JP6491386B1 - スラブ開口用型枠とそれを用いたスラブ開口の形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】コンクリートスラブの一部にスラブ開口を形成する作業を安価に効率よく行うことができ、しかも、スラブ開口の使用後に、その内部に十分な強度を有するコンクリートスラブを形成することが可能なスラブ開口用型枠とそれを用いたスラブ開口の形成方法を提供する。【解決手段】本発明のスラブ開口用型枠1は、平面視矩形状をなす枠体2及び枠体3と、この枠体3の四隅にそれぞれ設置される受け具4と、この受け具4に取り付けられる支持具5と、合成樹脂からなり可撓性を有する透明な矩形状のシート6を備えており、支持具5は、外周面に雄ネジが形成された脚部7と、平面視矩形状をなし、ネジを挿通するための貫通孔8aが四隅に設けられた台座8と、脚部7に螺合する板付きナット9からなり、枠体2の四隅には、ボルト10がナット11に螺入された状態で取り付けられている。【選択図】図1

Description

本発明は、鉄筋コンクリートや鉄骨鉄筋コンクリートを構造材料とする建築物において鉄筋コンクリート構造の床板(以下、コンクリートスラブという。)を施工する際に用いられる型枠に係り、特に、コンクリートスラブに工事用の開口部(以下、スラブ開口という。)を形成するための型枠とそれを用いたスラブ開口の形成方法に関する。
鉄筋コンクリートや鉄骨鉄筋コンクリートを構造材料とする建築物では、一般に、床や天井等を構成するコンクリートスラブに対して一時的に形成されたスラブ開口を利用することにより、工事用の資材や工具などの上げ下ろしが行われる。
従来、スラブ開口は、例えば、床型枠に直交するとともに、床型枠に設けられた開口部を囲むように設置された複数枚のベニヤ板からなる型枠によって形成されていた。しかしながら、木製の型枠は、固化した状態のコンクリートスラブから引き剥がすことが困難であり、また、耐久性も劣るため、再利用ができないという課題があった。
さらに、このような型枠では、設置や撤去に手間がかかり、作業性が悪いという課題があった。
このような課題に対処するものとして、例えば、特許文献1に、「スラブ駄目穴の施工及び養生方法」という名称で、安全性に優れたスラブ駄目穴(上述のスラブ開口に相当)の施工と養生を安価に効率よく行う方法に関する発明が開示されている。
特許文献1に開示されたスラブ駄目穴の施工方法は、床型枠に設けられた開口部の上に鋼板製の駄目穴型枠を固定し、この駄目穴型枠の内部を除いて床型枠上に打設されたコンクリートが硬化した後に、駄目穴型枠を撤去することを特徴としている。
このような方法によれば、駄目穴型枠が鋼板で成形されていることから、駄目穴型枠を繰り返し使用することができる。したがって、作業コストが削減されるとともに、作業効率が向上する。
また、特許文献2には、「コンクリートスラブの構築方法」という名称で、コンクリートスラブに開口部を形成する際に、開口部内において露出しているスラブ筋を切断して折り曲げたり、不要となった開口部を閉塞する際に、開口部の側壁面に鉄筋アンカーを打ち込んだ後、他の鉄筋を添えて鉄筋アンカー同士を溶接によって接合したりすることなく、上記開口部を効率よく形成する方法に関する発明が開示されている。
特許文献2に開示された発明は、「縦棒部」と「横棒部」からなる一対のL型鉄筋を、横棒部同士が所定の間隔を空けた状態で略平行をなすとともに、縦棒部同士が同一直線上に位置するように配置する工程と、開口部を有する額縁状の型枠を一対のL型鉄筋の間にそれぞれの横棒部と接触するように配置する工程と、一対のL型鉄筋の各縦棒部がコンクリートに埋設されるように、型枠の外側にコンクリートを打設する工程を備えたことを特徴とする。
このような方法によれば、L型鉄筋を使用するため、開口部内において露出しているスラブ筋を切断して折り曲げるという作業は発生しない。また、不要となった開口部を閉塞する際には、一対のL型鉄筋において、縦棒部と一直線になるようにそれぞれ変形させた横棒部同士を溶接によって互いに接合すれば良いため、開口部の側壁面に鉄筋アンカーを打ち込んだり、その鉄筋アンカー同士を他の鉄筋を介して接合したりする作業を行う必要がない。したがって、コンクリートスラブに開口部を効率よく形成することができる。
さらに、特許文献3には、「スラブ開口用型枠」という名称で、コンクリートスラブに開口部を形成する際に、開口部の周りに配置されたスラブ鉄筋の影響を受け難く、スラブ厚が異なる場合にも容易に対応することが可能な型枠に関する発明が開示されている。
特許文献3に開示された発明は、上下が開口した筒状の本体枠と、複数本のアンカー鉄筋が一体的に編成された構造であって、この本体枠とは別に形成されたアンカー枠と、本体枠の内側に貼り付けられた樹脂製のメッシュ部材からなる型枠ユニットを備えたことを特徴とする。
このような構造の型枠ユニットにおいては、本体枠の外側にコンクリートが打設された場合に、本体枠の内部へのコンクリートの漏出がメッシュ部材によって防止される。したがって、スラブ開口を容易に形成することができる。また、コンクリートスラブによってスラブ開口を閉塞する場合、アンカー枠に対してスライド自在に設置された補強鉄筋をスライドさせて等間隔に配置した後に、本体枠の内側にコンクリートを打設することで、そのコンクリートの強度が確保される。
特開2002−70317号公報 特開2012−251322号公報 特開2014−51797号公報
特許文献1に開示された方法では、使用済みの駄目穴にコンクリートを打設する場合、コンクリートを打ち継ぐ箇所に後から鉄筋を施工しなければならないため、作業効率が悪い。また、後から鉄筋を施工した箇所において、コンクリートスラブの強度が不足するおそれがある。さらに、駄目穴型枠が鋼製であるため、硬化したコンクリートから容易に取り外すことができないものと推察される。
特許文献2に開示された方法では、硬化したコンクリートの中から額縁状の型枠を取り出すことは困難である。また、コンクリートスラブが形成された段階で、L型鉄筋の横棒部は、少なくともその一部がコンクリートスラブに埋設された状態となっているため、横棒部をコンクリートスラブから取り出して、横棒部と縦棒部が一直線になるように、L型鉄筋を変形させることは容易でないと考えられる。
特許文献3に開示された発明では、本体枠やアンカー鉄筋や補強鉄筋に多量の鉄筋が用いられているにも関わらず、これらの資材は最終的にコンクリートスラブに埋もれた状態となって、再利用ができないため、スラブ開口を形成する数が多い場合には、コンクリートスラブの施工費用が著しく高くなってしまうという課題があった。
また、補強鉄筋の両端はアンカー鉄筋に係止しているものの、その補強鉄筋自体は、本体枠の外側に形成されたコンクリートスラブに対して直接には接続されていないため、本体枠の内部にコンクリートを打設した場合に、その部分に形成されたコンクリートスラブが十分な強度を有しない可能性が高い。
本発明は、このような従来の事情に対処してなされたものであり、コンクリートスラブの一部にスラブ開口を形成する作業を安価に効率よく行うことができ、しかも、スラブ開口の使用後に、その内部に十分な強度を有するコンクリートスラブを形成することが可能なスラブ開口用型枠とそれを用いたスラブ開口の形成方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、第1の発明は、コンクリートスラブにスラブ開口を形成する際に、スラブ形成用型枠の一部を構成する平板材の上に設置されるスラブ開口用型枠であって、平面視矩形状をなす第1の枠体と、この第1の枠体の四隅をそれぞれ保持する4つの保持手段と、この4つの保持手段をそれぞれ下方から支持する4つの支持具と、合成樹脂からなり可撓性を有する矩形状のシートと、このシートの四辺を第1の枠体に固定する固定手段と、を備え、シートは、平板材の上に広げられ、かつ、保持手段を介して第1の枠体の四隅にそれぞれ設置される4つの支持具の下端によって、平面視して中央部分から均等な距離にある4か所を固定された状態において、シートの四辺を持ち上げて、第1の枠体の外側からその上部を跨ぐようにして内側へ折り込むことが可能な大きさを有していることを特徴とするものである。
なお、本願発明において、「中央部分から均等な距離にある」というときは、「中央部分から略均等な距離にある」場合も含まれるものとする。
上記構造のスラブ開口用型枠において、スラブ形成用型枠の一部を構成する平板材の上にシートを広げた後、保持手段を介して第1の枠体の四隅にそれぞれ設置される4つの支持具の下端によって、シートを平面視して中央部分から均等な距離にある4か所を固定する。
この状態でシートの四辺を持ち上げて、第1の枠体の外側からその上部を跨ぐようにして内側へ折り込むとともに、固定手段によってシートの四辺を第1の枠体に固定する。この場合、シートに鉄筋を貫通させることは容易であるため、スラブ形成用型枠の内部にスラブ筋を配置する際に、シートがその作業の支障になるおそれはない。
また、上記構造のスラブ開口用型枠においては、上述したように底面と4つの側面がシートで覆われた状態で、その周りにコンクリートを打設すると、シートによってコンクリートの侵入が阻まれるため、シートで周りを囲まれた空間内にコンクリートスラブが形成されないという作用を有する。
このとき、シートはコンクリートスラブの中に埋もれることなく、単にコンクリートスラブの表面と接触した状態となっている。そして、合成樹脂製のシートはコンクリートに対する密着性が弱いため、コンクリートスラブからシートを引き剥がすことは容易である。
さらに、シートはカッター等を用いて簡単に切断することができるため、シートに複数本のスラブ筋が貫通されている場合であっても、シートに形成されたスラブ筋の貫通穴をカッター等で切り開くようにすれば、シートをスラブ筋から容易に分離することができる。
また、第2の発明は、第1の発明において、固定手段は、平面視矩形状をなし、その下面が第1の枠体の上面と接触するように設置される第2の枠体と、この第2の枠体を第1の枠体の上面に押圧固定する第1の締結具と、からなることを特徴とするものである。
このような構造のスラブ開口用型枠において、平らに展開された状態のシートに対し、平面視して中央部分から均等な距離にある4か所を、第1の枠体の四隅に保持手段を介してそれぞれ設置される4つの支持具の下端によって固定する。
そして、シートの四辺を持ち上げて、第1の枠体の外側からその上部を跨ぐようにして内側へ折り込むとともに、第1の枠体の上に第2の枠体を設置する。この状態で、第1の締結具を締め付けると、シートの四辺が第1の枠体の上面と第2の枠体の下面によって上下から挟まれるようにして保持される。
すなわち、第2の発明においては、第1の発明の作用に加え、第1の枠体と第2の枠体がシートと面で接触することから、第1の枠体と第2の枠体によるシートの保持力が強いという作用を有する。
第3の発明は、第2の発明において、第1の枠体は、額縁状の底板と、この底板と直交するように、その外縁部と内縁部からそれぞれ延設されるとともに、平面視した場合に互いに相似の矩形状をなす外側板及び内側板と、からなり、底板と外側板と内側板によって、第2の枠体が内部に配置される第1の凹溝が形成されることを特徴とするものである。
上記構造のスラブ開口用型枠において、第2の枠体を第1の枠体の第1の凹溝内に配置した場合、第2の枠体は、底面が第1の枠体の底板で保持されるとともに、その両側面が第1の枠体の外側板と内側板でそれぞれ保持されるため、第1の締結具を用いて第2の枠体を第1の枠体に固定する作業の途中で、第1の枠体の上に配置された第2の枠体が横方向へ不用意にずれてしまうおそれがない。
すなわち、第3の発明においては、第2の発明の作用に加え、第2の枠体を設置する際の作業性が良いという作用を有する。
第4の発明は、第1の発明乃至第3の発明のいずれかの発明において、保持手段は、平面視矩形状をなす下板と、この下板と直交するように、その外縁部から延設される平面視L字状の外板と、この外板と平行をなすように、下板に立設される平面視L字状の内板と、からなる受け具と、この受け具を支持具に固定する第2の締結具と、からなり、下板と外板と内板によって、第1の枠体が内部に配置される第2の凹溝が形成されることを特徴とするものである。
上記構造のスラブ開口用型枠において、第1の枠体を受け具の第2の凹溝内に配置した場合、第1の枠体は、底面が受け具の下板で保持されるとともに、その側面が受け具の外板と内板でそれぞれ保持されるため、不用意に横方向へずれて受け具から外れてしまうおそれがない。
すなわち、第4の発明においては、第1の発明乃至第3の発明のいずれかの発明の作用に加え、第1の枠体を保持手段に設置する際の作業性が良いという作用を有する。
第5の発明は、第4の発明において、支持具は、外周面に雄ネジが形成された脚部と、この脚部の下端に取り付けられる台座と、からなり、受け具は、脚部を挿通可能に下板に貫通孔が設けられ、第2の締結具は、雄ネジに螺合するとともに貫通孔に脚部が挿通された状態の下板を間に挟むようにその上下にそれぞれ取り付けられる第1のナット及び第2のナットからなることを特徴とするものである。
上記構造のスラブ開口用型枠において、脚部が鉛直方向と平行をなすように設置された支持具に対し、第2のナットが取り付けられた脚部を下板の貫通孔に挿通させるようにして受け具を設置すると、脚部の軸方向に対する第2のナットの位置を変更することにで、受け具の高さが変化する。また、このとき、受け具は脚部の軸を中心として回転可能な状態となっているが、受け具の上から脚部に取り付けた第1のナットを締め付けると、受け具の回転は抑制される。
すなわち、第5の発明においては、第4の発明の作用に加え、鉛直方向と平行に設置された支持具の脚部が下板の貫通孔に挿通された状態で、受け具の下方に設置された第2のナットの脚部の軸方向に対する位置を変更することで、受け具の高さが容易に調節されるという作用を有する。
また、この状態で、下板の上方に設置された第1のナットを締め付けると、支持具に対して受け具が回転不能に固定されるという作用を有する。
第6の発明は、第5の発明において、受け具の貫通孔は、下板において第2の凹溝が形成されていない箇所に設けられていることを特徴とするものである。
第6の発明では、平面視して脚部が第1の枠体の内側に配置される。そのため、平らな状態に展開されたシートに対し、平面視して中央部分から均等な距離にある4か所を、第1の枠体の四隅に保持手段を介してそれぞれ設置される4つの支持具の下端によって固定した後、シートの四辺を持ち上げて、第1の枠体の外側からその上部を跨ぐようにして内側へ折り込むとともに、その四辺を固定手段によって第1の枠体に固定すると、支持具の下端と第1の枠体の間に張設されたシートは、上方に向かって次第に広がるような形状となる。
このような構造のスラブ開口用型枠の周囲にコンクリートを打設すると、スラブ開口となる箇所も上方に向かって次第に広がるような形状となるため、当該箇所の上方から、シートをコンクリートスラブから引き剥がしたり、スラブ筋の切断や折り曲げ等の加工を行ったりする作業を容易に行うことができる。
第7の発明は、第1の発明乃至第6の発明のいずれかの発明において、シートは、透明部材からなることを特徴とするものである。
このような構造のスラブ開口用型枠においては、第1の発明乃至第6の発明のいずれかの発明の作用に加えて、第1の枠体の四隅に保持手段を介してそれぞれ設置される4つの支持具を、スラブ形成用型枠の一部を構成する平板材の上にシートを間に挟んだ状態で設置する際に、シートを通して平板材の状態を目視で確認できるという作用を有する。また、支持具の下端と第1の枠体の間に張設されたシートに対して、スラブ筋を突き通す際に、脚部が配置されている状態をシートの外側からでも目視で確認することが可能である。
第8の発明は、第1の発明乃至第7の発明のいずれかの発明に係るスラブ開口用型枠を用いてコンクリートスラブにスラブ開口を形成する方法であって、スラブ形成用型枠の一部を構成する平板材の上にシートを広げる工程と、平面視矩形状をなすように4つの支持具をシートの上に配置した後、平板材に支持具を固定する工程と、4つの支持具に対し、4つの保持手段をそれぞれ設置する工程と、4つの保持手段によって四隅がそれぞれ保持されるように第1の枠体を設置する工程と、シートの四辺をそれぞれ持ち上げて、第1の枠体の外側からその上部を跨ぐようにして内側へ折り込む工程と、シートの四辺を固定手段によって第1の枠体に固定する工程と、シートを突き通すようにしてスラブ開口用型枠の内部にスラブ筋を配置する工程と、スラブ形成用型枠内においてスラブ開口用型枠の周りにコンクリートを打設してコンクリートスラブを形成する工程と、スラブ開口用型枠をスラブ形成用型枠内から撤去する工程と、スラブ開口用型枠が設置されていた箇所において、むき出しの状態となっているスラブ筋を切断した後、各端部をそれぞれ折り曲げる工程と、を備えたことを特徴とするものである。
このようなスラブ開口の形成方法においては、シートが合成樹脂製であって、スラブ筋を容易に貫通できる構造であることから、スラブ開口用型枠の内部にスラブ筋を配置する際に、シートがその作業の支障にならないという作用を有する。
また、スラブ形成用型枠内においてスラブ開口用型枠の周りにコンクリートを打設してコンクリートスラブを形成する工程では、シートによってコンクリートの侵入が阻まれるため、シートで周りを囲まれた空間内にコンクリートスラブが形成されないという作用を有する。
さらに、このとき、シートはコンクリートスラブの中に埋もれることなく、単にコンクリートスラブの表面と接触しているだけであるため、コンクリートスラブから引き剥がし易いという作用を有する。
スラブ開口の形成方法に係る第9の発明は、第8の発明において、スラブ形成用型枠の一部を構成する平板材の上にシートを広げる工程の代わりに、スラブ形成用型枠の一部を構成する平板材の上面に両面テープを所望の幅で矩形状に貼り付ける工程と、この両面テープを間に挟んだ状態で平板材の上面にシートを広げて両面テープで平板材に接着する工程と、を備え、4つの支持具は、シートを間に挟んだ状態で両面テープの上に設置されることを特徴とするものである。
このようなスラブ開口の形成方法においては、第8の発明の作用に加えて、シートが両面テープによって平板材に接着されているため、シートの上に配置した支持具を平板材に固定する際に、シートがずれ難いという作用を有する。
また、両面テープによって接着されたシートと平板材には隙間が生じ難いため、スラブ開口用型枠の周りに打設されたコンクリートがシートと平板材の間に入り込むおそれがないという作用を有する。
スラブ開口を形成する際にベニヤ板からなる型枠を用いる場合には、ベニヤ板に鉄筋を貫通させることは容易ではないため、従来、ベニヤ板の代わりに複数の細長い木片を使用することにして、この木片を複数本のスラブ筋の間に差し込むことで、型枠内にスラブ筋を配置していた。
しかしながら、格子状に配置された複数本のスラブ筋の間に木片を綺麗に正しく差し込むことは容易でない。また、このような作業は、非常に煩雑であり、短時間で行うことは困難である。さらに、型枠の外にコンクリートを打設した際に、そのコンクリートが型枠内に入り込まないように、木片とスラブ筋の隙間に別の部材を詰め込む必要があるため、作業効率が悪い。
なお、スラブ筋を挿通させるための穴をベニヤ板に予め設けることも考えられるが、そのようにしてベニヤ板に設けられた複数の穴の全てにスラブ筋を正確に挿通することは、極めて困難である。仮に、それらの穴にスラブ筋を挿通したとしても、コンクリートスラブの形成後に、スラブ筋を穴から抜いてベニヤ板を取り外すことは、ほとんど不可能である。そのため、このような方法では、コンクリートスラブの中に型枠が異物として残ってしまうことになる。
また、型枠の内部には、スラブ筋を配置せず、型枠を取り除いた後、スラブ開口を塞ぐ時点で、スラブ開口内にスラブ筋を配置するという方法もあるが、この場合、既に形成されているコンクリートスラブに対して、後から配置したスラブ筋が接続されていないため、スラブ開口を塞ぐために追加で形成されたコンクリートスラブが十分な強度を有しない可能性が高い。
これに対し、第1の発明によれば、後にスラブ開口となる箇所に対してもスラブ筋を簡単に配置することができる。また、コンクリートスラブを形成するために、スラブ形成用型枠の中に第1の発明に係るスラブ開口用型枠を設置して、その周囲にコンクリートを打設した場合でも、コンクリートと接触するのはシートのみであるため、第1の発明によれば、コンクリートスラブの形成後にスラブ形成用型枠の中から簡単に取り出すことができるうえ、シート以外は何度でも再利用することが可能である。さらに、シートをコンクリートスラブから引き剥がす作業や、スラブ筋から分離する作業も容易である。
なお、コンクリートスラブから取り出したシートは再利用することはできないが、シートの材料費は、金属製の他の部材に比べて格段に安い。したがって、第1の発明によれば、コンクリートスラブの一部にスラブ開口を安価に形成することができる。
また、第1の発明を用いてコンクリートスラブにスラブ開口を形成する場合、スラブ形成用型枠の中に打設したコンクリートが硬化した段階で、シートや他の部材をコンクリートスラブから取り出すとともに、むき出しの状態となっているスラブ筋を切断して、それらの端部を折り曲げることで、スラブ開口を形成する。そして、スラブ開口が不要になった段階で、スラブ筋を真っ直ぐに戻して、切断された端部を溶接により再び接合した後、スラブ開口であった箇所にコンクリートを打設して、コンクリートスラブを形成する。
この場合、既に形成されているコンクリートスラブと新たに形成されるコンクリートスラブに埋設されているスラブ筋は、一体的に連続した構造であるため、スラブ開口であった箇所に後から追加で形成されたコンクリートスラブの強度が不足してしまうという問題は発生しない。
第1の発明における固定手段としては、例えば、洗濯バサミのように、バネ等の力によってシートの四辺を第1の枠体ごと挟みつけるようにしてシートを第1の枠体に固定する構造を有するものが考えられる。この場合、シートの四辺を均等な力で第1の枠体に対して同時に固定することは容易でない。
しかし、第2の発明のように、第1の枠体の上に設置される第2の枠体と、この第2の枠体を第1の枠体の上面に押圧固定する第1の締結具を上記固定手段とする場合には、第1の枠体の上部を跨ぐようにシートの四辺が配置された状態で、第1の枠体の上に第2の枠体を設置して、第1の締結具を締め付けるという簡単な作業を行うことで、シートが第1の枠体と第2の枠体によって強い力で保持される。
すなわち、第2の発明によれば、第1の発明の効果に加え、シートを第1の枠体に固定するという固定手段の機能を効率よく発揮させることができるという効果を奏する。
第2の発明における第1の枠体としては、例えば、額縁状の底板のみからなる構造や平面視矩形状をなす各辺が中実又は中空の棒状体からなる構造が考えられる。この場合、第2の枠体を第1の枠体の上面に固定する作業の途中で、第2の枠体が第1の枠体に対してずれてしまうおそれがある。
しかし、第3の発明のように、第1の枠体が第2の枠体を内部に配置可能な第1の凹溝を有する場合には、第1の枠体の上に配置された第2の枠体が横方向へ不用意にずれてしまうおそれがないため、第2の枠体を第1の枠体に固定する作業を短時間で行うことができる。
すなわち、第3の発明によれば、第2の発明の効果に加え、第2の枠体を設置する作業を効率よく行うことができるという効果を奏する。
第1の発明における保持手段としては、例えば、受け具が下板のみからなる構造を有するものが考えられる。この場合、第1の枠体を受け具に設置した後で第1の枠体が受け具に対してずれてしまうおそれがある。
しかし、第4の発明のように、保持手段が第1の枠体を内部に配置可能な第2の凹溝を有する場合には、支持具に取り付けられた状態の受け具に対して第1の枠体を設置した後で、第1の枠体が不用意に横方向へずれて受け具から外れてしまうおそれがないため、第1の枠体を保持手段に設置する作業を短時間で行うことができる。
すなわち、第4の発明によれば、第1の発明乃至第3の発明のいずれかの発明の効果に加え、第1の枠体を保持手段に設置する作業を効率よく行うことができるという効果を奏する。
第4の発明における支持具としては、例えば、一端が締結具等によって保持手段に固定される棒状体からなる構造を有するものが考えられる。この場合、支持具に対して保持手段を取り付ける高さを調節したり、保持手段を支持具に取り付けた後で、その向きを変えたりすることはできない。
しかし、第5の発明のように、支持具が、外周面に形成された雄ネジに第1のナット及び第2のナットが取り付けられるとともに受け具の下板に設けられた貫通孔に対して挿通可能に形成される脚部と、この脚部の下端に取り付けられる台座と、からなる場合には、鉛直方向と平行に設置された支持具の脚部に取り付けられた受け具に対し、その高さを調節できるため、形成するコンクリートスラブの厚さに応じて、第1の枠体の高さを容易に調節することが可能である。
また、上記脚部に取り付けられた受け具に対し、脚部の軸を中心として回転可能な状態と回転不能な状態を切り換える操作が容易であるため、受け具の向きを簡単に変更することが可能である。
したがって、第5の発明によれば、第4の発明の効果に加え、保持手段を支持具に対して、所望の向きで正確に取り付ける作業を効率よく行うことができるという効果を奏する。
第5の発明における受け具としては、例えば、下板において第2の凹溝の中に貫通孔が設けられる場合も考えられる。この場合、平面視して脚部が第1の枠体の四隅に配置されるため、平らな状態に展開されたシートに対し、平面視して中央部分から均等な距離にある4か所を、第1の枠体の四隅に保持手段を介してそれぞれ設置される4つの支持具の下端によって固定した後、シートの四辺を持ち上げて、第1の枠体の外側からその上部を跨ぐようにして内側へ折り込むとともに、その四辺を固定手段によって第1の枠体に固定すると、支持具の下端と第1の枠体の間において、シートが鉛直方向と略平行な状態になる。
しかし、第6の発明のように、受け具の貫通孔が、下板に対して第2の凹溝が形成されていない箇所に設けられていれば、上述のように支持具の下端と第1の枠体の間において、シートが上方に向かって次第に広がるような形状となる。
したがって、このような構造のスラブ開口用型枠の周囲にコンクリートを打設すると、コンクリートスラブに形成されるスラブ開口の内壁面も上方に向かって次第に広がるような形状となるため、シートをコンクリートスラブから引き剥がしたり、スラブ筋の切断や折り曲げ等の加工を行ったりする作業をスラブ開口の上方から行うことが容易となる。
すなわち、第6の発明によれば、第5の発明の効果に加え、コンクリートスラブが形成された後に、シートやそれ以外の部材をスラブ形成用型枠の中から撤去する作業を効率よく行うことができるという効果を奏する。
第7の発明によれば、シートが透明部材によって形成されているため、第1の発明乃至第6の発明のいずれかの発明の効果に加え、スラブ形成用型枠の一部を構成する平板材の上に支持具を設置する作業や、支持具の下端と第1の枠体の間に張設されたシートに対して、スラブ筋を突き通す作業を正確に効率よく行うことができるというという効果を奏する。
第8の発明によれば、スラブ開口用型枠の内部にスラブ筋を簡単に配置することができる。また、スラブ形成用型枠の中にスラブ開口用型枠を設置して、その周囲にコンクリートを打設した場合に、コンクリートスラブの形成後にスラブ形成用型枠の中からスラブ開口用型枠を簡単に取り出すことができる。さらに、コンクリートスラブから取り出したスラブ開口用型枠は何度でも再利用することが可能である。すなわち、第8の発明によれば、コンクリートスラブを形成する際に用いたスラブ開口用型枠について、シートを除く全ての部材が再利用可能であるため、コンクリートスラブの一部にスラブ開口を安価に形成することができる。
加えて、第8の発明によれば、スラブ開口用型枠の内部にもスラブ筋を配置することから、不要となったスラブ開口を塞ぐ目的で、その内部に形成されるコンクリートスラブに対し、十分な強度をもたせることができる。
第9の発明によれば、第8の発明の効果に加え、シートを間に挟むようにして支持具を平板材に対して正しい位置に効率よく設置できるという効果を奏する。
また、スラブ開口用型枠の周りにコンクリートを打設した際に、シートと平板材の間にコンクリートが入り込んで硬化し、スラブ開口を狭めてしまうという事態が発生しないため、第9の発明によれば、所望の大きさのスラブ開口を正確に形成することが可能である。
(a)は本発明の実施の形態に係るスラブ開口用型枠の実施例の外観斜視図であり、(b)はその平面図である。 (a)は図1に示した枠体2の外観斜視図であり、(b)は同図(a)の枠体2を下方から見た図であり、(c)は同図(a)におけるB−B線矢視断面図である。 (a)及び(b)はそれぞれ図1に示した枠体3の外観斜視図及び平面図であり、(c)は同図(a)におけるC−C線矢視断面図である。 (a)及び(b)はそれぞれ図1に示した受け具4の外観斜視図と正面図である。 (a)及び(b)はそれぞれ図4(b)におけるD方向矢視図及びE方向矢視図である。 (a)は図1に示した支持具5の外観斜視図であり、(b)は図1(a)におけるA−A線矢視断面図である。 図1に示したスラブ開口用型枠1を用いてスラブ開口をコンクリートスラブに形成する手順を示したフローチャートである。 (a)乃至(c)は図1に示したスラブ開口用型枠1を用いてスラブ開口をコンクリートスラブに形成する方法を示した模式図である。 図1に示したスラブ開口用型枠1が分解された状態を表す模式図である。 (a)及び(b)は図1に示したスラブ開口用型枠1においてシート6が固定される状態を表した模式図である。 (a)及び(b)はそれぞれ図1に示したスラブ開口用型枠1の下面と側面をシート6で覆うとともに鉄筋を貫通させた状態を模式的に表した図である (a)及び(b)はそれぞれ図11(a)及び図11(b)においてスラブ開口用型枠1の周りにコンクリートを打設した状態を模式的に表した図である。 (a)及び(b)はそれぞれ図12(a)及び図12(b)においてスラブ開口用型枠1を撤去した状態を模式的に表した図である。 (a)及び(b)は図13(a)及び図13(b)においてコンクリートスラブから露出した部分の鉄筋を切断して、それぞれの端部を上方へ折り曲げた状態を模式的に表した図である。
本発明のスラブ開口用型枠の構造と、そのスラブ開口用型枠を用いてコンクリートスラブにスラブ開口を形成する方法について図1乃至図14を用いて具体的に説明する。
なお、本発明のスラブ開口用型枠は、鉄筋コンクリートや鉄骨鉄筋コンクリートを構造材料とする構築物においてコンクリートスラブを形成する際に型枠の一部として用いられる合板や金属製のデッキプレートのような木製又は金属製の平板材の上面に設置されるものである。
したがって、本明細書では、スラブ開口用型枠がそのような状態で使用されている場合を想定して、「上板」や「下板」あるいは「上下」などの表現を用いている。また、本発明のスラブ開口用型枠を用いてコンクリートスラブにスラブ開口を形成する方法の具体例として、スラブ形成用型枠の一部を構成する平板材が合板である場合について説明しているが、当該平板材が金属製のデッキプレートである場合にも、以下に説明するスラブ開口の形成方法に係る本発明の作用及び効果は同様に発揮される。
図1(a)は本発明の実施の形態に係るスラブ開口用型枠1について外観の一例を示した斜視図であり、図1(b)はその平面図である。また、図2(a)は枠体2の外観の一例を示した斜視図であり、図2(b)は図2(a)の枠体2を下方から見た図であり、図2(c)は図2(a)におけるB−B線矢視断面図である。そして、図3(a)及び図3(b)はそれぞれ枠体3の外観の一例を示した斜視図及び平面図であり、図3(c)は図3(a)におけるC−C線矢視断面図である。
図4(a)及び図4(b)はそれぞれ受け具4の外観の一例を示した斜視図と正面図であり、図5(a)及び図5(b)はそれぞれ図4(b)におけるD方向矢視図及びE方向矢視図である。さらに、図6(a)は支持具5の外観斜視図であり、図6(b)は図1(a)におけるA−A線矢視断面図である。
図1(a)及び図1(b)に示すように、本発明のスラブ開口用型枠1は、平面視矩形状をなす枠体2及び枠体3と、この枠体3の四隅にそれぞれ設置される受け具4と、この受け具4に取り付けられる支持具5と、合成樹脂からなり可撓性を有する透明な矩形状のシート6を備えている。
また、支持具5は、外周面に雄ネジが形成された脚部7と、平面視矩形状をなし、ネジを挿通するための貫通孔8aが四隅に設けられた台座8と、脚部7に螺合するナット12(図6(a)参照)及び板付きナット9からなり、枠体2の四隅には、ボルト10がナット11とナット13(図6(b)参照)に螺入された状態で取り付けられている。
なお、シート6は、図9を用いて後述するように、スラブ形成用型枠の一部を構成する平板材の上に広げられるとともに、受け具4を介して枠体3の四隅にそれぞれ設置された4つの支持具5の下端によって、図1(b)に示すように、平面視して中央部分から均等な距離にある4か所を固定された状態において、シート6の四辺を持ち上げて、枠体3の外側からその上部を跨ぐようにして内側へ折り込むことが可能な大きさを有している
図2(a)及び図2(b)に示すように、枠体2は、4つの角パイプが平面視矩形枠状をなすようにそれぞれ連結された構造であり、図2(c)に示すように、角パイプの軸方向に垂直な断面は略矩形状をなしている。そして、枠体2の開口部2eは、平面視した場合に、枠体2の外形線と相似の矩形状をなしており、枠体2の上板2aと下板2bには、直径の異なる2種類の貫通孔2c,2dがそれらの四隅にそれぞれボルト10を連通可能に設けられている。
なお、貫通孔2cは、その内径がナット11の外形寸法よりも小さくなるように形成され、貫通孔2dは、その内径がナット12の外形寸法よりも大きくなるように形成されている。
一方、枠体3は、図3(a)及び図3(b)に示すように、額縁状の底板3aと、底板3aに直交するように、その外縁部と内縁部からそれぞれ延設される外側板3b及び内側板3cからなり、外側板3b及び内側板3cは、平面視した場合に互いに相似の矩形状をなしている。すなわち、枠体3の開口部3dは、平面視した場合に、枠体3の外形線と相似の矩形状をなしている。
また、枠体3は、図3(c)に示すように底板3aと外側板3bと内側板3cによって構成される凹溝3eの内部に枠体2を配置可能に形成されている。そして、底板3aには、凹溝3eの内部に枠体2を配置した場合に、貫通孔2c,2dに対して連通された状態のボルト10をそれぞれ連通可能に貫通孔3fが四隅に設けられている。ただし、貫通孔3fは、その内径がナット13の外形寸法よりも小さくなるように形成されている。
図4(a)及び図4(b)と図5(a)及び図5(b)に示すように、受け具4は、平面視矩形状をなす下板4aと、この下板4aと直交するように、その外縁部から延設される平面視L字状の外板4bと、この外板4bと平行をなすように、下板4aに立設される平面視L字状の内板4cと、下板4aにおいて、外板4bと内板4cが設けられていない方の面に立設される円筒体4dと、平面視略直角三角形状をなし、円筒体4dの側面と下板4aに対してそれぞれ直交し、かつ、それらを互いに接続するように設けられる補強板4eからなる。
ただし、円筒体4dは、下板4aにおいて外板4bが設けられていない角部4fの近傍に設けられた貫通孔4gと連通するように設けられている。なお、貫通孔4gの中心は、下板4aの2本の対角線のうち、角部4fを通る対角線上に位置するとともに、補強板4eは、直角を挟む2辺のうちの1辺が当該対角線に沿うように設けられている。
また、受け具4は、図4(b)に示すように下板4aと外板4bと内板4cによって構成される凹溝4hの内部に枠体3を配置可能に形成されている。また、下板4aには、凹溝4hの内部に枠体3を配置した場合に、貫通孔3fに挿通された状態のボルト10を連通可能に貫通孔4jが角部4fと対向する角部4iの近傍に形成されている。なお、受け具4の補強板4eは、貫通孔4jに挿通されたボルト10の頭に対して干渉しないように、その一部が切り欠かれている。
図6(a)に示すように、脚部7は、ナット12と板付きナット9に螺合する雄ネジ7aが外周面に設けられており、その下端は、台座8の上面8bに接合されたナット8cに螺入されている。すなわち、脚部7は、台座8の上面8bに対して直交し、かつ、着脱自在に取り付けられている。
また、受け具4の円筒体4dは、その内径が脚部7の雄ネジ7aの外径よりも大きく、かつ、ナット12の外形寸法よりも小さくなるように形成されている。
このような構造のスラブ開口用型枠1において、図6(b)に示すように、ナット12が取り付けられた脚部7に受け具4の円筒体4dを外挿すると、受け具4がナット12と脚部7によって回動自在に保持される。そして、受け具4の上方から板付きナット9を脚部7に取り付けて、この板付きナット9を締め付けていくと、受け具4が板付きナット9とナット12によって上下から挟まれた状態になり、脚部7に対して受け具4が回動不能に固定される。
また、スラブ開口用型枠1においては、貫通孔4jと貫通孔3fにボルト10を連通させるようにして、受け具4の凹溝4h(図4(b)参照)に枠体3を設置した状態で、ボルト10に取り付けたナット13を締め付けると、枠体3がボルト10の頭とナット13によって上下から挟みつけられるようにして受け具4に対して固定されるという作用を有する。
さらに、この状態で貫通孔2c,2dにボルト10を連通させるようにして、枠体3の凹溝3e(図3(c)参照)に枠体2を設置した後、ボルト10に取り付けたナット11を締め付けると、スラブ開口用型枠1においては、枠体2がボルト10の頭とナット11によって上下から挟みつけられるようにして枠体3に対して固定されるという作用を有する。
つぎに、スラブ開口用型枠1を用いてコンクリートスラブにスラブ開口を形成する方法について、図7乃至図14を参照しながら具体的に説明する。ただし、図1乃至図6に示した構成要素については、同一の符号を付してその説明を省略する。
図7はスラブ開口用型枠1を用いてスラブ開口をコンクリートスラブに形成する手順を示したフローチャートである。また、図8(a)乃至図8(c)は図7に示した手順に従ってスラブ開口用型枠1が組み立てられる様子を模式的に表した図であり、図9はスラブ開口用型枠1が分解された状態を模式的に表した図である。そして、図10(a)と図10(b)はスラブ開口用型枠1においてシート6が固定される状態を模式的に表した図である。
図11(a)及び図11(b)はスラブ開口用型枠1の下面と側面をシート6で覆うとともに鉄筋を貫通させた状態を模式的に表した図である。なお、図11(b)はスラブ開口用型枠1の斜視図であり、図11(a)は図11(b)に示したスラブ開口用型枠1を側面から見た状態を表している。
また、図12(a)及び図12(b)はそれぞれ図11(a)及び図11(b)においてスラブ開口用型枠1の周りにコンクリートを打設した状態を模式的に表した図である。ただし、図12(a)は図12(a)に示したスラブ開口用型枠1を図1(a)におけるA−A線矢視断面と平行な平面で切断した状態を表している。
さらに、図13(a)及び図13(b)はそれぞれ図12(a)及び図12(b)においてスラブ開口用型枠1と合板14を撤去した状態を模式的に表した図であり、図14(a)及び図14(b)は図13(a)及び図13(b)においてコンクリートスラブから露出した部分の鉄筋16を中央で切断した後、それぞれの端部を上方へ折り曲げた状態を表している。
図7のステップS1に示すように、まず、スラブ形成用型枠の一部を構成する合板14の上面14aにおいて、スラブ開口の形成を予定している箇所に両面テープ15を所望の幅で矩形状に貼り付ける(図8(a)参照)。つぎに、ステップS2では、合板14に貼り付けられた両面テープ15の上にシート6を広げた後、シート6が両面テープ15に接着された箇所を上から押圧するようにして、シート6と合板14を両面テープ15によって接着する(図8(b)参照)。
さらに、ステップS3では、平面視矩形状をなすように4つの支持具5をそれぞれ両面テープ15の上に、シート6を間に挟んだ状態で配置する。そして、合板14に対して台座8をシート6の上からネジ止めした後、4本の支持具5の脚部7に対し、ナット12をそれぞれ合板14から同じ高さに取り付ける(図8(c)参照)。このとき、シート6が両面テープ15によって合板14に接着されているため、支持具5を設置している途中でシート6がずれてしまうことはない。また、透明なシート6を通して合板14の状態や両面テープ15の位置を目視で確認できるため、作業者は、合板14に対して支持具5を正しい位置に効率よく設置することができる。
ステップS4では、ステップS3においてナット12が取り付けられた4本の脚部7に対し、それぞれ受け具4の円筒体4dを外挿する。ただし、この段階では、受け具4が脚部7を中心として回転可能な状態となっている。そこで、平面視した場合に4枚の下板4aの角部4iがそれぞれ矩形の各頂点となるように4つの受け具4を必要に応じて回転することで、それらの向きを調節する。そして、脚部7に板付きナット9を取り付けて、この板付きナット9を締め付けることにより、受け具4の回転を抑制する。
スラブ開口用型枠1では、受け具4を支持具5に固定する締結具として、外周面に雄ネジ7aを有する脚部7と、それに螺合する板付きナット9及びナット12が用いられている。したがって、スラブ開口用型枠1においては、脚部7に取り付けられている受け具4の高さが脚部7の軸方向に対するナット12の位置を変更することによって調節されるとともに、板付きナット9を締め付けることによって脚部7の軸を中心とする受け具4の回転が制限されるという作用を有している。そのため、スラブ開口用型枠1では、支持具5に対して受け具4を所望の向きで正確に、かつ効率よく取り付けることができる。
ステップS5では、枠体3を4つの受け具4の各凹溝4hの中に、4つのボルト10が4つの貫通孔3fにそれぞれ挿通されるように設置する。そして、枠体3の上方からボルト10に取り付けたナット13を締め付けて、枠体3を受け具4に固定する。
上記工程において、受け具4の凹溝4hの中に配置された枠体3は、底板3aが受け具4の下板4aで保持されるとともに、外側板3bと内側板3cが受け具4の外板4bと内板4cでそれぞれ保持されるため、不用意に横方向へずれて受け具4から外れてしまうおそれがない。したがって、スラブ開口用型枠1では、枠体3を受け具4に設置する作業を短時間で効率よく行うことが可能である。
ステップS6では、図9に矢印で示すように、シート6の四辺をそれぞれ持ち上げて、枠体3の外側からその上部を跨ぐようにして内側へ折り込む。なお、ボルト10がある箇所では、図10(a)に示すように、シート6にボルト10を突き通すようにして、枠体3の凹溝3eの中へシート6の端部を設置する。
ステップS7では、枠体2の四隅に設けられた貫通孔2c,2dに4つのボルト10がそれぞれ連通し、かつ、各ボルト10に取り付けられたナット13が貫通孔2dの内側にそれぞれ配置されるように、枠体2を枠体3の凹溝3eの中へ設置する。そして、台座8と枠体3の間でシート6が弛まないように、シート6の各辺を枠体3の開口部3d(図9参照)の側へ引っ張るようにして、シート6に所定のテンションをかけた状態で、枠体2の上方からボルト10に取り付けたナット11を締め付けて、枠体2を枠体3に固定する。これにより、図10(b)に示すように、シート6は、枠体2と枠体3によって上下から挟まれるようにして固定される。すなわち、枠体2を枠体3の上面に押圧固定する締結具であるボルト10及びナット11と、枠体3の上部に設置される枠体2は、シート6の四辺を枠体3に固定する固定手段を構成している。
上記工程において、枠体3の凹溝3eの中に配置された枠体2は、下板2bが枠体3の底板3aで保持されるとともに、両側面が枠体3の外側板3bと内側板3cでそれぞれ保持されるため、枠体3に対して不用意に横方向へずれてしまうおそれがない。したがって、スラブ開口用型枠1では、枠体2を枠体3に固定する作業を短時間で効率よく行うことが可能である。
また、上述のとおり、枠体3の外側からその上部を跨ぐようにして内側へ折り込まれたシート6の四辺は枠体2と枠体3に対して互いの面同士が接触した状態となる。これにより、枠体2がシート6を枠体3に固定するという機能が効率よく発揮される。
ステップS8では、合板14がその一部を構成するスラブ形成用型枠(図示せず)の内部に、スラブ筋と呼ばれる複数本の鉄筋を格子状に配置する。そして、スラブ開口用型枠1が設置されている箇所については、図11(a)及び図11(b)に示すように、シート6に突き通すようにして、スラブ開口用型枠1の内部に鉄筋16を図1(a)におけるA−A線矢視断面に対して平行又は垂直となるように水平に配置する。
上記工程において、スラブ開口用型枠1では、シート6が合成樹脂製であって、鉄筋16を容易に貫通できる構造であることから、シート6が鉄筋16を配置する作業の支障になることはない。したがって、スラブ開口用型枠1においては、後にスラブ開口となる箇所に対しても鉄筋16を簡単に配置することが可能である。
また、シート6が透明であり、脚部7の位置をシート6を通して目視で容易に確認できるため、スラブ開口用型枠1では、シート6に鉄筋16を突き通す作業を正確に効率よく行うことが可能である。
ステップS9では、スラブ形成用型枠内においてスラブ開口用型枠1の周りにコンクリートを打設して、図12(a)又は図12(b)に示すようにコンクリートスラブ17を形成する。このとき、シート6によってスラブ開口用型枠1の内部へのコンクリートの侵入が阻まれるため、シート6で周りを囲まれたスラブ開口用型枠1の内部にはコンクリートスラブは形成されない。
また、両面テープ15によって接着されたシート6と合板14には隙間が生じ難いため、スラブ開口用型枠1の周りに打設されたコンクリートがシート6と合板14の間に入り込むおそれはない。
上記工程において、シート6と合板14の間にコンクリートが入り込んで硬化すると、スラブ開口が狭められてしまうが、本発明のスラブ開口の形成方法によれば、上述のとおり、シート6と合板14の間には隙間が生じ難いため、所望の大きさのスラブ開口を確実に形成することが可能である。
ステップS10では、つぎのようにして、スラブ開口用型枠1を分解し、スラブ形成用型枠の内部から撤去する。
まず、枠体2の四隅を固定している4本のナット11を緩めてボルト10から取り外すとともに、枠体2を枠体3の凹溝3eの中から取り出す。そして、シート6の四辺を枠体3の凹溝3eの中から取り出した後、枠体3の四隅を固定している4本のナット13を緩めてボルト10から取り外すとともに、枠体3を受け具4の凹溝4hの中から取り出す。
さらに、板付きナット9を緩めて脚部7から取り外すとともに、円筒体4dを脚部7から抜出するようにして、受け具4を支持具5から取り外す。その後、台座8を合板14に固定している4本のネジを緩めて、支持具5を合板14から取り外す。
そして、シート6をコンクリートスラブ17から剥がし取り、最後に合板14を撤去すると、図13(a)又は図13(b)に示した状態になる。
上記工程において、スラブ開口用型枠1では、凹溝4hが形成されていない箇所に貫通孔4jが設けられていることから、支持具5の下端と枠体3の間に、シート6が上方に向かって次第に広がるような状態で張設されている。したがって、スラブ開口用型枠1の周囲にコンクリートを打設すると、コンクリートスラブに形成されるスラブ開口18(図14(a)又は図14(b)参照)の内壁面も上方に向かって次第に広がるような形状となる。この場合、シート6をコンクリートスラブから引き剥がしたり、後述する鉄筋16の切断や折り曲げ等の加工を行ったりする作業をスラブ開口18の上方から行うことが容易となる。
すなわち、スラブ開口用型枠1を用いたスラブ開口の形成方法によれば、コンクリートスラブが形成された後に、シート6やそれ以外の部材を撤去する作業を効率よく行うことが可能である。
既に述べたように、従来、スラブ開口を形成するためにベニヤ板からなる型枠が用いられることがあったが、ベニヤ板に鉄筋16を突き通すことは容易でない。そこで、鉄筋16が配置される箇所には、ベニヤ板の代わりに複数の木片を使用することにして、この木片を鉄筋16の間に差し込むようにしていた。
しかしながら、格子状に配置された複数本の鉄筋16の間に木片を差し込む作業は、非常に煩雑であり、短時間で行うことは困難である。また、コンクリートが型枠内に入り込まないように、木片の鉄筋16の隙間に別の部材を詰め込む必要があるため、作業効率が悪いという問題もあった。
なお、予め、ベニヤ板に鉄筋16を挿通するための穴を設けることも考えられるが、ベニヤ板に設けられた複数の穴の全てに対して鉄筋16を通すことは極めて困難である。さらに、型枠の周りにコンクリートスラブが形成された後に、複数本の鉄筋16が貫通した状態のベニヤ板を鉄筋16から取り外すことは、ほとんど不可能である。そのため、このような方法では、コンクリートスラブの中に型枠が異物として残ってしまうことになる。
これに対し、シート6は鉄筋16によって簡単に突き破ることができるため、スラブ開口用型枠1においては、ステップS8として上述したとおり、その内部に鉄筋16を配置する作業を短時間で容易に行うことができる。
また、スラブ開口用型枠1では、ステップS9において、その周りにコンクリートを打設した際に、コンクリートに接触する部材がシート6のみであるため、枠体2と枠体3と受け具4と支持具5を容易に撤去することができる。さらに、シート6は合成樹脂製であり、コンクリートに対する密着性が弱いため、コンクリートスラブからシート6を引き剥がすことは容易である。そして、シート6は、カッター等を用いて簡単に切断することができるため、シート6に複数本の鉄筋16が貫通されている場合でも、シート6に形成された鉄筋16の貫通穴をカッター等で切り開くようにすることで、シート6と鉄筋16を容易に分離することができる。
すなわち、スラブ開口用型枠1は、コンクリートスラブの形成後にスラブ形成用型枠の中から簡単に取り出すことができるうえ、シート6以外の部材は何度でも再利用することが可能である。なお、シート6の材料費は、金属製の他の部材に比べると格段に安いことから、スラブ開口用型枠1を用いることによれば、コンクリートスラブの一部にスラブ開口を安価に形成することができる。
ステップS11では、図13(a)又は図13(b)に示すように、スラブ開口用型枠1が設置されていた箇所において、むき出しの状態となっている全ての鉄筋16について、その中央部分を切断した後、それらの端部を上方に向けてそれぞれ折り曲げる。これにより、図14(a)又は図14(b)に示すように、スラブ開口用型枠1が設置されていた箇所がスラブ開口18として利用できる状態となる。
鉄筋16は、スラブ開口18が不要になった段階で、真っ直ぐに戻されて、切断された端部が溶接により再び接合される。その後、スラブ開口18の内部にコンクリートが打設されて、コンクリートスラブが形成される。このとき、既に形成されているコンクリートスラブと新たに形成されるコンクリートスラブに埋設されている鉄筋16は、一体的に連続した構造となっている。したがって、本発明のスラブ開口用型枠1を用いたスラブ開口18の形成方法によれば、スラブ開口18を塞ぐ目的で、その内部に形成されるコンクリートスラブに対し、十分な強度をもたせることができる。
なお、本発明のスラブ開口用型枠は、上記実施例に示した構造に限定されるものではない。例えば、シート6を枠体3に固定する固定手段として、枠体2の代わりに洗濯バサミのような構造のものを用いて、バネ等の力によってシート6の四辺を枠体3ごと挟みつけるようにしても良い。この場合、固定手段が小型で嵩張らない構造であるため、運搬や保管が容易となる。
ただし、スラブ開口用型枠1のように、上記固定手段として枠体2を用いる場合には、枠体3の上部を跨ぐようにシート6の四辺が配置されている場合に、枠体3の上に枠体2を設置して、ナット11を締め付けるという簡単な作業を行うだけで、シート6の四辺を均等な力で枠体3に対して同時に固定することが可能である。
また、枠体2を四隅に貫通孔2cを有する額縁状の板材とすることもできる。ただし、実施例に示したように、枠体2が、4つの角パイプを平面視矩形枠状をなすようにそれぞれ連結させた構造であれば、板材に比べて厚みがあるため、掴み易いというメリットがある。
さらに、枠体3が額縁状の底板のみからなる構造や平面視矩形状をなす各辺が中実又は中空の棒状体からなる構造であっても良い。この場合、枠体3の製造コストが削減されるものの、枠体2を枠体3の上面に固定する作業の途中で、枠体2がずれてしまうおそれがある。なお、4本の棒状体からなる構造であっても、それらの端部同士が受け具4や支持具5を介して連結されて平面視矩形状をなす場合には、枠体として捉えることができる。
また、枠体3の保持手段を、下板4aのみからなる構造や、枠体3と支持具5を連結する締結具のみからなる構造とすることもできる。この場合、枠体3を受け具4に設置した後で枠体3がずれてしまうおそれがあるものの、保持手段の製造コストが安くなるというメリットがある。
さらに、支持具5は、一端が締結具等によって受け具4に固定される棒状体からなる構造であっても良い。この場合、支持具5に対して受け具4を取り付ける高さを調節したり、受け具4を支持具5に取り付けた後で、その向きを変えたりすることはできないが、支持具5の製造コストが削減される可能性がある。
また、受け具4において、下板4aの貫通孔4jが凹溝4hの中に設けられた構造とすることもできる。このような構造によれば、平面視して脚部7が枠体3の四隅に配置されるため、平らな状態に展開されたシート6に対し、平面視して中央部分から均等な距離にある4か所を、支持具5の下端によってそれぞれ固定した後、シート6の四辺を持ち上げて、枠体3の外側からその上部を跨ぐようにして内側へ折り込むとともに、その四辺を枠体2によって枠体3に固定すると、支持具5の下端と枠体3の間において、シート6が鉛直方向と略平行な状態になる。その結果、最終的に形成されたスラブ開口の内壁面も鉛直方向と略平行な状態となる。この場合、スラブ開口18の内壁面が上方に向かって次第に広がるように形成されることに基づく前述の効果は得られない。
本発明は、鉄筋コンクリートや鉄骨鉄筋コンクリートを構造材料とする構築物において多層建築物の床や天井等となるコンクリートスラブにスラブ開口を形成する場合に適用可能である。
1…スラブ開口用型枠 2…枠体 2a…上板 2b…下板 2c,2d…貫通孔 2e…開口部 3…枠体 3a…底板 3b…外側板 3c…内側板 3d…開口部 3e…凹溝 3f…貫通孔 4…受け具 4a…下板 4b…外板 4c…内板 4d…円筒体 4e…補強板 4f…角部 4g…貫通孔 4h…凹溝 4i…角部 4j…貫通孔 5…支持具 6…シート 7…脚部 7a…雄ネジ 8…台座 8a…貫通孔 8b…上面 8c…ナット 9…板付きナット 10…ボルト 11〜13…ナット 14…合板 14a…上面 15…両面テープ 16…鉄筋 17…コンクリートスラブ 18…スラブ開口

Claims (9)

  1. コンクリートスラブにスラブ開口を形成する際に、スラブ形成用型枠の一部を構成する平板材の上に設置されるスラブ開口用型枠であって、
    平面視矩形状をなす第1の枠体と、
    この第1の枠体の四隅をそれぞれ保持する4つの保持手段と、
    この4つの保持手段をそれぞれ下方から支持する4つの支持具と、
    合成樹脂からなり可撓性を有する矩形状のシートと、
    このシートの四辺を前記第1の枠体に固定する固定手段と、を備え、
    前記シートは、
    前記平板材の上に広げられ、かつ、前記保持手段を介して前記第1の枠体の前記四隅にそれぞれ設置される4つの前記支持具の下端によって、平面視して中央部分から均等な距離にある4か所を固定された状態において、
    前記シートの前記四辺を持ち上げて、前記第1の枠体の外側からその上部を跨ぐようにして内側へ折り込むことが可能な大きさを有していることを特徴とするスラブ開口用型枠。
  2. 前記固定手段は、
    平面視矩形状をなし、その下面が前記第1の枠体の上面と接触するように設置される第2の枠体と、
    この第2の枠体を前記第1の枠体の前記上面に押圧固定する第1の締結具と、からなることを特徴とする請求項1に記載のスラブ開口用型枠。
  3. 前記第1の枠体は、
    額縁状の底板と、
    この底板と直交するように、その外縁部と内縁部からそれぞれ延設されるとともに、平面視した場合に互いに相似の矩形状をなす外側板及び内側板と、からなり、
    前記底板と前記外側板と前記内側板によって、前記第2の枠体が内部に配置される第1の凹溝が形成されることを特徴とする請求項2に記載のスラブ開口用型枠。
  4. 前記保持手段は、
    平面視矩形状をなす下板と、
    この下板と直交するように、その外縁部から延設される平面視L字状の外板と、
    この外板と平行をなすように、前記下板に立設される平面視L字状の内板と、からなる受け具と、
    この受け具を前記支持具に固定する第2の締結具と、からなり、
    前記下板と前記外板と前記内板によって、前記第1の枠体が内部に配置される第2の凹溝が形成されることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のスラブ開口用型枠。
  5. 前記支持具は、
    外周面に雄ネジが形成された脚部と、
    この脚部の下端に取り付けられる台座と、からなり、
    前記受け具は、前記脚部を挿通可能に前記下板に貫通孔が設けられ、
    前記第2の締結具は、前記雄ネジに螺合するとともに前記貫通孔に前記脚部が挿通された状態の前記下板を間に挟むようにその上下にそれぞれ取り付けられる第1のナット及び第2のナットからなることを特徴とする請求項4に記載のスラブ開口用型枠。
  6. 前記受け具の前記貫通孔は、前記下板において前記第2の凹溝が形成されていない箇所に設けられていることを特徴とする請求項5に記載のスラブ開口用型枠。
  7. 前記シートは、透明部材からなることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載のスラブ開口用型枠。
  8. 請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載のスラブ開口用型枠を用いてコンクリートスラブにスラブ開口を形成する方法であって、
    前記スラブ形成用型枠の一部を構成する前記平板材の上に前記シートを広げる工程と、
    平面視矩形状をなすように4つの前記支持具を前記シートの上に配置した後、前記平板材に前記支持具を固定する工程と、
    4つの前記支持具に対し、4つの前記保持手段をそれぞれ設置する工程と、
    4つの前記保持手段によって前記四隅がそれぞれ保持されるように前記第1の枠体を設置する工程と、
    前記シートの前記四辺をそれぞれ持ち上げて、前記第1の枠体の外側からその上部を跨ぐようにして内側へ折り込む工程と、
    前記シートの前記四辺を前記固定手段によって前記第1の枠体に固定する工程と、
    前記シートを突き通すようにして前記スラブ開口用型枠の内部にスラブ筋を配置する工程と、
    前記スラブ形成用型枠内において前記スラブ開口用型枠の周りにコンクリートを打設して前記コンクリートスラブを形成する工程と、
    前記スラブ開口用型枠を前記スラブ形成用型枠内から撤去する工程と、
    前記スラブ開口用型枠が設置されていた箇所において、むき出しの状態となっている前記スラブ筋を切断した後、各端部をそれぞれ折り曲げる工程と、を備えたことを特徴とするスラブ開口の形成方法。
  9. 前記スラブ形成用型枠の一部を構成する前記平板材の上に前記シートを広げる工程の代わりに、
    前記スラブ形成用型枠の一部を構成する前記平板材の上面に両面テープを所望の幅で矩形状に貼り付ける工程と、
    この両面テープを間に挟んだ状態で前記平板材の上面に前記シートを広げて前記両面テープで前記平板材に接着する工程と、を備え、
    4つの前記支持具は、前記シートを間に挟んだ状態で前記両面テープの上に設置されることを特徴とする請求項8に記載のスラブ開口の形成方法。
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