JP7065013B2 - リチウムイオン二次電池 - Google Patents

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Description

本発明は、リチウムイオン二次電池に関する。
従来、正極合剤層と、負極合剤層と、該正極合剤層と該負極合剤層との間に位置するセパレータとを備えるリチウムイオン二次電池が知られている。
リチウムイオン二次電池において、前記セパレータは、前記正極合剤層と前記負極合剤層とを電気的に絶縁する一方、電解液を保持する機能を備え、例えばポリエチレン、ポリプロピレン等からなる有機高分子系微多孔性フィルムが使用されている。
さらに、前記正極合剤層と前記セパレータとの間に、無機粒子からなりバインダを含まない多孔性無機絶縁層を備えるリチウムイオン二次電池が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1記載のリチウムイオン二次電池によれば、前記多孔性無機絶縁層を備えることで、電池の安全性が向上できるとされている。
国際公開第2009/081594号
しかしながら、前記特許文献1記載のリチウムイオン二次電池では、前記多孔性無機絶縁層により体積エネルギー密度が低下するという不都合がある。また、前記特許文献1記載のリチウムイオン二次電池において、前記多孔性無機絶縁層はバインダを含まないので、前記無機粒子間の結着力が弱く、充放電サイクルを繰り返した場合に耐久性が低下するという不都合もある。
本発明は、かかる不都合を解消して、前記正極合剤層と前記負極合剤層との電気的絶縁を確保して安全性を向上させる一方、大きな容量を得ることができ、充放電サイクルによる劣化を抑制することができるリチウムイオン二次電池を提供することを目的とする。
かかる目的を達成するために、本発明のリチウムイオン二次電池は、正極合剤層と、負極合剤層と、該正極合剤層と該負極合剤層との間に位置するセパレータとを備えるリチウムイオン二次電池において、セパレータの前記正極合剤層側又は負極合剤層側の表面に、正極活物質又は負極活物質とバインダとを含み、体積抵抗が2.5×10 3 ~3.6×10 4 Ωcmである高抵抗層を備えることを特徴とする。
本発明のリチウムイオン二次電池は、前記正極合剤層又は前記負極合剤層と前記セパレータとの間に、正極活物質又は負極活物質とバインダとを含み、体積抵抗が2.5×10 3 ~3.6×10 4 Ωcmである前記高抵抗層を備えるので、該正極合剤層と該負極合剤層との間の電気的絶縁を確保することができ、安全性が向上する。前記高抵抗層は、体積抵抗が2.5×10 3 Ωcm未満では前記正極合剤層と前記負極合剤層との間の電気的絶縁を確保することができない。
また、前記正極合剤層又は負極合剤層と前記セパレータとの間に前記高抵抗層を備える場合、該高抵抗層は正極活物質又は負極活物質を含むことにより、前記正極合剤層に接する側では該正極合剤層から該正極活物質に電子が供給されて電池反応が生じることとなり、同様に、負極合剤層に接する側では、該負極合剤層から該負極活物質に電子が供給されて電池反応が生じることになり、リチウムイオン二次電池の容量及び体積エネルギー密度を向上させることができる。
さらに、前記高抵抗層はバインダを含むので、前記正極活物質又は負極活物質間の結着力を向上させ、充放電サイクルを繰り返すことによる該高抵抗層の劣化を抑制することができ、リチウムイオン二次電池の容量維持率を向上させることができる。
また、本発明のリチウムイオン二次電池において、前記高抵抗層は、前記正極活物質、又は負極活物質と前記バインダとを含み、導電助剤を含まないことが好ましい。前記高抵抗層は、前記導電助剤を含まないことにより、前記正極合剤層と前記負極合剤層との間における電子の伝導をより確実に遮断することができる。
また、本発明のリチウムイオン二次電池は、前記正極合剤層又は負極合剤層の前記セパレータ側の表面に、前記高抵抗層を備えていてもよい。
前記高抵抗層は、前記正極合剤層の前記セパレータ側の表面に備えられている場合には、前記正極合剤層に接する側で、該正極合剤層から該高抵抗層に含まれる正極活物質への電子の供給が確実に行われ、容量を確実に向上させることができる。また、前記高抵抗層は、前記負極合剤層の前記セパレータ側の表面に備えられている場合には、前記負極合剤層に接する側で、該負極合剤層から該高抵抗層に含まれる負極活物質への電子の供給が確実に行われ、負極全体の容量を確実に向上させることができる。
また、本発明のリチウムイオン二次電池は、前記セパレータの前記正極合剤層側又は負極合剤層の表面に、前記高抵抗層を備えていてもよい。
前記高抵抗層は、前記セパレータの前記正極合剤層側の表面に備えられている場合には、前記正極合剤層から該セパレータに電子が到達することを確実に阻止することができ、電子によるセパレータの酸化を抑制することができる。また、前記高抵抗層は、前記セパレータの前記負極合剤層側の表面に備えられていることにより、前記負極合剤層から該セパレータに電子が到達することを確実に阻止することができ、電子によるセパレータの還元を抑制することができる。
本発明のリチウムイオン二次電池では、セパレータの酸化又は還元が抑制されることにより、充放電サイクルを繰り返したときの容量維持率を向上させることができる。
本発明のリチウムイオン二次電池は、前述のように前記セパレータの前記正極合剤層側又は負極合剤層側の表面に、前記高抵抗層を備えることにより、前記セパレータの酸化又は還元を抑制することができるが、該セパレータは該高抵抗層を備えない場合に比較して電解液が含浸しにくくなると共に、充放電サイクル中のリチウムイオンの移動距離が長くなることが懸念される。
そこで、本発明のリチウムイオン二次電池は、前記セパレータの前記正極合剤層側又は負極合剤層側の表面に、前記高抵抗層を備える場合には、該セパレータに含浸される電解液は、20℃における粘度が2.5mPa・s以下である溶媒を、電解質塩を除く該電解液全体の60~95体積%の範囲の量で含むことが好ましく、65~90体積%の範囲の量で含むことがより好ましく、70~90体積%の範囲の量で含むことがさらに好ましい。
本発明のリチウムイオン二次電池は、前記セパレータの前記正極合剤層側又は負極合剤層側の表面に、前記高抵抗層を備える場合に、前記電解液が20℃における粘度が2.5mPa・s以下である溶媒を、例えば60~95体積%の範囲の量で含むことができるが、65~90体積%の範囲の量で含むことにより、該電解液が該セパレータに含浸しやすくなり、リチウムイオン伝導性も向上させることができる。この結果、本発明のリチウムイオン二次電池では、充放電に関与するリチウムイオンの量が増加し、電極内の奥深くまで反応に関与することができ、抵抗低減によりサイクル容量維持率を向上させることができる。
前記電解液における、20℃における粘度が2.5mPa・s以下である溶媒の含有量が電解質塩を除く該電解液全体の65体積%未満の範囲であるときには、該電解液が前記セパレータに含浸しにくく、充放電サイクル中のリチウムイオンの移動距離が長くなるので、サイクル容量維持率を十分に向上させることができないことがある。また、前記電解液における、20℃における粘度が2.5mPa・s以下である溶媒の含有量が電解質塩を除く該電解液全体の90体積%超の範囲であるときには、該電解液におけるリチウム塩の解離が進みにくくなり、サイクル容量維持率を十分に向上させることができないことがある。
また、本発明のリチウムイオン二次電池では、前記高抵抗層に用いるバインダ及び電解液の組み合わせの選択によっては、該バインダが該電解液を吸収して膨潤することにより、該高抵抗層の空隙が減少して目詰まりが起きるので、リチウムイオンの伝導が阻害される懸念がある。
そこで、本発明のリチウムイオン二次電池は、前記セパレータの前記正極合剤層側又は負極合剤層側の表面に、前記高抵抗層を備える場合に、前記電解液が20℃における粘度が2.5mPa・s以下である溶媒を、70~90体積%の範囲の量で含むことにより、バインダの膨潤を抑制することができ、目詰まりの発生を防止してリチウムイオンの伝導性が向上するので、レート特性を向上することができる。
また、本発明のリチウムイオン二次電池において、前記電解液はゲル状態であることが好ましい。前記電解液はゲル状態であることにより、バインダの膨潤を抑制することができる。
また、本発明のリチウムイオン二次電池において、前記電解液は、0.1~3.5モル/Lの範囲の濃度の電解質塩を含むことが好ましく、1.0~2.5モル/Lの範囲の濃度の電解質塩を含むことがさらに好ましい。前記電解液は、1.0~2.5モル/Lの範囲の濃度の電解質塩を含むことにより、相対的に溶媒の量が少なくなり、バインダの膨潤を抑制することができる。
本発明のリチウムイオン二次電池の構成を示す説明的断面図。 本発明のリチウムイオン二次電池におけるサイクル特性(充放電サイクルの回数に対する容量の関係)の一例を示すグラフ。 本発明のリチウムイオン二次電池における充放電サイクルの回数に対する容量維持率の関係の一例を示すグラフ。 本発明のリチウムイオン二次電池における放電レートに対する容量維持率の関係の一例を示すグラフ。 本発明のリチウムイオン二次電池におけるサイクル特性(充放電サイクルの回数に対する容量の関係)の他の例を示すグラフ。 本発明のリチウムイオン二次電池における充放電サイクルの回数に対する容量維持率の関係の他の例を示すグラフ。 本発明のリチウムイオン二次電池における充放電サイクルの回数に対する容量維持率の関係のさらに他の例を示すグラフ。
次に、添付の図面を参照しながら本発明の実施の形態についてさらに詳しく説明する。
図1に示すように、本実施形態のリチウムイオン二次電池1は、正極集電体2上に形成された正極合剤層3と、負極集電体4上に形成された負極合剤層5との間に電解液が含浸されたセパレータ6を備え、正極合剤層3とセパレータ6との間に、正極活物質とバインダとを含み、導電助剤を含まない高抵抗層7を備える。
また、本実施形態のリチウムイオン二次電池1は、図1に示す正極合剤層3とセパレータ6との間に高抵抗層7を備える構成に代えて、負極合剤層5とセパレータ6との間に高抵抗層7を備えていてもよい。この場合、高抵抗層7は負極活物質とバインダとを含み、導電助剤を含まない。
前記正極集電体2としては、例えば、アルミニウム、ステンレス、ニッケル、チタン等の金属箔を用いることができる。前記金属箔は、例えば、3~500μmの範囲の厚さを備えるものを用いることができる。
前記正極合剤層3は、正極活物質と、バインダと、導電助剤とを含む。前記正極活物質としては、例えば、LiMnO、LiMn(0<x<2)、LiMnO、LixMn1.5Ni0.5(0<x<2)等層状構造を備えるマンガン酸リチウム又はスピネル構造を備えるマンガン酸リチウム、LiCo、LiNiO又はその遷移金属の一部を他の金属で置換した化合物、LiNi1/3Co1/3Mn1/3等の特定の遷移金属が全体の半数を超えないリチウム遷移金属酸化物、これらのリチウム遷移金属酸化物において化学量論的組成よりもLiを過剰にした化合物、LiFePO等のオリビン構造を備える化合物等を挙げることができる。また、前記正極活物質として、これらの金属酸化物の金属の一部をAl、Fe、P、Ti、Si、Pb、Sn、In、Bi、Ag、Ba、Ca、Hg、Pd、Pt、Te、Zn、La等で置換した材料も用いることができる。また、オリビン系化合物であってもよい。
前記正極活物質は、特に、LiαNiβCoγAlδ(1≦α≦2、β+γ+δ=1、β≧0.7、γ≦0.01)又はLiαNiβCoγMnδ(1≦α≦1.2、β+γ+δ=1、β≧0.01、γ≦0.01)であることが好ましい。また、硫化鉄、二硫化鉄、硫黄、ポリスルフィド、LiVO等を正極活物質として用いることもできる。
前記正極活物質は、前記化合物のいずれか1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記バインダとしては、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリイミド(PI)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE),ポリアクリル酸、カルボキシメチルセルロース(CMC)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、等を挙げることができる。前記導電助剤としては、例えば、カーボンブラック、アセチレンブラック、フラーレン、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバー等を挙げることができる。
前記バインダ、前記導電助剤は、それぞれ前記材料のいずれか1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記負極集電体4としては、例えば、アルミニウム、銅、ステンレス、チタン、ニッケル等の金属箔を用いることができる。前記金属箔は、例えば、3~500μmの範囲の厚さを備えるものを用いることができる。
前記負極合剤層5は、負極活物質と、バインダと、導電助剤とを含む。前記負極活物質としては、例えば、人造黒鉛、天然黒鉛、ハードカーボン、ソフトカーボン、シリコン、酸化シリコン、スズ、酸化スズ、銀、アルミ、亜鉛、鉛、ゲルマニウム、リチウム等、又はそれらの合金を挙げることができる。
前記バインダとしては、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリイミド(PI)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE),ポリアクリル酸、カルボキシメチルセルロース(CMC)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ポリメチルメタクリレート等を挙げることができる。
また、前記バインダとして、アクリロニトリル、アクリル酸を使用することもでき、この場合、重合開始剤を加えるか、又は加熱して重合させてもよい。前記重合開始剤としては、アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)等を挙げることができる。また、加熱する場合は、45~75℃の範囲の温度とすることが望ましい。
前記導電助剤としては、例えば、カーボンブラック、アセチレンブラック、フラーレン、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバー等を挙げることができる。
前記負極活物質、前記バインダ、前記導電助剤は、それぞれ前記材料のいずれか1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
尚、前記負極合剤層5は、負極活物質として、人造黒鉛、天然黒鉛、ハードカーボン、ソフトカーボン、スズ、酸化スズ、銀、アルミニウム、亜鉛、鉛、ゲルマニウム、リチウム等の材料を用いる場合には、該材料が前記導電助剤としても作用するので、該導電助剤を含まなくてもよい。また、前記負極合剤層5は、増粘剤等の添加剤を含んでいてもよい。
前記セパレータ6としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリフッ化ビニリデン、セルロース、ガラス繊維、ポリイミド、ポリイミド、アルミナ、シリカ等からなる有機高分子系フィルムあるいは、無機材料を用いることができる。前記有機高分子系フィルムは、微多孔性フィルムであることが好ましく、例えば、3~100μmの範囲の厚さを備えるフィルムを用いることができる。
セパレータ6に含浸される電解液としては、非水系溶媒に0.1~3.5モル/Lの範囲の濃度で電解質塩を溶解させたものを用いることができ、1.0~2.5モル/Lの範囲の濃度の電解質塩を含むことが好ましい。
前記非水系溶媒としては、例えば、ビニレンカーボネート(VC)、ビニルエチレンカーボネート(VEC)、エチレンカーボネート(EC)、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、プロピレンカーボネート(PC)、エーテル基を有するジメトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、(無水)コハク酸、(無水)マレイン酸、γ-ブチロラクトン、γ-バレロラクトン、エチレンサルファイト、スルホラン、イオン液体、リン酸エステル、ホウ酸エステル、アセトニトリル、ホスファゼン等、又はそれらの一部の水素基をフッ素化したもの等を挙げることができる。
また、上述の電解液に重合開始剤やポリマー等のゲル化剤を加え、ゲル化させてもよい。前記ゲル化剤としての前記重合開始剤やポリマーとしては、ポリフッ化ビニリデン・ヘキサフルオロプロピレン(PVDF-HFP)、(ポリ)アクリロニトリル、(ポリ)アクリル酸、ポリメチルメタクリレート等を用いることができるが、これらに限定されるわけではない。また、これらのゲル化剤に、架橋剤を加えてもよい。前記電解液をゲル化させるために、電池を作製したのち、電池ごと温め、該電解液を熱重合させて使用することができるが、最初に数サイクル充放電したのちに、温めてゲル化させてもよい。
前記電解質塩としては、例えば、LiPF、LiAsF、LiAlCl、LiClO、LiBF、LiSbF、Li2SO、LiPO、LiHPO、LiHPO、LiCFSO、LiCSO、イミドアニオンからなるLiN(FSO、LiN(CFSO、LiN(CSO、LiN(CFSO)(CSO)、LiN(CFSO)(CSO)、5員環構造を有するLiN(CFSO(CF)、6員環構造を有するLiN(CFSO(CF等のリチウム塩を挙げることができる。
また、前記リチウム塩として、LiPFの少なくとも1つのフッ素原子をフッ化アルキル基で置換したLiPF(CF)、LiPF(C)、LiPF(C)、LiPF(CF、LiPF(CF)(C)、LiPF(CF等を挙げることもできる。前記非水系溶媒、前記電解質塩は、それぞれ前記材料のいずれか1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記高抵抗層7は、正極活物質又は負極活物質とバインダとを含み、導電助剤を含まない。前記正極活物質又は負極活物質としては、例えば、上述の正極活物質又は負極活物質と同じ材料を用いることができ、さらに、LiTi12(LTO)を用いることができる。また、固体電解質等のリチウムを含む材料や、CoO、NiO、MnO、FePO、MnO、TiO、Al、SiO等のリチウムを含まない酸化物を用いることもできる。
前記バインダとしては、例えば、正極合剤層3又は負極合剤層5に用いるバインダと同じものを用いることができる。このとき、上述の正極合剤層3がN-メチル-2-ピロリドン(NMP)等の溶剤系に溶解又は分散して用いるバインダを使用している場合、前記高抵抗層7では、水系溶媒に溶解又は分散して用いるバインダを使用することが好ましい。
前記正極活物質、前記負極活物質、前記バインダは、それぞれ前記材料のいずれか1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本実施形態のリチウムイオン二次電池1は、正極合剤層3とセパレータ6との間又は負極合剤層5とセパレータ6との間に高抵抗層7を備えるので、正極合剤層3と負極合剤層5との間における電子の伝導を確実に遮断することができる。また、正極合剤層3とセパレータ6との間に高抵抗層7を備える場合、高抵抗層7は正極活物質を含むことにより、正極合剤層3に接する側では正極合剤層3から該正極活物質に電子が供給されて電池反応が生じることとなり、リチウムイオン二次電池1の容量及び体積エネルギー密度を向上させることができる。また、負極合剤層5とセパレータ6との間に高抵抗層7を備える場合、高抵抗層7は負極活物質を含むことにより、電子が供給されて電池反応が生じることとなり、リチウムイオン二次電池1の容量及び体積エネルギー密度を向上させることができる。
さらに、高抵抗層7はバインダを含むので、前記正極活物質間又は前記負極活物質間の結着力を向上させ、充放電サイクルを繰り返すことによる高抵抗層7の劣化を抑制することができ、リチウムイオン二次電池1の容量維持率を向上させることができる。
本実施形態のリチウムイオン二次電池1は、例えば、次のようにして作製することができる。
まず、前記正極活物質と前記バインダと前記導電助剤を所定の割合で混合し、正極合剤層用スラリーを調製する。次に、正極集電体2上に前記正極合剤層用スラリーを塗布し、正極合剤層3を形成する。
次に、前記正極活物質と前記バインダとを所定の割合で混合し、高抵抗層用スラリーを調製する。次に、正極合剤層3上に前記高抵抗層用スラリーを塗布し、高抵抗層7を形成する。尚、前記高抵抗層用スラリーは、増粘剤等の添加剤を含んでいてもよいが、導電助剤は含んでいない。
次に、正極合剤層3及び高抵抗層7が形成された正極集電体2を所定の形状に切断し、正極を形成する。
次に、前記負極活物質と前記バインダと前記導電助剤とを所定の割合で混合し、負極合剤層用スラリーを調製する。尚、負極合剤層用スラリーは、前記負極活物質として炭素質材料を用いる場合には、前記導電助剤を含まなくてもよい。次に、負極集電体4上に前記負極合剤層用スラリーを塗布し、負極合剤層5を形成する。次に、負極合剤層5が形成された負極集電体4を所定の形状に切断し、負極を形成する。
次に、前記有機高分子系フィルムを所定の形状に切断し、前記電解液を含浸させることによりセパレータ6を形成する。
そして、前記正極と前記負極との間にセパレータ6を配置して重ね合わせることにより、例えば、コインセルの形状の本実施形態のリチウムイオン二次電池1を得ることができる。
尚、上述の作製方法では、正極合剤層3上に前記高抵抗層用スラリーを塗布し、高抵抗層7を形成しているが、負極合剤層5上に前記負極活物質と前記バインダとを所定の割合で混合した高抵抗層用スラリーを塗布して高抵抗層7を形成してもよい。
本実施形態のリチウムイオン二次電池1において、正極合剤層3上に前記高抵抗層用スラリーを塗布し、高抵抗層7が正極合剤層3のセパレータ6側の表面に備えられているときには、正極合剤層3から高抵抗層7の正極活物質への電子の供給が確実に行われ、容量を確実に向上させることができる。また、本実施形態のリチウムイオン二次電池1において、負極合剤層5上に前記高抵抗層用スラリーを塗布し、高抵抗層7が負極合剤層5のセパレータ6側の表面に備えられているときには、負極合剤層3から高抵抗層7の負極活物質への電子の供給が確実に行われ、容量を確実に向上させることができる。
また、本実施形態のリチウムイオン二次電池1では、セパレータ6の正極合剤層3側の表面に、前記正極活物質と前記バインダとを所定の割合で混合した高抵抗層用スラリーを塗布して高抵抗層7を形成してもよく、セパレータ6の負極合剤層5側の表面に、前記負極活物質と前記バインダとを所定の割合で混合した高抵抗層用スラリーを塗布して高抵抗層7を形成してもよい。
本実施形態のリチウムイオン二次電池1において、セパレータ6の正極合剤層3側の表面に高抵抗層7が備えられているときには、正極合剤層3からセパレータ6に電子が到達することを確実に阻止することができ、電子によるセパレータ6の酸化を抑制することができ、充放電サイクルを繰り返したときの容量維持率を向上させることができる。また、本実施形態のリチウムイオン二次電池1において、セパレータ6の負極合剤層5側の表面に高抵抗層7が備えられているときには、負極合剤層5からセパレータ6に電子が到達することを確実に阻止することができ、電子によるセパレータ6の還元を抑制することができ、充放電サイクルを繰り返したときの容量維持率を向上させることができる。
一方、本実施形態のリチウムイオン二次電池1は、前述のようにセパレータ6の正極合剤層3側又は負極合剤層5側の表面に高抵抗層7を備えるときには、セパレータ6は高抵抗層7を備えない場合に比較して電解液が含浸しにくくなると共に、充放電サイクル中のリチウムイオンの移動距離が長くなることが懸念される。
そこで、本実施形態のリチウムイオン二次電池1は、セパレータ6の正極合剤層3側又は負極合剤層5側の表面に高抵抗層7を備える場合には、セパレータ6に含浸される電解液は、20℃における粘度が2.5mPa・s以下である溶媒を、電解質塩を除く該電解液全体の60~95体積%の範囲の量で含むことが好ましく、65~90体積%の範囲の量で含むことがより好ましく、70~90体積%の範囲の量で含むことがさらに好ましい。
本実施形態のリチウムイオン二次電池1は、セパレータ6の正極合剤層3側又は負極合剤層5側の表面に、高抵抗層7を備える場合に、前記電解液が20℃における粘度が2.5mPa・s以下である溶媒を、電解質塩を除く該電解液全体の65~90体積%の範囲の量で含むことにより、該電解液がセパレータ6に含浸しやすくなり、リチウムイオン伝導性も向上させることができる。この結果、本実施形態のリチウムイオン二次電池1では、充放電に関与するリチウムイオンの量が増加し、電極内の奥深くまで反応に関与することができ、抵抗低減によりサイクル容量維持率を向上させることができる。
また、前記電解液が20℃における粘度が2.5mPa・s以下である溶媒を、電解質塩を除く該電解液全体の70~90体積%の範囲の量で含むことにより、バインダの膨潤を抑制することができ、目詰まりの発生を防止してリチウムイオンの伝導性が向上するので、レート特性を向上することができる。
20℃における粘度が2.5mPa・s以下である溶媒としては、例えば、ジメチルカーボネート(0.59mPa・s)、エチルメチルカーボネート(0.65mPa・s)、ジエチルカーボネート(0.75mPa・s)、ジメチルスルホキシド(1.99mPa・s)、アセトニトリル(0.35mPa・s)、ジメトキシエタン(0.45mPa・s)、ジオキソラン(0.78mPa・s)、エチレングリコールジメチルエーテル(0.57mPa・s)、プロピレングリコールジメチルエーテル(0.57mPa・s)、トリエチレングリコールジメチルエーテル(2.3mPa・s)、ジエチレングリコールジブチルエーテル(2.47mPa・s)、γブチロラクトン(1.75mPa・s)、プロピオン酸無水物(1.14mPa・s)、ジエチルエーテル(0.25mPa・s)、エーテル(0.24mPa・s)、アセトン(0.3mPa・s)、酢酸エチル(0.38mPa・s)、酢酸エチル(0.43mPa・s)、ヘキサン(0.3mPa・s)、メチルシクロヘキサン(0.65mPa・s)、シクロペンタン(0.43mPa・s)、シクロヘキサン(0.98mPa・s)、シクロヘプタン(1.02mPa・s)、イソプロピルエーテル(0.38mPa・s)、メチルエチルケトン(0.38mPa・s)、テトラヒドロフラン(0.46mPa・s)、トルエン(0.55mPa・s)、オクタン(0.56mPa・s)、クロルベンゼン(1.01mPa・s)、1,2,4-トリクロロベンゼン(1.89mPa・s)、o-ジクロロベンゼン(1.26mPa・s)、ベンゼン(0.63mPa・s)、酢酸(1.1mPa・s)、トリフルオロエチルカーボネート(1.2mPa・s)、リン酸トリメチル(2.25mPa・s)、リン酸トリエチル(2.1mPa・s)、1,1,2,2-テトラフルオロエチル-2,2,2-トリフルオロエチル エーテル(0.65mPa・s)、コハク酸ジメチル(2.3mPa・s)、コハク酸ジエチル(2.45mPa・s)、メチルノナフルオロブチルエーテル(0.38mPa・s)、画エチルノナフルオロブチルエーテル(0.4mPa・s)、メチルトリデカフルオロヘキシルエーテル(0.7mPa・s)、ハイドロフルオロエーテル(0.38mPa・s)、ビス(2,2,2-トリフルオロエチル)エーテル(0.6mPa・s)、2,2,3,3,3-ペンタフルオロプロピルジフルオロメチルエーテル(1.49mPa・s)
、2,2,3,3,3-ペンタフルオロプロピル-1,1,2,2-テトラフルオロエチルエーテル(1.57mPa・s)、1,1,2,2-テトラフルオロエチルメチルエーテル(1.29mPa・s)、1,1,2,2-テトラフルオロエチルエチルエーテル(1.2mPa・s)、1,1,2,2-テトラフルオロエチル-2,2,2-トリフルオロエチルエーテル(1.5mPa・s)、1,1,2,2-テトラフルオロエチル-2,2,3,3-テトラフルオロプロピルエーテル(1.53mPa・s)、ヘキサフルオロイソプロピルメチルエーテル(1.5mPa・s)、1,1,3,3,3-ペンタフルオロ-2-トリフルオロメチルプロピルメチルエーテル(1.5mPa・s)、1,1,2,3,3,3-ヘキサフルオロプロピルメチルエーテル(1.5mPa・s)、1,1,2,3,3,3-ヘキサフルオロプロピルエチルエーテル(1.3mPa・s)、2,2,3,4,4,4-ヘキサフルオロブチルジフルオロメチルエーテル(1.5mPa・s)、メチルトリフルオロアセテート(1.3mPa・s)、エチルトリフルオロアセテート(1.3mPa・s)、メチルパーフルオロプロピネート(1.4mPa・s)、エチルパーフルオロプロピネート(1.2mPa・s)、メチルパーフルオロブチレート(1.5mPa・s)、エチルパーフルオロブチレート(1.4mPa・s)、メチルジフルオロアセテート(1.3mPa・s)、エチルジフルオロアセテート(1.1mPa・s)、エチル5H-オクタフルオロペンタネート(1.5mPa・s)、エチル7H-ドデカフルオロペンタネート(1.6mPa・s)、メチル2-トリフルオロメチル-3,3,3-トリフルオロプロピネート(1.6mPa・s)、3,3,3-トリフルオロプロピオン酸メチル(0.83mPa・s)、酢酸2,2,2-トリフルオロエチル(0.83mPa・s)、2,2,2-トリフルオロエチルメチルカーボネート(0.99mPa・s)、ジフルオロエチルカーボネート(2.49mPa・s)等を挙げることができる。
また、20℃における粘度が2.5mPa・s以下である溶媒に含まれない溶媒としては、例えば、エチレンカーボネート(固体)、プロピレンカーボネート(2.53mPa・s)、スルホラン(固体)、フルオロエチレンカーボネート(4.1mPa・s)、トリス(2,2,2-トリフルオロエチル)フォスフェート(4.0mPa・s)等を挙げることができる。
次に、本発明の実施例及び比較例を示す。
〔実施例1〕
本実施例では、まず、正極活物質としてのLiNi1/3Co1/3Mn1/3と、バインダとしてのポリフッ化ビニリデン(PVDF)と、導電助剤としてのアセチレンブラックとを、92:4:4の質量比で混合し、正極合剤層用スラリーを調製した。次に、正極集電体2としての厚さ20μmのアルミニウム箔上に前記正極合剤層用スラリーをドクターブレード法により塗布し、厚さ30μmの正極合剤層3を形成した。正極合剤層3の体積抵抗を測定した結果、3.1Ωcmであった。
次に、正極活物質としてのLiMnと、バインダとしてのスチレンブタジエンゴム(SBR)と、増粘剤としてのカルボキシメチルセルロース(CMC)とを、98:1:1の質量比で混合し、高抵抗層用スラリーを調製した。次に、正極合剤層3上に前記高抵抗層用スラリーをドクターブレード法により塗布し、厚さ25μmの高抵抗層7を形成した。高抵抗層7の体積抵抗を測定した結果、1.5×10Ωcmであった。
次に、正極合剤層3及び高抵抗層7が形成された正極集電体2を直径14mmの円板状に打ち抜いて、正極を形成した。
次に、前記負極活物質としてのハードカーボンと、前記バインダとしてのPVDFとを、95:5の質量比で混合し、負極合剤層用スラリーを調製した。次に、負極集電体4としての厚さ15μmの銅箔上に前記負極合剤層用スラリーをドクターブレード法により塗布し、厚さ32μmの負極合剤層5を形成した。次に、負極合剤層5が形成された負極集電体4を直径15mmの円板状に打ち抜いて、負極を形成した。負極合剤層5の体積抵抗は、0.1Ωcmであった。
次に、ポリエチレン製フィルムを直径19.5mmの円板状に打ち抜いて、電解液を含浸させることにより、セパレータ6を形成した。前記電解液は、エチレンカーボネートと、エチルメチルカーボネートと、ジメチルカーボネートとを、30:30:40の体積比で混合した混合溶媒に、1.0モル/Lの濃度で電解質塩としてのLiPFを溶解したものを用いた。
そして、前記正極と前記負極との間にセパレータ6を配置して重ね合わせることにより、コインセル型のリチウムイオン二次電池1を得た。
次に、本実施例で得られたリチウムイオン二次電池1を用いて充放電試験を行った。前記充放電試験では、1Cで4.15Vまで充電し、1Cで2.5Vまで放電する操作を1サイクルとして、該操作を200サイクル繰り返すことにより、サイクル性能(充放電サイクルの回数に対する容量の関係)と、充放電サイクルの回数に対する容量維持率とを測定した。サイクル性能を図2に、容量維持率を図3に、それぞれ示す。
〔実施例2〕
本実施例では、高抵抗層用スラリーを正極合剤層3上に塗布せず、セパレータ6の正極合剤層3側の表面に塗布して高抵抗層7を形成した以外は、実施例1と全く同一にして、コインセル型のリチウムイオン二次電池1を得た。
次に、本実施例で得られたリチウムイオン二次電池1を用いた以外は、実施例1と全く同一にして、充放電試験を行った。サイクル性能を図2に、容量維持率を図3に、それぞれ示す。
〔比較例1〕
本比較例では、高抵抗層7を全く形成しなかった以外は、実施例1と全く同一にして、コインセル型のリチウムイオン二次電池1を得た。
次に、本比較例で得られたリチウムイオン二次電池1を用いた以外は、実施例1と全く同一にして、充放電試験を行った。サイクル性能を図2に、容量維持率を図3に、それぞれ示す。
図2から、正極合剤層3とセパレータ6との間に高抵抗層7を備える実施例1、2のリチウムイオン二次電池1によれば、高抵抗層7を全く備えていない比較例1のリチウムイオン二次電池1に比較して容量が向上していることが明らかである。
また、図3から、正極合剤層3とセパレータ6との間に高抵抗層7を備える実施例1、2のリチウムイオン二次電池1によれば、高抵抗層7を全く備えていない比較例1のリチウムイオン二次電池1に比較して容量維持率が高くなることが明らかである。また、セパレータ6の正極合剤層3側の表面に高抵抗層7を備える実施例2のリチウムイオン二次電池1によれば、正極合剤層3のセパレータ側の表面に高抵抗層7を備える実施例1のリチウムイオン二次電池1よりもさらに容量維持率が高くなることが明らかである。実施例2のリチウムイオン二次電池1が実施例1のリチウムイオン二次電池1よりもさらに容量維持率が高くなる理由としては、高抵抗層7により正極合剤層3からセパレータ6に電子が到達することが確実に阻止される結果、電子によるセパレータ6の酸化を抑制することができるためと考えられる。
〔実施例3〕
本実施例では、まず、正極活物質として、LiNi0.5Co0.2Mn0.3を用いた以外は、実施例1と全く同一にして、正極集電体2上に正極合剤層3を形成し、正極合剤層3が形成された正極集電体2を3cm×4cmの大きさに打ち抜いて正極を形成した。次に、実施例1と全く同一にして、負極集電体4上に負極合剤層5を形成し、負極合剤層5が形成された負極集電体4を3.4cm×4.4cmの大きさに打ち抜いて、負極を形成した。
次に、正極活物質としてのLiMnと、バインダとしてのカルボキシメチルセルロース(CMC)とを、99:1の質量比で混合し、高抵抗層用スラリーを調製した。次に、ポリエチレン製フィルムの表面に、前記高抵抗層用スラリーをドクターブレード法により塗布し、厚さ8μmの高抵抗層7を形成した。高抵抗層7の体積抵抗を測定した結果、2.5×10Ωcmであった。次に、高抵抗層7が形成されたポリエチレン製フィルムを4cm×5cmの大きさに打ち抜いて、実施例1と同一の電解液を含浸させることにより、セパレータ6を形成した。
次に、前記正極と前記負極との間に、高抵抗層7が正極合剤層3側になるようにしてセパレータ6を配置して重ね合わせることによりラミネートセルを形成し、ラミネート型のリチウムイオン二次電池1を得た。
次に、本実施例で得られたリチウムイオン二次電池1を用いてレート特性試験を行った。前記レート特性試験は、0.2Cで4.15Vまで充電し、所定の放電レートで2.5Vまで放電させるときに、該放電レートを0.25、0.5、0.75、1.0、1.5、2.0、2.5、3.0、3.5、4.0Cと順次上げることにより行った。0.25Cの放電レートで放電したときの容量を100とし、これに対する各放電レートにおける容量維持率を測定した。結果を図4に示す。
〔実施例4〕
本実施例では、電解液の溶媒を、エチレンカーボネートと、エチルメチルカーボネートと、ジメチルカーボネートとを25:35:40の体積比で混合した混合溶媒とした以外は、実施例3と全く同一にして、ラミネート型のリチウムイオン二次電池1を得た。
次に、本実施例で得られたリチウムイオン二次電池1を用いた以外は、実施例3と全く同一にして、レート特性試験を行った。結果を図4に示す。
〔実施例5〕
本実施例では、電解液の溶媒を、エチレンカーボネートと、エチルメチルカーボネートと、ジメチルカーボネートとを25:35:40の体積比で混合した混合溶媒とし、該混合溶媒にポリフッ化ビニリデン・ヘキサフルオロプロピレン(PVDF-HFP)を4質量%添加し、注液後、セルを封止して、60℃の温度に1時間放置してゲル化させたゲル状態の電解液を用いた以外は、実施例3と全く同一にして、ラミネート型のリチウムイオン二次電池1を得た。
次に、本実施例で得られたリチウムイオン二次電池1を用いた以外は、実施例3と全く同一にして、レート特性試験を行った。結果を図4に示す。
〔実施例6〕
本実施例では、電解液の溶媒を、エチレンカーボネートと、エチルメチルカーボネートと、ジメチルカーボネートとを25:35:40の体積比で混合した混合溶媒とし、電解質塩の濃度を2.0モル/Lとした以外は、実施例3と全く同一にして、ラミネート型のリチウムイオン二次電池1を得た。
次に、本実施例で得られたリチウムイオン二次電池1を用いた以外は、実施例3と全く同一にして、レート特性試験を行った。結果を図4に示す。
〔実施例7〕
本実施例では、電解液の溶媒を、エチレンカーボネートと、エチルメチルカーボネートと、ジメチルカーボネートとを40:30:30の体積比で混合した混合溶媒とした以外は、実施例3と全く同一にして、ラミネート型のリチウムイオン二次電池1を得た。
次に、本比較例で得られたリチウムイオン二次電池1を用いた以外は、実施例3と全く同一にして、レート特性試験を行った。結果を図4に示す。
〔比較例2〕
本比較例では、高抵抗層7を全く形成しなかった以外は、実施例3と全く同一にして、ラミネート型のリチウムイオン二次電池1を得た。
次に、本比較例で得られたリチウムイオン二次電池1を用いた以外は、実施例3と全く同一にして、レート特性試験を行った。結果を図4に示す。
図4から、セパレータ6の正極合剤層3側の表面に高抵抗層7を備える実施例3~7のリチウムイオン二次電池1によれば、高抵抗層7を全く備えていない比較例2のリチウムイオン二次電池1に比較して、0.5~4.0Cの各放電レートにおける容量維持率が高くなることが明らかである。これは、電解液の粘度が下がったことで、高抵抗層内のリチウムイオン伝導性が向上したためであると考えられる。
また、電解液をゲル化させた実施例5のリチウムイオン二次電池1によれば、実施例3,4,7のリチウムイオン二次電池1よりもさらに、0.5~4.0Cの各放電レートにおける容量維持率が高くなることが明らかである。これは、電解液をゲル化させることにより、バインダの膨潤を抑制して、目詰まりの発生を防止することができ、リチウムイオンの伝導性が向上するためと考えられる。
また、電解質塩の濃度を2.0モル/Lとした実施例6のリチウムイオン二次電池1によれば、実施例3~5,7のリチウムイオン二次電池1よりもさらに、0.5~4.0Cの各放電レートにおける容量維持率が高くなることが明らかである。これは、電解質塩濃度を高めることで電解液中の溶媒の量が低減し、バインダの膨潤が起こりにくくなったため、目詰まりの発生を防止することができ、リチウムイオンの伝導性が向上するためと考えられる。
〔参考例1〕
本参考例では、まず、バインダとしてのカルボキシメチルセルロース(CMC)を1.2質量%の量で溶解させた水溶液をガラス板上に塗工した後、水を蒸発させ、バインダとしてのカルボキシメチルセルロース(CMC)のみからなるフィルムを作製した。次に、前記フィルムを直径20mm円板状に打ち抜いて、質量Aを測定した。
次に、前記円盤状に打ち抜いたフィルムを、エチレンカーボネートと、エチルメチルカーボネートと、ジメチルカーボネートとを、30:30:40の体積比で混合した混合溶媒に、1.0モル/Lの濃度で電解質塩としてのLiPFを溶解した電解液に浸漬し、45℃の環境下に10時間放置した。その後、前記フィルムを前記電解液から取り出し、余分な電解液をふき取ったのち、該フィルムの質量Bを測定した。そして、電解液に浸漬する前の質量Aと、浸漬後質量Bとを比較することにより、次式(1)から前記フィルムの膨潤度を算出した。結果を表1に示す。
膨潤度(%)={(質量B-質量A)/質量A}×100 ・・・(1)
〔参考例2〕
本参考例では、エチレンカーボネートと、エチルメチルカーボネートと、ジメチルカーボネートとを、25:35:40の体積比で混合し、1.0モル/Lの濃度で電解質塩としてのLiPFを溶解した電解液を用いた以外は参考例1と全く同一にして、前記フィルムの膨潤度を算出した。結果を表1に示す。
〔参考例3〕
本参考例では、エチレンカーボネートと、エチルメチルカーボネートと、ジメチルカーボネートとビス(2,2,2-トリフルオロエチル)エーテルとを、20:30:20:30の体積比で混合し、1.0モル/Lの濃度で電解質塩としてのLiPFを溶解した電解液を用いた以外は参考例1と全く同一にして、前記フィルムの膨潤度を算出した。結果を表1に示す。
〔参考例4〕
本参考例では、エチレンカーボネートと、エチルメチルカーボネートと、ジメチルカーボネートとを、25:35:40の体積比で混合した混合溶媒に、2.0モル/Lの濃度で前記電解質塩を溶解した以外は参考例1と全く同一にして、前記フィルムの膨潤度を算出した。結果を表1に示す。
〔参考例5〕
本参考例では、エチレンカーボネートと、エチルメチルカーボネートと、ジメチルカーボネートとを、40:30:30の体積比で混合し、1.0モル/Lの濃度で電解質塩としてのLiPFを溶解した電解液を用いた以外は参考例1と全く同一にして、前記フィルムの膨潤度を算出した。結果を表1に示す。
Figure 0007065013000001
表1から、20℃における粘度が2.5mPa・s以下である溶媒を電解質塩を除く該電解液全体の70~80体積%の範囲の量で含む参考例1~4の電解液によれば、前記カルボキシメチルセルロース(CMC)のみからなるフィルムの膨潤度が、20℃における粘度が2.5mPa・s以下である溶媒を電解質塩を除く該電解液全体の60体積%の範囲の量で含む参考例5の電解液よりも低くなっていることが明らかである。この結果、20℃における粘度が2.5mPa・s以下である溶媒を電解質塩を除く該電解液全体の70~80体積%の範囲の量で含む場合には、バインダの膨潤を抑制して、目詰まりの発生を防止することができ、リチウムイオンの伝導性が向上するので、レート特性の向上に寄与すると考えられる。
〔実施例8〕
本実施例では、まず、負極活物質としてのLiTi12(TLO)と、バインダとしてのスチレンブタジエンゴム(SBR)と、増粘剤としてのカルボキシメチルセルロース(CMC)とを、98:1:1の質量比で混合し、高抵抗層用スラリーを調製した。次に、ポリエチレン製フィルムの表面に前記高抵抗層用スラリーを塗布して高抵抗層7を形成し、高抵抗層7が形成されたポリエチレン製フィルムを直径19.5mmの円板状に打ち抜いた以外は、実施例1と全く同一にしてセパレータ6を形成した。高抵抗層7の体積抵抗を測定した結果、3.6×10Ωcmであった。
次に、本実施例で得られたセパレータ6を用い、高抵抗層7が負極合剤層5側になるようにセパレータ6を配置した以外は、実施例1と全く同一にしてコインセル型のリチウムイオン二次電池1を得た。
次に、本実施例で得られたリチウムイオン二次電池1を用いた以外は、実施例1と全く同一にして、充放電試験を行った。サイクル性能を図5に、容量維持率を図6に、それぞれ示す。
〔比較例3〕
本比較例では、高抵抗層7を全く形成しなかった以外は、実施例8と全く同一にして、コインセル型のリチウムイオン二次電池1を得た。
次に、本比較例で得られたリチウムイオン二次電池1を用いた以外は、実施例1と全く同一にして、充放電試験を行った。サイクル性能を図5に、容量維持率を図6に、それぞれ示す。
図5から、セパレータ6の負極合剤層5側の表面に高抵抗層7を備える実施例8のリチウムイオン二次電池1によれば、高抵抗層7を全く備えていない比較例3のリチウムイオン二次電池1に比較して容量が向上していることが明らかである。
また、図6から、セパレータ6の負極合剤層5側の表面に高抵抗層7を備える実施例8のリチウムイオン二次電池1によれば、高抵抗層7を全く備えていない比較例3のリチウムイオン二次電池1に比較して容量維持率が高くなることが明らかである。
〔実施例9〕
本実施例では、電解液として、エチレンカーボネートと、エチルメチルカーボネートと、ジメチルカーボネートとを、10:45:45の体積比で混合した混合溶媒に、1.0モル/Lの濃度で電解質塩としてのLiPFを溶解したものを用いた以外は、実施例3と全く同一にして、ラミネート型のリチウムイオン二次電池1を得た。
本実施例のリチウムイオン二次電池1は、20℃における粘度が2.5mPa・s以下である溶媒として、エチルメチルカーボネートと、ジメチルカーボネートとをその合計で、電解質塩を除く前記電解液全体の90体積%の量で含んでいる。
次に、本実施例で得られたリチウムイオン二次電池1を用いて充放電試験を行った。前記充放電試験では、1Cで4.15Vまで充電し、2Cで2.5Vまで放電する操作を1サイクルとして、該操作を50サイクル繰り返すことにより、充放電サイクルの回数に対する容量維持率を測定した。結果を図7に示す。
〔実施例10〕
本実施例では、電解液として、エチレンカーボネートと、エチルメチルカーボネートと、ジメチルカーボネートとを、25:35:40の体積比で混合した混合溶媒に、1.0モル/Lの濃度で電解質塩としてのLiPFを溶解したものを用いた以外は、実施例3と全く同一にして、ラミネート型のリチウムイオン二次電池1を得た。
本実施例のリチウムイオン二次電池1は、20℃における粘度が2.5mPa・s以下である溶媒として、エチルメチルカーボネートと、ジメチルカーボネートとをその合計で、電解質塩を除く前記電解液全体の75体積%の量で含んでいる。
次に、本実施例で得られたリチウムイオン二次電池1を用いた以外は、実施例9と全く同一にして充放電試験を行った。結果を図7に示す。
〔実施例11〕
本実施例では、電解液として、エチレンカーボネートと、エチルメチルカーボネートと、ジメチルカーボネートとを、35:30:35の体積比で混合した混合溶媒に、1.0モル/Lの濃度で電解質塩としてのLiPFを溶解したものを用いた以外は、実施例3と全く同一にして、ラミネート型のリチウムイオン二次電池1を得た。
本実施例のリチウムイオン二次電池1は、20℃における粘度が2.5mPa・s以下である溶媒として、エチルメチルカーボネートと、ジメチルカーボネートとをその合計で、電解質塩を除く前記電解液全体の65体積%の量で含んでいる。
次に、本実施例で得られたリチウムイオン二次電池1を用いた以外は、実施例9と全く同一にして充放電試験を行った。結果を図7に示す。
〔実施例12〕
本実施例では、電解液として、エチレンカーボネートと、エチルメチルカーボネートと、ジメチルカーボネートと、ビス(2,2,2-トリフルオロエチル)エーテルとを、20:30:20:30の体積比で混合した混合溶媒に、1.0モル/Lの濃度で電解質塩としてのLiPFを溶解したものを用いた以外は、実施例3と全く同一にして、ラミネート型のリチウムイオン二次電池1を得た。
本実施例のリチウムイオン二次電池1は、20℃における粘度が2.5mPa・s以下である溶媒として、エチルメチルカーボネートと、ジメチルカーボネートと、ビス(2,2,2-トリフルオロエチル)エーテルとをその合計で、電解質塩を除く前記電解液全体の80体積%の量で含んでいる。
次に、本実施例で得られたリチウムイオン二次電池1を用いた以外は、実施例9と全く同一にして充放電試験を行った。結果を図7に示す。
〔実施例13〕
本実施例では、電解液として、エチレンカーボネートと、エチルメチルカーボネートと、ジメチルカーボネートとを、5:45:50の体積比で混合した混合溶媒に、1.0モル/Lの濃度で電解質塩としてのLiPFを溶解したものを用いた以外は、実施例3と全く同一にして、ラミネート型のリチウムイオン二次電池1を得た。
本実施例のリチウムイオン二次電池1は、20℃における粘度が2.5mPa・s以下である溶媒として、エチルメチルカーボネートと、ジメチルカーボネートとをその合計で、電解質塩を除く前記電解液全体の95体積%の量で含んでいる。
次に、本実施例で得られたリチウムイオン二次電池1を用いた以外は、実施例9と全く同一にして充放電試験を行った。結果を図7に示す。
〔実施例14〕
本実施例では、電解液として、エチレンカーボネートと、エチルメチルカーボネートと、ジメチルカーボネートとを、30:30:40の体積比で混合した混合溶媒に、1.0モル/Lの濃度で電解質塩としてのLiPFを溶解したものを用いた以外は、実施例3と全く同一にして、ラミネート型のリチウムイオン二次電池1を得た。
本実施例のリチウムイオン二次電池1は、20℃における粘度が2.5mPa・s以下である溶媒として、エチルメチルカーボネートと、ジメチルカーボネートとをその合計で、電解質塩を除く前記電解液全体の70体積%の量で含んでいる。
次に、本実施例で得られたリチウムイオン二次電池1を用いた以外は、実施例9と全く同一にして充放電試験を行った。結果を図7に示す。
〔実施例15〕
本実施例では、電解液として、エチレンカーボネートと、エチルメチルカーボネートと、ジメチルカーボネートとを、60:20:20の体積比で混合した混合溶媒に、1.0モル/Lの濃度で電解質塩としてのLiPFを溶解したものを用いた以外は、実施例3と全く同一にして、ラミネート型のリチウムイオン二次電池1を得た。
本実施例のリチウムイオン二次電池1は、20℃における粘度が2.5mPa・s以下である溶媒として、エチルメチルカーボネートと、ジメチルカーボネートとをその合計で、電解質塩を除く前記電解液全体の40体積%の量で含んでいる。
次に、本実施例で得られたリチウムイオン二次電池1を用いた以外は、実施例9と全く同一にして充放電試験を行った。結果を図7に示す。
図7から、20℃における粘度が2.5mPa・s以下である溶媒を、電解質塩を除く電解液全体の70~90体積%の範囲の量で含む実施例9~12,14のリチウムイオン二次電池1によれば、該溶媒を電解質塩を除く電解液全体の95体積%の量で含む実施例13のリチウムイオン二次電池1及び40体積%の量で含む実施例15のリチウムイオン二次電池1に比較して、容量維持率が高くなることが明らかである。20℃における粘度が2.5mPa・s以下である溶媒を、電解質塩を除く電解液全体の95体積%以上の範囲の量で含む実施例13のリチウムイオン二次電池1において、実施例9~12,14のリチウムイオン二次電池1よりも容量維持率が低くなる理由としては、該電解液におけるリチウム塩の解離が進みにくくなるためと考えられる。
1…リチウムイオン二次電池、 3…正極合剤層、 5…負極合剤層、 6…セパレータ、 7…高抵抗層。

Claims (7)

  1. 正極合剤層と、負極合剤層と、該正極合剤層と該負極合剤層との間に位置するセパレータとを備えるリチウムイオン二次電池において、
    セパレータの前記正極合剤層側又は負極合剤層側の表面に、正極活物質又は負極活物質とバインダとを含み、体積抵抗が2.5×10 3 ~3.6×10 4 Ωcmである高抵抗層を備えることを特徴とするリチウムイオン二次電池。
  2. 請求項1記載のリチウムイオン二次電池において、前記セパレータに含浸される電解液は、20℃における粘度が2.5mPa・s以下である溶媒を、電解質塩を除く該電解液全体の60~95体積%の範囲の量で含むことを特徴とするリチウムイオン二次電池。
  3. 請求項2記載のリチウムイオン二次電池において、前記セパレータに含浸される電解液は、20℃における粘度が2.5mPa・s以下である溶媒を、電解質塩を除く該電解液全体の65~90体積%の範囲の量で含むことを特徴とするリチウムイオン二次電池。
  4. 請求項3記載のリチウムイオン二次電池において、前記セパレータに含浸される電解液は、20℃における粘度が2.5mPa・s以下である溶媒を、電解質塩を除く該電解液全体の70~90体積%の範囲の量で含むことを特徴とするリチウムイオン二次電池。
  5. 請求項2乃至請求項4のいずれか1項記載のリチウムイオン二次電池において、前記電解液はゲル状態であることを特徴とするリチウムイオン二次電池。
  6. 請求項2乃至請求項5のいずれか1項記載のリチウムイオン二次電池において、前記電解液は、0.1~3.5モル/Lの範囲の濃度の電解質塩を含むことを特徴とするリチウムイオン二次電池。
  7. 請求項2乃至請求項6のいずれか1項記載のリチウムイオン二次電池において、前記電解液は、1.0~2.5モル/Lの範囲の濃度の電解質塩を含むことを特徴とするリチウムイオン二次電池。
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