JP5834921B2 - 歯磨組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、ステイン付着抑制効果が高く、かつ優れたステイン付着抑制実感を与え、また歯磨き時の泡の持続性、及び製剤外観、特に練りのツヤが良好な歯磨組成物に関する。
歯牙の着色汚れの一種であるステインは、コーヒー、茶等に含まれるタンニン色素、アルブミン等の口腔内タンパク、金属イオンなどにより形成される。ステインの歯牙表面への付着は、口腔審美における主要問題の一つである。
このステインによる問題を解決する有効な手段の一つに、ステインの付着抑制が挙げられる。出願人は、これまでに、ステインを化学的作用により除去する組成物を提案した(特許文献1;特開平9−12438号公報、特許文献2;特開平11−343220号公報、特許文献3;特開2002−47161号公報)。特許文献3には、歯面・舌面の化学的清掃基剤のフェノキシエタノールを含有する液状歯磨として実施例4にN−ラウロイルグルタミン酸ナトリウムを0.2質量%、ラウロイルグリシンナトリウムを0.1質量%、ラウリル硫酸ナトリウムを1.0質量%、ピロリン酸四ナトリウムを4.0質量%、トリポリリン酸ナトリウムを1.5質量%、ポリエチレングリコールを1.0質量%配合した組成が記載されている。しかし、この歯磨剤は、ステイン付着抑制効果が高いものの、満足なステイン付着抑制実感は得られていない。更に、口腔粘膜への刺激や泡立ちなどの使用感が十分とは言い難く、改善の余地があった。ステインによる問題を解消するため、これまでに数多くの歯磨剤組成物が提案されている。
また、ステインは飲食等による影響で長期間かけて歯牙に形成されていくものであるため、付着抑制効果も長期的な口腔清掃の積み重ねにより実効果が発揮される。よって、使用者の継続使用を促すために、使用回毎の効果実感付与が求められる。従来、ステイン付着抑制効果実感を満足に付与し得る口腔用組成物は提案されておらず、この点に改善の余地があった。
更に、高い審美機能を有する歯磨剤組成物としては、歯磨き時の泡の持続性、練りのツヤといった製剤外観が良好であると望ましい。
特開平9−12438号公報 特開平11−343220号公報 特開2002−47161号公報
従って、高いステイン付着抑制効果を奏し、かつステイン付着抑制実感を与え、また泡の持続性、製剤外観が良好な歯磨組成物を与える技術が求められるが、従来の技術ではこれら全ての効果を満足することはできないのが現状であった。
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、ステイン付着抑制効果が高く、かつ優れたステイン付着抑制実感を与え、また歯磨き時の泡の持続性、製剤外観が良好な歯磨組成物を提供することを目的とする。
本発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討を行った結果、(A)アシルアミノ酸塩、(B)ノニオン型界面活性剤、(C)ベタイン型両性界面活性剤及び(D)アルキル硫酸塩を配合することで、ステイン付着抑制効果が高い上、ステイン付着抑制実感付与効果に優れ、かつ歯磨き時の泡の持続性が良好で、練りのツヤが良く製剤外観の良好な歯磨組成物が得られることを知見し、本発明をなすに至った。
更に詳述すると、本発明者が上記課題を解決するため検討を進めたところ、アシルアミノ酸塩が歯牙のステイン付着に対して効果があることは知られているが、成分(A)に成分(D)を配合してもステイン付着抑制効果に劣り、更にステイン付着が抑制されたという満足な効果実感付与効果は得られず、成分(B)を配合してもステイン付着抑制効果、ステイン付着実感付与効果は改善せず、この場合、泡の持続性に劣るという課題が生じた。また、成分(A)、(D)に成分(C)を配合してもステインの付着抑制効果、付着実感付与効果は改善せず、この場合は練りのツヤに劣るという課題が生じた。そこで、かかる課題を解決するため更に検討を進めた結果、成分(A)に成分(B)、(C)、(D)を組み合わせて配合すると、意外にも前記課題が全て解消し、特に歯牙表面がなめらかでステインの付着が抑制されたという高い効果実感を与えること、よって、ステイン付着抑制効果、ステイン付着抑制実感付与効果、泡の持続性、練りツヤに優れた製剤が得られることを見出した。
なお、ここで、ステイン付着抑制実感とは、使用者が口腔清掃後に歯牙表面がなめらかであると感じ、これにより歯牙へステインが付着しにくい状態になったと実感することができる効果実感であり、これは歯面清掃後に舌先の官能で実感される。このようなステイン付着抑制実感は、通常の歯磨行動だけでは達成できず、また、従来の技術で満足に付与できなかったが、本発明によれば、成分(A)〜(D)の併用、とりわけ成分(B)としてポリオキシエチレン硬化ヒマシ油を配合することで、高いステイン付着抑制実感付与効果を奏し、上記格別の作用効果を与えることができる。
従って、本発明は、
(A)N−ラウロイル−L−グルタミン酸ナトリウム、N−ミリストイル−L−グルタミン酸ナトリウム、N−ヤシ油脂肪酸アシル−L−グルタミン酸カリウム、N−ラウロイル−L−アスパラギン酸ナトリウム及びN−ヤシ油脂肪酸アシルグリシンカリウムから選ばれる1種又は2種以上のアシルアミノ酸塩 0.1〜2質量%
(B)酸化エチレンの平均付加モル数が5〜100モルであるポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンステアリルエーテル及びグリセリン脂肪酸エステルから選ばれる1種又は2種以上のノニオン型界面活性剤 0.1〜5質量%
(C)ベタイン型両性界面活性剤 0.1〜2質量%、
及び
(D)アルキル硫酸塩 0.1〜2質量%
を含有してなることを特徴とする歯磨組成物
を提供する。
本発明によれば、ステイン付着抑制効果が高く、かつ優れたステイン付着抑制実感を与え、また歯磨き時の泡の持続性、製剤外観が良好な歯磨組成物を提供できる。
以下、本発明につき更に詳述する。本発明の歯磨組成物は、(A)アシルアミノ酸塩、
(B)ノニオン型界面活性剤、(C)ベタイン型両性界面活性剤及び(D)アルキル硫酸塩を含有してなることを特徴とする。
成分(A)のアシルアミノ酸塩としては、アシル基の炭素数が8〜20、特に12〜16のものが好適である。また、アミノ酸基は、グルタミン酸、アスパラギン酸、グリシン、サルコシン、アラニン、メチオニン、フェニルアラニン、ロイシン、イソロイシンなどが挙げられ、特にグルタミン酸が好ましい。その塩としては、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、有機アミン塩などが挙げられる。
アシルアミノ酸塩としては、例えばN−ラウロイル−L−グルタミン酸ナトリウム、N−ミリストイル−L−グルタミン酸ナトリウム、N−ヤシ油脂肪酸アシル−L−グルタミン酸カリウム等のアシルグルタミン酸塩、N−ラウロイル−L−アスパラギン酸ナトリウム等のアシルアスパラギン酸塩、N−ヤシ油脂肪酸アシルグリシンカリウム等のアシルグリシン塩などが挙げられ、これらは1種単独で又は2種以上を組み合わせて配合できる。
具体的には、アミノサーファクトALMS−P1(N−ラウロイル−L−グルタミン酸ナトリウム、旭化成ケミカルズ株式会社)、アミソフトLS−11(N−ラウロイル−L−グルタミン酸ナトリウム、味の素ヘルシーサプライ株式会社)、アミノサーファクトAMMS−P1(N−ミリストイル−L−グルタミン酸ナトリウム、旭化成ケミカルズ株式会社)、アミソフトMS−11(N−ミリストイル−L−グルタミン酸ナトリウム、味の素ヘルシーサプライ株式会社)、アミノフォーマーFLDS−L(N−ラウロイル−L−アスパラギン酸ナトリウム、旭化成ケミカルズ株式会社)、アミライトGCK−12K(N−ヤシ油脂肪酸アシルグリシンカリウム、味の素ヘルシーサプライ株式会社)などの商品名で商品化されているものが使用できる。
成分(A)としては、特にアシルグルタミン酸塩が、ステイン付着抑制実感付与効果の点で他のアミノ酸残基を有するものより優位であることからより好適である。
成分(A)の配合量は、好ましくは0.1〜2%(質量%、以下同様。)、より好ましくは0.2〜1.5%である。0.1%未満では満足なステイン付着抑制効果、ステイン付着抑制実感、泡の持続性が得られないことがあり、2%を超えると練りツヤが低下することがある
(B)ノニオン型界面活性剤としては、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油等のポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、マルトース脂肪酸エステル、ラクトース脂肪酸エステル等の糖脂肪酸エステル、マルチトール脂肪酸エステル、ラクチトール脂肪酸エステル等の糖アルコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート等のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ラウリン酸モノ又はジエタノールアミド、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン高級アルコールエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン脂肪酸エステル等が用いられる。これらは1種単独でも2種以上を併用してもよい。中でもポリオキシエチレン脂肪酸エステル、特にポリオキシエチレン硬化ヒマシ油が好適である。
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油としては、効果発現の点で酸化エチレン(E.O.)の平均付加モル数が5〜100モルのものが好ましく、特に10〜50モル、とりわけ20〜40モルのものがより好適に使用できる。酸化エチレンの平均付加モル数が100モルを超えると異味が強くなる場合がある。また、5モル未満では、満足なステイン付着抑制実感が得られない場合がある。
ノニオン型界面活性剤は、市販されているものが使用できる。
具体的にポリオキシエチレン硬化ヒマシ油としては、例えば日光ケミカルズ株式会社製のHCO−10、HCO−20、HCO−30、HCO−40、日本エマルジョン株式会社製のHC−5、HC−10、HC−20、HC−30、HC−40、青木油脂工業株式会社製のBLAUNON CW−10、CW−25などが挙げられる。
成分(B)の配合量は、好ましくは0.1〜5%であり、より好ましくは0.5〜2%である。0.1%未満では、満足なステイン付着抑制効果、ステイン付着抑制実感、練りのツヤが得られないことがある。5%を超えると、異味が生じ満足な使用感が得られないことがある。
成分(C)のベタイン型両性界面活性剤としては、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン等のアルキルベタイン系、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン等の脂肪酸アミドプロピルベタイン系、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン等のアルキルイミダゾリニウムベタイン系のものが挙げられ、これらは1種単独で又は2種以上を組み合わせて配合できる。
具体的には、リカビオンA−100(ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、新日本理化株式会社)、Tego Betain CK(ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン、EVONIK社)、エナジコールC−40H(アルキルイミダゾリニウムベタイン、ライオン株式会社)などの商品名で商品化されているものを使用できる。
成分(C)としては、脂肪酸アミドプロピルベタイン系が好ましく、特にヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタインが、ステイン付着抑制実感付与効果の点で他のベタイン型両性界面活性剤より優位であることからより好適に使用できる。
成分(C)の配合量は、好ましくは0.1〜2%、より好ましくは0.5〜1.5%である。0.1%未満では、満足なステイン付着抑制効果、ステイン付着抑制実感、泡の持続性が得られないことがある。2%を超えると練りツヤが低下することがある。
成分(D)のアルキル硫酸塩としては、ラウリル硫酸、ミリスチル硫酸等のアルキル硫酸のアルカリ金属塩が挙げられ、1種又は2種以上を用いることができる。アルキル硫酸塩としては、特にラウリル硫酸ナトリウムが好適である。
アルキル硫酸塩は、市販の東邦化学工業株式会社製のものを使用できる。
成分(D)の配合量は、好ましくは0.1〜2%であり、より好ましくは0.2〜1.5%である。0.1%未満では満足なステイン付着抑制効果、泡の持続性が得られないことがある。2%を超えると満足なステイン付着抑制実感が得られないことがある。
本発明の歯磨組成物は、特に練歯磨剤として好適に調製される。この場合、必要に応じて上記成分以外の公知成分を本発明の効果を妨げない範囲で配合できる。例えば研磨剤、粘稠剤、粘結剤、界面活性剤、甘味剤、防腐剤、着色剤、香料、各種有効成分等が配合される。
研磨剤としては、シリカゲル、沈降性シリカ、アルミノシリケート等のシリカ系研磨剤、第2リン酸カルシウム2水和物及び無水和物、第3リン酸カルシウム、第3リン酸マグネシウム、第4リン酸カルシウム、ピロリン酸カルシウム等のリン酸カルシウム系化合物、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、アルミナ、炭酸マグネシウム、ケイ酸ジルコニウム、ハイドロキシアパタイト、合成樹脂系研磨剤等が挙げられる。
これらの研磨剤の配合量は、通常、組成全体の10〜50%であり、好ましくは10〜30%である。
粘稠剤としては、ソルビット、キシリット等の糖アルコール、グリセリン、プロピレングリコール等の多価アルコールが挙げられる。これらの配合量は、通常、5〜50%、特に20〜45%である。
粘結剤としては、公知の粘結剤を配合できる。例えば、カラギーナン、キサンタンガム、ポリアクリル酸ナトリウム、ヒドロキシエチルセルロースナトリウム、ポリビニルアルコール、グアガム、アルギン酸ナトリウム、カチオン化セルロース、増粘性シリカ、モンモリロナイト、ゼラチン、カルボキシメチルセルロースナトリウム等が挙げられる。これら粘結剤の配合量は、0.2〜5%の範囲が好ましい。
界面活性剤としては、成分(A)、(B)、(C)、(D)以外の公知の界面活性剤を本発明の効果を妨げない範囲で配合できる。具体的に、アニオン性界面活性剤としてN−ラウロイルサルコシンナトリウム、N−ミリストイルサルコシンナトリウム等のN−アシルサルコシンナトリウムが挙げられる。カチオン性界面活性剤としてアルキルアンモニウム等が挙げられる。
これら界面活性剤の配合量は、15%以下、特に0.5〜10%が望ましい。
甘味剤としては、サッカリンナトリウム等、防腐剤としては、パラオキシ安息香酸エステル、安息香酸ナトリウム等が挙げられる。
着色剤としては、青色1号、黄色4号、二酸化チタン等が挙げられる。
香料としては、ペパーミント油、スペアミント油、アニス油、ユーカリ油、ウィンターグリーン油、カシア油、クローブ油、タイム油、セージ油、レモン油、オレンジ油、ハッカ油、カルダモン油、コリアンダー油、マンダリン油、ライム油、ラベンダー油、ローズマリー油、ローレル油、カモミル油、キャラウェイ油、マジョラム油、ベイ油、レモングラス油、オリガナム油、パインニードル油、ネロリ油、ローズ油、ジャスミン油、グレープフルーツ油、スウィーティー油、柚油、イリスコンクリート、アブソリュートペパーミント、アブソリュートローズ、オレンジフラワー等の天然香料及び、これら天然香料の加工処理(前溜部カット、後溜部カット、分留、液液抽出、エッセンス化、粉末香料化等)した香料、及び、メントール、カルボン、アネトール、シネオール、サリチル酸メチル、シンナミックアルデヒド、オイゲノール、3−l−メントキシプロパン−1,2−ジオール、チモール、リナロール、リナリールアセテート、リモネン、メントン、メンチルアセテート、N−置換−パラメンタン−3−カルボキサミド、ピネン、オクチルアルデヒド、シトラール、プレゴン、カルビールアセテート、アニスアルデヒド、エチルアセテート、エチルブチレート、アリルシクロヘキサンプロピオネート、メチルアンスラニレート、エチルメチルフェニルグリシデート、バニリン、ウンデカラクトン、ヘキサナール、ブタノール、イソアミルアルコール、ヘキセノール、ジメチルサルファイド、シクロテン、フルフラール、トリメチルピラジン、エチルラクテート、エチルチオアセテート等の単品香料、更に、ストロベリーフレーバー、アップルフレーバー、バナナフレーバー、パイナップルフレーバー、グレープフレーバー、マンゴーフレーバー、バターフレーバー、ミルクフレーバー、フルーツミックスフレーバー、トロピカルフルーツフレーバー等の調合香料等、歯磨組成物に用いられる公知の香料素材を組み合わせて使用することができる。
各種有効成分としては、フッ化ナトリウム、モノフルオロリン酸ナトリウム等のフッ化物、正リン酸のカリウム塩、ナトリウム塩等の水溶性リン酸化合物、デキストラナーゼ、ムタナーゼ等のグルカナーゼ、アラントインクロルヒドロキシアルミニウム、ヒノキチオール、アスコルビン酸、塩化リゾチーム、グリチルリチン酸及びその塩類、塩化ナトリウム、トラネキサム酸、イプシロンアミノカプロン酸、酢酸dl−トコフェノール、α−ビサボロール、イソプロピルメチルフェノール、クロロヘキシジン塩類、塩化セチルピリジニウム、アズレン、グリチルレチン酸、銅クロロフィリンナトリウム、グルコン酸銅等の銅化合物、乳酸アルミニウム、塩化ストロンチウム、硝酸カリウム、ベルベリン、ヒドロキサム酸及びその誘導体、ゼオライト、アミラーゼ、メトキシエチレン、無水マレイン酸共重合体、ポリビニルピロリドン、エピジヒドロコレステリン、塩化ベンゼトニウム、ジヒドロコレステロール、トリクロロカルバニリド、クエン酸亜鉛、トウキ軟エキス、オウバクエキス、チョウジ、ローズマリー、オウゴン、ベニバナ等の抽出物が挙げられる。なお、上記有効成分は、本発明の効果を妨げない範囲で有効量配合することができる。
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。なお、下記の例において%は特に断らない限りいずれも質量%を示す。
[実施例、比較例]
表1〜3に示す組成の歯磨組成物(練歯磨)を常法により調製し、下記方法で評価した。結果を表1〜3に示す。
〈1〉ステイン付着抑制効果の評価方法
〈1−1〉モデルステイン付着抑制試験
未処置のハイドロキシアパタイトペレット(HAP)表面(HOYA株式会社製、直径7mm×厚さ3.5mm)をサンドブラストにて処理後、中性洗剤水溶液中、超音波洗浄機で洗浄した。水洗し、自然乾燥後、分光式色差計(日本電色工業株式会社製、型式:SE−2000)を用いて、ステイン付着前のHAPのΔE値(ΔE0)を測定した。
また、歯磨組成物を2倍量の精製水で希釈し、3,000rpmで10分間遠心分離した上清液を得、歯磨分散液とした。歯磨分散液を50℃ウォーターバス中に10分間静置後、予め50℃恒温槽に30分間静置しておいたエプトン管に注ぎ入れ、1分間に20回となるように振り混ぜた。この液に、前述のハイドロキシアパタイト板を浸漬後、3分間、50℃恒温槽中で静置した。その後、歯磨分散液の液面とハイドロキシアパタイト板が平行になるような状態で、ハイドロキシアパタイト板を歯磨分散液から取り出し、40℃恒温槽中に3分間静置した。その後、精製水で洗浄した。表面の水分を取り除いた後、0.5%アルブミン溶液→タンニン抽出液→0.6%クエン酸鉄(III)アンモニウム溶液の順に、50℃で5分間ずつ繰り返し浸漬する操作を行った。タンニン抽出液は、沸騰させたイオン交換水1,200mL中に、日本茶(銘柄:老松)50g、紅茶(商品名 ブリスク ティーバック、ユニリーバ・ジャパン株式会社製)5袋、インスタントコーヒー(商品名 ネスカフェ、ネスレ日本株式会社製)12gを入れ一晩放置し、日本茶及び紅茶をろ過にて取り除き作製した。上記操作を7回繰り返し、HAP表面を風乾させ、再び表面のΔE値(ΔE1)を測定した。
歯磨分散液の代わりに、精製水で同様の処理を行ったときの初期のHAPのΔEをΔE0b、処理後のΔEをΔE1bとした。次式によりステイン付着抑制率を算出し、これによりステイン付着抑制効果を評価した。
ステイン付着抑制率(%)=
〔(ΔE1b−ΔE0b)−(ΔE1−ΔE0)〕/(ΔE1b−ΔE0b)×100
ステイン付着抑制率から下記基準に従いステイン付着抑制効果を判定した。
◎:ステイン付着抑制率が75%以上
○:ステイン付着抑制率が65%以上75%未満
△:ステイン付着抑制率が50%以上65%未満
×:ステイン付着抑制率が50%未満
〈1−2〉ステイン付着抑制実感の付与効果の評価方法
被験者10名を用い、歯磨組成物約1gを歯ブラシにとり、1日2回以上、3分間歯磨を30日間継続使用後、歯の表面がなめらかになった感じについて、(i)非常に感じる、(ii)やや感じる、(iii)あまり感じない、(iv)感じない、の4段階で回答を得た。この回答のうち、非常に感じるを4点、やや感じるを3点、あまり感じないを2点、感じないを1点として、10名の平均点から以下の基準でステイン付着抑制実感を評価した。
◎:平均点3.5点以上4.0点以下
○:平均点3.0点以上3.5点未満
△:平均点2.0点以上3.0点未満
×:平均点1.0点以上2.0点未満
〈2〉歯磨き時の泡の持続性の評価方法
被験者10名を用い、歯磨組成物約1gを歯ブラシにとり、3分間歯磨きを行った際の泡の持続性について、(i)泡の持続性が非常に良い、(ii)泡の持続性が良い、(iii)泡の持続性がやや良くない、(iv)泡の持続性が良くない、の4段階で回答を得た。この回答のうち、泡の持続性が非常に良いを4点、泡の持続性が良いを3点、泡の持続性がやや良くないを2点、泡の持続性が良くないを1点として、10名の平均点から以下の基準で使用感を評価した。
◎:平均点3.5点以上4.0点以下
○:平均点3.0点以上3.5点未満
△:平均点2.0点以上3.0点未満
×:平均点1.0点以上2.0点未満
〈3〉練りのツヤの評価方法
被験者10名を用い、歯磨組成物を歯ブラシ(クリニカハブラシ フラット 4列コンパクト、ライオン株式会社製)の刷毛の先後端全域に載せ、蛍光灯1本(パルックプレミアL、Panasonic社製)直下1.5mに置き、練りのツヤについて、(i)練り表面に反射によるツヤが強く認められる、(ii)練り表面に反射によるツヤが認められる、(iii)練り表面に反射によるツヤがわずかに認められる、(iv)練り表面にツヤが認められない、の4段階で回答を得た。この回答のうち、練り表面に反射によるツヤが認められるを4点、練り表面に反射によるツヤが認められるを3点、練り表面に反射によるツヤがわずかに認められるを2点、練り表面にツヤが認められないを1点として、10名の平均点から以下の基準で使用感を評価した。
◎:平均点3.5点以上4.0点以下
○:平均点3.0点以上3.5点未満
△:平均点2.5点以上3.0点未満
×:平均点2.5点未満
使用原料の詳細は下記の通りである。
(A)N−ラウロイル−L−グルタミン酸ナトリウム;
アミノサーファクトALMS−P1(旭化成ケミカルズ株式会社)
N−ラウロイル−L−アスパラギン酸ナトリウム;
アミノフォーマーFLDS−L(旭化成ケミカルズ株式会社)
N−ヤシ油脂肪酸−ココイルグリシンカリウム;
アミライトGCK−12K(味の素ヘルシーサプライ株式会社)
(B)POE硬化ヒマシ油(ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油);
HCO−20(E.O.平均付加モル数20)(日光ケミカルズ株式会社)
POEステアリルエーテル(ポリオキシエチレンステアリルエーテル);
(ライオンケミカル株式会社)
グリセリン脂肪酸エステル;
SYグリスター ML−750(阪本薬品工業株式会社)
(C)ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン;
Tego Betain CK(EVONIK社)
アルキルイミダゾリニウムベタイン;
エナジコールC−40H(ライオン株式会社)
(D)ラウリル硫酸ナトリウム;(東邦化学工業株式会社)
その他の成分については医薬部外品原料規格2006に適合したものを用いた。
Figure 0005834921
Figure 0005834921
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Claims (5)

  1. (A)N−ラウロイル−L−グルタミン酸ナトリウム、N−ミリストイル−L−グルタミン酸ナトリウム、N−ヤシ油脂肪酸アシル−L−グルタミン酸カリウム、N−ラウロイル−L−アスパラギン酸ナトリウム及びN−ヤシ油脂肪酸アシルグリシンカリウムから選ばれる1種又は2種以上のアシルアミノ酸塩 0.1〜2質量%
    (B)酸化エチレンの平均付加モル数が5〜100モルであるポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンステアリルエーテル及びグリセリン脂肪酸エステルから選ばれる1種又は2種以上のノニオン型界面活性剤 0.1〜5質量%
    (C)ベタイン型両性界面活性剤 0.1〜2質量%、
    及び
    (D)アルキル硫酸塩 0.1〜2質量%
    を含有してなることを特徴とする歯磨組成物。
  2. 成分(A)が、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ナトリウム、N−ミリストイル−L−グルタミン酸ナトリウム及びN−ヤシ油脂肪酸アシル−L−グルタミン酸カリウムから選ばれる1種又は2種以上のアシルグルタミン酸塩である請求項1記載の歯磨組成物。
  3. 成分(B)が、酸化エチレンの平均付加モル数が20〜40モルのポリオキシエチレン硬化ヒマシ油である請求項1又は2記載の歯磨組成物。
  4. 成分(C)が、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン又はアルキルイミダゾリニウムベタインである請求項1、2又は3記載の歯磨組成物。
  5. 練歯磨剤として調製された請求項1〜4のいずれか1項記載の歯磨組成物。
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