JP6483454B2 - 塗布容器 - Google Patents

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Description

本発明は、塗布容器に関する。
従来から、人体の頭皮等の被塗布部に対して薬液等の内容物を塗布する塗布容器が知られている。この種の塗布容器は、内容物が収容される有底筒状の容器本体と、容器本体の口部に装着され、容器本体内に連通する連通孔を有する中栓部材と、中栓部材との間に、連通孔を通して容器本体内に連通する計量室を形成するとともに、頂部に計量室内に連通する装着孔が形成された計量筒部材と、装着孔内に挿通されるとともに、吐出孔を有する弁部材と、を備えている(例えば、下記特許文献1参照)。
また、上述した弁部材は、計量筒部材の吐出孔と計量室内との連通を遮断し、かつ計量室内と中栓部材の連通孔とを連通させる計量位置と、容器軸方向における計量位置よりも容器本体の底部側に位置するとともに、計量室内と連通孔との連通を遮断し、かつ吐出孔と計量室内とを連通させる塗布位置と、の間を容器軸方向に移動自在に配設されている。
上述した塗布容器において、内容物を被塗布部に塗布するには、まず弁部材を計量位置に移動させた状態で塗布容器を倒立姿勢し、容器本体内の内容物を計量室内に流入させる。これにより、計量室に所定量の内容物が計量される。この状態で、弁部材の先端部を被塗布部に押し付ける。すると、弁部材が塗布位置に移動することで、計量室内の内容物が弁部材の吐出孔を通して吐出される。これにより、被塗布部に内容物が塗布される。
特開2002−337910号公報
しかしながら、上述した従来の塗布容器では、塗布位置において、弁部材の吐出孔を通して吐出される内容物の吐出量を制御することが難しく、吐出精度を高めることに改善の余地があった。
そこで、本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、吐出精度の向上を図ることができる塗布容器を提供することである。
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段を提案している。
本発明に係る塗布容器は、被塗布部に塗布する内容物が収容される容器本体と、前記容器本体の口部に装着され、前記容器本体内に連通する連通孔を有する中栓部材と、前記中栓部材との間に、前記連通孔を通して前記容器本体内に連通する計量室を形成するとともに、前記計量室内に連通する装着孔が頂部に形成された計量筒部材と、先端部が前記装着孔を通して前記計量筒部材の外部に突出するとともに、前記計量室内に連通する吐出孔を有する塗布栓と、を備え、前記塗布栓は、前記吐出孔と前記計量室内との連通を遮断し、かつ前記計量室内と前記連通孔とを連通させる計量位置と、容器軸方向において前記計量位置よりも前記容器本体の底部側に位置するとともに、前記計量室内と前記連通孔との連通を遮断し、かつ前記吐出孔と前記計量室内とを連通させる塗布位置と、の間を容器軸方向に移動自在に配設され、前記塗布栓の先端部には、前記塗布栓を形成する材質よりも軟らかい軟材質で形成されるとともに、内側が前記吐出孔に連通するノズル筒が設けられ、前記容器本体に対して容器軸方向に移動することで、前記口部に着脱可能に構成されたオーバーキャップを備え、前記オーバーキャップは、前記口部への装着状態において、前記塗布栓の周囲を取り囲み前記塗布栓に係合する囲繞筒を備えていることを特徴とする。
このような特徴により、塗布栓が計量位置にある状態で、塗布容器をノズル筒が下向きの例えば倒立姿勢等にすると、容器本体内の内容物が、連通孔を通して計量室内に流入する。一方、計量位置においては、吐出孔と計量室内との連通が遮断されているため、吐出孔内への内容物の流入は防止されている。そのため、計量室内に所定量の内容物が計量される。
その後、塗布栓を塗布位置に移動させることで、計量室内の内容物を吐出孔及びノズル筒内を通して被塗布部に吐出することができる。そして、ノズル筒の先端部を被塗布部に当接させた状態で、被塗布部に対して塗布容器を移動させる等することで、被塗布部上に内容物を塗布することができる。
ここで、塗布栓が塗布位置にある状態において、ノズル筒の先端部を被塗布部に押し当てると、その押付力に応じてノズル筒が弾性変形する。すると、ノズル筒内及び塗布栓内を通して計量室内が加圧されることで、計量室内からノズル筒内に向けて流通する内容物の流量が増大する。これにより、ノズル筒の先端開口部から吐出される内容物の流量を増大させることができる。このように、ノズル筒が軟材質により形成されているため、ノズル筒の押付力、つまりノズル筒の変形量を調整することで、ノズル筒の先端開口部から吐出される内容物の流量を制御することができる。その結果、吐出精度の向上を図ることができる。
また、軟材質により形成されたノズル筒の先端部を被塗布部に押し付けるので、塗布時において、被塗布部に及ぼされる衝撃や外力等がノズル筒のクッション作用により緩和されることになる。そのため、柔らかな塗布感触を得ることができるとともに、不快さや心地悪さを低減し、快適で心地よい塗布を行うことができる。
本発明に係る塗布容器において、前記ノズル筒は、先端部に向かうに従い漸次拡径されていてもよい。
この場合には、ノズル筒が先端部に向かうに従い漸次拡径されているため、一度の押付操作で被塗布部の広範囲に亘って内容物を塗布することができ、優れた操作性を具備させることができる。また、ノズル筒の押付時において、衝撃や外力等が被塗布部に局所的に作用するのを抑制できるとともに、ノズル筒を安定して弾性変形させることが可能となる。そのため、より心地よい塗布を行うことができる。
本発明に係る塗布容器において、前記ノズル筒内には、容器軸方向から見た平面視で、容器軸に直交する径方向に向けて延びる邪魔板が配設されていてもよい。
この場合には、ノズル筒内に邪魔板が配設されているため、計量室からノズル筒の先端開口部に向けて内容物が流通する過程において、邪魔板によって内容物の流通が妨げられることで、ノズル筒の先端開口部から吐出される内容物の勢いが低減される。これにより、内容物がノズル筒の先端開口部から予期せず大量に吐出されるのを抑制できる
本発明に係る塗布容器によれば、吐出精度の向上を図ることができる。
実施形態に係る塗布容器(オーバーキャップが装着状態で、かつ塗布栓が塗布位置)を示す部分断面図である。 図1のA−A線に相当する塗布栓の断面図である。 実施形態に係るノズル筒の平面図である。 実施形態に係る塗布容器(オーバーキャップが装着状態で、かつ塗布栓が計量位置)を示す部分断面図である。 実施形態に係る塗布容器(塗布栓が計量位置)の動作説明図である。 実施形態に係る塗布容器(塗布栓が塗布位置)の動作説明図である。 ノズル筒の他の構成を示す平面図である。 図7のB−B線に沿う部分断面図である。 塗布栓の他の構成を示す平面図である。 図9のC−C線に沿う部分断面図である。
以下、図面を参照し、本発明の実施形態を説明する。
図1に示すように、本実施形態の塗布容器1は、内容物が収容される有底筒状の容器本体2と、容器本体2の口部3に装着され、容器本体2内に連通する連通孔5が形成された筒状の中栓部材4と、中栓部材4との間に、連通孔5を通して容器本体2内に連通する計量室6を形成するとともに、計量室6内に連通する装着孔8が頂部に形成された計量筒部材7と、計量筒部材7の装着孔8内に挿通されるとともに、計量室6内に連通する吐出孔10が形成された筒状の塗布栓9と、容器本体2の口部3に着脱自在に装着されて塗布栓9を覆う有頂筒状のオーバーキャップ11と、を備えている。
なお、容器本体2、中栓部材4、計量筒部材7、塗布栓9、オーバーキャップ11は、それぞれの中心軸が共通軸上に位置している。以下、この共通軸を容器軸Oといい、容器軸Oに沿う容器本体2側を単に下側、オーバーキャップ11側を単に上側という。さらに、容器軸O方向から見た平面視において容器軸Oに直交する方向を径方向といい、容器軸O周りに周回する方向を周方向という。
容器本体2内には、人体の頭皮等の被塗布部S(図6等参照)に塗布される育毛剤や薬液等の内容物が収容されている。容器本体2の口部3は、口部3以外の部位(胴部や底部、肩部)よりも小径とされるとともに、上半部が下半部に比べて外径が小さくなっている。口部3のうち、下半部の外周面には雄ねじ部3aが形成され、上半部の外周面には径方向の外側に向けて突出する突起部3bが周方向に沿って延設されている。
中栓部材4は、口部3の開口縁上に配設された受け座12と、受け座12の下端部に連設されるとともに、口部3内に嵌合されるシール筒13と、シール筒13に対して径方向の内側に位置する受け部材14と、を有している。
受け座12は、容器軸O方向に沿って延びる筒状とされ、その外径が口部3の上半部の外径とほぼ同等とされている。また、受け座12には、径方向の外側に向けて突出する突起部16が周方向に沿って延設されている。
受け部材14は、シール筒13に連設された外筒21と、外筒21に対して径方向の内側に位置する内筒22と、外筒21及び内筒22の下端部同士を連結する連結板23と、を有している。
外筒21は、容器軸O方向の長さがシール筒13よりも短くなっており、その上端部がシール筒13の上端部に接続されている。外筒21の上半部は、下方に向かうに従い漸次縮径するテーパ状とされている。
連結板23は、容器軸O方向から見た平面視で環状を呈し、外筒21の下端部から径方向の内側に向けて突設されている。
内筒22は、連結板23の内周縁から上方に向けて突設されるとともに、その上端縁が上述した受け座12よりも上方に位置している。
受け部材14には、上述した連通孔5が周方向に間隔をあけて複数形成されている。各連通孔5は、容器軸O方向に沿う縦断面視でL字状を呈し、受け部材14のうち内筒22及び連結板23間を跨るように形成されている。
計量筒部材7は、上方に位置するものほど径が小さい多段筒状を呈し、中栓部材4を上方から覆うように配設されている。具体的に、計量筒部材7は、大径部31、中径部32、及び小径部33と、これらのうち大径部31及び中径部32を接続する第1環板部34と、中径部32及び小径部33を接続する第2環板部35と、を備えている。
大径部31は、容器本体2における口部3の上半部、及び中栓部材4の受け座12に外嵌されている。大径部31の下部には、径方向の内側に向けて突出する第1突起部41が周方向に沿って延設されている。また、大径部31のうち、第1突起部41よりも上方に位置する部分には、径方向の内側に向けて突出する第2突起部42が周方向に沿って延設されている。これら突起部41,42のうち、第1突起部41は上述した口部3の突起部3bに下方から係止され、第2突起部42は上述した受け座12の突起部16に下方から係止されている。これにより、大径部31が口部3及び中栓部材4にそれぞれアンダーカット嵌合されている。
第1環板部34は、大径部31の上端縁から径方向の内側に向けて突設され、その下面が受け座12の上端縁に上方から当接している。すなわち、中栓部材4の受け座12は、口部3の上端縁と第1環板部34との間に容器軸O方向で挟持されている。
中径部32は、第1環板部34の内周縁から容器軸O方向の両側に向けて突設され、中栓部材4の内筒22を径方向の外側から取り囲むように配設されている。中径部32のうち、第1環板部34よりも下方に位置する部分は、中栓部材4の受け座12内に嵌合されている。
第2環板部35は、中径部32の上端縁から径方向の内側に向けて突設されている。
小径部33は、第2環板部35の内周縁から上方に向けて延設され、その内側が上述した装着孔8となっている。小径部33における容器軸O方向の中央部には、径方向の内側に向けて膨出する膨出部44が形成されている。膨出部44は、容器軸O方向から見た平面視で環状を呈している。膨出部44は、その内周面が小径部33の内周面に倣って延びる湾曲面とされ、容器軸O方向の両端面が径方向に沿って延びる平坦面とされている。
そして、本実施形態では、中栓部材4の受け部材14と、計量筒部材7における中径部32と、で画成された空間が、円柱状の計量室6を構成している。この場合、計量室6は、連通孔5を通して容器本体2内に連通可能とされる一方、塗布栓9の吐出孔10に連通可能とされる。
塗布栓9は、計量筒部材7に対して容器軸O方向に沿って移動自在に構成されている。具体的に、塗布栓9は、吐出孔10と計量室6内との連通を遮断し、かつ計量室6内と連通孔5とを連通させる計量位置(図4等参照)と、容器軸O方向において計量位置よりも下方に位置するとともに、計量室6内と連通孔5との連通を遮断し、かつ吐出孔10と計量室6内とを連通させる塗布位置(図1参照)と、の間を移動自在とされている。
塗布栓9は、計量室6内と連通孔5及び吐出孔10それぞれとの連通及び遮断を切り替える栓本体部51と、栓本体部51の上方に連なるとともに、計量室6内に収容される内容物を吐出するための吐出筒52と、を備えている。
栓本体部51は、容器軸Oと同軸上に配置された有頂筒状を呈し、その筒部53が中栓部材4の上述した内筒22に摺動可能に外嵌されている。筒部53の下端部には、塗布栓9の移動に伴い中栓部材4の受け部材14に接離可能とされた下シール部54が形成されている。下シール部54は、板厚が筒部53の中間部分よりも薄い筒状とされ、弾性変形可能とされている。図示の例において、下シール部54は、下方に向かうに従い径方向の外側に向けて延びるテーパ状を呈している。下シール部54は、図1に示す塗布位置において下端縁が受け部材14における外筒21の内周面に当接し、連通孔5を上方から閉塞することで、連通孔5を通した計量室6内と容器本体2内との連通を遮断する。なお、塗布位置において、栓本体部51の頂壁部56は、受け部材14の内筒22の上端縁に上方から当接し、塗布栓9の下方移動が規制されている。
一方、筒部53の上端部は、塗布栓9の移動に伴い計量筒部材7の小径部33(装着孔8)内に離脱可能に嵌合される上シール部55を構成している。上シール部55は、図4等に示す計量位置において、上端縁(筒部53の上端縁)が小径部33の膨出部44に下方から当接した状態で小径部33内に嵌合され、吐出孔10と計量室6内との連通を遮断する。
吐出筒52は、栓本体部51の頂壁部56から上方に向けて立設され、上端部(先端部)が装着孔8を通して計量筒部材7よりも上方に突出している。吐出筒52は、上方に位置するものほど外径が小さい多段筒状とされ、その内側が上述した吐出孔10となっている。本実施形態において、吐出筒52は、下筒部61と、下筒部61の上方に連なり、下筒部61よりも小径とされた上筒部62と、を有している。
図1、図2に示すように、下筒部61は、外径が小径部33の上述した膨出部44の内径と同等とされ、膨出部44内に摺動可能に嵌合される。下筒部61の下端部には、下筒部61を径方向に貫通するとともに、吐出孔10に連通する連通路64が形成されている。この連通路64は、吐出筒52(吐出孔10)内と計量室6内とを連通可能とするものであって、塗布位置において径方向の両端開口部が計量室6内に向けて開口している。なお、図4等に示す計量位置において、連通路64の径方向の両端開口部は、小径部33(膨出部44)によって閉塞され、吐出孔10と計量室6内との連通が遮断されている。
図1に示すように、上筒部62は、外径が小径部33の内径よりも小さい筒状とされている。上筒部62の下部外周面には、径方向の外側に向けて突出する第1係止突起66が周方向に沿って延設されている。第1係止突起66は、容器軸O方向の中央部から両側に向かうに従い外径が漸次縮小している。なお、第1係止突起66の最大外径(容器軸O方向の中央部)は、膨出部44の内径と同等とされている。
また、上筒部62の外周面のうち、第1係止突起66よりも上方に位置する部分には、径方向の外側に向けて突出する第2係止突起67が周方向に沿って延設されている。第2係止突起67は、下方に向かうに従い外径が漸次拡大しており、その最大外径が第1係止突起66の最大外径よりも小径とされている。
ここで、上筒部62には、吐出筒52を通過した内容物を被塗布部Sに向けて吐出するノズル筒71が装着されている。ノズル筒71は、塗布栓9を構成する材質よりも軟らかい軟材質(エラストマー等の弾性変形可能な材質)により構成されている。具体的に、ノズル筒71は、上筒部62に外嵌された外嵌筒72と、外嵌筒72から上方に向けて延びる塗布筒73と、を有している。
外嵌筒72は、外径が上述した第1係止突起66よりも小径とされ、その上端部が上筒部62よりも上方に突出している。外嵌筒72の下端部には、径方向の内側に向けて突出する係止突部74が周方向に延設されている。係止突部74は、上筒部62の第2係止突起67に下方から係止されている。また、図1、図3に示すように、外嵌筒72の上端部(上筒部62よりも上方に突出する部分)には、径方向に沿って延びる棒状の邪魔板77が形成されている。邪魔板77は、外嵌筒72の上端部のうち、容器軸Oを間に挟んで径方向で対向する部分を架け渡している。なお、邪魔板77の形状は、X字(十字)状等、適宜設計変更が可能である。
塗布筒73は、外嵌筒72の上端開口縁から上方に向かうに従い漸次拡径するテーパ状とされている。塗布筒73の上端開口部(先端開口部)は、吐出孔10に連通するとともに、被塗布部S上に内容物を供給する外側吐出口75を構成している。この場合、外側吐出口75は、容器軸O方向から見た平面視において、上述した邪魔板77と重なり合っている。塗布筒73は、下方から上方に向かうに従い板厚が漸次厚くなっている。また、塗布筒73の上端面は、容器軸Oに直交する平坦面とされている。なお、塗布筒73の最大外径(上端部)は、外嵌筒72の外径と同等とされている。
図1に示すように、オーバーキャップ11は、容器本体2の口部3、計量筒部材7、塗布栓9、及びノズル筒71を径方向の外側から取り囲む周壁部81と、周壁部81の上端開口部を閉塞する天壁部82と、を有している。
周壁部81の下部内周面には、雌ねじ部81aが形成されており、口部3の雄ねじ部3aに螺着されている。なお、オーバーキャップ11は、アンダーカット嵌合により口部3に装着され、容器軸O方向に沿うスライド操作によって容器本体2と着脱される構成であっても構わない。
天壁部82は、塗布栓9(塗布筒73)の上端縁に容器軸O方向に隙間をあけた状態で対向している。天壁部82における径方向の中央部には、下方に向けて延びる囲繞筒83が配設されている。囲繞筒83は、ノズル筒71及び塗布栓9の上筒部62(計量筒部材7から突出した部分)を径方向の外側から取り囲むとともに、その下端部が計量筒部材7の小径部33内に嵌合されている。また、囲繞筒83の下部には、オーバーキャップ11の装着状態において、上述した第1係止突起66が係止される係止凹部84が形成されている。なお、係止凹部84は、第1係止突起66との間に所定以上の外力が作用したときに第1係止突起66が乗り越えられるような深さに設定されている。なお、天壁部82は、オーバーキャップ11が装着状態にある場合に、塗布栓9の上端縁に当接するように配設されていても構わない。
次に、上述した塗布容器1の作用について説明する。なお、以下の説明では、図1に示す状態(オーバーキャップ11が装着状態で、かつ塗布栓9が塗布位置にある状態)を初期状態とする。
まず、図1に示す初期状態の塗布容器1において、容器本体2の口部3とオーバーキャップ11との螺着を解除し、オーバーキャップ11を取り外す。具体的には、図4に示すように、オーバーキャップ11と容器本体2とを螺着が解除される方向に相対回転させると、この相対回転に伴いオーバーキャップ11が容器本体2に対して上方移動する。このとき、オーバーキャップ11は、係止凹部84及び第1係止突起66を介して塗布栓9に係止されているため、オーバーキャップ11の上方移動に伴い、塗布栓9が引き上げられる。すなわち、本実施形態では、塗布栓9を計量位置に移動させながら、オーバーキャップ11の取り外し動作を行うことができる。
その後、塗布栓9は、上シール部55が計量筒部材7の小径部33内に嵌合されるとともに、膨出部44に下方から当接することで、上述した計量位置となる。なお、計量位置において、塗布栓9は、膨出部44に下方から当接することで、それ以上の上方移動が規制される。この状態で、オーバーキャップ11と容器本体2とを螺着が解除される方向にさらに相対回転させると、塗布栓9に対してオーバーキャップ11が上方移動することで、塗布栓9の第1係止突起66がオーバーキャップ11の係止凹部84を下方に乗り越える。これにより、オーバーキャップ11と塗布栓9との係止が解除され、オーバーキャップ11のみが上方移動することで、オーバーキャップ11と容器本体2の螺着が解除され、オーバーキャップ11が取り外される。
次に、図5に示すように、容器本体2内の内容物を計量室6内に流入させる。具体的には、まず塗布栓9が計量位置にある状態で、塗布容器1をノズル筒71が下向きとなる倒立姿勢とする。すると、容器本体2内の内容物が、連通孔5を通して計量室6内に流入する。一方、計量位置においては、塗布栓9の連通路64内と計量室6内との連通が遮断されているため、連通路64内への内容物の流入が防止されている。これにより、計量室6内に所定量の内容物が計量される。なお、吐出姿勢では、塗布容器1の上下が反転するため、容器軸O方向に沿う塗布栓9側が下側、容器本体2側が上側となる。
続いて、図6に示すように、塗布容器1を倒立姿勢に維持した状態で、塗布栓9を塗布位置に向けて移動させる。具体的には、ノズル筒71(塗布筒73)を被塗布部Sに押し付けると、塗布栓9が計量筒部材7に対して上方(計量位置)に向けて移動する。このとき、塗布栓9の下シール部54が受け部材14の外筒21に当接し、かつ塗布栓9の連通路64が計量室6内で開口する位置まで塗布栓9を移動させる。これにより、下シール部54によって連通孔5と計量室6内の連通が遮断され、かつ塗布栓9の連通路64を通して吐出孔10と計量室6内とが連通する塗布位置となる。なお、塗布位置において、栓本体部51の頂壁部56が受け部材14の内筒22に下方から当接することで、塗布栓9の上方移動が規制されている。
塗布栓9が塗布位置になると、計量室6内の内容物が連通路64を通して吐出孔10内に流入する。吐出孔10内に流入した内容物は、ノズル筒71の邪魔板77を迂回しながら塗布筒73内に流入した後、塗布筒73の外側吐出口75を通して被塗布部S上に吐出される。そして、外側吐出口75を被塗布部Sに当接させた状態で、被塗布部Sに対して塗布容器1を移動させる等することで、被塗布部S上に内容物を塗布することができる。
ここで、塗布栓9が塗布位置にある状態において、塗布筒73を被塗布部Sに押し当てると、その押付力に応じて塗布筒73が弾性変形する。すると、ノズル筒71及び塗布栓9内を通して計量室6が加圧されることで、計量室6内から塗布筒73に向けて流通する内容物の流量が増大する。これにより、外側吐出口75から吐出される内容物の吐出量を増大させることができる。
このように、本実施形態では、外側吐出口75を有するノズル筒71が軟材質により形成されているため、塗布筒73の押付力、つまり塗布筒73の変形量を調整することで、外側吐出口75から吐出される内容物の流量を制御することができる。その結果、吐出精度の向上を図ることができる。
また、軟材質により形成された塗布筒73を被塗布部Sに押し付けるので、塗布時において、被塗布部Sに及ぼされる衝撃や外力等が塗布筒73のクッション作用により緩和されることになる。そのため、柔らかな塗布感触を得ることができるとともに、不快さや心地悪さを低減し、快適で心地よい塗布を行うことができる。
しかも、本実施形態では、塗布筒73が上方に向かうに従い漸次拡径されているため、一度の押付操作で被塗布部Sの広範囲に亘って内容物を塗布することができ、優れた操作性を具備させることができる。また、塗布筒73の押付時において、衝撃や外力等が被塗布部Sに局所的に作用するのを抑制できるとともに、塗布筒73を安定して弾性変形させることが可能となる。そのため、より心地よい塗布を行うことができる。
また、ノズル筒71内に邪魔板77が形成されているため、計量室6から外側吐出口75に向けて内容物が流通する過程において、邪魔板77によって内容物の流通が妨げられることで、外側吐出口75から吐出される内容物の勢いが低減される。これにより、内容物が外側吐出口75から予期せず大量に吐出されるのを抑制できる。
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
例えば、上述した実施形態では、ノズル筒71として外側吐出口75を有するテーパ状の塗布筒73を適用した場合について説明したが、これに限らず、弾性変形によって計量室6を加圧できるような構成であれば構わない。この場合、ノズル筒として、例えばスリット弁等を用いても構わない。具体的に、図7、図8に示すノズル筒101は、外嵌筒72と、外嵌筒72の上端開口縁を上方から覆うドーム部102と、を有している。ドーム部102は、上方に向けて突の半球状を呈し、その頂部にはスリット状の外側吐出口103が形成されている。図示の例において、外側吐出口103は、X字(十字)状をなし、ドーム部102が弾性変形したときに拡開され、計量室6内と外部とを連通させる。
この構成によれば、塗布時において、ドーム部102の頂部を被塗布部Sに押し付けると、その押付力に応じてドーム部102が弾性変形することで、計量室6内が加圧されるとともに、外側吐出口103が拡開され、外側吐出口103が開放される。すると、計量室6内の内容物が吐出孔10を通してドーム部102内に流入する。これにより、計量室6内と外部とが連通し、外側吐出口103を通して内容物が吐出される。一方、ドーム部102の押し付けを解除すると、ドーム部102が復元変形することで、外側吐出口103の内面同士が密接して、計量室6内と外部との連通が遮断される。これにより、計量室6内の内容物の外部への流出が防止される。
このように、被塗布部Sへの押付力を調整することで、外側吐出口103の開口部分の大きさ、つまり内容物の吐出量を調整することが可能になるので、吐出精度の向上を図ることができる。しかも、ドーム部102に押付力が作用していない場合には、外側吐出口103が閉塞されているため、計量室6内の内容物が予期せず漏れ出るのを抑制し、優れた操作性を具備させることができる。
なお、図9、図10に示すように、ドーム部102の頂部を容器軸Oに直交する平坦面としても構わない。また、外側吐出口103の形状は、X字状に限らず、Y字状やI字状であってもよく、弾性変形によって開放される形状であればよい。
また、上述した実施形態では、計量筒部材7と塗布栓9とを別体で形成した場合について説明したが、計量筒部材7と塗布栓9とを一体で形成し、計量筒部材7及び塗布栓9を中栓部材4に対して容器軸O方向に移動させる構成でも構わない。
また、容器本体2は、有底筒状に限らず、チューブ状等であっても構わない。
さらに、上述した実施形態では、塗布栓9にノズル筒71が外嵌された構成について説明したが、これに限られない。例えば、二材成形やインサート成形等によって軟材質によるノズル筒71を塗布栓9に一体的に設ける構成を採用しても構わない。
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上述した実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、前記変形例を適宜組み合わせてもよい。
1…塗布容器
2…容器本体
3…口部
4…中栓部材
5…連通孔
6…計量室
7…計量筒部材
8…装着孔
9…塗布栓
10…吐出孔
71,101…ノズル筒

Claims (3)

  1. 被塗布部に塗布する内容物が収容される容器本体と、
    前記容器本体の口部に装着され、前記容器本体内に連通する連通孔を有する中栓部材と、
    前記中栓部材との間に、前記連通孔を通して前記容器本体内に連通する計量室を形成するとともに、前記計量室内に連通する装着孔が頂部に形成された計量筒部材と、
    先端部が前記装着孔を通して前記計量筒部材の外部に突出するとともに、前記計量室内に連通する吐出孔を有する塗布栓と、を備え、
    前記塗布栓は、
    前記吐出孔と前記計量室内との連通を遮断し、かつ前記計量室内と前記連通孔とを連通させる計量位置と、
    容器軸方向において前記計量位置よりも前記容器本体の底部側に位置するとともに、前記計量室内と前記連通孔との連通を遮断し、かつ前記吐出孔と前記計量室内とを連通させる塗布位置と、の間を容器軸方向に移動自在に配設され、
    前記塗布栓の先端部には、前記塗布栓を形成する材質よりも軟らかい軟材質で形成されるとともに、内側が前記吐出孔に連通するノズル筒が設けられ
    前記容器本体に対して容器軸方向に移動することで、前記口部に着脱可能に構成されたオーバーキャップを備え、
    前記オーバーキャップは、前記口部への装着状態において、前記塗布栓の周囲を取り囲み前記塗布栓に係合する囲繞筒を備えていることを特徴とする塗布容器。
  2. 前記ノズル筒は、先端部に向かうに従い漸次拡径されていることを特徴とする請求項1記載の塗布容器。
  3. 前記ノズル筒内には、容器軸方向から見た平面視で、容器軸に直交する径方向に向けて延びる邪魔板が配設されていることを特徴とする請求項2記載の塗布容器。
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