の発生を抑制しながら良好な香り立ちの安定化を有効に図る観点から、本発明の口腔内装着器具用洗浄剤組成物中に、好ましくは0.0005質量%以上であり、より好ましくは0.005質量%以上であり、さらに好ましくは0.05質量%以上であり、よりさらに好ましくは0.1質量%以上である。また、成分(E)の含有量は、優れたデンチャープラーク除去効果の発揮を確保する観点から、本発明の口腔内装着器具用洗浄剤組成物中に、好ましくは10質量%以下であり、より好ましくは5質量%以下であり、さらに好ましくは1質量%以下であり、よりさらに好ましくは0.5質量%以下である。そして、成分(E)の含有量は、本発明の口腔内装着器具用洗浄剤組成物中に、好ましくは0.0005~10質量%であり、より好ましくは0.005~5質量%であり、さらに好ましくは0.05~1質量%であり、よりさらに好ましくは0.1~0.5質量%である。
本発明の口腔内装着器具用洗浄剤組成物は、優れたデンチャープラーク除去効果の発揮を確保しつつ、良好な香り立ちの安定化を有効に図る観点から、さらに質量平均分子量が2000以上500000以下のアニオン性のホモポリマー又はコポリマー(F)を含有するのが好ましい。アニオン性のホモポリマー又はコポリマーとは、アニオン性モノマー由来の構成単位を含むホモポリマー又はコポリマーである。
なお、成分(F)は、アニオン性モノマー1種のみ由来の構成単位からなるホモポリマーであってもよく、2種以上のアニオン性モノマー由来の構成単位からなるコポリマーであってもよく、或いはアニオン性モノマー由来の構成単位と、アニオン性モノマー以外の他のモノマー由来の構成単位とからなるコポリマーであってもよい。
成分(F)の質量平均分子量は、デンチャープラーク除去効果を有効に高める観点から、2000以上であって、好ましくは5000以上であり、より好ましくは8000以上であり、さらに好ましくは10000以上である。また、成分(F)の質量平均分子量は、各成分の良好な溶解性又は分散性を確保する観点から、500000以下であって、好ましくは350000以下であり、より好ましくは200000以下であり、さらに好ましくは100000以下である。そして、成分(F)の質量平均分子量は、2000以上500000以下であって、好ましくは5000~350000であり、より好ましくは8000~200000であり、さらに好ましくは10000~100000である。
成分(F)が含むアニオン性モノマー由来の構成単位は、デンチャープラーク除去効果の発揮に大いに寄与させる観点から、カルボキシル基、スルホ基、又はリン酸基を有するアニオン性モノマー(f1)由来の構成単位であると好ましい。成分(F)を構成するモノマー(f1)としては、具体的には、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、スルホン酸、スチレンスルホン酸、メタクリロイルオキシアルキルスルホン酸、メタクリルアミドアルキルスルホン酸、アクリロイルオキシアルキルホスフェート、及びこれらの無水物や一部がアルキル基等により置換されてなるモノマー、並びにヒドロキシ基の一部にカルボキシメチル基が結合してなるグリコピラノース等の糖由来のモノマーから選ばれる1種又は2種以上が挙げられる。なかでも、分子構造中に芳香環又は脂環を含まないモノマーであるのが好ましく、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、及びスルホン酸から選ばれる1種又は2種以上であるのがより好ましい。
成分(F)の全構成単位100質量%中におけるアニオン性モノマー由来の構成単位の含有量は、優れたデンチャープラーク除去効果の発揮を有効に確保する観点から、好ましくは15質量%以上であり、より好ましくは35質量%以上であり、さらに好ましくは50質量%以上であり、好ましくは100質量%以下である。
成分(F)としては、具体的には、例えば、アクリル酸ホモポリマー、メタクリル酸ホモポリマー、架橋型アクリル酸ホモポリマー、アクリル酸/マレイン酸コポリマー、アクリル酸/メタクリル酸コポリマー、アクリル酸/スルホン酸コポリマー、酢酸ビニル/マレイン酸コポリマー、ホスフィン酸/アクリル酸コポリマー、カルボキシメチルセルロース、キサンタンガム、ジェランガム、アルギン酸、カラギーナン、ペクチン、及びヒアルロン酸から選ばれる1種又は2種以上が挙げられる。なかでも、優れたデンチャープラーク除去効果を発揮する観点から、アクリル酸ホモポリマー、アクリル酸/マレイン酸コポリマー、アクリル酸/メタクリル酸コポリマー、及びアクリル酸/スルホン酸コポリマーから選ばれる1種又は2種以上が好ましく、アクリル酸/マレイン酸コポリマー及びアクリル酸/スルホン酸コポリマーから選ばれる1種又は2種以上がより好ましく、アクリル酸/マレイン酸コポリマーがさらに好ましい。
なお、アクリル酸/マレイン酸コポリマーを構成するアクリル酸モノマー由来の構成単位とマレイン酸モノマー由来の構成単位との質量比(アクリル酸/マレイン酸)は、好ましくは0.01~99であり、より好ましくは0.05~50であり、さらに好ましくは0.1~10であり、よりさらに好ましくは0.1~5である。
成分(F)の含有量は、優れたデンチャープラーク除去効果を確保しつつ、良好な香り立ちの安定化を有効に図る観点から、本発明の口腔内装着器具用洗浄剤組成物中に、好ましくは0.05質量%以上であり、より好ましくは0.07質量%以上であり、さらに好ましくは0.1質量%以上である。また、成分(F)の含有量は、各成分の良好な溶解性又は分散性を確保する観点から、本発明の口腔内装着器具用洗浄剤組成物中に、好ましくは8質量%以下であり、より好ましくは6質量%以下であり、さらに好ましくは4質量%以下である。そして、成分(F)の含有量は、本発明の口腔内装着器具用洗浄剤組成物中に、好ましくは0.05~8質量%であり、より好ましくは0.07~6質量%であり、さらに好ましくは0.1~4質量%である。
本発明の口腔内装着器具用洗浄剤組成物は、上記各成分を良好に分散又は溶解させて、優れたデンチャープラーク除去効果を発揮し、かつ不快臭を低減しながら良好な香り立ちの安定化を有効に図る観点から、さらに水を含有するのが好ましい。
水の含有量は、本発明の口腔内装着器具用洗浄剤組成物中に、好ましくは70質量%以上であり、より好ましくは75質量%以上であり、好ましくは98質量%以下であり、より好ましくは95質量%以下である。
なお、本発明における水とは、口腔内装着器具用洗浄剤組成物に直接配合した精製水等だけでなく、配合した各成分に含まれる水分をも含む、口腔内装着器具用洗浄剤組成物中に含まれる全水分を意味する。また、本発明における水とは、口腔内装着器具用洗浄剤組成物中に予め配合されている水を意味することを含むが、そうでない場合、例えば使用前に水等により希釈したり、又は水等に溶解させたりした状態である場合、その希釈や溶解に用いた水も含む意味である。
本発明の口腔内装着器具用洗浄剤組成物は、さらに、pH調整剤を含有することができる。これにより、不快臭の発生を抑制しながら良好な香り立ちの安定化を図りつつ、成分(A)による優れたデンチャープラーク除去効果の発揮を確保するのに有効な、後述する所定のpHの維持に寄与することができる。
pH調整剤としては、具体的には、例えば、炭酸塩や重炭酸塩;水酸化物;クエン酸、リンゴ酸、乳酸、酒石酸、コハク酸等の有機酸又はこれらの塩から選ばれる1種又は2種以上が挙げられる。なかでも、炭酸塩、重炭酸塩、及び水酸化物から選ばれる1種又は2種以上が好ましく、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、セスキ炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、セスキ炭酸カリウム、及び水酸化カリウムから選ばれる1種又は2種以上がより好ましく、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、セスキ炭酸カリウム、及び水酸化カリウムから選ばれる1種又は2種以上がよりさらに好ましい。この場合、pH調整剤の含有量は、本発明の口腔内装着器具用洗浄剤組成物のpHを安定化させる観点から、本発明の口腔内装着器具用洗浄剤組成物中に、好ましくは0.1~60質量%であり、より好ましくは0.1~20質量%であり、さらに好ましくは0.15~10質量%であり、よりさらに好ましくは0.2~5質量%である。
本発明の口腔内装着器具用洗浄剤組成物は、本発明の効果を阻害しない範囲で、上記成分の他、例えば、抗炎症剤や防腐剤;上記成分(B)、l-カルボン、及び成分(C)以外の香料化合物;顔料;色素;漂白剤;酵素等を適宜含有することができる。
なお、上記成分(B)、l-カルボン、及び成分(C)以外の香料化合物としては、例えば、Steffen Arctander編著“Perfume and Flavor Chemicals" Montclair, N.J.(U.S.A.) (1969年)、合成香料編集委員会編集「合成香料-化学と商品知識」(化学工業日報社、2016年12月20日、増補新版)、中島基貴編著「香料と調香の基礎知識」産業図書(1995年初版)等に記載されている香料化合物が挙げられる。
本発明の口腔内装着器具用洗浄剤組成物の25℃におけるpHは、優れたデンチャープラーク除去効果の発揮しつつ、不快臭の発生を有効に抑制する観点から、8以上であって、好ましくは9以上であり、より好ましくは10以上であり、さらに好ましくは10.5以上であり、14以下であって、好ましくは13以下であり、より好ましくは12以下であり、さらに好ましくは11以下である。
本発明の口腔内装着器具用洗浄剤組成物の形態は、液状、泡状、ペースト状、ジェル状、濃縮状であってもよく、さらに液状の本発明の口腔内装着器具用洗浄剤組成物をシートに含浸させた形態や、本発明の口腔内装着器具用洗浄剤組成物を噴霧容器に充填した形態、泡吐出機構を備えた容器に充填した形態、又はエアゾール容器に充填した形態であってもよい。
なかでも、本発明の口腔内装着器具用洗浄剤組成物は、液状、又は泡状の形態であるのが好ましい。本発明の口腔内装着器具用洗浄剤組成物を泡状の形態とするには、液状の形態である本発明の口腔内装着器具用洗浄剤組成物を泡吐出機構を備えた容器に充填し、使用時に容器から噴射又は吐出すればよい。泡で口腔内装着器具を被覆することにより、効果的に優れたデンチャープラーク除去効果を発揮しつつ、不快臭の発生を有効に抑制しながら良好な香り立ちを安定してもたらすことができる。
とりわけ、泡吐出機構を備えた容器に本発明の口腔内装着器具用洗浄剤組成物を充填して泡状の形態とし、これで口腔内装着器具を被覆することにより、複雑な形状を伴う口腔内装着器具の隅々にわたり洗浄剤組成物が充分に到達して、液だれすることなくそのまま保持されることとなり、口腔内装着器具や口腔用装着器具における優れたデンチャープラーク除去効果を発揮するとともに、不快臭の発生を抑制しながら、良好な香り立ちを長期間にわたり安定してもたらすることができる。
その結果、組成物を適用した後の口腔内装着器具を水等により漱いで洗い流すのみで、特段ブラッシング等の物理的な付加力を施すことなく、優れたデンチャープラーク除去効果を発揮しつつ良好な香り立ちをもたらすことができ、また長期間にわたる保存後においても、不快臭の発生を有効に抑制して良好な香り立ちが損なわれることなく爽快感を実感することができる。
泡形成機構を備えた容器とは、容器に充填されてなる内容物を噴射口又は吐出口から容器外部へと泡形成機構を介して噴射又は吐出することにより、泡を形成することができる容器である。かかる泡形成機構を備えた容器としては、トリガー式噴射容器、ポンプ式ディスペンサー容器が挙げられる。
トリガー式噴射容器は、内容物を充填する容器本体と、泡形成機構であるトリガー及びスプレイヤーを具備しており、使用時にトリガーを引くことにより、内容物がスプレイヤーの噴射口から外部へと噴射され、泡が形成される。かかるトリガー式噴射容器は、直圧型であってもよく、蓄圧型であってもよい。
ポンプ式ディスペンサー容器は、内容物を充填する容器本体と、チューブやノズル、及びこれらの内部にメッシュ等の泡形成機構を具備し、使用時に容器の一部を押圧することにより、内容物がチューブやノズルの吐出口から外部へと吐出され、泡が形成される。
本発明の口腔内装着器具用洗浄剤組成物を用いて口腔内装着器具を洗浄する場合、これら容器のなかでも、泡の効果を充分に発揮させる観点から、トリガー式噴射容器を用いるのが好ましい。
トリガー式噴射容器を用いる場合、泡の効果を充分に発揮させる観点から、噴射距離20cmにおける噴射径を好ましくは2cm以上、より好ましくは3cm以上、好ましくは10cm以下、より好ましくは8cm以下に設定するのが望ましい。
また、トリガー式噴射容器において、内容物である洗浄剤組成物の噴射力は、泡を有効に形成させる観点から、噴射距離 20cmにおける噴射力を好ましくは1g・f以上、より好ましくは3g・f以上、好ましくは10g・f以下、より好ましくは8g・f以下に設定するのが望ましい。
本発明の口腔内装着器具用洗浄剤組成物の使用態様は、まず、義歯等の口腔内装着器具を口腔内装着器具用洗浄剤組成物に浸漬、或いは、口腔内装着器具用洗浄剤組成物を口腔内装着器具に泡吐出、塗布、滴下又は噴霧等することにより適用した後、一定時間放置する。放置時間は、通常20~30分であればよく、さらに放置時間を5~10分に短縮することも可能である。
次に、放置した後、口腔内装着器具を水等により漱いで口腔内装着器具用洗浄剤組成物を洗い流す。本発明の口腔内装着器具用洗浄剤組成物であれば、より好ましくは、洗い流すだけでよく、ブラッシング等の物理的な付加力を特段施す必要がない。
本発明の口腔内装着器具用洗浄剤組成物を泡状の形態とする場合、その使用態様は、義歯等の口腔内装着器具を泡状の口腔内装着器具用洗浄剤組成物で被覆した後、一定時間放置する。
泡で口腔内装着器具を被覆する時間は、優れたデンチャープラーク除去効果及び形成抑制効果を充分に享受する観点から、好ましくは1分以上であり、より好ましくは2分以上であり、さらに好ましくは3分以上である。また、泡で口腔内装着器具を被覆する時間は、泡の効果を充分に発揮させる観点から、好ましくは30分以下であり、より好ましくは20分以下であり、さらに好ましくは10分以下である。そして、泡で口腔内装着器具を被覆する時間は、好ましくは1分以上30分以下であり、より好ましくは2~20分であり、さらに好ましくは3~10分である。
口腔内装着器具を被覆する泡量は、泡の効果を充分に発揮させて、優れたデンチャープラーク除去効果及び形成抑制効果を充分に享受する観点から、口腔内装着器具の表面積1cm2あたりに、好ましくは0.05g以上であり、より好ましくは0.07g以上であり、さらに好ましくは0.1g以上であり、好ましくは3.5g以下であり、より好ましくは3.2g以下であり、さらに好ましくは3g以下である。
形成された泡で口腔内装着器具を被覆した後、口腔内装着器具を水で漱ぐことにより、洗浄剤組成物を洗い流すのが好ましい。このように本発明の口腔内装着器具用洗浄剤組成物を泡状の形態とすると、特段物理的な付加力を要することなく口腔内装着器具を水で漱ぐのみで、被覆した泡を洗い流しながら速効性の高い優れたデンチャープラーク除去効果及び形成抑制効果を発揮することができるため、高齢者等の使用者にとっても負担が軽減され、容易に使用頻度を高めることもできる。
また、形成された泡で口腔内装着器具を被覆した後、物理的な付加力を施すことなく、組成物を適用した後の口腔内装着器具を水により漱いで洗い流すことが好ましい。これにより、簡易的かつ効果的に口腔内装着器具を洗浄しつつ、良好な香り立ちにより優れた爽快感を実感することが可能である。
以下、本発明について、実施例に基づき具体的に説明する。なお、表中に特に示さない限り、各成分の含有量は質量%を示す。
[実施例1~8、比較例1~4]
表1に記載の処方にしたがって、各口腔内装着器具用洗浄剤組成物を調製した。
次いで得られた各口腔内装着器具用洗浄剤組成物を用い、調製直後から1カ月間保存後にわたり、下記方法にしたがって、不快臭の有無の評価に加え、香り立ちの良し悪しとともに不快臭の有無も含めた総合的な香りの評価を行った。
結果を表1に示す。
《不快臭の有無の評価》
調製した直後の各口腔内装着器具用洗浄剤組成物80mLを、プラスチック製ボトル(OPT-80、竹本容器社製)に入れ、訓練された専門パネル1名により、調製直後の組成物の不快臭の有無について、下記基準にしたがって評価した。
次いで、恒温保管装置を用い、50℃にて1週間日間保管した後と1カ月間保管した後との各々につき、同様にして組成物の不快臭を評価した。
A:不快臭を感じない
B:わずかに不快臭を感じる
Z:明らかに不快臭を感じる
《総合的な香りの評価》
調製した直後の各口腔内装着器具用洗浄剤組成物80mLを、プラスチック製ボトル(OPT-80、竹本容器社製)に入れ、訓練された専門パネル1名により、調製直後の組成物の総合的な香りについて、下記基準にしたがって評価した。
次いで、恒温保管装置を用い、50℃にて1週間保管した後と1カ月間保管した後との各々につき、同様にして組成物の香りを評価した。
AAA:ミント様の爽快な香り立ちをしっかり感じる
AA:ミント様の爽快な香り立ちを感じる
A:ミント様の爽快な香り立ちをやや感じる
B:ミント様の爽快な香り立ちをわずかに感じる
Z:ミント様の香り立ちを感じない
Figure 2023110403000001
[実施例1、比較例5]
表2に記載の各口腔内装着器具用洗浄剤組成物を用い、下記基準にしたがってデンチャープラーク除去効果の評価を行った。
結果を表2に示す。
《デンチャープラーク除去効果の評価》
1)デンチャープラークモデル試験液の調整
寒天プレート(Anaero Columbia Agar with RSB, Nippon Becton Dickinson)にStreptococcus mutans JCM5705及びCandida albicans JCM1542のグリセロールストックを画線し、これをCO2パックとともにプラスチックケースに格納して嫌気条件下とし、37℃で48時間から72時間培養した。培養後の寒天プレートからシングルコロニーをピックアップし、液体培地A(SCD培地ダイゴ(日本製薬社製)3質量%, Bacto Yeast Extract(ベクトンディッキンソン社製)0.5質量%)20mLを分注した細胞培養フラスコに入れてかき混ぜた後、これをCO2パックとともにプラスチックケースに格納して嫌気条件下とし、37℃で24時間培養した。
培養後、この培養液をOD=0.5となるように液体培地Aで希釈した。この希釈液を液体培地B(SCD培地ダイゴ3wt%, Bacto Yeast Extract 0.5wt%, D(+)-グルコース(富士フィルム和光純薬社製)1質量%、スクロース(富士フィルム和光純薬社製)2質量%)でS. mutans OD=0.01、C. albicans OD=0.00001となるように希釈した。さらに滅菌した塩化カルシウム(富士フィルム和光純薬社製)水溶液をカルシウムイオン終濃度40ppmとなるように混ぜ、デンチャープラークモデル試験液を調製した。
2)デンチャープラークモデルの作製
義歯基板(杏友会社製、素材:ポリメチルメタクリレート樹脂、1cm)を24穴プレートに入れ、上記1)-1で調製したデンチャープラークモデル試験液を1mLずつ添加した後、これをCO2パックとともにプラスチックケースに格納して嫌気条件下とし、37℃で16時間培養した。
3)デンチャープラーク除去効果の評価
減圧ポンプを用いてプレート中の上述のデンチャープラークモデル試験液を吸い取り、イオン交換水1mLを添加して5分間振盪した。次にポンプを用いてイオン交換水を吸い取り、実施例及び比較例で得られた各組成物1mLを別途24穴プレートに調製した。次いで、調製した溶液にデンチャープラークモデルを形成した義歯基板を浸漬し適用させ、3分間静置した。
振盪は、振盪機(BioShake iQ(ワケンビーテック社製))を用い、室温(25℃)、550rpmの条件で行った。
その後、各組成物を吸い取り、イオン交換水1mLを添加して5分間振盪した。イオン交換水1mLを添加して5分間振盪する操作を計3回繰り返した。次いで、イオン交換水を吸い取り、0.1質量%クリスタルバイオレット(CV)溶液を750μL添加して15分間振盪した。
さらにポンプでCV染色液を吸い取り、イオン交換水1mLを添加して5分間振盪した。イオン交換水1mLを添加して5分間振盪する操作を2回繰り返した。次いで、イオン交換水をポンプで吸い取り、エタノール500μLを添加してピペッティングした後、抽出液をイオン交換水で10倍希釈し、マイクロプレートレコーダー(TECAN社製 波長可変型吸光マイクロプレートリーダー サンライズレインボーサーモ)で吸光度OD595nmを測定した。
また、上記得られた組成物の代わりにイオン交換水を用いた際の吸光度OD595nm(初期値)を基準とし、下記式にしたがってデンチャープラーク除去率(%)を算出した。
デンチャープラーク除去率(%)=100-
{上記得られた組成物を用いた際のOD595nm/上記得られた組成物の代わ
りにイオン交換水を用いた際のOD595nm}×100
結果を表2に示す。
なお、得られたデンチャープラーク除去率の値が大きいほど、デンチャープラーク除去効果が高いことを意味する。
Figure 2023110403000002
以下に示す処方例にしたがって各成分を混合し、本発明の調製した(25℃におけるpH=10)。得られた口腔内装着器具用洗浄剤組成物をトリガー式噴射容器(噴射距離20cmにおける噴射径:5cm、噴射力:5g・fに設定)に充填し、義歯に対して吐出した。かかる口腔内装着器具用洗浄剤組成物を用いることにより、優れたデンチャープラーク除去効果を発揮し、口腔内装着器具用洗浄剤組成物由来の不快臭を有効に抑制しつつ、良好な香り立ちをもたらすことができる。
なお、※1~4は表1と同じ、※5はアクアリックGH-004、質量平均分子量20000、日本触媒社製である。
[処方例1]
Figure 2023110403000003
[処方例2]
Figure 2023110403000004
[処方例3]
Figure 2023110403000005
[処方例4]
Figure 2023110403000006
[処方例5]
Figure 2023110403000007
[処方例6]
Figure 2023110403000008
[処方例7]
Figure 2023110403000009
[処方例8]
Figure 2023110403000010
[処方例9]
Figure 2023110403000011

Claims (4)

  1. 次の成分(A)~(B):
    (A)炭素数10以上20以下の脂肪酸塩又はその塩 脂肪酸換算量で0.5質量%以上20質量%以下
    (B)l-メントン
    を含有し、l-カルボンの含有量が0.0005質量%未満であり、成分(B)の含有量と成分(A)の含有量との質量比((B)/(A))が0.003以上0.3以下であり、かつ
    25℃におけるpHが8以上14以下である口腔内装着器具用洗浄剤組成物。
  2. さらに、カンファー、ぺリルアルデヒド、シス-3-ヘキセノール、及びシス-6-ノネン-1-オールから選ばれる1種又は2種以上の香料化合物(C)を含有する請求項1に記載の口腔内装着器具用洗浄剤組成物。
  3. さらに、成分(A)以外のアニオン性界面活性剤(d1)、ノニオン性界面活性剤(d2)、及び両性界面活性剤(d3)から選ばれる1種又は2種以上の界面活性剤(D)を0.05質量%以上20質量%以下含有する請求項1又は2に記載の口腔内装着器具用洗浄剤組成物。
  4. 液状、又は泡状の形態である請求項1~3のいずれか1項に記載の口腔内装着器具用洗浄剤組成物。
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