JP4637494B2 - 義歯洗浄剤 - Google Patents

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Description

本発明は、義歯の洗浄に用いられる義歯洗浄剤に関する。より詳細には本発明は、義歯に付着した不快な臭気を効果的に除去するとともに義歯に付着した汚れも効果的に洗浄できる義歯洗浄剤に関する。さらに詳細には本発明は、従来の義歯洗浄剤ではなかなか除去できなかった義歯洗浄剤自体に由来する臭いや義歯および義歯床からの不快な臭いを除去できるとともに義歯および義歯床に付着した汚れも効果的に洗浄できる義歯洗浄剤に関する。
義歯は、装着している間に、食物残渣、口腔内微生物由来の汚れ、煙草のヤ二等の汚れが付着しやすい。また特に、義歯床粘膜面では、デンタルプラークが形成されやすい。義歯に付着した汚れやデンタルプラークは、歯周病や不快な臭いの原因となっている。このため、義歯を洗浄し、清潔に保つために種々の義歯洗浄剤が開発され、使用されている。それら義歯洗浄剤の一例として、界面活性剤、漂白剤を主成分とし、更に酵素や発泡剤等が配合されている義歯洗浄剤が知られている。しかしながら、その義歯洗浄剤では、義歯の汚れをある程度除去することができたとしても、義歯の不快な臭いの原因である有機物を十分に除去することは困難であった。
その点、酸素系漂白剤、プロテアーゼ、ムタナーゼ、グルカナーゼ、リパーゼ、デキストラナーゼ、イヌラーゼ、パパインのような酵素、酸、アルカリ等の活性成分、界面活性剤等を配合した義歯洗浄剤は義歯の不快な臭いの原因である有機物をかなり除去することを可能とした。しかしながら、この義歯洗浄剤では、義歯あるいは義歯床に付着した臭いを十分に除去することはできないばかりでなく、酸素系漂白剤など義歯洗浄剤自体に由来する臭いを除去することができなかった。
それらの問題点を解決するために、例えば、フラボノイド、クロロフィル、銅クロロフィリンナトリウムおよび鉄クロロフィリンナトリウムなどの化合物と共に、酸素系漂白剤および/または塩素系漂白剤を含有する技術が示されている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、この方法では、義歯および義歯床(以下、義歯ということがある)に付着した表面上の臭いを幾分緩和することはできたが、満足できるほどの効果を示すことができず、義歯の内部に吸着した不快臭などの義歯からの不快な臭いを効果的に除去するまでには到らなかった。したがって、現在、上記のような義歯の不快な臭いを効果的に除去できる義歯洗浄剤の開発が強く望まれていた。
特開平10−17451号公報
本発明は、義歯洗浄剤に関する上記従来の問題を解決することを課題とするものである。詳細には、本発明は、義歯あるいは義歯床からの不快な臭いを効果的に除去できるとともに義歯の汚れの洗浄効果に優れた義歯洗浄剤を提供することを課題とするものである。より詳細には、本発明は、義歯あるいは義歯床の内部に吸着した不快臭などの義歯あるいは義歯床からの不快な臭いを効果的に除去できるとともに義歯あるいは義歯床の汚れの洗浄効果に優れた義歯洗浄剤を提供することを課題とするものである。
本発明者等は、上記課題を解決すべく鋭意検討していたところ、酸素系漂白剤、フェノール性化合物、及び該フェノール性化合物を酸化し得る酵素を含有する義歯洗浄剤は、これらの配合成分の相乗作用によって義歯の汚れ除去作用が増強されており、義歯からの不快な臭いを効果的に除去できること、とくに義歯洗浄剤の開発に際して重要な課題の一つとして挙げられる義歯使用中に義歯の内部にまで吸着した不快臭などの従来の義歯洗浄剤ではなかなか除去できなかった不快な臭いを効果的に除去できることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて、更に検討を重ねることによって完成したものである。
ところで、優れた消臭作用を有する消臭剤として、カテキン類等のフェノール性化合物と該フェノール性化合物を酸化する酵素を含有する消臭剤が報告されているが(例えば、特開平9−38183号公報)、該消臭剤を義歯洗浄剤に使用して、義歯あるいは義歯床の不快な臭いを効果的に消臭できる点については何ら開示されていない。
すなわち、本発明の請求項1に係る発明は(1)酸素系漂白剤、(2)ブドウ果皮抽出物、ローズマリー抽出物、生コーヒー豆抽出物、ペパーミント抽出物又は茶抽出物よりなる群から選択される少なくとも1種のフェノール性化合物含有抽出物、及び(3)ラッカーゼ、チロシナーゼ、リンゴアセトンパウダー、ゴボウアセトンパウダー又はナシアセトンパウダーよりなる群から選択される少なくとも1種の該フェノール性化合物を酸化し得る酵素又は該フェノール性化合物を酸化し得る酵素含有アセトンパウダー、を含有することを特徴とする義歯洗浄剤でもある。フェノール性化合物を酸化し得る酵素が、フェノール性化合物を酸化してキノン構造を有する化合物とすることができる酵素である発明が請求項2に係る発明である。上記義歯洗浄剤の一成分である酸素系漂白剤が、過炭酸ナトリウム、過ホウ酸ナトリウム、過硫酸カリウム、モノ過硫酸水素カリウムよりなる群から選択される少なくとも1種の化合物である義歯洗浄剤が請求項3に係る発明である。
請求項4に係る発明は、追加成分として、ミントノートを有するフレーバー、シトラスノートを有するフレーバー、フルーツノートを有するフレーバー及びグリーンノートを有するフレーバーからなる群から選択される1種以上のフレーバーを含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の義歯洗浄剤であり、請求項5に係る発明は、請求項1乃至4のいずれかに記載の成分を含有することを特徴とする硫黄含有化合物除去用義歯洗浄剤である。
以下に、本発明を詳細に説明する。
酸素系漂白剤は、塩素系漂白剤と共に既に広く知られており、義歯洗浄剤成分としても使用されている。本発明で使用する酸素系漂白剤としては、義歯洗浄剤成分として使用するにあたり、安全上許容できるものであれば特に制限されない。該酸素系漂白剤の具体例としては、過炭酸ナトリウム、過炭酸カリウム等の過炭酸のアルカリ金属塩;過ホウ酸ナトリウム、過ホウ酸カリウム等の過ホウ酸のアルカリ金属塩;過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、モノ過硫酸水素カリウム(デュポン社製:オキソン(商品名))等の過硫酸のアルカリ金属塩;ペルオキシ硫酸・水素カリウム過炭酸ナトリウム等を例示できる。これらの中では、過炭酸ナトリウム、過ホウ酸ナトリウム、過硫酸カリウム、モノ過硫酸水素カリウムが好ましい。これらを単独で用いてもよいが、2種以上を混合して用いることができる。
これら化合物は市販品を購入することにより、容易に入手することができる。
これら酸素系漂白剤の配合量はとくに制限されないが、通常、酸素系漂白剤、フェノール性化合物、及び該フェノール性化合物を酸化し得る酵素から構成される組成物を基準として10〜80重量%、好ましくは20〜70重量%である。
本発明で使用されるフェノール性化合物について説明する。
本発明に用いられるフェノール性化合物としては、1個あるいは2個以上のフェノール性水酸基を有するフェノール性化合物が挙げられる。これらの中では、とくにポリフェノール化合物が好ましい。なお、「フェノール性水酸基」という用語は、ベンゼン環などの芳香環に直接結合した水酸基を意味する。芳香環とはベンゼン環、ピリジン環、チオフェン環、ナフタレン環、ビフェニル環、および他の芳香環などのいずれかであって、ベンゼン環が最も好ましい。
フェノール性化合物の中での好ましい化合物としては、カテコール、2価オルソフェノール誘導体、ヒドロキノン、2価パラフェノール誘導体、3価フェノール誘導体よりなる群から選択される少なくとも1種の化合物が挙げられる。ここで、2価オルソフェノール誘導体とは、その化合物の化合構造式中に2個の水酸基が一つのベンゼン環にオルソの位置となるように直接結合した環を含む化合物をいい、2価パラフェノール誘導体とは、その化合物の化合構造式中に2個の水酸基が一つのベンゼン環にパラの位置となるように直接結合した環を含む化合物をいい、3価フェノール誘導体とは、その化合物の化合構造式中に3個の水酸基が一つのベンゼン環にそれぞれ直接結合した環を含む化合物をいう。
好ましいフェノール性化合物の具体例としては、エピカテキン、エピカテキンガレート、エピガロカテキン、エピガロカテキンガレート等のカテキン類や、アピゲニン、アピゲニン配糖体、アカセチン、イソラムネチン、イソラムネチン配糖体、イソクエルシトリン、エスクレチン、エチルプロトカテキュ酸塩、エラグ酸、カテコール、カテキン、ガルデニン、ガロカテキン、カフェイン酸、カフェイン酸エステル、グアイアコール、クロロゲン酸、p−クマル酸、ケンフェロール、ケンフェロール配糖体、ケルセチン、ケルセチン配糖体、ケルセタゲニン、ゲニセチン、ゲニセチン配糖体、ゴシペチン、ゴシペチン配糖体、ゴシポール、シアニジン、シアニジン配糖体、シネンセチン、ジオスメチン、ジオスメチン配糖体、シナピン酸、3,4’−ジフェニルジオール、スピナセチン、タンニン酸、ダフネチン、チロシン、デルフィニジン、デルフィニジン配糖体、テアフラビン、テアフラビンモノガレート、テアフラビンビスガレート、トリセチニジン、ドーパ、ドーパミン、ナリンゲニン、ナリンジン、ノルジヒドログアヤレチック酸、ハイドロキノン、パチュレチン、ハーバセチン、パラオキシ安息香酸イソブチル、パラオキシ安息香酸イソプロピル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸ブチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸メチル、ピロカテコール、ビテキシン、4,4’−ビフェニルジオール、3,4’−ビフェニルジオール、プロトカテキュ酸、プロシアニジン、プロデルフィニジン、フロレチン、フロレチン配糖体、フィゼチン、フォリン、フェルバセチン、フェルラ酸、フラクセチン、フロリジン、ペオニジン、ペオニジン配糖体、ペルオルゴニジン、ペルアグゴニジン配糖体、ペチュニジン、ペチュニジン配糖体、ヘスペレチン、ヘスペレジン、没食子酸ラウリル、没食子酸プロピル、没食子酸ブチル、没食子酸、パラクマリン酸、マルビジン、マルビジン配糖体、モリン、ミリセチン、ミリセチン配糖体、4−メチルカテコール、5−メチルカテコール、4−メトキシカテコール、5−メトキシカテコール、メチルカテコール−4−カルボン酸、2−メチルレゾルシノール、5−メチルレゾルシノール、ラズベリーケトン、ラムネチン、リモシトリン、リモシトリン配糖体、リモシトロール、ルテオリン、ルテオリン配糖体、ルテオリニジン、ルテオリニジン配糖体、ルチン、レゾルシン、レスベラトロール、ロイコシアニジン、ロイコデルフィニジン等のジフェノール類、ビフェニロイド類、カテコール誘導体などを包含するが、特に、カテコール、チロシン、カフェイン酸、エピカテキン、エピカテキンガレート、エピガロカテキン、エピガロカテキンガレートなどのカテキン類、ドーパおよびクロロゲン酸が好ましい。
該フェノール性化合物は天然起源から調製してもよいし、各種合成法を利用して調製してもよい。天然起源から調製する方法はすでに企知の方法を適用すればよいのであって、フェノール性化合物に富む植物を選び、常法によりフェノール性化合物を含む抽出物を得、消臭基剤として使用する。この抽出物をさらに精製し、得られた精製物を消臭基剤として使用できる。精製する程度は特に限定されない。
フェノール性化合物に富む植物の例としては、例えば、アーチチョーク、アスパラガス、アロエ、アニス、アニス種子、アニスシード、アボガド、アルファルファ、アンズ、イチゴ、イチジク、イノンド種子、ウーロン茶葉、ウイキョー、ウイキョウ種子、ウコン、エルダー、エレウテロコック、オオバコ、オリーブ、オレンジフラワー、オールスパイス、オレガノ、かぶ、カカオ豆、カキ、カシューナッツ、カノコソウ、カモミル、カプシカムペッパー、カルダモン、カシア、カラシ、ガーリック、カンゾウ、柑橘果実、キャラウエイシード、菊、キウイ、キンミズヒキ、クローブ、クミンシード、クリ、クルミ、グレープフルーツ種子、紅茶葉、コエンドロヒ種子、ココナッツ、コーヒー豆、生コーヒー豆、コショウ、コーラ、ゴボウ、コリアンダーシード、コロハ、五倍子、さとうきび、サクランボ、サツマイモ、サフラン、サンショウ、サントリソウ、シシウド、シシトウガラシ、シソ葉、ジュニパーベリー、ショーガ、シナモン、ジャガイモ、ジンジャー、スターアニス、セント・ジョーンズ・ウオルト、スペアミント、セロリーシード、セイボリー、セサミ(胡麻)、セージ、セロリ種子、ソラマメ、玉葱、タイム、ダイオウ、タラゴン、タバコ葉、タラゴン、ターメリック、タロイモ、タンポポ、ツルコケモモ、チィスル、チコリー、デイルシード、とうもろこし、トウガラシ、トマト、ドイツカミツレ、ナツメグ、ナシ、ナス、ニワタイム、ニンジン葉、ネットル、ノコギリソウ、はす、ハイビスカス、パイナップル、ハナハッカ、ハマメリス、バーチ、バジル、バナナ、パセリ、パパイヤ、ヒソップ、ヒマワリ種子、ビターオレンジ、ビワ、ピーナツ、ビート、ピーマン、フェンネル、プリムローズ、フェヌグリーク、ブドウ果皮、ブドウ種子、ブラックベリー、ブルーベリー、プラム、プルーン、ペカンナッツ、ペパーミント、ベルベナ、ベイローレル、ほうれん草、ホップ、ボルドー、ホースラデイッシュ、ホップ、ポピーシード、没食子、マリーゴールド、マロー、マジョラム、マヨラマ、マスタード、マンゴー、ミルフォイル、ミントリーブス、麦芽、大麦、小麦、メウイキョウ種子、メボウキ、メリッサ、メース、メロン、モモ、ヤマトイモ、ユーカリ、よもぎ、ラズベリー、ラディシュ(大根)、ラベンダー、緑茶葉、リンゴ、リンデン、リンドウ、ローズヒップ、ローズマリー、ワームウッド、ワサビ、西洋ワサビ、などを例示できる。
それらの中では、ローズマリー、セージ、タイム、スペアミント、ペパーミント、ヒマワリ種子、生コーヒー豆、ブドウ果皮、ブドウ種子、リンゴ、ニンジン葉、緑茶葉などが好ましい。
これらフェノール性化合物あるいは植物抽出物は単独、もしくは2種以上を組み合わせて使用してもよい。
天然物からフェノール性化合物を得る方法として、具体的には、フェノール性化合物を含む上記植物をそのまま或いは必要に応じて、乾燥、細切、破砕、圧搾或いは煮沸処理したものを、冷水、熱水若しくは有機溶剤、あるいは水と有機溶剤の混合液等の抽出溶媒で抽出する方法が例示される。この抽出に使用される有機溶媒としては、例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、アセトン、酢酸エチル、クロロホルム、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の単独或いは2種以上の組み合わせを挙げることができる。上記抽出溶媒の中で、熱水、エタノールと水の混合液、或いはプロピレングリコールと水の混合液などが安価でかつ義歯洗浄剤として使用する場合に安全であることなどから好ましい例として挙げることができる。
本発明では、かくして得られる植物抽出物にはフェノール性化合物が含まれているので、これを使用することができる。また必要に応じて、該植物抽出物を更に精製処理に供したもの使用してもよい。
次に本発明で使用されるフェノール性化合物を酸化し得る酵素について説明する。
この酵素は、上記フェノール性化合物と接触し、硫黄含有化合物に由来する不快な臭い、酸素系漂白剤自体が有する不快な臭い、微生物の活動に由来する不快な臭いなど各種原因により発生する不快な臭いを除去させる機能を付与できる酵素であればどのような酵素でも用いることができる。
かかる酵素としては、好ましくは、上記フェノール性化合物を酸化してキノン構造を有する化合物とすることができる酵素を挙げることができる。
本発明でいうフェノール性化合物を酸化し得る酵素として、具体的には、グルコースオキシダーゼ、ラッカーゼ、カテコールオキシダーゼ、モノフェノールオキシダーゼ、パーオキシダーゼ、アウコルビン酸オキシダーゼ等を挙げることができる。それらは単独でも良いが、それらの酵素から選ばれる複数の酵素を併用してもよい。なお、本発明ではフェノラーゼ、ウルシオールオキシダーゼ、チロシナーゼ、ポリフェノールオキシダーゼ、o−ジフェノラーゼ、ジフェノールオキシダーゼ、クレゾラーゼなども本発明でいうフェノール性化合物を酸化し得る酵素に属する。これら酵素を1種単独で使用しても、また2種以上を任意に組み合わせて使用してもよい。さらに、これら酵素と上記酵素とを組み合わせてもよい。
フェノール性化合物を酸化し得る酵素は、該酵素を含む植物、微生物又はキノコ(以下、これらを植物等という)から得ることができる。フェノール性化合物を酸化し得る酵素を含む植物等としては、好ましくは、果実、野菜、ナッツ、ハーブ、スパイス、茶、海草、バクテリアおよび真菌類の少なくとも1種、アガリクス属およびボレタス属のきのこ、例えば、つくりたけ(Agaricusbisporus)およびボレタス・プルベルレンタス(Boletus pulverulentus) などである。具体的には、リンゴ、バナナ、ナシ、イチゴ、カキ、パイナップル、幼若柑橘果実、ブドウ、アンズ、モモ、プラム、パパイヤ、マルメロ、アボガド、マンゴー、サクランボ、アプリコット、メロン、ビワ、イチジク、プルーン、キウイ、ブルーベリー、ブラックベリー、ラスベリー、ツルコケモモ、スグリ、ゴボウ、ナス、トマト、ヨモギ、ハスの根、レタス、キャベツ、甜菜、ホップ、パースニップ、ほうれん草、大根、カブ、カリフラワー、チコリー、タマネギ、セロリ、ニンジン、アスパラガス、グリーンチリ、ナス、西洋ワサビ、ワサビ、ショウガ、アロエ、ピーマン、大麦、コムギ、トウモロコシ、アルファルファ、モルト、ソラマメ、大豆、アズキ、レッドビーン、インゲン、インゲンマメ、サヤインゲン、ヤエナリ、バレイショ、サツマイモ、サトウキビ、ヤマノイモ、タロイモ、茶、タバコ、オリーブ、ラッカー木ラテックス、キク、およびアガリクス属およびボレタス属のキノコ、例えば、つくりたけ(Agaricus bisporus)およびボレタス・プルベルレンタス(Boletus pulverulentus)が挙げられる。
フェノール性化合物を酸化し得る酵素として、上記植物等から得られた酵素を使用する場合、該酵素は必ずしも高純度に精製されたものでなくてもよく、例えば該酵素と共に上記植物等由来する他の成分が混在しているものであっても使用することができる.
上記植物等由来のフェノール性化合物を酸化し得る酵素としては、簡便には、市販品を使用してもよいが、酵素−アセトンパウダー調製法或いは凍結乾爆法等の公知の方法で調製したものを使用することもできる。
また、上記フェノール性化合物を酸化し得る酵素は、前記する植物等由来のものの他、遺伝子工学的手法により製造したものを使用してもよい。
本発明の義歯洗浄剤に配合される上記酸素系漂白剤、フェノール性化合物及び該フェノール性化合物を酸化し得る酵素の割合としては、所期の効果を達成できる限り特に制限されないが、例えば、フェノール性化合物の配合割合は酸素系漂白剤に対して0.001重量%以上、好ましくは0.01〜50重量%となる割合を挙げることができる。
また、フェノール性化合物を酸化し得る酵素の配合割合としては、使用する酵素の種類、酵素の活性、フェノール性化合物等に応じて適宜設定される。例えば、該酵素の配合割合は、義歯洗浄剤に配合されるフェノール性化合物を十分に酸化できる程度の割合であればよい。好ましくは、フェノール性化合物0.1gあたりの酵素活性が100単位以上、更に好ましくは5000単位以上となるような割合で該酵素を配合するとよい。なお、本明細書でいう酵素活性1単位は、L−DOPAを基質としてpH6.5、25℃の条件で1分間反応させた場合にOD265nmの吸収値を0.001増加させたときの酵素活性を意味する。
本発明の義歯洗浄剤は、不快な臭いをもたらす成分を除去する義歯洗浄剤として有効であり、例えば含硫化合物や含窒素化合物を除去する義歯洗浄剤として有効であり、とくに含硫化合物を除去する義歯洗浄剤として有効である。また、義歯あるいは義歯床の内部に吸着した不快臭などの義歯あるいは義歯床からの不快な臭いを効果的に除去できる。その不快な臭いを除去する作用メカニズムは以下のように推測される。即ち、フェノール性化合物がその環境中の酸素または酸化酵素によって酸化されて反応性の高いキノン構造を有する化合物になり、それがさらに悪臭物質である含硫化合物や含窒素化合物と反応して消臭効果を奏するものと推定される。
次に、本発明の義歯洗浄剤の一つの成分として使用されるフレーバーについて説明する。
本発明においては、義歯洗浄剤内にフレーバー(飲食品用香料)をさらに配合してもよい。その結果、義歯洗浄剤に心地よい香気を付与することができる。さらに義歯洗浄剤を構成する成分によっては特有の異臭が発生するときもあるが、上記フレーバーはその異臭をマスキングすることができ、十分な消臭効果を発揮させることが可能になる。
本発明の用いられるフレーバーとしては、ミントノートを有するフレーバー、シトラスノートを有するフレーバー、アニスノートを有するフレーバー、フルーツノートを有するフレーバー及びグリーンノートを有するフレーバーから選ばれる1種以上のフレーバーが挙げられる。
本発明の義歯洗浄剤に用いられるミントノートを有するフレーバーとしては、例えば、ペパーミント油、スペアミント油、ハッカ油、ペニーロイヤル油、メントール、メントン、イソメントン、メントフラン、メンチルアセテート、L−カルボン、ジヒドロカルボン、プレゴン、イソプレゴール、イソプレギルアセテート、L−カルベオール、ピペリトン、ピペリトール、カルピルアセテート、ジヒドロカルピルアセテート、1,8−シネオールなどを好ましく挙げることができる。
また、シトラスノートを有するフレーバー、アニスノートを有するフレーバー、フルーツノートを有するフレーバー及びグリーンノートを有するフレーバーとしては、エステル類、アルコール類、アルデヒド類、ケトン類、アセタール類、フェノール類、エーテル類、ラクトン類、フラン類、炭化水素類、酸類などの合成香料および天然香料などから調製することができる。
上記の合成香料においてエステル類としては、例えば、アクリル酸エステル(メチル、エチル、等)、アセト酢酸エステル(メチル、エチル、等)、アニス酸エステル(メチル、エチル、等)、安息香酸エステル(アリル、イソアミル、エチル、ゲラニル、リナリル、フェニルエチル、ヘキシル、シス−3−ヘキセイニル、ベンジル、メチル、等)、アントラニル酸エステル(シンナミル、シス−3−ヘキセニル、メチル、エチル、リナリル、イソブチル、等)、N−メチルアントラニル酸エステル(メチル、エチル、等)、イソ吉草酸エステル(アミル、アリル、イソアミル、イソブチル、イソプロピル、エチル、オクチル、ゲラニル、シクロヘキシル、シトロネリル、テルペニル、リナリル、シンナミル、フェニルエチル、ブチル、プロピル、ヘキシル、ベンジル、メチル、ロジニル、等)、イソ酪酸エステル(イソアミル、ゲラニル、シトロネリル、テルペニル、シンナミル、オクチル、ネリル、フェニルエチル、フェニルプロピル、フェニキシエチル、ブチル、プロピル、イソプロピル、ヘキシル、ベンジル、メチル、エチル、リナリル、ロジニル、等)、ウンデシレン酸エステル(アリル、イソアミル、ブチル、エチル、メチル、等)、オクタン酸エステル(アリル、イソアミル、エチル、オクチル、ヘキシル、ブチル、メチル、リナリル、等)、オクテン酸エステル(メチル、エチル、等)、オクチンカルボン酸エステル(メチル、エチル、等)、カプロン酸エステル(アリル、アミル、イソアミル、メチル、エチル、イソブチル、プロピル、ヘキシル、シス−3−ヘキセニル、トランス−2−ヘキセニル、リナリル、ゲラニル、シクロヘキシル、等)、ヘキセン酸エステル(メチル、エチル、等)、吉草酸エステル(アミル、イソプロピル、イソブチル、エチル、シス−3−ヘキセニル、トランス−2−ヘキセニル、シンナミル、フェニルエチル、メチル、等)、ギ酸エステル(アニシル、イソアミル、イソプロピル、エチル、オクチル、ゲラニル、シトロネリル、シンナミル、シクロヘキシル、テルピニル、フェニルエチル、ブチル、プロピル、ヘキシル、シス−3−ヘキセニル、ベンジル、リナリル、ロジニル、等)、クロトン酸エステル(イソブチル、エチル、シクロヘキシル、等)、ケイ皮酸エステル(アリル、エチル、メチル、イソプロピル、プロピル、3−フェニルプロピル、ベンジル、シクロヘキシル、メチル、等)、コハク酸エステル(モノメンチル、ジエチル、ジメチル、等)、酢酸エステル(アニシル、アミル、α−アミルシンナミル、イソアミル、イソブチル、イソプロピル、イソボルニル、イソオイゲニル、オイゲニル、2−エチルブチル、エチル、3−オクチル、p−クレジル、o−クレジル、ゲラニル、α−又はβ−サンタリル、シクロヘキシル、シクロネリル、ジヒドロクミニル、ジメチルベンジルカルビニル、シンナミル、スチラリル、デシル、ドデシル、テルピニル、グアイニル、ネリル、ノニル、フェニルエチル、フェニルプロピル、ブチル、フルフリル、プロピル、ヘキシル、シス−3−ヘキセニル、トランス−2−ヘキセニル、シス−3−ノネニル、シス−6−ノネニル、シス−3,シス−6−ノナジエニル、3−メチル−2−ブテニル、ヘプチル、ベンジル、ボルニル、ミルセニル、ジヒドロミルセニル、ミルテニル、メチル、2−メチルブチル、メンチル、リナリル、ロジニル、等)、サリチル酸エステル(アリル、イソアミル、フェニル、フェニルエチル、ベンジル、エチル、メチル、等)、シクロヘキシルアルカン酸エステル(シクロヘキシル酢酸エチル、シクロヘキシルプロピオン酸アリル、シクロヘキシル酪酸アリル、シクロヘキシルセキサン酸アリル、シクロヘキシルデカン酸アリル、シクロヘキシル吉草酸アリル、等)、ステアリン酸エステル(エチル、プロピル、ブチル、等)、セバチン酸エステル(ジエチル、ジメチル、等)、デカン酸エステル(イソアミル、エチル、ブチル、メチル、等)、ドデカン酸エステル(イソアミル、エチル、ブチル、等)、乳酸エステル(イソアミル、エチル、ブチル、等)、ノナン酸エステル(エチル、フェニルエチル、メチル、等)、ノネン酸エステル(アリル、エチル、メチル、等)、ヒドロキシヘキサン酸エステル(エチル、メチル、等)、フェニル酢酸エステル(イソアミル、イソブチル、エチル、ゲラニル、シトロネリル、シス−3−ヘキセニル、メチル、等)、フェノキシ酢酸エステル(アリル、エチル、メチル、等)、フランカルボン酸エステル(フランカルボン酸エチル、フランラルボン酸ンメチル、フランカルボン酸ヘキシル、フランプロピオン酸イソブチル、等)、プロピオン酸エステル(アニシル、アリル、エチル、アミル、イソアミル、プロピル、ブチル、イソブチル、イソプロピル、ベンジル、ゲラニル、シクロヘキシル、シトロネリル、シンナミル、テトラヒドロフルフリル、トリシクロデセニル、ヘプチル、ボルニル、メチル、メンチル、リナリル、テルピニル、α−メチルプロピオニル、β−メチルプロピオニル、等)、ヘプタン酸エステル(アリル、エチル、オクチル、プロピル、メチル、等)、ヘプチンカルボン酸エステル(アリル、エチル、プロピル、メチル、等)、ミルシチン酸エステル(イソプロピル、エチル、メチル、等)、フェニルグリシド酸エステル(フェニルグリシド酸エチル、3−メチルフェニルグリシド酸エチル、p−メチル−β−フェニルグリシド酸エチル、等)、2−メチル酪酸エステル(メチル、エチル、オクチル、フェニルエチル、ブチル、ヘキシル、ベンジル、等)、3−メチル酪酸エステル(メチル、エチル、等)、酪酸エステル(アニシル、アミル、アリル、イソアミル、メチル、エチル、プロピル、オクチル、グアイニル、リナリル、ゲラニル、シクロヘキシル、シトロネリル、シンナミル、ネリル、テルペニル、フェニルプロピル、β−フェニルエチル、ブチル、ヘキシル、シス−3−ヘキセニル、トランス−2−ヘキセニル、ベンジル、ロジニル、等)、ヒドロキシ酪酸エステル(3−ヒドロキシ酪酸のメチル、エチル、メンチル、等)などが使用される。
アルコール類としては、例えば、脂肪族アルコール(イソアミルアルコール 、2−エチルヘキサノール、1−オクタノール、3−オクタノール、1−オクテン−3−オール、1−デカノール、1−ドデカノール、2,6−ノナジエノール、ノナノール、2−ノナノール、シス−6−ノネノール、トランス−2,シス−6−ノナジエノール、シス−3,シス−6−ノナジエノール、ブタノール、ヘキサノール、シス−3−ヘキセノール、トランス−2−ヘキセノール、1−ウンデカノール、ヘプタノール、2−ヘプタノール、3−メチル−1−ペンタノール、等)、テルペンアルコール(ボルネオール、イソボルネオール、カルベオール、ゲラニオール、α−又はβ−サンタロール、シトロネロール、4−ツヤノール、テルピネオール、4−テルピネオール、ネロール、ミルセノール、ミルテノール、ジヒドロミルセノール、テトラヒドロミルセノール、ネロリドール、ヒドロキシシトロネロール、ファルネソール、ペリラアルコール、ロジノール、リナロール、等)、芳香族アルコール(アニスアルコール、α−アミルシンナミックアルコール、イソプロピルペンジルカルビノール、カルバクロール、クミンアルコール、ジメチルペンジルカルビノール、シンナミックアルコール、フェニルアリルアルコール、フェニルエチルカルビノール、β−フェニルエチルアルコール、3−フェニルプロピルアルコール、ペンジルアルコール、等)などを好ましく例示することができる。
アルデヒド類としては、例えば、脂肪族アルデヒド(アセトアルデヒド、オクタナール、ノナナール、デカナール、ウンデカナール、2,6−ジメチル−5−ヘブタナール、3,5,5−トリメチルヘキサナール,シス−3,シス−6−ノナジエナール、トランス−2,シス−6−ノナジエナール、バレルアルデヒド、プロパナール、イソプロパナール、ヘキサナール、トランス−2−ヘキセナール、シス−3−ヘキセナール、2−ペンテナール、ドデカナール、テトラデカナール、トランス−4−デセナール、トランス−2−トリデセナール、トランス−2−ドデセナール、トランス−2−ウンデセナール、2,4−ヘキサジエナール、シス−6−ノネナール、トランス−2−ノネナール、2−メチルブタナール、等)、芳香族アルデヒド(アニスアルデヒド、α−アミルシンナミックアルデヒド、α−メチルシンナミックアルデヒド、シクラメンアルデヒド、p−イソプロピルフェニルアセトアルデヒド、エチルバニリン、クミンアルデヒド、サリチルアルデヒド、シンナミックアルデヒド、o−,m−またはp−トリルアルデヒド、バニリン、ビベロナール、フェニルアセトアルデヒド、ヘリオトロピン、ベンズアルデヒド、4−メチル−2−フェニル−2−ペンテナール、p−メトキシシンナミックアルデヒド、p−メトキシペンズアルデヒド、等)、テルペンアルデヒド(ゲラニアール、シトラール、シトロネラール、α−シネンサール、β−シネンサール、ペリラアルデヒド、ヒドロキシシトロネラール、テトラハイドロシトラール、ミルテナール、シクロシトラール、イソシクロシトラール、シトロネリルオキシアセトアルデヒド、ネラール、α−メチレンシトロネラール、マイラックアルデヒド、ベルンアルデヒド、サフラナール、等)などを好ましく挙げることができる。
ケトン類としては、例えば、環式ケトン(1−アセチル−3,3−ジメチル−1−シクロヘキセン、シスージャスモン、α−,β−又はγ−イロン、エチルマルトール、シクロテン、ジヒドロヌートカトン、3,4−ジメチル−1,2−シクロペンタジオン、ソトロン、α−,β−,γ−又はδ−ダマスコン、α−,β−又はγ−ダマセノン、ヌートカトン、2−sec−プチルシクロヘキサノン、マルトール、α−,β−又はγ一ヨノン、α−,β−又はγ−メチルヨノン、α一,β−又はγ−イソメチルヨノン、フラネオール、カンファ、等)、芳香族ケトン(アセトナフトン、アセトフェノン、アニシリデンアセトン、ラズベリーケトン、p−メチルアセトフェノン、アニシルアセトン、p−メトキシアセトフェノン、等)鎖式ケトン(ジアセチル、2−ノナノン、ジアセチル、2−ヘブタノン、2,3−ヘプタンジオン、2−ペンタノン、メチルアミルケトン、メチルノニルケトン、β−メチルナフチルケトン、メチルヘブタノン、3−ヘプタノン、4−ヘプタノン、3−オクタノン、2,3−ヘキサンジオン、2−ウンデカノン、ジメチルオクテノン、6一メチル−5−ヘプチン−3−オン、等)などが好ましく例示することができる.
アセタール類としては、例えば、アセトアルデヒドジエチルアセタール、アセトアルデヒドジアミルアセタール、アセトアルデヒドジヘキシルアセタール、アセトアルデヒドプロピレシグリコールアセタール、アセトアルデヒドエチル シス−3−ヘキセニルアセタール、ベンズアルデヒドグリセリンアセタール、ベンズアルデヒドプロピレングリコールアセタール、シトラールジメチルアセタール、シトラールジエチルアセタール、シトラールプロピレングリコールアセタール、シトラールエチレングリコールアセタール、フェニルアセトアルデヒドジメチルアセタール、シトロネリルメチルアセタール、アセトアルデヒドフェニルエチルプロピルアセタール、ヘキサナールジメチルアセタール、ヘキサナールジヘキシルアセタール、ヘキサナールプロピレングリコールアセタール、トランス−2−ヘキセナールジエチルアセタール、トランス−2−ヘキセナールプロピレングリコールアセタール、シス−3−ヘキセナールジエチルアセタール、ヘプタナールジエチルアセタール、ヘプタナールエチレングリコールアセタール、オクタナールジメチルアセタール、ノナナールジメチルアセタール、デカナールジメチルアセタール、デカナールジエチルアセタール、2−メチルウンデカナールジメチルアセタール、シトロネラールジメチルアセタール、アンバーセージ(Givaudan社製)、アセト酢酸エチルエチレングリコールアセタールおよび2−フェニルプロパナールジメチルアセタールなどが好ましい例として挙げることができる。
フェノール類としては、例えば、オイゲノール、イソオイゲノール、2−メトキシ−4−ビニルフェノール、チモール、カルバクロール、グアヤコールおよびチャビコールなどが好ましく挙げられる。
エーテル類としては、例えば、アネトール、1,4−シネオール、ジベンジルエーテル、リナロールオキシド、リモネンオキシド、ネロールオキシド、ローズオキシド、メチルイソオイゲノール、メチルチャビコール、イソアミルフェニルエチルエーテル、β−ナフチルメチルエーテル、フェニルプロピルエーテル、p−クレジルメチルエーテル、バニリルプチルエーテル、α−テルピニルメチルエーテル、シトロネリルエチルエーテル、ゲラニルエチルエーテル、ローズフラン、テアスビラン、デシルメチルエーテルおよびメチルフェニルメチルエーテルなどが好ましい例として挙げられる。
ラクトン類としては、例えば、γ−又はδ−デカラクトン、γ−ヘプタラクトン、γ−ノナラクトン、γ−又はδ−ヘキサラクトン、γ−又はδ−オクタラクトン、γ−又はδ−ウンデカラクトン、δ−ドデカラクトン、δ−2−デセノラクトン、メチルラクトン、5−ヒドロキシ−8−ウンデセン酸δ−ラクトン、ジャスミンラクトン、メンタラクトン、ジヒドロクマリン、オクタヒドロクマリンおよび6−メチルクマリンなどが好ましい例として挙げられる。
フラン類としては、例えば、フラン、2−メチルフラン、3−メチルフラン、2−エチルフラン、2,5−ジエチルテトラヒドロフラン、3−ヒドロキシ−2−メチルテトラヒドロフラン、2−(メトキシメチル)フラン、2,3−ジヒドロフラン、フルフラール、5−メチルフルフラール、3−(2−フリル)−2−メチル−2−プロペナール、5−(ヒドロキシメチル)フルフラール、2,5−ジメチル−4−ヒドロキシ−3(2H)−フラノン(フラネオール)、4,5−ジメチル−3−ヒドロキシ−2(5H)−フラノン(ソトロン)、2−エチル−4−ヒドロキシ−5−メチル−3(2H)−フラノン(ホモフラノオール)、5−エチル−3−ヒドロキシ−4−メチル−2(5H)フラノン(ホモソトロン)、3−メチル−1,2−シクイロペンタンジオン(シクロテン)、2(5H)−フラノン、4−メチル−2(5H)−フラノン、5−メチル−2(5H)−フラノン、2−メチル−3(2H)−フラノン、5−メチル−3(2H)−フラノン、2−アセチルフラノン、2−アセチル−5−メチルフラン、フルフリルアルコール、2−フランカルボン酸メチル、2−フランカルボン酸エチルおよび酢酸フリフリルなどが好ましい例として挙げられる。
炭化水素類としては、例えば、α−又はβ−ビザボレン、β−カリオフィレン、p−サイメン、テルピネン、テルピノーレン、カジネン、ファルネセン、リモネン、オシメン、ミルセン、α−又はβ−ピネン、1,3,5−ウンデカトリエンおよびバレンセンなどが好ましい例として挙げられる。
また、酸類としては、例えば、ゲラン酸、ドデカン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸、乳酸、フェニル酢酸、ピルビン酸、トランス−2−メチル−2−ペンテン酸、2−メチル−シス−3−ペンテン酸、2−メチル−4−ペンテン酸およびシクロヘキサンカルポン酸などを好ましく例示することができる。
更に、天然香料としては、例えば、アニス、オレンジ、レモン、ライム、マンダリン、プチグレイン、ベルガモット、レモンバーム、グレープフルーツ、エレミ、オリバナム、レモングラス、ネロリ、マジョラム、アンゲリカルート、スターアニス、バジル、ベイ、カラマス、カモミール、キャラウエイ、カルダモン、カッシャ、シナモン、ベッパー、シソ、サイプレス、オレガノ、カスカリラ、ジンジャー、パセリ、パインニードル、セージ、ヒソップ、ティートリー、マスタード、ホースラディッシュ、クラリセージ、クローブ、コニャック、コリアンダー、エストラゴン、ユーカリ、フェンネル、グアヤックウッド、ディル、カヤプテ、ワームシード、ピメント、ジュニパー、フェネグリーク、ガーリック、ローレル、メース、ミル、ナッツメグ、スプルース、ゼラニウム、シトロネラ、ラベンダー、ラバンジン、パルマローザ、ローズ、ローズマリー、サンダルウッド、オークモス、シダーウッド、ベチバー、リナロエ、ボアドローズ、パチョリ、ラブダナム、クミン、タイム、イランイラン、バーチ、カプシカム、セロリー、トルーバルサム、ジェネ、インモルテル、ベンゾイン、ジャスミン、カッシー、チョベローズ、レセダ、マリーゴールド、ミモザ、オポポナックス、オリス、バニラ及びリコリスなどが挙げられる。これらの天然香料に含有されている香料成分を使用することもできる。
本発明の義歯洗浄剤に使用するフレーバーは、上記合成香料、天然香料を適宜に組合せることにより、目的とするミントノートを有するフレーバー、シトラスノートを有するフレーバー、アニスノートを有するフレーバー、フルーツノートを有するフレーバー及びグリーンノートを有するフレーバーを調製することができる。
さらに、上記フレーバーの他に、「日本における食品香料化合物の使用実態調査」(平成12年度 厚生科学研究報告書;日本香料工業会 平成13年3月発行)、「合成香料 化学と商品知識」(1996年3月6日発行 印藤元一著 化学工業日報社)、「Perfume and Flavor Chemicals(Aroma Chemicals)1,2」(Steffen Arctender(1969)などの記載の香料を使用することができる。また、それらを本発明のフレーバーの香気・香味付与剤として使用してもよい。
また、上記フレーバーに、必要により、例えば、エタノール等のアルコール類、プレピレングリコール、グリセリン等の多価アルコール類などの可食性の溶媒を使用することができる。
本発明の義歯洗浄剤に使用するフレーバーに、所望により、例えば、スパイシーノートを有するフレーバー、フローラルノートを有するフレーバー、スイートノートを有するフレーバーおよびその他のフレーバーを配合して、種々の嗜好性を有するフレーバーを調製することもできる。
上記フレーバーの配合量はとくに限定されないが、例えば、義歯洗浄剤に対して、0.01〜5重量%程度配合させると好ましい結果をもたらすことができる。
本発明の義歯洗浄剤には、上記酸素系漂白剤、フェノール性化合物及び該フェノール性化合物を酸化し得る酵素との混合物と共存して悪臭成分除去能を高めることができる酵素を更に含有させてもよい。上記酵素を含有する義歯洗浄剤は、義歯表面や義歯床表面に付着する汚れを効率よく除去する点において優れており、その結果として悪臭成分の除去能が高まるのである。さらに、義歯からの不快な臭いを十分に除去することを可能とする。その共存させる酵素としては、例えば、プロテアーゼ、アルカラーゼ、アミラーゼ、リパーゼ、デキストラナーゼ、ムタナーゼ、グルカナーゼ等が挙げられる。それら酵素は単独でもよく、それら酵素から選ばれる複数の酵素であってもよい。
それら酵素の配合割合としては、使用する義歯洗浄剤の成分等に応じて適宜設定されるが、通常採用されている割合とすることができる。例えば、義歯洗浄剤に対して、0.0001〜10重量%配合される。
本発明の義歯洗浄剤には、上記酸素系漂白剤、フェノール性化合物、該フェノール性化合物を酸化し得る酵素、上記フレーバー、上記混合物(上記酸素系漂白剤、フェノール性化合物、該フェノール性化合物を酸化し得る酵素からなる混合物)と共存して悪臭成分除去能を高めることができる酵素に加えて、本発明の効果が阻害されないことを限度として、当該技術分野において公知の添加剤を目的に応じて適宜配合することもできる。具体的には、例えば、発泡剤、界面活性剤、キレート剤、塩素系漂白剤、着色料、発泡安定剤、糖類、多糖類等の増量剤、保存剤、抗菌・殺菌剤、公知の消臭剤、金属腐食防止剤、pH調整剤等を挙げることができる。特に発泡剤は、洗浄・消臭作用をより一層増強する作用があるので、好適な配合成分である。
本発明の義歯洗浄割に配合される該発泡剤としては、無毒性の生理学上許容されるものであれば特に制限はされず、通常義歯洗浄剤に使用されるものを広く用いることができる。一般に、発泡剤は、それが配合される対象成分のpHに応じて、酸性または中性〜アルカリ性pH条件で有効に発泡できるものから選択される。発泡剤としては、炭酸ナトリウムや炭酸カリウムなどの炭酸のアルカリ金属塩;炭酸水素ナトリウムや炭酸水素カリウム等の炭酸水素のアルカリ金属塩;セスキ炭酸ナトリウム;クエン酸、スルファミン酸、リン酸、コハク酸、フマル酸、フタル酸等の有機酸;過ホウ酸、過硫酸等の無機酸;及び過炭酸又は過リン酸のアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩等を挙げることができる。好ましくは炭酸水素のアルカリ金属塩及び有機酸である。これらの発泡剤は1種単独で用いても、また2種以上を任意に組み合わせて用いることもできる。発泡剤を配合する場合、該発泡剤の配合割合については、特に制限されないが、通常使用する量割合とすることができる。
界面活性剤としては、例えば高級アルコール硫酸エステル塩やアルキルベンゼンスルホン酸塩等のアニオン系界面活佐剤、ポリエチレングリコール型非イオン界面活性剤や多価アルコール型非イオン界面活性剤などのノニオン系界南活性剤、第4級アンモニア塩型カチオン界面活性剤や高級アミン塩型カチオン界面活性剤等のカチオン系界面活性剤、並びにアミノ酸型両生界面活性剤やベタイン型両生界面活性剤等の両性界面活性剤の別を問わず、通常義歯洗浄剤の成分として用いられる界面活性剤を広く用いることができる。当該界面活性剤を配合する場合、その配合割合は、通常使用する量割合とすることができる。
キレート剤は特に制限されず、例えばエチレンジアミン四酢酸又はそれらの塩、ポリリン酸またはその塩(例えばピロリン酸四ナトリウム、ピロリン酸二水素ナトリウム等)等といった通常義歯洗浄剤に用いられるものを広<利用することができる。かかるキレート剤によれば、カルシウムやマグネシウムなどの金属イオンを溶解状態に保つことで洗浄及び消臭効果を安定に維持することができ、また溶解された歯石が義歯に再付着することが防止できると期待される。キレート剤を添加する場合、その配合割合としては、通常使用する量割合とすることができる。
塩素系漂白剤としては、例えば、次亜塩素酸ナトリウム、ジクロルイソシアヌル酸ナトリウムトリクロルイソシアヌル酸ナトリウム等の中から適宜選択使用される。該塩素系漂白剤を配合する場合、その配合割合としては、義歯洗浄剤において通常採用されている割合とすることができる。
使用される着色料としても特に制限されず、例えば青色や黄色等の各種タール系色素やブルーレーキやイエロータルタラジンレーキなどのレーキ色素等の合成色素や天然色素が挙げられる。該着色料を配合する場合、その配合割合は、通常採用されている割合とすることができる。
発泡安定剤としては、脂肪酸糖エステルを挙げることができるが、これに制限されない。該発泡安定剤を配合する場合、その配合割合は、通常採用されている割合とすることができる。
任意成分として配合される保存剤、抗菌・殺菌剤、金属腐食防止剤、pH調整剤についても、当該技術分野で公知のものを使用することができる。また、これらの配合割合についても通常採用されている割合とすることができる。
また、本発明の義歯洗浄剤には、更に、結合剤、滑剤、賦形剤及び崩壊剤等の通常製剤化に必要とされる担体を配合することができる。
結合剤としては、ポリピニルピロリドン、ポリ(オキシエチレン)(分子量20,000〜500,000)、ポリエチレングルコール(分子量約1,000〜80,000)、カーボワックス(分子量4,000〜20,000)、ノニオン界面活性剤、カルポキシメチルセルロースナトリウム、ゼラチン、クレー、並びに乳糖、ソルビトール、グルコース、キシリトールなどの糖類を例示することができる。かかる結合剤を配合する場合、その配合割合は、本発明の効果を妨げないことを限度として、義歯洗浄剤で通常採用されている割合とすることができる。
滑剤としては、時に制限されないが、例えば安息香酸ナトリウム、タルク及びステアリン酸マグネシウム等を挙げることができる。滑剤を配合する場合、この配合割合としては、本発明の効果を妨げないことを限度として、義歯洗浄剤で通常採用されている割合とすることができる。
賦形剤及び崩壊剤についても、当該技術分野で公知のものを使用することができる。賦形剤としてはグリセリン、マルチトール、キシリトール及びプロピレングリコール等が挙げられる。これらの配合割合についても通常席用されている割合とすることができる。
さらに、本発明では縮合リン酸塩及び/又は無水硫酸ナトリウムと併用することにより優れたデンタープラーク分解酵素なども配合することができる。これらの配合割合についても通常席用されている割合とすることができる。
本発明の義歯洗浄剤は、粉末、顆粒、錠剤の剤型に調整される。本発明の義歯洗浄剤は、使用時に水等の溶剤で溶解して液状として使用される。洗浄・消臭性能及び安全性の観点からは、義歯洗洋剤の水溶解時のpH値(該剤1重量%濃度の水溶液のpH値)が4〜10、好ましくは5.5〜9となるように、義歯洗浄剤を調製することが望ましい。上記範囲よりもpHが著しく低い場合には、義歯素材に悪影響を及ぼしたり、義歯洗浄剤の安定性を損なったりする傾向がみられ、また上記範囲よりもpHが著しく高い場合には、義歯洗浄剤の安定性を十分に保つことができなくなったりする傾向がみられる。
なお、本発明の義歯洗浄剤の調製方法は特に制限されず、製剤一般に使用される粉末、類粒、錠剤等の製造方法に従って行うことができる。
本発明の義歯洗浄剤は、義歯に付著した汚れを効果的に除去し、義歯からの不快な臭気を有効に除去することができる。特に、本発明の義歯洗浄剤は、義歯の不快な臭いの原因となっている有機物、特にメチルメルカプタン、硫化水素等の硫黄含有化合物の除去・消臭効果に優れており、これらが付着した義歯、これらが吸着した義歯などの洗浄に有効である。
本発明の義歯洗浄剤によれば、配合成分である酸素系漂白剤、フェノール性化合物、及び該フェノール他化合物を酸化し得る酵素の作用によって、義歯の不快な臭いを除去する効果が相乗的に増強されているので、義歯の洗浄、特に義歯からの不快な臭いを有効に除去することができる。
本発明の義歯洗浄剤は、義歯からの不快な臭いの原因となっている有機物、特にメチルメルカプタンなどの硫黄含有化合物の除去能に優れており、これらの臭気の除去に有用である。
(発明を実施するための形態)
以下、実施例、参考例、比較例などに基づいて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
なお、下記の記載する処方の単位は特に言及しない限り、%は重量%を意味するものとする。
〔参考例1〕
(天然物の抽出物の調製)
1)ローズマリー抽出物(東京田辺製薬(株)製)
ローズマリーの葉および花100gに含水率40乃至60%のエタノール1Lを加えて3時間加熱還流し、温時濾過して抗酸化成分を含む濾液を得る(以下、これを「処理抽出」という)。残渣を同じ溶媒で同様に抽出する操作をさらに2回繰り返し、得られた濾液を合わせる。この抽出液に水500mlを加えて非水溶性抗酸化成分を析出させ、さらに活性炭10gを加えて攪拌し、この溶液を1夜、冷所に放置した後、濾過して濾液を得る。この濾液を減圧下、濃縮して水溶性抗酸化成分区分(固体)を得る(特開昭55−18435号公報参照)。
2)生コーヒー豆抽出物
生コーヒー豆を粉砕機で粉砕後(メッシュ5mm)、水を加えて85〜95℃で2時間抽出する。抽出物を濾過後、濾液をXAD−2(オルガノ(株)製)カラムに吸着させる。水で洗浄した後、メタノールで溶出させたものを濃縮乾固し、生コーヒー豆抽出物とする。
3)茶抽出物(三井農林(株)製)
煎茶1kgを90℃の熱水10Lで1時間攪拌しながら抽出し、茶葉を濾過により除き、8.3Lの抽出液を得た。この液を1Lまで濃縮し、これにアセトン1Lを加えて攪拌し、生じた不溶物を遠心分離により除いた。上清液に酢酸エチル1Lを加えて攪拌し、30分間静置した。得られた酢酸エチル層を減圧下に濃縮し、水層に転換した後凍結乾燥して、純度60%の茶フェノールを97g得た(特開平4−20589号公報参照)。これを茶抽出物として用いた。
4)ペパーミント抽出物
乾燥したペパーミントの葉をグラインダーで粉砕し、85〜95℃の熱水で2時間抽出した。抽出液を濾過し、濾液をヘキサンで3回洗浄した。水層を乾燥して、ペパーミント抽出物とした。
5)ブドウ果皮抽出物
ブドウ果皮(品種:キャンベル種)にエタノールを加えた後、70℃、2時間攪拌抽出した。抽出液を濃縮乾固したものをブドウ果皮抽出物とした。
[参考例2]
(フェノール性化合物を酸化する酵素の調製)
1)ゴボウアセトンパウダー(ゴボウ酵素)の調製
ゴボウ100gと−20℃アセトン400mlをミキサーに入れ、磨砕した後、吸引濾過した。残渣を5℃の80%アセトン含水溶液500mlで十分洗浄し、真空ポンプを用いてアセトン溜去後、ゴボウアセトンパウダー20gを得た。
2)ナシアセトンパウダー(ナシ酵素)の調製
ナシ100gを用いて上記ゴボウアセトンパウダー(ゴボウ酵素)の調製と同様な操作によりナシアセトンパウダー15gを得た。
3)リンゴアセトンパウダー(リンゴ酵素)の調製
リンゴ100gを用いて上記ゴボウアセトンパウダー(ゴボウ酵素)の調製と同様な操作によりリンゴアセトンパウダー18gを得た。
[参考例3]
(使用植物由来粗酵素の比活性の測定)
基質としてのL−ドーパ(ナカライテスク株式会社製)を3ml燐酸緩衝液(pH6.5)中で25℃、1分間反応させて、紫外線の吸収265nmでの吸光度を0.001増加させる酵素を1単位(units)と定義した。
表1記載の酵素アセトンパウダー10mgを用いて、上記の操作に基づいてそれぞれの酵素の比活性を測定した。
結果を表1に記載した。
(表1)
Figure 0004637494
[参考例4]
(フレーバーの調製)
1)ミントノートフレーバーの調製
処方例1
成分 重量部
ペパーミント油 20.0
l−メントール 40.0
アネトール 6.0
レモン油 1.0
スペアミント油 10.0
l−カルボン 23.0
計 100.0
2)シトラスノートフレーバーの調製
処方例2
成分 重量部
ペパーミント油 26.5
l−メントール 50.0
アネトール 4.0
レモン油 コールドプレス 15.0
レモン油 ターペンレス 1.0
ライム油 ディスティルド 3.0
シトラール 0.5
計 100.0
(実施例1〜2および比較例1〜5)
表2記載の化合物、植物抽出物、酵素、酵素パウダーを表2記載の量だけ秤量し、混合して、義歯洗浄剤を調製した。
また、酵素については参考例2で調製した植物由来粗酵素に加え、市販の酵素製品、チロシナーゼ(シグマ社製)、およびラッカーゼ(大和化成(株)製)を用いた。
その義歯洗浄剤の不快臭除去能を下記方法により、評価した。
評価結果を表2に示した。
[試験例1] 不快臭除去能評価試験
(試験方法)
1.悪臭付加レジンディスクの作成
15重量%メチルメルカプタンナトリウム水溶液に、縦20mm、横20mm、厚さ3mmの義歯用レジンディスク(ポリメタクリル樹脂製)を12時間浸漬した。このように浸潰処理したディスクを蒸留水150mLで軽く水洗した後、直ちに下記洗浄処理に供した。
2.洗浄処理
200mL容ビーカーに150mLの蒸留水を入れ、次いで、先に作製した悪臭付加レジンディスクと表1に示す各種義歯洗浄剤(実施例1−2及び比較例1−4)3.0gを投入して、30分間室温で放置した。また、同時に、比較のために、義歯洗浄剤を添加することなく、悪臭付加レジンディスクのみを投入して同様の処理を行った(比較例5)。
3.官能評価
6人のパネラーにより、各種の義歯洗浄剤で洗浄処理した後のレジンディスクの臭気強度を、下記の評価基準に基づいて判定した。
(評価基準)
無臭: :1点
感知限界程度の臭気 :2
弱い臭気 :3
容易に感知される程度の臭気 :4
強い臭気 :5
強烈な臭気 :6
得られた結果を表2に併せて示す。なお、表2中の配合成分の数値の単位はgである。また、臭気強度評価値は、官能評価における6人のパネラーが判定した臭気強度の平均値である。
Figure 0004637494
表2中のブドウ果皮抽出物は参考例(1)の(5)、
リンゴアセトンパウダーは参考例(2)の(3)、
ローズマリー抽出物は参考例(1)の(1)、
ラッカーゼは大和化成株式会社製、
である。
表2から分かるように、酸素系漂白剤を単独で配合した洗浄剤(比較例1〜2)、あるいはフェノール系化合物と酵素を配合した洗浄剤(比較例3〜4)では、義歯用レジンディスクに付着した臭気(義歯用レジンディスクからの臭気)を「弱い臭気」〜「容易に感知される程度の臭気」位までしか低減させることができなかった。これに対して、酸素系漂白剤、フェノール系化合物及び酵素を配合した洗浄剤(実施例1〜2)では、比較例1〜5の洗浄剤では実現できなかった程度にまで、義歯用レジンディスクに付着した臭気を除去できていることが分かった。また、洗浄剤を添加しなかった場合には、臭気強度評価値は4.8(比政例5)であった。
この試験結果から、義歯洗浄剤に、酸素系漂白剤、フェノール系化合物及び酵素を組み合わせて配合することによって、悪臭除去能が相乗的に高められ、優れた消臭効果を奏することが明らかとなった。
(実施例3〜5および比較例6〜7)
表3記載の化合物、植物抽出物、酵素、酵素パウダー、フレーバーを表3記載の量だけ秤量し、混合して、義歯洗浄剤を調製した。
その義歯洗浄剤の不快臭除去能を下記方法により、評価した。
評価結果を表3に示した。表中の配合成分の数値の単位は、gである。また、臭気強度評価値は、官能評価における6人のパネラーが判定した臭気強度の平均値である。
[試験例2]
義歯洗浄剤(実施例3〜5、比較例6〜7)を用いて、試験例1と同様の方法で不快臭除去能評価試験を行った.
Figure 0004637494


表3中の生コーヒー豆抽出物は参考例(1)の(2)、
ゴボウアセトンパウダーは参考例(2)の(1)、
ペパーミント抽出物は参考例(1)の(4)、
ナシアセトンパウダーは参考例(2)の(2)、
茶抽出物は参考例(1)の(3)、
チロシナーゼはシグマ社製
である。
表3から分かるように、フェノール性化合物及び酵素を含まない義歯洗浄剤(比較例6)及び酸素系漂白剤を含まない義歯洗浄剤(比較例7)では、臭気強度評価値が3.3〜4.3程度であり、不快な臭いを十分に除去できていないことが確認された。これに対して、実施例3〜5の義歯洗浄剤で洗浄したものでは、臭気強度評価値が2.0〜2.2程度にまで低減されており、不快臭を有効に除去できていることが確認された。
(実施例7)
酸素系漂白剤を含む市販の義歯洗浄剤(タフデント:商品名)の構成材料に参考例(1)ローズマリー抽出物および参考例(2)のリンゴパウダーからなる組成物(1:1(W/W))を0.5重量%配合し、義歯洗浄剤を調製した。その義歯洗浄剤の臭気除去能を下記試験法にて測定した。
[試験例3] 不快臭除去能試験
(試験方法)
1.悪臭付加レジンディスクの作成
試験例1と同様な方法により悪臭付加レジンディスクを作成した。
2.洗浄処理
試験例1と同様な方法により悪臭付加レジンディスクを処理し、30分間室温で放置した。
3.試験方法
150ml蒸留水中で表面を洗浄後、レジンディスク表面の水分を拭き取る。このレジンディスクを450ml容器に収め、25℃にて密閉した状態で静置させた。3時間後に、ヘッドスペースガス5mlをサンプリングし,ガスクロマトグラフィー法にて分析し、義歯洗浄剤未使用時の測定値をコントロールとして,臭いの除去率を算出した。
4.結果
下記表4のような測定結果が得られた。なお、表4中で、比較例8は、実施例7で用いた酸素系漂白剤を含む市販の義歯洗浄剤(タフデント:商品名)の構成原料であり、比較例9は、参考例(1)ローズマリー抽出物および参考例(2)のリンゴパウダーからなる組成物(1:1(W/W))を0.5重量%配合した義歯洗浄剤である。

表4
Figure 0004637494




Claims (5)

  1. (1)酸素系漂白剤、
    (2)ブドウ果皮抽出物、ローズマリー抽出物、生コーヒー豆抽出物、ペパーミント抽出物又は茶抽出物よりなる群から選択される少なくとも1種のフェノール性化合物含有抽出物、及び
    (3)ラッカーゼ、チロシナーゼ、リンゴアセトンパウダー、ゴボウアセトンパウダー又はナシアセトンパウダーよりなる群から選択される少なくとも1種の該フェノール性化合物を酸化し得る酵素又は該フェノール性化合物を酸化し得る酵素含有アセトンパウダー
    を含有することを特徴とする義歯洗浄剤。
  2. フェノール性化合物を酸化し得る酵素が、フェノール性化合物を酸化してキノン構造を有する化合物とすることができる酵素である請求項1記載の義歯洗浄剤。
  3. 酸素系漂白剤が、過炭酸ナトリウム、過ホウ酸ナトリウム、過硫酸カリウム、モノ過硫酸水素カリウムよりなる群から選択される少なくとも1種の化合物である請求項1又は2記載の義歯洗浄剤。
  4. 追加成分として、ミントノートを有するフレーバー、シトラスノートを有するフレーバー、フルーツノートを有するフレーバー及びグリーンノートを有するフレーバーからなる群から選択される1種以上のフレーバーを含有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の義歯洗浄剤。
  5. 請求項1乃至4のいずれかに記載の成分を含有することを特徴とする硫黄含有化合物除去用義歯洗浄剤。
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