JP2022036370A - 液体義歯洗浄剤組成物及び義歯の洗浄方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】義歯の着色汚れに対する洗浄力が高く、洗浄効果に優れ、かつ良好な分散性、使用性及び保存安定性を有する液体義歯洗浄剤組成物及びこれを用いた義歯の洗浄方法を提供する。【解決手段】(A)界面活性剤、(B)有機ホスホン酸又はその塩及び(C)エーテル化度が1.1以上のカルボキシメチルセルロース塩を含有し、pHが7~9である液体義歯洗浄剤組成物。超音波義歯洗浄器の洗浄槽に、上記液体義歯洗浄剤組成物と水とを投入した後、義歯を超音波洗浄する義歯の洗浄方法。【選択図】なし

Description

本発明は、義歯の着色汚れに対する洗浄力が高く、洗浄効果に優れ、かつ良好な分散性、使用性及び保存安定性を有する液体義歯洗浄剤組成物及びこれを用いた義歯の洗浄方法に関する。
義歯(義歯及び義歯床)に付着する汚れには、デンチャープラーク、食物残渣、ステイン(着色沈着物)、歯石等がある。義歯は、歯(義歯)のみならず口蓋粘膜や歯肉の部分(義歯床)が樹脂や金属で造られているため、汚れの対象となる面積が広く、汚れも目立ち易い。特に、義歯へのステインの付着は、衛生的・美的観点からも好ましくなく、ステイン汚れの除去は、義歯洗浄剤の大きなターゲットとなっているが、唾液タンパク質に加えて食物等の外来性物質による修飾を受けて強固に付着したステイン汚れ等の着色汚れを満足に洗浄して除去することは難しかった。
ところで、部分義歯装着者の義歯装着パターンは、多様化しつつあり、日中は義歯を装着し、就寝中は義歯を外す使用者が主流ではあるものの、就寝中も義歯を装着し続ける24時間装着者も増えつつある。24時間装着者は、義歯を外して自分の歯を磨いている間に義歯を洗浄しており、従来の洗浄方法である長時間の洗浄剤浸漬ができないため、必要時のみ、あるいは日中のみの装着者に比べて現在の義歯洗浄方法や洗浄度合いに不満を持つ声が多い。
そこで、手軽に短時間で、義歯汚れの徹底洗浄を可能とする「義歯洗浄剤と洗浄用容器(超音波義歯洗浄器)」による洗浄が望まれていた。更に、この洗浄用容器を用いた洗浄方法においては、例えば、濃縮型の液体義歯洗浄剤を洗浄用容器の洗浄槽に投入し、水を加えた後、義歯を超音波洗浄する仕様が一般的であるが、この場合、超音波洗浄処理中に自動で洗浄剤の希釈が行われる想定であるため、液体義歯洗浄剤の分散性の高さが必須である。またその一方で、超音波義歯洗浄器の洗浄槽は、直径が約10cmと比較的小型であることや、使用者に高齢者が多いことを考慮すると、液体義歯洗浄剤は、液ダレや液ハネ、投入量の過不足といった不具合なく洗浄槽へ入れ易いものであると使用し易い。しかし、このような分散性と洗浄槽へ入れ易い使用性を両立させ、かつ義歯の着色汚れを満足に洗浄して除去する洗浄力を与えることは難しかった。
これまでに、特に超音波義歯洗浄器の洗浄用容器での使用に適した義歯洗浄剤として、ヒドロキシエタンジホスホン酸、アルキルアミンオキシド、及び安息香酸又はその誘導体を含有し、pH5~6.5である、着色汚れ洗浄力及び使用性に優れた濃縮型液体義歯洗浄剤組成物が提案されている(特許文献1:特開2018-90501号公報)が、着色汚れ洗浄力については未だ改善の余地があり、一層濃い着色汚れに対する洗浄力は不十分であり、また、pH6.5を超えると使用性が悪化してしまうという課題があった。
特許文献2(特開2018-90499号公報)には、ヒドロキシエタンジホスホン酸と界面活性剤を含有し、pH5~9である液体義歯洗浄剤組成物が、着色汚れ洗浄力に優れ、低温保存後も層分離等が抑えられ保存安定性を有することが提案されている。この特許文献2では、使用性に着目しておらず検討もされていないが、pH6.5を超えると、使用性に課題があった。
特許文献3(特開2018-90500号公報)には、界面活性剤及び増粘剤が配合され、適度な粘度(20mPa・s以上)が付与された、着色汚れ洗浄力、分散性と使用性に優れた濃縮型液体義歯洗浄剤組成物が提案されている。特許文献3は、保存安定性に着目しておらず検討もされていないが、高温での保存安定性に課題があった。
特開2018-90501号公報 特開2018-90499号公報 特開2018-90500号公報
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、義歯の着色汚れに対する洗浄力が高く、洗浄効果に優れ、かつ良好な分散性、使用性及び保存安定性を有する液体義歯洗浄剤組成物及びこれを用いた義歯の洗浄方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討を行った結果、界面活性剤と有機ホスホン酸又はその塩とを配合した液体義歯洗浄剤組成物に、エーテル化度が特定値以上のカルボキシメチルセルロース塩を配合し、pH7~9に設定すると、義歯(義歯及び義歯床。以下、義歯と略記。)の着色汚れに対して高い洗浄力が発揮され、比較的濃い着色汚れであっても除去する優れた洗浄効果を付与することができ、かつ良好な使用性を分散性と両立させ、保存安定性を与えることもできることを見出した。したがって、本発明によれば、(A)界面活性剤、(B)有機ホスホン酸又はその塩、及び(C)エーテル化度が1.1以上のカルボキシメチルセルロース塩を含有し、pHが7~9である液体義歯洗浄剤組成物が、義歯の着色汚れに対する洗浄力が高く、洗浄効果に優れ、かつ良好な分散性、使用性及び保存安定性を有することを見出し、本発明をなすに至った。
更に、上記液体義歯洗浄剤組成物は、上記優れた特性を有することから、濃縮製剤とすることができ、また更に、超音波洗浄処理中に自動で希釈が行われても分散性が良く、使用性も良いことから、超音波義歯洗浄器の洗浄槽に、液体義歯洗浄剤組成物と水とを投入した後、義歯を超音波洗浄する方法を採用することができることも見出した。
本発明では、(A)及び(B)成分に、(C)エーテル化度が特定値以上のカルボキシメチルセルロース塩を組み合わせ、組成物のpHを特定範囲に設定することで、薄い着色汚れだけでなく比較的濃い着色汚れも洗浄して除去する顕著に高い洗浄力を与えることができた。しかも、(C)成分によって、適度な粘度が安定に付与されることで、良好な使用性(洗浄用容器への入れやすさ)を分散性(水への分散しやすさ)と両立させることができた。更に、(C)成分は他の増粘剤と異なり、上記特定範囲内のpHにおいても、経時におけるオリ、濁り、沈殿物の発生を防止し、透明液体とすることもでき、これにより、他の増粘剤を使用した場合にはなし得ない、保存安定性(高温保存後の外観安定性)を与えることができた。
したがって、本発明の液体義歯洗浄剤組成物は、良好な分散性及び使用性と保存安定性を確保して、義歯の汚れに対して顕著に高い洗浄力を与えることができ、これにより、水で希釈して使用する濃縮製剤として、洗浄用容器、例えば超音波義歯洗浄器を用いた超音波洗浄に使用することもできる。
本発明では、pHが特定範囲内で(C)成分によって上記格別な作用効果を付与することができるものであり、pHが7未満又は9超で(A)及び(B)成分に(C)成分が組み合わせて配合されると、着色汚れ洗浄力が低下し、また、pHが特定範囲内でも、(C)成分が配合されていないと、他の増粘性のアニオン性水溶性高分子化合物が更に添加されていても使用性や保存安定性が悪く、本作用効果が劣った。後述の比較例に示すように、pH7未満又は9超で(C)成分が配合された比較例4、5は、濃い着色汚れ洗浄力が低かった。また、pHが特定範囲内でも、(C)成分が配合されていない比較例6~11は、不適切なエーテル化度のカルボキシメチルセルロースナトリウム、アルギン酸ナトリウム、キサンタンガム、ポリアクリル酸ナトリウム又はヒドロキシエチルセルロースが添加されていても使用性(洗浄用容器への入れやすさ)及び/又は保存安定性(高温保存後の外観安定性)が劣った。これに対して、後述の実施例に示すように、本発明の(A)、(B)及び(C)成分が配合され、pHが7~9である液体義歯洗浄剤組成物は、薄い着色汚れ洗浄力及び濃い着色汚れ洗浄力が優れ、かつ分散性(水への分散しやすさ)、使用性及び保存安定性が良好であった。
なお、本発明では、義歯洗浄剤成分として一般に使用されている過酸化物等を配合しなくても、また、水で希釈しても、優れた洗浄力を与えることができる。その洗浄効果は、義歯に強固に付着した汚れ、つまり、主に唾液タンパク質によって義歯面に形成されたペリクルと呼ばれる薄膜が口腔内環境で唾液あるいは食物等の外来性物質により修飾を受けて強く付着したステイン汚れ等の比較的濃い着色汚れをも除去する、格段に優れたものであり、しかも、前記着色汚れが義歯の歯部だけでなく、樹脂や金属で造られている義歯床に付着していても、きれいに洗浄、除去することができる。
従って、本発明は、下記の液体義歯洗浄剤組成物及び義歯の洗浄方法を提供する。
〔1〕
(A)界面活性剤、
(B)有機ホスホン酸又はその塩
及び
(C)エーテル化度が1.1以上のカルボキシメチルセルロース塩
を含有し、pHが7~9であることを特徴とする液体義歯洗浄剤組成物。
〔2〕
(A)界面活性剤が、アニオン性界面活性剤及び両性界面活性剤から選ばれる1種又は2種以上である〔1〕記載の液体義歯洗浄剤組成物。
〔3〕
アニオン性界面活性剤が、炭素数8~18のアルキル硫酸塩、炭素数8~18のα-オレフィンスルホン酸塩及びアシル基の炭素数が8~18であるアシルアミノ酸塩から選ばれ、両性界面活性剤が、アルキル基の炭素数が12~18であるアルキルアミンオキシド及びアシル基の炭素数が8~18である脂肪酸アミドプロピルベタインから選ばれる〔2〕記載の液体義歯洗浄剤組成物。
〔4〕
(B)有機ホスホン酸又はその塩が、ヒドロキシエタンジホスホン酸又はその塩である〔1〕~〔3〕のいずれかに記載の液体義歯洗浄剤組成物。
〔5〕
(A)成分を1~10質量%、(B)成分を1~5質量%含有する〔1〕~〔4〕のいずれかに記載の液体義歯洗浄剤組成物。
〔6〕
(C)成分を0.1~0.5質量%含有する〔1〕~〔5〕のいずれかに記載の液体義歯洗浄剤組成物。
〔7〕
25℃での粘度が20~100mPa・sである〔1〕~〔6〕のいずれかに記載の液体義歯洗浄剤組成物。
〔8〕
水で希釈して使用するための濃縮製剤である〔1〕~〔7〕のいずれかに記載の液体義歯洗浄剤組成物。
〔9〕
超音波洗浄用である〔1〕~〔8〕のいずれかに記載の液体義歯洗浄剤組成物。
〔10〕
超音波義歯洗浄器の洗浄槽に、〔1〕~〔9〕のいずれかに記載の液体義歯洗浄剤組成物と水とを投入した後、義歯を超音波洗浄することを特徴とする義歯の洗浄方法。
本発明によれば、義歯の着色汚れに対する洗浄力が高く、洗浄効果に優れ、かつ良好な分散性、使用性及び保存安定性を有する液体義歯洗浄剤組成物及びこれを用いた義歯の洗浄方法を提供できる。本発明の液体義歯洗浄剤組成物は、水で希釈して使用する濃縮製剤として調製し、洗浄用容器を用いた超音波洗浄用として有効である。
以下、本発明につき更に詳述する。本発明の液体義歯洗浄剤組成物は、(A)界面活性剤、(B)有機ホスホン酸又はその塩、及び(C)エーテル化度が1.1以上のカルボキシメチルセルロース塩を含有し、pHが7~9であることを特徴とする。
(A)界面活性剤としては、アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤を使用できるが、特に濃い着色汚れ洗浄力の点で、好ましくはアニオン性界面活性剤、両性界面活性剤である。より好ましい界面活性剤は後述の通りであり、特に濃い着色汚れ洗浄力の点から、アニオン性界面活性剤としてはアシルアミノ酸塩、両性界面活性剤としてはアルキルアミンオキシドが、特に好ましく、中でも、アシル基又はアルキル基の炭素数が10~16であるものが好ましく、例えばラウロイルグルタミン酸ナトリウム、ラウリルジメチルアミンオキシドが、好ましい。
なお、界面活性剤は、1種単独で、又は、効果発現の点で2種以上を組み合わせて使用し得る。
アニオン性界面活性剤としては、アルキル硫酸塩、α-オレフィンスルホン酸塩、アシルアミノ酸塩、アルキルリン酸塩を使用できる。中でも、濃い着色汚れ洗浄力の点から、炭素数8~18のアルキル硫酸塩、炭素数8~18のα-オレフィンスルホン酸塩、アシル基の炭素数が8~18であるアシルアミノ酸塩が好ましく、より好ましくは上記アシルアミノ酸塩である。塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩が好ましく、ナトリウム塩が特に好ましい。
炭素数8~18のアルキル硫酸塩としては、ラウリル硫酸塩、ミリストイル硫酸塩等が挙げられ、特にラウリル硫酸塩が好ましい。具体的には、東邦化学工業(株)製やBASF社製のラウリル硫酸ナトリウム等の市販品を用いることができる。
α-オレフィンスルホン酸塩の好ましい炭素数は8~18、特に14~16である。中でも、炭素数14のα-オレフィンスルホン酸塩、特にナトリウム塩(一般名;テトラデセンスルホン酸ナトリウム)が好ましい。具体的には、口腔用製剤に使用可能な市販品、例えばライオン・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製の商品名「KリポランPJ-400CJ(粉体)」や「リポランLB-440(液体)」を使用し得る。
アシルアミノ酸塩は、アシル基の炭素数が好ましくは8~18、特に12~16であり、かかる炭素数のアシル基を有するアシルグルタミン酸塩、アシルアスパラギン酸塩、アシルサルコシン塩、アシルタウリン塩等が挙げられる。具体的には、ラウロイルグルタミン酸塩、ミリストイルグルタミン酸塩等のアシルグルタミン酸塩、ラウロイルアスパラギン酸塩等のアシルアスパラギン酸塩、ラウロイルサルコシン塩等のアシルサルコシン塩、ラウロイルメチルタウリン塩等のアシルタウリン塩が挙げられる。中でも、酸性アシルアミノ酸塩であるアシルグルタミン酸塩、アシルアスパラギン酸塩、特にアシルグルタミン酸塩が好ましく、とりわけラウロイルグルタミン酸塩が好ましい。塩としては、アルカリ金属塩が好ましく、ナトリウム塩が特に好ましい。具体的には、旭化成ケミカルズ(株)製等の市販品を使用できる。
両性界面活性剤としては、アルキルアミンオキシド、ベタイン型両性界面活性剤が挙げられ、特にアルキルアミンオキシドが好ましい。
アルキルアミンオキシドとしては、好ましくはアルキル基の炭素数が12~18、特に12~16である、アルキルジメチルアミンオキシドを使用することができ、例えばラウリルジメチルアミンオキシド等が挙げられる。具体的に、ラウリルジメチルアミンオキシドとして、ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製の商品名「カデナックスDM12D-W」等の市販品を使用し得る。
ベタイン型両性界面活性剤としては、アシル基の炭素数が8~18、特に8~12であるものが好ましい。例えば2-アルキル-N-カルボキシメチル-N-ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタインや、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン、ラウリン酸アミドプロピルベタイン等の脂肪酸アミドプロピルベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタインなどが挙げられ、中でも、2-アルキル-N-カルボキシメチル-N-ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、脂肪酸アミドプロピルベタインが好ましく、脂肪酸アミドプロピルベタインが特に好ましい。
2-アルキル-N-カルボキシメチル-N-ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタインとしては、商品名「エナジコールC-40H」としてライオン・スペシャリティ・ケミカルズ(株)より販売されている2-ヤシ油アルキル-N-カルボキシメチル-N-ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタインナトリウム水溶液、脂肪酸アミドプロピルベタインとしては、Degussa社製のヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタインである商品名「TEGO BETAIN CK」、三洋化成工業(株)製の商品名「レボン2000」等を用いることができる。
ノニオン性界面活性剤としては、ポリエチレングリコール型、とりわけポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油が好ましい。より好ましくは、アルキル基の炭素数が12~20で、エチレンオキサイドの平均付加モル数(以下、E.O.付加モル数と略記する。)が10~20モルのポリオキシエチレンアルキルエーテル及び/又はE.O.付加モル数が5~60モルのポリオキシエチレン硬化ヒマシ油を使用できる。
ポリオキシエチレンアルキルエーテルとしては、例えば、商品名「EMALEX HC-60、EMALEX HC-100」(日本エマルジョン(株)製)、商品名「BLAUNON SR-705、707」(青木油脂産業(株)製)等が挙げられる。
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油としては、例えば、商品名「NIKKOL HCO-5、HCO-10、HCO-20、HCO-30」(日光ケミカルズ(株)製)、商品名「ブラウノンRCW-20 OR」(青木油脂産業(株)製)などが挙げられる。
カチオン性界面活性剤としては、アルキル(炭素数6~20)トリメチルアンモニウム塩、ジアルキル(炭素数6~20)ジメチルアンモニウム塩、アルキル(炭素数6~20)ジメチルベンジルアンモニウム塩等の第4級アンモニウム塩、アルキル(炭素数6~20)アミン塩、アルキル(炭素数6~20)アミンエチレンオキサイド付加物、アルキル(炭素数6~20)ピリジニウム塩等が例示される。
(A)界面活性剤の配合量は、組成物全体の1~10%(質量%、以下同様)が好ましく、より好ましくは3~10%である。配合量が1%以上であると、濃い着色汚れに対しても十分な洗浄力が得られる。10%以下であると、十分かつ適度なすすぎ性が得られ、義歯を洗浄後のぬるつきや義歯装着時の苦味等を防止できる。
(B)有機ホスホン酸又はその塩は、濃い着色汚れに対する洗浄力を与える。
有機ホスホン酸は、例えば、ヒドロキシエタンジホスホン酸、エチレンジアミンテトラメチレンホスホン酸、アミノトリメチレンホスホン酸、ジエチレントリアミンペンタメチレンホスホン酸、ホスホノブタントリカルボン酸、ニトリロトリスメチレンホスホン酸、N,N,N’,N’-テトラキス(ホスホノメチル)エチレンジアミン等が挙げられ、中でも、濃い着色汚れ洗浄力が高いヒドロキシエタンジホスホン酸が好ましい。有機ホスホン酸塩は、上記有機ホスホン酸のナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、アミン塩、アルカノールアミン塩等が挙げられる。
有機ホスホン酸又はその塩は、例えば、ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製のヒドロキシエタンジホスホン酸(商品名:フェリオックス115-A)、東京化成工業(株)製のエチレンジアミンテトラメチレンホスホン酸(商品名:N,N,N’,N’-エチレンジアミンテトラキス(メチレンホスホン酸))等の市販品を使用できる。
(B)有機ホスホン酸又はその塩の配合量は、組成物全体の1~5%が好ましく、より好ましくは3~5%である。配合量が1%以上であると、濃い着色汚れに対しても十分な洗浄力が得られる。5%以下であると、保存安定性を十分に確保できる。
(C)エーテル化度が1.1以上のカルボキシメチルセルロース塩は、(A)及び(B)成分による着色汚れ洗浄力を低下させることなく優れた洗浄効果を保って、適度な粘度を付与し、良好な使用性及び分散性を与える作用を奏する。また、保存安定性を確保する作用を奏する。
カルボキシメチルセルロース塩のエーテル化度は1.1以上であり、好ましくは1.1~1.9、より好ましくは1.3~1.5である。エーテル化度が1.1以上であると、高温保存及び室温保存のいずれでも保存安定性が十分に確保される。1.9以下であると、水で希釈した際の分散性が良好である。また、カルボキシメチルセルロース塩の重量平均分子量は特に制限はないが、100万以上が好ましく、1%水溶液の粘度(25℃)は1,500~2,000mPa・sのものが好ましい。なお、1%水溶液の粘度(25℃)は、B型粘度計を用いて測定した値である。
このような特定エーテル化度のカルボキシメチルセルロース塩は、例えば、ダイセルミライズ(株)製の上記エーテル化度を有するカルボキシメチルセルロースナトリウム等の市販品を使用できる。
(C)成分の配合量は、組成物全体の0.1~0.5%が好ましく、より好ましくは0.2~0.4%である。配合量が0.1%以上であると、適度な粘度が付与され、良好な使用性が確保され、洗浄槽へ投入時に容器外への飛び出しや液ハネが十分に防止される。0.5%以下であると、適度な粘度が保たれ、良好な使用性が十分に維持される。配合量が0.5%を超えると、粘度が高くなりすぎて使用性が悪くなり、洗浄槽へ投入に時間がかかったり、容器の腹を強く押す力が必要になったりして使用性が悪化する場合がある。
本発明の液体義歯洗浄剤組成物には、上記成分に加えてその他の公知成分を必要に応じて配合できる。例えば、香料、溶剤、着色剤、殺菌剤等が挙げられる。
香料としては、スペアミント油、ペパーミント油、アニス油、ユーカリ油、ウィンターグリーン油、カシア油、クローブ油、タイム油、セージ油、レモン油、オレンジ油、ハッカ油、カルダモン油、コリアンダー油、マンダリン油、ライム油、ラベンダー油、ローズマリー油、ローレル油、カモミル油、キャラウェイ油、マジョラム油、ベイ油、レモングラス油、オリガナム油、パインニードル油、シンナモンバーク油等の天然香料、及び、メントール、メントン、カルボン、エチルブチレート、バニリン、エチルマルトール、アネトール、サリチル酸メチル、シンナミックアルデヒド、シネオール、オイゲノール、エチルバニリン、マルトール、リモネン、シトロネロール、リナロール、リナリールアセテート、メンチルアセテート、ピネン、オクチルアルデヒド、シトラール、プレゴン、カルビールアセテート、アニスアルデヒド、ジンジャーオレオレジン、クレオソール、dl-カンファー等の単品香料、更に、エチルアセテート、アリルシクロヘキサンプロピオネート、メチルアンスラニレート、エチルメチルフェニルグリシデート、ウンデカラクトン、ヘキサナール、エチルアルコール、プロピルアルコール、ブタノール、イソアミルアルコール等の単品香料及び/又は天然香料も含む各種調合香料等、口腔用製剤に用いられる公知の香料を通常量で使用することができる。
溶剤としては、通常、水(イオン交換水)が用いられるが、多価アルコールなどを5~20%程度、添加することもできる。
着色剤としては、赤色2号、赤色3号、赤色225号、赤色226号、黄色4号、黄色5号、黄色205号、青色1号、青色2号、青色201号、青色204号、緑色3号等の法定色素、カラメル色素、ベニバナ色素、クチナシ色素、コチニール色素、アナトー色素、雲母チタン、酸化チタン等が挙げられる。
殺菌剤としては、イソプロピルメチルフェノール等の非イオン性殺菌剤が挙げられる。配合量は本発明の効果を妨げない範囲で有効量である。
なお、本発明では、義歯洗浄剤成分として一般に使用されている過炭酸ナトリウム、過ホウ酸ナトリウム等の過酸化物、次亜塩素酸又はその塩、亜硫酸塩などの酸化剤や漂白剤は、特に義歯の劣化防止の点から、配合しない(配合量0%)ほうがよい。配合する場合は、それぞれの配合量が0.03%以下、特に0.01%以下が好ましい。
本発明の液体義歯洗浄剤組成物は、pH(25℃)7~9であり、好ましくは7.5~8.5である。pH7未満であると、濃い着色汚れ洗浄力が低下し、着色汚れ洗浄力が劣り、pH9を超えると、アルカリ性になって手や口腔粘膜に触れた時に安全性に懸念が生じる。
pHはなりゆきでもよいが、pH調整剤を添加して調整してもよい。pH調整剤としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、塩酸、リン酸又はその塩、クエン酸又はその塩、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、ホウ酸又はその塩等が挙げられる。
液体義歯洗浄剤組成物は、特に使用性の点から、粘度が20~100mPa・sが好ましく、より好ましくは25~80mPa・sであり、更に好ましくは25~70mPa・sであると、分散性の点でも好ましい。上記粘度範囲であると、より一層良好な使用性(洗浄用容器への入れやすさ)と分散性(水への分散しやすさ)とを両立できる。粘度が20mPa・s未満であると、粘度が低すぎて、洗浄槽へ投入時に容器外への飛び出しや液ハネが起こり、使用性が悪化する場合がある。粘度が100mPa・sを超えると、粘度が高すぎて、洗浄槽へ投入に時間がかかったり、容器の腹を強く押す力が必要になったりして使用性が悪化する場合がある。
上記粘度は、下記方法によって測定した。
B型粘度計:VISCOMETER TVB-10(東機産業(株)製)
ローターNo.:M1
回転数:60rpm
測定時間:60秒
測定温度:25℃
液体義歯洗浄剤組成物の調製方法は、通常の方法を採用でき、例えば、各成分を5L釜に入れ、スリーワンモーターで撹拌混合して調製することができる。
本発明の液体義歯洗浄剤組成物は、通常の方法で使用することができ、液体義歯洗浄剤組成物を希釈することなくそのまま使用することもできるが、使用時に水で希釈した洗浄剤希釈液に義歯を浸漬するなどして適用する濃縮製剤(濃縮型液体義歯洗浄剤組成物)であることが好ましく、濃縮型の義歯洗浄剤に調製できる。浸漬して洗浄した後は、必要に応じて水ですすいで使用することができる。
濃縮型液体義歯洗浄剤組成物の場合、水による好ましい希釈倍率は、使用性及び溶解性の点から、10~100倍希釈、特に10~50倍希釈である。例えば、製剤中の(A)成分の濃度が10%以下、(B)成分の濃度が5%以下、(C)成分の濃度が0.5%以下、特に0.4%以下の濃縮製剤に調製し、使用する際には希釈後の洗浄剤希釈液中の(A)成分の濃度が0.1%以上、(B)成分の濃度が0.1%以上、(C)成分の濃度が0.01%以上になるように設計できる。洗浄剤希釈液のpH(25℃)は7~9、好ましくは7.5~8.5である。これらがいずれも上記範囲内となるように濃縮製剤中の各成分の量、pHを設計し、希釈倍率を適切に設定することが、更に好ましい。
本発明の液体義歯洗浄剤組成物は、濃縮製剤(濃縮型液体義歯洗浄剤組成物)として、義歯洗浄器に水と共に投入して希釈後、これに義歯を浸漬する洗浄法を好適に採用できる。具体的には、義歯洗浄器、好ましくは超音波義歯洗浄器の洗浄槽に、液体義歯洗浄剤組成物と水とを投入して希釈後、該洗浄剤希釈液に義歯を浸漬して洗浄することができる。なお、超音波義歯洗浄器を用いる場合は、超音波洗浄処理中に自動で希釈が行われる。
この場合、義歯洗浄器は、液体製剤を入れてこれに義歯を浸漬して洗浄できる洗浄槽を備えたものであればよく、公知のものを使用し得る。義歯洗浄器の洗浄槽は、義歯の総入れ歯又は部分入れ歯を入れるのに適した大きさであれば特に制限はないが、コンパクトであれば、使用性(置き場所)がよいため好ましい。具体的には、洗浄槽が、直径又は長径が12cm以下の円又は楕円形状のもの、あるいは少なくとも一辺が12cm以下の四角形状である義歯洗浄器が、濃縮型液体義歯洗浄剤組成物を入れやすく使用性の点から好適である。洗浄槽の容量は、100~150mL程度がよい。
更に、義歯洗浄器は、洗浄効果、効率面から、超音波装置を備えたものであることが好ましく、超音波義歯洗浄器が好適である。超音波洗浄は、周波数25~120kHzが好ましく、40~100kHzがより好ましい。超音波周波数が前記下限値以上であれば、洗浄時の音が小さく、また義歯の変形や割れなどの為害性なく洗浄できる。超音波周波数が前記上限値以下であれば、高い洗浄力が得られる。また、出力は5~200Wが好ましく、10~100Wがより好ましい。超音波出力が前記下限値以上であれば、高い洗浄力が得られる。超音波出力が前記上限値以下であれば、義歯の変形や割れなどの為害性なく洗浄できる。
なお、上記の義歯洗浄器を用いた義歯洗浄において、義歯の浸漬時間は1分間以上、特に3分間以上が好ましく、また、15分間以下、特に7分間以下が好ましい。最適な浸漬時間は5分間程度(4~6分間)である。超音波洗浄等を採用すると、より効率良く義歯汚れを除去できる。また、歯ブラシなどで軽く汚れを落とした後に、本発明の液体義歯洗浄剤組成物を使用して義歯を洗浄すると更に効果的である。
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。なお、下記の例において%は特に断らない限りいずれも質量%を示す。
[実施例、比較例]
表1~3に示す組成の液体義歯洗浄剤組成物(濃縮製剤)を下記方法で調製し、これらを被験サンプルとして使用し、下記に示す方法で評価した。結果を表に併記した。
調製方法:
表に示す各成分を5L釜に入れ、スリーワンモーターで撹拌混合した。
(1)使用性の評価方法
評価者10人を用いた官能試験により評価した。被験サンプルの液体義歯洗浄剤組成物のそれぞれに、更に青色1号を0.001%添加して青色を呈色したサンプルを、内容量250mLのPET容器に250mL充填し、ヒンジキャップ(口径:2mm)で封をした。その容器を片手で持ち、直径7.5cm、深さ5cmの義歯洗浄用の容器に約5g注ぎ入れた際の入れやすさについて、下記の評点基準で判定した。
ここで、入れやすさとは、洗浄槽へ投入時に容器外への飛び出しや液ハネが防止され、洗浄槽の周囲を汚さず、洗浄槽内に入れたい量を正確かつ容易に入れられることである。
評点基準
4点:非常に入れやすい
3点:やや入れやすい
2点:やや入れにくい
1点:非常に入れにくい
10人の入れやすさの評点結果を平均し、下記の評価基準によって使用性を評価した。
評価基準
◎:3.5点以上4.0点以下
○:3.0点以上3.5点未満
△:2.0点以上3.0点未満
×:2.0点未満
(2)分散性の評価方法
被験サンプルの液体義歯洗浄剤組成物のそれぞれに、更に青色1号を0.001%添加して青色を呈色し、これをサンプルとして用いた。青色を呈色したサンプルを超音波義歯洗浄器の洗浄槽に5g注ぎ入れ、0℃にて保管した冷水を130mL注ぎ入れた後、超音波洗浄を開始した。開始から5分間経過後に洗浄槽の縁から中央4cm、液面から深さ1.5cmの箇所より洗浄液を1mL採取し、洗浄剤希釈液の吸光度(630nm)を測定した(A1)。なお、サンプルが完全に溶解した状態での吸光度を測定し(A0)、下記に示す式(1)によって分散率を求めた。算出した分散率から、下記の評価基準によって分散性を評価した。
式(1);
分散率(%)=(A1/A0)×100
評価基準
◎:超音波洗浄処理(5分間)後の分散率が100%
○:超音波洗浄処理(5分間)後の分散率が90%以上100%未満
△:超音波洗浄処理(5分間)後の分散率が80%以上90%未満
×:超音波洗浄処理(5分間)後の分散率が80%未満
(3)着色汚れ洗浄力の評価方法
(3-1)薄い着色汚れ洗浄力の評価方法
(i)タンニン鉄ステイン付着アクリル板の作製方法
沸騰させたイオン交換水1,200mL中に、日本茶(伊藤園)50g、紅茶(リプトンブリスクティーバック)5袋、インスタントコーヒー(ネスカフェ)12gを入れ一晩放置し、日本茶及び紅茶をろ過にて取り除きタンニン抽出液を作製した。
アクリル板表面((株)クラレ製、縦10mm×横10mm×厚さ5mm)をサンドブラストにて処理後、中性洗剤を入れた超音波義歯洗浄器(商品名:超音波洗浄器AU-80C、アイワ医科工業(株)製)に5分間かけ、水ですすいで洗浄した。前記超音波義歯洗浄器による洗浄処理を3回繰り返した後、自然乾燥し、タンニン鉄ステイン付着前のアクリル板のLab値(L0)を測定した。上記のアクリル板に対し、0.5%アルブミン水溶液→タンニン抽出液→0.6%クエン酸鉄(III)アンモニウム水溶液で30分間ずつ繰り返し浸漬する操作を10回繰り返し、常温で1日風乾した後、流水で洗浄し、再び風乾して、タンニン鉄ステイン付着アクリル板を作製した。作製したタンニン鉄ステイン付着アクリル板の表面の色を測定し、その値をLab値(L1)とした。
L1の値は、平均45(40~49)であった。
(ii)タンニン鉄ステイン除去効果の評価方法
被験サンプルの液体義歯洗浄剤組成物6.5gをイオン交換水で20倍希釈した各洗浄剤希釈液130mLを超音波義歯洗浄器の洗浄槽に注ぎ入れた後、上記(i)にて作製したタンニン鉄ステイン付着アクリル板を浸漬し、5分間の超音波洗浄処理(周波数:42kHz、出力:17W)を行った。超音波洗浄処理後、流水下ですすいで洗浄し、乾燥した後のアクリル板のLab値(L2)を測定した。下記に示す式(2)によってタンニン鉄ステイン除去率を求めた。
式(2);
タンニン鉄ステイン除去率(%)=〔(L1-L2)/(L1-L0)〕×100
算出したタンニン鉄ステイン除去率から、下記の評価基準によって薄い着色汚れ洗浄力を評価した。
評価基準
◎:タンニン鉄ステイン除去率70%以上
○:タンニン鉄ステイン除去率50%以上70%未満
△:タンニン鉄ステイン除去率30%以上50%未満
×:タンニン鉄ステイン除去率30%未満
(3-2)濃い着色汚れ洗浄力の評価方法
(i)タンニン鉄ステイン付着アクリル板の作製方法
沸騰させたイオン交換水1,200mL中に、日本茶(伊藤園)50g、紅茶(リプトンブリスクティーバック)5袋、インスタントコーヒー(ネスカフェ)12gを入れ一晩放置し、日本茶及び紅茶をろ過にて取り除きタンニン抽出液を作製した。
アクリル板表面((株)クラレ製、縦10mm×横10mm×厚さ5mm)をサンドブラストにて処理後、中性洗剤を入れた超音波義歯洗浄器(商品名:超音波洗浄器AU-80C、アイワ医科工業(株)製)に5分間かけ、水ですすいで洗浄した。前記超音波義歯洗浄器による洗浄処理を3回繰り返した後、自然乾燥し、タンニン鉄ステイン付着前のアクリル板のLab値(L0)を測定した。上記のアクリル板に対し、0.5%アルブミン水溶液→タンニン抽出液→0.6%クエン酸鉄(III)アンモニウム水溶液で30分間ずつ繰り返し浸漬する操作を20回繰り返し、常温で1日風乾した後、流水で洗浄し、再び風乾して、タンニン鉄ステイン付着アクリル板を作製した。作製したタンニン鉄ステイン付着アクリル板の表面の色を測定し、その値をLab値(L1)とした。
L1の値は、平均30(20~39)であった。
(ii)タンニン鉄ステイン除去効果の評価方法
被験サンプルの液体義歯洗浄剤組成物6.5gをイオン交換水で20倍希釈した各洗浄剤希釈液130mLを超音波義歯洗浄器の洗浄槽に注ぎ入れた後、上記(i)にて作製したタンニン鉄ステイン付着アクリル板を浸漬し、5分間の超音波洗浄処理(周波数:42kHz、出力:17W)を行った。超音波洗浄処理後、流水下ですすいで洗浄し、乾燥した後のアクリル板のLab値(L2)を測定した。下記に示す式(2)によってタンニン鉄ステイン除去率を求めた。
式(2);
タンニン鉄ステイン除去率(%)=〔(L1-L2)/(L1-L0)〕×100
算出したタンニン鉄ステイン除去率から、下記の評価基準によって濃い着色汚れ洗浄力を評価した。
評価基準
◎:タンニン鉄ステイン除去率70%以上
○:タンニン鉄ステイン除去率50%以上70%未満
△:タンニン鉄ステイン除去率30%以上50%未満
×:タンニン鉄ステイン除去率30%未満
(4)保存安定性の評価方法
内容量100mLのガラススクリュー管に、被験サンプルの液体義歯洗浄剤組成物80mLを充填し、高温(50℃)恒温槽、高温(40℃)恒温槽又は室温(RT)に1ヶ月間保存した。各条件で保存後の外観の変化(充填直後の初期品の外観と比較)を目視で観察し、下記の評価基準によって保存安定性を評価した。
充填直後の初期品の外観は、透明液体で異物なしであった。
評価基準
◎:初期品と差がなく、全保存条件においてオリ・濁り・沈殿物が認められない
○:全保存条件において、オリ・濁りがほとんど認められない
△:いずれかの保存条件において、オリ・濁りが認められる
×:いずれかの保存条件において、沈殿物が認められる
使用した主原料の詳細を下記に示す。
(A)成分
・ラウリルジメチルアミンオキシド:
ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製(商品名:カデナックスDM12D-W)
・ラウロイルグルタミン酸ナトリウム:
旭化成ケミカルズ(株)製(商品名:アミノサーファクトALMS-P1)
・α-オレフィンスルホン酸ナトリウム:
ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製(商品名:リポランLB-440)
・ラウリル硫酸ナトリウム:
BASF社製(商品名:Texapon OC-P)
・ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン(30%水溶液):
三洋化成工業(株)製(商品名:レボン2000)
(B)成分
・ヒドロキシエタンジホスホン酸:
ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製(商品名:フェリオックス115-A)
・エチレンジアミンテトラメチレンホスホン酸:
東京化成工業(株)製(商品名:N,N,N’,N’-エチレンジアミンテトラキス(メチレンホスホン酸))
(C)成分
・カルボキシメチルセルロースナトリウム:
ダイセルミライズ(株)製
CMC-1(エーテル化度:1.10)
CMC-2(エーテル化度:1.30)
CMC-3(エーテル化度:1.50)
CMC-4(エーテル化度:0.90)(比較品)
その他成分
・アルギン酸ナトリウム:
(株)キミカ製(商品名:キミカアルギン)(比較品)
・キサンタンガム:
CPケルコ社製(商品名:モナートガムDA)(比較品)
・ポリアクリル酸ナトリウム:
東亞合成(株)製(商品名:レオジック260H)(比較品)
・ヒドロキシエチルセルロース:
ダイセルミライズ(株)製(商品名:HECダイセル)(比較品)
なお、表中に示す各液体義歯洗浄剤組成物の粘度は、下記方法によって測定した。
B型粘度計:VISCOMETER TVB-10(東機産業(株)製)
ローターNo.:M1
回転数:60rpm
測定時間:60秒
測定温度:25℃
Figure 2022036370000001
Figure 2022036370000002
Figure 2022036370000003

Claims (10)

  1. (A)界面活性剤、
    (B)有機ホスホン酸又はその塩
    及び
    (C)エーテル化度が1.1以上のカルボキシメチルセルロース塩
    を含有し、pHが7~9であることを特徴とする液体義歯洗浄剤組成物。
  2. (A)界面活性剤が、アニオン性界面活性剤及び両性界面活性剤から選ばれる1種又は2種以上である請求項1記載の液体義歯洗浄剤組成物。
  3. アニオン性界面活性剤が、炭素数8~18のアルキル硫酸塩、炭素数8~18のα-オレフィンスルホン酸塩及びアシル基の炭素数が8~18であるアシルアミノ酸塩から選ばれ、両性界面活性剤が、アルキル基の炭素数が12~18であるアルキルアミンオキシド及びアシル基の炭素数が8~18である脂肪酸アミドプロピルベタインから選ばれる請求項2記載の液体義歯洗浄剤組成物。
  4. (B)有機ホスホン酸又はその塩が、ヒドロキシエタンジホスホン酸又はその塩である請求項1~3のいずれか1項記載の液体義歯洗浄剤組成物。
  5. (A)成分を1~10質量%、(B)成分を1~5質量%含有する請求項1~4のいずれか1項記載の液体義歯洗浄剤組成物。
  6. (C)成分を0.1~0.5質量%含有する請求項1~5のいずれか1項記載の液体義歯洗浄剤組成物。
  7. 25℃での粘度が20~100mPa・sである請求項1~6のいずれか1項記載の液体義歯洗浄剤組成物。
  8. 水で希釈して使用するための濃縮製剤である請求項1~7のいずれか1項記載の液体義歯洗浄剤組成物。
  9. 超音波洗浄用である請求項1~8のいずれか1項記載の液体義歯洗浄剤組成物。
  10. 超音波義歯洗浄器の洗浄槽に、請求項1~9のいずれか1項記載の液体義歯洗浄剤組成物と水とを投入した後、義歯を超音波洗浄することを特徴とする義歯の洗浄方法。
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