JP6471991B2 - 非水電解質電池 - Google Patents
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Description
本発明は、五酸化バナジウムを含む正極およびケイ素含有材料を含む負極を用いた非水電解質電池に関する。
非水電解質電池は、各種電子機器の主電源やメモリーバックアップ電源として広く利用されている。近年、携帯電話、デジタルスチルカメラ、無線通信機器、時計などの携帯機器の小型化、高機能化およびメモリー容量の増大が進んでいる。これに伴い、小型で、高容量かつ高出力の非水電解質電池が求められている。
非水電解質電池の正極活物質としては、二酸化マンガン、フッ化黒鉛、五酸化バナジウム、コバルト酸リチウム、マンガン酸リチウムなどが実用化されている。中でも、五酸化バナジウム(V2O5)は、金属リチウムに対して3.0〜4.0Vの電位を有し、高容量である。一方、負極活物質としては、ケイ素含有材料が高容量である。
そこで、特許文献1は、正極活物質として五酸化バナジウムを含み、負極活物質としてケイ素を含むリチウム電池を提案している。ここでは、初期から所望の性能を発揮させるために、正極と負極に含まれる非水電解質のバランスを制御することが提案されている。
携帯機器は、電力を消費しながら長期間放置されることがある。この場合、携帯機器が備える非水電解質電池は、完全放電状態に至り、その状態で放置されることになる。非水電解質電池が完全放電状態に至ると、一般に、正極活物質および負極活物質の構造劣化が起こり、非水電解質の分解を伴う副反応も生じる。よって、完全放電状態で保存された後でも、劣化の程度が小さく、所望の性能を維持できる非水電解質電池が求められている。
上記に鑑み、本開示の一局面は、正極、負極、正極と負極との間に介在するセパレータ、および非水電解質を含む。正極が、五酸化バナジウム、第1カーボンブラックおよび第1結着剤を含み、負極が、ケイ素含有材料、黒鉛、第2カーボンブラックおよび第2結着剤を含む。電池電圧が0Vのとき、正極および負極の電位が、それぞれ金属リチウムに対して2.5〜3.5Vである、非水電解質電池に関する。
本開示の上記局面によれば、完全放電状態で放置された後であっても、劣化の程度が小さく、実用性に優れた非水電解質電池が得られる。
本開示に係る非水電解質電池は、正極、負極、正極と負極との間に介在するセパレータ、および非水電解質を含む。正極は、五酸化バナジウム、第1カーボンブラックおよび第1結着剤を含む。負極は、ケイ素含有材料、黒鉛、第2カーボンブラックおよび第2結着剤を含む。ただし、正極および負極は、電池電圧が0Vのとき、それぞれの金属リチウムに対する電位が2.5〜3.5Vになるように、好ましくは2.7〜3.3V、より好ましくは2.8〜3.2Vになるように設計されている。
五酸化バナジウム(V2O5)は、リチウムイオンの挿入と脱離が可能な3次元チャンネルを有するため、高容量の正極活物質として機能する。五酸化バナジウムは、一般には結晶質もしくはアモルファスであるが、非水電解質に溶解しにくいことや、不可逆容量の増加も抑制しやすい点で、結晶質が望ましい。
代表的な非水電解質電池であるリチウムイオン電池では、負極におけるリチウム析出を抑制する観点から、正極容量に対して負極容量を大きくする正極規制方式が採用されている。しかし、正極規制方式では、完全放電状態における正極電位の低下を抑制することが困難である。五酸化バナジウムは、金属リチウムに対する電位が2.5Vを下回ると、構造劣化が大きくなり、容量低下が進行する。一方、負極容量に対して正極容量を十分に大きくすれば、完全放電状態における正極電位の低下が抑制され、金属リチウムに対する正極電位を2.5V以上、好ましくは2.7V以上、更に好ましくは2.8V以上に維持することが可能である。これにより、五酸化バナジウムの構造劣化が小さく、実用性に優れた電池を得ることが可能である。
負極に含まれるケイ素含有材料は、負極電位が2.5〜3.5Vになる場合でも、大きく劣化しない。一般的なリチウムイオン電池の場合、金属リチウムに対する負極の上限電位は、通常2.0〜2.5Vに設計される。そのため、2.5Vを超える高電位でのケイ素含有材料の安定性は未知数である。この点、新たな知見によれば、負極の上限電位が3.5V程度であれば、ケイ素含有材料の劣化の程度は小さく、実用性に優れた負極を得ることが可能である。
以下、本開示に係る非水電解質電池の構成について、更に詳細に説明する。
(正極)
正極は、必須成分として、正極活物質、第1カーボンブラックおよび第1結着剤を含み、正極活物質は、五酸化バナジウムを含む。正極は、必須成分を含む混合物(正極合剤)を用いて形成される。例えば、正極合剤をペレット状に圧縮成形すれば、コイン形もしくはボタン形電池の正極を得ることができる。また、正極合剤を液状分散媒と混合してスラリーを調製し、スラリーを正極集電体に塗布して塗膜を形成し、塗膜を乾燥、圧縮すれば、捲回型等の電池に用いる帯状正極を得ることができる。
正極は、必須成分として、正極活物質、第1カーボンブラックおよび第1結着剤を含み、正極活物質は、五酸化バナジウムを含む。正極は、必須成分を含む混合物(正極合剤)を用いて形成される。例えば、正極合剤をペレット状に圧縮成形すれば、コイン形もしくはボタン形電池の正極を得ることができる。また、正極合剤を液状分散媒と混合してスラリーを調製し、スラリーを正極集電体に塗布して塗膜を形成し、塗膜を乾燥、圧縮すれば、捲回型等の電池に用いる帯状正極を得ることができる。
正極活物質として五酸化バナジウムを用いる場合、正極は金属リチウムに対して3.5V程度の高電位を発現し、プラトーの平坦性も高いため、高容量な電池を実現しやすい。五酸化バナジウムは、自己放電が小さく、携帯機器用電源だけでなく、バックアップ用途にも適している。
正極活物質は、更に、非水電解質電池の正極活物質として公知の成分を含んでもよい。ただし、正極活物質に占める五酸化バナジウムの割合は、70質量%以上が望ましく、80質量%以上がより望ましく、正極活物質の100%が五酸化バナジウムでもよい。上記公知成分としては、TiS2、MoS2などの硫化物;V6O13、MnO2などの金属酸化物;コバルト酸リチウム、ニッケル酸リチウム、マンガン酸リチウムなどのリチウム含有遷移金属酸化物などが挙げられる。
五酸化バナジウムは、アモルファスでもよいが、高電圧でも溶解しにくく、かつ構造変化による容量劣化も小さい点で、結晶質(斜方晶)であることが望ましい。五酸化バナジウムが結晶質であることは、五酸化バナジウムのX線回折像を測定すれば確認できる。斜方晶の五酸化バナジウムであれば、2θ=20°付近に(001)面に帰属されるピークが観測され、2θ=25°付近に(110)面に帰属されるピークが観測される。
五酸化バナジウムは、通常、粒子状であり、その平均粒径は1〜30μmが好ましく、3〜20μmがより好ましく、5〜15μmが更に好ましい。ここで、平均粒径は、空気透過法により比表面積を算出し、得られた比表面積に基づいて求められる。
正極は、第1導電剤として第1カーボンブラックを含む。正極が第1カーボンブラックを含むことで、電池電圧が0Vに至る前後の正極電位が安定化しやすくなる。よって、正極電位の過度な低下が抑制される。正極電位の安定化は、第1カーボンブラックが非水電解質に含まれる溶質のアニオンまたはカチオン(リチウムイオン)と相互作用することに起因する。正極電位が金属リチウムに対して3V以上では、カーボンブラックにアニオンが吸着され、3V未満では、カーボンブラックにリチウムイオンが吸着されていると考えられる。
第1カーボンブラックとしては、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック、ランプブラック、サーマルブラックなどが挙げられる。これらの中でも、特にケッチェンブラックが好ましい。第1カーボンブラックの平均粒径は、特に限定されないが、例えば10〜300nmの範囲である。
正極中に含まれる第1カーボンブラックの量は、五酸化バナジウム100質量部に対して、2〜10質量部が好ましく、3〜9質量部がより好ましい。このような範囲であれば、正極容量を高く維持でき、かつカーボンブラックによる正極電位の安定化の作用が十分に発揮される。また、正極の高い導電性を確保し、初期の内部抵抗の上昇を抑制する上でも効果的である。
第1導電剤は、カーボンブラック以外の材料を含んでもよい。カーボンブラック以外の第1導電剤としては、天然黒鉛、人造黒鉛などの黒鉛、炭素繊維などが挙げられる。
正極は、更に、アルミニウム粉末を含んでもよい。正極にアルミニウム粉末を含ませることで、過充電時に、五酸化バナジウムが酸化されて非水電解質中に溶出することが抑制される。五酸化バナジウムの酸化物が溶出すると、負極表面に被膜が形成され、充放電反応が阻害されることがある。アルミニウム粉末は、過充電時に、五酸化バナジウムに優先して酸化されるものと推測される。また、アルミニウム粉末を用いることで、正極の強度が向上する。
アルミニウム粉末は、粒径45μm以下の粒子を60質量%以上含むことが好ましい。これにより、過充電時に、アルミニウム粉末が酸化され易くなる。アルミニウム粉末の粒度分布は、ロータップ法により測定することができる。正極中に含まれるアルミニウム粉末の量は、正極活物質100質量部に対して、1〜20質量部が好ましく、1〜10質量部が更に好ましい。
正極に含まれる第1結着剤としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン;ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体およびその変性体などのフッ素樹脂;スチレンブタジエンゴム、変性アクリロニトリルゴムなどのゴム状ポリマー;ポリアクリル酸、アクリル酸−メタクリル酸共重合体などのアクリルポリマーまたはその塩などが挙げられる。これらの結着剤は、一種を単独で、または二種以上を組み合わせて使用できる。第1結着剤の量は、正極活物質100質量部に対して、0.5〜10質量部が好ましく、1〜8質量部がより好ましい。
(負極)
負極は、必須成分として、負極活物質、第2カーボンブラックおよび第2結着剤を含み、負極活物質は、ケイ素含有材料と黒鉛を含む。必須成分を含む混合物(負極合剤)をペレット状に圧縮成形すれば、コイン形もしくはボタン形電池の負極が得られる。また、負極合剤を液状分散媒と混合してスラリーを調製し、スラリーを負極集電体に塗布して塗膜を形成し、塗膜を乾燥、圧縮すれば、捲回型等の電池に用いる帯状負極が得られる。
負極は、必須成分として、負極活物質、第2カーボンブラックおよび第2結着剤を含み、負極活物質は、ケイ素含有材料と黒鉛を含む。必須成分を含む混合物(負極合剤)をペレット状に圧縮成形すれば、コイン形もしくはボタン形電池の負極が得られる。また、負極合剤を液状分散媒と混合してスラリーを調製し、スラリーを負極集電体に塗布して塗膜を形成し、塗膜を乾燥、圧縮すれば、捲回型等の電池に用いる帯状負極が得られる。
負極活物質としてケイ素含有材料を用いる場合、高容量な電池を実現しやすいことに加え、電池が完全放電状態に至ったときに、負極電位が上昇しても、劣化を生じにくい。ケイ素含有材料としては、ケイ素単体、ケイ素合金、ケイ素化合物(窒化物、硫化物、酸化物など)などが例示できる。ケイ素含有材料は、一種を単独で、または二種以上を組み合わせて使用できる。中でも、導電性に優れる点で、ケイ素合金が好ましい。すなわち、ケイ素含有材料に占めるケイ素合金の割合は、70質量%以上が望ましく、80質量%以上がより望ましく、ケイ素含有材料の100%がケイ素合金でもよい。
ケイ素合金は、ケイ素と遷移金属元素との合金が好ましい。ケイ素合金には、電気化学的に活性な非晶質ケイ素の相(非晶質Si相)と、電気化学的に不活性な相とが混在し得る。不活性相は、充放電に伴う非晶質Si相の膨張と収縮の応力を緩和するとともに、負極活物質に導電性を付与する。不活性相は、通常、遷移金属元素とケイ素との金属間化合物を含む。非晶質Si相は、微小な結晶子を含み得るが、結晶子サイズがX線回折像で確認できないほど小さく、例えば10nm以下である。ケイ素合金の平均粒径は、例えば5〜50μmであり、好ましくは10〜40μmである。
ケイ素合金に含まれる遷移金属元素としては、例えば、周期表第4族元素(Ti、Zrなど)、第6族元素(Cr、Mo、Wなど)、第7族元素(Mnなど)、第8族元素(Feなど)、第9族元素(Coなど)、第10族元素(Niなど)、第11族元素(Cuなど)が挙げられる。金属間化合物は、遷移金属元素を、一種のみ含んでもよく、二種以上含んでもよい。中でも、Si−Ti合金、Si−Ni合金、Si−W合金、Si−Co合金などが好ましく、Si−Ti合金がより好ましい。ケイ素合金は、例えば、メカニカルアロイング法、真空蒸着法、メッキ法、気相化学反応法、液体急冷法、イオンビームスパッタリング法などで製造できる。ケイ素合金において、ケイ素と遷移金属元素との質量比(ケイ素:遷移金属元素)は、充放電時の応力緩和効果を向上させるとともに、高容量および高導電性を得る観点から、40:60〜80:20が好ましく、50:50〜75:25がより好ましい。
負極活物質は、ケイ素含有材料とともに黒鉛を含み、更に非水電解質電池の負極活物質として公知の成分を含んでもよい。ただし、負極活物質に占めるケイ素含有材料の割合は、60質量%以上が望ましく、70質量%以上がより望ましい。上記公知成分としては、チタン酸リチウム、スズ含有材料などが挙げられる。
負極活物質が黒鉛を含むことで、負極の膨張と収縮が更に抑制される。黒鉛は、黒鉛構造を有する炭素質材料であればよく、具体的には、天然黒鉛、人造黒鉛、黒鉛化メソフェーズカーボンなどが含まれる。黒鉛は、広角X線回折法で測定される回折像が、(101)面に帰属されるピークと、(100)面に帰属されるピークとを有することが望ましい。このとき、(101)面に帰属されるピークの強度I(101)と、(100)面に帰属されるピークの強度I(100)との比は、0.01<I(101)/I(100)<0.25を満たすことが好ましく、0.08<I(101)/I(100)<0.20を満たすことがより好ましい。黒鉛の平均粒径は、例えば5〜40μmであり、好ましくは10〜30μmである。
ケイ素合金および黒鉛の平均粒径は、例えばレーザ回折散乱式の粒度分布測定装置を用いて、体積基準の粒度分布におけるメジアン径をとして求められる。
負極中に含まれる黒鉛の量は、ケイ素含有材料100質量部に対して、10〜40質量部が好ましく、15〜30質量部がより好ましい。これにより、負極の膨張と収縮を抑制する効果が向上する。
負極活物質には、予めリチウムをドープさせてもよい。リチウムドープは、負極(もしくは負極前駆体)を作製した後、負極にリチウム箔を貼り付け、非水電解質に浸漬すれば進行する。リチウムドープは、負極の内部抵抗の増加および容量低下を抑制する観点から、電池を組み立てる際に行うのが好ましい。
負極は、第2導電剤として第2カーボンブラックを含む。負極が第2カーボンブラックを含むことで、電池電圧が0Vに至る前後の負極電位が安定化しやすくなる。よって、負極電位の過度な上昇が抑制される。負極電位の安定化も、カーボンブラックが非水電解質中のアニオンまたはカチオンと相互作用することに起因すると考えられる。第2カーボンブラックは、特に限定されないが、正極に含まれる第1カーボンブラックとして例示したカーボンブラックから適宜選択すればよい。中でも、正極に含まれる第1カーボンブラックと同じ材料を、第2カーボンブラックにも用いることが好ましい。
負極中に含まれる第2カーボンブラックの量は、ケイ素含有材料100質量部に対して、2〜10質量部が好ましく、3〜9質量部がより好ましい。これにより、負極容量を高く維持でき、かつカーボンブラックによる負極電位の安定化の作用が十分に発揮される。
第2導電剤は、第2カーボンブラック以外の材料を含んでもよい。このような第2導電剤としては、炭素繊維、難黒鉛化炭素(ハードカーボン)などが挙げられる。
負極に含まれる第2結着剤は、正極に含まれる第1結着剤として例示した材料から適宜選択すればよい。中でも、結着性に優れる観点で、アクリルポリマーまたはその塩が好ましい。アクリルポリマーとしては、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、アクリル酸−メタクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、アクリル酸−アクリル酸メチル共重合体などが挙げられる。第2結着剤は、一種を単独で、または二種以上を組み合わせて使用できる。第2結着剤の量は、負極活物質100質量部に対して、1〜20質量部が好ましく、5〜15質量部がより好ましい。
(セパレータ)
正極と負極との間に介在させるセパレータとしては、織布、不織布、微多孔フィルムなどが例示できる。織布または不織布を構成する樹脂としては、ポリオレフィン、ポリフェニレンスルフィド、アラミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルエーテルケトンなどが例示できる。微多孔フィルムを構成する樹脂としては、ポリオレフィン、アラミド、ポリイミド、ポリアミドイミドが好ましい。セパレータの厚さは、コイン形電池の場合、10〜250μm程度の範囲から適宜選択される。
正極と負極との間に介在させるセパレータとしては、織布、不織布、微多孔フィルムなどが例示できる。織布または不織布を構成する樹脂としては、ポリオレフィン、ポリフェニレンスルフィド、アラミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルエーテルケトンなどが例示できる。微多孔フィルムを構成する樹脂としては、ポリオレフィン、アラミド、ポリイミド、ポリアミドイミドが好ましい。セパレータの厚さは、コイン形電池の場合、10〜250μm程度の範囲から適宜選択される。
(非水電解質)
非水電解質は、非水溶媒および溶質(特にリチウム塩)を含む。溶質は非水溶媒中で解離している。非水電解質における溶質濃度は、例えば0.5〜2mol/Lである。
非水電解質は、非水溶媒および溶質(特にリチウム塩)を含む。溶質は非水溶媒中で解離している。非水電解質における溶質濃度は、例えば0.5〜2mol/Lである。
非水溶媒としては、特に制限されないが、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネートなどの環状カーボネート;ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネートなどの鎖状カーボネート;1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、3−メチルテトラヒドロフランなどの環状エーテル;1,2−ジメトキエタン(DME)、1,2−ジエトキシエタン、1,3−ジメトキシプロパン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、テトラグライムなどの鎖状エーテル;γ−ブチロラクトン(GBL)などのラクトン;スルホランなどのスルホキシド化合物などが挙げられる。非水溶媒は、一種を単独で、または二種以上を混合して使用できる。中でも、1,2−ジメトキシエタン(DME)は、導電性が高く、低温特性に優れる点で好ましい。また、DMEは、ECおよび/またはPCとの組み合わせで用いることが、特性バランスの点で優れている。非水溶媒に占めるDMEの割合は、30〜70体積%が望ましく、40〜60体積%がより望ましい。
溶質も特に制限されないが、フッ素含有スルホニルイミドのリチウム塩、フッ素含有酸のリチウム塩、塩素含有酸のリチウム塩(例えばLiClO4)などを使用できる。溶質は、一種を単独で、または二種以上組み合わせて使用できる。フッ素含有スルホニルイミドのリチウム塩としては、例えばビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウム(TFSI:LiN(CF3SO2)2)が好ましく、フッ素含有酸のリチウム塩としては、例えば四フッ化ホウ酸リチウム(LiBF4)が好ましい。中でも、TFSIを用いる場合には、広範な温度域で優れた導電性を有する非水電解質を得ることができる。
非水電解質は、更に、公知の添加剤を含むことができる。添加剤としては、ビニレンカーボネート、ビニルエチレンカーボネートなどの重合性不飽和結合を有するカーボネート、シクロヘキシルベンゼン、ジフェニルエーテルなどが挙げられる。
図1は、本発明の一実施形態に係るコイン形リチウム二次電池の断面図である。リチウム二次電池10は、ステンレス鋼製の電池ケース1、ケース1の内底面に配置された円盤ペレット状の正極4、正極4に対向配置された円盤ペレット状の負極5、正極4と負極5との間に介在するセパレータ6、非水電解質(図示せず)、および、電池ケース1の開口を塞ぐステンレス鋼製の封口板2を有する。正極4は、五酸化バナジウム、第1カーボンブラック、第1結着剤およびアルミニウム粉末を含む。正極の空隙率は、例えば35〜46体積%に制御される。一方、負極5は、ケイ素合金、黒鉛、第2カーボンブラックおよび第2結着剤を含む。セパレータ6は、円形に打ち抜かれた不織布または微多孔性フィルムである。電池ケース1の開口端には、射出成型された樹脂製ガスケット3が配置されている。電池ケース1の開口端は、ガスケット3を介して、封口板2の周縁部に加締められている。電池10を組み立てる際、負極5にリチウム箔が貼り付けられる。非水電解質を注液することで、非水電解質と負極5とリチウム箔とが電気化学的にショートし、負極活物質へのリチウムドープが進行する。
以下、本発明を実施例および比較例に基づいて具体的に説明する。ただし、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
《実施例1》
下記の手順で、図1に示すようなコイン形リチウム二次電池(電池A1)を作製した。
下記の手順で、図1に示すようなコイン形リチウム二次電池(電池A1)を作製した。
(1)正極の作製
正極活物質である結晶質の五酸化バナジウム(空気透過法による平均粒径:8μm)100質量部に対し、第1カーボンブラック7質量部と、第1結着剤であるフッ素樹脂5質量部を含む水性ディスパージョンと、アルミニウム粉末5質量部とを混合することにより、正極合剤を得た。次に、正極合剤を、直径6.2mm、厚さ1.09mmの円盤状のペレットに成形し、200℃で10時間乾燥して、正極を得た。
正極活物質である結晶質の五酸化バナジウム(空気透過法による平均粒径:8μm)100質量部に対し、第1カーボンブラック7質量部と、第1結着剤であるフッ素樹脂5質量部を含む水性ディスパージョンと、アルミニウム粉末5質量部とを混合することにより、正極合剤を得た。次に、正極合剤を、直径6.2mm、厚さ1.09mmの円盤状のペレットに成形し、200℃で10時間乾燥して、正極を得た。
第1導電剤であるカーボンブラックには、粒径40nmのケッチェンブラックを用いた。
第1結着剤であるフッ素樹脂には、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)を用いた。
アルミニウム粉末には、粒径45μm以下の粒子を80質量%以上含む粉末を用いた。
(2)負極前駆体の作製
メカニカルアロイング法によりTi−Si合金を調製した。その際、金属チタンとケイ素単体を35:65の質量比で振動ボールミル装置に投入し、更に直径15mmのステンレス鋼製ボールを投入した。装置内部をアルゴンで置換し、1気圧に維持した。この条件下でメカニカルアロイング操作を行った。振動ボールミル装置を、振幅8mm、回転数1200rpmの条件で駆動し、80時間、メカニカルアロイングを行った。得られた合金粉末を分級し、50μm以下の粒径の合金粉末(ケイ素含有材料)を負極活物質として使用した。
メカニカルアロイング法によりTi−Si合金を調製した。その際、金属チタンとケイ素単体を35:65の質量比で振動ボールミル装置に投入し、更に直径15mmのステンレス鋼製ボールを投入した。装置内部をアルゴンで置換し、1気圧に維持した。この条件下でメカニカルアロイング操作を行った。振動ボールミル装置を、振幅8mm、回転数1200rpmの条件で駆動し、80時間、メカニカルアロイングを行った。得られた合金粉末を分級し、50μm以下の粒径の合金粉末(ケイ素含有材料)を負極活物質として使用した。
合金粉末100質量部に対し、第2カーボンブラック4質量部と、黒鉛20質量部と、第2結着剤であるポリアクリル酸10質量部とを混合することにより、負極合剤を調製した。次に、負極合剤を、直径7.0mm、厚さ0.30mmの円盤状のペレットに成形し、160℃で12時間乾燥して、負極前駆体を得た。
第2カーボンブラックには、粒径40nmのケッチェンブラックを用いた。
黒鉛には、平均粒径10μmの黒鉛(日本黒鉛(株)製)を使用した。
第2結着剤であるポリアクリル酸には、重量平均分子量100万の非架橋型ポリアクリル酸(東亜合成(株)製)を、水溶液の状態で用いた。
(3)電池の作製
正極と負極を用い、電池A1を組み立てた。電池の外法寸法は、外径9.5mm、高さ2.0mmである。上記サイズの正極と負極を用いる場合、正極容量は、負極容量に比べて十分に大きくなる。
正極と負極を用い、電池A1を組み立てた。電池の外法寸法は、外径9.5mm、高さ2.0mmである。上記サイズの正極と負極を用いる場合、正極容量は、負極容量に比べて十分に大きくなる。
電池を組み立てる際、負極前駆体の一方の表面に、リチウム箔を貼り付け、電池内で非水電解質と接触させることにより、負極前駆体中の合金粉末にリチウムをドープした。リチウムドープにより、負極前駆体は負極に変換された。負極前駆体に貼り付けるリチウム箔の質量は、負極の不可逆容量に相当する量と、可逆容量の100%に相当する量との合計に一致させた。
セパレータには、ポリプロピレン製不織布を用いた。
ガスケットには、ポリプロピレンを用いた。
非水電解質は、PC:EC:DME=1:1:1(体積比)の混合溶媒に、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウム(LiTFSI)を1mol/Lの濃度で溶解して調製した。
電池内に注液した非水電解質量は45μLであった。
(4)評価
(a)初期の内部抵抗の評価
組み立て直後の電池A1を、45℃で72時間加熱して、エージング処理した。エージング後、電池A1の内部抵抗(1kHz)を測定し、10個の電池の平均値(R1)を算出した。このとき、抵抗測定器を使用して、正弦波交流法(1kHz)により、正極端子(正極ケース)と負極端子(封口板)との間の抵抗を測定した。
(a)初期の内部抵抗の評価
組み立て直後の電池A1を、45℃で72時間加熱して、エージング処理した。エージング後、電池A1の内部抵抗(1kHz)を測定し、10個の電池の平均値(R1)を算出した。このとき、抵抗測定器を使用して、正弦波交流法(1kHz)により、正極端子(正極ケース)と負極端子(封口板)との間の抵抗を測定した。
(b)初度の放電容量
エージング後の電池A1を、510Ωの抵抗を介して、3.3Vの定電圧で30時間充電し、その後、電池電圧が2.0Vになるまで放電させ、初度の放電容量(C1)を測定した。
エージング後の電池A1を、510Ωの抵抗を介して、3.3Vの定電圧で30時間充電し、その後、電池電圧が2.0Vになるまで放電させ、初度の放電容量(C1)を測定した。
(c)完全放電状態で放置後の内部抵抗の評価
放電容量C1を測定後の電池A1を、電池電圧が0Vになるまで完全に放電させた。このとき、金属リチウムに対する正極電位および負極電位を測定したところ、いずれも3.0Vであった。
放電容量C1を測定後の電池A1を、電池電圧が0Vになるまで完全に放電させた。このとき、金属リチウムに対する正極電位および負極電位を測定したところ、いずれも3.0Vであった。
その後、100日間、60℃の恒温室に完全放電状態の電池A1を保存した。保存後の電池A1の内部抵抗(1kHz)を、上記同様に測定し、10個の電池の平均値(R2)を算出した。R2のR1に対する比率を求めた。
(d)完全放電状態で放置後の容量維持率
完全放電状態で、60℃で100日保存後の電池A1を、510Ωの抵抗を介して、3.3Vの定電圧で30時間充電し、その後、電池電圧が2.0Vになるまで放電させ、放電容量(C2)を測定した。C2のC1に対する比率を求めた。
完全放電状態で、60℃で100日保存後の電池A1を、510Ωの抵抗を介して、3.3Vの定電圧で30時間充電し、その後、電池電圧が2.0Vになるまで放電させ、放電容量(C2)を測定した。C2のC1に対する比率を求めた。
《実施例2〜7》
正極容量と負極容量とのバランスを変更したこと以外、実施例1と同様に電池A2〜A7を作製し、同様に評価した。
正極容量と負極容量とのバランスを変更したこと以外、実施例1と同様に電池A2〜A7を作製し、同様に評価した。
《比較例1、2》
正極容量と負極容量とのバランスを変更したこと以外、実施例1と同様に電池B1、B2を作製し、同様に評価した。
正極容量と負極容量とのバランスを変更したこと以外、実施例1と同様に電池B1、B2を作製し、同様に評価した。
完全放電時の金属リチウムに対する正極電位および負極電位と、上記(c)、(d)の評価結果を表1に示す。
《比較例3》
負極合剤を調製する際に、第2カーボンブラックを用いなかったこと以外、実施例1と同様に電池B3を作製し、同様に評価した。
負極合剤を調製する際に、第2カーボンブラックを用いなかったこと以外、実施例1と同様に電池B3を作製し、同様に評価した。
《比較例4》
正極合剤を調製する際に、第1カーボンブラックを用いず、代わりに五酸化バナジウム100質量部に対して7質量部の黒鉛(平均粒径10μm、日本黒鉛(株)製)を用いたこと以外、実施例1と同様に電池B4を作製し、同様に評価した。
正極合剤を調製する際に、第1カーボンブラックを用いず、代わりに五酸化バナジウム100質量部に対して7質量部の黒鉛(平均粒径10μm、日本黒鉛(株)製)を用いたこと以外、実施例1と同様に電池B4を作製し、同様に評価した。
比較例3、4の評価結果を表2に示す。
《実施例8〜15》
非水電解質の組成を表3のように変更したこと以外、実施例1と同様に電池A8〜電池A15を作製し、同様にR2/R1を評価した。結果を表3に示す。溶質濃度は実施例1と同じである。
非水電解質の組成を表3のように変更したこと以外、実施例1と同様に電池A8〜電池A15を作製し、同様にR2/R1を評価した。結果を表3に示す。溶質濃度は実施例1と同じである。
表1の結果より、電池電圧が0Vのときに、金属リチウムに対する正極電位および負極電位が2.5〜3.5Vの範囲内である場合には、電極の劣化による内部抵抗の増加が小さく、完全放電状態で放置した後の容量維持率も実用性を備えていることが理解できる。なお、過去の検討結果から、R2/R1が3以下であれば、十分に実用性を備えることがわかっている。
表2の結果より、正極または負極がカーボンブラックを含まない場合、電池電圧が0Vのときの金属リチウムに対する正極電位および負極電位が2.5〜3.5Vの範囲内であっても、完全放電状態のままで放置すると、電極の劣化により内部抵抗が増加し、容量維持率も低下することが理解できる。
表3の結果より、非水溶媒がGBLを含む場合には、内部抵抗の上昇がやや大きくなることがわかる。また、LiBF4に比べると、LiTFSIを含む非水電解質の安定性が高いと推察される。
本発明に係る非水電解質電池は、完全放電状態で放置した後でも、優れた特性を備えることから、種々の携帯機器の主電源、バックアップ電源などの用途に適している。
1:電池ケース
2:封口板
3:ガスケット
4:正極
5:負極
6:セパレータ
10:コイン形リチウム二次電池
2:封口板
3:ガスケット
4:正極
5:負極
6:セパレータ
10:コイン形リチウム二次電池
Claims (6)
- 正極、負極、前記正極と前記負極との間に介在するセパレータ、および非水電解質を含み、
前記正極が、五酸化バナジウム、第1カーボンブラックおよび第1結着剤を含み、
前記負極が、ケイ素含有材料、黒鉛、第2カーボンブラックおよび第2結着剤を含み、
電池電圧が0Vのとき、前記正極および前記負極の電位が、それぞれ金属リチウムに対して2.5〜3.5Vである、非水電解質電池。 - 前記正極中に含まれる前記第1カーボンブラックの量が、前記五酸化バナジウム100質量部に対して、2〜10質量部である、請求項1に記載の非水電解質電池。
- 前記負極中に含まれる前記黒鉛の量が、前記ケイ素含有材料100質量部に対して、10〜40質量部である、請求項1または2に記載の非水電解質電池。
- 前記負極中に含まれる前記第2カーボンブラックの量が、前記ケイ素含有材料100質量部に対して、2〜10質量部である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の非水電解質電池。
- 前記ケイ素含有材料が、ケイ素合金を含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の非水電解質電池。
- 前記非水電解質が、非水溶媒と、非水溶媒に溶解している溶質と、を含み、
前記非水溶媒が、1,2−ジメトキシエタンを含み、
前記溶質が、四フッ化ホウ酸リチウムおよびビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウムよりなる群から選択される少なくとも1種を含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の非水電解質電池。
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